今回は『【2025年最新】積水ハウスの特徴11選〜これさえ見ておけば大丈夫!〜』というテーマでお話していきます。
今回は初心者用に、かなり簡単にサクッとまとめています。
これから家づくりをしようと思っている方で、積水ハウスに興味があるけれど「実際どんな企業なの?」「ざっくりどんな企業か知りたいな。」と思われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
積水ハウスの特徴1:評価
まず、積水ハウスの評価に関してですが、このような感じになります。
最初に、積水ハウスで家を建てるメリット・デメリットを簡単にお伝えすると、メリットは
- 鉄骨の商品と木造の商品、両方を取り扱っている
- できることの幅が広く、柔軟な対応をしてくれる
- 間取りの提案力が非常に高い
一方、デメリットは
- 大手ハウスメーカーの中で一番金額が高い
- できることが多いため、担当者の力量に左右される
以上が、積水ハウスで家を建てるメリット・デメリットになります。
それでは、積水ハウスの簡単な全体像を把握していただいたところで、具体的な中身に入っていきます。
積水ハウスは、業界で一番金額が高いハウスメーカーになります。
その代わり、提案力がずば抜けて高い傾向にあり、建物の仕様も幅広くカスタマイズできるのが特徴です。
積水ハウスは、1960年に創業してから今まで260万戸以上の家を建てているハウスメーカーです。
そして、これは世界で1位の建築実績を誇ります。
また、以前までは中価格帯ブランドとして「積水ハウス ノイエ」という商品を展開していたのですが、こちらは廃止になりました。
そのため、他のハウスメーカーとは違い、規格住宅は存在せず、完全なフルオーダーメイドの注文住宅1本のみを販売している企業となります。
積水ハウスの特徴2:設計力
これは私の主観ですが、設計力は間違いなく業界トップだと思います。
業界トップの設計力
設計力が業界トップだと思う理由は2つあります。
- 建築家から住宅設計ノウハウを学んでいる
- 家具から家づくりをしようと思っている
この2つです。
建築家から住宅設計ノウハウを学んでいる
まず1つ目の建築家から住宅設計ノウハウを学んでいるということに関してですが、積水ハウスでは設計する時によく「敷地を読む」と言います。
「敷地を読む」というのは自分の家だけを考えるのではなく、近隣住宅や景色も考えて家づくりをするという設計方法で、例えば本来なら南面に窓を大きく取るのが一般的だけれど、それをやってしまうと日中カーテンを閉め切った状態になり、せっかくの大開口が無駄になってしまう、そのためあえて南側は閉じ、北側に大きな窓をもってきて、そこに大きい開口を取ってしまおう、北側も住宅地で窓を開けない場合は敷地自体の高さを上げて通行人と目線が合わないように建物自体の高さを調整してしまおう、
あとは積水ハウスでは「クリアビューデザイン」と言ったりするのですが、天井と軒の素材と色味、床とウッドデッキ・タイルデッキの素材と色味、室内側の壁と室外側の壁の素材と色味、これらを合わせることで室内空間にいてもまるで外にいるかのような設計をする
などです。
こういった設計をするために「敷地を読む」ということをするのですが、これは元々建築家の國武さんという方から受け継いだ建築手法だそうで、その設計手法をお弟子さんである積水ハウスの設計陣たちが脈々と受け継いで今に至っているのです。
そこから今現在は建築家の吉井さんという方からまた別の建築手法を受け継いでいて「life knit design」という概念を打ち出し、商品展開をしているわけです。
「life knit design」についてはまた後で詳しく説明をします。
こういう建築家の方たちからノウハウを受け継いで、それを設計のデザインとして全国的に落とし込んでいるようなハウスメーカーは日本で唯一積水ハウスくらいで、そのためトップの設計力を持っているわけです。
家具から家づくりをしようと思っている
次に2つ目の家具から家づくりをしようと思っているということについてですが、積水ハウスは家具蔵という家具メーカーを買収しています。
ではなぜ買収したのかというと、今お伝えしたように家具から家づくりをしようと思っているからです。
というのも、本来建築というのは家具からつくり上げるものなのです。
誰でもなんとなくイメージが湧くと思いますが、本当だったらその空間に合わせて家具をつくった方が、ベストマッチした空間に仕上げることができます。
しかし、そのようなことをやっていたら時間もコストもものすごくかかるわけです。
