この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。
注文住宅を建てる際、全館空調の設置を検討する方は多いですが、どの設備を選ぶか迷うこともあります。特に、「各部屋にエアコンを設置するのと、全館空調のどちらが便利か」「光熱費が高くならないか」といった不安を抱える方も少なくありません。
全館空調を導入できるハウスメーカーは多数ありますが、機能や性能、そして設置費用には大きな違いがあります。また、全館空調を効果的に活用できる家づくりが得意なハウスメーカーもあれば、そうでないところもあるため、慎重な選択が求められます。
今回は、全館空調の基本的な仕組みやそのメリット、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。これから家づくりを進める方にとって、全館空調の理解が深まり、最適な選択ができるよう参考にしてください。
- 全館空調が必要かどうかは、ハウスメーカーによって変わります。
- 断熱・気密が整っていない家に全館空調だけを入れても効果は限定的です。
- 鉄骨ならパナソニックホームズ・セキスイハイム・ヘーベルハウスが有力候補です。
- 木造で全館空調を考えるなら三井ホームも候補に入ります。
- 仕組みを分解すれば「全館空調もどき」で約200万円を削減できます。
全館空調の仕組み

全館空調は、家全体の温度を一定に保つための空気循環システムのことです。屋根裏や機械室に設置した大型の空調機から、家中に張り巡らされたダクトを通じて冷暖房された空気を各部屋に送ります。
より正確にいえば、全館空調は「エアコン×第1種換気(機械で給気し、機械で排気する換気方式)×風量」の掛け算で成り立つ設備です。この3つを1か所にまとめて設置するため、小学校の掃除用具入れほどの大きさの空調室(機械室)を家のどこかに設ける必要があります。
各部屋にエアコンを設置するのとは異なり、全館空調では家全体が一定の温度で保たれ、部屋間の温度差がなくなるため、快適で健康的な生活が可能です。たとえば、温かい部屋と寒い廊下のような気温差が解消されます。
また、製品によっては24時間換気機能が備わっており、窓を開けなくても換気ができます。これにより、花粉や黄砂の侵入も防げるため、花粉症やアレルギーを持つ方にとって大きなメリットとなります。
全館空調はオプション設備として提供され、設置費用は150万〜300万円程度が相場です。ハウスメーカーによって仕様や費用が異なるため、見積もりを取った際に詳細を確認することをおすすめします。
全館空調のメリット

全館空調には、各部屋にエアコンや暖房を設置する場合と比べて、次のようなメリットがあります。
それぞれのポイントについて詳しく解説しますので、全館空調の導入を検討している方は参考にしてください。
家の中の温度差がなくなり、空気が清潔に保たれる
全館空調を導入すると、家全体の温度が一定に保たれるため、部屋ごとの温度差を感じることがなくなり、快適に過ごせます。
たとえば、エアコンの効いた部屋から廊下に出たときに寒さや暑さを感じることもなくなります。また、エアコンや暖房器具を各部屋に設置する必要がないため、特に高齢者や小さな子どもがいる家庭でも安心です。温度差がなくなることでヒートショックのリスクも減少し、家庭の安全性が高まります。
さらに、全館空調には空気をきれいに保つ機能が備わっている場合があり、窓を開けることなく空気の循環や換気が可能です。これにより、花粉やPM2.5などの有害物質の室内への侵入を防ぎ、また大きな窓を減らすことで防犯にも効果的です。
省エネ効果が期待できる
全館空調は、各部屋にエアコンを設置して個別に稼働させるよりも、1台で家全体の気温を管理できるため、光熱費を抑えることができます。また、製品によっては、使用していない部屋の空調をセーブする機能が搭載されているため、家に人が少ない時間帯でも無駄な電力消費を気にせずに済みます。
さらに、太陽光パネルを導入すれば、自家発電した電力を全館空調の稼働に使用することができ、さらに省エネ効果を高めることができます。
スペースを有効活用できる
全館空調を導入することで、部屋ごとにエアコンを設置する必要がなくなり、限られたスペースをより効率的に活用できます。
また、壁掛けエアコンはその存在感から、デザインにこだわった注文住宅ではインテリアに合わないことがありますが、全館空調なら部屋に露出するのは吹き出し口のみで、デザインへの影響を最小限に抑えることができます。
さらに、エアコンごとに室外機を設置する必要もなくなり、家の外観がスッキリとした印象になります。
全館空調のデメリット・注意点

