今回は『ヘーベルハウス徹底解説(特徴・強み、商品のおすすめ仕様を紹介)【2023年版】』というテーマでお話をしていこうと思います。
本記事を最後まで読んでいただくことで、ヘーベルハウスがどういうハウスメーカーで、何に気をつけなければならないのかがわかるようになります。
これからハウスメーカーで注文住宅の建築を検討される方は是非最後までご覧ください。
過渡期を迎えた住宅業界
今まで私はYouTubeで、ヘーベルハウスやその他のハウスメーカーの解説動画を出してきたのですが、去年2022年10月から住宅業界は過渡期になりました。
これがどういうことなのかというと、建物には断熱等級と呼ばれるものがあるのですが、それが今までは最高等級が4でした。
しかし去年2022年10月から断熱等級の最高等級が7に引き上げになったのです。
このことをイメージしやすいように簡単にお伝えをすると、本州でも北海道で建てるような家を建てましょう!ということです。
要はそれだけ断熱材を分厚く入れ、家に空いている隙間を埋め気密性を担保することで、室内の温度を快適な状態でずっと維持できる地球環境に配慮した住宅をつくらなければならなくなったわけです。
そしてこの制度改正というのは住宅業界の中でいうと、例えるならガラケーからスマホに切り替わった時と同じくらいインパクトがデカいことなのです。
ですので、ハウスメーカー各社もそのために今いろいろと対策をしているという状況でもあるわけです。
ただし、ここで問題になってくることが、担当の営業マンのアンテナの高さとリテラシーの高さ、これによって、皆さんが建てる建物の性能が大きく変わってしまうということです。
なぜなら、ハウスメーカー本体が用意するのは選択肢であって、その選択肢をチョイスするのは最終的に担当の営業マンだからです。
もう少し具体的に説明をすると、ハウスメーカー側は選択肢を用意しても「これが正解!」というのは決めません。
正解を決めてしまうと、それ以外が全てダメとなってしまい、リーチする客層の幅を縮めてしまうからですね。
だからこそ担当の営業マンがコーディネートできるように幅を持たせているのですが、先ほどもお伝えしたように、今の住宅業界は過渡期なのです。
誰が担当になるのか、自分の担当の営業マンのアンテナの高さとリテラシーの高さで提案されるものが大きく変わってきてしまうわけです。
誰もがそうだと思いますが、せっかく新築を建てたのに後々になって性能の低い仕様だったと気がついたらショックですよね。
「なんで教えてくれなかったの?」となりますよね。
そうならないために、次の章からヘーベルハウスについて詳しく解説していきます。
ヘーベルハウスの会社概要と特徴・強み
ヘーベルハウスは1972年に誕生したハウスメーカーです。
成り立ち
1960年代、高度成長期の日本の大都市圏は、深刻な住宅不足の状況にありました。
そのため旭化成は建材事業への参入を目指し、1966年、旧西ドイツのへーベルガスベトン社から後にヘーベル板と呼ばれるALC(軽量気泡コンクリート)の技術を導入。
そしてそのヘーベル板と鉄骨軸組工法を組み合わせた「ヘーベルハウス」を1972年3月に発売。
1972年11月に「旭化成ホームズ株式会社」が誕生したというのがざっくりしたヘーベルハウスの成り立ちになります。
二世帯住宅
そしてヘーベルハウスが誕生して3年後、重量鉄骨造という他社にはない強みを活かし、「二世帯住宅」という革新的な住宅形態を世に送り出します。
実は今では当たり前となっている「二世帯住宅」という言葉は、ヘーベルハウスが作った言葉なのです。
ご存知でしたか?