だったら世界的に有名な家具デザイナーとよばれる人たちがつくった既製品の家具から逆算して建物をつくった方が効果的かつ効率的なのです。
建物に合わせて家具をつくるのも、家具に合わせて建物をつくるのも、アプローチは逆ですがやっていることは同じです。
わかりやすくお伝えをすると、どんなに器がよくてものっている料理が微妙だったら全てが台無しになるということです。
ですので、積水ハウスは家具から家づくりをしようと思っていて、そのために家具蔵という企業を買収したわけです。
ハウスメーカーは基本的に大量生産前提の家づくりをする企業なのですが、こういう建築家よりの家づくりを企業全体で取り組んでいるのは、積水ハウスくらいなのです。
ですので、
- 建築家から住宅設計ノウハウを学んでいる
- 家具から家づくりをしようと思っている
これらの理由から積水ハウスの設計力は間違いなく業界トップだということです。
提案
普通、金額の安い家になってくるとざっくり打ち合わせをしてざっくり家づくりが進んでしまうのですが、
積水ハウスですと、例えば照明のスイッチやコンセント、お風呂の操作パネルなど、どれか1つでも目立つと空間がおしゃれにならなくなるので、それらをどうにかして隠してノイズにならないようにしよう、
天井の照明も、LEDをとにかくたくさん適当に付けるのではなく、なるべく間接照明を使って空間のきれいさを保ちつつ明るさも担保しよう、
ただなんとなくカーテンを取り付けるのではなく、レールを隠してカーテンを設置したり、そもそもカーテンレスで生活できるように間取りを提案したり、
そういうちょっとしたことで、どのハウスメーカーでもできそうで意外とできない、そんなことの積み重ねによって洗練されたすっきりとしたかっこいいデザインの家をつくれる、これが積水ハウスの設計力でありブランド力なのかなと思います。
また、それ以外にも家族のやりたいことを尊重するファミリースイートという考え方が積水ハウスにあって、
これはとりあえず広いLDKをつくるのではなく、そこに住む家族それぞれがお互いやりたいことができる、でも一緒にいる一体感も両立できて、さらに子どもの成長に合わせて可変性もある、そんな深い提案をしていこうというような考え方も存在するのです。
ですので、こういうファミリースイートやクリアビューデザイン、あとはスローリビングやlife knit designなど、積水ハウスはいろいろな共通言語をつくってデザインの均一化を図っているのです。
チーフアーキテクト制度
そして、この積水ハウスの圧倒的な設計力の基盤をつくっているのが、チーフアーキテクトという制度になります。
チーフアーキテクト制度とはどういうものなのかというと、普通、戸建てを設計する場合2級建築士で十分なのです。
しかし積水ハウスには、ビルなどまで設計できる1級建築士が社内に大体2,900人います。
さらにその中の上位8%だけがなれるのがチーフアーキテクトなのです。
チーフアーキテクトに認定されることはもちろんすごいことなのですが、それを目指す人が多く、そういう土壌があるため、結果として社内全体のレベルが高いというのが積水ハウスの強みなのです。
ただし、穿った見方をしている人からすると「チーフアーキテクトなんてどうせ自社制度でしょ。」と思うと思いますが、実は結構厳しく審査されていて、実際にお客様に提案した図面がどういうものなのか、社内での評価はどうなのか、人当たりはどうなのかなどなど、そういう全部のことが評価されるのです。
あと、会社によって導入されているという会社もあると思うのですが、360°評価システムというのがあります。
要は忖度なしにその人を評価するシステムのことなのですが、そういった人間が本心で評価できるようなシステムをつくって、間違えない人のみを選出しているというのもチーフアーキテクト制度のすごいところだったりもするのです。
さらに、2年更新で落ちることも普通にあるので、一度チーフアーキテクトになったから終わりという感じではないのです。
常に緊張感を持ちながら仕事に取り組み続ける必要があったりするのです。
こういう土壌がしっかりとありつつ、さらに建築家から家づくりのノウハウを教えてもらい、それを言語化して会社全体で取り組んでいる、そのためネット上には、積水ハウスのおしゃれな物件の写真や動画が多いのです。
こういうのも積水ハウス独自の強みです。
打ち合わせ
積水ハウスはハイコスト系のハウスメーカーなので、打ち合わせも回数を決めていません。
というのも、ミドル・ローコスト系のハウスメーカーは、契約後の打ち合わせに回数制限を設けていたり、あとは専門部署を抱えず営業マンが契約後の打ち合わせを全て行ったりしてコストカットをしているのです。
