今回は『システムキッチンメーカー全12社徹底解説』ということで、王道どころのシステムキッチンメーカー12社をピックアップして、それぞれどのような特徴があるのか、どのような価格帯でどういう人に向いているのかをお伝えします。
これから注文住宅で戸建てを建てる方、マンションの購入を検討している方、中古住宅のリフォームを検討している方は是非最後までお読みください。
まずは、キッチンメーカー各社の価格帯マップを見ていきます。

全体像として、
- システムキッチン
- 国産のインテリアキッチン
- 海外のインテリアキッチン
これら3つに分かれています。
最初のシステムキッチンに関しては日本の主要キッチンメーカー各社のことで、日本人の全体の9割は、システムキッチンメーカーからキッチンを選んで使っているのではないかと思います。
それだけ日本において市場シェアが大きいのが、このシステムキッチンメーカーに属しているキッチンです。
システムキッチンとは何なのかわかりやすく一言で例えるなら「規格住宅」です。
規格住宅はある程度形状や選べるものが決まっていて、その中でいろいろと組み合わせてつくっていきます。
システムキッチンはまさにその考え方そのもので、決まったものの中から組み合わせて選んでいくことになるわけです。
このシステムキッチンは日本特有の文化で、戦後の復興とその後のベビーブームがきっかけで広まったものになっています。
よく、システムキッチンメーカーでキッチンを選ぶ際、同時に洗面やお風呂、トイレもセットで揃えるといくら値引きしますというものがあります。
わかりやすく言うと、ジャパネットタカタ方式のような感じで販売してくるわけですが、この販売形態も日本特有のものです。
海外ですと、こういうのはありえません。
日本で普及しているキッチンの約9割はシステムキッチンメーカーのキッチンですし、注文住宅でキッチンを入れる場合も、そのほとんどがシステムキッチンメーカーのキッチンから入れることになるわけです。
これがシステムキッチンメーカーのキッチンの簡単な特徴です。
一方で、海外のキッチンは「インテリアキッチン」というものになります。
日本のシステムキッチンが規格住宅のようなものであるなら、海外のインテリアキッチンは、注文住宅そのものなのです。
つまり、0から1を積み上げて100をつくっていくというのが、インテリアキッチンになるのです。
ですので、インテリアキッチンを選ぶ場合は、それこそ注文住宅を建てる時と同じように、いろいろな設備仕様の知識がなければつくれませんし、細かい納まりも注意してキッチンをつくることになるわけです。
ここ最近では、日本でも海外のインテリアキッチンに負けないようにということで、国産のインテリアキッチンメーカーが、少しずつ台頭し始めています。
ただ今回は、インテリアキッチンに関しては置いておき、システムキッチンについてのみ解説します。
システムキッチンメーカー1:LIXILの特徴

LIXILは内装を豊富に扱っているため、キッチン単体ではなく、LDK全体をトータルコーディネートしやすい点、これが住設専業メーカーにはない建材総合メーカーならではの強みであり、特徴になっています。
価格面に関しては、定価ではなく業者ごとの掛け率、言い換えると値引き率で総額が大きく変わるという特徴もあり、特に競争の激しい「ノクト」や「シエラS」、これらは値引き幅が大きいというのがポイントになります。
各ハウスメーカーの見積書を見るとわかりますが、メーカーごとに「ノクト」や「シエラS」の価格が結構違っています。
これがいわゆるボリュームディスカウントというもので、よくアイ工務店などが「うちは建材メーカーを叩いて安くしてもらっているので、同じものでも他のメーカーよりも安く仕入れることができます」と言っているのは、この業者ごとの掛け率、つまり値引き率が違うからです。
業者ごとの掛け率というのは、大体量を出しているところが有利になってくるので、年間の着工棟数が多ければ多いほど掛け率(値引き率)が大きくなってきます。
他にも、ボリュームディスカウントという観点においては、ヤマダホームズも頑張ってボリュームディスカウントを効かせて価格を下げています。
最近ではエディオンと統合し、より大きな組織になったので、ボリュームディスカウトはヤマダホームズが強かったりするわけです。
LIXILのキッチンは、
- リシェルSI
- ノクト
- シエラS
の3グレードあります。
リシェルSI
リシェルSIは、LIXILの中でハイグレード商品という立ち位置になっています。

最大の売りは、熱、傷、汚れに強いセラミックワークトップです。
セラミックトップを選べるのは、LIXILの商品の中ではリシェルのみです。
ノクト
ノクトは、ミドルコスト帯の商品で、人造大理石の天板になるというのが特徴です。

