今回は『注文住宅の基礎知識|断熱・気密・換気・空調の注意点』というテーマでお話をします。
家づくりはわからないことだらけだと思います。
例えば家の性能と言われても、どこのメーカーも同じように見えますし、違いを見つけようと思っても、具体的に何がどう違うのか、そしてそれが良いのか悪いのか、全くわからないという感じだと思います。
しかし、家は自分軸で検討するものです。
何でもそうだと思いますが、学びをやめた時点で確実に失敗に近づいていきます。
ですので今回は、前回の『注文住宅の基礎知識|住宅性能で注意すべき点』に続き、建物の性能にまつわる重要な部分を解説していきます。
建物の断熱性能
断熱性能とは、外気の影響をどれだけ受けにくくするのかを一言で言い換えた言葉です。

ですので、断熱材の厚さが厚ければ厚い分だけ、夏は涼しく冬は暖かくなりやすいわけです。
そのため、できるだけ断熱材は厚くしましょうというのがここでの話になります。
ただしこの業界は約23年間、建物の断熱性能に対する技術革新が起こらなかった業界です。
断熱の話をすると必ずと言っていいほど「今のままで十分です」「断熱材を厚くするなんてオーバースペックです」など、いまだにそういう説明をする営業マンがいます。
特に戦後系の大手ハウスメーカーは、この傾向が強いです。
ただ、これに惑わされないでください。
これに惑わされると100%後悔することになります。
また、「断熱性能の向上=UA値をいじくること」という表面的な理解だけをしている住宅営業マンも多くいます。
本来は、建物の断熱材を強化して次に窓を強化する、そして最後に計算した結果断熱等級6や7になったというのが正しい手順なのです。
UA値ばかりに囚われないようにしてください。
建物の断熱方法
建物の断熱方法は、部分ごとにパターンが決まっています。
その基本的なパターンさえ覚えてしまえば、各ハウスメーカーのどこが弱点で、どの部分を強化しなければならないのかが自然と見えてくるようになります。
家を部位ごとに分解して考えることが重要で、具体的には、
- 床
- 壁
- 屋根
この3つのパーツに分けて考えていくのがポイントになります。
床
床部分は、
- 床下断熱
- 基礎断熱
この2つのどちらかでつくられています。
それぞれメリットデメリットをお伝えします。
床下断熱
床下断熱についてです。

メリット
メリットは、
- シロアリに強い
ということです。
というのも床下断熱は、構造躯体と基礎の間に換気口があることによって、基礎の中に外気を取り入れるつくり方になっているのです。

そのため、基礎の内部が乾燥してシロアリが発生しにくい環境をつくることが可能になるのです。
デメリット
デメリットは2つ存在します。
1つ目が
- 床下の断熱材が薄いと床が底冷えする
ということです。
そもそも床下断熱はその名のとおりで、床の下に断熱材を入れ込むつくり方になっています。

その床下の断熱材の直下は、外気がバンバン通っています。
ですので、床下の断熱材が薄いと、真冬冷気によって床が冷えてしまいます。
「床暖房を入れれば真冬でもあったかいですよ」「無垢床を入れても床は冷たくなりますよ」など、こういう営業トークをしてくる営業マンがいるなら、それはそもそも構造躯体の特性を理解していない人が言う営業トークになります。
床下の断熱材を厚くすれば、床暖房を入れなくても問題ない状態をつくれますし、さらに無垢床を入れることによって、より暖かい床を手に入れることが可能になるのです。
そのため、住宅営業マンに「床暖房を入れれば真冬でも暖かいです」と言われたら、逆に「床暖房を入れないと暖かくないのですか?」と言い返してみてください。
また「無垢床を入れても床は冷たくなります」と言われたら、「そもそも床下の断熱材が薄いからですよね?」と言ってみるといいかもしれません。
これら営業トークを耳にしたら、あまり家のことを理解していない人なのだなと思ってください。
もう1つのデメリットが、
- 気密が取りにくくなる
ということです。
どういうことかというと、床下断熱は床に断熱材をパズルのように入れ込んでいくつくり方になります。
そしてそれを収める時に、床面に大量に気密テープを貼るのです。
これが非常に厄介で、テープが剥がれてしまう場合もありますし、一部テープを貼り忘れてしまっている場合もあります。
ヒューマンエラーが起きる可能性が高いのが床下断熱で、それゆえに気密が取りにくいとされています。
床下断熱は、床下部分に外気が通っているので、床下の気密が取れないと、床下から冷たい空気が吹き上がってくるのです。
その状態ですと真冬非常に不快なので、床下断熱を採用しているメーカーで家づくりをする際は、床面の気密施工がきちんとされているかどうかを現場に行って確認する必要があります。
基礎断熱
基礎断熱は北海道発祥のつくり方です。

メリット
基礎断熱のメリットは床下断熱とは逆で、
- 気密・断熱が取りやすい
という点にあります。
どういうことかというと、基礎断熱は構造躯体と基礎を完全に圧着してつくります。

そのため、基礎と構造躯体が一体化し、それにより気密と断熱が確保された状態をつくり上げることができるのです。
また、床下の基礎内部を1つの部屋として使うことが可能になるので、その部分に空調設備や換気設備を入れ込んで、床下から部屋全体を暖める、換気するというようなつくり方ができるのです。

床下断熱に比べて気密施工が簡単なのも、基礎断熱の強みです。
近年、高気密・高断熱住宅がブームになってきているので、基礎断熱は北海道のみならず、本州でも人気になってきているつくり方です。

デメリット
この基礎断熱にももちろんデメリットが存在していて、それが、
- シロアリに弱くなる
ということです。
どういうことかというと、基礎断熱は厳密には基礎外断熱と基礎内断熱という2種類が存在します。
両方とも基礎下を1つの部屋として使うため、基礎内部が外気に影響を受けることがないように、基礎に断熱材をぐるりと巻くつくり方になっているのです。
ただ、基礎の外に断熱材を仕込む基礎外断熱は、断熱効果が高いものの、シロアリリスクも大きいハイリスクハイリターンの施工方法で、基礎の内部に断熱材を仕込む基礎内断熱は、断熱効果はそこそこであるものの、シロアリリスクもそれなりに抑えられているミドルリスクミドルリターンの施工方法になります。
また、一部のメーカーでは、基礎外断熱と基礎内断熱両方の合わせ技である基礎外内断熱という方法で施工しているメーカーもあります。

各ハウスメーカーのつくり方
床下断熱と基礎断熱、双方ともにメリットデメリットがあるのですが、自分が検討しているハウスメーカーはどちらのつくり方で家づくりをしているのかを知ること、そしてデメリットに対してどのような対策を施しているのかを知り、対策が不十分だと感じた場合は、そのデメリットを補うためにどうしたらいいのかを考えることが大切なのです。
各ハウスメーカーがどのようなつくり方をしているのかというと、床下断熱に関しては、
- 積水ハウス
- 住友林業
- 三井ホーム
- ミサワホーム
- ヘーベルハウス
- ダイワハウス
- トヨタホーム
- 一条工務店
- アキュラホーム
- 三菱地所ホーム
- ウェルネストホーム
- アイ工務店
- ヤマダホームズ
- 住友不動産
- ウィズダム建築設計
これらになります。
基礎断熱に関しては、
- パナソニックホームズ
- セキスイハイム
- トヨタホーム
- 桧家住宅
- ヤマト住建
- ウィズダム建築設計
これらになります。

このように分類分けすることによって、なんとなくそのハウスメーカーで注意しなければならないポイントが見えてきます。
それぞれのメーカーの注意ポイントを意識しながら実例見学会などに行き、デメリット部分をどのように補っているのか、そういったところを確認していただければと思います。
壁
壁には大きく分けて3つの断熱方法があります。
充填断熱
充填断熱は、主に柱と柱の間に断熱材を入れ込んでいくつくり方になります。

メリット
充填断熱は、
- 柱と柱の間に断熱材を入れるため、スペースを取らない
- コストが安い
といったメリットがあります。
デメリット
デメリットとして、
- 柱部分には断熱材がないため、そこだけ熱が伝わりやすくなる
- 配線や配管がある部分は複雑な施工を必要とするため、気密性や断熱性に影響が出やすい
これらがあります。
外張り断熱
外張り断熱は、柱の外側に断熱材を設置し、家全体を断熱材で包み込むようなつくり方のことを言います。

メリット
そのため、
- 断熱材を柱の外側に貼り付けることから、比較的施工がしやすい
- 断熱材で構造躯体全体を覆うようにつくるため、気密性能が高くなる
といったメリットがあります。
デメリット
デメリットとしては、
- 断熱材の上から外壁材を止めるので断熱材を厚くできない
- 外的環境により経年劣化の不安がある
- 充填断熱に比べてコストが高くなる
これらがあります。
付加断熱
こちらは、充填断熱と外張り断熱の合わせ技です。

メリット
合わせ技なので、充填断熱と外張り断熱双方のメリットが得られます。
具体的には
- 断熱性能、気密性能を高めやすい
- 温度ムラや断熱欠損、壁内結露が起きにくい
これらがメリットです。
デメリット
付加断熱にも、
- 費用が高い
- 壁厚が厚くなる
といったデメリットがあります。
どの断熱方法がいいのか
壁については、充填断熱、外張り断熱、付加断熱、大きく分けて3つの断熱方法が存在します。

すべてのハウスメーカーのつくり方が、このどれかに該当しています。
では結局、充填断熱、外張り断熱、付加断熱、どれが1番いいんだという話になります。
なんとなく充填断熱よりも外張り断熱、外張り断熱よりも付加断熱の方がよさそうに聞こえますが、実は、これに関しては正解がないというのが正解になります。
なぜなら結局のところ、どんな断熱材を何mm使っているのか、これが重要だからです。
先ほど外張り断熱のデメリットで、断熱材の上から外壁材をとめるので、断熱材を厚くできないという話をしました。
それもあってか、実際に外張り断熱をしている会社は、45mmくらいの厚さの発泡系断熱材を入れていることがほとんどなのですが、これはグラスウールに換算すると、90〜100mmくらいのグラスウールにしかならないわけです。
要は何が言いたいのかというと、それだったら充填断熱でしっかりと断熱材を充填させた方が、断熱効果は高いのではないかということです。
わざわざ高い費用を払って外張り断熱にする必要はあまりなくて、費用対効果を考えると、充填断熱より外張り断熱の方が効果が高いと言い切ることが難しいのです。
ただし、鉄骨住宅をつくる場合は柱が鉄でできているので、そこから熱橋を遮るためにも外張り断熱の方が圧倒的にいいです。
またコストのことを気にせずに、温度ムラをなくして快適な環境をつくることを考えるのなら、間違いなく付加断熱が最強になります。
その人の状況やつくる家の構造によってベストな選択は変わってきますが、充填断熱でなければダメ、外張り断熱でなければダメ、付加断熱でないと論外など、そういうのはありません。
これが結論です。
このことを理解していただくことで、各ハウスメーカーの壁部分の断熱方法の見分けがつくようになると思います。
例えば住友林業。
住友林業は通常仕様ですと、柱と柱の間に断熱材を入れる充填断熱になっています。