しかし、積水ハウスは打ち合わせの回数制限はありません。
また、専属の設計士やインテリアコーディネーターもついてくれるのです。
ですので、ミドル・ローコスト系のハウスメーカーで契約後によくありがちな「出荷までの期日が迫っているのですぐに決めてください。」「今日この場で決めてください。」というのがあまりないのです。
ただ「あまりない」というのがポイントで、積水ハウスも諸々の事情でどうしても契約を取らなければならない場合だったり、時短して社員の労働時間を減らさなければならないこともあったりで、打ち合わせの期限を設けてくる場合もあります。
この辺に関しては担当者次第で、100%打ち合わせの回数制限がないというわけではないので、ご注意いただければと思います。
基本的にはないという感じです。
間取り
積水ハウスの間取りについてのできること、できないことですが、まずどのくらいの大スパン、大開口が取れるのかというと、鉄骨のISシリーズですと、1階で横7m、2階で横8mまでの空間をつくることができます。
縦の長さに関しては構造躯体が持てば割といくらでも長さを出すことが可能です。
一方で木造のシャーウッドですと、最大で横6m、縦10mまでの大空間をつくることができます。
また、間取りの最小変更単位は、鉄骨のISシリーズですと50cmになります。
これが木造のシャーウッドですと、半分の25cm単位になります。
ですので例えば、土地が狭くてギリギリまで攻めたい場合ですと、意外とシャーウッドの方が有利なのです。
また、狭小地で鉄骨の3階建てを建てると金額が高くなるので、コストを抑える目的でシャーウッドの3階建てM’axioを提案されることが多かったりもします。
この辺のチョイスに関しては非常に難しいところもあり、狭小地のような住宅密集地は地震で隣の家が倒れかかってくるリスクや、隣の家が燃えて自分の家にも被害が及ぶというリスクもあります。
これを考えると、周辺被害から身を守ってくれて、なおかつ家がシェルターの役割を果たしてくれる鉄骨住宅の方が有利だったりします。
一方で木造住宅の特性を考えると、物理的な強度は圧倒的に鉄骨住宅の方が上です。
ですので、木造住宅は本来、住宅密集地で家を建てるというよりも、少し広めの土地で家を建てるのに向いている構造躯体なのです。
鉄骨のISシリーズでも室内側の壁の調整は1cmなどで微調整できるので、
- 極端に大空間を取りたい方
- 狭小地など住宅密集地で家を建てる方
これらに該当する方は鉄骨寄りで、
- 細かく間取りをつくり込んでいきたい方
- ゆとりのある敷地で家を建てる方
これらに該当する方は木造寄りと覚えておくといいかと思います。
積水ハウスの特徴3:デザイン
積水ハウスのデザインについて触れていきます。
具体的には積水ハウスが今現在推しているlife knit designについての解説です。
life knit designは正直、積水ハウスの社員の中でも解釈がバラバラです。
少し言い方は悪いのですが、浅い理解しかしていない人もいれば、ものすごく深いところまで理解している人もいます。
ですので、結構注意が必要な概念なのですが、積水ハウスの社員全員が理解しているであろう浅い理解の方に絞ってお話をすると、積水ハウスのlife knit designは「おしゃれな家を建てたい、だけれどうまく言語化できない」という方が、積水ハウスがチョイスしたテイストの中から自分の好きなアイテムを選んでいけば、いい感じのテイストの家が建てられるという仕組みです。
例えばローコントラストの同系色で室内をまとめ、しなやかな空気感を感じることのできる「静」、
すっきりナチュラルな木質感を感じられる室内で、爽やかな空気感を感じることのできる「優」、
上質でシンプルな空間かつ緊張感のある空気感を感じることのできる「凛」、
温かみのある木質感と空気感を感じることのできる「暖」、
ハイコントラストと重厚感からなる贅沢な空気感を味わうことのできる「艶」、
ワクワクする色や形から心踊る空気感を感じられる「奏」、
この6つの中から自分の好みのテイストを選んでもらい、それにマッチした素材を使って家づくりをしていくというイメージです。
ただ、life knit designの本質を一言でお伝えをすると、建築家がつくる家をハウスメーカーでもつくろうということで、そこには「時間」という要素と「その地域の特性」をテーマにした家づくりをすることがポイントになってくるわけです。
