この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。
注文住宅のモデルハウス見学は、正しい知識を持たなければ逆効果になる恐れがあります。
一見、理想の家づくりに近づくための有効な手段に思えるモデルハウスの見学ですが、活用方法を誤ると、かえって家づくりに不満が残ってしまう可能性もあるのです。特に、住宅展示場での見学には落とし穴があり、注意すべきポイントを知らないままでは、本来得られるはずの情報を見落としてしまうことになりかねません。
今回は、住宅展示場でモデルハウスを見学する際に気をつけるべき点や、見学の前後に施主が行っておくべき準備や確認事項について具体的に解説します。家づくりを成功させたい方は、ぜひ最後までお読みください。
ハウスメーカーのモデルハウスや住宅展示場の概要と目的

住宅展示場やモデルハウスは、ハウスメーカーが顧客との接点を得るために設けている営業拠点です。モデルハウスは、自社住宅の特徴や性能をアピールするためのものであり、住宅展示場はそれらのモデルハウスが集まる場所として広く知られています。
しかし、あくまで本来の目的は、来場者を囲い込み、商談へつなげることにあります。実際、モデルハウスには生活に必要なトイレや水回りが備わっていない場合が多く、その代わりに打ち合わせ用のスペースが広く確保されています。
住宅展示場に足を運んだ来場者の多くは、その場で営業担当者と相談を始めることもあり、ハウスメーカーにとっては契約へ導く絶好の機会です。そのため、モデルハウスの間取りは、実生活を想定したものではなく、複数の来訪者と同時に対応するための設計となっています。
また、見学したモデルハウスが魅力的に感じられても、実際にその通りの家を建てることは難しいのが実情です。なかには、自社の標準仕様では実現できない設備や仕様を取り入れ、意図的に演出を加えているケースもあります。
こうした背景を理解したうえで住宅展示場を訪れることが、後悔しない家づくりの第一歩といえるでしょう。
ハウスメーカーのモデルハウスの見学では個人情報を渡してはならない理由

モデルハウス見学で最も避けるべきは、接客してくれた営業担当者に安易に個人情報を渡すことです。その主な理由は次の3つです。
各理由を詳しく解説していくので、参考にしてください。
モデルハウスに待機している営業担当者はレベルが低い可能性が高いから
モデルハウスに待機している営業担当者は、成績や評判が今ひとつの方が多い傾向があります。モデルハウスに待機していれば、自分から積極的に顧客獲得の努力をしなくても、注文住宅の建築を検討している方がやってきます。そのため、向上心も提案力もない方が珍しくありません。
もちろん、モデルハウスに待機している営業担当者の中にも優秀な方はいます。しかし、相談している間に営業担当者の実力を見抜くことは難しいでしょう。したがって、待機している営業担当者に詳細な相談をするのはおすすめできません。
モデルハウスの見学は、ハウスメーカーの雰囲気やイメージを把握するだけでも十分です。詳しい相談は、ホームページなどから改めて行ってもよいでしょう。
個人情報を最初に渡した営業担当者が原則として担当になるから
モデルハウスでの相談時には、アンケート記入を求められることが多く、その際に個人情報の提供を促されます。しかし、その営業担当者が一度でも個人情報を受け取ると、以後は原則としてその人が正式な営業担当者になります。
後日、より信頼できる営業担当者に出会ったとしても、最初に情報を渡した営業担当者を変更するのは非常に難しいのが現実です。担当変更を申し出ても、名義だけが上司に切り替わり、実際のやりとりは変わらないまま進んでしまうケースも少なくありません。
これは、住宅営業が個人の担当制であることに起因する構造的な問題です。施主にとっては大きなデメリットであり、見学中に軽い相談をする程度であれば構いませんが、個人情報の提供は慎重に判断すべきです。
なお、アンケートの記入や個人情報の提供は義務ではありません。理由を伝えて断れば、営業担当者もしつこく迫ってくることはないでしょう。
満足のいく家づくりができるかどうかは営業担当者の実力に左右されるから
注文住宅の満足度は、担当営業担当者の実力によって大きく左右されます。
優秀な営業担当者は、施主の希望を的確にくみ取り、提案力にも長けています。反対に、経験不足やスキル不足の営業担当者では、コミュニケーションがうまく取れず、トラブルの原因になりかねません。特に、「言った・言わない」のような認識のズレが起きると、家づくりの進行にも支障をきたすおそれがあります。
また、前述のように、住宅展示場に待機している営業担当者は、総じてスキルに不安のある人が配置されている傾向があります。そのため、満足度の高い家づくりを実現したいのであれば、別のルートで営業担当者とコンタクトを取る方法を検討すべきです。展示場ではあくまで情報収集にとどめ、慎重な営業担当者選びを心がけましょう。
モデルハウスを見学するメリット