充填断熱なので、一般的な充填断熱のメリットとして、
- 柱と柱の間に断熱材を入れるのでスペースを取らない
- コストが安い
といったことがあるわけです。
一方でデメリットとしては、
- 柱部分には断熱材がないため、そこだけ熱が伝わりやすくなる
- 配線や配管がある部分は複雑な施工を必要とするため、気密性や断熱性能に影響が出やすい
といったことがあります。
ですので、住友林業で検討する時は、一般的に言われているデメリットをどう解消しているのか、これを調べることで、納得感や安心感を得ることができます。
ちなみに住友林業は、気密フィルム、気密テープ、気密ボックスなど隙間という隙間をすべて埋めていく作業工程が標準で入っているので、この点はうまく解消できるかと思います。
住友林業は、北海道・東北仕様になると、充填断熱にさらに外張り断熱を加えた付加断熱仕様になります。

そのため、本来はコスト関係なく断熱気密性能を上げ、温度ムラをなくして快適な環境をつくることを考えると、本州でも北海道・東北仕様を選んで付加断熱にした方がいいのですが、住友林業の場合、外張り断熱部分が20mmしかないので、薄いです。
付加断熱にする場合は、本来なら外張り断熱部分の断熱材が最低でも40mmは必要で、できれば60mmあったら完璧なのです。
でないと夏型結露と呼ばれる夏に起こる構造躯体内が結露するリスク、これを完全に払拭することができないのです。
住友林業の北海道・東北仕様を選んで断熱性能を上げても、かけたお金に対して得られるリターンが少ないので、おすすめしません。
とにかくこのような感じで、壁には充填断熱、外張り断熱、付加断熱、この3種類の断熱方法しかないということと、それぞれのメリットデメリット、これはしっかりと覚えるようにしましょう。
屋根
屋根には天井断熱と屋根断熱の2つが存在します。
ただしこの屋根部分に関しては、提案されるプランによって各ハウスメーカーで使い分けがされています。

よく見る寄棟タイプの屋根で家をつくるのなら天井断熱でつくって、

片流れと呼ばれるようなタイプの屋根をつくるのなら屋根断熱でつくる

というイメージです。
そのためどんな間取り提案を受けるのかで、この屋根部分の断熱方法は変わってくるので、今までのようにどのメーカーがどの断熱方法を使っていると明確に断言することができないのです。
ですので、間取り提案をされた際に、自分たちは天井断熱と屋根断熱どちらの断熱方法で提案されているのかを確認するようにしてください。
天井断熱
天井断熱についてです。

メリット
天井断熱のメリットは大きく分けて3つあります。
- 断熱材の厚さに制限がない
- 屋根断熱よりもコストが抑えられる
- 冷暖房効率がよくなる
これら3つになります。
まとめて説明をしていきますが、天井断熱はその名のとおり、天井に断熱材を敷き詰めるので、断熱材をいくら厚く積んでも問題ないのです。

ですので、断熱性能を手っ取り早く高めたいと思われる場合に非常におすすめのつくり方になります。
屋根の懐に断熱材を乗せればいいだけだからです。
また、屋根面に沿って断熱材を入れる屋根断熱は、屋根面に沿って断熱材を入れる分、施工面積が大きくなります。
その分コストが割高になるのですが、一方で天井断熱はあくまで天井面に沿った施工範囲になるので、施工面が狭くコストが安くなります。
さらに天井断熱の場合は、天井から下の空間だけを冷暖房すればいいので、冷暖房費用も少しだけ抑えられるという特徴があります。
正直、性能とコストのバランスを考えるのなら、天井断熱一択かと思います。
デメリット
天井断熱にもデメリットがあり、それが
- 丁寧な施工が必要
ということです。
というのも天井断熱は、天井にこれでもかというくらい断熱材を敷き詰めていくことになるのですが、隙間なくきれいに断熱材を敷き詰めるためには、相当丁寧な施工が必要になるのです。
ですので、一見するときれいに施工されていそうでも、サーモグラフィーを買って施工現場を見てみると、意外と隙間があって断熱欠損を起こしている場合があります。

これは注意が必要です。
屋根断熱
屋根断熱についてです。

メリット
屋根断熱のメリットは大きく分けて、
- 屋根裏を利用できるので、小屋裏収納やロフト、勾配天井を設けられる
- 断熱効果が高い
この2つです。
というのも、天井断熱の場合、天井の裏の空間が断熱されていません。
そのため、屋根から伝わってきた熱が天井裏に溜まって、熱気や冷気となって室内空間へ影響してしまうのです。
例えば、夏は2階が非常に暑いということはあると思いますが、それは屋根から伝わってきた熱が天井裏にこもって悪さをしているというのが原因だという話です。
屋根断熱は、屋根面に沿って断熱材が施工されているため、屋根から来る熱を直接遮断してくれるのです。
ですので、断熱という観点においては、天井断熱よりも屋根断熱の方が圧倒的に有利になります。
そのため、断熱性能を高めたいのなら、正直屋根断熱一択です。
デメリット
屋根断熱にもデメリットが存在します。
それが
- 工事費用が高くなる
- 断熱材の厚さに制限がある
- 冷暖房の費用が少しだけ高くなる
これら3つです。
天井断熱では、天井の上に敷く断熱材の厚さ、これに制限はありませんでした。
しかし屋根断熱の場合は、入れられる断熱材の厚みに限界があるのです。

なぜなら、断熱材を入れすぎると、断熱材自体の重さに耐えられず天井面が壊れてしまう可能性があるからです。
例えば三井ホームのダブルシールドパネルと呼ばれる屋根断熱のように、断熱材の効果が高く、かつ軽量な発泡系の断熱材を入れることで、そこまで断熱材を厚くせずに断熱効果を高めることができます。

ただ、ハウスメーカーによっては、屋根断熱であるにも関わらず断熱のことを意識していない屋根断熱の構成になっているところもあります。
グラスウールを使っている、入っている断熱材の厚さがものすごく薄いなど、そういったこともよくあるのです。
これですと、せっかく断熱性能を高められる屋根断熱を採用していてもメリットを潰すことになってしまうので、屋根断熱の家を提案された場合は、そこにどんな断熱がどのくらい入るのかは確認した方がいいです。
また、屋根断熱は天井断熱よりも工事費が1〜2割くらい高くなると言われていますし、断熱気密が整っていないと、むしろ冷暖房費用が高くなるという欠点も存在します。
屋根は太陽の熱を1番受ける部分でもあるので、油断せずに、自分の家の断熱方法は何で、どんな断熱材がどのくらい入っているのか、これはしっかりと確認しておいてください。
断熱材の種類
断熱の方法について理解し始めると、必ずある疑問にぶち当たることになります。
それが、どの断熱材が1番いいのかということです。
当然1番性能のいい断熱材を使った方が家の断熱性能はよくなるわけですが、ハウスメーカー各社で使っている断熱材が全然違うのです。
また、ハウスメーカーによっては「グラスウールは腐るからやめた方がいいです」「発泡系の断熱材は劣化するからやめた方がいいです」など、他社を蹴落とすようなネガティブトークをしてくるわけです。
そのため多くの方が余計に混乱するのですが、ここでは皆さんが迷わないようにするために、断熱材の種類について簡単に説明をします。
断熱材は種類より厚さ
まず大前提として、断熱材は種類よりも厚さの方が影響が大きくなります。
性能のいい断熱材として発泡系の断熱材があるのですが、これよりも性能が低いとされているグラスウールであっても、入っている断熱材の厚さが厚ければ、グラスウールで家づくりをした方が断熱性能がよくなるということです。

分厚ければ分厚いだけ断熱性能も高くなります。
断熱材は、何を使っているのかよりも、どのくらいの厚さなのかの方が与える影響が大きいことが多いです。
断熱材の種類の優劣を比較するのは、基本的に比較対象が同じくらいの断熱材の厚さの時のみでいいかと思います。
まずはこれを覚えておいてください。
そうすれば、カタログなどに載っている断熱材の厚みのみを比較して、どちらの方が優れてそうだなという当たりがつけられるようになってきます。

そして、似たような厚みの時に初めてどちらの断熱材の方が優れているのかを調べると、こっちの方が優れているんだなというのがわかってきて、それを繰り返していくと、断熱材の優劣というのを把握できるようになってきます。
コスパがいいのはグラスウール
肝心の断熱材の種類についてですが、かけたお金に対して得られる断熱効果が1番高いと言われているのがグラスウールです。

つまり、コストパフォーマンスがいいのがグラスウールという話なのですが、グラスウールはその特性上施工が難しいというのが最大のデメリットです。
ですので、現場の職人さんが、どんなにきれいに断熱材を施工したつもりでも、実際問題うまく断熱されていないということもよく起こるのです。

Amazonなどでサーモグラフィーを買って、工事中に断熱欠損が起きていないかどうかを確認した方が絶対にいいです。

それに対してコスト度外視で得られる断熱性能を優先するのであれば、やはり発泡系の断熱材がベストになります。

ただし、発泡系の断熱材は表面のスキン層と呼ばれるテカテカした部分に傷がつくと、そこから断熱性能の基となっているペンタンガスや二酸化炭素が抜けてしまって、断熱材自体が劣化していきます。
場合によっては、1年で30〜40%断熱性能が下がると言われているくらいです。
そのため発泡系の断熱材は、現場での取り扱いが非常に難しい断熱材でもあるのです。
ちなみに、吹き付け系の断熱材を使っているところは要注意です。

吹き付け系の断熱材は壁に断熱材を吹き付けると、一気に膨らみます。

そして膨らみ切ったところで表面にスキン層が形成されるのですが、膨らみすぎて壁に収まらないので、削って壁に収めるのです。

そういった施工の都合上、どうしてもスキン層を破壊することになって、断熱材の劣化も激しいのです。
そういったこともあって、吹き付け系の断熱材を使う場合は、スキン層の代わりとなるいわゆる気密シート、これを貼って対策をしてくださいと法律で書かれているくらいです。

