【2025】注文住宅の予算の決め方|予算オーバーを防ぐためのチェックポイント 

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注文住宅を建てる際、予算の決め方は家づくりの成功を左右する重要なポイントです。適切な予算設定ができないと、住宅ローンの返済に追われる生活や、想定外の出費で家計が圧迫されるリスクが高まります。

今回は、返済負担率の考え方から諸費用の把握、ハウスメーカー選びのコツまで、予算オーバーを防ぎながら理想の家を建てるための具体的な方法を解説します。住宅ローンと長く付き合っていくことを見据えた、将来まで安心できる予算計画の立て方を学びましょう。

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注文住宅で予算決めが重要である理由

注文住宅の予算決め

注文住宅の予算決めは、住宅ローンの返済が家族のライフプランに大きく影響するため非常に重要です。年収に対して返済額が多すぎると教育費や老後資金が圧迫され、頭金に大きな資金を投入すると日常生活に余裕がなくなることもあります。

また、予算感はハウスメーカー選びの重要な指標にもなります。適切な価格帯で比較検討することで、効率的に理想の家づくりに近づけるでしょう。ここでは、注文住宅で予算決めが重要である主な理由を2つ解説します。

ライフプラン全体に関わるから

注文住宅の予算を決めるうえで見落とせないのは、家づくりが生活全般に及ぼす影響の大きさです。子どもの教育費や老後資金、趣味やレジャーにかかる費用など、あらゆるライフプランに住宅ローンの返済が関わってきます。

住宅ローンの返済額が収入に対して大きすぎると、子どもの進学費用を十分に準備できなかったり、老後資金が思うように貯まらなかったりするなど、家族の将来設計そのものを圧迫する可能性が高まります。

加えて、頭金として大きな額を投資した結果、手元資金が不足して日常生活に余裕がなくなるケースも珍しくありません。

繰り上げ返済や今後のライフイベントなどを考慮しながら資金計画を立てておくことで、予想外の急な出費にも柔軟に対応しやすくなります。家を建てて終わりではなく、その後数十年続く住宅ローン返済を見据えながら、家族の将来のライフステージまで一貫して考える必要があります。

ハウスメーカー選定の目安になるから

ハウスメーカーを比較する際、最初に押さえるべき指標の一つが予算感です。各ハウスメーカーは商品ラインナップや構造、性能、アフターサービスなどが異なるため、総額でどの程度のコストがかかるのか確認しておくことが重要です。

一見安そうに見えても、オプション費用が割高であったり、反対に高価格帯でも標準仕様が充実していて追加費用を抑えられたりするパターンもあります。

大手ハウスメーカー各社は、それぞれ特徴的な価格帯と構造を持っています。「自分たちの予算感ならどのメーカーの商品が合っているのか」を最初に絞り込めると、打ち合わせもスムーズに進むでしょう。

限られた時間の中で最適な家づくりを進めるには、予算から逆算して候補を絞り、ハウスメーカー選定にかかる時間やコストも最小限にするのが賢明な進め方といえます。

注文住宅の予算の決め方の流れ

注文住宅の予算の決め方の流れ

注文住宅の予算を決める際は、段階的なステップを踏むことで無理のない資金計画が立てられます。まずは年収に対する返済負担率を設定し、続いて建物本体だけではなく諸費用や付帯工事費も含めた総額を把握します。

その上で、住宅ローンの種類や金利タイプを比較・検討し、活用できる補助金や優遇制度もリサーチすることで、将来の暮らしに安心感のある予算設計が可能です。ここでは、注文住宅の予算の決め方の流れを解説します。

  1. 返済負担率を決める
  2. 諸費用と付帯工事費を見積もる
  3. 住宅ローンの種類と金利を検討する
  4. 補助金や優遇制度を活用する

ステップ1:返済負担率を決める

最初のステップとして、住宅ローンの年間返済額が年収に占める割合、いわゆる返済負担率を設定することが重要です。一般的には、年収の20〜30%を目安にすることが推奨されていますが、これはあくまで一つの指標です。

金利タイプによっても毎月の返済額は変動します。固定金利であれば返済額は安定しますが、変動金利なら金利の上昇リスクを考慮しなければなりません。

さらに、ボーナス併用返済を選ぶ場合は、ボーナスが減額されるリスクも踏まえて複数パターンのシミュレーションを行うのがおすすめです。家族構成の変化やライフイベントの時期に合わせて定期的に見直すことで、長期にわたる返済計画でも柔軟に対応できるようになります。

ステップ2:諸費用と付帯工事費を見積もる

注文住宅の費用を検討する際、建物本体の価格だけを見てしまう人は少なくありません。しかし、実際には地盤改良費や外構工事費、給排水やガス工事費、エアコンや太陽光発電の設置費など、建物本体以外に大きなコストがかかります。さらに、住宅ローン保証料、火災保険料、印紙税、不動産取得税などの諸費用も考慮が必要です。

