今回は『【2024年最新】ミサワホームの特徴11選〜すべてがわかる!〜』というテーマでお話をしていきます。
皆さん、ハウスメーカーって世の中にたくさんありますよね?
「ネットで調べても違いがよくわからない!」「かといって、住宅展示場に行ったり、あるいは各ハウスメーカーに資料請求をしたりすると勝手に担当者がついて固定化されてしまう!」「だからうかつに動くこともできない!」
「もうどうすればいいんだ!」
そのように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ですので今回は、私がミサワホームの良い面も悪い面も忖度なく、全てお話をしていきます。
これから家づくりをされる方で、
- ミサワホームってどんな会社なのか知りたい
- ミサワホームを検討する上で注意するべきことは何かを知りたい
- 誰も知らないような情報をコッソリと教えてほしい
これらに該当する方はぜひとも最後までお読みください。
- ミサワホームの特徴1:木造住宅で初めて型式適合認定を取得した企業
- ミサワホームの特徴2:地震による家の揺れ幅が極限に少ない
- ミサワホームの特徴3:南極で基地をつくっているハウスメーカー
- ミサワホームの特徴4:油断すると耐震等級2になる
- ミサワホームの特徴5:付加断熱ができる数少ないハウスメーカー
- ミサワホームの特徴6:中空層16mmのサッシ(通称:AZサッシ)がある
- ミサワホームの特徴7:気密施工オプションが存在する
- ミサワホームの特徴8:第一種換気の熱交換率が大手ハウスメーカーNo.1
- ミサワホームの特徴9:全館空調システムコモンズエア
- ミサワホームの特徴10:バウハウスの概念が存在する
- ミサワホームの特徴11:現場の提案レベルが低下傾向にある
- 【2024年最新】ミサワホームの特徴11選〜すべてがわかる!〜のまとめ
ミサワホームの特徴1:木造住宅で初めて型式適合認定を取得した企業
『当時の常識を打ち破った接着剤』
ミサワホームは昔から業界内でいわれている大手ハウスメーカー9社のうちの1社です。
大手ハウスメーカー9社とは具体的にお伝えをすると
- ミサワホーム
- 積水ハウス
- 住友林業
- 旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
- ダイワハウス
- パナソニックホームズ
- セキスイハイム
- 三井ホーム
- トヨタホーム
以上の9社です。
その他にも会社のネームバリュー的に、一条工務店やタマホーム、住友不動産やアイ工務店なども大手ハウスメーカーというのではないかと思われる方もいると思いますが、一応業界的にはそれらのハウスメーカーは大手には該当しないというくくりになっています。
このくくりに関しては私が決めたわけではなく、業界的な話なのです。
ただ、この話をすると一定数「そんなのおかしい!」「差別している!」とコメントしてくる方がいます。
しかしそれは例えるなら「信号機の青って緑なのに、なんで青って言うんだ!」と言われているようなものなのです。
ですので、そういうものだと思ってください。
大手ハウスメーカー9社のうちの1社に入っているミサワホームですが、実は一昔前まで住宅業界を牽引していた企業でした。
なぜなら、住宅業界で初めて木造住宅の型式適合認定を取得した企業だからです。
これがどういうことかというと、そもそもの話としてミサワホームは、日本の木造建築の工法や耐震研究の第一人者として知られる東京大学名誉教授・杉山英男さん、この教え子の1人である三澤千代治さんが立ち上げたハウスメーカーになります。
三澤千代治さんは当時、戦後で家の数が少なかったことや、ベビーブームがあったこともあって、とにかく住宅の大量生産だった時代に木造で住宅の大量生産ができないかを考えたのです。
理由はシンプルで、鉄骨住宅よりも木造の方が耐震性能、断熱性能、気密性能などが有利だからです。
ただし、木造住宅の大量生産はかなりハードルが高かったのです。
それまでの住宅業界は、鉄骨で住宅の大量生産を行っていたわけですが、
鉄骨は溶接して素材を完全に一体化できることもあって、構造躯体の強度を算出しやすいのです。
ですので鉄骨住宅は、国が認めた構造躯体で家を建てる場合、構造計算などを簡略化してもいいですよという、通称、型式適合認定を取得しやすく、それによって住宅の大量生産を可能にしていたのです。
一方で木造住宅はというと、鉄骨と違って溶接ができません。
そのため強度などの問題があって、当時、型式適合認定を取るのが難しかったのです。
そのような状況を覆すべく、三澤千代治さんが何をやったのかというと、高分子接着剤という接着剤を使って、木造住宅をつくることを思いついたのです。
確かに接着剤なら、鉄を溶接するかのように木をくっつけることができますし、それによって建物の強度を上げることが可能になります。
今でこそ、飛行機や車にも接着剤は当たり前のように使われるようになりましたが、当時は接着剤に市民権がなかったわけです。
ましてや接着剤をどう評価するべきか、接着剤を使って建てられた家は本当に問題ないのか、誰にも正解がわからなかったので、議論を巻き起こすことになりました。
しかし、東大教授の杉山英男氏の力もあって、接着剤で家を建てることの評価方法を確立。
これによって、ミサワホームは木造住宅で初めて「建築基準法旧第38条 通称サンパチ認定」とよばれる今でいうところの型式適合認定の取得に成功したのです。
そしてようやく誕生したのが、ミサワホームが今も尚販売している木質パネル接着工法です。
木質パネル接着工法は、木枠の中に断熱材を入れて構造用合板をサンドして1枚のパネルを形成し、形成したパネルを先ほど少し触れた高分子接着剤とよばれる接着剤を使って、住宅をつくり上げる工法のことです。
この工法は、1棟の住宅でだいたい200種類のパネルを400枚使って建築を行うことになるのですが、とても合理的な建築方法なのです。
工場でパネルを必要枚数生産して、あとは現場に運んで接着剤を使って組み立てるだけです。
工場生産であることから当然コストを抑えられ、施工の精度も一定に保てるので、木質パネル接着工法は、間違いなく工業化住宅における1つの完成形といっても過言ではない工法です。
こういった、ある種異形ともいえることを成し遂げたため、ミサワホームは住宅業界を牽引していた企業だったのです。
とても奥深いですよね。
ちなみに完全に余談にはなるのですが、東大教授の杉山英男さんの教え子には「家は性能」のキャッチコピーで有名な、あの一条工務店の社長もいたのです。
ですのでミサワホームも一条工務店も、元を辿れば師匠は一緒で、両社ともに根底にあるのは木造住宅の工業化なのです。
1つ豆知識として覚えておいてもらえればと思います。
ミサワホームの特徴2:地震による家の揺れ幅が極限に少ない
『ハウスメーカー1揺れない家』
先ほど、ミサワホームは高分子接着剤というのを使って家づくりをしますという話をしたと思うのですが、それによってできる家は、接着剤で木材同士が溶接されているというのに等しいわけです。
わかりやすく言い換えるなら、接着剤でガッチガチに固められた家だということです。
そんなミサワホームは、そのつくり方による特性上、地震が来てもほとんど揺れないつくりになっています。
さらに、家が揺れないことへの飽くなき探究心から、『MGEO』とよばれる制震装置まで入れているくらいです。
そして、接着剤でガチガチに固めた構造躯体と制震装置の効果によって、ミサワホームでは、 阪神淡路大震災クラスの地震、つまり震度7相当の地震が来ても、建物は8.2mmしか揺れないとされています。
これは例えるなら、震度7相当の地震が来ても、ボールペンの横幅と同じくらいの大きさしか揺れないということなのです。
すごいですよね?