そのため、ヴィンテージとよばれる家具を積極的に取り入れてみたり、
自然素材系の床材や壁材を採用してみたり、
あとは建築地の地域特性を考えて、暑い地域で家を建てるなら大屋根の家にしてみたり、雨の多い地域で家を建てるのであれば雨の日でも楽しくなるような家づくりをしてみたりなどです。
そういう時間と地域を考えて家づくりをしていくのが、本来のlife knit designの真髄なのです。
正直、積水ハウスの中でもこの考え方で設計をできる人は、私が知っている限り全国で3人ぐらいです。
また、そこまで家づくりにこだわりはないという人もいるかと思うので、そういう方の場合は普通に積水ハウス側がチョイスした素材の中から家づくりをしていく、それで間違いないデザインの建物をつくり込んでいくというのでいいのかなと思います。
ただし、徹底的に突き詰めていきたいという方は、しっかりとlife knit designというものの概念を理解している設計担当者が自分の担当になった方がいいかなと思います。
積水ハウスの特徴4:性能
積水ハウスの性能ですが、建物の断熱性能や気密性能に関しては、担当の営業マンが決めます。
そのため、一応体裁としては地域に合わせて断熱性能や気密性能を調整しますよという感じなのですが、実際のところ、その辺の知識がある方はほとんどいません。
良くも悪くも自社商品が最強と思っている人ばかりなので、積水ハウスというブランドで家を売っている人が多い印象です。
ですので、積水ハウスの標準的な断熱・気密仕様に関しては正直低めです。
特に気密性能に関してはきちんとテコ入れをしなければ、C値2を超えて出てくることも普通にあるのでご注意ください。
また、積水ハウスの標準的な断熱仕様は断熱等級5になることが多いのですが、断熱等級6を取れるグリーンファーストゼロ・スーペリアという仕様が存在します。
そのため、中には「スーペリアを選んでおけばいいんでしょ?」という人もいるのですが、それは違います。
スーペリア仕様というのは、知識のない人でもお手軽にそこそこの断熱・気密が取れるという仕様で、正直仕組みを理解している人であれば、スーペリアを選ばずとも積水ハウスで高気密高断熱の家をつくることができます。
この辺りかなり複雑で、きちんと知識のある担当者でないと中身スカスカの仕様を提案され、ゴリ押しされる可能性があるので「スーペリアを選べば大丈夫。」という風に思わないでください。
積水ハウスで家を建てる場合は、しっかりと建物の勉強をした上で積水ハウスを選ぶようにしてください。
きちんと強化をすれば、積水ハウスでも高気密高断熱住宅をつくることが十分可能です。
積水ハウスの特徴5:空調と換気
空調と換気についてです。
まず積水ハウスは、普通のエアコン、もしくは部分的な床暖房を推奨しているハウスメーカーです。
一応、全館空調の「エアシーズン」があるのですが、この全館空調はかなり昔からあるもので、グレードアップされていません。
実績を見てもほとんど採用されていないので、積水ハウスで室内の温熱環境を整えることを考える場合は、通常のエアコンを効果効率的に効く位置に設置するなど、諸々の工夫が必要です。
続いて換気システムですが、積水ハウスには「スマートイクス」とよばれる換気システムがあります。
スマートイクスは簡単に説明をすると、第1種換気であるアメニティー換気Ⅴと空気清浄機のエアミーを掛け合わせたものになります。
ですので、第1種換気であるアメニティー換気Ⅴ×空気清浄機のエアミー=スマートイクスだということです。
積水ハウスはつい数年前まで、第3種換気とよばれる換気方法を採用していました。
第3種換気というのは自然の空気をそのまま室内に取り入れて、機械で室内の空気を排気する換気方法なのですが、これですと自然の空気がそのまま室内に入ってくることになります。
ただ一方で第1種換気というのは、外の空気を取り入れる際に機械でまずは温湿度を調整して、その上で空気を取り入れます。
そしてその後に機械で室内の空気を排気するというタイプです。
これによって、室内の温湿度をある程度維持させたまま室内の換気ができるようになっているのです。
昨今の地球温暖化の影響を考えると、換気システムはやはり第1種換気がベストかなと思いますし、積水ハウスの換気システムは熱交換率80%なので、業界的にもまあまあいい方になります。
それと、積水ハウスのアメニティー換気はおもしろい特徴があって、それが外の空気を吸う時にゴミを弾いてから空気を取り入れるということです。
具体的には、サイクロン式のファンが外側についていて、それによってゴミを外に弾く仕組みになっているわけです。