モデルハウスは訪問客を囲い込むためのものですが、見学すると次のようなメリットがあります。これから住宅展示場に足を運ぶ方は、参考にしてください。
ハウスメーカーの特色や強みを知ることができる
モデルハウスを見学する最大のメリットは、ハウスメーカーごとの特色や強みを実際に目で見て確認できることです。
昨今では多くのハウスメーカーが自社ホームページで詳細な情報を公開していますが、図面や画像だけでは伝わりきらない空間の広がりや設備の質感、素材の印象などは、現地で直接見ることで初めて実感できます。
もちろん、モデルハウスは営業的な演出を含んでいることを前提に見学する必要がありますが、正しく見れば、ハウスメーカー選びの有効な判断材料となるでしょう。
ハウスメーカー同士の比較ができる
複数のハウスメーカーのモデルハウスを同時に見学できることは、住宅展示場の大きな魅力です。
同じような性能を謳っているハウスメーカーでも、実際に比較してみると、設計の工夫や使っている素材、空間の使い方などに違いが見えてきます。これにより、自分たちの希望に合ったハウスメーカーを見つけやすくなるでしょう。
また、ハウスメーカーごとの不得意分野にも気づきやすくなり、検討を進める上での目安が明確になります。見学は1社だけでなく、複数のモデルハウスを比較する形で行うほうが、判断材料が増えるため、結果として後悔のない選択につながります。
モデルハウスを見学するデメリット

モデルハウス見学には得られる情報も多い一方で、注意しておきたいデメリットもあります。
モデルハウスの仕様は通常ではできないことが多い
モデルハウスはあくまで集客のために建てられたものであり、現実的な家づくりとは乖離がある場合があります。
展示場のモデルハウスには、標準仕様では対応できない高額な設備や内装が多数採用されているケースが多く、これをそのまま再現しようとすると6,000〜7,000万円もの予算が必要になることもあります。また、広い坪数を前提に設計されているため、実際の住宅よりも部屋が大きく、空間にゆとりを感じやすい点にも注意が必要です。
そのため、「モデルハウスの印象でハウスメーカーを選んだけれど、予算内で建てられる家がまったく違った」という事態も起こり得ます。理想が膨らみすぎて見積もり段階で予算オーバーとなることもあり、住宅ローンを無理に組んだ結果、返済に悩むケースも少なくありません。
モデルハウス見学では、あくまで現実的な視点を持つことが重要です。
ハウスメーカー迷子になりやすい
事前準備が不十分なままモデルハウスを見学すると、かえって選択肢が増えすぎて迷いが生じてしまいます。
家づくりのイメージが固まっていない状態で住宅展示場を訪れると、各社の特徴や設備の違いに目移りしやすくなり、判断基準があいまいなまま「ハウスメーカー迷子」になる恐れがあります。比較・検討のつもりが、かえってデメリットばかりが目に付いてしまい、「どこにも決められない」という状況に陥るケースも少なくありません。
また、選択に迷い続けることで家づくりそのものに疲れてしまい、最終的には営業担当者に判断を委ねてしまうという流れもありがちです。結果として、自分の希望と異なる家が建ち、満足度の低い結果につながることもあります。
モデルハウス見学の前には、ある程度の希望条件や予算、重視するポイントを整理しておくことが、後悔のない判断への第一歩となります。
ハウスメーカーのモデルハウスを見学する前に施主がやっておくこと

