この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。
三井ホームは、おしゃれなデザインの洋風建築を得意とするハウスメーカーです。外装に装飾が多めの注文住宅を建てたい方に人気があります。
一方で、「外観はおしゃれだけれど、耐震性は大丈夫?」と不安に感じている方もいるでしょう。今回は、三井ホームの耐震性能について解説します。また、三井ホームが主力にしている商品の特徴も紹介するので、三井ホームと他のハウスメーカーを比較したい方も参考にしてください。
三井ホームの耐震性に関する特徴
はじめに、三井ホームの耐震性に関して解説します。三井ホームは25万棟の木造住宅を建築した実績が強みの一つです。しかし、「木造住宅は耐震性が低いのではないか?」と不安を感じる方もいるでしょう。ここでは、木造住宅の耐震性を高める仕組みも解説します。
工法:2024年10月より新工法「MOCXWALL工法」が登場

2024年10月より三井ホームは「プレミアム・モノコック構法」をさらに進化させた「MOCXWALL工法」の販売を開始しました。
三井ホームは、これまで独自の木造壁構法である「プレミアム・モノコック構法」を用いて、家づくりを行ってきました。この構法は壁・床・天井の面を1単位として空間を作り、単位を組み合わせて家を建築する「枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」に次のようなオリジナルの技術を加えたものです。
- ダブルシールドパネル(DSP):屋根
- ブロック・アンド・シームレスウォール(BSW):外壁
- トラスフロア(TF):床
- マットスラブ(MS):基礎
「枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」は、日本の伝統的な建築工法である「木造軸組工法」に比べて、耐震性・耐風性・耐久性に優れているのが特徴です。その一方で、「枠組壁工法」は「広い開口部が作りにくい」「湿気に弱い」といったデメリットがあります。
三井ホームは、実績と研究を重ねて「枠組壁工法」を日本の気候風土と合うように進化させてきました。その成果が「プレミアム・モノコック構法」でした。
「MOCXWALL工法」は、「プレミアム・モノコック構法」をさらに進化させた工法です。
最大の特長は、三井ホームが手掛けている木造マンション「MOCXION」のために開発した、壁倍率30倍相当の高強度耐震壁技術を戸建てに最適化して導入し、壁倍率最大11倍の強度を実現したことです。
戸建ての壁倍率は通常5〜7倍です。しかし、単純に壁倍率を上げると大きな地震が発生した際、基礎と壁との設置面が剥がれてしまいます。三井ホームは、この問題を強固な金物とアンカーボルトを基礎と壁の設置面に使用し、引き抜く力を抑え込むことで解決しました。
また、「MOCXWALL工法」を用いると、これまで「プレミアム・モノコック構法」の弱点とされていた、「横に大きな開口が取れない」「変なところで垂れ壁が出てくる」「天井面に凹凸ができる」といった間取りの不自由さが解消されます。間取りの自由度が上がり、天井と軒、床とウッドデッキをつなげるといった開放感のあるデザインも可能になりました。
なお、「MOCXWALL工法」は現在のところ注文住宅限定の構造躯体です。規格住宅は従来の「プレミアム・モノコック構法」のままなので、商品を選ぶ際は注意が必要です。
屋根:ダブルシールドパネル

ダブルシールドパネルとは、芯材に発泡成形ポリスチレンを用いた三井ホームオリジナルの部材です。高い断熱性と優れた高い構造耐力を併せ持っており、日射熱が屋根と部屋の間にある「小屋裏」にこもるのを防げます。日射熱が防げれば、省エネ効果も高まるでしょう。
また、ダブルシードパネルは2.4トンもの荷重に耐えられる強度を備えているため、大雪や飛来物から家を守ってくれます。
外壁:ブロック・アンド・シームレスウォール

ブロック・アンド・シームレスウォールとは、「耐火性」「遮音性」「防水性」「対衝撃性」など、数多くの性能を備えた三井ホームオリジナルの外壁です。継ぎ目がないことも特徴の一つです。継ぎ目がないと、見た目が美しいだけでなく、外部からの熱や音の侵入を徹底して抑制する効果もあります。
また、耐火性が高いと地震の際に火災が発生しても延焼を防げることがメリットです。三井ホームの外壁は、実験によって1時間準耐火性能が証明されています。丈夫な外壁があれば、被害を軽減できるだけでなく家が住人を守ってくれます。
床:トラスフロア