ただ、定常計算というのがあって、吹き付け系の断熱材を使ってスキン層を壊したとしても、壁の中が結露しないということが証明できるのであれば、わざわざ気密シートを貼らなくてもいいという法律もあります。
その定常計算を後ろ盾に、気密シートを貼らないで吹き付け断熱を使っているというハウスメーカーも中にはあります。
この辺はハウスメーカーの方針次第という話にはなるのですが、定常計算をしたとて、その結果が未来永劫何十年とずっと続くとは考えにくいので、吹き付け系の断熱材を使う場合は、表面に気密シートを貼ることをおすすめします。
窓の断熱性能
建物において、窓は非常に重要な部分です。

なぜなら、建物の機能性とデザイン性の両方を担う建材だからです。
それにもかかわらず、適当に窓を選んでしまうと一生後悔することになります。
というのも、日本の窓は海外の窓と違って、簡単に交換できるように施工されていないのです。
トステムという会社が現在の日本の窓のベースをつくった会社で、施工の速さを重視して開発されたというのが日本の窓です。

そのため、今現在流通している日本の窓は、簡単に言うとビスで外壁に止めているだけの仕様となっています。
外壁に対して窓が出っ張るような形状となっていて、断熱気密ラインが揃っていないのです。
しかも、取り付けているビス部分を外壁に埋めるような形で施工することもあって、窓を取り替えようとすると、外壁を全部壊さなければならないのです。
一方で海外は、断熱気密ラインが整うように、壁にはめ込む形で窓を取り付けています。
ですので、断熱性能や気密性能は海外の方が上ですし、さらには窓の交換をする際も、外壁を壊す必要がないのです。
簡単に取り外して変えることができます。
図に表すと、このような感じになります。

ちなみに、海外方式の窓を自社オリジナルでつくっているのは、ウェルネストホームだけです。

日本もさっさと海外の窓に基準を合わせた方がいいと思うのですが、やりません。
こういった施工方法の違いがあって、海外はリフォーム時の窓の取り替えが容易なのですが、日本は窓の取り替えが難しいのです。

ですので、日本で家を建てる場合は、基本的には窓は交換しない前提で家づくりをする必要があります。
ただし、一言で窓と言っても、知っておくべきことが結構あります。
- 窓の設置目的
- 窓を設置する際のコツ
- 窓枠の性能
- ガラスの性能
- スペーサーの性能
以上の5つです。
大枠の部分から順番に説明していきます。
窓の設置目的
建物の断熱性能だけを上げても家は暖かくなりません。
なぜなら、熱源が必要だからです。
ダウンジャケットを思い浮かべてもらいたいのですが、ダウンジャケットは人体の熱を逃さないようにすることで、保温されて暖かくなるわけです。
それと同じで、保温されるその熱源自体がないと、いくら建物の断熱性能を上げても家は暖かくならないのです。
ではどうやって熱源を確保するのかというと、その1つの方法として、日差しを取り入れるというのがあります。

というのも、冬は窓から日差しを取り入れることで、こたつ1台分の熱量を常時取得することができるのです。
そして建物の断熱性能が高ければ、日差しから得た熱を保温することができます。
結果、暖房器具に頼らない家づくりができるのです。
しかし一方で、夏場家の中に日差しが入ると今度はその熱を保温してしまうので、冷房が効かない家になってしまいます。
これを家のオーバーヒートと言います。
そのため、家は断熱性能を上げたら、冬場は日差しを取り入れて、夏場は日差しを遮る、日射取得・日射遮蔽に配慮した設計が必要で、さらに眺望のいいところに窓を設置することで、初めて機能性とデザイン性の両方に配慮した窓の設置ができるのです。
わかりやすくまとめて言い換えるなら、窓本来の目的は「採光」「眺望」「日射取得」、この3つということになります。
ただし、日本には昔から通風信仰というものがあって、担当の住宅営業マンや設計士によっては換気目的で窓をつけることを提案してくる人がいます。
こういう担当者が自分の担当になったら危険だと思ってください。
というのも、換気目的での窓の設置は、昭和の家づくりの仕方だからです。
日本の家づくりではよく「風が抜けるようにしないと湿気が抜けない」「湿気が抜けないと家の中がかびる」など、そういう考え方から、東西や南北など直線で風が抜けるように窓を配置することがあります。

しかし今の時代の家づくりは、建物の断熱性能と気密性能を上げて、その上で24時間換気システムというシステムを使って換気することで、窓を開けずとも24時間365日家の中を換気できるようになっています。

ですので、そもそも窓を開ける必要性はないのです。
しかも、日本は高温多湿の環境です。
ですので、窓を開けて「うわ、外の空気が気持ちいいな」と感じる期間はあまりにも短いわけです。
事実、11〜2月の外気は寒くて乾燥した空気であるため、寒いし乾燥するしで窓を開ける人はほとんどいないはずです。

3〜4月は温かくなりはするものの、3月はスギ、4月はヒノキの花粉が飛びます。
家族に1人でも花粉症の人がいるなら、窓は開けられないと思います。
5月は、かろうじて開けられるかと思います。
6月は梅雨に入るので、窓を開けた日には室内の湿度が90%といったことも十分にありえます。
7〜9月は夏で気温も高くて湿度も梅雨と大差ない状況なので、基本的にエアコンを使って過ごしているはずです。
10月は天気がよければ開けられるかもしれませんが、台風が多い時期です。
このように見ていくと、まともに窓を開けられるのは1年をとおして5月くらいしかありません。
10月も多少窓を開けることはできますが、それでも大体1年のうち10ヶ月は窓を開けられない期間なのです。
こういった事実があるにもかかわらず、通風のためにわざわざ高額な費用を払ってまで窓をつける必要はないと思います。
窓を開けて湿度コントロールをする、通風をよくするといった考え方は、昭和の家づくりの仕方なのです。
令和の時代に昭和の家づくりをしてどうするんですかという話もあるので、これから家づくりをされる方は、換気目的の窓が入っていないかどうかは必ず確認してください。
窓を設置する際のコツ
窓の設置は、ポイントさえ押さえればそこまで難しくありません。
ここでは、窓を設置する際のコツである
- 南の窓を大きくして、東西北の窓はできるだけ小さくする
- 南の窓は断熱型の窓を設置して、東西北には遮熱型の窓を設置する

ということについてお伝えします。
南の窓を大きくして、東西北の窓はできるだけ小さくする
これはそのままの意味ではあるのですが、窓の配置は南面の窓を大きくして、東西北はできるだけ小さくするというのがセオリーになります。
なぜなら、通風という目的がないのであれば、基本的に東と西と北の窓は設置する必要がないからです。
南側の窓をとにかく大きくして、そこからたくさん光を取り入れることができるのであれば、わざわざ東と西と北に窓を設置する必要はありません。
それにもかかわらず、東と西と北に窓を設置してしまうと、夏場は西日がきつくて家の中が暑くなりやすくなります。

高断熱高気密の家は、言い換えれば保温力が高い家ということなので、家の中が暑くなりやすいということは、それだけエアコンの効きが悪くなります。
冬場は冬場で致命的で、そもそも窓というのは、それをつけるだけでかなり家の断熱性能が落ちるのです。
よく使われる窓に
- 樹脂サッシ(トリプルガラス)
- 樹脂サッシ(ペアガラス)
- アルミ樹脂複合サッシ(ペアガラス)
これら3つの窓があるわけですが、それぞれの窓の熱貫流率と熱抵抗値というものを出して、住宅の壁によく使われる高性能グラスウール24k100mmに換算した場合、
- 樹脂サッシ(トリプルガラス)→30.3mm
- 樹脂サッシ(ペアガラス)→17.8mm
- アルミ樹脂複合サッシ(ペアガラス)→12.7mm

となります。
難しい計算式については省きますが、とにかく窓をグラスウールに換算すると、いくら窓の性能を上げたとしても壁の断熱性能には勝てないということがわかるかと思います。
窓は無駄につければつけるだけ家の断熱性能は落ちてしまい、冬場は家の中が寒くなりやすくなりますし、夏場はその逆で、家の中が暑くなりやすくなるわけです。
ですので、南面の窓は大きくして東西北の窓はできるだけ小さくする、このセオリーを守ることが重要です。
南の窓は断熱型の窓を設置して、東西北には遮熱型の窓を設置する
窓には2種類あります。
それが断熱型の窓と遮熱型の窓です。
それぞれ説明をすると、断熱型の窓は日射取得がしやすい一方で、室内からの熱損失が大きいという特徴があります。
一方で遮熱型の窓は、日射取得がしにくい一方で、室内からの熱損失が少ないという特徴があります。
わかりやすくお伝えすると、断熱は言い換えると遅熱です。
水筒に例えると、水筒は完全に外気の影響を受けないかと言われば違います。
少なからず外気の影響は受けるはずです。
また、水筒の中の液体自体も徐々に温度が変化していくと思います。
つまり、断熱は遅熱とも言い換えることができるのです。
断熱型の窓はゆっくりゆっくり熱を通します。
ですので、日差しを取り入れつつ、そこから室内に熱を伝えようと思ったら、南側の窓は断熱型の窓が最適解となるわけです。
ではなぜ室内に熱を伝える必要があるのかというと、効果効率的に日差しを取り入れて、室内や構造躯体を暖めなければ、いくら断熱性能のいい家でも冬は寒くなるからです。
熱源の確保が必要ということです。
一方で、東西北の日射取得がいらない場所には、完全に熱を通さない遮熱型の窓を採用することがベストです。

なぜかというと、夏の朝日や西日はものすごく暑いです。
そんな熱はいりません。
ですので、東や西や北の窓には遮熱型が向いているのです。
このような感じで、断熱型と遮熱型それぞれ使い分けて設置する必要が出てくるのですが、この辺に疎い担当者、あるいはあまり重要だと考えていない設計士が自分の担当になってしまうと、この辺りの提案が非常に適当になります。
これに気がつかずにそのまま窓を設置してしまうと、「断熱性能を上げたのに思ったよりも寒い」「断熱性能を上げたのに思ったよりも暑いしエアコンも効きにくい」など、そういったことになりかねないのでご注意ください。
窓枠の性能
住宅では窓枠部分のことをサッシと言います。

