【2025】地震に強いハウスメーカー5選|耐震性の特徴をわかりやすく解説

2025年最新地震に強いハウスメーカー5選 はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約18分で読めます。

今回は、地震に強いハウスメーカーについて解説します。

2024年の年明けに大きな地震があり、多くの方が「次に家を建てるなら地震に強い家がいい」と感じたはずです。

大きな地震
画像はイメージです

ただ、実際のところは耐震等級3を確保できれば、どのハウスメーカーで建てても大きな差はありません。だからこそ、最終的には「どこなら安心できるか」という感情面での判断が重要になるのです。

もちろん、各社は「ベタ基礎だから強い」「制震装置を入れているから安心」といった説明をしますが、それらはすべて耐震等級3を取るための手段にすぎません。目的はあくまで耐震等級3を満たすことで、そのために各社が独自の工夫をしているということです。

耐震等級1~3の条件

イメージしやすくいうと、カレーをつくるときにどのルウを使うかという違いに近いです。どのルウを選んでも最終的にはカレーができあがるのと同じで、どんな手段を選んでも耐震等級3を取れば「地震に強い家」になるわけです。

そのため、手段そのものを比べてもあまり意味はなく、むしろ「安心して任せられるかどうか」が選ぶポイントになるのです。

また、地震は種類によって揺れ方がまったく異なります。次の3種類があり、震源までの距離や建築地の地盤特性によっても揺れ方は変わります。

  • 海溝型地震
  • 断層型地震
  • 火山性地震

つまり、実際に起きてみないと、建物にどれだけ被害が出るかは誰にもわからないのです。だからこそ、「このハウスメーカーなら安心できる」「このメーカーなら命を守ってくれる」と思えるかどうか、最終的には感情面での判断が欠かせません。その安心を支える材料として、各ハウスメーカーが独自に工夫した仕組みや技術があるというイメージです。

この前提をまず理解していただいた上で、今回ご紹介するのは「唯一無二の強み」を持つ大手ハウスメーカー5社です。耐震等級3を満たせば基本的にどのメーカーも地震には強いといえますが、その中で特に他社と一線を画す特徴を持つ会社があります。詳しく解説しますので、ぜひ家づくりの参考にしてみてください。

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地震に強いハウスメーカー1:積水ハウス

地震に強いハウスメーカー1:積水ハウス

積水ハウスには、「ここだけにしかない」といえる強みが3つあります。

  • 鉄骨商品で使われているシーカス
  • 木造で使われている基礎ダイレクトジョイント
  • 震災時の保証

この3つが唯一無二のポイントです。順番に説明していきます。

積水ハウスの唯一無二のポイントは3つ

鉄骨商品で使われているシーカス

1つ目は、「鉄骨商品に採用される制震装置シーカス」です。各ハウスメーカーはそれぞれ制震装置を持っており、地震エネルギーを吸収して建物の変形を抑える役割があります。

そのため、たとえばパナソニックホームズはアタックダンパー、ヘーベルハウスはハイパワードクロスとサイレス、トヨタホームはT4システム、ダイワハウスはD-NΣQSTやグランデバイス、ミサワホームはMGEOといった具合です。

  • パナソニックホームズ:アタックダンパー
パナソニックホームズ:アタックダンパー
  • ヘーベルハウス:ハイパワードクロスとサイレス
ヘーベルハウス:ハイパワードクロスとサイレス
  • トヨタホーム:T4システム
トヨタホーム:T4システム
  • ダイワハウス:鉄骨造に入るD-NΣQST(ディーネクスト)とKyureK(キュレック)、木造に入るグランデバイス
ダイワハウス:鉄骨造に入るD-NΣQSTとKyureK、木造に入るグランデバイス
  • ミサワホーム:MGEO
ミサワホーム:MGEO

このように、それぞれのハウスメーカーが制震装置を使って建物の揺れを抑える工夫をしています。 その中で、積水ハウスのシーカスは「第4世代」にあたる装置で、他社の制震装置より一段進んだ仕組みになっています。

