注文住宅で外壁は一番目につく部分なので、失敗したくないと思う方が多いと思います。

昨今の外壁はメンテナンスがあまりかからないようにつくられていますし、そこまで大きな差はありませんが、やはり素材によって、耐久性や見た目は大きく異なってくるので、その辺はしっかりと特性を理解した上で選んでいただくといいでしょう。
そこで今回は、外壁材選びについて深掘っていきます。
外壁材選びの失敗事例
何を持って失敗とするかは本当に人それぞれなので、あまり「これ」と決めつけるのはよくないとは思いますが、あくまで私の視点でお伝えさせていただきます。
ペラッペラな外壁、これは失敗したなと思いやすいと思います。
なぜなら、建売とあまり変わらないですし、安っぽく見えるからです。
街中にあるような建売住宅を思い浮かべてもらえればと思うのですが、外壁に凹凸感や重厚感があるかと言われれば、そんなことはありません。

普通にのっぺりした平らな感じで、建売に重厚感があるなと感じたことはないと思います。
海外の石造りの建築と比較して、日本の戸建住宅に重厚感があるかと言ったら絶対に違います。

京都の有名な社寺仏閣はすごく太い柱を使っています。

あのような建物と戸建住宅を比べたら、やはり重厚感はありません。
特に日本の住宅は、戦後から始まった大量生産住宅の流れを組んでいるため、より効率的に、安く家を建てるためにつくられているわけです。
ですので「安いからいいだろう」「なんとなくでいいかな」という感じで進めてしまうと、結果的にのっぺりとした薄くて安っぽい外観の外壁を選んでしまい、失敗することになるのです。
具体的に、失敗しやすい素材とはどういった素材かというと、サイディングが多いです。

ただ、サイディングが悪いわけではありません。
サイディングの中にもいろいろと種類があるので、安さばかりにフォーカスして選ぶと失敗するよという話です。
サイディングの中でもよさそうなものを選ぶことで、のっぺりした外観を回避することが可能です。
何事も選び方次第です。
そこがうまくいけば、サイディングでも全然構いません。
外壁材選びでおすすめのサイディング
個人的にサイディングの中で好きな外壁が2つあるので、それをお伝えします。
OBORO
1つ目が「OBORO」という外壁です。

これは、外壁と外壁の間に目地と呼ばれるぷにぷにしたゴムのようなコーキングを使用しておらず、そのメンテナンスが不要なのです。
「OBORO」という商品名にも入っていますが、モヤがかかったようなくすんだ色味の外壁です。
そのため、引きで見たときに、ビンテージ感とまでは言いませんが、普通に塗装されたのっぺりとした外壁ではなく、雰囲気があるいい外壁だなと思います。
価格もそこまで高くありません。
SOLIDO
もう1つは「SOLIDO」です。

これは、スターバックスの店舗の外観などで使われているものです。
こちらは「OBORO」により雰囲気を出すような感じでつくられており、価格は「OBORO」より4倍くらい高いです。
サイディングの中ではかなり高級な部類ですが、経年変化した時の風合いのようなものが、最初から出ています。
しかも立体感のあるようなつくり方になっていて、サイディングの中でも非常にきれいな外壁だなと思います。
外壁材の選び方、注意点
外壁材の選び方と注意点をお伝えします。
本物であればあるほどいい
重要なのは「本物であればあるほどいい」ということです。
タイル
例えば「タイル」は陶器でできている外壁ですが、
- メンテナンス性が非常にいい
- 耐久性が高い
- 価格は高いが風合いが抜群
という特徴があります。

予算に余裕がある方は、タイルを選んでいただくと、耐久性も高くてメンテナンス性もいい外壁にできると思います。
吹き付け外壁
タイルよりは金額が安いけれど、サイディングよりは高い「吹き付け外壁」というものがあります。

吹き付けは昔、雨垂れが出てしまうこともあり、メンテナンス性はどうなの?という話も結構ありました。
ただ最近ですと「親水塗装」といって、雨水で汚れを落としてくれるような塗装が入っている吹き付け外壁もあり、それは非常にメンテナンス性が高いのです。
ハウスメーカーや工務店は「ジョリパット」を提案することが多いのですが、ジョリパットは砂がベースの外壁で、表面が結構ザラザラしているので汚れは正直つきやすいです。

しかし、価格は安いです。
吹き付け外壁は「調色」ができます。
自分の好きなように色合いを調整できるということです。
ですので、街並みに溶け込んだ外観をつくりやすいという特徴があります。
先ほど紹介したタイルなどは、結構ギラついています。
重厚感も出るのですが、「お金持ってるな」ということが、離れて見ていてもわかってしまう、少し重みがあるイメージはあります。
ですので、難しいです。
タイルにすることで高級感や重厚感が出て非常に見た目はよくなりますが、一方で引きで見た時にギラついている感が出てしまうのは、タイルの宿命としてあるかなと思います。
一方で、吹き付けは街並みに溶け込みやすいという特徴がありますが、地味なのです。
ジョリパットは安いけれど、汚れがつきやすいという特徴があります。
LENAGAS
街に溶け込むことができて、なおかつ雨垂れのような汚れが起きないなど、親水塗装がしっかりある外壁というのが「LENAGAS」です。

