今回は『注文住宅のリビングで失敗しやすい間取り5選』というテーマでお話をしていきます。
私は、家の中をこだわるのであれば、玄関・リビング・トイレ、この3つは必ずこだわるようにしましょうとお伝えしています。
なぜなら、この3か所が1番人目に触れる場所だからです。
もちろん、お金が無限にある方は、子ども部屋も主寝室も水回りも全てに全力投球してもらえればいいと思うのですが、そういう人は稀です。
自分たち家族がその家に住んでいて「よかったな。」と思うためにも、来客があった時に「この家いい家だな。」と思ってもらうためにも、玄関・リビング・トイレ、この3つの場所に対して優先的にお金をかけるようにしましょうと言っています。
この3つの中で1番重要なのは、やはり家の顔であり、家族全員が集まる場所であるリビングです。
そのリビングで失敗してしまうと、取り返しのつかないくらい悲惨なことになるので、今回は今まで全国で1,000棟以上の家づくりに携わってきた私が『注文住宅のリビングで失敗しやすい間取り5選』というテーマでお話をしていきます。
本記事を最後まで読んでいただければ、リビングで失敗しないための方法がわかるかと思います。
ぜひとも最後までご覧ください。
注文住宅のリビングで失敗しやすい間取り1:コーナー開口
注文住宅のリビングで失敗しやすい間取りの1つ目が『コーナー開口』です。
コーナー開口とはその名の通り、建物のコーナー部分にそれぞれ窓を設置することを言います。
具体的な例を出すと、このような感じです。
この画像からもわかる通り、コーナー部分に窓があることで広さ感や視線の抜け感を演出できます。
また、ハウスメーカーによっては、このコーナー開口をつくれることが強みのメーカーもあります。
そのため、競合排除という意味合いでコーナー開口をゴリ押しする営業マンもまあまあいます。
いくらメーカー側のポジショントークであったとしても、最終的にお客さんがコーナー開口を気に入ればいいという話でもあるので、コーナー開口を全否定するつもりはありません。
ただ、冷静かつ客観的に見るとわかるのですが、コーナー開口はけっこう使いどころが難しいのです。
例えば、コーナー開口は2方向から外部の視線が入る場合があります。
すると、通常の窓の配置と比較したときに、外からの視線が入りすぎであるような感覚になるのです。
ですので、コーナー開口を設置してしまうと、結果として落ち着きにくい空間になりやすいわけです。
また、個人的にコーナー開口で一番厄介だと思うのがカーテンです。
実はコーナー開口にカーテンを設置すると、コーナー部分にカーテンが溜まって、やぼったい印象になるのです。
これがどうもかっこ悪く感じますし、そのかっこ悪さを緩和する方法があるのかと言われれば、何もありません。
私も家の設計をしていて、この部分はかなり頭を悩ませる部分でもありますが、このような感じで、コーナー開口はけっこう使いどころが難しいのです。
ですので、皆さんも安易にコーナー開口を取り入れないようにしましょう。
できるなら普通の窓の設置の仕方の方がいいです。
ただ、担当の営業マンや設計士にコーナー開口の設置を提案された場合は、それはどんな意図で提案してきたのか、競合排除のためのコーナー開口ではなく自分たち家族のために提案してくれたものなのかを聞いて、実際に納得できるような設置の仕方であれば、提案を受けてもいいと思います。
注文住宅のリビングで失敗しやすい間取り2:大開口の窓
続いて、注文住宅のリビングで失敗しやすい間取りの2つ目が『大開口の窓』です。
大開口の窓と聞くと「大開口の窓を入れることこそが注文住宅の醍醐味じゃん。」「大開口の窓をつけて失敗することなんてあり得るの?」と思われると思いますが、大開口の窓もつけ方によっては普通に失敗します。
例えば、時々見かける失敗事例として、1つ間取りを書いていこうと思います。
完成したのがこちら。
一見すると非常によさそうな間取りにも見えるかと思いますし「これのどこが失敗なの?」という感じだと思います。
確かにこれだけ見ると失敗しているようには全く見えません。