三井ホームの床は、三角形のトラス構造になっています。三角形(トラス)は、四角形に比べると大きな負荷がかかっても変形しづらい構造のため、大きな地震にも耐えられます。
また、トラストフロアは電気配線や空調ダクトなどを通しやすい構造なのも特徴です。2階建てや3階建ての家をつくる場合、空調ダクトを1階の床下だけでなく、天井裏にも通さなければなりません。その際、トラスト構造だとダクトをきれいに納められることもメリットです。
全館空調かつ天井の高い家をつくりたい場合は、三井ホームの利用を検討しても良いでしょう。
ベタ基礎:マットスラブ

三井ホームの基礎は、「マットスラブ(超剛性ベタ基礎)」を採用しています。
通常の一戸建てに用いられる基礎は、「線」で建物を支える「布基礎」です。ベタ基礎は、布基礎と比べて耐震性が高く、シロアリや湿気対策にも有効といったメリットがあります。シロアリの発生を抑えられれば、躯体の劣化を防ぐことができ、耐震性・耐久性が長期間保たれます。
三井ホームのマットスラブは、床下全面を厚さ150mm以上の鉄筋コンクリートで覆い、基礎全体を一体化していることが特徴です。
このように、三井ホームは構法だけでなく、基礎・床・屋根にもオリジナルな部材を用い、耐震強度の高い家づくりをしています。三井ホームについてもっと詳しく知りたい方は、YouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内にある「【最新2025年版】三井ホームの徹底解説!これさえ見ておけば大丈夫でしょ!」をチェックしてみてください。
「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」は、『人から始める家造りの重要性を世に広める』をコンセプトとした住宅系YouTuber「まかろにお」が運営しているYouTubeチャンネルです。三井ホームをはじめ、大手ハウスメーカーの特徴やメリット、デメリット、さらに注文住宅を建てるうえで知っておきたい知識を中立的な立場で発信しています。
三井ホームが実施している耐震実験

三井ホームでは、過去に発生した地震を超える耐震実験を繰り返し実施しています。また、さまざまな揺れに耐えられるように10種類を超える地震動も検証しました。
その結果、三井ホームの住宅は、2階建耐震実験において、震度7に60回耐え抜いています。また、3階建耐震実験では29回耐え抜きました。三井ホームの耐震実験は、YouTubeの公式チャンネルにも公開されています。
耐震実験に加えて、三井ホームは、2023年12月末時点で「過去50年間にわたり、地震の揺れで修復不能となった建物はない」と宣言しています。また、三井ホームの物件は構造躯体の損傷がほとんどないことはもちろん、家具や家電の転倒も少ないという結果が出たとも、ホームページに記載されています。
耐震実験を繰り返し行い、常に耐震技術をブラッシュアップし続けることも三井ホームの強みといえます。
耐震性以外の三井ホームの特徴
続いて、耐震性以外の三井ホームの代表的な特徴について解説します。三井ホームは鉄骨造と木造の両方の家を販売していますが、特に木造住宅に力を入れているメーカーです。木造住宅の建築を検討している方は、ここで紹介する特徴と併せて、ほかのメーカーと比較してみましょう。
なお、『人から始める家造りの重要性を世に広める』をコンセプトとした住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」では、大手ハウスメーカーを比較した動画を数多く掲載しています。記事と併せてチェックしてみてください。
洋風建築の実績が多い

