今回は、3階建てに強い大手ハウスメーカーをランキング形式にしてお伝えします。というのも、3階建ての提案は実はわりと難しくて、限られた土地の中でいかに魅力的な提案ができるかの勝負になるわけです。
そういう意味では、3階建ての提案ノウハウのあるハウスメーカーをピンポイントで選んだ方が、話を進めるにあたって何かとスムーズです。今回のランキングはきっと皆様の役に立つと思うので、これから家づくりを始める、という方はぜひとも参考にしてみてください。
3階建てに強いハウスメーカーランキング
今回のランキングは、それぞれのハウスメーカーの3階建ての「構成比」をもとに作ったランキングです。そのため、客観的な情報として、皆さんに真実をお伝えできると考えています。
第8位:住友林業(構成比3.3%)

意外な結果でしたが、住友林業で3階建てを建てる人の割合はかなり少ないということがわかりました。

確かに、住友林業と言えば「平屋」や「2階建て」の印象が強いので、考えてみればそれはそうだよなという感じではあります。
そんな住友林業ですが、『ビッグフレーム構法(BF構法)』というつくり方で家づくりをしています。

ビッグフレーム構法(BF構法)とは、従来の木造工法である軸組工法やツーバイフォー工法の欠点を解消し、木造でありながら鉄骨並みの大開口・大空間を実現しつつ、鉄骨以上の高い間取りの自由度を実現した工法のことを言います。

そして、このビッグフレーム構法は耐震性にも非常に優れており、最大加速度3,406ガルに耐え、さらに震度7の地震22回、震度4から6弱の地震に224回耐えられたとされています。

この「ガル」という数値は、地震の瞬間的な大きさを表す単位です。目安として、600ガル以上で震度7クラスの地震です。ちなみに、東日本大震災は2,699ガルなので、住友林業のビッグフレーム構法がどれだけ地震に強いかがわかりますよね。
また、一般的に大きな窓を使用すると耐震性は下がってしまいます。

しかし、実際に実験した建物を見ると、かなり大きな窓を使っていることがわかります。このことからも、住友林業のビッグフレーム構法は、大きな窓を取りながら耐震性も維持できることを証明しているわけです。
第7位:ミサワホーム(構成比3.7%)

ミサワホームは、木質パネル接着工法というつくり方で家づくりをしているハウスメーカーです。木質パネル接着工法とは、木枠の中に断熱材を入れたパネルを高分子接着剤やスクリュー釘、接合金物によって強固に面接合して家づくりをする工法のことを言います。

これにより強固な構造躯体をつくり上げることができるのですが、ミサワホームではさらに『MGEO』と呼ばれる制振装置を入れることで揺れを抑え、地震エネルギーを最大約50%軽減させているのです。

特に、阪神淡路大震災クラスの地震でも8.2mm程度しか建物が揺れないとされています。
8.2mmとは、クレジットカードの横幅と同じくらいの大きさです。阪神淡路大震災クラスの地震でも、それだけ建物の揺れを抑制できるとしているので、そこを信頼してミサワホームを選び、3階建てを建てる人がいるのではないかと思います。
第6位:ダイワハウス(構成比4.0%)

ダイワハウスは3階建てよりも5階建ての建築に強い印象ですが、3階建てというくくりで見ると第6位という結果でした。
そんなダイワハウスの鉄骨造ですが、別名『持続型耐震構造』といいます。これは、震度7クラスの地震を繰り返し受けても倒壊しない構造のことを指しています。もう少し詳しく説明すると、『D-NΣQST』と呼ばれるアルファベットのNのような形をした部材と、その下にあるΣ型デバイスという部材、これらが地震エネルギーを吸収してくれる仕組みになっているのです。

『xevoΣ(ジーヴォシグマ)』の商品名もここから来ていますが、これがあることによって、先ほどもお伝えした震度7クラスの地震を繰り返し受けても倒壊しない粘り強さをつくれるそうです。

ちなみに、『xevoΣ(ジーヴォシグマ)PREMIUM』というハイグレード仕様にすると、この『D-NΣQST』が更にパワーアップした『KyureK』というものになります。

また、基礎に関しての立ち上がり幅は業界屈指の180mm、主筋の太さも22mmとかなり太いです。

そこに直径22mmのアンカーボルトが突き刺さり、80mm角の柱とつながることで、地震時の引き抜きにも強くなっているのです。このように、『D-NΣQST』と『基礎』、これらの工夫があるので、ダイワハウスは持続型耐震構造という繰り返しの地震に強い構造をつくれているのです。
その他にも、ダイワハウスには木造もあります。木造の解説や鉄骨の商品のより詳しい解説は、こちらの記事でしているので、気になる方はご覧ください。
第5位:セキスイハイム(構成比4.3%)

第5位はセキスイハイムです。これはすごく意外でした。セキスイハイムは「ユニット工法」という鉄の箱を積み上げる工法であるが故に、本来なら狭小地が苦手なはずなのです。

しかし、まさかまさかの第5位という結果となりました。中身を見てみると、岐阜、広島あたりがセキスイハイムの3階建てが強い地域のようですね。私は関東にいるので、どおりで気がつかないわけだと思いました。

さて、そんなセキスイハイムですが、先ほどもお伝えしたように、ユニット工法というつくり方で家づくりをするハウスメーカーです。この工法は、工場で8割近く家のパーツをつくり上げるので、ほとんど狂いのない家がつくれるというメリットがあります。

