この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。
プレハブ住宅は、短工期・安定品質・コストメリットを兼ね備えた、近年注目度の高い注文住宅の工法です。しかし「プレハブ住宅」と聞くと、仮設住宅のような簡易的な建物をイメージする方も少なくありません。実際には、現在多くの大手ハウスメーカーが、優れた耐震性や断熱性、デザイン性を備えたプレハブ住宅を数多く手がけています。
今回は、プレハブ住宅の基礎知識はもちろん、メリット・デメリット、価格相場、さらには各ハウスメーカーの特徴まで詳しく解説します。プレハブ住宅での家づくりを検討する方にとって、必ず役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
プレハブ住宅の概要

プレハブ住宅は「建築期間が短い」「品質が安定している」といった特徴があり、近年、多くのハウスメーカーが採用している工法です。中でも、従来の注文住宅と比べて短期間で完成する点は、特に注目されています。ここでは、プレハブ住宅の特徴や、その理由について詳しく解説していきます。
プレハブ工法の概要
プレハブ住宅の最大の特徴は、その特殊な「工法」にあります。
従来の注文住宅では、契約後に建築資材を手配し、現場で資材を仮置きして大工が一から組み上げていく方法が主流でした。現在もこの工法は広く用いられていますが、現場ごとの人手や技術力に仕上がりが左右されやすいという特徴があります。
一方、プレハブ住宅は、可能な限り多くの部材を工場で事前に生産・加工・組立てを済ませたうえで現場に搬入します。そのため、現場での作業は最小限に抑えられ、工期短縮や品質の均一化が実現します。
また、「工場で作る=安っぽい」というイメージを持たれがちですが、現在ではデザイン性に優れた外観や、断熱・気密性能が高い高性能な住宅も十分に実現可能です。
プレハブ住宅の成り立ち
プレハブ住宅の語源は「プレファブリケーション(Pre-fabrication)」の略語で、「組立建築」「組立工法」を意味します。日本での普及は、1959年にダイワハウスが発売した「ミゼット」が始まりです。
戦後のベビーブームにより、家族構成が大きく変化し、母屋とは別に勉強部屋や離れを必要とする世帯が増えました。このニーズに応える形で、現場でわずか3時間で建築可能なパネル工法による「ミゼット」が誕生しました。
当時、100〜200万円(現在の価値換算)という手頃な価格帯も後押しし、日本中で大きな反響を呼び、他社も続々と同様の開発に乗り出しました。これが、今日に至るプレハブ住宅普及の原点です。
プレハブ工法の種類と取り扱いハウスメーカー
プレハブ住宅は、実は1種類ではなく複数の工法が存在し、ハウスメーカーごとに得意とする工法が異なります。ここでは代表的な工法と、主要ハウスメーカーの取り組みを紹介します。
木質系プレハブ住宅
木質系プレハブ住宅は、柱・梁・壁に木材や木質パネルを使用する伝統的な工法です。部材のプレカットのみを工場で行う「軸組式」と、木質パネルをすべて工場で生産・組立てする「パネル式」があります。
積水ハウス

画像引用元:シャーウッド(積水ハウス)
積水ハウスでは、「シャーウッド」という木造住宅商品でプレハブ工法を採用しています。パネルで建物全体を面構造化する「モノコック構造」と、柱や梁で支える「ラーメン構造」を融合させた「シャーウッド構造」を採用しています。型式適合認定も取得しており、申請・検査が簡略化されています。
ミサワホーム

ミサワホームは、木質パネル接着工法を採用しています。高品質な木質パネルを面で接合し、耐震性に優れた「モノコック構造」を形成します。接合部には高分子接着剤を使用し、高い強度を実現しています。
鉄骨系プレハブ住宅
現在主流となっているのが鉄骨系プレハブ住宅です。主要部材に鉄骨を使用することで、大空間や高い天井など、開放的な間取りを可能にします。
ダイワハウス

主力商品の「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」は、天井高2.72mを実現しています。木質系よりも間取りの自由度が高く、開放感ある住空間が魅力です。
パナソニックホームズ

画像引用元:カサート(パナソニックホームズ)
軽量鉄骨の「カサート」では、鉄骨軸組構造と大型パネル構造の2種を展開しています。耐震性向上のため「アタックフレーム」や構造用面材を活用し、強度と安心感を確保しています。
積水ハウス

「ダイナミックフレーム・システム」を採用し、天井高2.7m・最大スパン7mの大空間を実現しています。型式適合認定も取得し、耐震性と設計自由度を両立しています。
ミサワホーム
ミサワホームでも鉄骨系住宅は取り扱っていますが、木質系プレハブ住宅の方が主力となっています。
ユニット系プレハブ住宅
ユニット系プレハブ住宅は、家をユニット単位に分け、工場で高精度に製作したユニットを現場で組み立てる工法です。
セキスイハイム