デザインバリエーションが豊富なのも魅力です。
シエラS
シエラSはスタンダードなキッチンで、デザインや収納、お手入れ機能がまんべんなく入り、コスパがいいバランス型の商品です。

LIXILの場合は、自分たちの予算に合わせてこれら3つのグレードの中からキッチンを選んでいくというイメージです。
その他LIXILの特徴
その他の特徴としては、扉が斜めに開き、大きく引き出さなくても軽い力で道具が取り出せるテコの原理を使った「らくパッと収納」、

内部のディスクが高速回転して油を集め、ファン内部が汚れにくい構造で掃除が楽になる「よごれんフード」、

黒いものや鏡、ガラスなど、従来感知しづらかったものも感知できる「タッチレス水栓ナビッシュ」、

これらの商品があります。
あとは、洗面、お風呂、トイレなどすべてLIXILの商品を選ぶとセット割が適用されるなど、とにかく総合力で押してくるのがLIXILです。
ただ、住宅営業マンも「とりあえず生ビールで」という感覚でLIXILをすすめてくることが多いので、人と被りやすいというのがネックかもしれません。
システムキッチンメーカー2:パナソニックの特徴

LIXILが総合建材メーカーでLDKのトータルコーディネートを強みにしているのに対し、パナソニックは、家電メーカーである点が軸となっています。
例えば「HEMS」と呼ばれる住宅につける機械があるのですが、これをパナソニック製にした場合、IHやオーブン、レンジフード、LEDの照明の調光、これが1つになって連携することができるのです。

家全体をパナソニックで揃えると、連携の快適さが効いてくるというのが最大のポイントです。
ただ、「HEMS」というホームマネジメントシステムをパナソニック製にしなければならないので、限定的な話ではあります。
他のメーカーのHEMSを推奨しているハウスメーカーも結構あります。
また、他の特徴としては、キッチンの面材のカラーバリエーションが豊富です。
スタンダードのSクラスでも扉が46柄ありますし、ハイグレードのLクラスは約100柄近くあるので、これはシステムキッチン系のメーカーの中ではかなり珍しい豊富さになります。
デザインも機能も両方とも妥協したくないという方におすすめのシステムキッチンメーカーがパナソニックです。
そんなパナソニックの商品は、
- Lクラス
- Sクラス
- V-style
の3本建てとなっています。
Lクラス
「暮らしをデザインする」というのをコンセプトに、デザインの自由度、先進機能、素材の上質さ、これらすべてがトップクラスのキッチンになっています。

約100柄近くの扉のカラーや、

傷と汚れに強く、撥水撥油成分配合で、日常的な汚れも水だけで落とせるスゴピカ素材とよばれる有機ガラス系の「グラリオカウンター」、

キッチンの高さを1mm単位で調整できる点

が最大の強みです。
LIXILがセラミック天板で勝負しているのに対し、パナソニックは有機ガラス系のグラリオカウンターとそれに付随してくる「ラクするーシンク」

で勝負しているという、そのような対比構造となっています。
Sクラス
以前にあった「ラクシーナ」という商品の後継商品です。

ラクシーナより価格が抑えられていて、ラクシーナでは選べなかったフロントオープンの食洗機が選べるのが特徴です。

さらに、パナソニックの代名詞とも言える3口横並びワイドコンロや、スゴピカ素材のカウンターも選べるため、性能はLクラスにも引けを取らないというのがポイントです。

V-style
コスパ重視のベーシックモデルです。

天板は人造大理石となり、スゴピカ素材は選べません。
その他パナソニックの特徴
パナソニックのその他独自の主要機能をお伝えします。
トリプルワイドコンロのIH、これは横並び3口のIHで、鍋同士がぶつからず、調理しやすいというのが特徴です。

さらに、マルチワイドIHなら4つの鍋を同時に使え、中央のヒーターは鍋の大きさに合わせて加熱エリアを調整可能です。
これは、他社にない明確な差別化点です。
さらに、油トルネード機能とラクウォッシュプレートで、ファンの手入れは約15年に1回、普段は拭くだけの「ほっとくリーンフード」、

タッチレスで吐水止水でき、エコナビやリズムシャワーでさらに節水できる「スリムセンサー水栓」、

これらもパナソニックにしかない特徴です。
「ほっとくリーンフード」は本当に汚れません。
ただ一方で「スリムセンサー水栓」は、LIXILのものに比べて少しタイムラグがあります。
システムキッチンメーカー3:クリナップの特徴

クリナップは、システムキッチンの生みの親を名乗る老舗の企業で、独自開発のステンレスワークトップなど、新機能を先駆けて開発してきた、ステンレスが代名詞のメーカーです。
ラインナップは主に3つあります。
- セントロ
- ステディア
- ラクエラ
セントロ
最上級の商品で、キャビネット内部までステンレスになっています。