LENAGASというのは、吹き付け塗装の上に親水塗装が塗ってあり、水がかかると汚れをはじいてくれるという、そういう吹き付けになっています。
しかも色も選び放題です。

弱点を克服した最強の吹き付け外壁です。
しかし、タイルほどの派手さはないので、地味は地味です。
そこは少し弱点ですが、そういうものもあります。
価格は高めですが、タイルよりは安いです。
ガルバリウム
外壁の中でも特に人気だと言われている「ガルバリウム」ですが、これは工務店系の人たちのポジショントークだと思っています。

ハウスメーカーですとオリジナルの外壁を持っています。
- 積水ハウス ベルバーン
- 住友林業 シーサンドコート
- へーベルハウス へーベル板
- ダイワハウス ベルサイクス
など、ハウスメーカーはそれぞれ自社の商品で特色となるような外壁をもっているわけです。
当然、自社の外壁があるなら、それを推します。
それと対抗するかのように、ポジショントークで「ガルバリウム」と言っているだけな気がしていて、建材はそのようなオリジナルの外壁以外は市場の建材の寄せ集めで家をつくっているわけです。

ですので正直、工務店が家を建ててもハウスメーカーが家を建てても、窓ガラスの仕入れ先は同じです。
屋根材も同じです。
そうすると、やはり差別化できなくなってくるわけです。
差別化の要因として、ハウスメーカーはオリジナルの外壁をつくり、「うちはこれがいいですよ」というふうに推しています。
その外壁で家を建ててもらうと、間接的にハウスメーカーの広告宣伝にもなります。
そのためハウスメーカーは自社の外壁を推すのです。
そこに差別化要素を強くもっているので、営業マンも一生懸命推します。
そのお客さんをどのように獲得するかと考えた時に、工務店の人たちは「ガルバリウムが最強ですよ!」と言うわけです。
本当はタイルを推せばいいのです。
- 平田タイル
- LIXIL
など、タイルを販売している会社はいくらでもあります。
しかし高すぎるため、現実的ではありません。
そのため、ちょうどいいところで考え、ガルバリウムを推している気がします。
ガルバリウムはいい素材ですが「流行っているから」ということを鵜呑みにするのはよくありません。
もう少し他の選択肢を見てもいいのではないかと思います。
サイディングの中にも悪いものもあればいいものもある、鶏肉の中にも悪いものがあっていいのもある、ブラジル産もあれば国産もあります。

しかし、鶏肉は豚肉にはなれません。

豚肉の中にもよくないものもあればいいのもある、牛肉の中にも、悪いものもあればいいものもあるという話で、サイディングが吹き付け外壁になることはあり得ません。

吹き付けの中にもいいものも悪いものもあります。

ですので、しっかり調べて選ぶことが大切です。
メンテナンス
悪い外壁を選びたくないとなった時に、やはり気になるのがメンテナンスだと思います。
メンテナンスは10〜15年に1度はするものだと思っています。
お金をかけてもいいのでいいものを選びたいとなった時の選び方は、結局何を取るかではないかと思います。
豚肉の例で言うと、ちょうど松竹梅の真ん中のランクの中でいいものを選びたいと思ったとして、しかしそれは裏を返せば、「牛肉の下のランク」と価格が同じという話でもあります。
どうしても牛肉ランク=タイルの風合いがいい、メンテナンスがかかっても仕方ないと思うのであれば、牛肉の一番下のランクを選べばいいと思いますし、一方で豚肉ランクを狙いたいという話だったとしても、予算次第では鶏肉ランクの一番上のランクが取れるわけです。
そうであれば、サイディングの中の「SOLIDO」などを選べばいいという話です。
結局、悪いものはメンテナンスがかかりやすいという事実があり、いいものはメンテナンスがかかりにくいです。
その中で「松・竹・梅」「鶏・豚・牛」のどれを選ぶのかという話です。
「悪い素材」と言われているものの中でも、お金をかければメンテナンスしなくてもよくなるということです。
外壁材の選び方のまとめ
結局のところ、注文住宅は自己満足なので、自分が「いいな」と思ったものを選んでいただければいいかとは思います。
「何が合ってる」「何が間違ってる」というのは、特にありません。
あと「メンテナンス=悪」ではありません。
半永久的に長持ちする素材はほぼないわけです。
どこかのタイミングで必ずメンテナンスは必要になりますし、それで長く住み続けていくものです。
「メンテナンス=悪」とは思わず、ある程度手を入れる前提で考えていただきたいなと思います。
最終的には、自分の好きなものを選んでいただければと思います。
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