制震装置シーカス

制震装置は次のように進化してきた流れがあり、シーカスはその最先端に位置する装置なのです。

  • 第1世代:鋼材ダンパー
  • 第2世代:オイルダンパー
  • 第3世代:高減衰ゴムダンパー
  • 第4世代:シーカス
積水ハウスの制震装置の進化

世代ごとに整理すると、第1世代の鋼材ダンパーにあたるのが次のものです。

  • ヘーベルハウス:ハイパワードクロス
  • パナソニックホームズ:タックダンパー
  • ダイワハウス:鉄骨造に入るD-NΣQST(ディーネクスト)とKyureK(キュレック)、木造に入るグランデバイス

第2世代のオイルダンパーに分類されるのが次のものです。

  • ヘーベルハウス:サイレス

第3世代の高減衰ゴムダンパーには、トヨタホームの「T4システム」とミサワホームの「MGEO」が該当します。

  • トヨタホーム:T4システム
  • ミサワホーム:MGEO

そして、積水ハウスの「シーカス」は、こうした進化の流れを踏まえて誕生した第4世代の制震装置であり、他のハウスメーカーにはない最新型の仕組みになっているのです。

積水ハウスのシーカスは、他のハウスメーカーにはない第4世代の制震装置

積水ハウスのシーカスが第4世代といわれる理由は、高減衰ゴムが外に出ない構造にあります。

これまでの制震装置を振り返ると、第1世代の鋼材ダンパーは金属疲労で長期耐久性に不安があり、第2世代のオイルダンパーは定期的なメンテナンスが欠かせませんでした。さらに第3世代の高減衰ゴムダンパーは耐久性こそ高いものの、ゴムが露出していることで劣化リスクが残っていました。

そこで、積水ハウスはゴムを完全に覆う設計を採用し、劣化の心配をなくしたのです。この仕組みを持つのは、現状では積水ハウスのシーカスだけになります。

積水ハウスの制震装置シーカス

そのため唯一無二であり、本来地震で揺れやすいとされている鉄骨住宅でも揺れにくいような地震に強い家づくりをしているわけです。

ただこの話だけを聞くと「それって積水ハウスがすごくて他のハウスメーカーはダメってこと?」「積水ハウスの肩をもっているだけでしょ?」など、そう思われた方もいると思います。

確かに積水ハウスは、独自で研究をして制震装置の最適解に辿り着いたとしています。

ただ一方で、1つの制震装置を徹底的に突き詰めてつくり込んでいるハウスメーカーもあるわけです。

例えば、ヘーベルハウスのハイパワードクロスは、特殊な金属配合によって、飛行機のランディングギアに使われるような、非常に粘りの強い特殊金属を用いて制震装置をつくっています。

ヘーベルハウスのハイパワードクロス

パナソニックホームズのアタックダンパーも同様です。

パナソニックホームズのアタックダンパー

このように、制震装置を一つの方向から徹底的に磨き上げているハウスメーカーもあるため、「積水ハウスのシーカスが第4世代だから絶対に優れている」とは言い切れません。

各社とも緻密に考え抜いたうえで商品を展開しています。ですので、シーカスが第4世代であるという事実は事実として理解しつつ、他のメーカーがどんな思想や狙いで制震装置を採用しているのかを確認することが、安心材料を持つためにも大切です。

木造で使われている基礎ダイレクトジョイント

2つ目は、「木造に採用される基礎ダイレクトジョイント」です。これは、積水ハウス独自の木造工法で、他のハウスメーカーでは再現できない唯一のつくり方になっています。

木造で使われる基礎ダイレクトジョイント

この基礎ダイレクトジョイントの大きな特徴は、日本古来の伝統工法をベースにしてつくられている点です。だからこそ、他にはない強さと安心感を備えているのです。

日本古来の工法である伝統工法をベースにつくられたもの

そもそも、ハウスメーカー各社には、それぞれ独自の構法、つまり家づくりの方法があります。

たとえば、積水ハウスの木造は「シャーウッド構法」、住友林業は「ビッグフレーム構法」、ダイワハウスの木造は「グランウッド構法」、三井ホームは「プレミアム・モノコック構法」、ミサワホームは「木質パネル接着工法」といった具合です。