また、キッチン中央に立って両側の収納に手が届くセンターポジション設計、

ノイズレスなデザインの「流レールスクエアシンク」

これが特徴となっています。
ワークトップ(天板)は、ステンレス、人工大理石、セラミックから選べます。
ステディア
中位の主力商品です。

クリナップの強みであるステンレスキャビネットを採用しつつ、セントロほど高額になりにくい最もバランスのいいシリーズです。
リフォーム産業新聞の「プロがおすすめしたい住宅設備 キッチン部門」で、複数年連続1位を取っている実績のあるキッチンでもあります。
ラクエラ
一般グレードのキッチンです。

ラクエラは「セントロ」や「ステディア」のようなオールステンレスではなく、キャビネットが木製です。
それもあり、どの商品よりも価格が安くなっています。
ただし、「クリナップ=ステンレス」のイメージで選ぶと、ラクエラは木製キャビネットなので、代名詞のステンレスキャビネットではないということになります。
ここは注意が必要です。
また、ラクエラのステンレス天板は、上位の美コートやバイブレーション加工に非対応で、細かい傷が目立ちやすいという後悔の声も結構あります。

清潔性、耐久性、これらを最優先するのであれば、やはり、ステンレスキャビネットのステディア以上の商品がおすすめです。
システムキッチンメーカー4:TOTOの特徴

TOTOは2シリーズ構成で、これまでの3社とは少し毛色が違います。
というのもTOTOは元々トイレや浴槽の水回りメーカーです。
水回りに強いTOTOだからこそ、水栓やシンクが掃除しやすく、調理もしやすい設計になっています。
ですので、LIXILが建材の総合メーカー、パナソニックが家電、クリナップがステンレスなのに対し、TOTOは水回りの技術と除菌、清潔性、清掃性といったところを武器にしているイメージです。
商品は中額帯~高額帯の「ザ・クラッソ」と、より手頃な「ミッテ」、この2シリーズ展開となっています。
ザ・クラッソ
TOTOならではの独自機能を数多く搭載した上位モデルで、上質な質感と豊富なバリエーションが魅力です。

価格帯は95万円~200万円前後が多い気がします。
天板は、クリスタルカウンターの透明感がすごく魅力的になっています。

高級なステンレス天板も選べます。

ミッテ
コスパ重視の標準モデルがこちらの商品で、I型基本プランなら、大体80万円くらいから入れられます。

ただしミッテも別に安いわけではなく、オプションをてんこ盛りにすると、なんだかんだでザ・クラッソと同じような金額になり、結局ザ・クラッソを選ぶという人も多い気がします。
天板は人工大理石とステンレスから選べます。
その他TOTOの特徴
TOTO独自の主要機能に関しても説明します。
きれい除菌水
これは外せないというのが「きれい除菌水」です。

これはザ・クラッソの代表機能で、ここがLIXILのセラミック、パナソニックのスゴピカ素材に相当する看板技術です。
ただし重要な制約があり、きれい除菌水やタッチレス水栓は、ミッテでは使用できません。
「きれい除菌水」が欲しいのなら、ザ・クラッソ一択となるわけです。
すべり台シンク
シンクの底面に3°の傾斜がついていて、野菜クズなどのゴミが自然と滑るように排水口へ流れるというものです。

ザ・クラッソ、ミッテ両方で選べます。
水ほうき水栓
「エアインシャワー」とも呼ばれ、TOTOが3年の期間を費やして開発した機能で、これはミッテとザ・クラッソ、両方に標準装備されています。

幅広シャワーで洗い物がしやすく、節水ができるという機能があります。
ゼロフィルターフード
10年間お手入れ不要で、特殊なコーティングを施したファンにより油の付着を防いで、10年間、ファンのオイルキャッチャーを拭くだけで済むようになっています。

システムキッチンメーカー5:トクラスの特徴

トクラスはこれまでの4社とはブランドの出自が違います。
というのも、トクラスは旧ヤマハリビングテックで、世界最大手の楽器メーカーであるヤマハの住宅設備部門が分社化して誕生したメーカーになります。
ですので強みの軸は、ヤマハ由来の「人造大理石」と「塗装技術」、この2つです。
国産で初めて人造大理石のカウンターキッチンを製品化したメーカーで、これがトクラスの看板商品となっています。
LIXILが総合建材、パナソニックが家電、クリナップがステンレス、TOTOが水回り除菌なのに対し、トクラスは素材、「人造大理石」と「塗装」、これで勝負をしているという立ち位置です。
商品は
- DOLCE X
- コラージア
- Bb+
の3種類です。
DOLCE X
トクラスの中でも1番高い商品、最高級のシリーズです。