当時は一つ屋根の下にいながら、親と子の世帯が別れて暮らすという発想はなかったそうで、土地の事情が厳しい都会では、二世帯で協力しあって家を建てるという提案が爆発的に受けました。
象のCM
また、1993年に放映された「フレックス3」という商品のテレビCM、このCMはヘーベルハウスのつくった家がいかに頑丈な家なのかをアピールするためのもので、屋上に本物の象をのせるという今では考えられないことをしていたのです。
聞くところによると象の体重は2トン、檻ごとクレーンで吊り上げ、かなり大掛かりな撮影となったそうです。
そんな歴史的経緯もあって、今でもヘーベルハウスの住宅展示場に行くと、象のバルーンが必ず置いてあります。
中には「何で象のバルーンが置いてあるんだろう」と不思議に思われる方もいらっしゃると思いますが、実はそのCMが元なのです。
今では象のバルーンを見れば、一目でヘーベルハウスとわかり、重要なアイキャッチの役目を果たすようになっているのです。
ヘーベルハウス最大の特徴『ALC(軽量気泡コンクリート)』
ヘーベルハウスの最大の特徴は、やはりなんといっても外壁や床などに使われているALC(軽量気泡コンクリート)通称ヘーベル板です。
ALC(軽量気泡コンクリート)とは
ALCとは
の略称で、世界で約90年、日本で約50年の歴史と使用実績を誇り、現在も多くの国で使用されている建材です。
有名なところでいうと、ドイツ・クウェート・アメリカ、これらの国々でも使われているのです。
そしてそのALC、通称ヘーベル板には、主な特徴が8つあります。
- 一般的なコンクリートの約10倍の断熱性能がある。
- ヘーベル板内部にある独立気泡と直径0.05ミクロンから0.1ミクロンの細孔が調湿してくれる。
- 比重0.6という水にも浮く軽さが住まいを軽量化、地震時の建物への負荷を軽減。
- 60年以上もつ耐久性。
- 表面を加熱後30分で842度、60分で945度に上昇させ続ける耐火試験をクリア。国土交通大臣認定の耐火構造部材である。
- 10気圧の高圧蒸気と180度の高温で養生し、ヘーベル板を作成。化学変化も起こしにくい極めて安定した物質『トバモライト結晶』を形成。
- 乾燥収縮率が0.05%以下で寸法安定性がある。
- ヘーベル板内部の独立気泡が音を吸収。70dbの外の音を30db程度まで抑える。
これらの機能があるのです。
なんだか機能が盛りだくさんすぎて、スマホみたいですよね。
ただその機能性を買われて日本では
- 東京都庁
- 東京ミッドタウン
- 富士山5合目に建つ小御嶽神社
これらの所でALCが使われています。
今例に挙げた建物以外でもALCは使われているので、皆さんも調べてもらえれば「あ、ここでもALCって使われていたんだ」というのがわかっておもしろいかもしれませんね。
ALCのネガティブな意見
ただし、ALCをネットで調べてみるとわかりますが、いろんなネガティブな意見も書き込まれています。
それが大きく分けて、
- 寒冷地に弱い
- 吸水性があるから外壁に不向き
- 水を吸って凍らせると内部破壊が起きる
この3つになります。
そして当然ALCをメインで使っているヘーベルハウスは、これらのネガティブな意見をモロに食らうことになるわけです。
ただそういったネガティブな意見を目にすると、ヘーベルハウスは本当に大丈夫なのか不安になってしまいますよね?
ですのでその意見の真偽を皆さんにお伝えするべく、ALCについてもう少し深掘りをしていきます。
ネガティブな意見の真偽1:寒冷地に弱い?
まず最初に『寒冷地に弱い』ということについてです。
これに関してはヘーベルハウスが東北以北で営業をしていないために言われるケースが多いです。
実際に私が住宅営業をしている時も、「ヘーベルハウスは寒冷地に弱い建物です。その証拠にヘーベルハウスは寒い地域では営業していません。」といったような営業トークをよく耳にしていました。
確かにそうなのですよね。
例えばこれはヘーベルハウスの営業可能エリアになります。
緑色になっているところが施工可能エリアで、灰色になっているところが施工不可エリアです。
東北以北だけではなく、北陸、四国、中国地方、九州南部、沖縄などでも営業していないことがわかりますよね。
ですのでこの時点で「ヘーベルハウスは寒冷地に弱いから東北以北で営業をしていない」ではないのです。
仮に寒冷地に弱いなら、東北より下の全ての県で営業展開しているはずですからね。
ではどうしてヘーベルハウスは営業エリアを絞っているのかというと、それは重量鉄骨に需要のある地域に絞ったドミナント戦略をしているからです。
ドミナント戦略というのは、地域を絞って集中的にその地域の占有率を向上させる経営戦略のことを言います。
イメージのしやすいところで言うと、コンビニがドミナント戦略を行っている代表格ですよね。
例えば皆さんも一度は見たことがあると思うのですが、都心部ですと、道路の向かいに同じコンビニがあったり、数百メートルおきに同じコンビニチェーンが出店していたりするケースをよく目にすると思います。
あれは、
- 店舗同士が近いと、物流コスト・店舗間の移動コストが抑えられる
- エリア内で認知度が上がり、より地域に浸透しやすい
- 競合の参入を防ぐことができる
こういったメリットがあるので、地域を絞って集中的に営業エリアを展開しているのです。
そして地域を絞って集中的に営業エリアを展開することで、ヘーベルハウスの活動理念である『オールフォーロングライフ』これを達成しようとしているのです。
この話を聞いて中には「それって本当なの?」と疑問に思われた方もいると思います。
ですので1つ実例をお話しようと思います。
それが、北海道旭川市にある、ヘーベル板を使った建物が建ち並ぶ『ヘーベル通り』です。
ヘーベル通りというのは、旭化成建材と旭川市がタイアップしてつくった街並みのことなのですが、ヘーベル板は元々北海道よりも寒いドイツでつくられた建材です。
ですので北海道のような寒い地域でも、普通にヘーベル建築は建てられるのです。
実はヘーベル通りに建っている建物は、『ヘーベルハウス』とは呼ばず、『ヘーベル建築』と呼ぶのです。
なぜなら、ヘーベルハウスでは、営業所からのアクセスを加味して、60年間の無料点検などのサービスを提供できるエリアの建物を『ヘーベルハウス』としてブランド化しているのです。
言い換えれば、先ほど紹介した理念、『オールフォーロングライフ』を提供できるエリアを『ヘーベルハウス』としているわけです。
そのため営業所がない旭川では、建材の提供は行ったものの、無料点検などのサービスは付いていないのです。
というか、営業所がないので付けられないのです。
ですので旭川のヘーベル通りの建物は『ヘーベル建築』ではあるものの、『ヘーベルハウス』とは呼ばないわけです。
これがヘーベルハウスが『寒冷地に弱い』と言われることに対する1つの回答になります。
ネガティブな意見の真偽2:吸水性があるから外壁に不向き?