全館空調は多くのメリットがありますが、デメリットや注意すべき点もあります。ここでは、全館空調を導入する際に考慮すべきデメリットを解説するので、メリットとともに検討して参考にしてください。
なお、全館空調についてより理解を深めたい場合は、記事と併せて住宅系YouTuber「まかろにお」が運営しているYouTubeチャンネル「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」内にある「【大手ハウスメーカーの全館空調比較】全館空調はやめたほうがいいって本当?」をチェックしてみてください。

まかろにおは、『人から始める家づくりの重要性を世に広める』をコンセプトに、元大手ハウスメーカー勤務で、住宅営業において全国No.1を獲得した経験を活かして中立的な立場で家づくりに役立つ情報を発信しています。どのハウスメーカーに忖度することもなく、率直な意見を述べているのでハウスメーカー選びの参考になるはずです。
気密性・断熱性が必要
全館空調を効果的に機能させるには、家自体の気密性と断熱性が高いことが求められます。家は「断熱・気密・換気・空調」という順番で成り立っており、断熱・気密が整っていない家に全館空調だけを入れても、冷暖房の効きが悪く光熱費がかさむだけです。
近年では、多くのハウスメーカーが気密性や断熱性を高めた住宅を提供していますが、施主が希望する設計によっては、どうしても気密性や断熱性が低くなることもあります。たとえば、大きな窓を多く取り入れたデザインの場合、開放感を生む一方で、気密性や断熱性が低下することがあります。
そのため、全館空調は単体で選ぶ設備ではなく、そのハウスメーカーで選べる断熱・気密の仕様を最大限まで高めたうえで検討すべきです。
部屋ごとの温度調節が難しい
全館空調は、1台で家全体の温度を調整するシステムです。そのため、部屋ごとの温度調節が細かくできないことがデメリットです。近年では、部屋ごとに温度調節が可能な製品も登場していますが、依然として個別にエアコンや暖房を設置した場合ほどの細かな調整は難しいことが多いです。
また、全館空調は基本的に24時間稼働させることを前提としています。一度電源を切ると、再び家全体を適温にするまで時間がかかります。さらに、長時間使用すると空気が乾燥しやすいため、地域によっては加湿器が必要になります。
したがって、特定の部屋だけを暖かくしたい(または冷やしたい)場合や、長期間家を空けることが多い場合、急速に温度を調整したい場合などには、全館空調よりも各部屋にエアコンを設置したほうが適していることがあります。
なお、全館空調が向いているかどうかは、家で過ごす時間の長さが目安になります。詳しくは後述の「全館空調を設置する際の判断基準」で解説します。
定期的なメンテナンスが必要
全館空調は、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると、故障しやすくなったり、寿命が短くなったりする可能性があります。
メンテナンスの方法は製品やメーカーによって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。場合によっては、専門業者の依頼や高額な部品交換が必要になることもあります。
また、全館空調が故障すると、修理が完了するまで家全体の冷暖房が使えなくなります。修理に時間と費用がかかる場合もあるため、寒冷地や暑い地域では家での生活に支障をきたすことがあります。
メンテナンスを定期的に行うことで故障のリスクは減少しますが、地域や住環境によっては、メンテナンスの重要性が一層増します。
ハウスメーカーを全館空調で比較する際のポイント