オープンキッチンの可能性を限りなく追求した、DOLCE Xでしか実現できない個性的なデザインが売りです。
キッチンの形は「ハイバックアイランド」と「ラウンドタイプ」の2種類に特化していて、普通のコラージアの上位版というより、デザイン特化のフラッグシップのような位置付けになっています。
価格は200万円中盤~350万前後と、普通のキッチンより1段階上の価格となっています。
手塗りグレードも「COLCE X」と「コラージア」だけに用意されているものになります。
コラージア
トクラスの中ではハイグレード商品という位置づけになっています。

扉のカラーは6グレード15シリーズあり、さらには163色用意されています。

塗装技術を生かした鏡面扉のシャインカラーは114色あり、塗装のバリエーションが他のメーカーにはないくらいあります。

ワークトップは人造大理石の「テノール」と「グラーナ」から選択可能です。

Bb+
スタンダードなキッチンではありますが、上位モデルと同じ人造大理石を使用しているのが最大の強みで、価格が安くなっても素材の質は妥協していません。

ここ最近では、従来の弱点だったレイアウト制約が改善され、アイランド型が選べたり、最大間口が3,000mmになったり、モデルチェンジも果たしています。

その他トクラスの特徴
それ以外のトクラスの特徴として知っておかなければならないのが、人造大理石の品質と厚みです。
これがどういうことかというと、他社の人造大理石は5〜6mm程度が一般的な厚さなのに対して、トクラスは12mmもの厚みがあって衝撃を加えても割れにくくなっています。

さらに、350℃に空焼きしたフライパンを10分間放置しても割れたり変色したりしにくいという熱耐性もあるのです。

トクラスの人造大理石天板は、すり傷はナイロンたわしでこすると修復できます。
自分で手軽にきれいにでき、カウンターからシンクにかけては隙間や段差がない一体成形で、溝や隙間に汚れがたまらずきれいさを保てるようになっているのです。

こういったところからも、とにかく人造大理石にこだわっているのがトクラスです。
「人造大理石といえばトクラス」、これで覚えていただくといいかと思います。
システムキッチンメーカー6:タカラスタンダードの特徴

タカラスタンダードはここまでの各社とは性格がかなり違います。
というのもタカラの軸は、最初から最後まで「ホーロー」1本なのです。
ホーローというのは、鉄板の表面にガラスを焼きつけた素材で、水や汚れ、臭いや熱に強く、傷みにくいという素材です。

一般的なメーカーはキャビネット部分が木製のことが多いですが、タカラスタンダードはホーローを使っています。
ですので、キャビネット部分の耐久性も非常に高いというのが最大の特徴です。
LIXILは建材、パナソニックは家電、クリナップはステンレス、TOTOは水回り除菌、トクラスは人造大理石に対し、タカラはホーロー素材そのもので勝負をしているのです。
具体的な商品構成についてですが、現行商品は主に4シリーズあります。
- レミュー
- トレーシア
- エーデル
- リフィット
これらの4商品です。
レミュー
タカラスタンダードの中でも最上級商品という位置づけとなっていて、キャビネット、引き出し内部、扉の裏までホーローになっています。

さらに収納力が圧倒的で、5段収納など高級グレードならではの仕様となっています。

また、ワークトップには「クォーツストーン」を選べます。

トレーシア
人気の中級グレードの商品です。

ホーロー扉が採用されていて、デザイン性が高く、クォーツストーンも選べますし、「家事らくシンク」にも対応しています。

レミューは特別かつ別格という扱いなので、普通に選べる中で一番いいのはトレーシアという見方が実態に近いです。
エーデル
一般価格帯の商品です。

扉も底板もホーローで、シンプルな設計、コスパが高いのが特徴です。
リフィット
ホーローと木製のハイブリッド商品で、他のシリーズとは異なり、キャビネット本体は木製で、汚れやすい底板などにはホーローが採用されています。

1cm単位での間口調整に対応したぴったりサイズと、高いコストパフォーマンスが特徴のシステムキッチンです。

その他タカラスタンダードの特徴
タカラスタンダードは、希望小売価格がそのまま販売価格になる「適正価格」を設定しているため、同価格帯の他のメーカーと比べ、思ったほど値引きが入らない、思ったほど安くならないと感じるケースが多いです。
ですので、年間着工棟数の多い大手ハウスメーカーで入れたとしても、年間着工棟数が少ない工務店で入れたとしても、ほとんど価格差がないということです。
あとは、ホーロー特有のツヤ感は清潔感がある一方で、光沢感が強すぎたり無機質に見えたりするように感じる人も多いので、質感の好みが結構分かれます。
そのため、タカラスタンダードのキッチンを入れる場合は実物確認、これが特に重要になってきます。
システムキッチンメーカー7:ハウステックの特徴

