今回は遮音性能の高いハウスメーカーランキング【2022年】ということで、遮音性能の高いハウスメーカーをランキング形式にしてお伝えしていこうと思います。
そもそも防音性能って二の次、三の次にされやすいですけど、実は注文住宅を建てる上で必ず検討しなければならない要素でもありますよね。
なぜなら、マンションなどの賃貸と比べると、一戸建ては音を通しやすい傾向にあります。
例えば木造住宅には『軸組工法』と『2X4(ツーバイフォー)工法』、大きく分けてこの2つの工法があります。
そして、どのハウスメーカーもこの2つの工法を進化させて、それぞれ独自工法として家作りをしているわけなのですが、実は『2X4(ツーバイフォー)工法』と呼ばれている作り方をベースに家作りをすると、非常に強固な作りにできるというメリットがある反面、音が反響しやすいというデメリットが発生してくるのです。
これは『2X4(ツーバイフォー)工法』の構造上、壁や床が太鼓のように音を反響させやすい形になってしまうため仕方のないことではあるのですが、これを知った上でハウスメーカーを選ぶのと、知らないでハウスメーカーを選ぶのとでは、住み心地に大きな違いが出てきそうですよね。
もちろんハウスメーカー側もそういったデメリットがあるのは分かっているので様々な対策を施しています。
しているのですが!
それでも各社、防音性能に差があると言うのは事実なのです。
では、具体的にどこを見れば各メーカーの遮音性が分かるのかというと、それって実は断熱材の厚さになります。
どういうことかというと、例えばマスクしてる人と会話する場面を思い浮かべてみてください。
マスクをしている人との会話って聞こえにくいじゃないですか。あれは、声から発せられる音の振動をマスクが遮っているから聞こえにくいのです。 それと同じで、建物も断熱材を間に挟むことによって音の振動が遮られるのです。
だから遮音性が向上するのです。
そのため遮音性を気にするなら最優先で確認するべきは、断熱材の厚さになるわけです。
ということで、今回は【2022年版】遮音性能の高いハウスメーカーランキングについてお話ししていきます。
そしてそれと同時に断熱材の厚さについてもご紹介していきます。
このランキングは私のYouTubeチャンネルで実施したアンケートの投票数及びコメント欄の反応を元にして順位付けした結果となります。
言い換えれば、みんなが選んだ遮音性能の高いハウスメーカーランキングということになります。
総投票数3378票
投票してくださった皆さん、
本当にありがとうございます!
それではランキングを見ていきましょう!
第9位 スウェーデンハウス
スウェーデンハウスはスウェーデンの住宅を輸入して家づくりをしているハウスメーカーです。
『輸入』って聞くと空輸で住宅を運んでくるの?とか思われる方が時々います。
ですのでもう少し詳しく説明すると、
「海外の設計思想による住宅を日本国内で建築する住宅」のこと、
これを輸入住宅と言います。
だから例えば、スウェーデンハウスではスウェーデンで良く使われているものの日本ではほとんど使われていない木製サッシを使って家づくりをしていたり、あとは北欧ならではの特徴的な外観の家を作っていたりするわけです。
では何故、スウェーデンにこだわるのかというと、スウェーデンは住宅先進国といわれているからです。
この辺りの話を掘り下げると非常に面白いのですが・・・今回は割愛します。
とにかく、住宅先進国と呼ばれるスウェーデンの住宅を日本に広めるために活動しているハウスメーカーがスウェーデンハウスだということです。 では、そんなスウェーデンハウスの防音性能ですが、80dBの音を48dB程度まで下げることが出来る、とされています。
これは例えるのであれば、
地下鉄に乗って窓を開けた時に聞こえる音の大きさから
図書館の中の音くらいまで静かになるということなんです。 大分違いますよね。
それくらいスウェーデンハウスの遮音性は高いということなのですが、では何故そんなにも遮音性が高いのかというとポイントは断熱材と窓です。
実はスェーデンハウスは木質パネル工法という作り方で作るので作り方的には『2X4(ツーバイフォー)工法』にかなり近い作り方です。
そのため元々、音が響きやすい作りではあるのですが、スウェーデンハウスではグラスウールという断熱材で家全体を包み込むようにして家を作るのです。
具体的にお伝えするなら、
- 天井:グラスウール10k 300mm
- 外壁:グラスウール24k 120mm
- 床:グラスウール16k 200mm
となります。
特徴としては1階と2階の間にも断熱材を設置しているということ、
そして構造躯体のつなぎ目にもグラスウールを入れているということ、
この2つかなと思います。
こうすることにより断熱性能を確保しつつ、断熱材が音の振動派を軽減してくれるのです。
更にスウェーデンハウスでは窓にトリプルサッシを採用しています。
これはガラスの厚さが通常のガラスより1mm厚い、4mmのガラスが3枚あるサッシなので、こちらも高い断熱性能を維持しつつ、遮音性も確保してくれるのです。