三井ホームは、洋風建築を得意としています。具体的には、次のような特徴を持つ住宅です。
- モールディングと呼ばれるインテリアに格調や重厚感を与える効果のあるデザイン
- 窓をはじめとする開口部は小さめ
- 吹き抜けを作って開放感を出す
- 外装に曲線的な装飾が多い
大手ハウスメーカーの中には、外装に装飾がほとんどなく直線的なデザインが中心のところもあります。「シンプル過ぎる外観の住宅は敬遠したい」といった方や「洋風建築が好き」といった方にとっては、希望どおりの家がつくりやすいハウスメーカーです。
また、「MOCXWALL工法」を用いることで、従来の構造躯体に比べて耐力壁を約20%削減することができ、大空間・大開口の間取りが可能になりました。これにより、すっきりとしたテイストの間取りが作れるようになり、洋風建築からモダン系のテイストまで選択の幅が広がったのも大きな強みです。
さらに、独立支持柱があることで深い軒のバルコニーの設置も可能です。近年は、緩い勾配の屋根にして軒を深くするテイストが人気なので、「流行のデザインで家を建てたい」と考えている方には適しています。
全館空調スマートブリーズの設置が可能
三井ホームの家は「スマートブリーズ」と呼ばれる全館空調が設置できます。全館空調を設置できる大手ハウスメーカーは多くありますが、三井ホームの特徴は次の3種類から予算や目的に応じて選べることです。
- スマートブリーズ・プラス
- スマートブリーズ・エース
- スマートブリーズ・ワン
「スマートブリーズ・プラス」と「スマートブリーズ・エース」は、全館空調用の専用機器を設置するタイプです。


「スマートブリーズ・プラス」には部屋別風量調節機能が、「スマートブリーズ・エース」には部屋別温度調整機能がついており、部屋ごとに風量や温度が調節できることがメリットです。その一方で、入居3年目以降に毎年25,000円のメンテナンスがかかるうえ、故障した際は修理費が高くなるのがデメリットです。
「スマートブリーズ・ワン」は、家庭用のエアコンを使って全館空調を行うタイプです。家庭用のエアコンを利用するため、メンテナンス費用はかかりません。また、故障したり寿命を迎えたりしても修理費や交換にかかる費用はエアコン1台分です。スマートブリーズ・プラスとスマートブリーズ・エースよりも安く済むのがメリットです。

しかし、スマートブリーズ・ワンは40坪を超える家には設置できません。また、各部屋で温度や風量、湿度等も調節できないことがデメリットです。
「全館空調を設置したいけれど、予算に上限があり可能な限り費用を抑えたい」「価格帯が異なる全館空調の製品を比較検討してみたい」といった方におすすめです。
商品の価格帯に幅がある
三井ホームの商品には、次の3種類があります。
MITSUI HOME PREMIUM(プレミアム)

MITSUI HOME PREMIUM(プレミアム)には、「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類があり、「心身を満たす豊かなライフスタイル」がコンセプトです。
施主のこだわりに全力で応えてくれる代わりに、建築費用は高めです。予算に余裕がある方や、住宅に強いこだわりがある方向けの商品といえます。
MITSUI HOME ORDER(オーダー)

MITSUI HOME ORDER(オーダー)は、三井ホームの主力商品です。MITSUI HOME PREMIUM(プレミアム)よりも価格を抑えられ、施主の希望に沿った住宅がつくれます。
ただし、MITSUI HOME PREMIUM(プレミアム)より設計の自由度が低く、選択も限られることがデメリットです。三井ホームの利用を検討している場合は、まずはMITSUI HOME ORDER(オーダー)の価格帯や施工例をチェックしてみると良いでしょう。
MITSUI HOME SELECT(セレクト)