サッシには、
- アルミサッシ
- アルミ樹脂複合サッシ、
- 樹脂サッシ
- 木製サッシ

この4つがあります。
多くのハウスメーカーがアルミ樹脂複合サッシを標準採用していて、樹脂サッシ、木製サッシは採用されていることがほとんどないというのがハウスメーカーの実態なのですが、住宅の高気密高断熱化が進めば進むほど、樹脂サッシ以上の性能の窓が必要になってきます。
なぜなら、窓が結露しやすくなるからです。
というのも、ハウスメーカーが標準的に使っているアルミ樹脂複合サッシは、外気と室内の温度差が20℃の場合、室内の湿度が52%以上になると結露し始めるという特性があります。
樹脂サッシは、外気と室内の温度差が20℃の場合、室内の湿度が73%以上になると結露し始めます。
つまり、住宅の高気密高断熱化が進めば進むほど、アルミ樹脂複合サッシでは、結露リスクは高まるということです。
住宅営業マンによっては「アルミ樹脂複合サッシでも十分です、結露しません」と言ってくるのですが、それは裏を返せば「自分たちは断熱性能と気密性能の悪い住宅を売っています」と言っているのと同じわけです。
サッシは、家の断熱性能や冬場の快適性に大きく関わってくる部分です。
きちんと特性を理解した上で採用するようにしてください。
基本的に今の時代は樹脂サッシをメインで考えて、意匠性が気になるなど、どうしても採用しなければならない場合に限って、アルミ樹脂複合サッシを採用するというのがおすすめです。
ガラスの性能
窓には
- シングルガラス
- ペアガラス
- トリプルガラス

という3つのガラスがあります。
ただし今現在、シングルガラスはほとんど使われていません。
ペアガラスもしくはトリプルガラスを採用することになります。
ペアガラスよりもトリプルガラスの方が断熱性能は高いです。
また、ペアガラスやトリプルガラスの間には、断熱性能の基となる素材が入っていて、アルゴンガス、クリプトンガス、真空、これらのどれかが入ることになります。

アルゴンガスよりもクリプトンガス、クリプトンガスよりも真空といった感じで断熱性能が高くなります。
結局どの組み合わせがベストなのかというと、トリプルガラスはマストで、あとは値段や窓のサイズ感を確認して、ガラスの間に入る断熱性能の基となる素材を決めるというのがベストになります。
というのも、ガラスの間に入る断熱性能の基となる素材であるアルゴンガス、クリプトンガス、真空、これらは年間で1〜2%くらい断熱性能が落ちると言われています。
なぜなら、ガスが抜けたり空気が入ったりするからです。
ペアガラスですと、ガラスとガラスの間にあるいわゆる中空層が1層しかないため、窓の性能の劣化も早いわけです。
一方で、トリプルガラスは中空層が2層あるので、多少断熱性能が下がっても、ペアガラスと比較して圧倒的に劣化のスピードが遅くなります。

ですので、基本的にはトリプルガラス推奨で、ガラスの間に入る断熱性能の基となる素材は、値段や窓のサイズ感を確認して決めるというのがベストです。
こういったことを知らずに「トリプルガラスは必要ありません」「トリプルガラスにすると重くなるのでおすすめしません」など、わけのわからない理由で何が何でもペアガラスを推奨してくる営業マンもいます。
そういった営業マンは、間違いなくトリプルガラスを採用した経験もなければ、なぜトリプルガラスにしなければならないのか、その理由も答えられないはずです。
担当の営業マンがペアガラスを勧めてきたら、よくない営業マンだと思った方がいいかと思います。
スペーサーの性能
スペーサーとは、ガラスとガラスの間のスペースをつくるためのパーツのことです。

この部分にいまだにアルミを使っているハウスメーカーもあるのですが、それですと断熱性能が下がるので、本来は樹脂がベストなのです。
今時アルミのスペーサーは時代遅れもいいところなので、自分たちが提案された窓のスペーサーはアルミなのか樹脂なのか、これは必ず確認するようにしてください。
正直、アルミスペーサーの窓しか使えないハウスメーカーは、その時点で選択肢から外していいかと思います。
建物の気密性能
気密とは、どれだけ家に隙間が空いているのかを一言で言い換えた言葉になります。
そして、その隙間を埋める工事のことを気密施工と言ったりします。
具体的には、建材と建材の接合部分を気密シートや気密テープと呼ばれるものを使って隙間をなくすように施工していくわけですが、これをやるのとやらないのとでは住宅の性能に大きな差が生まれてきます。

では実際に気密施工をやらないとどのような性能差が生まれてくるのかというと、
- 家の保温性能
- 家の省エネ性能
これら2つに差が出てくるのです。
家の保温性能
家の保温性能というのは、水筒でいう蓋が密閉されている状態のことを言います。
蓋が密閉されていなければ、どんなに性能のいい水筒でも、中の液体の温度が変化してしまいます。
それと同じで、家に空いている穴の大きさが大きければ大きいほど、そこから暖めた空気や冷やした空気がどんどん抜けていくことになるわけです。
そういった家で快適な室温を保つためには、エアコンをガンガン使い続けるしかなくなってしまいます。
そうなると極端な話、冷房設定を18℃で強風運転にしてもなかなか部屋の温度が下がらない、暖房をかけても隙間風が起きて床から底冷えする、そういったことになりかねないわけです。
ですので、家の保温性能、つまりは家の断熱性能をきちんと発揮させるためには、気密施工が必要なのです。
気密施工をしない会社は、正直論外です。
家の省エネ性能
家の気密性能を上げることによって、家の保温性能が上がります。
そうなると当然エアコンの使う量が減るので、省エネにもつながります。

気密施工をしないと家の省エネ性能が下がってしまいます。
気密施工をしないとどのような性能差が生まれてくるのか、これをまとめると、家の保温性能、家の省エネ性能、これらの性能差が生まれてしまうというお話でした。
気密施工を行った方がいいということなのですが、ただやればいいというわけではありません。
気密施工も、ここまでやらなければならないという明確なボーダーがあるのです。
そのボーダーとは何なのかというと、気密性能を表すC値、これが1以下であるということです。
ここは絶対にクリアしなければならない値なのですが、逆を言うと1さえクリアしてしまえば、C値が0.8だろうがC値が0.5だろうが、正直そこまで大きな差はないのです。
また、建築地によっては、C値が悪くてもほんの少しだけカバーできる場合もあります。
順を追って説明をします。
こちらをご覧ください。

この表は、外の温度と室内の温度差、その地域の平均風速、これらを基に家の漏気がどれだけ起こるのかを表したグラフです。
つまりこのグラフが、C値の重要性のすべてを物語っていると言っても過言ではないわけです。
このグラフは右から見ていくのですが、右のグラフを読み解くには、外の温度と家の中の温度差を表しているΔTと、建築地の外部風速、これらを知る必要があります。
気象庁からそれぞれの値を持ってくるわけですが、例えば東京の風速は、平均すると1年で2.7m/sだったとします。
そして外の温度と家の中の温度差に関しては、仮に室内の温度が20℃だと仮定して、冬の外の平均気温が5℃だったとします。
そうすると、外の温度と室内の温度差は15℃になります。
あとはこれらの値をグラフに当てはめつつ、建築地がだだっ広い土地なのか、一般的な住宅地なのか、それとも住宅密集地なのか、これを選択して交点にポイントを打ちます。
今回は普通の住宅地を選択しますが、そのポイントを軸に水平線を引いていきます。

すると、先ほどの建築場所が東京の一般的な住宅地で、1年の平均風速が2.7m/s、外の温度と室内の温度差は15℃という条件の場合、1時間で家の容積の何%の空気が勝手に入れ替わってしまうのかというのがわかるようになります。
実際に表を見てみると、東京の普通の住宅地に建築すると、C値が4の場合、1時間で家の空気が約30%勝手に入れ替わることになります。
また、C値が1.5くらいで家の空気の約10%、C値が1くらいで家の空気の約8%が勝手に入れ替わってしまうというのが読み取れるのです。
要は、C値が悪いと先ほども説明したように、家の保温性能、家の省エネ性能、これらに悪影響を及ぼしてくる可能性が出てくるということなのです。
ただし、この表を見てもらうと、C値は1を切ると漏気の量は大きく変わらない、住宅密集地だと外部風速の影響を受けにくいので、C値が悪くてもほんの少しカバーできるというのが見えてくるかと思います。
C値1を切ってくると、そこまで目に見えるほどの大きな差は出てきません。
また、建物に風が吹きつけられることで隙間から家の中に風が入ってくるわけですが、都心部のような住宅密集地で家を建てる場合は、周辺の住宅が防風壁の役割を果たしてくれるのです。
住宅密集地ですと外部風速の影響を受けにくいので、C値が悪くてもほんの少しカバーできるということです。
気密の取りにくい鉄骨住宅が住宅密集地向きの建て方だということは、ここからもなんとなく見えてくるわけです。
こういった理由があって、世間一般的にC値は1を切れれば合格と言われています。
0.5が出せればなおいいです。
ただしここでも注意事項があり、ハウスメーカーの中には全く気密施工をやらないメーカーもあります。
また、中途半端な施工だけをして、完璧に気密施工を行わない仕様になっているハウスメーカーもたくさんあります。
本当にご注意ください。
まともに気密施工をやらないハウスメーカーは、よほどの理由がない限り、検討から外した方がいいかもしれません。
建物の換気性能
実は換気もものすごく重要なのですが、これから家づくりをされる方の多くは、換気と聞いておそらく「窓を開ければ換気になるじゃん、換気の何が重要なの?」と思っていると思います。
確かにその気持ちはわかります。
「換気なんて適当に考えておいても問題ない」と思われるのも、よく理解できます。
しかし実は換気には、
- チリやホコリを外に排出してくれる効果
- 匂いを外に排出してくれる効果
- 二酸化炭素濃度を下げてくれる効果
- 室内の湿気を取り除いてくれる効果

これら4つの効果があるのです。
ただし換気がうまくできなければ、これとは反対のことが起きます。
つまり、
- チリやホコリが溜まりやすくなる
- 匂いを外に排出してくれず夕飯の匂いが翌朝も残っている状態になりやすい
- 二酸化炭素濃度が上がり集中力が低下する、睡眠の質が下がる
- 湿気が下がりにくい室内環境になる

こういったデメリットが発生してくるのです。
換気の重要性
換気は、それ単体ではうまく効果を発揮できません。
気密が取れている状態でないと、きちんとした換気性能を発揮できないのです。
これがどういうことなのかというと、実は家には、外気を取り入れるための給気口と、室内の空気を外に排出するための排気口と呼ばれるものがあります。