なんなら人によっては、この間取りがどうなっているのかすら読み解けないという人もいるかもしれません。
実は、大開口の窓はよく考えずに設置してしまうと、
- 家具が配置しづらい
- 大開口が駐車場に面していると車が常に視界に入り、景色がよくない
という現象が起こるのです。
この間取りもまさにそれが起きています。
窓にかかる形で家具が設置されています。
こういうパターンで提案される間取りはそこそこあるイメージで、これですとせっかくつけた大開口も無駄になります。
また、当然大開口の先の景色も考慮した上で窓を設置しなければ、大開口の窓をつけたのに結局1日中カーテンが締め切り状態になってしまった、というようなことも普通に考えられます。
それですと、大開口の窓をつけた意味とは何だったのかとなりますし、大きな窓には特注のカーテンをつくらなければならないので、その費用も余計にかかってしまうわけです。
大開口の窓を設置したい気持ちや憧れもわかるのですが、大開口の窓を設置することが目的となった間取りは、後々整合性を取るのが難しいのです。
では、大開口の窓を設置する場合、どのようなことに気をつけて設置すればいいのかというと、ポイントは3つです。
- 開口と同時に外構計画も検討する
- 家具から逆算した間取りづくりをする
- ロジアや塀を活用してきれいな景色をつくる
以上の3つがポイントになります。
開口と同時に外構計画も検討する
1つ目の『開口と同時に外構計画も検討する』ということに関しては、そのままの意味です。
これまでお伝えしてきている通りで、大開口の窓を設けるなら、シンプルに視線の先の景色を意識しましょうということです。
ただ、視線の先の景色を意識しましょうとは言ったものの、基本的にハウスメーカーの外構提案は、全ての打ち合わせが終わった段階で行われるものなのです。
ですので、担当の営業マンや設計士によっては、契約後全然外構の提案をされないまま家づくりが進んでしまうことも普通に起こります。
もう少し具体的に説明すると、家づくりのざっくりとした流れは、
- ハウスメーカーと契約し、その際に間取りの大枠が確定
- ハウスメーカーと契約後、詳細な打ち合わせを実施
- 間取りの詳細が確定したら、変更契約もしくは着工合意に捺印
- 工事の開始
- 外構とインテリアの打ち合わせ
といった感じで進んでいきます。
見てもらえればわかりますが、外構の打ち合わせは最後です。
ですのでほとんどの場合、取ってつけたような外構提案になりがちなのがハウスメーカーでの家づくりなわけです。
これですと、大開口の窓を設けた先の景色が残念なことになりやすいので、そうならないようにするために、詳細までがっつり打ち合わせはしないまでも、ある程度は最初の段階で外構計画の打ち合わせもしておいた方がいいのです。
家具から逆算した間取りづくりをする
2つ目の『家具から逆算した間取りづくりをする』ということも外構と同様です。
インテリアの打ち合わせは、外構と同様で最後なのです。
ただ、世界的に有名な建築家であるミース・ファン・デル・ローエやル・コルビュジエがしてきたように、本来は建物に合わせて家具をつくった方が、その空間と一体となった家具をつくれるのです。
しかし、そのようなことをしてしまうと金額が高くなってしまいます。
さらに、家具の作成期間も相当長くなることから合理的ではありません。
だからこそ、世界初の家具デザイナーであるマルセル・ブロイヤーを筆頭に、家具デザイナーとよばれる人たちがどんどん誕生し、世の中にデザイン性のいい家具を量産していくことになるわけです。
そして家具から逆算することで、空間と家具を一体化させようとしました。
ですので、建物に合わせて家具をつくるのも、家具に合わせて建物をつくるのも、アプローチの仕方は逆でもやっていることは同じなのです。
そのため家具から家づくりを始めた方が、クオリティの高い家をつくれるのです。
外構もそうですが、家具に関してもなるべく早い段階から、何を入れるのか、何を入れたいのかを決めておくことをおすすめします。
ロジアや塀などを活用してきれいな景色をつくる