全館空調を強みとしているハウスメーカーも多く、近年では大手ハウスメーカー以外にも中小のハウスメーカーや工務店でも全館空調を導入できるところが増えています。そのため、選択肢が増えたことでどのハウスメーカーを選ぶか迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、全館空調を導入する際にハウスメーカーを比較するポイントを解説します。
導入費用や維持費
全館空調を導入するための費用はもちろん重要ですが、維持費にも注目が必要です。全館空調の交換には一定の費用がかかり、設置工事も大掛かりになります。さらに、全館空調のシステムを長期間使用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
ただし、メンテナンスが高額であったり、実施する手間が大きかったりすると、維持が難しくなることもあります。そのため、導入後のランニングコストもしっかりと把握しておく必要があります。
注文住宅の相談時には、営業担当者に導入費用だけでなく、メンテナンスにかかる費用や方法についても詳しく質問し、維持可能かどうかを確認してから決定しましょう。
家自体の断熱性や気密性
前述のとおり、全館空調は住宅の断熱性・気密性が伴って初めて力を発揮します。そのうえで比べたいのは、各社がどこまで断熱・気密の仕様を強化できるかです。たとえば積水ハウスやセキスイハイムには、断熱等級6をクリアできる強化仕様が用意されています。一方で鉄骨系のメーカーはC値(気密性を示す数値。小さいほど高気密)が1〜2程度にとどまることも多く、気密施工オプションの有無が差になります。そのため、ハウスメーカーが提供する住宅の断熱性や気密性を十分に確認してください。
ハウスメーカーが販売している住宅の断熱性や気密性について詳しく知りたい場合は、
「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」内にある「2025年最新! 大手ハウスメーカー断熱性能ランキング」を参考にしてください。
なお、断熱性や気密性が高い住宅ほど値段も高い傾向があります。したがって、予算内でどのくらい断熱性や気密性を高められるかの確認も必要です。
全館空調の機能
全館空調の機能は、製品によって異なります。温度調節以外にどのような機能があるのか、ハウスメーカー同士で比較しましょう。必要な機能が備わった空調システムを選ぶことで、満足度が大きく向上します。
また、予算内で求める機能を持つ全館空調を設置できるかどうか確認することも非常に重要です。
全館空調に力を入れているハウスメーカー6選
全館空調が必要かどうかは、実はハウスメーカーによって変わります。断熱・気密の強化に力を入れている会社、換気・空調に力を入れている会社、しばらく様子を見ている会社と方向性が分かれており、その会社の家づくりの仕組みを理解しないと導入の判断はできません。ここでは、全館空調を用意している大手ハウスメーカー6社を紹介します。
この6社の中でも、断熱・気密性能を強化して空調効率を高めたパナソニックホームズとセキスイハイムは、全館空調を導入するなら最優先で検討したい2社です。換気・空調の仕様を大幅に強化したヘーベルハウスも有力な候補に入ります。なお、木造で全館空調を考えるなら、光熱費を高い水準で抑えられる三井ホームも候補です。
積水ハウス

積水ハウスは、1960年に創業して以来、260万戸以上の住宅を手掛ける大手ハウスメーカーです。積水ハウスで家を建てた場合、設置できる全館空調「エアシーズン」には、次の機能が備わっています。
- 全館冷暖房
- 全館換気
- 全館加湿
- 全館除湿
冷暖房機能に加え、湿度を最適に保つ機能も特徴的です。しかし、設置には約半畳分の機械室が必要で、設置費用がやや高めである点に注意が必要です。
また、積水ハウスは全館空調そのものよりも、個別エアコンと第1種換気を組み合わせて空気を循環させる方針を重視しています。代表例が、全熱型の第1種換気「アメニティー換気Ⅴ」と天井付空気清浄機「AirMe」を掛け合わせた「スマートイクス」です。湿度まで1年中整えたい場合は、給水・排水が不要なデシカント換気「アメニティー換気PLUS」を選ぶ形になります。
特に、気候が温暖で全館空調を設置しなくても部屋ごとの温度差が少ない場合は、他の換気システムを検討することも一つの方法です。
積水ハウスの断熱性・気密性は、地域に応じて営業担当者が調整することが一般的です。たとえば、「グリーンファーストゼロ・スーペリア」仕様では、7段階ある断熱性能の中で上から2番目の「6」を選択することができます。
なお、積水ハウスは通常の仕様では気密施工を行わないため、気密施工オプションは必須です。スーペリア仕様を選んだ場合は、最初から気密施工が含まれています。
積水ハウスは鉄骨と木造、どちらの構造でも対応可能であるため、選択肢の幅が広いことが特徴です。
積水ハウスについてより理解を深めたい場合は、YouTubeチャンネル「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」内にある「【最新2025年版】積水ハウスの徹底解説!これさえ見ておけば大丈夫でしょ!」も併せてチェックしてみてください。
ダイワハウス