続いて『吸水性があるから外壁に不向き』ということについてです。
これに関して正直にお伝えすると、半分正解で半分本当です。
というのもヘーベル板は吸水性が高いのです。
それは事実で、ヘーベル板は非常に多くの微細気泡とそれをつなぐ細孔を含んでいます。
ですので毛細管現象により、表面から水が浸透しやすいのです。
そのため、水中に浸漬した場合は10~40%(容積)もの吸水率を示すと言われています。
そして吸水してしまったヘーベル板は、強度、断熱性、調湿性が低下し、ヘーベル板本来の長所を生かせなくなるのです。
しかし、ヘーベル板は吸水性が高い代わりに、乾燥もしやすい素材なのです。
つまり、吸水したヘーベル板も、放置すれば容易に乾燥して元の状態に戻るのです。
一方、ヘーベル板と外見上よく似た『一般的なコンクリート』は、「吸水→乾燥」に伴う乾燥収縮率が0.2~0.5%と大きいため、吸水乾燥後にひび割れを起こしやすいという欠点を持ちます。
これに対し、ヘーベル板は乾燥収縮率が0.025~0.05%(飽水→気乾)と非常に低いので、ひび割れを起こす可能性も低いのです。
実際にそういった背景もあって、私の知る限りヘーベル板は国内の建築実績で、累計10億㎡使われているのです。
そしてその約70%、7億㎡が建物の外壁として使われているのです。
今はもう少し多いと思いますが。
ですので「ヘーベル板は水に弱い」といった説明は、一般的なコンクリートの特徴とヘーベル板の特徴を混同している人が言うことなのです。
ただ、そうはいってもヘーベル板が『吸水性が高い』というのは事実です。
そのためヘーベルハウスで家を建てようと思っている人は『塗装』と『メンテナンス』、この2つは必ず着目して読み解く必要があります。
まず塗装に関して言うと、ヘーベルハウスは外壁に、3層仕上げの外壁塗装『ロングライフコート』を施していて、下塗り層は、工場で塗装することで精度の高い一次防水を確保しています。
更に中塗り層と上塗り層は、現場でシーリングも含めて吹き付けを実施。
塗料には水と紫外線に強い特殊原料を配合した物を採用しているため、60年間に1回の塗り替えで、外壁の美観と防水性を維持できるようになっています。
そしてメンテナンスに関してですが、実はヘーベルハウスのメンテナンスは400万円ほどかかります。
これを聞いて「高い!」と思った方も多いはずです。
しかしこのメンテナンス費用は、防水や目地の補修など、全てコミコミの金額なのです。
更にカタログ表記の物なので、信頼性が高いという特徴があります。
というのも、実は家のメンテナンス費用は予測でしかないため、安く見せようと思えば、いくらでも安く見せられるのです。
しかしヘーベルハウスの場合は、良くも悪くもカタログベースで話します。
つまり嘘をつくことができないのです。
これに関しても、『オールフォーロングライフ』を達成するために仕掛けているヘーベルハウスの経営戦略の1つになります。
ネガティブな意見の真偽3:水を吸って凍らせると内部破壊が起きる?