積水ハウスやダイワハウスの場合、付帯工事費の扱いによって数百万円単位で金額が変わるケースもあります。複数社の見積もりを比較するときには、費用項目の抜け漏れがないかを徹底的に確認することが大切です。付帯工事費や諸費用を含めた総額で予算を考えることで、予算オーバーを防ぎやすくなります。

ステップ3:住宅ローンの種類と金利を検討する

総予算をある程度把握したら、続いて住宅ローンの種類と金利タイプを検討しましょう。フラット35のような長期固定金利型のローンを選ぶのか、それとも当初の金利が低い変動金利や固定期間選択型を選ぶのかは、家計やライフイベントに対する考え方によって異なります

将来的に教育資金がかさむ時期が見えているなら、金利変動リスクを避けて安定した返済額を確保できる固定金利を選ぶ選択肢もあります。また、金融機関によっては金利優遇や手数料割引といったキャンペーンを行っていることがあるため、ネット銀行も含めて比較・検討すると良いでしょう。

さらに、出産や進学といったライフイベントの際に返済条件の見直しが可能かどうか、銀行側の融資条件も細かく確認しておくと安心です。

ステップ4:補助金や優遇制度を活用する

予算を抑えるうえで見逃せないのが、国や自治体が実施している補助金や優遇制度です。

代表的なものに、住宅ローン減税やこどもエコすまい支援事業、Z世代向けの優遇制度などが挙げられます。ZEHや長期優良住宅、低炭素住宅を取得することで追加の補助金を受けられる可能性もあります。

地方自治体によっては独自の子育て支援やエコ住宅助成制度もあるため、公式サイトや担当者に必ず確認し、利用できる制度があれば早めに申し込みを行いましょう

注文住宅の予算オーバーを防ぐコツ

注文住宅で予算オーバーを防ぐには、計画段階での対策が重要です。設備やオプションに優先順位をつけ、必要なものと妥協できるものを明確にすることが第一歩です。

また、複数社の見積もりを比較し、各社の標準仕様やオプション価格の違いを把握しましょう。さらに、将来のメンテナンス費用や光熱費も含めたライフサイクルコストを考慮し、土地と建物を同時に検討することで、想定外の追加費用を未然に防ぐことができます。

ここでは、注文住宅の予算オーバーを防ぐコツを4つ紹介します。

設備の優先順位をつける

設備選びでありがちな失敗が、「あれもこれも」と欲張りすぎて予算オーバーしてしまうケースです。

キッチンや浴室、トイレといった日常でよく使う設備は使い勝手が直接的に生活の快適さに影響するため、妥協したくないという気持ちはよくわかります。特に注文住宅の場合は「せっかくの機会だから」と考えがちですが、すべてに高額なオプションを付けると予算は簡単に膨らんでしまいます。

ただし、オプションの内容が大幅に追加料金を伴う床暖房、全館空調や食洗機のグレードアップなど、導入コストとランニングコストの両面を考慮しなければならない設備も多いです。

たとえば、床暖房はエアコンより光熱費が増える可能性があり、全館空調は設置費用だけではなく、毎月の電気代や将来的なメンテナンス費用も考慮する必要があります。リビングなど家族が集まる場所の設備は優先的に検討し、寝室や収納などの設備は標準仕様でも十分機能するかを冷静に判断するのがコツです。

こだわる設備と抑えどころをしっかり分けて、家族で優先順位を明確にすることが後悔しないためのポイントです。理想を追求するあまり予算オーバーで住宅ローンの返済負担が増えるよりも、将来的な生活の余裕を確保する視点も大切にしましょう。

複数社の見積もりを比較する

限られた予算で適正な価格の家を建てるには、複数社の見積もり比較が不可欠です。少なくとも3社以上のメーカーに同じ条件を提示して見積もりを取り、建物本体価格や付帯工事費、諸費用などを細部までチェックすることが大切です。

この際、見積書の項目をしっかり分解して「何が含まれていて何が含まれていないのか」を明確にすることが重要です。見積もりの比較表を作成して、各社の金額差がどこから生じているのか分析しましょう。

標準仕様とオプションがどこまで含まれるのかも、メーカーごとに異なります。同じ「坪単価70万円」であっても、パナソニックホームズでは外壁タイルが標準になっている場合があるのに対し、他社では別途追加料金となることもあるでしょう。

また、地盤改良費や外構工事費のような本体価格以外の費用の扱いも会社によって大きく異なります。中には見積段階では安く見せておいて、契約後に追加費用が発生するケースもあるため「これは含まれているのか」と細かく確認することが大切です。

保証体制やアフターサービスの充実度も長期的に考えると重要な要素の一つとなるため、単なる価格比較にとどまらず、アフターサポートの内容や体制、過去の施工事例などを総合的に判断しましょう。