ミサワホームは、なぜそれだけ揺れない家を目指しているのかというと、理由は3つあります。
揺れない家を目指す理由1:内装被害の軽減
1つ目が、内装被害の軽減です。
当たり前ですが、地震に耐えられるだけではダメで、地震の後でも住み続けられる家でないと意味がないのです。
イメージしてみてください。
大地震の後、建物は無事でも家の中がぐっちゃぐちゃになってしまったらどうですか?
住めないですよね?
内装や家具などに破損があったらどうですか?
家を建てるのに何千万円という金額を払ったのに、さらに追加でその補修費用がかかることになるわけです。
そんなの嫌ですよね?
ですので、地震の後でも住み続けられる家にするために、ミサワホームは揺れない家を目指してつくっているのです。
揺れない家を目指す理由2:断熱材のズレの防止
2つ目が、断熱材のズレの防止です。
大手ハウスメーカー各社そうですが、基本的に使っている断熱材はグラスウールになります。
当然、グラスウールよりも性能の良い断熱材として、発泡系の断熱材もあるのですが、発泡系の断熱材は経年変化で縮小してしまったり、失敗すると隙間ができてしまったりして、なかなか扱いが難しいのです。
かけたお金に対して得られる断熱性能を考えると、費用対効果が1番いいのがグラスウールなのです。
そのため、各ハウスメーカー、グラスウールを使っていることが多いのですが、グラスウールはきちんと施工しなければ、本来の断熱性能を発揮できないという弱点があるのです。
しかも、最初はきちんと施工できていても、地震の揺れなどで断熱材がずれてしまっては、これまた本来の断熱性能を引き出せなくなるわけです。
こういった諸々のことがあって、ミサワホームはグラスウールを使っていて、さらには長期的なことを考えて揺れない家をつくることで、断熱材がずれない家づくりをしているのです。
揺れない家を目指す理由3:建物の気密性能の保持
3つ目が、建物の気密性能の保持です。
家の隙間がどれだけあいているのかを表す数値に、C値とよばれるものがあります。
このC値が低ければ低いほど、
- 室内の保温力が向上する
- 湿度調整がしやすくなる
- 換気がきちんとできるようになる
- ダニ、カビ、ノミ、ゴキブリの発生を抑制できる
- 室内の温度ムラを無くしやすい環境をつくれる
これらの効果を得られます。
ですので、少しでも自分達の家のC値をよくするために、勉強してC値にこだわりをもって家づくりをされる方が最近では増えてきています。
このC値という値なのですが、実は築年数が経過すればするほど劣化していくとされています。
ですので例えば、新築当初C値1であっても、数年したらC値が1.5や2になっている可能性もなくはないということです。
これだと意味がないですよね。
ですのでミサワホームでは、C値が劣化しないようにする1つの対策として、揺れない家をつくっているのです。
ということで、
- 内装被害の軽減
- 断熱材のズレの防止
- 建物の気密性能の保持
これら3つの理由があって、ミサワホームでは地震による家の揺れ幅が極限に少ない家をつくっているということでした。
ミサワホームの特徴3:南極で基地をつくっているハウスメーカー
『やがて宇宙へ・・・』
ミサワホームは、南極で基地をつくった唯一のハウスメーカーです。
ではなぜ、ミサワホームは南極で基地をつくることができたのか、これには歴史的な背景や、ミサワホームだから選ばれた理由というのが存在するのです。
というのも、1957年7月1日から1958年12月31日にかけて、国際協力によって高層気象、地磁気、電離層など、地球の物理学的調査を行う国際科学研究プロジェクトが発足しました。
この期間のことを国際地球観測年といったりするのですが、当然日本もこのプロジェクトに参加することになったのです。
そして日本が調査することになったことが、南極大陸です。
南極大陸は陸地の97%以上が平均2,300mものぶ厚い氷に覆われている大陸で、そこになんと1年をとおして滞在する必要があったのです。
そのため、居住空間を南極大陸につくらなければならないわけだったのですが、
- 厳冬期の最低気温−60℃超、風速80mのブリザードも珍しくない過酷な自然条件下でも安全で快適な建物であること
- 建設機械はないため、人力によって素人の隊員が建設できること
- 輸送の問題から、部材の大きさ・重さに制限がある
- 建設期間は最大1ヶ月
など、これらの諸条件を満たす必要がありました。
そして検討された結果、白羽の矢が立ったのがミサワホームの「木質パネル接着工法による組立式建物」だったのです。
木質パネル接着工法は、断熱性、気密性、軽量性、なにより重要な施工性が非常に優れていると評価されたことで選ばれました。
そして今現在も、ミサワホームは南極の居住スペースづくりに関わっているのです。
こういった背景からも、ミサワホームの木質パネル接着工法がいかに優れた工法かがわかるかと思います。
工業化によってコストを抑えられ、施工精度も高い水準で可能、木造住宅なので断熱性能も高く、そもそも接着材を使ってつくるため、建物の気密性能もいいわけです。
しかもガッチガチに強固であるという特徴も兼ね備えているので、考えれば考えるほど、合理を突き詰めている工法なのです。
これは、ミサワホームに言わされているとかでなく、私自身が本当に思っていることでもありますし、皆さんも住宅の勉強をすればするほど、ミサワホームの木質パネル接着工法の存在が軽視できなくなってくるはずです。
そんなミサワホームですが、宇宙空間で有人拠点をつくる際に求められる技術要素は南極においても要求されるという共通点があることから、JAXAと協力して月面の有人基地への展開を考えているそうです。
この辺りについては計画が壮大すぎて、一般人の私には理解できない話ですが、とにかくミサワホームの木質パネル接着工法は軽視できない非常に優れている工法であるということを覚えておいてもらえればと思います。
ミサワホームの特徴4:油断すると耐震等級2になる
『実は回避方法が存在する』
ここまでの話でミサワホームのことを少し持ち上げすぎたので、一旦落としておこうと思います。
「ミサワホームの回し者か!」と思われてしまうかもしれませんし、良い面も悪い面もきちんとお伝えするのが私の仕事でもあります。
今までさんざん「ミサワホームの建物は頑丈です。」というような話をしてきたと思うのですが、実はミサワホームは耐震等級が2になることがあるのです。
というか、油断すると耐震等級2になりやすい気さえします。
これがどういうことかというと、そもそもの話として耐震等級とは、地震に対する建物の強度を示す指標のひとつです。
具体的には耐震等級1、2、3という感じでランクが3段階に分かれていて、その数字が大きければ大きいほど、建物の耐震性能が高いことを表します。