MITSUI HOME SELECT(セレクト)は、規格商品です。あらかじめ決められている選択肢の中から、施主が選んで家を建てます。
自由度はMITSUI HOME PREMIUM(プレミアム)やMITSUI HOME ORDER(オーダー)と比べて低いですが、建売住宅と比べると自分の好みを反映した家をつくれることがメリットです。価格も、MITSUI HOME PREMIUM(プレミアム)やMITSUI HOME ORDER(オーダー)に比べると抑えられるため、「価格を抑えて注文住宅を作りたい」方に適した商品です。
三井ホーム以外にも商品の価格帯に幅がある大手ハウスメーカーは多くあります。しかし、三井ホームは坪単価の幅が大きいことが特徴です。そのため、「可能な限り価格を抑えた注文住宅がほしい」といった方から、「お金はある程度かかっても良いから、自分好みの家をつくりたい」といった方まで幅広いニーズに応えられます。
大手ハウスメーカー同士の坪単価や商品の特徴を比較してみたい場合は、『人から始める家造りの重要性を世に広める』をコンセプトとした住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」をチェックしてみましょう。大手ハウスメーカーの坪単価を比較できるうえ、ハウスメーカーごとの強みや弱みもわかります。
三井ホームの利用が向いているケース
続いては、三井ホームの利用が向いているケースを3つ紹介します。ハウスメーカー選びに悩んでいる方は、参考にしてください。
木造の家を建てたい
三井ホームは、木造住宅の建築に豊富な実績を持つハウスメーカーです。木造住宅は鉄骨造に比べて構造躯体そのものの強度は劣るものの、地震の揺れを吸収して逃す力や断熱性は鉄骨造に比べて高くなっています。
また、「MOCX WALL工法」を用いることで従来の「プレミアム・モノコック構法」と比べてさらに耐震性・耐火性・断熱性等がより高まりました。
木造住宅を希望しているなら、三井ホームは候補の一つに入れておくと良いでしょう。
デザインにこだわった家を建てたい
デザインにこだわりがあり、「洋風のデザインの家を建てたい」「可能なら、外観に装飾の多い家を建てたい」といった方は三井ホームの利用が向いています。
家の外観よりも機能にお金をかけたい方もいるでしょう。しかし、その一方で、装飾多めの家も根強い人気があります。また、「装飾多めの家を建てたいけれど、見た目は良くても耐震性や耐久性が低い家は嫌だ」といった方も多いはずです。
三井ホームは装飾少なめのモダンな家から、装飾多めの家まで幅広いデザインの家を建てた実績があるだけでなく、耐震性や耐久性の高い家を作れます。また、吹き抜けのあるデザインの家を建てたい方にも三井ホームはおすすめです。
全館空調の家を建てたい
三井ホームは、全館空調システムを3種類販売しています。全館空調を導入すれば、家の中の温度が一定に保たれて快適に過ごせます。また、脱衣所やトイレなどヒートショックを起こしやすい場所も適温に保たれるので、子どもから高齢者まで安全に生活できるでしょう。
全館空調システムは、多くのハウスメーカーで設置可能な設備です。しかし、3種類も商品を展開しているのは、三井ホームのみです。複数のシステムを比較・検討してみたい方や、価格を抑えて全館空調を設置したい方は、三井ホームの利用がおすすめといえます。
三井ホームの耐震性・特徴を動画でチェック
ここまで記事を読んでいただければ、三井ホームの耐震性や特徴がご理解いただけたでしょう。また、「もっと三井ホームについて詳しく知りたい」「他のハウスメーカーの耐震性と比較してみたい」といった方もいるかもしれません
そんな方には、『人から始める家造りの重要性を世に広める』をコンセプトとした住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」がおすすめです。
まかろにおは、元大手ハウスメーカー勤務の経験を活かし、どのハウスメーカーにも忖度することなく、中立的な立場で意見を述べています。2025年1月現在で登録者は約13万人を超え、住宅系チャンネルの中では最大級です。
三井ホームについてもっと詳しく知りたい方は、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」でまかろにおが三井ホームについて詳しく解説しているこちらの動画をチェックしてみてください。
また、ハウスメーカー選びに悩んでおり、耐震性の高いハウスメーカーを選びたい方はこちらの動画をチェックしてみましょう。
このほかにも、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」では注文住宅づくりを検討している方にとって役立つ最新動画を定期的に発信しています。三井ホームの利用を検討している方はもちろん、鉄骨造と木造のどちらで家を建てるか迷っている方や、間取りに悩んでいる方も動画をチェックしてみてください。
まとめ
三井ホームの耐震性能を中心に販売している住宅や、三井ホームの利用が向いている人の特徴を紹介しました。
日本は世界有数の地震大国です。三井ホーム以外の大手ハウスメーカーでも、耐震性能を強みとしているところもあります。2024年10月に販売が開始された「MOCX WALL工法」を用いれば、耐震性はもちろんのこと耐火性や断熱性がより高い家がつくれるのが強みです。
また、耐震実験を数多く行い、三井ホームの住宅が過去に発生した地震を超える大地震に遭遇しても、耐えうる性能があると証明しています。木造住宅かつ、耐震性能の高い家を建てたい方や、洋風の家を建てたい方は三井ホームの利用を検討してみましょう。
三井ホームの最新情報を知りたい方や、三井ホームを他のハウスメーカーと比較してみたい方は、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」をチェックしてみてください。耐震性能はもちろん、ハウスメーカーごとの特徴や間取りのヒントなど家を建てたい方にとって役立つ情報が満載です。