  • 積水ハウスの木造:シャーウッド構法
積水ハウスの木造:シャーウッド構法
  • 住友林業:ビックフレーム構法
住友林業:ビックフレーム構法
  • ダイワハウスの木造:グランウッド構法
ダイワハウスの木造:グランウッド構法
  • 三井ホーム:プレミアム・モノコック構法
三井ホーム:プレミアム・モノコック構法
  • ミサワホーム:木質パネル接着工法
ミサワホーム:木質パネル接着工法

これらのオリジナル構法は、多くの場合、日本で一般的に使われている「在来軸組工法」や「枠組壁工法」をベースにし、それを組み合わせたり、一方に特化させたりして発展させたものです。

  • 在来軸組工法
  • 枠組壁工法
在来軸組工法と枠組壁工法

そんな中で、積水ハウスだけは、在来軸組でも枠組壁でもなく、日本古来の伝統工法を現代的に応用した構造躯体を採用しているのです。

シャーウッド構法は伝統工法をベースにつくられた構造躯体

伝統工法とは、日本古来から受け継がれてきた建築技法で、地震の力を地面へ直接逃がす仕組みを持っています。京都の五重塔にも用いられており、何百年もの間倒壊せずに残っている事実を考えると、その耐震性能の高さがどれほど優れているかがよくわかります。

京都の五重塔

ただ、この話を聞くと「じゃあ、他のハウスメーカーも伝統工法をベースにすれば良いのでは?」「なぜ、積水ハウスだけなの?」と感じる方もいると思います。

確かに一理ありますが、伝統工法を現代版にアレンジして一般的に展開するには、高度な技術力が必要です。そのため、この工法を実現できるのは積水ハウスだけであり、まさに唯一無二の強みといえます。

ちなみに少し余談ですが、建築の歴史を振り返ると、工業化に伴い装飾をそぎ落とした「モダニズム建築」が広がりました。モダニズムの建物は、LDKを横長や縦長に配置し、空間をシンプルに仕上げる特徴をもっています。

モダニズム系の建築

シンプルな空間をつくり、その上に地域ごとの特色を重ねることで、現代建築は成り立っています。日本でいえば、「和の要素」を組み込むことがその代表例です。

積水ハウスの木造シャーウッド

この視点で積水ハウスの木造シャーウッドを見てみると、それ自体が日本古来の建築手法を受け継いでいるため、まさに和の要素の塊といえます。そこにモダニズム的なシンプルさを融合させることで、独自の美しい建築を実現しているのです。

実際にSNSで積水ハウスのおしゃれな住宅が多く紹介されているのも、こうした背景があるからでしょう。建築の知識があるかどうかで見え方が大きく変わるハウスメーカーであり、「おしゃれ」の本質を理解するうえでも示唆に富んでいます。

SNS上にある積水ハウスのおしゃれな家の画像や動画

震災時の保証

3つ目は、「震災時の保証」です。耐震性能そのものに直結する仕組みではありませんが、積水ハウスならではの唯一無二の安心材料であることは間違いないので紹介します。

震災時の保証

積水ハウスには、建築途中に天災で現場が損壊した場合でも、補修費用を全額保証してくれる制度があります。

たとえば、地震で建築中の家が壊れたとすると、多くの方は「ハウスメーカーが直してくれるだろう」と思うかもしれません。ところが、実際にはほとんどのハウスメーカーが契約書で「お客様負担」と明記しており、費用をすべて施主が負担するケースが一般的です。中には折半してくれるハウスメーカーもごく一部ありますが、本当にわずかです。

その点、積水ハウスは修復費用を全額負担し、施主は一切費用を払う必要がありません。イメージとしては、引き渡しで鍵を受け取るまでの間は積水ハウスの所有物であり、その期間に損壊が起きても責任を負ってくれるという考え方です。

積水ハウスから家の鍵を受け取った時点で家の所有権が移る

引き渡しまでの間は家の所有権が積水ハウスにあるため、工事中に震災で建物が損壊しても、補修費用はすべて積水ハウスが負担します。施主が一円も支払う必要はありません。

実際に、東日本大震災の際も現場に損害は出ましたが、顧客に費用を請求することは一切ありませんでした。こうした仕組みを備えているのは、大手ハウスメーカーの中でも積水ハウスだけです。契約書にもこの全額保証が明記されており、非常に大きな安心材料といえます。