そのため例えば、耐震等級は1よりも2、2よりも3の方が耐震性能は優れているということになります。
ただ2016年4月に発生した熊本地震、あの地震は最大震度6強の地震が2回、6弱の地震が3回発生しました。
これにより、耐震等級1と2の建物が軒並み倒壊してしまったのです。
こういったことがあって、今後いつ大きい地震が複数回連続してくるかわからないので、今現在世の中的には耐震等級3を取ることがマストであるとされているのです。
そのような状況にも関わらず、ミサワホームの建物は耐震等級2になることがあるわけです。
実際ネットには「ミサワホームで家を建てると、耐震等級2になります。だから耐震性能は他のハウスメーカーの方が優れています。」とか書かれていますし、そういったネットの書き込みは事実です。
これを聞くと「なんだかヤバイんじゃないの?」と思いますよね。
ただこれにはカラクリがあるのです。
ではここからは、このことの真偽について触れていきます。
実はミサワホームの木質パネル接着工法は、その特殊な建て方ゆえに耐震計算がやや複雑なのです。
そのため比較的簡単に計算できる方法として、社内にはブロックチェックシステムという計算方式が用意されているのです。
これを使うと簡単に建物の耐震性能を計算できるものの、ざっくりとしか計算できないため、耐震等級が下がってしまうのです。
一方で、確認ルート計算という方法もあって、こちらを使うとしっかりと計算できるため、耐震等級3を取れるようになります。
また、少し話がそれるのですが、簡易計算のブロックチェックシステムを使うのか、もしくはきちんと計算する確認ルート計算を使うのかで、できる間取りも大きく変わってくるのです。
というのも、ミサワホームの木質パネル接着工法は、ベースは枠組壁工法で、それを強化したのが木質パネル接着工法というようなイメージです。
そのため、ミサワホームの木質パネル接着工法は、枠組壁工法のデメリットである横に大きい開口が取りにくいという弱点も引き継いでしまっているわけです。
実際、木質パネル接着工法は普通に間取りをつくると、4モジュール開口までの間取りしかつくれません。
1モジュールが91cmですので、91cm×4で3.64mの窓しか設置できないということです。
もう少しわかりやすくお伝えするなら、大人が大股で3歩半歩いた分くらいしか窓の横幅が取れないということです。
そのため、ミサワホームをはじめ、枠組壁工法系のメーカーは、横ではなく、縦に大きい窓を設置して天井の高さをPRすることで、苦手な横に大きい開口に目を向けさせないようにしているのです。
ただ、ミサワホームでは、簡易計算のブロックチェックシステムではなく、確認ルート計算を使えば6モジュール開口の間取りがつくれるようになるのです。
つまり5.45m、大人が大股で5歩半歩いた分くらいの窓が設置できるようになるということです。
全然違いますよね?
ですので本来ミサワホームは、縦に開口と取ることで洋風系の住宅をつくり上げることもできますし、
横に開口を取ることで、日本らしい和モダンの住宅をつくりあげることもできるのです。
ということで話を戻しまして、このような感じで、簡易計算のブロックチェックシステムを使うのか、もしくはきちんと計算する確認ルート計算を使うのかで耐震性能が変わりますし、できる間取りも大きく変わってくるのがミサワホームなのです。
こういったややこしいことに巻き込まれないようにするためにも、ミサワホームで検討する場合は、きちんと知識のある営業担当者、知識のある設計担当者についてもらうようにしましょう。
ミサワホームの特徴5:付加断熱ができる数少ないハウスメーカー
『ただし、注意事項も存在する』
ミサワホームは南極基地をつくっているようなハウスメーカーです。
そのため、実は断熱性能もけっこう高い水準で提供できるハウスメーカーでもあるのです。
ただこの話をすると、恐らく多くの方が「ミサワホームが断熱性能が高いなんて話聞いたことない!」と思われると思います。
確かにそれもそうなのです。
ミサワホームが以前から南極に基地をつくっていて、それと同じ工法で家づくりをしているというのは、私も前々から知っていたことではあるのですが、ミサワホームが断熱性能に優れているなんて、正直聞いたこともなかったですし、むしろ反対に「ミサワホームの家は寒い。」という意見を多く耳にしていたくらいです。
ですので私自身も「なんでだろうなー。」とずっと思っていたのですが、諸々あってようやく理由がわかりました。
ミサワホームは、断熱性能は間違いなく高いです。
また商品がいいのも事実です。
ただそのよさは、現場の営業マンや設計士に伝わりきれていないのです。
そして伝わりきれていない結果、言い方は非常に悪いのですが、現場の営業マンや設計士のレベルの低下を招き、とにかく最低限のスカスカ仕様で家を売り続けてしまったのではないかと思います。
そのため、ミサワホームの断熱性能が高いことや、その他のすばらしいプロダクトが、多くの方に伝わっていないのだと私は考えています。
せっかくの機会なので、ミサワホームの断熱性能のよさをこの場で皆さんに共有します。
ミサワホームの断熱仕様
まずはミサワホームの断熱仕様についてです。
ミサワホームの断熱仕様は、北海道が
【天井】
準耐火
- グラスウール 24K 200mm
- グラスウール 24K 250mm
準耐火以外の一般仕様の場合
- 吹込みセルロースファイバー 210mm
- 吹込みセルロースファイバー 290mm
- 吹込みセルロースファイバー 400mm
【壁】
- 120ミリパネル 充填断熱 グラスウール 24K 100mm
- 120ミリパネル 充填断熱 グラスウール 36K 105mm
- 120ミリパネル 充填断熱 グラスウール 24K 100mm+外張り断熱フェノールフォーム 60mm
- 120ミリパネル 充填断熱 グラスウール 36K 105mm+外張り断熱フェノールフォーム 60mm
【床下】
床下断熱
- 90ミリパネル グラスウール 24K 75mm
- 120ミリパネル グラスウール 24K 100mm
- 120ミリパネル フェノールフォーム 100mm
この中から選べるようになっています。
また、本州以南の断熱仕様に関しては
【天井】
準耐火仕様の場合
- ロックウール 40k 200mm
- ロックウール 40k 255mm
- ロックウール 40k 300mm
準耐火以外の一般仕様の場合
- グラスウール 14k 200mm
- グラスウール 14k 255mm
- グラスウール 14k 310mm
- グラスウール 20k 400mm
【壁】
- 90ミリパネル 充填断熱 グラスウール 24K 75mm
- 120ミリパネル 充填断熱 グラスウール 24K 100mm
- 120ミリパネル 充填断熱 グラスウール 36K 105mm