こんな感じでスウェーデンハウスは、
- 断熱材と窓
これらの特徴から80dBの音を48dB程度まで下げることが出来る遮音性を確保しています。
展示場で体感してみると分かりますが、スウェーデンハウスの遮音性能は本当に高いですね。
個人的にはもっとランキング上位でも良いような気がするのですが。。。
今回は9位という結果でした。
第8位 住友林業
住友林業は『木と生きる幸福』がキャッチコピーのメーカーです。
そのため色々な樹種のフローリングが使えたり、後はオシャレさを倍増させるためのアイテムがあったりと、とにかくデザイン重視の方にはお勧めの企業です。
そんな住友林業の遮音性能ですが
住友林業のメインの構法であるBF(ビックフレーム)構法の断熱材は
- 天井:高性能グラスウール24k 220mm
- 壁:高性能グラスウール24k 105mm
となります。
これにより70dbの音を35dBまで下げることが出来るとされているのです。
これはセミの鳴き声が深夜の住宅街くらいまで静かになるということになります。
また1階と2階の間には足音対策として標準で24kのグラスウールが50mmは入っているのですが、これをオプションで遮音60という仕様に変更が可能です。
更に室内と室内の間にもオプションでグラスウールを入れることができ、それによって室内から発生する音を30dBの軽減が可能となります。
住友林業は以前に音楽家の方が私の紹介で家を建てたのですが、とても満足してくれてましたね。
特にバイオリンとかチェロって木で出来ているじゃないですか。
だから楽器に合わせて無垢床を選ぶと非常に綺麗に仕上がるのです。
遮音に対して力を入れつつ、木の風合いを感じることの内装にしたい!
という方は是非とも住友林業、検討してみるといいかもしれません!
第7位 三井ホーム
三井ホームは洋風デザインの家が特徴のハウスメーカーです。
系統的にはスウェーデンハウスと同様に建物の外観の好き嫌いが人によってハッキリ分かれるハウスメーカーでもありますね。
そんな三井ホームの遮音性ですが
断熱材は
- 壁:ロックウール140mm
- 床:ビーズ式ポリスチレンフォーム80mm
となっていて、
これにより80dBの音を35dB程度まで下げられるとしています。
これは例えるなら地下鉄に乗って窓を開けた時に聞こえる音の大きさから 夜の公園のような静けさにまで音を下げられる、ということになります。
落差がすごいですよね。 また2階の床部分には制振バーやロックウールを入れることで足音が響かないように対策がされています。
更に室内壁の中にもロックウールや制振遮音材が入るので、部屋間の音も軽減してくれるのです。
ここまでの説明で三井ホームが遮音に対してかなり力を入れていることが分かるかと思います。
ではなんで、ここまで遮音に力を入れているのかというと、これはあくまで個人的な予想になるのですが、三井ホームの構造のベースが『2X4(ツーバイフォー)工法』だからなのではないかと思います。
というのも、冒頭でも説明した通り、『2X4(ツーバイフォー)工法』の家は頑強な家を作ることができるというメリットがある反面、音が響きやすいというデメリットがあります。
これはGoogleで『2X4工法 音』とかで調べれば出てきますので、気になる方は調べてみてください。
そういった背景もあるので三井ホームでは、遮音対策にはかなりの力を入れているのではないかなと思います。
第6位 一条工務店
一条工務店は『家は性能』をキャッチコピーにしている会社です。
そのため断熱性能に関してはとても力を入れているハウスメーカーになるわけなのですが、実は一条工務店は商品によって入っている断熱材が変わるのです。
具体的にお伝えすると
グラン・セゾン、セゾンF、セゾンA、百年、ブリアールは
- 天井:EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)145mm
- 壁:EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)120mm
- 床:EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)90mm
になります。
次に断熱性能が良い
アイスマイル・アイスマイル プラスは
- 天井:EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)235mm
- 壁:EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)140mm
- 床:EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)140mm
になります。
そして更に断熱性能が良いアイキューブⅠは
- 天井:EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)235mm
