木造と鉄骨どっちがいい?木造の注文住宅を建てるべき人の特徴

木造住宅を建てるべき人の特徴 はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約17分で読めます。

今回は『木造と鉄骨どっちがいい?木造の注文住宅を建てるべき人の特徴』というテーマでお話をしていきます。

大手ハウスメーカーとよばれるハウスメーカー、具体的には 

  • 積水ハウス 
  • ダイワハウス 
  • 住友林業 
  • パナソニックホームズ 
  • セキスイハイム 
  • ヘーベルハウス 
  • ミサワホーム 
  • 三井ホーム 
  • トヨタホーム 
大手ハウスメーカー9社

以上の9社を中心にハウスメーカー選びをしている人からすると「鉄骨造の家と木造の家、どっちがいいんだろう?」と必ず悩むことになると思います。

ちなみに少し話がそれますが、一条工務店やタマホーム、アイ工務店なども有名ですし、大手ハウスメーカーと思われる方もいるかと思います。

ただこの住宅業界においては、戦後から現在に至るまで工業化住宅を推進してきた、上記の9社を大手ハウスメーカーとよびます。

ですので、一条工務店やタマホーム、アイ工務店も有名ですし、大手ハウスメーカーなのではという気持ちもわかりますが、私は昔からの業界の風習になぞって、今お伝えした9社を「大手」と言っています。

この点はご理解ください。

話を戻しまして、大手ハウスメーカーを中心に検討していると「鉄骨造の家と木造の家、どっちがいいんだろう?」と悩むことになると思います。

確かに鉄骨系のハウスメーカーの営業マンは「木造の家を建てるとシロアリ被害に遭います。」「地震に強い家を建てるなら鉄骨です。」「鉄骨で家を建てた方がメンテナンス費用がかかりません。」と言ってきます。

鉄骨造の家

一方で木造系のハウスメーカーの営業マンは「鉄骨の家は火災の時に家の強度が著しく低下するけれど、木造の家は木が炭化するので、骨組みの強度が著しく下がることはありません。」「冬は暖かく夏は涼しい家をつくるなら、木造の方が有利です。」「実は鉄骨住宅は地震に弱く、本当に地震に強い家は木造です。」など、そのようなことを言ってきます。

木造の家

ハウスメーカー各社も、お客さんが検討している競合他社をいかに検討から排除し、自分たちのハウスメーカーで家を建ててもらうか、これを考えながら説明をしています。

それぞれの言い分はよく理解できますが「結局のところ、どちらがいいんだろう?」という感じです。

ですので今回は、客観的かつ公平な目線で「木造の注文住宅を建てるべき人の特徴」について説明をしていきます。

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木造と鉄骨どっちがいい?【結論】木造住宅の方が有利

木造の注文住宅を建てるべき人の特徴は全部で4つあります。

  • デザイン性の高い家をつくりたい人 
  • 地震の後も住み続けられる家に住みたい人 
  • 温度差の少ない家をつくりたい人 
  • 広い土地もしくは比較的広めの土地に家を建てる人 

以上の4つです。

この4つのうち、4つ目の「広い土地もしくは比較的広めの土地に家を建てる人」を除いた3つは、誰もが当てはまるものだと思います。

土地のことに関しては、自分たちが家を建てたいエリアによって変わってくるので何とも言えませんが、それ以外のデザイン性の高い家、地震の後も住み続けられるような家、温度差の少ない家、これらすべてを満たした完璧な家を誰だってつくりたいと思うはずです。

そういった完璧な住まいをつくるためにはどうしたらいいのかというと、これが木造住宅で建てることなのです。

実は今この時代においては、木造住宅を建てた方が諸々有利になることが多いのです。

実際に、今まで鉄骨住宅ばかりを販売してきたダイワハウスが、2027年までに全体の7割を木造住宅に切り替えていくという話を社長自らしています。

ダイワハウス

また、鉄骨系のハウスメーカーの代名詞ともよべるヘーベルハウスも、木造住宅の「Asu-haus(アスハウス)」というブランドを新たにつくり、木造住宅の販売に力を入れていく方針で舵切りを始めています。

ヘーベルハウス

ここからもわかる通り、時代は徐々に木造住宅にシフトしていっているのです。

ではそれがなぜなのか?