- 120ミリパネル 充填断熱 グラスウール 24K 100mm+外張り断熱フェノールフォーム 60mm
- 120ミリパネル 充填断熱 グラスウール 36K 105mm+外張り断熱フェノールフォーム 60mm
【床下】
床下断熱
- 90ミリパネル グラスウール 24K 75mm
- 120ミリパネル グラスウール 24K 100mm
- 120ミリパネル フェノールフォーム 100mm
以上となっています。
先ほども説明しましたが、ミサワホームは木質パネル接着工法というつくり方を採用しています。
そして、断熱材を入れ込む箱であるパネル、この厚みを厚くすることで、より多くの断熱材を入れられるようになるのです。
イメージ的には弁当箱を想像してもらえるとわかりやすいかなと思うのですが、通常サイズの弁当箱が90mmパネルで、弁当箱の厚みを厚くして、より多くのご飯を入れられるようになったのが120mmパネルというような感じです。
このミサワホームの断熱仕様を見ればわかる人にはわかると思うのですが「あれ?ミサワホームってけっこうやるじゃん!」という感じですよね。
一方でこれだけ見てもさっぱりわからないという人もいるはずです。
ですので、ここからはわからない人向けに、ミサワホームの断熱仕様の優れている点2つをかいつまんで説明していきます。
断熱仕様の優れている点1:付加断熱を採用できる
まず1つ目は、付加断熱を採用できるということです。
住宅の断熱仕様は、天井、壁、床、この3つに分解して見ていきます。
住宅はそれぞれつくり方に決まったパターンがあるのです。
例えば天井は、天井断熱と屋根断熱という2つのつくり方しか存在しませんし、
壁は充填断熱、外張り断熱、付加断熱という3つのつくり方しか存在しません。
また、床も床下断熱と基礎断熱という2つのつくり方しかありません。
どのハウスメーカーもこれらを組み合わせて住宅をつくっているのです。
ですので、それぞれの基本的な家のつくり方と、それらに関するメリット・デメリットさえ覚えておけば、各ハウスメーカーの構造躯体がどんなつくり方でどこに弱点があるのか、カタログを見ただけで読み解けるようになってきます。
そしてミサワホームは、壁の断熱仕様が標準は充填断熱とよばれる柱と柱の間に断熱材を入れ込むつくり方のみなのですが、付加断熱パネルというものを採用することで、外張り断熱が可能になります。
具体的には、通常の木質パネルの外側にさらに断熱パネルを貼りつけるようなイメージです。
これをやることによって、今現在最強の断熱方法である『充填断熱+外張り断熱』の付加断熱を採用できるのです。
正直、今現在まともに付加断熱を採用できるのは、有名大手ハウスメーカーの中でもかなり数が少なくて、実はダイワハウスの木造と一条工務店くらいです。
つまり裏を返せば、それ以外のハウスメーカーはこの3社に壁の断熱性能では勝てないということでもあるのです。
本当は、具体的には……ということで、各社の断熱性能の比較を数値として出してしまいたいのですが、それですといろいろ角が立ちそうなので、この場ではより詳しいことに言及するのは避けようと思います。
とにかく、付加断熱を使えるという時点で、ミサワホームの壁の断熱性能は、他のハウスメーカーと比較してもかなり優れているということになります。
しかし、1点注意事項があります。
ミサワホームで付加断熱をする場合に使う付加断熱パネルは重量がかなりあるため、ラフタークレーンとよばれるクレーン車を使わなければ施工できません。
そのため、
- 建築現場付近にラフタークレーンを駐車できる場所がない
- 道が狭い
- 建築現場上空、もしくは周辺に電線がある
これらに該当する場合は、原則ミサワホームの付加断熱仕様は施工することができません。
ですので、都内や住宅密集地で付加断熱施工をするのはかなり厳しいと考えておいてください。
断熱仕様の優れている点2:工場で断熱材を入れ込む
続いて、ミサワホームの断熱仕様が優れている点の2つ目が、工場で断熱材を入れ込むということです。
というのも、断熱材はいろいろな種類があります。
例えばグラスウールやロックウール、フェノールフォームや硬質ウレタンフォーム、それに吹き付け断熱材といった感じです。
こういった断熱材の種類を聞くと「どれが1番いいんだ?」と思われると思うのですが、これは結論、グラスウールが1番無難なのです。
なぜかというと、確かに瞬間的には発泡系の断熱材であるフェノールフォーム、硬質ウレタンフォーム、吹き付け断熱材などの断熱材の方が断熱性能はいいのですが、これら発泡系の断熱材は、劣化して縮んでしまう可能性があるからです。
そうなると当然、家の断熱性能の低下を招きますし、場合によっては壁の中で結露ができる可能性も捨てきれません。
事実、どこのハウスメーカーとは言いませんが、中堅どころのメーカーで築2年であるにも関わらず、部屋がカビてしまった家を私は直接見ています。
一方で、グラスウールはガラスを糸状にしたものなので、縮んだり劣化したりすることはありません。
ですので、長期間にわたり、一定の断熱性能を維持し続けることが可能なのです。
しかもコストに対して得られる断熱性能も高いため、費用対効果もいいわけです。
そういった諸々の理由から、大手ハウスメーカー各社は、だいたいグラスウールを採用しているわけです。
ただし、そんなグラスウールにも弱点があります。
それが、施工慣れが必要だということです。
というのもグラスウールは施工が非常に難しく、丁寧に施工したつもりでも、目に見えない形で少し隙間があくことがあるのです。
そのためグラスウールは実は玄人向きの断熱材なのです。
ただしミサワホームの場合は、工場で断熱材を入れ込んだ部材を現地に持ってきて組み立てる方法をとっています。
そのため、グラスウールがずれたり、あとはグラスウールが上手く施工できておらず、隙間ができたりすることがないのです。
またそれと同様に、付加断熱パネルも工場生産した上で現地に運び施工するので、こちらも施工精度を高くすることができるわけです。
ミサワホームは
- 付加断熱ができる
- 断熱材を工場で入れ込む
これら2つのこともあって、断熱仕様が優れているのです。
ただし、天井、壁、床、それぞれの一番下の断熱仕様はお世辞にも優れているとは言えません。
ですので恐らくミサワホームの断熱性能が高いイメージがないのは、現場が安安仕様で提案してしまった結果なのかなとここからも想像できるのです。
マニアックな話ではありますが、こういった話を理解しなければいい家づくりはできません。
ですのでしっかりと覚えておいてください。
ミサワホームの特徴6:中空層16mmのサッシ(通称:AZサッシ)がある
『通称:AZサッシ』
AZサッシとは、ミサワホームがLIXILと共同で開発したサッシの名前で、積水ハウスのSAJサッシと同様の特性をもつ、とにかくすごいアルミ樹脂サッシです。