ハウステックは、これまでの会社とは少し階層が違うコスパ系の専業メーカーです。
ミドルコスト、ローコスト系のメーカーを中心に普及しているようなブランドのキッチンなので、大手系のメーカーを検討している人からすると、初めて聞いたという人も多いかもしれません。
具体的に説明をすると、ハウステックは家電で有名な「日立」、ここから始まったキッチン・システムバスの住宅機器メーカーで、「低価格で高品質」というのがコンセプトとなっています。
2013年からは家電量販店のヤマダデンキグループの傘下に入りました。
スペースを取らないコンパクトキッチンを多く扱っていて、ミニキッチンという概念は業界で初めてハウステックがつくったと言われています。
このような感じで、看板素材で勝負する他のキッチンメーカーとは違い、ハウステックの軸はあくまでコスパ、そして収納力、サイズの自由度、ここなのです。
商品構成は
- マルーレ
- クルート
- コパンナ
- MK・KM
となっています。
マルーレ
マルーレはハウステックのハイグレードモデルで、高級感があるデザインと収納力、清掃性、これらの工夫が凝らされたシリーズです。

人造大理石のワークトップ・シンクに独自の撥水・撥油コーティング「はじくりんコート」を施し、汚れがつきにくく、拭き掃除が簡単という特徴があります。

収納量は業界最大級とも言われていて、

タッチレス水栓やイオン抗菌の排水口が標準搭載されています。

価格は標準のI型のキッチンで、大体90万円くらい~となっています。
クルート
シンプルな標準仕様といった感じです。

ノイズの少ない扉のデザイン、全体的にすっきりと仕上がっているのが特徴です。

コパンナ
賃貸物件やセカンドキッチン向けで、一般的なシステムキッチンが180〜300cmのところ、コパンナは90〜210cmまで15cm刻みで大きさが変化しています。

価格も40万円くらい~とかなり安いです。
MK・KM
充実したプラン、サイズ、機種が特徴のミニキッチンユニットとなっています。

その他ハウステックの特徴
実際にハウスメーカーで使われるのは、マルーレとクルートくらいです。
その他にも押さえるべき点が2つあります。
素材面では、ワークトップ・シンクは人造大理石が標準ですが、タカラスタンダードやトクラスのような素材で売るメーカーではありません。
そのため、どうしてもチープさが拭えない部分があります。
価格面では、タカラスタンダードとは真逆です。
流通各社で60%を超えるような値引きが結構あり、激安販売が多いのです。
値引きで総額が大きく変動するタイプのキッチンメーカーなので、入れるハウスメーカーや工務店によって価格が全然違います。
これがハウステックを選ぶときの注意点2つになります。
システムキッチンメーカー8:ウッドワンの特徴

ウッドワンはまさに木で勝負する木の専業メーカーで、これまでの各社とはまた軸が違います。
というのも、ウッドワンは広島県に本社を構える、木質総合建材メーカーです。
2008年よりシステムキッチンの「スイージー」を発売しています。
材料の木を自社で栽培し、広大な森林で30年かけて苗から育てているのです。
ですので、無垢のフローリングや階段、室内ドアなど建材も手掛けていて、無垢材ナンバーワンの木質建材メーカーという不動の立ち位置を築いているのです。
そしてキッチンにおいてウッドワンは「無垢材」と「カスタマイズ性」、ここで勝負しています。
キッチンの商品は
- スイージー
- ちっちゃいスイージー
- フレームキッチン
の3種類があります。
スイージー
これぞウッドワンという、無垢材を全面に押したデザインで、ワークトップや取っ手を除くほとんどのパーツが本物の木となっています。

最大の魅力はカスタマイズ性の高さで、選べる無垢材は
- ウォールナット
- メープル
- オーク
- ニュージーパイン
- 桧
の5種類です。
塗装の色も含めると、扉のデザインは27種類あります。
最近では他のメーカーも木製キッチンを出し始めましたが、ウッドワンは元祖という感じです。
ちっちゃいスイージー
名前がかわいいです。

通常のスイージーの間口が大体2,500〜2,700mmなのに対して、ちっちゃいスイージーは1,500〜2,100mmと一回り小さく、マンションや手狭の住宅向けの商品となっています。
フレームキッチン
スチール×無垢のスタイリッシュさが楽しめるキッチンで、無垢材の使用量が少ない分、価格も低めの商品となっています。