木造の注文住宅を建てるべき人の特徴4つをそれぞれ説明しながら、このあたりの時代背景もお伝えしていこうと思います。

木造住宅を建てるべき人の特徴1:デザイン性の高い家をつくりたい人

まず『デザイン性の高い家をつくりたい人』についてです。

このテーマを話そうとすると、必ずと言っていいほど「なぜ木造住宅を建てた方がデザイン性の高い家をつくれるんだ?鉄骨住宅だってデザイン性の高い建物はあるじゃないか。」といった反論が返ってくるわけです。

確かにヘーベルハウスなどはモダンでかっこいいですし、

ヘーベルハウスのモダンな家

積水ハウスの鉄骨住宅も、外壁の無骨さがまるで石造りのような家で、非常にいい感じです。

積水ハウスの鉄骨住宅

それはそれで私も共感するのですが、鉄骨住宅である以上どうしても限界というのが存在するのです。

なぜなら、工業化製品だからです。

工業化製品というのは、大量生産前提の仕組みの上に成り立っている品物のことで、例えば、100均の品物やニトリやイケアの家具も工業化製品になります。

こういう工業化製品は、安く、そして一定の品質のものを大量生産することで、多くの人を幸せにするというビジネスモデルなのです。

そのため、わざわざ小回りを利かせて個人個人に合わせてカスタマイズすることはしにくいですし、基本的にはやりません。

鉄骨住宅も同様で、元は戦後、焼け野原で木も家もない時代に木材に代わる素材として鉄骨が使われたところから来ています。

また、ものを大量生産するためには、大量生産に適した形である必要もあります。

複雑な形をしていたり加工が難しかったりするものは、大量生産には適していないのです。

そういう意味で鉄骨は木よりも加工がしやすく、さらにはリサイクルスチールといって鉄を溶かして再利用することもできるため、まさに大量生産向きの素材だったのです。

ただし、大量生産に向いていても、小回りを利かせて設計しようとすると、意外とできないことが多いのが鉄骨住宅なのです。

例えば、鉄骨住宅であれば柱が丈夫なので大空間がつくれると思いきや、ハウスメーカーによっては、重量鉄骨であれば確かに大空間はつくれても、軽量鉄骨だと意外とそこまで大きな空間をつくれないところもあります。

また、鉄骨自体が温度によって伸縮するため、もともと気密が取りにくいのです。

それもあって、ほとんどの鉄骨系のハウスメーカーは気密施工をやりません。

気密施工をやりたいと言っても、ほぼできないと言われます。

ですので、これから家づくりをしようと思っている人で、今現在何も知らない人からすると「鉄骨住宅って思っている以上に制約があって難しいぞ…。」と思われるかもしれませんが、それはもう仕方ないのです。

なぜなら、ハウスメーカーの元々の至上命題は、平均点80点くらいの住宅を量産することにあるわけで、鉄骨住宅はその権化のようなものです。

いろいろとデザインを突き詰めていくと、木造住宅の方が小回りを利かせられることが多いのです。

ダイワハウスでいうと木造xevoGranWoodは

  • 断熱等級7の対応
  • チアベントシステムという屋根断熱
  • チアベントシステムを利用した小屋裏3階建てや小屋裏2階建て
  • 腰壁耐力壁
  • 腰壁耐力壁を利用した連欄間
  • 無垢材の軒天
  • 車3台並列のビルトインガレージ
  • 10mの大開口
  • メーターモジュール対応
  • 外壁をふかしてのデザイン
  • 天井高2.8m〜3.5m
  • 2.5寸などの屋根勾配
ダイワハウスの木造xevoGranWoodができること

といったことが、ダイワハウスの木造xevoGranWoodならできるのです。

一方で、ダイワハウスの鉄骨xevoΣ(ジーヴォシグマ)ではこれらができません。

また、積水ハウスの木造シャーウッドも

  • 1階だけではなく2階でもクリアビューデザインができる
  • スキップフロアをつくれる
  • 複雑な屋根形状に対応しやすい
積水ハウスの木造シャーウッドのできること

といったことができる一方で、積水ハウスの鉄骨イズ・ロイエではこれができません。

このような感じで、細かいかもしれませんが、突き詰めていくと木造住宅の方が有利になることが多いのです。

また、インスタグラムなどを見ているとわかるのですが「おしゃれでいいな。」と思う家の画像は、大抵工務店のものだったりします。

工務店なので、当然木造住宅で家を建てているわけですが、なぜ工務店があれだけおしゃれな家をつくれるのかというと、シンプルに工業生産とは真逆の職人芸による手工芸、これを追求して、小回りを利かせて家づくりを行っていることが多いからです。

