【2025】積水ハウスの耐震性・耐震等級は?耐震性能や構造をわかりやすく解説

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この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。

ハウスメーカー選びにおいて、耐震性能は非常に重要なポイントです。日本は地震の多い国なので、特に耐震性能が重要視されており、大手ハウスメーカーのほとんどは耐震等級3を目指して住宅を設計しています。

もちろんどのハウスメーカーも「地震に強い」というフレーズを繰り返していますが、実際になぜ地震に強いのか、他社と比較したときにどうなのかという点まで確認しておくと良いでしょう。

しかし、公式ホームページや関連するブログを見ても、実際には正確な情報を得られないことも少なくありません。一方、当サイト「メグリエ(MEGULIE)」は、大手ハウスメーカーの優秀な営業マンとのつながりがあり、各ハウスメーカーのリアルな最新情報を得ることができます。

そのような生の情報をもとに、今回は積水ハウスの耐震性能について解説します。他社と比較して耐震性能が高いのか低いのか、その背景にはどのような構造や工法があるのかもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。

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積水ハウスの耐震性能

結論からお伝えすると、積水ハウスの住宅はすべて耐震等級3を取得しており、非常に耐震性能に優れた住宅です。日本で耐震性能は以下のように定められており、耐震等級3がもっとも地震に強い住宅の基準です。

耐震等級概要水準
耐震等級1・震度5程度までは軽微なひび程度にとどまる・震度6強程度でも即時に倒壊・崩壊しない現行の建築基準法(2000年基準)を満たす
耐震等級2・耐震等級1の1.25倍の耐震性病院や学校など避難所や長期優良住宅に求められる
耐震等級3・耐震等級1の1.5倍の耐震性消防署や警察署など災害復興の拠点となる建物に求められる

耐震等級3よりも上の等級はないため、耐震等級3を取得しているハウスメーカーであれば、基本的には耐震性能が高く、地震に強いといえるでしょう。積水ハウスもその中の1つであり、構造や工法の面から見ても、耐震等級3に見合う頑丈な住宅であるといえます。

積水ハウスは他社と比較して地震に弱い?強い?

耐震等級3を取得しているのであれば、基本的にはどのハウスメーカーもそこまで大差はありません

ハウスメーカーによって耐震等級3をどのように実現しているかはさまざまですが、積水ハウスもトップレベルに高い耐震性能を実現しています。そのため、積水ハウスは他社と比較して「地震に強い」といえるでしょう。

積水ハウスを含む耐震性能が高い住宅については、こちらの記事でまとめています。

積水ハウスが地震に強い理由

積水ハウスは耐震等級3を取得しており、地震に強い住宅であることはおわかりいただけたでしょう。しかし、「なぜ地震に強いといえるのか」「耐震等級3をどのように実現しているのか」についても知っておくことで、より安心して検討することができます。

積水ハウスが地震に強い主な理由には、次の5つが挙げられます。

精緻な基礎

積水ハウスが地震に強い理由の1つとして、基礎へのこだわりがあります。

一般的な在来工法では、柱と基礎の間に土台を挟む設計が多いですが、強い地震では柱が土台から抜けるリスクがあります。積水ハウスはこのリスクを解消するため、「基礎ダイレクトジョイント」を採用していることが特徴です。これは、柱と基礎を直接緊結することで、揺れを効率的に基礎へと伝達させる工法です。

基礎ダイレクトジョイント

「基礎ダイレクトジョイント」を採用することで、地震のエネルギーを基礎が吸収し、建物全体を安定させることが可能になります。

高強度の部材

積水ハウスでは、構造だけではなく、部材や材質そのものにもこだわりがあります。積水ハウスでは鉄骨の住宅、木造の住宅の2種類を扱っていますが、特に木材の住宅においては部材の強度が重要視されるためです。

木材は天然素材であるため、どうしても材質にばらつきが生じやすくなります。そのため、積水ハウスでは集成材(小さい木材を接着剤で貼り合わせた部材)を採用しており、品質の一定化を実現しました。

集成材であれば強度を一定の数値で管理することが可能であり、使用する部材の品質にばらつきが生じることもなくなります。

また、鉄骨住宅においても、理論上だけではなく、多くの実験や検証を繰り返して強度が証明されている部材のみを使用していることが特徴です。

積水ハウスでは、部材にもこだわることで木造住宅や鉄骨住宅の弱みを減らし、地震に強い住宅を設計しています。

揺れに対する性能

積水ハウスでは、最先端の数々の実験・実証を行い、その結果として得られた確かな性能を、軽量鉄骨・重量鉄骨・木造、それぞれの構造へ落とし込んでいます。理論上の数値だけで強度を示すのではなく、実際に検証している点が非常に信頼できるポイントだといえるでしょう。