そして最後に『水を吸って凍らせると内部破壊が起きる』これについてですが、先ほどもお伝えした通り、ヘーベル板は『吸水性が高い』建材です。
そしていくら乾くのが早いとはいっても、もし仮に乾かずに水が中に溜まった状態で凍ったら、確かに膨張して壊れそうですよね。
実は違うのです。
もしどこかのハウスメーカーの営業マンが「ヘーベル板は水を吸って凍らせると内部破壊が起きる」と言ってきたら、「勉強不足なんだな」と思ってください。
そもそも建材の耐久性を測る試験に『凍結融解試験』というのがあるのですが、この試験には、気中凍結気中融解試験と水中凍結水中融解試験、この2種類があります。
もう少し具体的に説明すると、気中凍結気中融解試験は、無塗装状態の建材を吸水率40%にして−20°で12時間、+10°で12時間を100サイクル行うという試験です。
水中凍結水中融解試験は、無塗装状態の建材を14日間水に浸けて、−18°から+5°を200サイクル行うという試験になります。
そしてヘーベル板は、気中凍結気中融解試験の方をクリアしているのです。
そもそも水中凍結水中融解試験の方は、水中に完全に浸かることを前提としています。
例えば、橋げたなどに使う建材に行う試験方法なのです。
そのため、戸建て住宅に求められる性能水準を超えた試験なのです。
また、水中凍結水中融解試験の前提条件は、「水中かつ無塗装で吸水」なのです。
そのため、住宅の検討に有効な指標とは考えにくいわけです。
つまり結局のところ、「水を吸って凍らせると内部破壊が起きる」という中傷トークは水中凍結水中融解試験の方の話であって、気中凍結気中融解試験をクリアしているヘーベル板には関係のない話だということです。
このような感じで、様々な憶測と誤解から中傷のターゲットになりやすいヘーベルハウスですが、実はしっかりと調べれば、きちんと実験した上で安心安全な住まいを提供していることがわかるはずです。
私よりも現場の営業マンの方が詳しいと思いますが、調べれば、ヘーベルハウスがどう考えて家づくりをしているのかがよくわかるはずです。
ということで、これからヘーベルハウスを検討されるであろう方が必ず直面する3つのこと
- ヘーベルハウスは寒冷地に弱い
- 吸水性があるから外壁に不向き
- 水を吸って凍らせると内部破壊が起きる
これらついてお話をさせていただきました。
とにかくヘーベルハウスのヘーベル板はその特性をしっかり理解するのが非常に難しいですが、
- 一般的なコンクリートの約10倍の断熱性能がある。
- ヘーベル板内部にある独立気泡と直径0.05ミクロンから0.1ミクロンの細孔が調湿してくれる。
- 比重0.6という水にも浮く軽さが住まいを軽量化、地震時の建物への負荷を軽減。
- 60年以上もつ耐久性。
- 表面を加熱後30分で842度、60分で945度に上昇させ続ける耐火試験をクリア。国土交通大臣認定の耐火構造部材である。
- 10気圧の高圧蒸気と180度の高温で養生し、ヘーベル板を作成。化学変化も起こしにくい極めて安定した物質『トバモライト結晶』を形成。
- 乾燥収縮率が0.05%以下で寸法安定性がある。
- ヘーベル板内部の独立気泡が音を吸収。70dbの外の音を30db程度まで抑える。
これら8つの性能があるということは覚えておいていただければと思います。
ヘーベルハウスの商品ラインナップ
続いてヘーベルハウスの商品説明をしていきます。
ヘーベルハウスには
- 軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造
- 重量鉄骨の重鉄制震・システムラーメン構造
- 軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
この3種類が存在します。
そしてこの3種類の中から自分達にあった構造躯体を選び、家づくりをしていくことになるわけですが、ここで恐らく多くの方が「軽量鉄骨と重量鉄骨って何が違うの?」という疑問を持たれているかと思います。
ですので構造躯体それぞれの説明に入る前に、基礎知識として軽量鉄骨と重量鉄骨の違いについて簡単に説明していきます。
軽量鉄骨と重量鉄骨の違い
軽量鉄骨と重量鉄骨の違いですが、これは非常にシンプルで、
- 鋼材の厚みが6mm未満のものが軽量鉄骨
- 鋼材の厚みが6mm以上のものが重量鉄骨
になります。
実際にヘーベルハウスも、軽量鉄骨が3.2mm、重量鉄骨が9mmの鉄骨を使っています。
そしてこの鉄骨の厚さによって、実は法定耐用年数というのが変わってきます。
具体的に言うと、鉄骨の厚さにより
- 4mm以上:34年
- 3~4mm:27年
- 3mm未満:19年
となっているのです。
つまり何が言いたいのかというと、鉄骨は厚ければ厚い分だけ建物の耐久性は上がるということです。
当然と言えば当然ですよね。
実際に3階建て以上のマンションやビルは重量鉄骨でつくられていますしね。
まとめると、軽量鉄骨と重量鉄骨で鉄の厚さが違う、ということを覚えておいてください。
それではヘーベルハウスが販売している商品の中身に入っていきます。
軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造
まずは『軽量鉄骨のハイパワード制振ALC構造』です。
こちらは40坪までの2階建てを建てるのに向いている構造躯体で、世間一般的な名称に置き換えると『ブレース構造』というものになります。
ブレース構造
『ブレース構造』とは柱、梁のほかに「筋かい」を使ったものを言うのですが、実はこの『ブレース』は、角度によって地震に対する効き具合が違うのです。
このブレースの角度が大きすぎてもダメですし、逆に小さすぎてもダメなのです。
最適角があるのです。
そのためヘーベルハウスでは、最適角を出すために、ブレースを2段積みにしているのです。
更にブレースの中心には「極低降伏点鋼(ごくていこうふくてんこう)」と呼ばれる特殊な金属をつけることで、地震の力を全てこの装置に負担させるという仕組みを取っているのです。