ダイワハウスの全館空調は「エアヒーリング」で、これはパナソニック製、つまり構造自体はパナソニックホームズの「エアロハス」とまったく同じです。ほかにリビングフロアを空調する「エアサルーン」もありますが、いずれもまだ発展途上で、あえて導入する必要性は高くありません。
ダイワハウスは全館空調寄りではなく、個別空調で対応することを推奨しているハウスメーカーです。換気は熱交換率84〜86%の全熱型第1種換気「風なびRXⅢ」が追加されており、第3種換気ではなくこちらを選ぶのが前提になります。
ダイワハウスは、他のハウスメーカーよりも断熱仕様が優れている点が強みです。たとえば、鉄骨の「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」では、スタンダード断熱とハイクラス断熱がほぼ廃止となり、現在は最高水準の「エクストラ断熱」に一本化されています。木造の「xevoGranWood(ジーヴォグランウッド)」なら、さらに上位の「ウルトラW断熱」も選べます。
ただし、ダイワハウスで検討するなら、全館空調を入れるよりも、鉄骨は「エクストラ断熱」、木造は「ウルトラW断熱」といった最高水準の断熱仕様を選び、そこに個別エアコンと第1種換気を連動させた方が賢い選択です。断熱性の高い家を希望する方には適していますが、全館空調そのものを目当てに選ぶハウスメーカーではありません。
ダイワハウスについてより理解を深めたい場合は、YouTubeチャンネル、「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」内にある「【最新2025年版】ダイワハウスの徹底解説!これさえ見ておけば大丈夫でしょ!」も併せてチェックしてみてください。
パナソニックホームズ

パナソニックホームズの全館空調「エアロハス」は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に対応可能で、住宅業界で初めて「花粉対策製品認証」を取得した製品です。また、2019年には「省エネ大賞」を受賞しています。さらに、部屋ごとの温度センサーに基づいて風量調節を行い、精密な温度管理が可能です。
パナソニックホームズは狭小住宅の実績が豊富な一方、断熱性能そのものは決して高いとは言えず、気密性能を示すC値も1〜2程度で推移しています。そのため、全館空調をより効率的に使うには必ずトリプルガラスを選んでください。標準仕様のペアガラスはスペーサーがアルミですが、トリプルガラスなら樹脂に変えられます。都市部の限られた土地でも吹き抜けをつくれる設計力があり、全館空調と組み合わせれば吹き抜けのある家でも快適に過ごせます。
パナソニックホームズについてより詳しく理解したい場合は、YouTubeチャンネル「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」内にあるパナソニックホームズの解説動画もチェックしてみてください。
セキスイハイム

セキスイハイムの全館空調「快適エアリー」は、足元から空気が出ることが特徴です。冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまりやすい性質を利用し、足元から空気を送り出すことで、より快適に過ごせるメリットがあります。
ただし、快適エアリーは厳密に言うと全館空調ではなく「全室空調」で、居室以外のトイレや廊下などは暖めたり涼しくしたりできません。居室以外も空調できる上位モデルとして全館空調「AirLax」が登場しましたが、採用できるのは新商品「エルビア」のみである点に注意が必要です。
セキスイハイムは住宅の生産の8割を工場で行い、現場では完成したパーツを組み立てるため、設置ミスが少なく、安心して工事を任せられます。加えて、短期間で家を完成させることができ、メンテナンスの頻度が低くても耐久性が高いというメリットもあります。建物のみの坪単価は85万〜110万円が目安ですが、AirLaxを選べる「エルビア」は坪150万円台からと大きく上がります。
また、壁・基礎・開口部の3点を強化すれば、セキスイハイムでも断熱等級6をクリアできます。ここまで強化すれば快適エアリーもさらに効果を発揮するため、パナソニックホームズと並んで全館空調を検討する際の有力候補です。
セキスイハイムについてより詳しく知りたい方は、YouTubeチャンネル、「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」内にある「【最新2025年版】セキスイハイムの徹底解説!これさえ見ておけば大丈夫でしょ!」もチェックしてみてください。
ミサワホーム