- 壁:EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)190mm
- 床:EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)140mm
になります。
そして更に更に断熱性能の良いアイスマート・アイキューブⅡ・グランスマートは
- 天井:高性能硬質ウレタンフォーム235mm
- 壁:内外W断熱、高性能硬質ウレタンフォーム 合計190mm
- 床:高性能硬質ウレタンフォーム140mm
になります。
こんな感じで商品ごとに4段階に分けて断熱性能のグレードアップがなされている感じなのですが、当然それに伴って遮音性能も若干違います。
ただ、一応一条工務店としては70dBの音を40dB程度まで軽減できるとしています。
これは例えるなら幹線道路の騒音を深夜の郊外くらいの静けさまで遮音してくれるという数値になるのです。
また、一条工務店の窓は3枚ガラスなのでそれもあって更に遮音性が向上しているといった感じですね。
ただし、一条工務店は発泡系の断熱材を使用しているため、音が反響しやすい、というデメリットが存在します。
ですので、外からの音は遮音できても中の音が響くので、なるべく吹き抜けを作らないなどの対策は必要かもしれません。
また、その他にも発泡系の断熱材のデメリットがあります。実は発泡系の断熱材は性能が良いとされているのですが、
その反面法律では『家の断熱性UA値を計算するときには、部分的な欠損は「みなし計算」にできるという記述があるのです。
つまり発砲系断熱材は配線や配管、また階段施工をするために断熱材をバッサリと切り欠いてもあるものとみなして計算できるということです。
そのため、法律に則った計算で出される断熱性の数値と、実際の性能に多少の乖離が出るのです。
これ知らない人が結構多いので雑学程度に覚えておいていただければと思います。
第5位 セキスイハイム
セキスイハイムはあったかハイムのCMで有名なハウスメーカーですよね。
断熱材に関しては
- 壁:高性能グラスウール 100mm16k
- 天井:高性能グラスウール 200mm16k
とそこまで厚いわけではないのですが、
一応セキスイハイムでは70dBの音を30dB程度まで軽減できるとしています。
これは幹線道路の騒音を鉛筆で文字を書く時に出る筆跡音くらいまで音を軽減してくれる、ということなのです。
ただセキスイハイムって外壁が特別厚いわけでもないですし、正直これに関しては本当かどうか分からないです。
しかしその他の例えば、寝室間の間仕切り壁には石膏ボードが2重に貼ってあって更にその壁の中には40Kという高密度のグラスウールが入っています。
あとはジョイント、ビーム、ダンパーと呼ばれる装置を二階の床につけて遮音性を高めていたりするのです。
この辺りを見る限り、室内から出る音に関してはかなり配慮している気がします。
ですので、今まで説明したことを前提に考えると元々セキスイハイムって、ユニット工法と呼ばれる鉄の箱と鉄の箱を繋げて家を作るのです。
そのため広い土地で家を建てることが多いです。
広い土地ってことは必然的に田舎の方になるので、ある程度、周辺環境に配慮すれば外からの音って気にならないのではないかな思います。
だから外よりも室内の音対策に力を入れていて、今回のランキングも5位だったのではないかという予想です。
第4位 パナソニックホームズ
パナソニックホームズは有名なパナソニックのグループ企業になるわけなのですが、
メインの構法であるHS構法の断熱材は
- 屋根 ロックウール 210mm
- 壁 ロックウール 105mm(ハイグレード仕様ロックウール160mm)
で70dBの音を20dBまで軽減。
もう一つのF構法の断熱材は
- 屋根 ロックウール 200mm
- 壁 ロックウール75mm+フェノールフォーム20mm
で70dBの音を30dBまで軽減してくれます。
これは幹線道路の騒音を木の葉が触れ合う音くらいまで軽減してくれるというレベルの遮音性能で実を言うと業界でトップクラスの性能なのですよね。
更に室内の部屋同士の音へも配慮されており、遮音間仕切り壁の中にはロックウール25mm入れることで、部屋同士の音は35dB軽減してくれます。
更に更に、HS構法であれば2階の床のALCコンクリートが遮音性を高めてくれています。
それでも足りないという方はオプションでQON-50という遮音複合システムを入れることも可能です。
実をいうと私は現在、パナソニックホームズが建てたマンションに住んでいます。
そしてそのマンションの仕様は戸建てとほぼ変わらないのですけど、本当に遮音性は高いです。
家の中にいると雨が降っていても気が付かないことも多々ありますからね。
今回4位でしたけど、妥当な順位かなと思います。
第3位 ダイワハウス
これ以降の順位はどのメーカーも壁厚が厚いです。
だから『そりゃ遮音性も高いよね』ってなるのですが、実際に見ていきましょう!