これも唯一無二になります。

ということで、

▼積水ハウスについて詳しく知りたい場合はこちら▼

【2025年最新】積水ハウスの特徴11選〜これさえ見ておけば大丈夫!〜

地震に強いハウスメーカー2:パナソニックホームズ

地震に強いハウスメーカー2:パナソニックホームズ

パナソニックホームズの唯一無二のポイントは2つあります。

  • ハウスメーカーの中で唯一、限界加振まで耐えられることを証明
  • 地震あんしん保証
パナソニックホームズの唯一無二のポイントは2つ

ハウスメーカーの中で唯一、限界加振まで耐えられることを証明している

1つ目は、「ハウスメーカーの中で唯一、限界加振まで耐えられることを証明している点」です。

パナソニックホームズは、大林組が所有する『ダイナミックス実験棟』という施設を使い、阪神・淡路大震災クラスの大地震を57回、さらに中規模地震を83回、合計140回にわたって建物を揺らし、繰り返しの地震にも耐えられることを実証しています。

『ダイナミックス実験棟』という実験施設を使って、繰り返しの地震に強いことを証明しています。

さらにその後、阪神・淡路大震災の4.3倍にあたる「限界加振」と呼ばれる、日本で実現できる最大級の震度にも耐えられることを実証しました。大手ハウスメーカーが数多くある中で、これを証明しているのはパナソニックホームズだけです。

しかも、実験では重量が約4トンにもなる「キラテックタイル」を外壁に使用し、さらに陶器瓦やソーラーパネルまで載せるというリアルな条件で行われています。

実験も実際の家をリアルに再現している

建物は、重くなるほど地震の影響を受けやすくなるため、パナソニックホームズはあえて不利な条件で実験を行っています。

さらに注目すべきは、実験の際に窓の鍵を閉めた状態で検証している点です。大きな揺れでは窓枠が歪み、ガラスが割れることもありますが、他社の実験ではアクリル板をはめているケースも多く、窓がペラペラ揺れたり不自然に反射したりしている映像がその証拠です。

その一方で、パナソニックホームズは実物同様の条件で実験を重ね、その強さを証明してきました。実際、大林組の関係者も現場を見てその性能に惚れ込み、自らパナソニックホームズで家を建てたといわれています。これが唯一無二のポイントの1つ目です。

地震あんしん保証がある

2つ目は、「地震あんしん保証」です。耐震性能そのものではありませんが、安心感を大きく高める制度なので紹介します。

地震あんしん保証

パナソニックホームズ独自のこの保証は、家が地震で全壊や半壊した場合、最大5,000万円を上限に原状回復してくれる仕組みです。しかも保険のように掛け金は不要で、パナソニックホームズで家を建てれば必ず加入できます。以前は保証期間が引き渡しから10年間でしたが、35年に延長されました。

この制度によって、「震災で家を失うかもしれない」という最も大きな不安を解消できるのです。特に南海トラフ地震のリスクが高い地域に住む方や、「とにかく地震対策を優先したい」という方には大きな安心材料になるでしょう。

ただし、津波や地盤沈下、火災による損害は保証対象外なので、その点は理解しておく必要があります。

地震あんしん保証の保証範囲

これがパナソニックホームズの唯一無二のポイント2つ目です。さらに、直接的に耐震性能に関わる部分ではありませんが、私の印象として強く残っているのは「現場がとてもきれい」という点です。まさに「さすがパナソニックブランド」といった安心感があります。

実際に、私が運営している優秀な営業担当者と施主をつなぐサービス「メグリエ」を通じて、これまで数多くの方がパナソニックホームズで家を建てていますが、その中でクレームが一件も出ていないのです。

メグリエ

そんなハウスメーカーはパナソニックホームズだけです。これは決して誇張ではなく、もちろんパナソニックホームズから頼まれて言っているわけでもありません。 地震の強さそのものとは直接関係しませんが、施工精度の高さは家の安心感につながる大切な要素なので、1つのポイントとして覚えておいていただければと思います。