ミサワホームでは、2種類の全館空調システム「パラディア」と「コモンズエア」を提供しています。
パラディアは1台で家中の温度と湿度を調整するタイプですが、本体が大きく、稼働音もそこそこ気になります。コモンズエアはエアコンと第1種換気を連動させるタイプで、空調室が不要なうえ稼働音も気になりません。ミサワホームで全館空調を導入するなら、コモンズエアを選ぶ方が無難です。
ただし、ミサワホームは全館空調を強みにしているハウスメーカーではなく、実際の採用例も多くありません。むしろ評価が高いのは第1種換気の「フロアセントラル換気システムA7型」で、熱交換率は最大95%と業界最高水準です。断熱仕様を最大限まで高め、この換気システムと個別エアコンで室内の温熱環境を整えるのが、ミサワホームでのベストな構成といえます。
さらに、ミサワホームは「スマートテック断熱」というパッケージ化された断熱仕様を提供しています。これにより、家を建てる地域や予算に合わせて適切な断熱性を選択することができます。また、大手ハウスメーカーの中では珍しく、C値(気密性を示す数値。小さいほど高気密)1.0以下を確約する気密施工オプションを選べるため、検討する際は必ず入れておきましょう。
ミサワホームについてより理解を深めたい場合は、YouTubeチャンネル、「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」内にある「【最新2025年版】ミサワホームの徹底解説!これさえ見ておけば大丈夫でしょ!」もチェックしてみてください。
ヘーベルハウス

ヘーベルハウスは「ロングライフ全館空調」を採用し、廊下の天井に室内機を設置することで、機械室が不要な空調システムを実現しています。1階と2階にそれぞれ空気の吹き出し口を設置するため、フロアごとの温度調節も可能です。設置費用は約200万円かかりますが、ヘーベルハウスで家を建てるならマストで入れるべき設備です。
ヘーベルハウスは二世帯住宅の実績が豊富で、全館空調付きの二世帯住宅を建てたい方にとっては理想的な選択肢です。断熱材には高性能な「ネオマフォーム」を採用していますが、外壁のヘーベル板は断熱材ではなく、ヘーベルハウスの断熱性能・気密性能は業界全体から見ると高いほうではありません。ロングライフ全館空調は、その弱点をカバーするために登場した設備でもあります。
また、オプションの「熱交換型ロングライフ・エコ換気システムHG」は、給水も排水も不要で自動的に除湿と加湿を行うデシカント換気です。これを採用できるのは、今のところ大手ハウスメーカーではヘーベルハウスだけで、各居室エアコン+床暖房より安く導入できるケースが多いため、あわせて検討してください。
ヘーベルハウスについてより理解を深めたい場合は、YouTubeチャンネル、「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」内にある「【最新2025年版】ヘーベルハウスの徹底解説!これさえ見ておけば大丈夫でしょ!」もチェックしてみてください。
全館空調を設置する際の判断基準