本来なら、給気口から排気口に向かって一直線に空気が抜けることでうまく換気ができるわけです。
ただし気密が悪いと、いろいろなところから隙間風が入ってきてしまいます。
そしてその結果、気流が乱れてうまく換気ができなくなるのです。
そうなると、
- チリやホコリが溜まりやすくなる
- 匂いを外に排出してくれず夕飯の匂いが翌朝も残っている状態になりやすい
- 二酸化炭素濃度が上がり集中力が低下する、睡眠の質が下がる
- 湿気が下がりにくい室内環境になる
これらのデメリットが発生してくるのです。
特に湿気に関しては非常に厄介で、気密と換気がうまくできないと、なかなか除湿することができません。
夏の湿度が高い時に除湿したいなと思った経験は、人生で1度はあると思います。
しかしそう思ってエアコンの温度を下げてしまうと、確かに湿度は下がるものの、室内の温度も下がってしまうわけです。
そうなると今度は室内が冷えすぎて不快感となってしまい、結果しばらくするとまたすぐにエアコンの温度を上げてしまうわけです。
エアコンの温度を上げたら上げたで、結局また湿度が上がってきます。
ですので、最終的にはどうすることもできないまま、湿度が高くても我慢するしかなくなってしまいます。
これはすべて、換気がうまくできていないから起こる現象なのです。
換気がきちんと機能していれば、そこで湿度のベースラインが下がり、空調が効きやすくなります。
しかし、換気ができていなければ、当然のことながら湿度のコントロールがうまくできません。
湿度コントロールがうまくできなければ、室内にいて不快に感じるのはもちろんのこと、カビ、ダニ、ノミ、ゴキブリ、これらが発生しやすくなります。

湿度70〜100%の状態が続くと、カビ、ダニ、ノミ、ゴキブリ、これらが活発に活動すると言われています。
それら人体に有害な虫や菌を発生させず快適な空間を保つためには、
- 夏…体感温度27℃、相対湿度60%
- 冬…体感温度21℃、相対湿度50%
この温湿度に留めておくことがいいとされていて、それを保つためには換気が必要なのです。
しかし換気だけではダメで、その前に気密が取れている必要があります。
また、気密が取れていても断熱がうまくできていないと外気の影響を大きく受けてしまうため、断熱も必要です。
ですので、断熱、気密、換気、この順番で家づくりをすることが重要なのです。
1年を通じて湿度を50~60%以下に留めておくことが、高気密高断熱住宅をつくる上での最終到達系とも言えるので、換気は適当に考えず、しっかりと学び、採用するようにしてください。
換気の種類
ここから実際に、換気の種類についてお伝えします。
換気には、
- 第1種換気
- 第2種換気
- 第3種換気
- 第4種換気

という4種類の換気が存在します。
そのうち第2種換気は、主に病院で使われている換気となります。
また、第4種換気は「幻の換気」と呼ばれる換気方法で、詳細は割愛しますが、ほとんど使われていません。
住宅で使われる換気は、第1種換気か第3種換気になります。
第1種換気
第1種換気とは、機械を使って室内に外気を取り入れ、そしてその後に機械で室内の空気を外に排気するタイプのことを言います。

ですので「機械給気・機械排気」の換気方法とも呼ばれています。
そんな第1種換気ですが、実は全熱型と顕熱型、そしてダクト型とダクトレス型が存在します。
つまりは、
- 顕熱型×ダクト型
- 顕熱型×ダクトレス型
- 全熱型×ダクト型
- 全熱型×ダクトレス型
これらのタイプの第1種換気があるということです。
全熱型と顕熱型
全熱型は、室内に空気を給気する際に、取り入れた外気を室内の温度に近づけてくれると同時に、加湿と除菌を行うもののことをいいます。

顕熱型は、ただ温度の調整だけをしてくれるタイプの換気です。
日本は今現在、高温多湿であることが多いので、基本的に顕熱型を使うことはありません。
ほぼ全熱型一択になります。
ですので、第1種換気を推奨しているハウスメーカー、工務店のほとんどが全熱型の第1種換気を推奨してくるはずです。
不安な場合は、ハウスメーカーや工務店に「自分が今提案されている第1種換気は全熱型ですか?それとも顕熱型ですか?」と聞いてみるといいかもしれません。
ダクト型の第1種換気
ダクト型はその名のとおり、ダクトを使って家全体の空気を換気する方式です。

メリットは、
- 給気と排気がそれぞれ1か所になるので、家の壁に余計な穴が開かず、気密が取りやすくなる
- 各居室を計画的にきちんと換気できる
という2つです。
それぞれ説明をすると、例えば積水ハウスのアメニティー換気というのは、給気口があってそこから新鮮な空気を各居室に分配し、室内の汚れた空気はまた排気口から外に排出されていくという空気の流れになっています。

この図ではアメニティー換気が1階と2階に2つ入っているのですが、物件の大きさによって2つ入るのであって、普通は1つです。
ですので通常、給気と排気はそれぞれ1箇所ずつになるので、壁にそこまで穴が開かず、気密性能が高くなりやすいわけです。
住友林業の全館空調、PRIME AIRも見ていきます。
全館空調は、第1種換気×個別エアコン×送風機、これら3つの項のかけ算から成り立つものです。

まずは、給気口から外の空気を取り入れてデシカント換気と呼ばれる特殊な第1種換気に通します。
そこでろ過され、さらに加湿処理が行われた新鮮な空気が、ダクトを通って空調室に入ります。
空調室に入ってきた空気はルームエアコンで温度調整がなされ、再度ダクトを通り、ダクト内の送風機の力を使って各居室に空気が分配されるわけです。
また排気に関しては、各居室にある排気口からダクトを伝って第1種換気であるデシカント換気に入り、外に排出されていきます。
こちらも給気口と排気口はそれぞれ1箇所ずつになるので、壁にそこまで穴が開かず、気密性能が高くなりやすくなるということです。
ダクト型の第1種換気のデメリットは、
- ダクトのメンテナンスが発生してくる場合がある
- フィルターのメンテナンスが必要になってくる
- ダクトを通すために天井の懐を使う必要があり、法規制が厳しいエリアでは天井が下がる可能性がある
これらになります。
ダクトとフィルターのメンテナンスに関しては、ダクト型の第1種換気を採用する以上、仕方のないことだと思います。
ただ一方で、ダクトのメンテナンスに関しては、それぞれのハウスメーカーでメンテナンスがかからないように工夫がされています。
先ほど例に出した積水ハウス、あとは一条工務店に関しては、外気を室内に取り入れる給気口部分がサイクロン給気フードというものになっていて、遠心力を使って虫や埃、砂、あとはタンポポの綿毛などを排除する仕組みになっています。
メンテナンスに関しては、外付けフィルターの掃除のみになっていますし、外で異物を完全に除去するので、ダクト内の清掃も極力必要ないように設計されています。
ただ、未来永劫ダクトの掃除が必要ないかと言われば確約はできなくて、例えば湿気の多い空気を外から取り入れた際に、ダクト内に結露が起きる可能性は正直ゼロではありません。
あとは24時間換気システムを動かしていなければならないので、止めてしまった場合はダクト内に空気が滞留してカビが発生するというリスクも捨てきれません。
ですので、建築するエリアの気候や住まいの利用条件によって、どこかのタイミングでメンテナンスが発生してくる可能性は少なからずあります。
またダクトを通す都合上、天井が低くなるということが多いのですが、法規制が厳しいエリアではそれが致命的になる場合もあります。
いろいろなメリットデメリットがありはするものの、住宅の高気密高断熱化が進んでいることや、居室をきちんと換気させる目的もあって、今現在ハウスメーカー各社の主流は、こちらのダクト型の第1種換気となります。
ダクトレス型の第1種換気
ダクトレス型の第1種換気とは、その名のとおりでダクトがない第1種換気になります。

壁に直接取り付ける換気システムです。
こちらの換気システムは、ハウスメーカーではほとんど使われていません。
一部の工務店はこのダクトレス第1種換気を推奨していますし、選択肢に入れる人も少なからずいるとは思いますが、ダクトレス第1種換気はおすすめしません。
なぜなら扱いが非常に難しいからです。
その理由も含めてメリットをお伝えします。
ダクトレス型の第1種換気のメリットは
- ダクトを設置する必要がないため、その分メンテナンスが発生しにくい
- ダクト型の第1種換気に比べて、イニシャルコスト、ランニングコストが共に安い
の2点です。
一方でデメリットは、
- 各居室に換気システムを設ける必要があるので気密性能が悪くなる
- 換気システム自体の穴が大きめなので、外が強風だと風の音がものすごく入ってくる、またその逆で、家の音が外に漏れやすい
- 給気と排気が逆転する際に音が鳴る
- 換気効率が悪い傾向にある
- フィルターの掃除が面倒な傾向がある
になります。
メリットデメリットをそれぞれ説明します。
メリットなのですが、ダクトレス第1種換気はその名のとおり、そもそもダクトを施工する必要性がありません。
ですので、ダクトの設置費用はかからないですし、イニシャルコスト、ランニングコスト共に安い傾向にあります。
このダクトレス第1種換気なのです。
また、消費電力もダクト型の第1種換気よりも低い傾向にあるため、経済的と言われています。
これだけ聞くとまあまあよさそうに聞こえますが、デメリットが多くて使いにくいのです。
というのも、例えばダクトレス第1種換気は、基本的に各居室に換気システムをつける必要があります。
なぜならダクトレス第1種換気は、ダクト式の第1種換気とは違い、各居室の壁付けの換気システムをつけないと換気ができなくなるからです。
当然ダクトがあればダクトを通じて換気することができますが、ダクトレスはダクトがないので壁付けするしかないわけです。
各室ごとに壁付けの換気システムをつけないと換気ができないのですが、当然その分壁に穴が開くことになって、建物の気密性能が悪くなってしまうのです。
実際にダクトレス第1種換気の現物を見るとわかりますが、直径が15cmから、ものによっては20cmのものもあります。