その他ウッドワンの特徴
この他にも無垢の収納シリーズで「cono:mamma(コノママ)」という名前の商品があり、住空間のトータルコーディネートを無垢でできるというのがウッドワンの特徴です。

ただ、ウッドワンの注意点としては、無垢材を使用しているがゆえに、他のメーカーよりも価格が少し高い傾向にあります。
スイージーは大体260万円~です。
そこにいろいろと組み合わせると、金額がどんどん上がっていきます。
もちろん「フレームキッチン」のように安めのキッチンもありますが、それゆえにウッドワンは価格の振れ幅が大きい印象があります。
あと、集成材とは違い無垢を使用しているため、品質や寸法、色味にばらつきがあることがあります。
しかもきちんとメンテナンスをしなければ木の品質が低下するので、こまめに手入れをする必要があります。
システムキッチンメーカー9:ナスラックの特徴

ナスラックはステンレスの素材、これのグレードで勝負する専業メーカーで、ここがクリナップと並ぶ、ステンレス系の中でも独自の立ち位置となっています。
というのもナスラックは「ナスステンレス製作所」として創業し、後に東建グループに加入して社名変更した、ステンレスに強みをもっているメーカーです。
古くから業務用厨房設備を手掛けてきた実績があり、ステンレス加工技術にはかなり強みをもっています。
そしてナスラックのキッチンの最大の差別化要素は、その素材のグレードにあります。

というのもナスラックのすべてのキッチンは、耐食性、強度に特に優れているクロム18%、ニッケル8%の「18-8ステンレス(SUS304)」を使っているのです。
他社のステンレスキッチンに多いのは、ニッケルを含まない「18クロム(SUS430)」のキッチンなのです。
18クロムは18-8ステンレスよりも安いですし、素材自体のグレードも低いわけです。
こういったことから、同じステンレスでも1段階上の素材を使っているというのがナスラックです。
商品ラインナップは
- セスパ
- ベルフラワー
- パルテエジ
の3商品が存在します。
セスパ
最上級グレードで、骨組みから扉、天板、シンク、引き出しの底板まで、隅々18-8ステンレスを使ったオールステンレスのキッチンです。

熱、湿気、衝撃に耐えながら、長期間美しさを保てるというのが特徴です。
さらに、ナスラックの代名詞とも言える「ステンシアカラー扉」も選べます。

ベルフラワー
中位グレードの商品です。

ナスラック製品の中でも最もお求めやすい価格のキッチンになっています。
安いけど人気で、よくできた普及機というポジションです。
セスパがオールステンレスなのに対して、ベルフラワーはワークトップを天然石の質感の「クォーツストーン」、

高級感がある「人造大理石」、

耐久性の「ステンレス」、

の3種類から選ぶことができます。
パルテエジ
これはエントリーモデルです。

ワークトップは18-8ステンレスではあるものの、リーズナブルでリフォームにもおすすめです。
ただし「ステンシアカラー扉」の設定はなく、ステンレスキャビネットのみの設定になります。
その他ナスラックの特徴
注意点としては、自由度です。
シリーズごとに選べる仕様が決まっているので、他のメーカーほど組み合わせの自由度は広くありません。
ただし価格に関しては、定価は高めでも工務店などをとおすとかなりの値引きがあります。
そのため「ステンレスで選ぶんだったら、クリナップよりもナスラックの方がコスパがいいです」とすすめる設計士の方もいます。
単純に質が良くて価格が安いので、割とおすすめかなと思います。
システムキッチンメーカー10:永大産業の特徴

永大産業は総合建材系のメーカーになっていて、LIXILに近い立ち位置です。
デザイン性、ステンレス天板が選択可能というのが、永大産業のキッチンの特徴です。
永大産業は大阪に本社を置くメーカーで、自社ブランドの「Skism(スキスム)」のフローリング、収納、建具とキッチンの扉の柄、これらを総合的にコーディネートでき、キッチンからダイニングまでトータル提案ができる土台が整っているのです。

メインは木質建材系のメーカーですが、LDKのトータルコーディネートができるのが強みです。
キッチンの商品構成は、
- ピアサスS-1
- ラフィーナネオ
- ラポッテ
- グランマジェスト
- プレッソ
となっています。
グランマジェストは圧倒的に価格が高い仕様、プレッソは一番低い仕様で、例外的な商品なので、それらを除いた3つを説明します。
ピアサスS-1
欧州の「デザイン性×日本のクオリティ」がコンセプトのオールステンレスキャビネットです。

ただし、環境への配慮という名目で、ナスラックよりはステンレスの質は低めです。

ラフィーナネオ
中価格帯~高級価格帯向けの主力商品です。

リビングダイニングと一体化させた「リビングキッチン」がコンセプトで、リビング家具のようなデザイン性と機能性が特徴となっています。
あとは、ワークトップの見付け、要は厚みが約10mmと一般的なキッチンの半分まで薄いです。