▼パナソニックホームズについて詳しく知りたい場合はこちら▼

【2025年最新】パナソニックホームズの特徴8選〜これさえ見ておけば大丈夫!〜

地震に強いハウスメーカー3:ミサワホーム

地震に強いハウスメーカー3:ミサワホーム

ミサワホームの唯一無二のポイントは1つです。

建物の揺れ幅が極限に小さい

ミサワホームの最大の特徴は、「建物の揺れ幅が極限に小さいという点です。阪神淡路大震災クラス、つまり震度7相当の地震が起きても、建物の揺れはわずか8.2mmにとどまるとされています。

震度7相当の地震が来ても、建物は8.2mmしか揺れない

たとえるなら、震度7クラスの地震が来ても建物の揺れはボールペンの横幅ほどしかないというイメージです。 ではなぜそこまで揺れを抑えられるのかというと、建物全体を高分子接着剤でしっかり固めていることが大きな理由の一つです。

高分子接着剤とよばれる接着剤

ただ、私個人としては「MGEO」と呼ばれる制震装置の存在も大きなポイントだと思っています。

制震装置のMGEOの特徴

どういうことかというと、制震装置とは、鉄骨造なら構造躯体の内部にある「ブレース」と呼ばれる斜めの部材、木造なら「筋交い」と呼ばれる斜めの部材、これらの形状を工夫して制震機能を持たせたものなのです。

構造躯体内部になるブレース

木造の場合、筋交いと呼ばれる斜めの部材を応用して制震装置にするのが一般的です。

筋交いとよばれる斜めの部材

つまり、本来筋交いが存在しない構造躯体であれば、制震装置は不要なはずです。ところがミサワホームの木質パネル接着工法は、枠組壁工法を進化させた仕組みで、通常なら筋交いを必要としない構造躯体です。

ミサワホームの木質パネル接着工法は枠組壁工法をベースに進化をさせた構造躯体

それにも関わらず、あえて制震装置を導入している点こそ、ミサワホームが過剰なまでに地震対策を重視している証拠といえます。

ミサワホームの木質パネル接着工法

その結果、建物の揺れ幅を極限まで小さく抑えられる家を実現しており、これが唯一無二の強みなのです。

建物の揺れ幅が極限に小さい家を実現

▼ミサワホームについて詳しく知りたい場合はこちら▼

【2025年最新】ミサワホームの特徴8選〜これさえ見ておけば大丈夫!〜

地震に強いハウスメーカー4:トヨタホーム

地震に強いハウスメーカー4:トヨタホーム

トヨタホームの唯一無二のポイントは1つです。

ユニット工法であるにも関わらず制震装置がついている

トヨタホームの唯一無二の強みは、「ユニット工法でありながら制震装置を搭載できる」という点です。 ユニット工法とは、鉄の箱同士を組み合わせて家をつくる方法のことで、この工法を採用しているのは「トヨタホーム」と「セキスイハイム」の2社だけです。

鉄の箱と鉄の箱を組み上げて家づくりをする工法

両社の大きな違いは、制震装置の有無にあります。セキスイハイムには制震装置が搭載されていませんが、トヨタホームでは「T4システム」と呼ばれる制震装置を導入できるのです。

T4システムとよばれる制震装置

制震装置があるかないかだけで比べれば、当然トヨタホームの方が優れていて、「地震に強いのでは?」と思われるかもしれません。ですが、先ほどのミサワホームの話を思い出してみてください。

T4システムとよばれる制震装置

制震装置というのは、もともと鉄骨造であれば構造躯体の内部にある「ブレース」と呼ばれる斜めの部材、木造であれば「筋交い」と呼ばれる斜めの部材を応用し、その形状を工夫して制震機能を持たせたものなのです。

木質パネル接着工法

つまり、本来ブレースが存在しないユニット工法では、制震装置そのものが必要ない仕組みになっているのです。

ブレースの出ないユニット工法

制震装置がなくても、十分強度を発揮できるのがユニット工法の特徴です。つまり、セキスイハイムは、あくまで原理原則に忠実な家づくりをしているといえます。

一方で、トヨタホームは制震装置を搭載しており、ミサワホームと同じように「過剰なまでに地震対策をしているハウスメーカー」も捉えられます。もちろん、将来どんな地震が起こるかは誰にもわかりませんから、過剰という考え方自体が当てはまらないのかもしれません。