極低降伏点鋼とは
この極低降伏点鋼と呼ばれる非常にいかつい名前の制震装置なのですが、割とハウスメーカー界隈でディスられるケースが多いのです。
なぜなら制震装置が鉄でできているため、繰り返しの地震に対応できないと考えられているからです。
確かに普通に考えたら、「そもそも鉄が地震のエネルギーを吸収できるの?」と思ってしまいますよね。
実は違うのです。
よく勘違いされがちなのですが、ヘーベルハウスの極低降伏点鋼は実はかなりすごいのです。
それを今から説明していきます。
まずヘーベルハウスの極低降伏点鋼は日本製鉄と旭化成が住宅用にオリジナル開発したものになります。
この『オリジナル』というところがポイントで、実は極低降伏点鋼自体はわりとメジャーな素材でもあるのです。
どういうことかというと、極低降伏点鋼には高純度鉄と呼ばれる炭素含有量が0.003%以下の金属が使われているのですが、鉄内部の炭素量が極端に少ないことから、粘り強いという性質を持ち合わせています。
例えば、ジェット機のランディングギアや発電機のガスタービン、ビルなどの高層建築物など、長期使用しても疲労破壊してはいけないような重要部分に使われている素材でもあるのです。
ですので極低降伏点鋼自体、わりとメジャーな素材で、知らないだけで意外と自分たちの身の周りで使われているわけです。
へーという感じですよね。
ですのでもうこの時点で「制震装置が鉄でできているため、繰り返しの地震に対応できない」というのが違うことがわかったと思います。
少し話が逸れるのですが、極低降伏点鋼に使われている高純度鉄は一般のマーケットには流通していません。
日本では日本製鐵という企業だけしか、高純度鉄をつくることができないので、必要ならそこに依頼し、一から製造してもらわなければなりません。
極低降伏点鋼は、それだけ希少価値の高い金属でつくられています。
ここまでが一般的な極低降伏点鋼の説明になります。
極低降伏点鋼はヘーベルハウスオリジナル
先ほど、「ヘーベルハウスの極低降伏点鋼は日本製鉄と旭化成が住宅用にオリジナル開発したもの」という話をしたと思いますが、ではどこがヘーベルハウスオリジナルなのかというと、
- 化学成分
- 熱処理
この2つがヘーベルハウスの極低降伏点鋼のオリジナルな部分になります。
一応簡単に説明していくと、まず化学成分に関しては、カーボン、ニオブ、シリコン、マンガン、リン、硫黄、チタン、これらの化学成分がヘーベルハウス独自の配合比率で加えられているのです。
そして熱処理に関しては、極低降伏点鋼を製造後熱処理することで、更に靭性をアップさせ、よりエネルギー吸収量の高い素材に昇華させているのです。
イメージ的には料理の隠し味のような感じで、化学成分と熱処理、この2つの要素を極低降伏点鋼に加え、住宅用としているわけです。
要はそれだけへーベルハウスの制震装置『極低降伏点鋼』は高い技術力と細かいこだわりが詰まったものだということなのです。
そのため決して軽量鉄骨だからといって構造躯体が貧弱というわけではありません。
ということでここまでが『軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造』の説明になります。
重量鉄骨 重鉄制震・システムラーメン構造
続いて、重量鉄骨の重鉄制震・システムラーメン構造についてです。
こちらは「3階建て」や「防火地域」の建物を建てる場合に使う構造躯体で、世間一般的な名称に置き換えると『ラーメン構造』となります。
ラーメン構造とは
ラーメン構造とは、柱と梁だけで地震の力に耐えることができる構造のことで、軽量鉄骨とは違い、斜めの部材が不要なのです。
そのため、軽量鉄骨に比べてプランニングの自由度が高いという特徴があります。
ですので例えばヘーベルハウスでは、『重鉄が叶える至高のリビング』と題して
- 天井の高さを部分的にあげられる
- 2階でダウンフロアできる
というように、重鉄で家をつくる1つの売りとして商品の訴求をしています。
これらは軽量鉄骨ではできなかったことなので、間取りにこだわりたいという方にはピッタリかと思います。
制震装置サイレス
このラーメン構造は、壁やブレースといったもので地震の力に対応しているわけではないので、『揺れやすい』というマイナスの特徴があるのです。
そのため、ヘーベルハウスでは制震装置の『サイレス』と呼ばれるオイルダンパーを複数枚つけて、揺れない構造をつくっているのです。
しかもこのオイルダンパー『サイレス』は、鋼材ダンパーよりも強力で、微小な揺れでも効果を発揮してくれるのです。
そのため揺れやすい鉄骨造の家でも快適に暮らせるわけです。
これが『重量鉄骨の重鉄制震・システムラーメン構造』の説明になります。
軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
そして最後に『軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』についてです。
こちらは主に40坪から60坪までの2階建てを建てる場合に使われる構造躯体で、ヘーベルハウスの中では最新の構造躯体になります。
コストパフォーマンスと建物の機能性、両方を兼ね備えているのが特徴です。
では、これが一体どういうことかというと、実はヘーベルハウスは先ほど説明してきた
- 軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造
- 重量鉄骨 重鉄制震・システムラーメン構造
これらの2つの商品しかありませんでした。
ただ軽量鉄骨は
- 鉄骨を大量生産ができるため、製造単価を抑えることができる
というメリットがある反面、
- 重鉄に比べると耐久性が劣る
- 柱を多くして壁に筋交いを入れる必要があるため、間取りに制限が出る
というデメリットが存在します。
一方で重量鉄骨は
- 耐久性が高い
- 軽量鉄骨づくりの建築物に比べて柱の数が少ないため、設計の自由度が高い