最安値を選ぶのではなく、コストパフォーマンスの高いハウスメーカーを選ぶことが、長い目で見た満足度につながります。

ライフサイクルコストを考慮する

一時的なイニシャルコストだけではなく、将来のメンテナンス費用や光熱費などを含めたライフサイクルコストに注目することも大切な視点です。

住宅は購入時の費用だけではなく、住み始めてからの維持費や修繕費も含めて考えなければ、本当のコストは見えてきません。30年以上住み続けることを考えると、初期費用を少し多めに投資して将来的な出費を抑える選択が、トータルでは経済的になるケースは少なくありません。

断熱性能や耐震性能の高さに定評のある住友林業やダイワハウス、一条工務店などでは、イニシャルコストがやや高くなる反面、光熱費や補修費の総額が長期で見ると安くなるという特徴があります。

たとえば、高断熱・高気密住宅は暖房費・冷房費を大幅に削減できるため、10年、20年と住み続けるうちに初期投資額以上の節約効果が得られることも珍しくありません。さらに、快適性や健康面でのメリットも大きいため、単純な価格比較だけでは見えない価値があります。

外壁のメンテナンス周期や屋根の材質、窓のサッシ性能など、将来の修繕リスクがどの程度かかるのかを把握することで、長い目で見たトータルコストをコントロールできます。住宅購入の際は20年、30年先までのコストシミュレーションを行い、維持管理のしやすさも含めた判断をすることで、家計の安定が図れるでしょう。

土地と建物を同時進行で検討する

土地と建物を同時進行で検討することは、予算をコントロールするうえで非常に有効な方法です。

先に土地だけを買ってしまい、いざ建物プランを考えたときに希望の間取りが成立せず、追加の地盤改良費や補強工事費が発生するケースも多くあります。土地選びの際から建てたい家のイメージを持ち、ハウスメーカーの担当者や設計士と一緒に土地を見ることで、建築上の問題点や追加コストのリスクを事前に把握できるようになります。

特に都市部では、斜線制限や建ぺい率・容積率などの法規制でプランに制限がかかり、想定より小さい建物になってしまうこともあるでしょう。北側斜線や日影規制によって2階部分が制限される土地や、高低差のある土地では擁壁工事が必要になるなど、土地によって建物の設計条件が大きく異なります。また、地盤の良し悪しによって杭工事などの追加費用が発生するリスクも考慮する必要があります。

最初から土地の形状や法規制、地盤状況などをふまえたうえで建物デザインを行えば、地盤改良費や外構費が大きく増えることを防ぎやすくなるでしょう。不整形な土地でも、その形状を活かした間取りを最初から計画することで、無理なく魅力的な住まいを実現できます。

ハウスメーカー側も土地・建物を同時契約してくれる見込みがあれば、値引きやサポート面で協力的になることが多いため、結果的に予算を抑えられることも期待できます

将来まで安心な注文住宅のローンの計画のコツ

将来まで安心して住宅ローンを返済していくには、長期的な視点での計画が欠かせません。繰り上げ返済やボーナス返済を活用したシミュレーションを行い、家族構成やライフイベントの変化に対応できる柔軟性を持たせることが大切です。最後に、注文住宅のローンの計画のコツを2つ紹介します。

なお、自分たちだけの判断に頼らず、住宅系YouTuber「まかろにお」のYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」で情報集めることで、より確実で安心感のあるローン計画を立てることができます。気になる動画を確認したり、チャンネル登録して最新情報をチェックしたりしてみてください。

繰り上げ返済やボーナス返済を活用する

長期的に返済を続けるうえでは、ローンを効率的に圧縮できる繰り上げ返済の活用がポイントになります。余剰資金ができるタイミングを設定して、返済シミュレーションを行っておくと、毎月の返済負担を抑えつつ総返済額の削減にもつながります。

ただし、繰り上げ返済の手数料や金利条件の変動には注意が必要です。またボーナス併用返済を検討する場合は、ボーナスの変動リスクを過小評価しないことが重要です。家庭の状況が変わっても、無理のない範囲で返済できるプランを定期的に見直すようにしましょう。

専門家のアドバイスを受ける

住宅ローンの借入額や返済プランを検討する際、自分たちだけで情報収集するのにも限界があります。ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで、家計全体を客観的に見直してもらい、適切な返済計画を組み立てることが可能です。

住宅系YouTuber「まかろにお」のYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」から、他の施主の事例や最新のハウスメーカー比較情報を取得することも効果的です。

まとめ

注文住宅の成功は適切な予算設定から始まります。年収に合った返済負担率の設定、建物本体だけではなく諸費用も含めた総額把握、そして住宅ローンの比較検討が基本です。

予算オーバーを防ぐには、設備の優先順位付け、複数社の見積もり比較、ライフサイクルコストの考慮が効果的です。土地と建物を同時に検討すれば、想定外の追加費用も抑えられます。

将来まで安心な返済計画のために、繰り上げ返済の活用や専門家のアドバイスも検討しましょう。当サイトメグリエ(MEGULIE)「ハウスメーカー診断」や「LINEの友だち登録」をしておけば、最新の情報を得ながら効率よく理想の家づくりに近づけます。予算設定から返済計画まで、長期的な視点で丁寧に準備することが、後悔のない家づくりのカギとなるでしょう。

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