まあまあ巨大な穴が壁に開くので、気密も悪くなるわけです。
ただこの話をすると、「壁に穴が開くので建物の気密が悪くなるとか何言ってるの?気密測定をする時に換気部分は目張りするから建物の気密性能に関係ないじゃん」と言ってくる人がいます。
確かに気密測定をする時は、換気部分を目張りして測定をするのですが、それで気密の数値がよくなったとしても、実生活をする上で大きな穴が開いているのは変わらないわけです。
ですので実際にダクトレス第1種換気を設置すると、外で強風が吹いている時に風がものすごい音を立てて家の中に入り込んできます。
またその逆で、家の中で楽器などを鳴らしていると、その音がダクトレス第1種換気の穴を伝って外に響いてしまうのです。
これらは結構生活しにくいです。
あとはキッチンのレンジフードを作動させると、ものすごい勢いで空気を吸い上げると思いますが、勢いが強すぎて給気排気関係なしに、ダクトレス第1種換気の穴から外の空気をバンバン入れてしまうのです。
ですので、キッチンのレンジフードとダクトレス第1種換気の位置関係や換気経路は、しっかりと考えた上で設置しなければなりません。
ダクトレス第1種換気は、設置難易度が本当に高いです。
この辺りは、ダクトレス第1種換気を採用する上で一番のデメリットになるので、ぜひ覚えておいてください。
また、ダクトレス第1種換気は、基本的に70秒くらいの交互運転型のシステムです。
どういうことかというと、例えば扇風機は電源を入れるとファンが回り始めます。

あのファンが70秒経つと勝手に逆回転し始めるというイメージです。
そうすることで、給気と排気をひとまとめにして行っているわけです。
ただ、ファンが逆回転する時に、小さくカチカチカチっと音が鳴ります。
わりとそれが耳障りなので、嫌いな人は嫌いかと思います。
数は少ないですが、同時給排気型のダクトレス第1種換気というのも存在していて、このタイプのダクトレス第1種換気は、常に給気も排気も同時に行っているタイプの換気システムになります。
ですので、ファンが逆回転することもないですし、当然カチカチカチっという音も鳴りません。
具体的な商品名をお伝えすると、パナソニックが出しているIAQ-Vなど、この辺りが該当してきます。

ですので、ダクトレス第1種換気の交互運転の音が気になるという人は、IAQ-Vなどの同時給排気型のダクトレス第1種換気を選ぶと、この問題は解決できます。
ただ、給気と排気が切り替わるタイプのダクトレス第1種換気であったとしても、同時給排気型のダクトレス第1種換気であったとしても、換気効率はそこまでよくないと思っています。
というのも例えば、給気と排気が切り替わるタイプのダクトレス第1種換気は、70秒ごとに給気と排気が切り替わるという話でした。
確かに70秒かけて入ってきた空気を70秒かけて排気をしたら、プラスマイナス0になりますが、居室には家具や置物など、いろいろなものがあるわけです。
ですので、計画どおりに換気できるかと言われば、確実ではないのです。
さらに同時給排気型のダクトレス第1種換気の場合は、同じ場所で常時給気と排気を行っているわけです。
それゆえに、ショートサーキットを起こしやすい構成になっています。
ショートサーキットというのは、入ってきた空気がそのまますぐに外に出てしまう、その状態がずっと続いてぐるぐる回ってしまうという現象のことを言います。
さらに、同時給排気型のダクトレス第1種換気は、8畳用、12畳用しかないことがほとんどなので、それ以上に畳数が増えると、壁に取り付けるダクトレス第1種換気の数が増えてしまいます。
これですと気密が悪くなってしまいます。
ですので、給気と排気が切り替わるタイプのダクトレス第1種換気であったとしても、同時給排気型のダクトレス第1種換気であったとしても、換気効率はそこまでよくないのです。
それと、ダクトレス第1種換気は各居室に壁付けの換気システムをつけないと換気ができないので、それぞれにフィルターをつける必要があるのですが、そのフィルターをきちんとメンテナンスしなければなりません。
例えば、家全体で6箇所のダクトレス第1種換気がついていたら6枚のフィルターを掃除しなければなりませんし、8箇所であれば8枚のフィルターを掃除しなければならないのです。
これもなかなか面倒です。
ですので、ダクトレス第1種換気は推奨していません。
第3種換気
こちらは外気をそのまま室内に取り込み、機械で室内の空気を排気するタイプです。

そのため「自然給気・機械排気」と呼ばれていたりもするのですが、第3種換気の場合は加湿も除湿もしないまま、ただただ外気を室内に取り入れることになります。
ですので、あまりおすすめしません。
しかし、導入費用がとにかく安いのです。
しかも非常に原始的な仕組みなので、メンテナンスも容易です。
ですので、予算的なことを考えて第3種換気を選択される方もいますし、メンテナンスを優先して第3種換気を選択される方もいます。
第3種換気にもダクト型とダクトレス型があります。
そして、第3種換気であったとしてもダクト型の方がおすすめで、ダクトレス型にすると、こちらも壁付けになって換気がうまくできなくなる確率が上がります。
ですので、第3種換気にするにしても、基本的にはダクト型の第3種換気を選択するようにしましょう。
ここで1つポイントなのですが、第3種換気を設置した場合、給気口をエアコンの近くに設置することで、第3種換気から取り入れた外気をすぐにエアコンに取り込んで、冷気・暖気を家全体に供給する、そんな空気の流れをつくれます。
第3種換気を設置する場合は、1つポイントとして覚えておくといいかもしれません。
換気の本質論
換気は、第1種換気で全熱型かつダクト型がおすすめです。
一方で、ダクトレス換気に関しては、あまりいい印象ではありません。
家はパーツで考えるものではなく全体で考えるものなので、家のつくり方によってはダクトレス第1種換気でもいいのですが、総論が見えていないのに各論ばかりに目がいっても、本質は見えてきません。
ですので、この辺の本質の部分に触れていきます。
まず大前提として、日本の建材は毒まみれです。
最近では、海外から輸入してきたレモンやオレンジなどの果物やその他の野菜にも普段使われないような強力な防腐剤が吹きかけられていて、そういうものを日本人は知らず知らずに食べているので、がんの発症率が世界一高くなっています。
建材も同じような状況なのです。
どういうことかというと、例えば多くの住宅メーカーや工務店が「うちはF☆☆☆☆(フォースター)の建材を使っているので健康被害は出ません」などと説明していると思うのですが、F☆☆☆☆のFはホルムアルデヒドのFです。

つまり、規制されているのはホルムアルデヒドだけなのです。
アセトアルデヒドなど、その他の有害物質の揮発量に制限はないのです。
法の抜け穴を意図的につくっている法律なのですが、こういったザルな法律があるからこそ、中国やその他の外国から大量に建材を輸入できる状態になっているのです。
日本もその状態がよくないというのはわかっていて、24時間換気システムで1時間に0.5回、2時間に1回、家全体の空気を入れ替えてくださいという法律をつくっているわけです。
しかし実は海外ですと、この24時間換気システムの法律は、1時間で0.1回の換気でよかったりするのです。
ものすごく差があります。
なぜこんなにも差があるのかというと、それは海外の住宅は有害物質が使われていない建材で家がつくられているからです。
一方、日本の建材は毒まみれです。
そのため、どうしても厳しい換気の法律が定められているのです。
考えてみればわかりますが、24時間換気システムで1時間に0.5回、2時間に1回家全体の空気を入れ替えたら、せっかく加湿した空気が外にバンバン出ていってしまうので、冬場どんなに加湿しても湿度が上がりません。
夏に関しても同様です。
除湿した空気を捨てていたら、一向に湿度は下がりません。
つまり、本当の意味でいい家をつくるのなら、毒に汚染されていない建材でつくられた家、言い換えれば最低限の換気で済むような家を建てる必要があるのです。
ウェルネストホームの場合は、人に無害な自然素材の建材を世界中の至るところから仕入れてきて、さらには独自のハイオシステムというもので換気の調整などを行って、最低限の換気でも問題ないという家づくりにしています。
ですので、ダクトレス第1種換気を使っても問題ない構造になっていますし、より完璧を求めたい方にはダクト式の第1種換気も提案しています。
一方でそれ以外の多くのハウスメーカー、工務店の家はどうなっているのかというと、仕方がないとはいえ、中国から仕入れてきた建材を使っていたり、そもそも気密を取るのが苦手だったりで、うまく換気できない状況です。
こういういろいろな問題がある中で、間違いなく確実に換気をさせるためにはどうしたらいいのかというと、答えはシンプルで、ダクト型の第1種換気、これに頼るしかないのです。
世の中にはいろいろな種類の換気システムが発売されていますが、日本で家を建てる場合は、シンプルにダクト型の第1種換気、これを選択するようにしてください。
建物の空調設計
断熱、気密、換気をしっかり整えると、各部屋の空調効率がよくなります。
各部屋にエアコンをつけるのはNG
従来の家のように、各部屋に1台エアコンを設置してしまうと、その部屋がすぐに冷えたり、すぐに暖まったりしてしまいます。

そうなると、エアコンをつけたり消したりすることになるわけです。
これはエネルギー効率を悪くする行為です。
なぜなら、エアコンはつけたり消したりする時に一番電気代がかかるからです。
それを知らずに頻繁にエアコンをつけたり消したりしてしまうと、例えるならプリウスに乗りながらアクセルをベタ踏みしてすぐに急ブレーキをかけるような、そういう行為を連続で繰り返すのと同じくらいエネルギー効率の悪いことをしているのです。
いくらプリウスに乗っていたところで、そんな無茶な乗り方をしていたらガソリンの消費も激しくなります。
エアコンのオンオフを頻繁に行うのもそれと同じです。
ですので、断熱、気密、換気、これらをしっかり整えた住宅は、いかに数少ないエアコンで家全体を涼しくできるか、暖かくできるかという空調デザイン力が必須になってくるのです。
この部分は間取りのデザインや各ハウスメーカーの工法も絡んでくることなので、一概にどこにどんな空調設備を設置すれば正解なのか、明確に伝えるのは非常に難しいです。
しかし、断熱、気密、換気、これらが一連の流れになっていて、最後に空調で家全体の温湿度を整えるという、この流れの理論理屈をしっかり理解すると、なるほどと思うと思います。
また、エアコンは、標準の使用期間が10年とされていて、それを超えて使用すると、発火や故障による怪我をする恐れがあるとされています。
エアコンの下側あるいは側面に、その旨を伝える注意シールが貼られています。