というメリットがあるものの、その反面
- 鉄骨自体が分厚いためコストがかかる
というデメリットがあります。
そのためお客さんからしたら「軽量鉄骨は重量鉄骨に比べたら強度は下がるし、かといって重量鉄骨にしたらオーバースペックで金額も上がってしまう、どっちにすればいいんだろう……」というなんとも悩ましい状況になっていました。
つまり今までのヘーベルハウスは両極端だったのです。
ただ『重鉄制振・デュアルテックラーメン構造』が出たことにより、ちょうど中間にあたる商品カテゴリが生まれたのです。
具体的にそれぞれの商品の柱と梁の太さを見ていくと、
- 軽量鉄骨の商品『ハイパワード制震ALC構造』は厚さ3.2mmの鉄骨、 約10tの力に耐えられる柱を使用
- 軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は厚さ6mmの鉄骨、約56tの力に耐えられる柱を使用
- 重量鉄骨の商品『重鉄制震・システムラーメン構造』は厚さ9mmの鉄骨、 約79tから約100tの力に耐えられる柱を使用
このような感じで、それぞれの商品を比較してみるとわかるのですが、ちょうど中間にあたる仕様になっているのです。
更に梁についてですが、
- 軽量鉄骨の商品、ハイパワード制震ALC構造は、フランジと呼ばれる部分の幅が100mm
- 重量鉄骨の商品、重鉄制震・システムラーメン構造は、フランジと呼ばれる部分の幅が125mm
この2種類がありました。
そして『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』では、重量鉄骨の商品の『重鉄制震・システムラーメン構造』と同じ125mm幅のフランジの梁が使われているのです。
つまり柱と梁の特徴をまとめると、『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は重量鉄骨の商品同様に大空間をつくりやすく、自由度の高い間取りづくりを可能としているのです。
加えてコストパフォーマンスにも優れているので、『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は、建物の機能性、コストパフォーマンス、両方を兼ね備えているということなのです。
「軽量鉄骨だと強度が心配、だけど重量鉄骨だと価格が高いしどしよう」と悩んでいる方、
あとは、重量鉄骨の大空間を取り入れつつ、金額を落としたい方、
重鉄ならではの性能と価格、どちらも妥協できない方には『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』はピッタリの商品になっているのです。
重鉄制震・デュアルテックラーメン構造を選んだ方が良い場合
ただし一方で、何でもかんでも『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』を選べば良いということでもありません。
というのも、『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は重量鉄骨の商品です。
つまり前提条件として重量鉄骨の特徴を最大限生かせる大きさの建物でないと反対にコスパが悪くなってしまう可能性があるわけです。
例えばですが、建坪の小さい家で『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』のような重量鉄骨を選んでしまうと、重量鉄骨ならではの大空間を生かしにくくなりますし、同時に建築コストが上がってしまうということなのです。
それでしたら、軽量鉄骨の商品を選んだ方が良い場合もあるのです。
それぞれの商品説明の冒頭でも少し触れていますが、実際にヘーベルハウス側でも
- 40坪までの2階建てを軽量鉄骨の『ハイパワード制震ALC構造』である『新大地やキュービック』という商品
- 40坪から60坪までの2階建てを『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』の『RATIUS RD』という商品
- 「3階建て」や「防火地域」の建物を重量鉄骨の『重鉄制震・システムラーメン構造』である『フレックス』という商品
こんなすみ分けで各商品を推奨しています。
ですので何でもかんでも『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』を選べば良いというわけでもないのでご注意ください。
重鉄制震・デュアルテックラーメン構造の制震装置
今までの話を聞いていると、人によっては『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は重量鉄骨なので制震装置は重量鉄骨の構造躯体で入る『サイレス』が入ってくるのかな?と思っている方がいるかもしれません。
確かにそう思ってしまう気持ちもわかるのですが、実は『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』に入る制震装置は『軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造』に入っている『極低降伏点鋼』になります。
これを聞くと「おいおい、重鉄なのに軽鉄の制震装置入れて大丈夫なのかよ」と思われると思うのですが、これに関してはサイレスは3階の狭い平面に一箇所、多くて二箇所付けるように設計されたものなので、2階建の40坪以上の大きい平面で四箇所も五箇所も付けるとコスパが悪いのです。
明らかにオーバースペックでそこまでいる?という感じでもあるので、極低降伏点鋼が採用されているのです。
更に『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』で極低降伏点鋼を使う場合は、アダプティブジョイントという専用の技術を使うことで、極低降伏点鋼を最大限使えるようになっています。