あの繊細さをハウスメーカーで出すのは、根本の仕組みが違うので非常に難しいのです。

ただ、ここで「ヘーベルハウスみたいな鉄骨系のハウスメーカーでもおしゃれな建物もあるじゃん。あれはなんでなの?」と思われた方もいるかと思います。

確かにパッと見る限り、デザインもいいです。

そう思われるのも無理はないと思いますが、あれはデザインをうまく仕組み化しているのでおしゃれな感じになっているのです。

この話を深掘りすると、どんどん話が脱線してしまうので超簡単にしか説明しませんが、ヘーベルハウスはモダニズムとよばれる建築の歴史からデザインを引っ張ってきて、それをパッケージ化しているのでおしゃれに見えるのです。

一方で、日本の住宅は戦後に生まれた大量生産前提の工業化住宅です。

つまり、日本独自のつくること前提のデザインなので、歴史を踏襲したデザインになっていないのです。

こういう背景から、ヘーベルハウスはおしゃれに見えるのです。

そういう意味ではヘーベルハウスは、ハウスメーカーの中では歴史的なデザインを踏襲した、かなり珍しいハウスメーカーだといえるのかなと思います。

とにかく、安易に鉄骨住宅か木造住宅かを選ぶのではなく、工業化製品とは何なのか、そしてその反対の位置にある手工芸とは何なのか、自分たちはどこまで家のクオリティを求めたいのかを考えた上で、鉄骨造の建物にするのか、それとも木造の建物にするのかを選んでください。

何度も言いますが、突き詰めたい方は木造住宅向きです。

木造住宅を建てるべき人の特徴2:地震の後も住み続けられる家に住みたい人

続いて『地震の後も住み続けられる家に住みたい人』についてです。

よく家づくりをする際に「地震に強い家が欲しい。」と言われる方が多いのですが「地震に強い」という言葉は非常に抽象度の高い言葉だと私は思っています。

というのも地震に強い家というのは、言い換えると「地震の後も住み続けられる家」なのです。

誰だってそうだと思いますが、大地震が起きたその後も何事もなかったかのように平然と自分たちの家で過ごしたいですよね。

実は地震の後も住み続けられる家は2つのパターンに分けられ、それが両立することはないのです。

ではその2つのパターンは何なのかというと、

  • 内装被害が少ない家
  • 周辺被害から身を守れるシェルターとしての家

です。

内装被害が少ない家=木造住宅

まず1つ目の『内装被害が少ない家』というのは、木造住宅のことです。

実は鉄骨造の建物は建物自体が重いこともあり、揺れることで地震の力を逃す構造になっているのです。

そのため、鉄骨住宅は地震が来るとけっこう揺れます。

一方で木造住宅は軽いので、地震が来ても揺れにくいのです。

結果として地震が起こった後の内装被害に関しては、木造住宅の方が圧倒的に少ないわけです。

どこどこのハウスメーカーがという話ではなく、そういうものなのです。

例えば、私と同様に建築学科卒の人間からすると、鉄骨の建物は揺れる、木造は揺れにくい、というような話は「1+1=2」くらいの基本的な話として習う内容なのです。

また「それって本当かな?」と思い、ボランティアも兼ねて熊本地震の被災地などにも自分の足で行ったのですが、やはり全体的に鉄骨住宅の方が被害が多かった印象でした。

高級な壺や絵画、家具、時計など、そういう壊れてしまったらまずいものをたくさん持っている、あとは極力メンテナンスをしたくないというような人からすると、木造住宅はぴったりなのです。

周辺被害から身を守れるシェルターとしての家=鉄骨住宅

2つ目の『周辺被害から身を守れるシェルターとしての家』ということについてですが、こちらは鉄骨住宅のことです。

鉄骨住宅は正直揺れはするのですが、木造の建物よりは頑丈なわけです。

ですので、隣の家が倒れかかってきた、隣の家が燃えて自分たちの家も燃えてしまったなど、そうならないようにするためのシェルターとしての役割が鉄骨住宅にはあるのです。

こういう物理的な外的要因から身を守ることを優先するのであれば、木造住宅よりも鉄骨住宅で建てるべきということになります。

ただしここで「鉄骨系のハウスメーカーってほとんどの場合、地震の揺れを抑える制震装置というのが入っているし、実際には揺れないんじゃないか?」そんなことを思われた方もいるかもしれません。