サッシ、つまり窓枠は大きく分けて4種類存在します。
それが
- アルミサッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- 樹脂サッシ
- 木製サッシ
この4種類です。
性能でいったら、アルミサッシよりもアルミ樹脂複合サッシ、アルミ樹脂複合サッシよりも樹脂サッシ、樹脂サッシよりも木製サッシということで、木製サッシに近づけば近づくほど断熱性能がよくなるのです。
ただし今現在、日本ではアルミ樹脂複合サッシが主流となっています。
ですのでネットを見るとよく「今時アルミ樹脂複合サッシを採用するなんてあり得ない!」「樹脂サッシを採用するべきだ!」そんな意見を目にします。
確かに私もその意見には概ね同意です。
ただ「樹脂サッシ以上じゃないとダメ!!」と決めつけるのではなく、諸々知った上で総合的に判断しても遅くはないと思うのです。
特にミサワホームのAZサッシは、積水ハウスのSAJサッシと同様に、ただのアルミ樹脂複合サッシではなく特別性です。
では、ミサワホームのAZサッシ、これの一体何が特別なのかというと、それが中空層16mmを確保している点、これが非常に優れているのです。
もう少し詳しく解説するために、例えばこちらのグラフをご覧ください。
こちらのグラフはペアガラスの熱伝導率と熱貫流率を表すグラフになります。
ただこれだけですと「熱伝導率って何?」「熱貫流率と熱伝導率って何が違うの??」という感じだと思うので、それを説明していくと、まず熱伝導率は、物質の熱の伝えやすさのことをいいます。
つまりグラフの見方としては、ペアガラスの空気層部分の厚み、これが厚くなればなるほど、熱を通しやすくなります。
ですので極端な例ですが、例えば空気層が0.2mmであれば熱伝導率が0.026なので非常に熱を通しにくく、空気層が1,000mmであれば熱伝導率が5.423 なので熱を非常に通しやすくなるわけです。
「じゃあ、熱を通しにくい空気層が0.2mmのものにすればいいじゃん!」と思うと思うのですが、それですとガラスが非常に薄いため、今度は光を通し過ぎてしまうのです。
つまり眩しくなってしまうということです。
では、眩しくならないようにするためには空気層部分の厚みを厚くする必要があるわけです。
しかし、空気層を1,000mmにしてしまうと確かに眩しくはなくなるものの、今度は熱がものすごく伝わってくるようになってしまうのです。
ではどうするか。
ちょうどいい塩梅はどこなのか、これを考える時に出てくるのが熱貫流率です。
この熱貫流率は、複合材料の断熱性能を表す数値なのですが、言い換えると空気層の厚みを考慮した断熱性能ということになり、数値が小さければ小さいほど断熱性能に優れていることを表しています。
見てみるとわかりますが、実は空気層は20mmを超えると断熱性能は変わりません。
そのため断熱性能と眩しくもなく暗くもないちょうどいい光の通り具合、これのバランスをとるとちょうど真ん中なのが16mmになるのです。
ですので、ミサワホームのAZサッシは、空気層が16mmに設定されているのです。
実際に空気層12mmのサッシを使っているハウスメーカーもまだまだあります。
さらに、ミサワホームのAZサッシは、スペーサーとよばれる窓と窓の間の中間部材は樹脂でできているのですが、いまだにこのスペーサーの部分がアルミのハウスメーカーも存在しています。
ミサワホームのAZサッシは、通常のアルミ樹脂複合サッシに比べて非常に考えてつくられているサッシで、性能も高いのです。
ただこの話をすると決まって「樹脂サッシの方が性能が高い」「アルミ樹脂サッシをすすめるなんてあり得ない」など、そういう意見が出てきます。
確かにその意見もわかりますし、樹脂サッシが性能が高いというのも事実です。
しかし、樹脂サッシは樹脂サッシで、サッシ部分が太くなってしまい、どうしてもやぼったさが出てしまいます。
また、アルミ樹脂複合サッシほどの大開口を取ることもできなくなります。
ですのでどちらが合っている、どちらが間違っているではなく、きちんと特性を理解した上で、窓を適材適所に配置していくことが重要だと思います。
特にミサワホームの場合、木質パネル接着工法という枠組み壁工法ベースのつくりになります。
そのため、軸組工法ベースである積水ハウスのシャーウッドや、住友林業のビッグフレーム構法、またダイワハウスのxevoGranWoodと比較すると、横に広く大きな窓を取ることが苦手になります。
もちろん確認ルート計算を使えば、ある程度は横に広く大きな窓を取れるのですが、それでも軸組工法ベースのつくり方と比較をすると取れる窓の大きさに限界がありますし、窓枠もやや目立つ傾向にあります。
だからこそ、メインのところはAZサッシを入れつつ、残りの寝室などには樹脂サッシを入れるといった使い分けをすることで、意匠性と機能性、両方のバランスを取れるわけです。
もちろん「意匠性なんてどうでもいい!」という方は、全部樹脂サッシでもいいと思います。
ただAZサッシは、積水ハウスのSAJサッシと同様に、間違いなくアルミ樹脂複合サッシの中で性能がいいので、状況に応じて使ってみるのもアリかなと思うので、1つの選択肢としてぜひともご検討ください。
ミサワホームの特徴7:気密施工オプションが存在する
『C値1を確実に下回ることができる』
「CO²を削減して地球環境に配慮しよう!」という世界的な動きの影響もあり、ハウスメーカー各社は住宅の高気密高断熱化に取り組み始めています。
その中で1つ大きな課題となっているのが、住宅の隙間を埋めるために行う気密施工です。
正直、今も尚気密施工を一切行わないハウスメーカーもありますし、気密施工を行ったとしても「できるだけ頑張る!」といったような根性論で突き進むハウスメーカーもあるくらいです。
ですので、今現在のハウスメーカー各社の状況を一言でお伝えするなら、各社方針が大きく異なっているということなのです。
しかしそんな中でミサワホームは大手ハウスメーカーの中で唯一、気密施工確定オプションを設けて基準をつくっています。
具体的には、90mmパネルとよばれる通常の仕様の施工ですと、C値2を切るのに約5万円、C値1を切るのにさらに追加で約5万円必要になるため、合計で約10万円の追加費用となります(※地域によって若干価格差あり)。
また、120パネルとよばれる仕様を選択すると、元々気密施工をある程度はやっていることもあり、C値2は確実に切ることができます。
そのためC値1を切るためのオプションを選択すると、約5万円の追加費用となります(※地域によって若干価格差あり)。
一般的に高気密高断熱住宅の定義は、C値1以下となっているので、ミサワホームではきちんと追加オプションを選ぶことで、確実にC値1を切ることが可能なのです。
大手ハウスメーカー各社の中でC値を確約してくれるハウスメーカーはないので、これはかなり安心です。