モデルハウス見学を有意義なものにするためには、事前準備が欠かせません。やみくもに住宅展示場を訪れても収穫は少なく、むしろ判断に迷いが生じる可能性があります。ここでは、見学前に施主がやっておくべき4つの準備について解説します。
施主が建てたい家を具体的にイメージする
まずは、どんな家を建てたいのかを明確にすることが重要です。住宅に求める条件は人それぞれ異なります。性能を重視する方もいれば、外観や内装のデザイン、あるいは通勤や通学の利便性を優先する方もいるでしょう。家族としっかり話し合い、何を最優先すべきか、余裕があれば何を叶えたいかを整理しておくことで、理想の家の具体像が固まります。
「おしゃれな家」や「住みやすい家」といった抽象的な表現ではなく、「高断熱で全館空調のある家」のように、具体的な要件に落とし込んでおくと、後のハウスメーカー選びや見学の際にブレが生じにくくなります。
各ハウスメーカーの強みや特色を調べる
ハウスメーカーごとに異なる強みや方向性を理解しておくことも不可欠です。
たとえば、大手ハウスメーカーはデザイン性や性能に優れている一方で、建築費はやや高めです。一方、中堅・小規模なハウスメーカーや地元密着型の工務店は価格を抑えやすいものの、対応エリアや性能の幅に限りがある場合もあります。これらの違いを把握すれば、自分に合った候補が自然と絞れてきます。
情報収集には、住宅系YouTuber「まかろにお」が運営しているYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内にある「【永久保存版】これ一本で注文住宅の全てが分かります!」や「これ一本で大丈夫!大手ハウスメーカー完全解説!!」をチェックすると注文住宅やハウスメーカーに関する理解が深まります。

まかろにおは、『人から始める家造りの重要性を世に広める』をコンセプトに、元大手ハウスメーカー勤務で住宅営業にて全国No.1を獲得した経験を活かして中立的な立場で家づくりに役立つ情報を配信している住宅系YouTuberです。チャンネル内には家づくりに役立つ動画をたくさんアップしているので、ぜひチャンネル登録して家づくりの参考にしてください。
予算内で家を建てられるハウスメーカーを絞っておく
建てたい家のイメージを明確化できたら、現実的な予算と照らし合わせて、依頼候補をさらに絞っていきましょう。
注文住宅では、土地代・建築費・諸費用を含めた総額で予算を組む必要があります。たとえば、坪単価100万円で30坪の家を建てる場合、建築費だけで3,000万円、土地代1,000万円、諸費用600万円を加えると、総額は4,600万円に達します。
大手ハウスメーカーは複数の価格帯の商品を展開しており、特に「規格住宅」は自由度を抑える代わりにコストを抑えられる選択肢として人気です。また、外観デザインをシンプルにするなどの工夫でも建築費は下げられるため、営業担当者に相談してみましょう。
さらに、土地の価格は地域によって大きく異なるため、希望エリアの相場を把握しておくと、予算配分の具体的なシミュレーションが可能になります。「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内にある「【2025年最新】大手ハウスメーカー坪単価ランキング」もチェックしてみると、大手ハウスメーカーの坪単価が把握できます。土地の価格は随時変化していくので、必ず最新情報をチェックしてください。
実際にモデルハウスに足を運んでイメージを膨らませる
下調べを終えたら、いよいよ住宅展示場へ足を運びましょう。現地では、図面や写真ではわかりにくい生活動線や住宅性能、素材の質感を実際に体感することができます。特に気になる設備や仕様は、実物で見て触れることで納得感が得られますし、写真とのギャップにも気づきやすくなります。
また、見学の結果、当初の候補外だったハウスメーカーの印象が良くなることもあります。実物を見ることで、新たな選択肢が生まれる可能性もあるため、柔軟な姿勢も大切です。
見学後は、印象を整理しながら本格的に相談したいハウスメーカーをさらに絞り込みましょう。そのうえで、信頼できる営業担当者と連絡を取り、納得のいく家づくりを進めてください。ただし、現地で接客を受ける際も、個人情報の提供には引き続き注意を払いましょう。
ハウスメーカーのモデルハウスの見学後に施主がやるべきこと