ハウスメーカーの営業マンも得意げに制震装置の説明をするので、そう思ってしまうのも無理はないのですが、制震装置は、制震装置が入っているから地震に強いのではなく、制震装置を入れなければ建物が揺れてまずいので仕方なく入れているものなのです。

実際に多くの木造住宅メーカーが制震装置は入っていないわけですが、なぜ入れないかは、シンプルに入れる必要がないくらい揺れないからです。

その点ミサワホームは過剰なまでに揺れない家をつくることに情熱を注いでいるので、木造住宅であるにも関わらず制震装置を入れている特殊なハウスメーカーになるわけです。

ミサワホームの制震装置

このような感じで、地震の後も住み続けられる家は2つのパターンに分けられ、それが

  • 内装被害が少ない家
  • 周辺被害から身を守れるシェルターとしての家

この2つだというお話でした。

そして、木造住宅を選ぶと、

  • 地震が来ても揺れにくく内装被害の少ない家になる
  • 周辺被害から自分たち家族の身を守ることを考えると心もとない

一方で鉄骨住宅を選ぶと、

  • 周辺被害から安心して自分たち家族の身を守れる
  • 地震が来た時に揺れやすい
  • 内装被害は木造住宅よりも出る
木造住宅と鉄骨住宅の地震が来た時の違い

ということになるため、同じ「地震の後も住み続けられる家」でも「内装被害が少ない家」と「周辺被害から守れるシェルターとしての家」では、両立させるのが難しいというお話でした。

結局のところ、自分たちがどんな場所で家を建てるのか、それによって選ぶ構造躯体を変えていきましょうというのが結論になるので、この辺は柔軟に考えてもらえるといいと思います。

木造住宅を建てるべき人の特徴3:温度差の少ない家をつくりたい人

続いて『温度差の少ない家をつくりたい人』についてです。

これに関しては非常にシンプルです。

鉄が熱を伝えやすい物質なのは誰でもイメージできると思います。

一方で木は熱を伝えにくいのです。

例えばサウナは、室内が全面木張りです。

サウナ

あれは木張りになっているため、室温が80℃、100℃であっても中に入れるわけですが、サウナの中が全面鉄板張りだったら多分死ぬと思います。

要はそのようなイメージで、住宅においても鉄骨住宅よりも木造住宅の方が温度差の少ない家をつくりやすいわけです。

また先ほども説明した通りで、鉄骨住宅は大量生産前提の住宅なので、断熱材を一部だけ厚くするなど、そういう小回りの利いたカスタマイズはできないのです。

やるのであれば工場のラインからマニュアルまですべて変えなければならないですし、それをやってしまうととんでもない労力がかかってしまうわけです。

ただし地球の環境問題もあるので、昨今どのハウスメーカーもそこそこ断熱には力を入れ始めているのですが、なんだかんだやはり鉄骨ですと不利なところが多いです。

そのため、世の中木造住宅寄りになってきているといった感じです。

ですので、温度差のない家を突き詰めるのであれば、こちらも木造住宅を選択することをおすすめします。

ただし「じゃあ鉄骨住宅が完全に不利なのか?」と言われればそうでもなく、どれだけ不利な部分をハウスメーカー側がカバーしているのか、また施主主導でどれだけ不利な部分をカバーするための対策ができるのかで、温熱環境を整えるのが難しい鉄骨住宅であっても、諸々カバーすることができます。

ハウスメーカー選びは表面的な価格の部分だけで行うのではなく、根本の部分を理解し、その上で苦手な部分をどう対策しているのか、どう対策できるのかを考えて選んでいくものなのです。