金額もそこまで高いわけではないので、ミサワホームで検討する場合は、必ず気密施工オプションを入れるようにしましょう。
ミサワホームの特徴8:第一種換気の熱交換率が大手ハウスメーカーNo.1
『地味にすごい』
ミサワホームには、フロアセントラル換気システムA7型という名前の第一種換気システムがあります。
この換気システムは東プレという会社がつくっている換気システムなのですが、他のハウスメーカーにはない特徴が大きく分けて2つ存在します。
フロアセントラル換気システムA7型の特徴1:熱交換率が85%以上、最大で95%
1つ目の特徴は、熱交換率が85%以上、最大で95%もあるということです。
熱交換率というのは簡単に説明すると、換気をする際に外気の温度をどれだけ室内の温度に近づけて、空気の入れ替えができるかを表した数値になります。
要するに、熱交換率が高ければ高いほど、夏は暑い外気を、冬は寒い外気を直接室内に取り入れずに済むので、空調にかかる負担を減らしつつ、新鮮な空気のみを取り入れることができるということです。
そしてそれによって、光熱費の削減が期待できるわけなのです。
もう少し具体的に説明をすると、例えば外気が0℃で室温が20℃、熱交換率が95%だったら、外気を19℃まで引き上げた上で室内に新鮮な空気を取り入れてくれるということです。
そのためフロアセントラル換気システムA7型は、大手ハウスメーカー各社が使っている第一種換気システムの中で、一番熱交換率が高い換気システムになるのです。
フロアセントラル換気システムA7型の特徴2:2つのモーターで制御している
続いて2つ目の特徴は『2つのモーターで制御している』ということです。
そもそも建築基準法において、戸建住宅では1時間に0.5回以上の換気量を有する換気設備の設置が義務づけられているわけなのですが、義務づけられているだけなのです。
つまり何が言いたいのかというと、過剰に換気をしてしまっても問題ない法律になっているということです。
過剰な換気と言われても、多くの人からすると「別に換気されるのなら、それでよくない?」と思われるかもしれないのですが、過剰な換気には様々なリスクが潜んでいるのです。
例えば
- 夏場、室内に高温多湿の空気を入れることになる
- 冬場、室内に低温乾燥気味の空気を入れることになる
- 換気システム電力消費量が多くなる
- 冷暖房設備の電力消費が多くなる
といったリスクがあるわけです。
特に冬場、室内に低温乾燥気味の空気を入れることになるということに関しては、皆さんが思っている以上に室内の快適性を損ねることなのです。
なぜなら隙間風を感じやすくなるからです。
というのも「換気」は言い換えると「空気を引っ張る行為」になります。
そのため冬場、換気システムが室内の空気を引っ張って外に排出することで、失った室内の空気を埋めるために、家の隙間から外の冷たい空気が室内に入ってきてしまうのです。
すると隙間から入ってきた外の冷たい空気は質量が重いので、床を這うように室内に流れ込みます。
そしてしばらくすると、その冷たい空気は室内の温度によって温められ、上昇気流へと変わるのです。
これが隙間風の正体なのですが、過剰な換気は隙間風を生む原因にもなるのです。
そのため過剰な換気はよくないのです。
それにも関わらず今までの換気は、細かい換気量の設定ができなかったり、省エネ性や快適性が大きく損なわれたりすることが多かったわけです。
ですのでミサワホームの第1種換気フロアセントラル換気システムA7型は、2つのモーターを使って狙った量の換気を可能としているのです。
これは他のハウスメーカーにはない特徴なのです。
ということで、
- 熱交換率が85%以上、最大で95%もある
- 2つのモーターで制御している
これら2つの特徴があって、ミサワホームの第1種換気フロアセントラル換気システムA7型は地味にすごい換気システムなのです。
ミサワホームの特徴9:全館空調システムコモンズエア
『複数のエアコンをまとめて自動制御』
住宅の高気密高断熱化を進めると、最終的にぶち当たる壁があります。
それが空調問題です。
これがどういうことかというと、家は高気密高断熱化になればなるほど、空調の効きがよくなります。
そのため今までのように、個室それぞれにエアコンを設置すると空調が効きすぎてしまうのです。
そうなると空調をつけたり消したり頻繁に行うことになるわけなのですが、皆さんもご存知のとおり、空調は電源を入れる瞬間が1番電気を消費します。
例えるなら、車でアクセルをベタ踏みした時と同じ感覚です。
アクセルのベタ踏みは、ガソリンをとても消費します。
それと似たような現象が自宅でも起こってしまって、せっかく高気密高断熱住宅をつくって省エネに配慮したはずだったのに、全然そうならなかったというような状況になってしまうのです。
高気密高断熱住宅をつくったら、いかに少ないエアコンで家全体を温めるのか、涼しくするのかという空調設計が課題になってくるわけなのです。
そんな中ミサワホームでは、全館空調システムコモンズエアという商品があります。
これは複数のエアコンをまとめて自動制御することで全館空調とするシステムなのです。
具体的にお伝えをすると、LDKには普通の個別エアコンを入れ、2階にはダクト式のエアコンを入れます。
それ以外の玄関や洗面所にはココタスという小さな空調を入れて、これら全てを自動制御することで全館空調にしているという感じです。
ただこれを聞くと「これって全館空調って呼べるの?」と思われると思いますし、わざわざ複数のエアコンをまとめて自動制御する意味は何なのか気になりますよね。
私は最初少し引っかかったのですが、頭を柔軟にすれば確かにこういった考え方もありだなと思えるようになりました。
では、わざわざ複数のエアコンをまとめて自動制御する意味、これについて説明をしていくと、実は理由が2つほどあります。
1つ目が省エネを実現するためです。
全館空調システムコモンズエアには、各エアコンを通常運転・控えめ運転・停止の3段階でスケジュールを作成し、自動制御できるシステムがあります。
これにより、人がいない時間帯は停止させ、家族が寝静まった深夜は控えめ運転にするなど、運転のムダを省いて経済的に空調を使うことができるわけです。
2つ目が各部屋の温度ムラを無くし、適温にできるためです。
それぞれの空間に適した冷暖房機器を設置することで、家の中全体の温度差が少なくなり、身体の負担を軽減できます。
実は全館空調は、それを入れれば完璧に温度ムラを無くせるのかと言われれば、そんなこともないわけです。
つまり一言でまとめると、小回りが効かないのが通常の全館空調なのです。
一方でミサワホームの全館空調システムコモンズエアは、複数のエアコンをまとめて自動制御することで全館空調としているので、小回りが効きやすいのです。