そのため、職人不足が懸念される今の住宅業界においては、非常に理にかなった家づくりをしているハウスメーカーでもあるのです。
ただし、ユニット工法にはさまざまなデメリットもあるため、好き嫌いがはっきり分かれるメーカーでもあります。こちらの記事で詳しく説明しているので、セキスイハイムを検討してみたいという方がいましたら、併せてご覧ください。
第4位:積水ハウス(構成比5.6%)

みなさんご存知のように、積水ハウスは鉄骨と木造、両方の工法で住宅を販売しています。木造の3階建て商品『M’axio(マキシオ)』の人気があるイメージです。
そこにはさまざまな理由がありますが、たとえば重量鉄骨のベータと比較してマキシオの方が運搬しやすく狭小地にも対応できる、そもそもベータと比較してマキシオの方が価格が安いといったことが挙げられるでしょう。

そもそも積水ハウスの重量鉄骨のベータは坪160万円くらいするので、価格が高すぎるのです。非常に良い商品ではありますが、そこまで高額だと買える方も限られてきますし、同じ重鉄で建てるなら他のハウスメーカーの方が安かったりもするわけです。
これを考えると、第4位というのも妥当な順位なのかなと思います。その他のハウスメーカーと同様に、積水ハウスの解説記事を公開しているので、良かったら併せてご覧ください。
第3位:パナソニックホームズ(構成比6.2%)

「多層階」といったらパナソニックホームズですよね。

パナソニックホームズは、『HS構法』というつくり方で家づくりをすることがメインです。
このHS構法の正式名称は『ハイパースペース構法』です。何がハイパースペースなのかというと、HS構法は縦にも横にも15cmピッチで間取りの調整ができるのです。

つまり、それだけ細かく建物の高さと広さを調整できるため、どのような敷地形状の土地でも有効活用が可能なわけです。さらに、都心部の複雑な法規制にも柔軟に対応できます。
たとえば、2階や3階を高天井にすることで、ゆとりある広々としたリビングをつくれます。

また、2階部分にせり出すオーバーハングもつくることが可能です。

そのため、駐車場上のスペースを有効に活用できます。

このように、縦と横に15cmずつ調整が可能なHS構法は、とても幅広いプラン提案が可能な構法なのです。パナソニックホームズが3階建てに強いハウスメーカー第3位というのも納得のいく結果です。
あと、完全に個人の主観ですが、パナソニックホームズで多層階を提案できる営業マンは、割と高い確率で優秀な気がします。人が良いというか、なんというか……言語化は難しいですが、それでも多層階を建てるなら一度はパナソニックホームズを検討してみても良いかもしれません。
パナソニックホームズの詳しい解説はこちらをご覧ください。
第2位:三井ホーム(構成比6.5%)

今回一番驚いたのが、三井ホームが3階建てに強いハウスメーカーの中で第2位だということです。個人的には三井ホームが3階建てを提案しているイメージがあまりなかったのですが、それは私の勝手な印象だったようです。具体的に調べてみると、東京や京都で3階建ての受注がよく取れるようです。

三井ホームは、『プレミアム・モノコック構法』というつくり方で家づくりをしているハウスメーカーです。これは、一般的に使われている枠組壁工法、通称『ツーバイフォー工法』の屋根、床、壁、基礎、これら4つを三井ホーム独自に改良・強化した工法です。

具体的にどのように改良・強化したのか、本当はお話ししたいのですが、話が大きく脱線するので今回は割愛します。ただし、実際に三井ホームでは、東日本大震災2,699ガル、岩手・宮城内陸地震4,022ガル、これらを大きく上回る5,115ガルの地震まで耐えられたと実験でも証明されているのです。

こういった実験結果からも、三井ホームで3階建てを建築しても大丈夫だという安心感につながっているのかなと思います。
三井ホームのより詳しい解説が気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
第1位:ヘーベルハウス(構成比13.1%)

第1位は、やはりヘーベルハウスでした。都市部に特化したドミナント戦略をしているためか、東京に行くとよくヘーベルハウスの家を見かけます。さすがはヘーベルハウスといった感じです。

そして、そんなヘーベルハウスですが、実は唯一、基礎付きで実大振動実験を行っているのです。

というのも、一般的な実験ではコンクリートの基礎はつくりません。本来、基礎がある部分に鉄骨を敷き、実験装置とくっつけて行うのです。
なぜそのような形で実験を行うのかというと、それは基礎があってもなくても建物の揺れ方に影響がないという理屈だからです。わからなくもないですし、確かに基礎は非常に硬くできています。
しかし、だからといって壊れないわけではありません。建物自身の強さよりも基礎の強さが劣っている場合もあるのです。
その点、ヘーベルハウスの実験では「上部の建物だけでなく、基礎も含めて壊れない」ということが確認されています。とあるケースでの1つの結果に過ぎませんが、それでも安心材料の1つにはなりますよね。
都心部に住んでいて、災害対策をメインで考えたいという方は、ぜひとも一度ヘーベルハウスで検討してみてください。
ヘーベルハウスの解説記事もあわせて出しているので、気になる方はこちらをご覧ください。
まとめ
今回は、「3階建てに強い大手ハウスメーカーランキング」について解説しました。それぞれのハウスメーカーの3階建ての「構成比」をもとに作ったランキングは次のとおりです。
- 第8位:住友林業(構成比:3.3%)
- 第7位:ミサワホーム(構成比:3.7%)
- 第6位:ダイワハウス(構成比:4.0%)
- 第5位:セキスイハイム(構成比:4.3%)
- 第4位:積水ハウス(構成比:5.6%)
- 第3位:パナソニックホームズ(構成比:6.2%)
- 第2位:三井ホーム(構成比:6.5%)
- 第1位:ヘーベルハウス(構成比:13.1%)

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