いずれにせよ、トヨタホームは通常以上に徹底して地震対策を講じているハウスメーカーだという点を押さえておいてください。

地震に強いハウスメーカー5:一条工務店

地震に強いハウスメーカー5:一条工務店

一条工務店の唯一無二のポイントは2つあります。

  • 実大振動実験をしまくっている
  • 2倍耐震というオプションが存在する
一条工務店の唯一無二のポイントは2つ

実大振動実験をしまくっている

一条工務店の大きな特徴の一つが「実大振動実験を繰り返し行っている」という点です。過去に発生した地震を忠実に再現し、実物大の建物を何度も揺らすことで、その耐震性能を徹底的に検証しているのです。

実大振動実験をしまくっている

これは他のハウスメーカーには見られない特徴です。多くのメーカーは実大実験を一度きりで終わらせてしまいますが、一条工務店は過去の地震を再現し、繰り返し実験を重ねています。

では、なぜそこまで何度も行うのかというと、その結果が将来起こりうる地震を予測する手がかりになるからです。たとえば、現在国が特に警戒している大地震として挙げているのは次の3つです。

  • 南海トラフ地震
  • 首都直下地震
  • 日本海溝・千島海溝沿いの地震
南海トラフ地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝沿いの地震

その中でも特に甚大な被害が想定されているのが、南海トラフ地震です。なぜかというと、被災地域には日本の国民の半数が暮らしているからです。

最大クラスの地震が発生した場合、政府の公表資料では、直接死だけで32万3,000人、全壊・焼失家屋は200万棟を超えると予測されています。つまり、命を落とさなかったとしても、1,000万人近い人々が住まいを失い、避難所すら足りない状況に陥る可能性が高いのです。

さらに、直接死を免れたとしても、厳しい避難生活の中で病気を患い、命を落とす人も相当数出ると想定されています。日本にはそれを十分に支える医療資源がないため、「怪我をせず、住み続けられる家を確保すること」が何より重要になるのです。

だからこそ、一条工務店はハウスメーカーの中で唯一、過去の地震を再現した実大振動実験を何度も繰り返し行っています。これにより、どんな不測の事態にも対応できる強靭な家を実現しています。これが唯一無二のポイントの1つ目といえます。

2倍耐震というオプションが存在する

2つ目は「2倍耐震というオプションがある」という点です。これは一条工務店の「2×6外内ダブル断熱構法」のみのオプションではありますが、

外内ダブル断熱構法

ミッドプライウォールと呼ばれる非常に強靭な耐力壁を採用することで、耐震等級3を超える「耐震等級5相当」の住宅を実現できる仕組みです。その結果、倒壊を防ぐのはもちろん、外壁や壁紙にまで損傷が及ばないような高い耐震性能を求める方には最適なオプションといえます。

ミッドプライウォールという強靭な耐力壁

ただし、次のようなデメリットが発生します。

  • 有料オプションなので追加料金が10万円前後かかる
  • 間取り設計の制限・規制が増える

特に間取りに関するデメリットは次のようなものがあり、デザインや自由度にかなり制約が生じてしまうのです。

  • 耐力壁が増える
  • 垂れ壁が増える
  • 窓が小さく、数を増やせない
2倍耐震のデメリット

そのため、「2倍耐震」を採用する際は、デメリットも理解したうえで覚悟を持って選ぶことが大切です。

なお、「耐震等級5相当」という表現はあくまで一条工務店が独自に打ち出しているものであり、日本の基準では耐震等級3が最高ランクです。耐震等級5という公式な等級は存在しませんので、その点は誤解しないよう注意してください。

▼一条工務店について詳しく知りたい場合はこちら▼

【2025年最新】一条工務店の特徴15選〜これさえ見ておけば大丈夫!〜

まとめ

「地震に強いハウスメーカー」について解説しました。大手ハウスメーカーの中でも、次の5社は「唯一無二」といえる地震への強みを持っています。

  • 積水ハウス
  • パナソニックホームズ
  • ミサワホーム
  • トヨタホーム
  • 一条工務店

各社の特徴をまとめた記事も用意していますので、これからの家づくりでハウスメーカーを選ぶ際に、ぜひ参考にしてみてください。

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