ヒートショックや熱中症の対策にも有効で、年間をとおして快適で安心な温熱環境かを実現できるのです。
ということで、
- 省エネを実現するため
- 各部屋の温度ムラを無くし、適温にできるため
これら2つの理由から、ミサワホームでは複数のエアコンをまとめて自動制御する全館空調システムコモンズエアを提案しているのです。
正直、この考え方は賛否両論ありそうですし、共感できない人も多いかもしれません。
ただ考え方の1つとして、複数のエアコンをまとめて自動制御することで全館空調とする、そんな考え方もあるのだなという程度に覚えておいてもらえればと思います。
ミサワホームの特徴10:バウハウスの概念が存在する
『デザインのミサワ』
ミサワホームには『ミサワバウハウスコレクション』というものがあります。
超簡単に説明すると、昔の家具や絵画をミサワホームがコレクションしていて、それらを東京の高井戸にあるビルに展示しているのです。
ただこれだけ聞いても「バウハウス?なにそれ?」「バウハウスが住宅とどんな関係があるの?」という感じだと思います。
確かにその気持ちはわかります。
知らない人からすれば「なんのこと?関係ないじゃん!」という感じでしょう。
しかしバウハウスは、これからハウスメーカーで家を建てる人が必ず知っておかなければならない内容なのです。
そしてミサワホームは、間違いなくバウハウスのデザイン思想が根底にあるハウスメーカーなのです。
これはとてもすごいことなのです。
ですので、これがどういうことなのかを少し大枠からにはなるのですが、わかりやすく説明するために、歴史から紐解いてお話をしていきます。
そもそも『デザイン』という言葉は、今でこそ聞き馴染みのある言葉ですが、昔は貴族や王族などの上流階級のみしか、触れることができない言葉やものでした。
というのも、昔は何かものをつくる際に、職人が1つ1つ手作業でつくっていたわけです。
そしてそこに装飾性、つまりはデザインを加えることで、いわゆる芸術品とよばれるものがつくられていたのです。
ただし職人が1つ1つものをつくるということは、とても手間がかかりますし、優れた職人になればなるほどこだわりが強くなるので、価格が高くなるのです。
例えばこれらのような感じです。
明らかに手が込んだつくりになっていますし、つくりにくそうですよね。
ですので、この時代のデザイン性のあるもの、いわゆる芸術品は、貴族や王族などの上流階級のみしか買うことができませんでしたし、一般庶民は触れることさえできなかったのです。
こういう1点もので大量生産できない時代の芸術品をアールヌーボーといいます。
アールヌーボーとは様式のことで、ファッションでいう〇〇系のようなものです。
しかしその後産業革命が起きたことで、ものの大量生産ができるようになります。
これにより、アールヌーボーのように複雑なデザインではなく、大量生産がしやすい直線や幾何学模様をモチーフにしたものが登場します。
これがアールデコとよばれる様式です。
例えばこれらです。
アールデコの登場によって、デザイン性の高いものが庶民の手にも渡るようになりました。
比較してみるとわかりますが、アールヌーボーは曲線的な自然を連想するようなデザインになっていますが、アールデコはカチッとした印象で、いかにも機械でつくれそうな感じです。
これにはきちんとした理由が存在していて、そもそもアールヌーボーはウィリアムモリスという「機械大嫌い!」「職人による1点ものが最高!」という思想の人が流行らせた様式なのです。
ですので機械を否定する意味で、自然をモチーフにした形状になっているのです。
両者を比較すると、自然VS機械のようになっています。
このような感じで、アールヌーボーVSアールデコ、自然VS機械というようになったわけですが、アールデコは「アールヌーボーを工業化しよう!」という思想のもとにできた様式でもあるのです。
もう少し噛み砕いて説明をすると、これまでの西洋芸術は、先人たちが行っていたことと同じことを繰り返すのがすばらしいとされていました。
具体的には
- 黄金比
- 左右対象
- 模様によるリズム
- パターン
これらを使うのがよいとされていました。
そのため、アールヌーボーもアールデコも考え方の根本の部分は同じで、ただ生産しにくいアールヌーボーをなんとか工業化しようとしてアールデコというものが存在していたということなのです。
しかし、そうではなく「せっかく産業革命が起こったわけだから、職人による手工芸と機械生産技術を組み合わせて、今までになかったデザインをつくろう!」さらには「工業化の精度をもっと上げていこう!」そう考える集団が出てきます。
それがドイツ工作連盟です。
そしてドイツ工作連盟のリーダーであるヘルマン・ムテジウスは、工業化がもたらす新たな時代の新たな美の基準、新たな芸術学問を教える場所としてバウハウスをつくり、
ヘルマン・ムテジウスの意志を継いだヴァルターグロピウスがバウハウスを開校させます。
バウハウスでは、先ほども少しお話した、先人たちが行っていたことと同じことを繰り返すのがすばらしいとされていた西洋芸術、それらを無しにして、ゼロから新しく美しいものをつくろうとしました。
さらに職人による手工芸と機械生産技術の両立を考え、
- 形状
- 色
- 材料
- テクスチャー
それら全てをゼロから考え直したのです。
その結果生まれたのが、派手な装飾をしない、シンプルで形状よりも機能に重きを置いたものたちでした 。
こうしてバウハウスを中心に西洋の伝統芸術からの脱却を目指す一連の動きをモダニズムといい、建築業界ではこのモダニズムという言葉は『装飾のない建築物』という意味で使われることになります。
そしてこのモダニズムという考え方は、現代の建築における源流であり、今現在はモダニズム、つまりは『装飾のない建築物』にその地域の特性をプラスさせた建築が、今の時代の建築デザインの基盤となっているのです。
日本でいうと『和モダン』です。
和モダンは、皆さんも言葉は聞いたことがあるかと思いますが、言葉どおりのイメージをするなら「今っぽい和室のある家をつくればいいのかな?」と思ってしまうかもしれません。
しかし実は『装飾のない建築物』という意味のモダニズムと日本らしさを表す『和』、これら2つの要素のかけ算が和モダンなのです。
奥深いですよね。
ただこれについて深掘りをしていくと話がどんどん脱線するので、今回は割愛します。
さて、ここまでで長々と歴史を説明してきたわけですが、簡単にまとめると、今まで主流だった伝統芸術から脱却し、工業化による新時代のデザイン思想、それを教える場所がバウハウスだということです。
一方で日本の住宅業界はというと、戦後家が足りず、さらにはベビーブームで家の需要が増えたことにより、住宅の工業化が必要になりました。
つまり日本の住宅業界内でも、工業化に合わせた新たな美の基準が必要だったのです。