画像引用元:ボックスラーメン構造(セキスイハイム)
高層ビルでも採用される「ボックスラーメン構造」を採用しています。工場で8割以上を完成させたユニットを搬入し、現場では最短1日で据え付けが完了するほどのスピード施工が可能です。
コンクリート系プレハブ住宅
コンクリート系は、工場でコンクリートパネルを製作し、現場で組み立てる工法です。大成建設ハウジングなどが得意としています。耐久性・耐火性に優れる一方で、一般的な工法とはいえません。
なお、プレハブ住宅の詳しい施工事例や、ハウスメーカーごとの違いについてさらに知りたい方は、『人から始める家づくりの重要性を世に広める』をテーマに発信している住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」の動画も参考になります。
「まかろにお」は、住宅営業で全国1位の実績を持ち、金融機関で不動産融資にも携わった経験から、ハウスメーカー選びや家づくりの実践的なノウハウを発信しています。家づくり初心者にもわかりやすく解説されているので、ぜひ活用してみてください。
プレハブ住宅のメリット

プレハブ住宅には、注文住宅を建てる上で魅力的なメリットが数多くあります。特に「品質の安定」「工期の短縮」「コストの抑制」といった点は、プレハブ住宅ならではの強みです。ここでは、プレハブ住宅の主なメリットを3つ解説します。
品質が安定する
プレハブ住宅では、柱・梁・壁などの部材を工場で生産・加工するため、製品の品質が安定します。現場で一から部材を加工・施工する従来の住宅に比べ、プレハブ住宅は工場で規格化された部材を使用するため、施工者や現場の条件に左右されにくく、仕上がりのばらつきが少ないことが特長です。さらに、組み立て工程そのものも規格化されているため、大工の技量に関わらず、安定した品質の住宅が建築できます。
工期が短く、仮住まい期間を短縮できる
プレハブ住宅は、部材の生産や加工を事前に工場で済ませておくため、現場での施工期間を大幅に短縮できます。特に建て替えの場合、仮住まいの家賃が家計に負担となりますが、工期が短ければ仮住まい期間も最小限に抑えられます。工期の短さは、入居を急ぎたい方にとって大きなメリットです。
人件費や住宅ローン負担を抑えやすい
プレハブ住宅は、工場での生産によって資材管理が効率化されているため、追加発注などの予期せぬコストが発生しにくいことも魅力です。現場での工期短縮は、結果として職人の人件費削減にもつながります。
さらに、注文住宅では土地購入後から住宅ローンの返済が始まるケースが一般的ですが、建物の完成が早ければ、無駄な仮住まいや二重ローン状態の期間を抑えることができ、家計の負担軽減に直結します。
プレハブ住宅のデメリット

一方、プレハブ住宅には注意すべきデメリットもあります。特に「設計の自由度」や「リフォーム性」に制約が出やすい点は、事前に理解しておく必要があります。ここでは、プレハブ住宅の主なデメリットを3つ解説します。
着工後の間取り変更が難しい
プレハブ住宅は、着工前に間取りや仕様がほぼ決定され、その後、工場で部材が生産されます。そのため、着工後に間取りや仕様を変更することは非常に困難です。仮に変更できたとしても、大幅なコスト増につながる可能性があります。
完成後のリフォームが難しい
プレハブ住宅は、構造上パネルを壁や床として一体的に組み上げているため、大幅な間取り変更や窓位置・サイズの変更といったリフォームは難易度が高く、耐震性の低下を招くリスクもあります。将来、柔軟なリフォームを前提に考えている方は慎重な判断が必要です。
デザインの自由度に制約がある
プレハブ住宅は、規格化された部材を活用して組み立てる構造上、柱や梁の位置がある程度固定されがちです。そのため、自由度の高い間取りや、細部にまでこだわったデザインを実現するには制約が多くなります。
プレハブ住宅の坪単価と価格相場

プレハブ住宅は「工期が短い=安価」というイメージを持たれがちですが、実際の価格は仕様や工法によって幅があります。ここでは、プレハブ住宅のおおよその価格帯や坪単価の目安について解説します。
一般的に、注文住宅の価格は「坪単価」で語られることが多く、プレハブ住宅の場合はおおむね50〜150万円/坪が相場とされています。たとえば、30坪の住宅を建てる場合、1,500〜4,500万円が建物本体価格の目安となります。
このように幅がある理由は、選ぶ工法や仕様によって大きく変動するからです。鉄骨系やユニット系、木質系のプレハブ住宅は、比較的コストを抑えやすい一方、コンクリート系は耐久性に優れる分、価格が高めになる傾向があります。
さらに、設備や仕様の選択次第で坪単価は変動します。いわゆるオプションをどこまで追加するかによって、最終的な価格は大きく異なるため注意が必要です。標準仕様とオプションの区別はハウスメーカーごとに異なりますので、事前にしっかり確認することが大切です。
加えて、各ハウスメーカーの価格傾向や、具体的な施工事例を知りたい方は、住宅系YouTuber「まかろにお」が運営する注文住宅の無料相談サービス「メグリエ(MEGULIE)」の活用もおすすめです。
「まかろにお」は、住宅営業で全国1位の実績や不動産融資の担当経験を活かし、ハウスメーカー選びや住宅価格の考え方について、豊富な知見を提供しています。メグリエ(MEGULIE)のLINE公式アカウントに友だち追加すると最新情報も入手できるため、家づくりの情報収集ツールとしても便利です。
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プレハブ住宅を選ぶ際のポイント