イメージ的にはダイソンの掃除機のような感じです。
さらにゴミが弾かれた空気はフィルターを通して室内に入るので、より新鮮できれいな空気が室内に行きわたることになるわけです。
では、なぜここまで積水ハウスが換気に力を入れているのかというと、数年前までは1人あたりの換気量がきちんと確保できていなかったからです。
というのも、リビングやダイニング、居室などの必要換気量は一般的に1人当たり20〜30㎥/hとされているのですが、実際そこまできちんと換気できていたかといわれれば、できていませんでした。
これは積水ハウスに限った話ではなく、業界全体で見た時に……という話です。
ですので、積水ハウスはスマートイクスを導入することで、強制的に1人当たり30㎥/hぐらいの空気の入れ替えを行うという力技に出たということです。
実際に換気ゾーニングといって、その家ごとにどんな風に空気が入れ替わるのかというのを可視化できる特殊な提案をしてくれたりもするので、きちんと換気ができるのだというのがそれで確認できます。
さらに先ほど少し説明したように、スマートイクスにはエアミーとよばれる空気清浄機が天井につきます。
家の大きさによってこれが2台付いたりするのですが、積水ハウスではエアミーが付くことによって、個別で空気清浄機を買わなくていいようになっているのです。
積水ハウスは元々エアキスといって、床や壁などの建材を独自基準で厳しく検査し、化学懸念物質が発生しないものしか使わないという工夫もしていたのです。
これが大体750品目くらいで採用されているのですが、例えば積水ハウスが使う朝日ウッドテックの床材は、一見すると普通の朝日ウッドテックの床材なのですが、実は特別に通常よりも化学懸念物質が出ない床材にしてもらっているのです。
そのため、積水ハウスで入れる朝日ウッドテックの床材と他のハウスメーカーで入れる朝日ウッドテックの床材とでは、見た目は同じでも中身が異なっているのです。
これによって積水ハウスは、赤ちゃんや敏感な方でも快適に過ごせる空間を提供できるように仕組みづくりをしているわけです。
今現在どの建材も大体「F★★★★」といって、ほとんど化学懸念物質が付いていないとされているのですが、完璧ではありません。
ですので、過剰とも見えるこの仕組みは、万全を期すということを考えると必要な取り組みなのです。
エアキスという仕組みもだいぶ前からやっているのですが、ここ最近では換気にも力を入れ始めたので、空気をよりきれいに保てるようになったという感じです。
積水ハウスの特徴6:防音
防音についてです。
積水ハウスの防音対策はそれなりにいいという感じでして、必要に応じて諸々強化してくれる印象です。
ただ、それ相応にお金もかかってきます。
例えば「防音室をつくりたい。」と言えば普通につくれますが、当然追加費用が発生します。
また木造のシャーウッドの場合は、追加で床下にALC(軽量気泡コンクリート)を入れることもできるのですが、それもそれで追加費用がかかってきます。
あとは外からの音に関しては、通常のスペックでも十分に遮音性はあるのですが、もっと遮音性を高めることを考えると、建物の断熱性能を上げて壁厚を厚くしつつ同時に遮音性を高めることをしなければならなくなるわけです。
そのため、結局追加費用がかかってくるのです。
積水ハウスの防音性は悪くはないのですが、遮音性をよりよくしようと思うと、それ相応にお金がかかってくるということは覚えておいてください。
積水ハウスの特徴7:IoT
IoTについてです。
積水ハウスにはPLATFORM HOUSE構想という考え方があります。
これが何かというと、スマホで家の管理ができるというものです。
例えば、エアコンをスマホでつけることができたり、家の鍵が全て施錠されているかをスマホから確認できたり、あとは泥棒が入った時に検知して知らせてくれたり、そういう機能がPLATFORM HOUSE touchには付いていて、それらを全てスマホで管理できるのです。
今後さらにこのPLATFORM HOUSE touchは進化していくと積水ハウス側から公言されているサービスなのです。
ただし現状ですと、PLATFORM HOUSE touchは月額2,200円取られますし、PLATFORM HOUSE touchを入れるのにもそこそこ大きな金額を求められます。
何も言わないと半ば強制的にPLATFORM HOUSE touchを入れさせられることになるので、本当に必要かどうかを考えていただき、必要ないと感じたら入れたくない旨を伝えるようにしてください。
積水ハウスの特徴8:メンテナンス