モデルハウスの見学を終えたら、家づくりの次のステップに進むための行動が重要です。最後に、見学後に施主がやるべき2つのポイントを解説します。いずれも、後悔のない家づくりにつなげるために欠かせないステップです。
家の建築を依頼したいハウスメーカーの施工事例をチェックする
モデルハウスの印象だけで判断せず、実際の施工事例を確認することが満足度の高い家づくりへの近道です。
注文住宅は自由設計が可能である反面、どこまで実現できるかはハウスメーカーによって異なります。モデルハウスのようなフルスペックの仕様は予算的に再現できないことが多いため、現実的には「同じ坪数・同じ予算」の事例をチェックするほうが参考になります。
ハウスメーカーの公式サイトに掲載されている事例はもちろん、当サイト「メグリエ(MEGULIE)」では、ハウスメーカー別・坪数別に豊富な実例を紹介しています。希望するハウスメーカーはもちろん、第一希望と第二希望のメーカーを横断的に比較したい場合にも活用できます。

また、YouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」では、積水ハウスのフルスペック住宅などを紹介する訪問動画(「【床全面タイル】積水ハウスのフルスペック40坪の家がヤバすぎる…」)も充実しています。動画から得られるリアルな情報も、事例確認と合わせてぜひ活用してみてください。
可能ならば営業担当者を紹介してもらう
家づくりの満足度は、営業担当者との相性に大きく左右されます。経験豊富で信頼できる営業担当者であれば、施主の要望を正確に汲み取り、最適な提案をしてくれるため、理想の住まいが実現しやすくなります。身近に同じハウスメーカーで家を建てた知人がいれば、信頼できる営業担当者を紹介してもらうのも有効な方法です。
また、当サイト「メグリエ(MEGULIE)」では、登録した会員が自ら営業担当者を選べる機能や、建てたい家に近い施工事例を手がけた担当者に直接依頼できる仕組みが整っています。無理な営業は一切なく、LINE登録をすればイベント等の案内も受け取れます。
信頼できる担当者との出会いが、満足度の高い家づくりを支える大きな鍵となるため、こうしたサービスの活用もぜひ検討してみてください。
まとめ
モデルハウス見学は、注文住宅づくりの第一歩として非常に有効ですが、その本質を理解して活用することが重要です。
実際にモデルハウスを訪れれば、生活動線や家事動線、住宅性能、空間の使い勝手、設備の質感などを直接確認できます。しかし、展示されている家は集客目的で作られており、現実に同じ仕様で建築するのは難しいのが実情です。また、待機している営業担当者は実力にばらつきがあり、個人情報を安易に渡してしまうと、満足のいく家づくりにつながらない恐れもあります。
したがって、モデルハウスはハウスメーカーの雰囲気や提案力、企業姿勢を見極めるための場と割り切り、住宅展示場に行く前には「どんな家を建てたいか」「どのハウスメーカーがそれを実現できるか」を整理しておくことが大切です。
情報収集には、住宅系YouTuber「まかろにお」による「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」チャンネルが役立ちます。坪単価や仕様の違い、各社の強みなど、施主が知っておくべき情報を動画で網羅的に学べるため、見学前の理解を深める手段としておすすめです。
さらに、当サイト「メグリエ(MEGULIE)」では、希望条件に合った営業担当者を自分で選べたり、条件に応じて紹介してもらえたりする機能が用意されています。無料で登録でき、無理な営業も一切ないため、納得できるパートナー選びにも役立つでしょう。
当サイト「MEGULIE(メグリエ)」を活用するメリット・デメリットは、こちらの動画で詳しく解説しています。一度チェックしてみてください。
モデルハウス見学は、準備と視点次第で家づくりの成功を大きく左右するステップです。冷静かつ戦略的に活用し、理想の住まい実現へとつなげましょう。