プレハブ住宅には多くの魅力がありますが、工法やハウスメーカーによって特徴や向き・不向きが異なります。ここでは、プレハブ住宅を検討する際に押さえておきたい選び方のポイントを解説します。
理想の住まいから工法を考える
まず大切なのは、「理想の暮らし方」や「ライフスタイル」を明確にすることです。どこに住み、どのような家で、どのような生活を送りたいのかを家族全員でじっくり話し合いましょう。
また、立地条件や気候風土に合わせた住宅性能も重要です。たとえば、寒冷地では断熱性能を重視した工法が適している場合もあります。
理想の暮らしや住環境に合った工法を選ぶことが、満足度の高い住まいづくりの第一歩です。
工法を決めてからハウスメーカーを決める
理想の工法が決まったら、次はその工法に強みを持つハウスメーカーを選びます。最初からハウスメーカーを決めてしまうと、工法の選択肢が狭まることがあるため、工法選びを優先するのが賢明です。
事前に情報収集をしておけば、実際に相談に行った際、担当者との打ち合わせがスムーズに進み、納得感のある家づくりがしやすくなります。
施工過程をしっかり確認する
選んだハウスメーカーがどのような工程で住宅を建てていくのか、工期や作業内容を事前にしっかり確認しましょう。特に住宅ローンを活用する場合は、工期によって返済開始時期や仮住まい期間に影響が出ます。
また、可能であれば、建築中の現場を見学することもおすすめです。実際に自分たちの家がどのように作られているかを把握することで、完成までの安心感が高まりますし、気になる点があればその都度ハウスメーカーに相談することもできます。
保証やアフターサービスも重視する
プレハブ住宅は、ハウスメーカーごとの独自工法によって建てられるケースが多いため、施工後のアフターサービスや保証体制も重要です。
一般的に住宅は30年以上住み続けるものですが、将来リフォームや修繕が必要になることも考えられます。万が一のトラブル時にも安心できるよう、保証内容やアフターサポートについては契約前に十分に確認しておきましょう。
特に大手ハウスメーカーは倒産リスクが低いといわれていますが、絶対とはいえません。長く快適に住み続けるためにも、将来を見据えた備えが大切です。
プレハブ住宅を建てる際におすすめのハウスメーカー
プレハブ住宅は、選ぶハウスメーカーによって完成する家の特徴が大きく変わります。最後に、目的別におすすめできる代表的なハウスメーカーを紹介します。
工期の短さを重視したい場合
プレハブ住宅の大きな魅力の一つが「工期の短さ」です。なるべく早く新居に住みたい、仮住まい期間を短くしたいという方には、セキスイハイムがおすすめです。
セキスイハイム

セキスイハイムは、ユニット工法により、工場で8割以上の住宅を組み上げた状態で現場に搬入します。そのため、現場での据え付け作業が非常に短く、場合によっては1日で終わるケースもあります。工期の短さと高い品質を両立した住まいを提供しています。
資産価値を重視したい場合
住宅は長く住むだけでなく、将来的に売却や賃貸、担保活用する可能性も考えたいものです。資産価値を重視するなら、次の3つのハウスメーカーが適しています。
- 積水ハウス
- ダイワハウス
- パナソニックホームズ
積水ハウス

積水ハウスは、高いブランド力と品質の良さから、中古住宅としても安定した資産価値を保つことが期待できます。住宅性能にも優れ、長く安心して住み続けられる点でもおすすめです。
ダイワハウス

ダイワハウスもまた、高い耐久性と信頼性を持ち、資産価値が落ちにくい住宅を提供しています。開放感ある間取りや高い天井高も特徴です。
パナソニックホームズ

パナソニックホームズでは、「かせるストック」制度を導入し、賃貸住宅として貸し出す場合にも、賃料保証などの仕組みが整っています。万が一、途中で借り手がいなくなっても、一定条件を満たせば家賃が保証される点は大きな安心材料です。
環境や健康に配慮した家を建てたい場合
木のぬくもりや、自然素材にこだわった家づくりを目指したい方には、ミサワホームがおすすめです。
ミサワホーム

ミサワホームは、木質パネル工法を採用し、木材をふんだんに使った高断熱・高気密住宅を提供しています。加えて、デザイン性にも優れており、木造住宅ならではの温もりを感じられる暮らしが実現できます。
まとめ
プレハブ住宅は、工法の種類やハウスメーカーごとに特徴や強みが異なり、メリット・デメリットもしっかりあります。大切なのは、自分たちの理想の住まいやライフスタイル、将来の暮らし方から逆算して、最適な工法とハウスメーカーを選ぶことです。
ハウスメーカー選びや家づくりに不安がある方は、住宅系YouTuber「まかろにお」が運営する無料相談サービス「メグリエ(MEGULIE)」の活用もおすすめです。信頼できる営業担当者を紹介してもらえたり、多くの施工事例を確認することができたり、充実した情報を収集することができたりします。家づくりの第一歩として、ぜひ積極的に活用してみてください。
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