さらに溶接加工でつくる「スクエアシンク」を搭載し、

ワークトップは、
- ステンレス
- 人造石
- 人工大理石
- セラミック
- メラミン
などから幅広く選べます。

その他、「インナーポケット」という収納、害虫の侵入を防ぐアース製薬と共同開発した「ムシブロックパッキン」などがキッチンにたくさん盛り込まれています。

工夫盛りだくさんの商品です。
ラポッテ
価格を抑えやすいシリーズで、初期費用を下げたい方向けの商品です。

永大産業のキッチンは「ステンレスが主役」という立ち位置ではありますが、ナスラックよりステンレスの質は低めです。
ただしその分、コストは低くなっています。
そういった特徴があるため仕方ないですが、永大産業のステンレスは指紋や傷がつきやすく、メンテナンスが増えやすいと言われています。
あとは、水質によるカルキの跡も出やすくなるともよく言われるので、毎日の仕上げとお手入れはしっかりとした方がいいかと思います。
システムキッチンメーカー11:ミラタップの特徴

ミラタップは以前「サンワカンパニー」という名前でしたが、2024年10月1日に「株式会社ミラタップ」に社名変更しました。
ですので、業界人からするとサンワカンパニーという名前の方が正直聞き馴染みがあるのですが、サンワカンパニー改めミラタップは1979年創業、建築資材の輸入販売、住宅設備の企画開発、インターネット販売を行う企業です。
もう少し具体的に説明をすると、一般的な住宅設備メーカーの流通は
メーカー → 商社 → 代理店 → 一次問屋 → 二次問屋 → 工務店・リフォーム会社 → 施主

という流れになっています。
要するに、各段階で利益が乗るので、値引き交渉や掛け率、キャンペーン価格、業者価格など、いろいろな価格が存在します。
例えば「定価100万円のキッチンを工務店は65万円で仕入れて、お施主さんには85万円で販売する」といった世界です。
一方でミラタップの場合は、
海外・国内工場 → ミラタップ → ECサイト → 施主・工務店

という流れになっています。
要は、代理店や問屋を通さずECで直接販売することで、流通を短縮しているのです。
さらにメーカーや協力工場から直接仕入れることで、コストを抑えています。
これがミラタップの最大の特徴です。
ですので、例えば100万円の商品だったら、一般のお施主さんにも、工務店にも、設計事務所にも、ゼネコンにも100万円という感じで、どの業態、業種であったとしても、どんな人であったとしても、全員同じ価格で提供しているのです。
卸価格が存在しません。
これが画期的なのです。
今の時代にものすごくあった流通をしているのがミラタップになります。
ミラタップの取り扱いの中心は、システムキッチンや洗面などの自社開発商品と、世界中から仕入れた独占販売商品です。
「ミニマリズム」のコンセプトのもと、国内外の多数のデザイン賞を受賞しています。
「ミニマルでノイズレスなデザイン×ネット直販の求めやすい価格×自由なオーダー」これらの掛け算が現在のミラタップの軸となっていて、LIXILやタカラスタンダードといった素材の専業メーカーではなく、海外のようなデザインのキッチンを低価格で提供しているという立ち位置で販売を行っている企業です。
ミラタップのキッチンラインナップは、大きく分けて
- グラッド45
- ウィッテ
- ジオーラ
があります。
グラッド45
これはミラタップの看板モデルで、ステンレスを全面に採用し、無駄を削ぎ落としたオールステンレスのオリジナルシステムキッチンとなっています。

四隅の角がシャープなスクエアシンクは、職人が1個ずつ手作りしたものになっていて、ミラタップのこだわりを詰め込んだ1台となっています。

ウィッテ
これがミラタップの主力商品で、手の届きやすい価格帯の商品となっています。

小口を斜め45°で付き合わせる留め加工で、見える線を1本に集約しているのです。

さらに見付け(厚さ)を極限まで薄くした直線的なステンレス天板に浮かんで見えるフローティングスタイルを採用しています。
海外の留め加工と比べると少し見劣りはしますが、日本のキッチンの中では見た目は抜群にいいです。
ジオーラ
2026年~2027年の最新カタログで、新家電ブランド「インヴィエラ」と同時発表されたセラミックキッチンです。

ミラタップが追求するノイズレスデザインを体現する最新のキッチンです。
海外をかなり意識したデザインになっていて、パッと見は非常にかっこいいのですが、よく見ると海外ほどのつくり込みはありません。