特に温度差の少ない家をつくりたい人にとっては、建物の断熱性能の向上は死活問題なので、必ず意識してもらいたいなと思います。

木造住宅を建てるべき人の特徴4:広い土地もしくは比較的広めの土地に家を建てる人

そして最後に『広い土地もしくは比較的広めの土地に家を建てる人』についてです。

基本的に広い土地もしくは比較的広めの土地に家を建てる場合、平屋で建てることが多いと思います。

平屋は地面に接している部分が多いので、もともと地震に強い建物なのです。

特に木造の方が軽くて揺れにくいということもあるので、平屋で地震に強い家を目指すのであれば、尚のこと木造住宅の方が有利なのです。

また鉄骨住宅の場合は、鉄骨住宅の気密性の悪さを補うために住宅密集地で家を建てた方がよかったりもするのですが、そもそも平屋を建てられる時点で土地が大きいわけです。

ですので、広い土地で平屋の鉄骨住宅を建てるのは、気密性能の低さを補うのにも適していないわけです。

こういう理由から、鉄骨で平屋を建てる意味はあまりないので、広い土地もしくは比較的広めの土地に家を建てる人は、木造住宅を選ぶべきなのです。

ただし例外もあり、一部のメーカー限定ですが、究極にメンテナンスの少ない家をつくりたいという場合には、平屋で鉄骨住宅を建てるというのもありなのかなとは思います。

例えば平屋は、建物の外壁をメンテナンスする時に足場を組む必要がないのです。

平屋の家

建物自体の高さがそこまでないので、わざわざ足場を組まなくてもメンテナンスできるからです。

ですので平屋で建てると、つくり方によってはメンテナンス工事で発生してくる足場代を浮かせることができるわけです。

この特性を利用して、外壁のメンテナンスや外壁と外壁をつなぐ目地部分のメンテナンスが必要ないパナソニックホームズで平屋を建てることで、究極にメンテナンスの少ない鉄骨住宅をつくることが可能になります。

パナソニックホームズの平屋

このような感じで、ハウスメーカーの特性を読み解いた上で、あえて鉄骨住宅で平屋を建てるのであればありかなと思うので、1つ参考にしてみてください。

ちなみに広い土地で家を建てる場合、大抵平屋で建ててしまった方が総額で見た時に安くなる傾向があります。

ですので、広い土地で家を建てる場合は、あえて坪単価を上げた方がいいのです。

例えば100坪の土地に40坪の2階建ての家を建てたとします。

そして40坪の2階建ての家を建てる想定なので、単純に1階部分20坪、2階部分20坪、合計で40坪なわけです。

ですので、100坪の土地に40坪の2階建ての家を建てる場合「100坪 – 1階部分の20坪」ということで、残り80坪の土地に対して外構工事費用がかかってくるということになります。

100坪の土地に40坪の2階建ての家を建てる場合は外構が80坪

一方で、同じ40坪の家であったとしても、40坪の平屋だった場合「100坪 – 40坪」で残り60坪の土地に対して外構工事費用がかかってくることになるのです。

100坪の土地に40坪の平屋を建てると外構は60坪

つまり何が言いたいのかというと、建物の坪数がコンパクトであれば当然その分建物にかかる建築費用を抑えたように見えるのですが、実際には土地の余白があればあるほど、そこに対して膨大な外構費用がかかってくるため、トータルの建築コストがむしろ上がってしまう可能性があるということです。

先ほどの例で考えると、100坪の土地に40坪の2階建ての家を建てて残り80坪の土地に外構工事を行うと、カツカツ仕様の外構工事でも700万円くらい、まともに外構工事を行ったら1,200万円くらいはかかるイメージです。

そんなにも外構工事で金額がかかるのであれば、建物にお金を回した方がよくないですかという話で、実際に大きい土地に2階建ての家を建てるよりも、あえて坪数を大きくして平屋で建ててしまった方がトータルの建築費用が安かったという事例を私は今までたくさん見てきていますし、経験してきています。

広い土地で家を建てる場合は、大抵平屋で家を建ててしまった方が総額で見た時に安くなる傾向があるので、ぜひとも参考にしていただければと思います。

木造と鉄骨どっちがいい?木造の注文住宅を建てるべき人の特徴のまとめ

今回は『木造と鉄骨どっちがいい?木造の注文住宅を建てるべき人の特徴』というテーマでお話をしてきました。

  • デザイン性の高い家をつくりたい人
  • 地震の後も住み続けられる家に住みたい人
  • 温度差の少ない家をつくりたい人
  • 広い土地もしくは比較的広めの土地に家を建てる人

これらに該当する方は、木造住宅を優先的に検討してもいいかもしれないので、ぜひともハウスメーカー選びの参考にしていただければと思います。

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