最後に、全館空調を設置するか迷っている方に向けて、設置を決断するための判断基準として、次の3つのポイントを解説します。
これらの基準をもとに、自分たちの生活スタイルに最適な選択をしましょう。
家にいる時間が長い
家にいる時間が長い場合は、全館空調を設置するメリットは大きいです。24時間運転が基本なので、光熱費を抑えつつ快適な室温で生活できます。リモートワークで働いている方がいるご家庭や、小さい子どもがいるご家庭、高齢者がいるご家庭などが該当します。
一方、出張が多かったり家族の生活時間帯がバラバラで家にいる人数が少なかったりする場合は、各部屋に空調を設置したほうが使い勝手がよいケースも多いでしょう。
家族が各自室で過ごすことが多い
家族がそれぞれ自室で過ごすことが多い場合、全館空調を導入することで光熱費を抑えることが可能です。最新の全館空調システムは省エネ効果が高く、太陽光パネルを併用すれば、ほとんど光熱費がかからないこともあります。特に、高齢者や小さな子どもがいる家庭では、全館空調を導入すれば、室温の変化による健康リスクを避けることができます。
ただし、家族がリビングで過ごす時間が長く、各部屋で過ごす時間が寝室程度であれば、全館空調よりも部屋ごとにエアコンを設置した方が快適に過ごせる可能性が高いです。
窓を開ける頻度が低い
洗濯物を室内干しにしたり、騒音やプライバシーのために窓を開けないことが多かったりする家庭では、全館空調の導入が特に効果的です。全館空調は換気機能も備えており、窓を開けなくても空気の循環が可能です。また、花粉症やPM2.5などにアレルギーがある場合も、空気清浄機能を使って清潔な空気を取り入れることができます。
一方、大きな窓を多用して開放感を優先する設計では、断熱性・気密性はどうしても下がります。その場合は、各部屋にエアコンを設置する方が現実的です。デザインと断熱・気密のどちらを優先するのかは、設計士や営業担当者と早い段階で相談して決めましょう。
全館空調にこだわらない選択肢もある
全館空調は「エアコン×第1種換気×風量」の掛け算で成り立つ設備です。この3つを分解して別々に設置すれば、専用の設備を入れなくても近い環境をつくれ、全館空調の導入にかかる約200万円を削減することも可能です。ポイントは次の3つです。
- 再熱除湿機能を備えたエアコンを、6畳・10畳・14畳用のいずれかから選ぶ
- 換気は全熱型のダクト式第1種換気を選ぶ
- 第1種換気のRA(室内の空気の取り込み口)をエアコンの近くに設置する
ただし、風量まで調節することはできません。完璧な温熱環境を求めるのであれば、やはりきちんとした全館空調が必要です。
迷ったら注文住宅の実例をチェック
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全館空調を設置するか迷った場合、「メグリエ(MEGULIE)」で家の間取りや全館空調の有無、家族構成に基づいた実例を探すことで、最適な選択がしやすくなります。
また、会員同士で意見を交換できる掲示板もあり、全館空調に関する意見を聞くことも可能です。さらに、家の建築を依頼したいハウスメーカーの営業担当者に直接相談することもできます。
そして、当サイト「メグリエ(MEGULIE)」では、全館空調選びなどに関する無料相談をLINEで受付中です。以下のリンクから友だち追加すれば、専門スタッフがリアルタイムでアドバイスします。
まとめ
全館空調は住宅全体を常に快適な温度に保てる先進的な設備であり、特に高気密・高断熱の性能を備えた住宅や、自宅で過ごす時間が長いライフスタイルの家庭にとっては大きなメリットをもたらします。
導入にはまとまった初期費用が必要になりますが、最近の全館空調は省エネ性も高く、長期的な光熱費の抑制にもつながる可能性があります。太陽光発電と併用すれば、より高い経済性も期待できるでしょう。
ただし、家の間取りや設計、断熱・気密性能の水準、日常の過ごし方によっては、導入したとしてもその恩恵を十分に受けられないこともあるため注意が必要です。たとえば、在宅時間が短い世帯や、部屋ごとに温度調節をしたいニーズが強い場合は、従来のエアコン設置の方が合っているケースもあります。全館空調の導入だけが唯一の正解ではなく、仕組みを理解すれば個別エアコンと第1種換気の組み合わせでも快適な住まいはつくれます。設備の性能だけでなく、ハウスメーカーの断熱・気密仕様と生活スタイルとの相性を見極めてください。
その判断をより的確にするためには、営業担当者への相談の前に「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」をチェックして全館空調やハウスメーカーの知識を身につけておくと安心です。ある程度の前提知識を持って相談すれば、希望に合った選択がしやすくなります。
さらに、前述の「メグリエ(MEGULIE)」に登録すれば、全館空調を採用した建築実例を見ながら比較検討を進められます。
当サイト「MEGULIE(メグリエ)」を活用するメリット・デメリットは、こちらの動画で詳しく解説しています。一度チェックしてみてください。