計算した結果、地震に強いのはもちろん、実際に大きな地震が起きたとしても強い効果を発揮してくれる住宅です。

強い外壁

積水ハウスの外壁は、巨大な地震の揺れにも対応するよう設計されています。外壁は建物本体の構造躯体とは別に揺れに合わせて動く特性を持ち、ひび割れや落下のリスクを大幅に軽減してくれることが特徴です。

また、鉄骨構造では「外壁パネルロッキング工法」を採用し、外壁を専用金具で取り付けることで揺れに応じた動きを実現しています。木造住宅には「スライドアブソーバー工法」が使われており、同様に揺れに合わせた外壁の追従が可能です。これらの技術に加えて、耐久性と美観を兼ね備えた素材である陶板外壁「ベルバーン」を現場で1枚ずつ丁寧に取り付け、高い精度を保っています。

外壁に対するこれらのこだわりが、積水ハウスの耐震性をさらに向上させています。

品質を維持する生産・施工管理

積水ハウスは、生産から施工まで一貫した高品質体制を誇ります。

工場では国際規格「ISO9001」(世界の品質マネジメントシステムにおける規格)を住宅業界で初めて取得し、全工場で邸別受注生産(1棟ごとに受注してから生産)を実施しています。

各住宅に適した部材を正確にプレカットし、工事進行に合わせて適切なタイミングで現場に出荷できることが魅力です。部材の蓄積や破損リスクを軽減するだけでなく、性能・品質を安定させる仕組みを構築しています。

また、施工は直接責任施工体制を採用し、専門職人による高精度な作業や現場の美化を徹底しているのも特徴です。

積水ハウスの品質管理は、顧客満足を最優先に考えた仕組みであり、一定の耐震性能を持つ住宅を安定した品質で提供しています。

積水ハウスの3つの工法

積水ハウスが地震に強い背景には、プランに合わせた特徴的な3つの工法があります。

ここでは、各工法について解説します。

鉄骨1・2階建て:ダイナミックフレーム・システム

鉄骨1・2階建ての住宅には、「ダイナミックフレーム・システム」が採用されています。この工法は、開放感のある広い空間と、柔軟な設計が可能なことが特徴です。

また、積水ハウス独自の制震構造「シーカス」により、地震時の揺れを効果的に吸収してくれることも魅力です。建物の変形を抑え、内装や外装へのダメージを軽減してくれるメリットもあります。

シーカス

強度とデザイン性を両立する工法であり、安全性を重視する方に最適です。

鉄骨3・4階建て:フレキシブルβシステム

鉄骨3・4階建ての住宅では、日本初の「梁勝ちラーメン構造」を採用した「フレキシブルβシステム」が特徴です。この工法は、震度7の揺れにも倒壊しない耐震性能を実現しています。

さらに、外壁にはスペースシャトルの耐熱タイルと同じ主成分を含む「シェルテック・コンクリート」を使用した「シェルテックウォール」を採用し、軽量かつ高強度な外壁となっています。

この外壁は防火性にも優れており、震災時に発生しがちな火災についても強く耐えることが可能です。

木造1~3階建て:シャーウッドハイブリッド構造

木造住宅には、「シャーウッドハイブリッド構造」が用いられています。木造軸組工法を基に、モノコック構造とラーメン構造の利点を組み合わせたこの工法は、強度と自由な設計を両立しています。

また、樹齢80~120年の北欧材を使った厳選された部材が使用されており、非常に高い耐久性を実現可能です。さらに、外壁には「スライドアブソーバー工法」が採用され、地震時にも外壁が構造に追従する形で動くため、ひび割れや剥離を防ぐことができるのも魅力です。

積水ハウスの家づくりをより具体的にイメージしたい方は、こちらの動画を参考にしてください。

積水ハウスの耐震に関する実績

積水ハウスは、過去の大地震において驚異的な耐震実績を誇っています。

阪神・淡路大震災(1995年)では、被災エリアに建築されていた29,692棟すべてで全壊・半壊がゼロという成果を達成しました。同様に、東日本大震災(2011年)でも177,488棟、熊本地震(2016年)でも全壊・半壊が一棟も発生していません

これらの結果には地盤の移動や津波による損壊は含まれていませんが、住宅の耐震性能を示す上で非常に重要な実績といえるでしょう。建物そのものの強度だけでなく、揺れを吸収する制震構造や基礎技術が効果を発揮した結果です。