ですのでサイレスが入っていないからといって心配する必要はないようにきちんと設計されているので、その点は安心してもらえればと思います。
ヘーベルハウスの構造躯体のまとめ
ということでここまでの話を一旦まとめます。
ヘーベルハウスの商品である
- 軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造
- 重量鉄骨の重鉄制震・システムラーメン構造
- 軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリットの重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
この3種類の商品の説明をしてきました。
そして
- 40坪までの2階建ては軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造
- 40坪から60坪までの2階建ては重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
- 「3階建て」や「防火地域」の建物は重量鉄骨の重鉄制震・システムラーメン構造
このような感じでそれぞれの商品はすみ分けがされていますよというお話でした。
自分達が建てる家の規模と照らし合わせつつ、それぞれの構造躯体の把握をしていただければと思います。
規格住宅my DESSIN(マイデッサン)
選べる仕様に制限を設けてコストを下げている規格住宅は、注文住宅の仕様と変わらないながら、低価格で建設が可能です。
さらに買取保証という特典も魅力的です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
【追記】新商品「RATIUS|GR」と「ロングライフ全館空調」
2023年4月27日にヘーベルハウスは新商品『RATIUS | GR(ラティウス ジーアール)』と『ロングライフ全館空調』を出しました。
今回の新商品によって、ヘーベルハウスはとても良くなっています。
その新しい商品が実際にどうなのか?ということを以下の記事でご確認ください。
ヘーベルハウスでおすすめする仕様『無垢床』
ヘーベルハウスで私がおすすめする仕様、それは『無垢床』です。
個人的にヘーベルハウスで建てるなら無垢床を入れるのがマストだと思いってます。
その理由についてですが、シンプルに弱点を克服するためです。
というのも、実はヘーベルハウスは去年の11月から断熱仕様がグレードアップしているのですが、床部分の断熱材だけが以前のグレードのままなのです。
具体的にお伝えをすると、以前の断熱材は、軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造の場合
- 屋根:ネオマフォーム65mm+ポリスチレンフォーム25mm+ヘーベル板100mm
- 壁:ネオマフォーム45mm(柱周り20mm)+ヘーベル板75mm
- 床:ポリスチレンフォーム60mm+ヘーベル板100mm
だったのですが、これが
- 屋根:ネオマフォーム80mm+ポリスチレンフォーム15mm+ヘーベル板75mm
- 壁:ネオマフォーム60mm(柱周り28mm)+ポリスチレンフォーム7mm+ヘーベル板75mm
- 床:ポリスチレンフォーム60mm+ヘーベル板100mm
になりました。
要は屋根の断熱材は、全体の厚みはそのままにしつつ、断熱性能の高いネオマフォームの厚みを増量し、壁は全体的に断熱材を増やした感じですね。
ただ一方で床の断熱材はそのままです。
そして『重鉄制震・システムラーメン構造』と『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』これらの以前の断熱仕様は
- 屋根:高性能グラスウール+ポリスチレンフォーム25mm+ヘーベル板100mm
- 壁:ネオマフォーム45mm+ヘーベル板75mm
- 床:ポリスチレンフォーム60mm+ヘーベル板100mm
でした。
ただこちらもパワーアップしており、
- 屋根:ネオマフォーム80mm+ポリスチレンフォーム15mm+ヘーベル板75mm
- 壁:ネオマフォーム60mm+ポリスチレンフォーム7mm+ヘーベル板75mm
- 床:ポリスチレンフォーム60mm+ヘーベル板100mm
このような感じで変わったのです。
こちらも『ハイパワード制震ALC構造』と同様に、屋根と壁の断熱仕様がパワーアップしている形ですね。
ただし、こうやって変更点を見てみるとわかるのですが、先ほどもお伝えした通りで、床部分の断熱材だけが以前のグレードのままなのです。
そしてこの床下の断熱材の厚みは、他のメーカーと比べてもそこまで厚くないのです。
そのままだと冬場、床の底冷えの原因になるので、そこのデメリットをカバーするためには無垢床、つまりは本物の木でできているフローリングを入れること、これが重要になってくるわけです。
というのも、無垢床は本物の木でできたフローリングです。
そのため水が通る管だった部分が、そのまま空洞となって残っているのです。
その空洞が、断熱効果のある「空気層」になるので、無垢床は暖かいのです。
更に無垢床の中でも『広葉樹』よりも『針葉樹』のほうが暖かい傾向があるので、杉やヒノキといった樹種の床材を選ぶことをおすすめします。
ちなみに杉やヒノキは無垢床の中でも比較的価格がリーズナブルです。
ですのでコスト面からもおすすめですね。
ただ「ここで無垢床って大丈夫なの?メンテナンスとか大変そう。」と思われた方もいるかと思います。
その気持ちはわかりますが、メンテナンスが気になった方は是非ともこちらの動画または記事「無垢床のデメリットの真実」をご覧ください。
意外と床のメンテナンスが大変ではないということがわかると思います。
とにもかくにも、ヘーベルハウスの床の断熱材は以前と変わっておらずそこが弱点となっていたので、それを補うためにも、針葉樹の無垢床をなるべく採用するようにしましょう!