基本、エアコンは10年で交換するものなのです。
それにもかかわらず、家1件に対して5台も6台もエアコンをつけるのはとても馬鹿らしいです。
そういう側面から考えても、やはり断熱、気密、換気、これらをしっかり整えた上で空調デザインをしっかりする必要があるのです。
ハウスメーカーの提案が、ただただ思考停止で各部屋にエアコンをつける提案になっていないかどうか、これはきちんと確認するようにしてください。
エアコンの選び方
エアコンの選び方にも注意が必要です。
というのも、ハウスメーカーと打ち合わせをしていると、その部屋の畳数に合わせて、もしくは畳数以上のエアコンを提案されることがほとんどです。
例えばLDK20畳に対して20畳用のエアコンを提案するといった形です。
一見すると当たり前のように思えるのですが、エアコンの畳数の目安は、1964年に制定されたまま見直しがされることもなく、今もなおその基準が使われているのです。
そのため、リビングが20畳だからといって、何も考えずに20畳用のエアコンを買ってしまうと、余計な電力を消費する環境を自らつくることになり、痛い目を見ます。
そうならないようにするためには、6畳用、10畳用、14畳用、このどれかのエアコンを買うようにしてください。
部屋の畳数は関係ありません。
今お伝えした以外のエアコンは、ハズレエアコンになります。
これがどういうことかというと、例えばこちらはとあるメーカーのエアコンのカタログです。

カタログをじっくり見ると、2つのグループができることに気がつきます。
1つ目が100V用のエアコンと200V用のエアコン、2つ目が能力と消費電力欄に記載されているカッコの中の数値がほぼ変わらないエアコンがあるということです。
2つ目に関してはわかりにくいので具体的にお伝えをすると、100V用で言えば6畳用と8畳用、10畳用と12畳用、200Vで言えば12畳用と14畳用、18畳用と20畳用といった感じで、能力と消費電力欄に記載されているカッコの中の数値がほぼ同じになっていることがわかるかと思います。
そのため、エアコンのカタログの見方としては、100V用のエアコンと200V用のエアコンに分けてみるのと、あとは能力と消費電力の欄に記載されているカッコの数値がほぼ同じエアコンと比較をしていく、これがエアコンのカタログの見方になります。
これを理解した上で、カタログを読み解いていきます。
まずは100V用のエアコンで、能力と消費電力欄に記載されているカッコの中の数値がほぼ同じ6畳用と8畳用を見ていきます。
すると暖房の能力は全く同じで、冷房の能力は8畳用の方が0.1しか性能がよくないということがわかります。
それにもかかわらず、消費電力は8畳用の方が多くなっています。
つまりここでの正解は、6畳用のエアコンを選択するということになります。
これと同様の考え方でカタログを読み解いていくと、100Vといえば6畳と10畳が当たりだということが理解できると思います。
ただし200Vでいえば、12畳用から26畳用まで暖房効率は最大で11.9と変わらず、冷房の効率だけ大きく変わっているというのがわかるかと思います。
これですとどれを選べばいいのかわからないですし、冷房の効きのよさだけを考えたら、極端な話29畳用のエアコンを買った方がいいのではないかという話になるわけです。
ただしそれは大きな間違いで、ここで出てくるのがAPFになります。
APFとは、エアコンがどれだけ効果効率的に効くのかを表している数値になるのですが、カタログを見てみると、100Vでは6畳用APF7.5、10畳用APF7.4、200Vでは14畳用APF7.5、この3つのエアコンのAPFが高いことがわかります。
つまりこれら3つのエアコンを選ぶのが正解で、それ以外を選ぶのが不正解ということになってくるわけです。
断熱性能、気密性能、換気性能、これらを整えた前提ではありますが、くれぐれも担当者の言いなりにならず、部屋の大きさに合わせたエアコンを選ばないようにしてください。
ちなみに、おすすめのエアコンは日立です。
最近ですと富士通ゼネラルもおすすめですが、これらのメーカーは再熱除湿機能というのがあります。
夏場、除湿をするにあたって非常に重宝する機能なので、日立か富士通ゼネラルを選んでいただくといいかと思います。
その他重要な設備仕様に対する考え方
断熱、気密、換気、空調、この順番で家づくりを行うことこそが重要で、これらがどれだけできるのかがハウスメーカー各社を比較するポイントでもあります。
今の時代にあった家をつくるべく重要な設備仕様に対する考え方を4つ共有します。
具体的には、
- 太陽光発電
- 給湯機
- 床暖房
- 蓄電池
以上の4つになります。
こちらを順番に説明していきます。
太陽光発電
太陽光は、N型パネルを確実に採用するようにしてください。

なぜなら、N型の方が発電効率がいいからです。
一方でP型パネルというのもあり、こちらは発電効率の低い太陽光パネルとなっています。
そのため、太陽光パネルを入れるなら、N型一択になります。
ただし、どこのハウスメーカーであっても、入れられる太陽光パネルのメーカーが決まっています。
しかも、よりすぐりの厳選された太陽光パネルメーカー数社の中から選べるような感じではなく、昔から付き合いのあるメーカーのものを入れられたり、ただただ価格が安いからそのメーカーの太陽光パネルを入れられたり、そのような感じなのです。
きちんと調べずにハウスメーカーの言いなりで太陽光を入れてしまうと、実はP型太陽光パネルが入ってしまっていた、なんてことが起きる可能性があります。
ここ最近、大体どのメーカーもN型太陽光パネルに移行してきていますが、まだまだP型太陽光パネルも普通に流通しています。
そもそもN型パネルとP型パネルとでは何が違うのかという話なのですが、これを理解するためには、太陽光発電がどのようにして発電するのか、その根本の仕組みを理解していないと読み解けないのです。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電の仕組みについてなのですが、ネットで調べると「太陽光発電はP型とN型2種類の半導体を重ね合わせた構造をしています。そこに太陽光が当たると電子マイナスと正孔プラスが発生し、正孔はP型半導体へ、電子はN型半導体へ引き寄せられます。そして表面と裏面につけた電極に負荷がかかり電流が発生します。」などと書かれています。
正直、意味がわからないと思います。
これを理解するためには、半導体とは何なのかを理解する必要があります。
まず、物質の電気の通しやすさを表す物性値に、抵抗率というものが存在します。
この値が小さければ小さいほど電気を通しやすく、鋼や鉄などは導体と言われています。
反対に抵抗率が大きければ大きいほど電気を通しにくく、ゴムやガラスは絶縁体と呼ばれています。
そして抵抗率が導体と絶縁体の中間にあるものが半導体と言われるものになります。
半導体にはカーボン、ゲルマニウム、シリコンといった素材が該当してきます。
この半導体を研究することで、頑張ったら電気を通したり通さなかったりできるのではないか、そう考えて研究者たちは必死になって半導体を研究しました。
その結果、少しだけ不純物を加えて物性を変化させる手法を生み出しました。
これをドープと言います。
そしてこのドープする不純物の種類によって、P型半導体になるのか、それともN型半導体になるのかが決まるのです。
半導体の種類
半導体であるシリコンをベースに、P型半導体とN型半導体、そしてPN接合について見ていきます。
P型半導体
電流が流れるということは、つまりは電子が移動しているということです。
ただし、すべての電子が移動できるわけではありません。
というのも、シリコンにおける電子は、例えるなら電車の椅子が1列満席になっているような状態です。
そのため、身動きが取れない状態になっているのが、シリコンの電子になります。
しかし、ここでシリコンに対して微量のホウ素をドープします。
ホウ素はシリコンよりも電子が1つ少ないので、電車の椅子が1席だけ開いているような状態になります。
この1席だけ開いている席のことを正孔と言います。
正孔があるということは、「つめてください」と言われたら隣に動くことができます。
人が動くということは電子が動くということなので、これでようやく電気が流れることになるのです。
このように正孔を発生させることで電気を流れやすくした半導体を、P型半導体と言います。
N型半導体
P型半導体が電子を減らすことで空席をつくり、それによって電気を流れやすくしていたのに対して、N型半導体は電子を増やすことによって電気を流しやすくした半導体です。
シリコンに対して微量のリンを加えることで、電車の椅子が1列満席になっている状態プラス人1人がその横に立っている状態になります。
これにより横に立っている人は自由に移動できるようになるわけですが、人が移動できる、つまりは電子が移動できるということは、電気が流れやすくなったということでもあるわけです。
このように電子を増やすことで電気を流しやすくした半導体を、N型半導体と言います。
PN接合
P型半導体とN型半導体を組み合わせることで電気を発生させることができるのですが、これをPN接合と言います。
P型シリコンをベースに上部に薄いN型の層をつくってPN接合をしているもののことをP型太陽光パネルといって、N型シリコンをベースに上部に薄いP型の層をつくってPN接合しているもののことをN型太陽光といいます。
そしてN型太陽光の方が、リンをドープしていることで劣化が少なく、さらには空席がなく電子が余分な状態となっていることから電子の移動速度が速いため、発電効率がいいとされています。
ですので、N型太陽光パネルの方がいいのです。
ただ、N型太陽光にもP型のシリコンが使われていますし、P型太陽光にもN型のシリコンが使われています。
ですので見方によっては、N型太陽光をP型太陽光だと言い張ることもできてしまうのです。
逆もしかりで、P型太陽光をN型太陽光だと言い張ることもできてしまいます。
そのため、太陽光のことを調べるのなら、「P型シリコンをベースに上部に薄いN型層をつくっているものですか?それともN型シリコンをベースに上部に薄いP型層をつくっているものですか?」と質問した方が、確実にP型なのかN型なのかがわかります。
自社の太陽光のことをわかっていないメーカーも多いので、そういう意味でも太陽光を調べる際は、このように質問してみるといいかと思います。
給湯器
ハウスメーカー各社は、ガス会社と癒着しているからなのかわからないですが、エネファームをやたら推奨してきます。

ただ、エネファームは正直おすすめしません。
もし今打ち合わせ中の方がいましたら、すぐにでも取り外すことをおすすめします。
エネファームと光熱費
エネファームを使うと、多くの方が思っている以上に日々の光熱費が高くなる可能性があります。
そもそもエネファームという給湯機は、ガスを分解した時に出る熱と電気を利用することによって、お湯を沸かしつつ発電するというものになります。

エネファーム自体が発電するので、災害時は多少電気が使えて便利と言われますし、電気とガスを併用して使うので、日々の光熱費が抑えられると言われたりします。
実際、エネファームのパンフレットにはものすごく快適そうな写真が掲載されているので、雰囲気的にエネファームを入れれば快適に過ごせるような気がしますし、光熱費が抑えられるような気もしてきます。
本当のところどうなのかというと、多くの方が思っている以上に光熱費が高くなるのです。
というのも、ハウスメーカー各社が採用を推奨しているエネファームは、パナソニック製のものになります。
パナソニック製のエネファームは、特徴として学習機能というものがついているのですが、この学習機能は大量にお湯を使う時間を逆算して、タンクの中の水を60℃に温めるという機能です。