メンテナンスについてです。
屋根・外壁・シロアリ
屋根・外壁・シロアリ、この3つが主にメンテナンスのかかる部分になってきます。
それぞれ説明をすると、屋根に関しては営業マンが何を提案してくれるのかでメンテナンスの頻度が変わります。
スレート瓦であればメンテナンス頻度は高くなりますし、ガルバリウム鋼板の屋根であれば、スレート瓦ほどメンテナンス頻度は高くありません。
また、瓦にすればメンテナンスが1番かからなくなります。
この辺は予算に応じてという感じです。
また、屋根材の下にルーフィングとよばれる防水シートが入っているのですが、標準で入っているのが30年耐久のもので、機能性としてはそこまでよくないわけです。
予算があればこの部分は強化してください。
最長で60年耐久にすることも可能です。
ただ、ここで積水ハウスは防水の保証が30年なので「いやいや普通のルーフィングでも問題ないじゃん。」「何かあった時は無料で補修してくれるでしょ。」と思われる方もいると思います。
しかしこれも違うのです。
保証は積水ハウス側が何かしらの落ち度があった場合に使えるものです。
ですので、積水ハウス側に落ち度がなかったら、普通に30年後に防水のメンテナンス費用が発生してくるのです。
まずはメンテナンスのかからない建材で家を構成する必要があり、そのためにはルーフィングの強化は必須なのです。
この辺のメンテナンスと保証のことをしっかりと切り分けて考えられないと、絶対に「なんか思っていたのと違う。」となるのでご注意ください。
外壁材に関しては、鉄骨のISシリーズはダインコンクリートという外壁が使われ、木造のシャーウッドはベルバーンという外壁が使われることが多いです。
正直、メンテナンスだけでいえばシャーウッドのベルバーンの方が優秀で、ベルバーンは基本的に塗り替えなどのメンテナンスが必要ありません。
一方でダインコンクリートは、30年ごとの塗装が必要になります。
ですので、メンテナンス頻度を抑えて後々お金のかからないようにするということを考えると、ベルバーン一択になります。
ただしここでも落とし穴があって、外壁材のメンテナンス頻度を少なくできるとは言ったものの、外壁と外壁をつなぐ目地とよばれる建材は、大体30年ごとに張り替えが必要になってきます。
ですので、ベルバーンを選んだからといってメンテナンス費用が完全にかからないわけではなく、結局メンテナンス費用はかかってくるのです。
鉄骨の方はメンテナンス費用がそこそこかかるけれど、木造の方はメンテナンス費用が鉄骨よりは少なくて済むくらいの感覚でいていただけるといいかなと思います。
この辺りの保証やメンテナンスに関してよくわかっておらず、ごちゃごちゃに説明をしてしまっているインフルエンサーの人や住宅営業マンの方がいますが、一旦冷静に考えてみてください。
保証やメンテナンスフリー、聞こえはいいですが、世の中そんなうまい話はありません。
きちんと切り分けて考えてみてください。
シロアリに関しては10年に1度のメンテナンスが必要で、大体15〜 20万円程度の金額がかかります。
ちなみに積水ハウスでは、10年目に防蟻処理を行うと10年保証が延長されます。
20年目に防蟻処理を行うと、さらに10年保証が延長されます。
ただし、防蟻処理は任意という扱いで、10年目に防蟻処理を行わなければその時点で保証はなくなります。
10年目に防蟻処理を行わずに20年目に防蟻処理を行うということはできますが、保証は切れたままになります。
これはもう、仕組み上そういうものだということで理解してください。
10年ごとに大体15〜 20万円程度のメンテナンス費用がかかるという風にご理解いただければと思います。
主なメンテナンス箇所として、屋根、外壁、シロアリ、これらの説明をしてきました。
床
積水ハウスは、マルホンという無垢床メーカーを買収しています。
そういったこともあり、人によっては独自解釈で「積水ハウスはメンテナンスをすることがいいと考えているハウスメーカーだ。」「積水ハウスは無垢床を貼ってたまにオイルを塗るなどして手入れをして味わいを増していくという文化がある。」など、ネットを見ると散々適当なことを言われています。
しかし、メンテナンスが必要ないものなんてこの世の中に存在しないのです。
メンテナンスフリーというのは、メンテナンスできないためメンテナンスフリーと言っているだけで、メンテナンスをするのは普通なのです。
イメージしてみてください。
100均の品物はメンテナンスして使いますか?
使いませんよね。
UNIQLOやGUの服をメンテナンスして何十年と使い続けますか?