ダイワハウスはダイワマンや松坂桃李をCMで起用していることで有名なハウスメーカーですが、 80dBの音を30dBにまで低減できるとしています。
ですので、今までランキングに出てきたどのメーカーよりも遮音性能は高いことになります。
それもそのはずで、ダイワハウスって壁の中に断熱材がギチギチに詰まっているのです。
具体的に見ていくとダイワハウスの断熱グレードが3段階存在します。
先ず1段階目がスタンダードV断熱仕様と呼ばれるもので
- 天井:高性能グラスウール14k 100mm
- 壁:グラスウールボード100k 12mm+高性能グラスウール14K 120mm 合計132mm
- 床:高性能グラスウール:67mm
になります。
そして2段階目がハイクラスV断熱仕様
こちらは
- 天井:高性能グラスウール14k 100mm+高性能グラスウール16K 100mm 合計200mm
- 壁:グラスウールボード100k 12mm+高性能グラスウール14K 120mm 合計132mm
- 床:高性能グラスウール:67mm
となります。
要はスタンダードV断熱仕様と比較して屋根の断熱材が強化されているのです。
そして3段階目がエクストラV断熱仕様、これは今できる最大限の断熱仕様をてんこ盛りにしたような仕様で
- 天井:天井:セルロースファイバー25k 300mm
- 壁:グラスウールボード100k 12mm+高性能グラスウール14K 172mm 合計184mm
- 床:硬質ウレタンフォーム 60mm
になります。
断面を見てもらえればわかると思いますが、『そりゃ遮音性も高いわ』ってなりますよね。
特に3段階目がエクストラV断熱仕様にしたら、50dB以上音を軽減できそうな気がします。
今まで色んなランキングを作ってきましたが、実はダイワハウスって最強なのではないかなと思いますね。
第2位 積水ハウス
積水ハウスは、
鉄骨造だと
- 屋根、高性能グラスウール16k(200mm)
- 壁、高性能グラスウール16k(100mm)
- 床、ポリスチレンフォーム(80mm)
木造だと、
- 屋根、高性能グラスウール16k(200mm)
- 壁、高性能ロックウール16k(100mm)
- 床、ポリスチレンフォーム(80mm)
これが標準の断熱材の厚さになるのです。
ですので、これだけ見るとそこまで遮音性は普通のように思えるのですが、積水ハウスにはダインコンクリートがあるのです。
ダインコンクリートは鉄骨造の家のみで使える外壁なのですが、これが厚さ60mmもあるのです。
一般的に使われるサイディングと呼ばれる外壁の厚さ15mm程度ですから、
4倍も厚いのです。
それもあって積水の鉄骨の建物は遮音性が非常に高いものになっています。
実際に家の中にいるといつ雨が降り出したのか、分からない時がありますからね。 ただし一方で木造の遮音性能は作り方的に普通レベルです。
ですので、遮音性能を気にするのであれば鉄骨を選んだほうが良いかもしれません。
第1位 ヘーベルハウス
やっぱりヘーベルハウスが1位でした。
ヘーベルハウスが使っている外壁は、ヘーベル板と呼ばれる建材です。
ヘーベル板は通称:軽量気泡コンクリートと言われ内部に微細な気泡を内包しているのです。
そしてその微細な気泡が音を吸収するため高い遮音効果を発揮してくれるわけです。
更に断熱材も、軽量鉄骨の場合も重量鉄骨の場合も
- 壁:ネオマフォーム45mm(柱周り20mm)+ヘーベル75mm
- 床:ポリスチレンフォーム60mm+ヘーベル100mm
が入っています。
これだけ壁が厚ければそれは遮音性能も高くて当然ですよね。
私の体感としては
- ダイワハウス
- 積水ハウス
- ヘーベルハウス
この3つのメーカーであれば、さほど遮音性能に差はないと思っています。
ただしヘーベルハウス特有の外観や地震に対する強さを勘案してハウスメーカーを決める場合は、ヘーベルハウスをメインで検討してみても良いかもしれません。
遮音性能の高いハウスメーカーランキングまとめ
ということで今回は遮音性能の高いハウスメーカーランキング【2022年】ということで、遮音性能の高いハウスメーカーをランキング形式にしてお伝えしました。
まとめると
第9位 | スウェーデンハウス |
第8位 | 住友林業 |
第7位 | 三井ホーム |
第6位 | 一条工務店 |
第5位 | セキスイハイム |
第4位 | パナソニックホームズ |
第3位 | ダイワハウス |
第2位 | 積水ハウス |
第1位 | ヘーベルハウス |
以上になります。
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