これだけ聞くと耳障りが非常にいいのですが、実際この学習機能がかなり怪しくて、結構長い時間だらだらお湯を沸かしながら発電しているのです。
つまりその間にガスが垂れ流しになっているということです。
また例えば、19時にお風呂に入るのでそれに向けてエネファームがタンク内にお湯をつくり始めたとします。

それで溜まったタンク内のお湯を浴槽に使ったとします。
すると当然、使ったお湯の分の水量を埋めるべく水道水が補充されるわけです。
ここまでなんとなくイメージできると思います。
ただ図を見ると、その補充された水は都度都度発電しながらお湯に変換されていると思ってしまうと思いますが、実はこれ、半分正解で半分不正解になります。
というのも、タンク内が水の状態ですぐにお湯が必要な場合は、エネファーム内に入っているバックアップ熱源機がガスを使ってお湯をつくる仕組みになっているのです。
そしてこのバックアップ熱源機というのは、かっこいい名前にしてわかりにくくしているだけで、正体はガス給湯器のエコジョーズなのです。
つまり、タンクのお湯がなくなった後、さらにお湯を使おうとしてシャワーなどを使用すると、発電しながらお湯をつくりつつ同時にバックアップ熱源機という、かっこよく言い換えただけのエコジョーズも稼働するので、二重でガスを使うはめになります。
ガス料金の低い一昔前でしたらそれでもお得だったのかもしれませんが、今はガス料金が高騰しています。
この仕組みのせいなのか、エネファームを導入している方の光熱費は、電気とガス合わせて月5万円しているような状態です。
月5万円というのは結構大きいです。
こう考えると、なかなかのインパクトだと思います。
エネファームと床暖房
エネファームを入れると床暖房がお得であるかのような営業トークをしてくる住宅営業マンもいるのですが、全然お得ではありません。
お得に使える場面というのがかなり限定的なのです。
「熱交換」とは、タンクに入っているお湯の熱が床暖房の熱源になって不凍液を温め循環しますよ、というものなのです。
つまりタンク内にお湯がなく、中に水が溜まっていない時というのは、エネファーム内のエコジョーズが普通に稼働してタンク内の水を温めることで床暖房を起動させているのです。
普通にガスを使って床暖房を起動させているだけなので、発電していないのです。
仮に発電していたとしても、またダブルでガスを使うことになるのです。
全然お得ではありません。
では、床暖房をお得に使うためにはどうしたらいいんだという話ですが、これはかなり限定的です。
エネファームは大量のお湯を使う時間を逆算してタンク内の水を60℃に温めます。
つまり、そのお湯をつくっている時間帯に床暖房を使えば、確かに副次的に得られる熱でお得に床暖房を使えるかもしれません。
しかし、これはほとんどの場合、限定的な時間帯なのです。
例えば19時の入浴のためにエネファームが17時から起動するとします。
そしたら17時〜19時までの2時間は、効果効率的に床暖房を使える時間ということになるわけですが、逆を言えば、それ以外の時間帯に床暖房を使うと、エコジョーズがただただフル稼働しているだけということになります。
夕方の時間帯はバタバタしていることが多く、そもそも家にいないこともあるので、いかにこの仕組みが現実的でないかがわかるかと思います。
エネファームは、ガス屋が効果効率的に儲けるための機械であって、仕組みを知らないで導入すると完全に搾取される給湯機だということです。
とにかく、エネファームは知れば知るほど怪しい機械なので、採用することを検討しているなら、慎重に判断するようにしてください。
おすすめの給湯器
一体どんな給湯機がいいんだという話だと思いますが、結論、オール電化にするのであればおひさまエコキュート、ガスと電気の併用をどうしてもしたいのであればECO ONEのハイブリッド給湯機、これらになります。

特に最近では乾太くん需要も多いので、ECO ONEのハイブリッド給湯器160Lがベストかと思います。
どうしてもエネファームを入れたいという方は、アイシン製のエネファームであればまだマシなので、そちらを入れることをおすすめします。

床暖房
エネファームの話に付随してくるのですが、ガス屋はガスを使ってもらうために「ガス系統の給湯器を入れたら床暖房を40万円分サービスします」などと言って、よくキャンペーンを行っています。

そのキャンペーンに多くの方が釣られてしまうのですが、ガス屋は40万円分のサービスをしても儲かるため、そのようなキャンペーンをやっているのです。
ですので、目先の利益に飛びつくと確実に痛い目を見ることになります。
これがどういうことなのかというと、そもそもエネファームなどのガスを使った給湯機を入れる場合、ガス温水式床暖房というものを入れることになります。

このガス温水式床暖房は、60℃まで上げた温水を使って温めた不凍液を床下に流すことで床暖房としているのです。
ガス温水式床暖房は瞬時に温度が上げられるので、素早く床を温められるというメリットがある反面、ずっと追い焚きをしているような状態でガスが垂れ流しになる都合上、とんでもなくランニングコストがかかります。
真冬ですと、光熱費で月5万円は普通に行きます。
ですので、ガス温水式床暖房は、最悪の床暖房なのです。
床暖房にはもう1種類あり、それがヒートポンプ式の床暖房です。
こちらは空気を圧縮した時に発生する熱を使って水を温めるもので、水温が25℃くらいまでしか上がらず、さらには床暖房が起動するまで時間がかかるというデメリットがありますが、エアコンと同じで、効果効率的に稼働してくれます。

ですので、ランニングコストが非常に安いです。
ただし、水温も低いですし、起動するのも時間がかかるので、きちんとヒートポンプ式床暖房を使うための土台を整えてあげる必要があります。
ではその土台とは何なのかというと、それが断熱性能と気密性能になります。
これらを向上させることで、ヒートポンプ式床暖房を最大限活用することができるのです。
ですので、断熱材の厚さを増すことからは逃げられないのです。
ただこの話だけですと、「いやいや、建物の基本性能である断熱性能をわざわざ上げるわけだから、床暖房なんて入れなくてもいいんじゃない?」と思われる方もいるかもしれません。
ただ、断熱材だけ厚くしても建物は暖かくならないのです。
熱源が必要なのです。
特に悪天候の日は日差しが家に入ってくることがないので、太陽光以外の熱源がどうしても必要なのです。
その熱源の1つとして床暖房があるのです。
ですので、床暖房はマストで入れなければならない設備で、なんなら床暖房を効果効率的に活躍させるために断熱性能と気密性能を上げると言っても過言ではないのです。
ぜひとも建物の断熱性能と気密性能を上げて、その上でヒートポンプ式床暖房を入れてみてください。
そしてガス温水式床暖房は、どストレートに言うと、性能の低い家の床を無理やり暖かくして過ごすための設備だということ、これを忘れないでください。
蓄電池
蓄電池はできれば入れてください。

住宅営業マンはよく「蓄電池の価格が落ち着くまで待ちましょう、その方がお得です」というような営業トークをしてくるのですが、その考え方自体が古いです。
その理由は2つあります。
- 後付けしようと思うと工事だけで200万円程かかる
- リン酸型の蓄電池は30年は持つ

以上の2つになるので、順番に解説していきます。
後付けしようと思うと工事だけで200万円くらいかかる
これはそのままの意味です。
蓄電池を後付けしようとすると、当然壁を壊して配線を引き直さなければならないので、その分工事費用として200万円くらいかかります。
さらにそこに蓄電池の値段が追加されることになるわけですが、今は蓄電池単体で150万円前後です。
つまり、蓄電池の価格が下がらず後付けで蓄電池を入れるとなったら、その時に350万円近くになってくるのです。
また、先行して配線だけやっておこうと考える方も多いのですが、こちらに関しては、できなくはないですが、それなりにリスクがあるような状態です。
というのも、蓄電池も毎年グレードアップするので、数年後に出てきた最新の蓄電池がうまく繋げられるかわからないのです。
ですので、多くのハウスメーカーは配線だけやっておくことを拒否します。
これに関してはハウスメーカー側の気持ちもわかるので仕方ないとは思いますが、こういった理由から、蓄電池を入れるのなら最初から入れてしまった方がいいのです。
リン酸型の蓄電池は30年くらい持つ
蓄電池は2種類あります。

三元系の蓄電池
1つ目は、コバルトなどのレアメタルを使っている三元系の蓄電池です。
これは、電気自動車やスマホにも使われている電池で、
- 蓄電容量が大きい
- 反応が早くチャージが短時間で済む
といったメリットがあります。
ただ
- 反応が早いため電池の劣化も早い
というデメリットもあります。
例えばスマホの電池は、1年くらい使うと電池の減りがかなり早くなると思いますが、要はそれと同じことです。
リン酸型の蓄電池
こちらは三元系の蓄電池と比較して
- 反応が遅い
- 蓄電容量が小さい
- 蓄電池のサイズが大きくなる
- 軽量化できず重い
といったデメリットがあるのですが、反応が遅いということもあって、ゆっくりと使うことができるのです。
そしてこのゆっくりさが住宅用の蓄電池とベストマッチしていて、三元系の蓄電池の倍、30年近く持つと言われています。
ですので、蓄電池は入れられるなら入れた方が圧倒的にお得なのです。
住宅営業マンが説明するほど寿命が短いものではないのです。
特定負荷型と全負荷型
蓄電池には、特定負荷型と全負荷型という2種類のタイプが存在します。

特定負荷型は特定というだけあって、指定した特定の部屋や家電製品にのみ電気を供給できる蓄電池です。
災害や台風などで停電が起きても長く電気を利用できるというのが特徴で、停電などが起きても長く電気を使い続けたいという方向けの蓄電池です。
一方で全負荷型は、全負荷というだけあって、家中の電気をカバーすることができます。
ですので、台風や地震などで停電が起きた際に、日常生活と変わらずに電気を使うことができるのです。
基本的には全負荷型一択なのですが、これを知らないで特定負荷型の蓄電池を入れてしまって、その後全負荷型の蓄電池を入れようと思っても、これは物が違うのでできません。
こういった諸々のことがあるので「何でもいいから蓄電池を入れればいいや」ではなく、蓄電池の種類は絶対に気にしてください。
注文住宅購入の基礎知識(後半)のまとめ
今回は『注文住宅の基礎知識|断熱・気密・換気・空調の注意点』ということでお話をしました。
正しい知識を身につけ、断熱・気密・換気・空調の順で整えることが、失敗しない家づくりの基本となります。
自分軸で検討できるよう、注文住宅購入前にぜひ学びを深めてください。
最後に告知です。
今現在、公式LINEに登録していただくことで、全国の優秀な住宅営業マンや設計士のご紹介、大手ハウスメーカー攻略カタログのプレゼント、これらの特典を受けることができます。

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