ヘーベルハウスの注意事項
そしてヘーベルハウスの注意事項です。
注意事項は
- 断熱性や機密性が低い
- 外観デザインが限られる
この2つになります。
それぞれ説明をしていきます。
断熱性や機密性が低い
まず『断熱性や機密性が低い』という点です。
ネットで調べていると、ヘーベルハウスは断熱性や機密性が低いのではないか?という指摘をよく見かけます。
これは実際その通りで、ヘーベルハウスを含めた鉄骨住宅は、材料が鉄というだけあって熱を伝えやすいですし、鉄自体が気温によって伸縮するという性質があります。
そのため木造と比較をすると、気密性を高めるのが困難なのです。
またヘーベル板に関しては、確かに『一般的なコンクリートの約10倍の断熱性能がある』というのは事実ですが、だからといってヘーベル板が完全に断熱材の代わりになるかと言われればそうではありません。
そのためヘーベルハウスを検討していると例えば「ヘーベルハウスはヘーベル板で囲まれているので、断熱材に包まれたような家をつくることができます。」「そのため、夏は涼しく、冬は暖かいです。」といった営業トークをよく耳にするようになります。
しかしこれは少し誇張しすぎているかなと思いますね。
一応、先ほども説明した通りで、ヘーベルハウス側も時代に合わせて断熱材の厚みを厚くしてきています。
またできる範囲内で気密施工をしていたりもしますが、それでもやはり木造住宅に比べると断熱性や機密性が低いことには変わりがありません。
ですのでヘーベルハウスを検討される方は『断熱性や機密性が低い』ということは覚えておいた方が良いかもしれません。
ただしヘーベルハウスは今お伝えしたようなデメリットはあるものの、一方で鉄骨住宅にしかない圧倒的な強度、これを売りにして営業展開をしています。
つまり何が言いたいのかというと、ヘーベルハウスの建物は、断熱気密性能よりも優先すべき検討項目がある場合に力を発揮する建物と言えるわけです。
具体的にお伝えをすると、例えば都心部の住宅密集地や防火地域、ハザードマップエリア、これらで家づくりをする場合、この場合は震災が起こった時に近隣の建物からも被害を受ける可能性があるわけです。
そこでヘーベルハウスの強みである圧倒的な強度が生きてくるわけです。
そして実際にヘーベルハウス側もその特徴を生かすべく、営業エリアを都市部に絞ったドミナント戦略を採用しているわけです。
ですのでヘーベルハウスで検討される方は、ヘーベルハウスで建てる意味というのをしっかりと考えてもらえればと思います。
外観デザインが限られる
そして2つ目の注意事項、外観デザインが限られるということについてです。
こちらは外壁の選択肢がヘーベル板のみに限定されるため、外観デザインが限られるというお話です。
というのも、ある程度どうにでも設計できる内装に比べ、ヘーベルハウスの外観は個性を出すことが難しく、どうしても似通ってしまいます。
そのため例えばお客さんからも「ヘーベルハウスの建物だけは区別できるんだよね。」という声がよくあがるほどです。
確かに特徴的ですから、一度認識してしまえば簡単に判断できそうですよね。
ブランドイメージがはっきりしているという点では、同じ顔の車ばかりつくっているメーカーと同じ営業方針なので、これが必ずしも悪い点というわけではありません。
ただそうはいったものの、やはり好みははっきり分かれるところかと思います。
ですので「外壁の選択肢がヘーベル板のみに限定されるため、外観デザインが限られる」こちらはヘーベルハウスを検討する上でしっかりと理解するようにしましょう。
ということでまとめると、ヘーベルハウスは断熱性・気密性は低めです。
また外観のデザインも限られてしまいます。
ただその一方で、建物の強度が求められる住宅密集地、防火地域、ハザードマップエリアなどに建築予定の方、あるいは耐久性重視の若年層の方などはヘーベルハウス向きなので、一度ヘーベルハウスを検討してみても良いと思います。
ヘーベルハウスの坪単価
最後にヘーベルハウスの坪単価についてです。
去年1年間で集めた各ハウスメーカーの資金計画書、合計1,600枚の中から値引き後の建物本体価格と建物の坪数、これを割って坪単価を算出し、中央値を出しています。
もちろん地域の特性や家族構成、中に入っている設備仕様によって金額は大きく異なります。
そのため、あくまで参考程度にしかなりませんが、それでもネットに掲載されているどこの情報よりも正確な情報になってくるとは思います。
その中でヘーベルハウスの坪単価ですが、95.2万円でした。
ヘーベルハウス以外の坪単価も含めた坪単価ランキングについてはこちらの記事をご覧ください。「2023年 大手ハウスメーカー坪単価ランキング」
ヘーベルハウス徹底解説(特徴・強み、商品のおすすめ仕様を紹介)【2023年版】のまとめ
今回は『ヘーベルハウス徹底解説(特徴・強み、商品のおすすめ仕様を紹介)【2023年版】』というテーマでお話をしてきました。
そのほかのハウスメーカー解説の記事も出すので、いろいろと見比べてみて自分達にマッチしそうなハウスメーカーを是非とも見つけてもらえればと思います。
これから注文住宅の購入を検討したいという方は、わたくし、まかろにおが提供している注文住宅オンライン相談サービス「メグリエ」で大手ハウスメーカーの優秀営業担当を無料でご紹介しています。
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