実績から見ても、積水ハウスの住宅は地震に強い安心の住まいであることがわかります。

積水ハウスの地震保証

積水ハウスでは地震保証にも特徴があります。具体的には、地震などの天災で建築途中の現場が損壊した場合、積水ハウスは補修費用を全額負担してくれる制度を提供しているのです。

多くのハウスメーカーでは、施工後の地震保証は充実していることが多いでしょう。しかし、建築途中の損壊に対する補修費用は、顧客が負担する場合が一般的です。全額保証してくれるのは当たり前のように思えますが、実は契約書を見ると顧客が全額負担するようにと書いてあるのです。

一部のメーカーでは折半対応もありますが、積水ハウスのように全額保証をするケースは非常に稀でしょう。実際に東日本大震災の際にも、積水ハウスは建築現場の損害に対して顧客に費用を請求することは一切ありませんでした。

この保証制度は、積水ハウスならではの特別な取り組みであり、家づくりの安心感を高める大きな要素といえるでしょう。

積水ハウスの耐震住宅がおすすめの人

積水ハウスは耐震性能に優れた住宅を提供しており、品質の高い住宅ですが、坪単価は高い傾向にあり、人によって向き不向きがあるのも事実です。積水ハウスの耐震住宅をおすすめできるのは、具体的には次のような人だといえます。

コストよりも耐震性能などの品質を重視したい

品質を重視した住宅

積水ハウスの住宅は、他のハウスメーカーと比較して費用が高額になる傾向がありますが、長期的に見れば価値のある投資となります。耐震性能はもちろん、高い機密性や快適性も備えた高品質な住宅だからです。

具体的には、家族の安全を最優先に考えていたり、ハイレベルな住み心地の良さも求めたりする方に最適といえるでしょう。積水ハウスの住宅は耐震等級3を標準としており、地震に強い設計となっています。コストよりも品質を重視する方におすすめの選択肢です。

地震の多い地域で家を建てたい

日本は地震が頻発する国であり、特に地震の発生が多い福島県や宮城県、石川県、熊本県などの地域では耐震性能が重要です。

積水ハウスは耐震実験を重ねた上で、揺れに強い住宅を提供しており、地震の多い地域に住む方には非常に適しています。具体的には、「基礎ダイレクトジョイント」や制震技術「シーカス」などの独自技術により、建物の揺れを軽減し、被害を最小限に抑えることができます。

家族を守ってくれることはもちろん、万が一地震が発生した際のメンテナンス費用なども考慮し、安心して暮らせる住まいを求める方におすすめです。

性能だけではなく間取りやデザインもこだわりたい

間取りやデザインの良い住宅

多くの耐震住宅では、性能を高めるために間取りやデザインに制約が生じることがあります。しかし、積水ハウスでは高い耐震性能を維持しながら、自由度の高い間取りや洗練されたデザインも実現可能です。

「シャーウッドハイブリッド構造」や「ダイナミックフレーム・システム」などの工法により、好みに応じた家づくりができることが魅力です。耐震性とデザイン性の両立を重視する方には理想的な選択肢といえるでしょう。

積水ハウスで耐震性能以外にどのような特徴があるのか気になる方は、こちらの動画を参考にしてください。

メグリエ(MEGULIE)でできること具体的な活用手順

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最後に、「メグリエ(MEGULIE)」を利用することでできることと、具体的な利用手順を紹介します。

メグリエ(MEGULIE)でできること

「メグリエ(MEGULIE)」でできることは、主に次のとおりです。

  • 有名ハウスメーカーの優れた営業担当者を選んで相談できる
  • 施工事例を参考に家づくりの計画が立てられる
  • YouTuber「まかろにお」に無料で相談できる

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まとめ

積水ハウスの耐震性能や構造について徹底解説しました。特徴をまとめると次のとおりです。

  • 日本の最高耐震基準である耐震等級3を標準で取得している
  • 木造・鉄骨の住宅にて3つの主要工法を用いて耐震性を確保している
  • 阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震において、全壊・半壊ゼロ
  • 天災で建築途中の住宅が損壊した場合、補修費用を全額保証してくれる

積水ハウスは比較的高価なハウスメーカーですが、耐震性能やその他の品質を考慮すれば、価格に見合う価値がある住宅です。予算に余裕がある方や、品質を重視したい方にとっては、良い選択肢となるでしょう。

逆に「品質が高くても坪単価が高いのはNG」「積水ハウスは自分に合わないかもしれない」と感じた方は、別のハウスメーカーが向いている可能性もあります。

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