使い続けませんよね。
なぜなら使い捨てる前提で物を買っているからです。
使い捨てる前提ならメンテナンスなんかしなくてもいいですが、そうでないのであればメンテナンスは必要なのです。
それと同様で、シート系床材とよばれるものは、価格も安いですし、メンテナンスフリーとよく言われるのですが、あれは全然長持ちもしなければメンテナンスもできないのです。
まさにメンテナンスできないためメンテナンスフリーと言っている典型例です。
一方で、無垢材は昔と比べてだいぶ技術が進化していて、よく言われる「無垢材を入れたら床が反った、曲がった、隙間があいた」という話は、今現代においてほとんど起こりません。
また、無垢材の表面の塗装技術もかなりすごくなっていて、汚れがつきにくい塗装が表面に施されているにも関わらず、無垢本来の触り心地を体感できる、今はそんな塗装も存在します。
私の自宅はそういった塗装なしの無垢床を使っていますが、今はクリーナーワックスというものがあり、それを使うことで水拭きのようにさっと床を拭きつつ、同時にワックスもかけてくれるのです。
クリーナーワックスを実際に使ってみるとわかるのですが、ベタベタすることは一切なく、拭いた瞬間速乾するので、使いにくいということも全くありません。
それを月1くらいでやれば十分なのです。
月1の掃除すらもしたくない人、できない人は、相当まずい気がします。
積水ハウスを擁護するつもりはありませんが「無垢床を入れると足触りは最高だけれど、冬場隙間があいたり、ちょっとしたことでミシミシと音が鳴ったりするからおすすめしません。」と言う人が多いのですが、本当にいつの時代の話をしているのかなという感じです。
ですので「メンテナンスをすることがいいと考えているハウスメーカーだ。」「積水ハウスは無垢床を貼って、たまにオイルなどを塗って手入れをして味わいを増していきましょうという文化がある。」ということではなく、長く使い続けるのであれば必然的に石油由来の工業化製品ではなく本物系の素材を入れなければならないので、積水ハウスは無垢や挽き板を推しているのです。
この辺りは正しい解釈をしなければ、騙されることになるというかハウスメーカー選びをきちんとできなくなるので、ご注意ください。
アメニティー換気のフィルター
アメニティー換気のフィルターの交換についてお話します。
1箇所の交換には大体2〜3万円くらいかかるイメージです。
つまり、1階と2階で2箇所使用している場合、4〜6万円くらいの費用がフィルターの交換代として発生します。
ただし、先ほども触れましたが、アメニティー換気はサイクロン式で、事前にゴミを弾き落とし、さらにフィルターを通して新鮮な空気を取り入れているわけなので「フィルターはそこまで汚れないのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、サイクロンで落とせるゴミはあくまで小さい虫やタンポポの綿毛くらいなのです。
細かい粒子などは落とせないので、結局フィルターの交換はコンスタントに発生します。
一応、積水ハウス側は「フィルターの交換は5年に1度でいい」としていますが、通常、この手の換気システムの場合、2年に1度は変えた方がよかったりします。
あと、立地によってもフィルターの汚れ具合が変わるため、あまり鵜呑みにせず、ケースバイケースで対応することをおすすめします。
積水ハウスの特徴9:耐震・災害
耐震・災害についてです。
耐震性能
積水ハウスは型式適合認定という国の認定を受けています。
型式適合認定は取得するのに莫大な時間とお金、そしてそれ相応の技術力がないと取得できないので、積水ハウスの耐震性能は強いと言って全然問題ないと思います。
ただ、これは積水ハウスに限った話ではありませんが、鉄骨と木造どちらが地震に強いのかというと、基本的には木造の方です。
「地震に強い家を建てたい。」と多くの方が言うのですが、この「強い」という言葉は非常に抽象的です。
ですので、もっと解像度を高めると「地震に強い」の「強い」は
- 地震が来ても揺れない強さ
- 周辺被害から身を守れる強さ
- その両方
という3つの意味に分けられます。
どのハウスメーカーも、基本的には地震が来ても揺れない強さと、周辺被害から身を守れる強さの両立を図るため、さまざまな工夫をしています。
しかしそれは、自然の摂理に反することなので、完璧には両立できません。
例えば、積水ハウスの鉄骨には「シーカス」という制震装置が入っています。
「制震装置が入っているから地震に強い」と説明する人がいますが、鉄骨住宅はもともと重いため揺れやすいのです。
これは積水ハウスに限らず、鉄骨住宅はそういうものなのです。
揺れを抑えるためにはどうしても制震装置を入れざるを得ないため、シーカスのような制震装置が入っているのです。
そうすることで、地震が来ても揺れない強さと周辺被害から身を守れる強さ、この両立を図ろうとしているのです。
ただ、自然の摂理に逆らうことはなかなか難しいので、揺れにくさは、やはり木造住宅には勝てないのです。
実際に木造のシャーウッドには制震装置が入っていないのですが、それは木造で元々地震が来ても揺れにくいため、制震装置が入っていないのです。
そうは言っても、周辺被害から身を守ることを優先する場合、物理的な強度の高い鉄骨住宅の方が有利になりますし、一応鉄骨住宅であっても欠点を補うために積水ハウスでは制震装置を入れています。