そんな中ミサワホームは、職人による手工芸と機械生産技術を組み合わせた木質パネル接着工法を編み出します。
これにより、日本で初めて木造住宅を工業化することに成功したわけです。
それと同時にミサワホームは、工業化住宅における新たな美の基準をつくり上げることで、デザイン性の高い住宅を世に供給し、一時代を築いてきたわけです。
例えば、ミサワホームのGENIUS「蔵のある家」、これは1996年に業界で初めてグッドデザインで1番すごいランプリを受賞しています。
また、ミサワホームは34年間連続でグッドデザイン賞を取得し続けているのです。
これは住宅の工業化に伴い、新たな美の基準を追求し続けてきた結果なのです。
私がここで皆さんに何を伝えたかったのかというと、日本における住宅業界のバウハウスがミサワホームだということです。
そして、その意志を絶やさないために、ミサワホームではバウハウスの生徒らがつくった家具や絵画を今でもコレクションとして持っていて、それを展示しているのではないかなと私は思っています。
また、ミサワホームの商品は「有名建築のオマージュ?」と思うような建物が非常に多いのです。
例えば『MISAWA ONE GF』。
これは、近代建築の3大巨匠であり、モダニズムを世に広めたミースファンデルローエのファンズワース邸にそっくりですし、
ものすごく短期間だった気がしますが、一時ミサワホームのTVCMで出ていたこの建物は、
有名建築家の谷口吉生が設計したモダニズムと和の融合を目指した建築物である東京国立博物館法隆寺宝物館にそっくりです。
このような感じで「これって有名建築家が設計した建物のオマージュ?」と思うような建物がミサワホームにはいくつかあるのです。
こういったところからもデザイン性の高さがうかがえるかと思います。
ミサワホームの特徴11:現場の提案レベルが低下傾向にある
『突貫工事に要注意』
大手ハウスメーカー各社は毎月受注速報というものを公式HPに掲載するのですが、ミサワホームは残念なことに、受注速報がほぼマイナスになっているのです。
受注速報がマイナスだとどういうことが起きる可能性があるのかというと、それが突貫工事です。
これがどういうことかというと、基本的にこの受注速報は前年の同月と比較してどうだったのかを表しているものになるのですが、ここがマイナスということは、シンプルに去年よりも家の受注数が減っていますということを意味しているのです。
ただこれだけですと「そもそも新築住宅市場は縮小傾向だし、仕方ないんじゃない?」と思われると思うのですが、そんな単純な話ではありません。
というのも、注文住宅という商材は大まかに説明をすると、家が完成してはじめてハウスメーカー側に全額利益が入ってくるという構造なのです。
そのためイメージとしては、契約後の打ち合わせから実際に家が完成するまでの約1年間、ハウスメーカー側は無収入で企業運営をしなければならないわけです。
これは普通に考えてかなりキツいことですよね。
イメージしてみてください。
皆さんのお勤めの会社から、急に「今月の給料は来年にならないと振り込みできません。その間は無収入で頑張ってください!」と言われたらしんどいですよね。
「その間、どうやって生活すればいいんだ?」となります。
ハウスメーカー側もそれと同じです。
ですので、無収入の期間をつくりたくないのです。
そのため、ハウスメーカー各社は何をやっているのかというと、それが「受注残の管理」です。
受注残というのは、契約棟数の積立のようなものです。
もう少し具体的にお伝えをすると、例えば建物の完成時期を、1月、2月、3月、4月といった感じで、毎月、誰かしらの家が完成するように調整していけば、安定的に収益が入ってくるようになるわけです。
これを業界では、平準化といったりします。
一方で、1月、3月、5月といったように、家の完成にバラつきが出てしまうと、当然入ってくる収入にもバラつきが出てしまうのです。
これだと安定的に経営できているとはいえないので、売り上げが立たなかった2月、4月分の売り上げをどこかの月で補填しなければならなくなるのです。
そのため、経営を円滑に進めるためにも、ハウスメーカー各社は受注残の管理は慎重に行っていますし、工期の平準化ができるように、その月の契約数の調整を行っていたりするわけです。
ただここまでの話を聞いて、勘のいい人だったら何となく察しがつくと思いますが、目先の受注数が減っているということは、本来、数ヶ月から1年後くらいまでで入ってこなければならない利益が減少し、さらには安定的な経営が難しくなっていることを表しているのです。
こうなるとどういうことが起きるのかというと、ハウスメーカー側は
- 建売住宅の販売
- 規格住宅の販売
- 突貫工事でとにかく早く家をつくって引き渡す
この3つの方法を使って、とにかく早急にマイナス分を埋める必要が出てくるのです。
ただし、
- 建売住宅の販売
- 規格住宅の販売
は利益率が低いので、かなりの数を売らなければならなくなります。
ですので、少ない数で高い利益を取れる通常の注文住宅を、突貫工事でとにかく早くつくって引き渡すことが、一番手っ取り早くマイナス分をカバーできる方法になってくるわけです。
そして残念ながら、ミサワホームの受注速報を見るとマイナスが連続で続いているので、恐らく自転車操業のようになっているのではないかなというのが想像できるのです。
ただし、これはあくまで数字から見た会社全体の状況です。
エリアによっては順調なエリアもあると思います。
ミサワホームと契約をするとなった場合、工期をしっかりと取ってもらい、突貫工事にならないように確証を得てから印鑑を押すといいかもしれません。
1つ参考にしてみてください。
【2024年最新】ミサワホームの特徴11選〜すべてがわかる!〜のまとめ
ミサワホームの特徴11個を紹介しました。
まとめると
- 木造住宅で初めて型式適合認定を取得した企業
- 地震による家の揺れ幅が極限に少ない
- 南極で基地をつくっているハウスメーカー
- 油断すると耐震等級2になる
- 付加断熱ができる数少ないハウスメーカー
- 中空層16mmのサッシ(通称:AZサッシ)がある
- 気密施工オプションが存在する
- 第一種換気の熱交換率が大手ハウスメーカーNo.1
- 全館空調システムコモンズエア
- バウハウスの概念が存在する
- 現場の提案レベルが低下傾向にある
以上の11個になります。
そしてここまで読んでいただいた方にのみ告知させていただくのですが、現在、私の公式LINEでは、各大手ハウスメーカーの攻略カタログを無料で配布しています。
かなりクオリティの高いものになっているので、公式LINEに登録をしていただき、ぜひともゲットしてみてください。
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