ですので、あくまで価格安く、そして海外のようなデザインを取り入れたいという方向けの商品かと思います。
ただ、新家電ブランドの「インヴィエラ」は、ビルトイン冷蔵庫が13万8000円~という価格となっています。

国内に流通する海外製のビルトイン冷蔵庫は、60万円~260万円程度と非常に高いです。
これを考えると、インヴィエラという家電の商品は買いなのではないかと思います。
システムキッチンメーカー12:グラフテクトの特徴

これまでの量産メーカーとは出自が全く違う高級オーダーの規格化ブランドになっています。
どういうことかというと、グラフテクトは国内最高級ブランドとして知られるキッチンハウスのセカンドラインとして誕生したブランドです。

キッチンハウスの高い品質と技術を継承しつつ手が届く価格帯にしたことで、近年急速にシェアを伸ばしている商品になります。
ですので、グラフテクトの軸は、高級オーダーの品質を規格パッケージ化で低価格にとなっていて、タカラスタンダードのホーローやナスラックのステンレスなど、そういった素材専業とも、LIXILの量産とも違う特殊な立ち位置を築いているわけです。
そんなグラフテクトですが、看板素材に「EVALT(エバルト)」という高機能のメラミンを採用しています。

エバルトは多くの欧州トップメーカーが扱うキッチン向けのメラミンで、
- 汚れがつきにくい
- 熱に強い
- 傷に強い
- 衝撃に強い
- 水に強い
- シンクとワークトップのつなぎ目が滑らかになる
という特徴があります。
キッチンハウスは創業当時からこの「エバルト」という素材を扱っており、キッチンハウスの品質を象徴する素材となっているわけです。
耐熱に関しては、人造大理石と同程度になりますし、高温の鍋はさすがに鍋敷きは必要になりますが、醤油やお酢をこぼしてもサッと拭くだけでシミになりにくく、お手入れがしやすいというのが魅力です。
これがグラフテクト独自の素材の軸になっているわけです。
その他の強みとして、規格パッケージ型の仕組みになっているというのがあり、実は豊富に用意されたパターンから決められた型を選ぶ、そんな仕組みになっています。

I型、L型、アイランド型、ペニンシュラ型など、いろいろなレイアウトを揃えています。
どのレイアウト、カラーを選んでも価格が統一されているという定額制で、キッチンハウスと同じ素材、同じ工場で生産されているため、品質が高いというのが強みです。
それと最新の動向として、グラフテクトとキッチンハウスのセミオーダーは選べるデザイン仕様がほぼ同じになり、価格的にも同等になりました。
ただしレイアウトのサイズ感に関しては、グラフテクトの方が豊富となっています。
このような感じになってきているので「グラフテクト=キッチンハウスより安い」、「グラフテクト=キッチンハウスより劣っている」という従来の図式は崩れつつあるかなとは思います。
あと、グラフテクトの注意点が3つあります。
- キッチン本体にコンセントを設置できないため、コンセントをつける場合は壁や床に設ける必要がある
- パッケージ型ゆえに細かい調整が難しい
- メラミン天板なので、シンクの縁などに長時間水分が滞留するとメラミン自体が膨れることがあるため、濡れ雑巾のかけっぱなしなどを避ける必要がある
これらにご注意ください。
システムキッチンメーカー全12社徹底解説のまとめ
システムキッチンメーカー全12社をざっと解説してきました。
ただ結局のところ、どのメーカーが自分に合っているのかわからないという話だと思うので、対応別早見表なるものを作ってみました。
あくまで傾向としてはという話ですが、参考にはなるのではないかと思います。

- 予算優先の方はハウステック、永大産業、ミラタップ
- 掃除メンテ優先の方はタカラスタンダード、クリナップ、ナスラック
- 水回りの清潔さ重視の方はTOTO
- 共働きで時短したい方はパナソニック
- 総合力で無難に選びたい方はLIXIL
- 人大の上質感をコスパよく選択したい方はトクラス
- 木のぬくもりが好きな方はウッドワン、クリナップ
- デザイン性のいいキッチンを手頃な価格で手に入れたい方はグラフテクト、ミラタップ
クリナップはここ最近アサヒウッドテックとコラボして、木製キッチンを発売しています。

ですので、木のぬくもりが好きな方は、ウッドワンだけではなく、クリナップのキッチンも視野に入ってくるかと思います。
それ以外の方で、システムキッチンのような規格型の商品は嫌で、とにかく細かくつくり込みたいという人は、国内のインテリアキッチンメーカーを選ぶといいと思いますし、さらに本物を追求したいという方は、外国のキッチンメーカーを選ぶというようなイメージかと思います。
全体的にはこのような感じなので、ぜひ参考にしてください。
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