実際に、積水ハウスの制震装置シーカスは、業界で唯一の制震装置で、他のオイルダンパーや鋼材ダンパーなど、いろいろなものを試した結果行き着いたのが今のゴムダンパーであるシーカスということです。
ですので一定の安心感はあるのですが、どちらかというと構造上木造の方が揺れにくいので、地震には強いです。
特に積水ハウスの木造「シャーウッド」は基礎一体打ちとなっていて、さらに柱を基礎に直接つなげるような構成になっています。
こうすることで、本来発生してくる基礎の継ぎ目をなくし、柱を通じて地震の力を基礎に直接逃がすことができているのです。
積水ハウスはハウスメーカーで1番基礎が分厚いので、そういう意味でも地震に強いと言えます。
エネファーム
会社的にエネファームを推奨しているのですが、これに関しては個人的にはおすすめしません。
「エネファームは停電時でも発電してくれますし、ガスと電気両方使えるので便利ですよ。」と言われるのですが、停電時は専用のコンセントからしか電気を使うことができません。
ですので、専用コンセントの位置を間違えて設置すると詰みます。
また、日常使いでもかなりのガスを食うので、ランニングコストも高めです。
積水ハウスでエネファームを入れたからといって安くなるわけでもないですし、現場の営業マンも会社で言われているからエネファームをすすめているというだけです。
いろいろなしがらみがあるとは思いますが、今の時代、ガスと電気の両立を考えるのであれば「エコワン」電気だけで考えるのであれば「おひさまエコキュート」。
このどちらかになります。
この辺は担当者によって提案されるものが大きく変わってくるので「積水ハウスだから大丈夫。」「積水ハウスだから安心。」と思っていると失敗することになるのでご注意ください。
積水ハウスの特徴10:コスト
コストなのですが、建物だけで坪単価120〜150万円というのが今の積水ハウスの相場です。
ですので例えば、35坪の一般的な大きさの家を建てるのであれば、4,200〜5,250万円かかってくるということになります。
積水ハウスは、断熱性能や気密性能、あとは換気、空調をきちんと整えなければ、結構住みにくいというか、夏は暑く冬は寒い家になります。
積水ハウスで建てるのであれば、強化する前提で家づくりをするイメージでいた方がいいと思います。
つまり、積水ハウスで家を建てる場合は坪120万円のラインを目指すのではなく、坪140万円、150万円のラインを狙って家づくりをした方がいいということです。
120万円のラインを狙って積水ハウスで家を建てるのだったら、素直に他のハウスメーカーで検討した方が性能的にも見た目的にもよくなるかなと思います。
積水ハウスの特徴11:比較するべきハウスメーカー
最後に比較するべきハウスメーカーについて触れていきます。
積水ハウスと比較をするのであれば、個人的には住友林業やダイワハウスの木造がおすすめです。
というのも、積水ハウスはきちんと強化をすれば高気密高断熱住宅をつくることができますし、元々提案力が高いハウスメーカーなので、デザインも機能も両立した完璧な家をつくれるわけです。
これをベースに考えると、対抗できるハウスメーカーは、住友林業やダイワハウスの木造になってきます。
住友林業
住友林業は、今現在新しい断熱仕様は出していないのですが、業界的に中の上くらいの断熱性能です。
しかも気密に関してもかなり取りやすいメーカーで、今まで私の紹介で家を建てた方の気密測定に立ちあうと、大体C値1は切ります。
ですので、気密性能が非常に高いメーカーになります。
加えてデザイン性も高くて提案力も高いです。
それでいて積水ハウスよりも1,000万円価格が安いのです。
ただ、住友林業も地域によって提案力がまちまちだったりもするので、この辺りは一概に住友林業がいいとは言えません。
ですので、積水ハウスと住友林業を比較検討していただくのはいいのかなと思います。
ダイワハウス
あと、ダイワハウスの木造です。
ダイワハウスの木造xevoGranWoodはものすごく性能がよくて、ウルトラW断熱仕様にすれば断熱等級7が取れますし、気密もきちんと取れるわけです。
それでいて積水ハウスのシャーウッドと同じくらいかそれ以上に間取りの自由度が高いので、突き詰めようと思ったらデザインと機能の両立を図れるメーカーなのです。
ただ、ダイワハウスも残念なことに、今まで鉄骨住宅ばかり売ってきたので、木造住宅を売れる人が現場で少ないのです。
ですので「木造住宅で建てたいです。」とお客さんが展示場に行ったとしても「鉄骨住宅の方がいいです。」と言って、無理くり鉄骨に持っていかれて契約をするというようなことが多発しているのです。
そういう意味では少しもったいないなとは思うのですが、商品だけのことを純粋に考えるのであれば、積水ハウスの対抗馬としてあがってくるのは、同じ軸組工法ベースの住友林業、ダイワハウスの木造かなという印象です。
この辺を比較検討していただくといいかと思います。
1つ参考にしていただければと思います。
積水ハウスの特徴のまとめ
『【2025年最新】積水ハウスの特徴11選』ということでお話してきました。
積水ハウスの特徴を正しく理解し、後悔のないハウスメーカー選びをしていただければと思います。
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