3つ目の『ロジアや塀などを活用してきれいな景色をつくる』ということについてですが、これに関しては間取りを書いた方がわかりやすいと思うので、間取りを書いてみます。
今回書いた間取りは、ロジアのある間取りです。
ロジアとは、家の外壁に囲まれた半屋外の中庭のようなスペースのことをいいます。
ロジアでは、家の中ではできないことが気軽にできるため、例えば外からの視線を気にせずにバーベキューを楽しんだり、子ども用のプールを広げて楽しんだり、広さによっては家庭菜園のようなことを楽しんだりもできます。
ロジアのある間取りは、けっこう人気の間取りでもあるのです。
こういう外壁に囲まれた家にしてしまえば、いくら大きな窓を入れても全く問題ありません。
ただ、このロジアをつくろうとするとそこそこ金額がかかるため、コスト的に抑えたいという方には、実現が難しい間取りでもあります。
では、もっとコストを抑えつつ、さらには外からの視線を気にせずに大開口を設けるためにはどうしたらいいのかというと、方法は2つあります。
建物自体の高さを高くする
1つ目が『建物自体の高さを高くする』ということです。
この話をすると、建物自体の高さを高くすることをイメージする方が多いと思うのですが、私が伝えたいのは、建物下の土を盛って建物の高さを出しましょうということです。
これをすることで建物の高さが高くなるので、どんなに大開口をつくったとしても通行人が家の中を覗くことができなくなるのです。
その逆で、家に住んでいる人は堂々とカーテンをせずに大開口を楽しめるのです。
これが1つ目です。
塀をつくって視線を隠す
続いて2つ目が『塀をつくって視線を隠す』ということです。
このパターンの場合は、塀の高さを2.2mくらいまで高くする必要が出てきます。
ですので、室内と庭との距離感を適切に把握し設計できなければ、変に圧迫感を感じることになります。
ただ、きちんと設計さえできれば、外からの視線を遮りつつ、大開口の窓を設置することができるわけです。
そのような感じで、ロジアのある間取りをつくって大開口をつくるというパターンもあるのですが、その他にも建物の高さを上げる、塀をつくるという方法もあります。
ですので、コストに応じてどれを選択するのかを決めていただきつつ、大開口の窓も取り入れてもらえると失敗しない間取りをつくれるかと思います。
ここまでの話をまとめます。
注文住宅のリビングで失敗しやすい間取りということで、大開口の窓の話をさせてもらいました。
大開口の窓はただ設置すればいいわけではなく、
- 大開口を設置するのと同時に外構計画も検討する
- 家具から逆算した間取りづくりをする
- ロジアや塀を活用してきれいな景色をつくる
これら3つの工夫を取り入れた上で大開口の窓をつくるといいですよというお話でした。
また、ロジアのある間取りはコストが高くなる傾向にあるので、建物の高さを上げる、塀をつくるという方法も活用するとコストを抑えられますということもお伝えさせてもらいました。
大開口の窓を入れたいと考えている方は、ぜひとも検討してみてください。
注文住宅のリビングで失敗しやすい間取り3:吹き抜け
注文住宅のリビングで失敗しやすい間取りの3つ目が『吹き抜け』です。
吹き抜けは調整をミスると空間が間延びすることが多いのです。
ですので、無理に設けるくらいだったら、水平方向に広い空間をつくってしまった方が、広く伸びやかな空間をつくりやすかったりするのです。
ただ、この話だけですと少し抽象度が高いと思うので、もう少し解像度を高くしてお話をしていこうと思います。
そもそもの話として、吹き抜けを設けると空間が間延びしやすいとはどういうことなのか、それについて説明をしていくのですが「間延び」というのは言い換えると「余白」です。
つまり、吹き抜けをつくった際に余白がありすぎると、不自然になるということです。
例えばこれを見てください。
ただ単に「おはようございます」と書いてあるだけですが、字と字の間に余白があるせいで読みづらいですし、違和感があります。
この余白から感じる違和感の正体が「間延び」なのです。
また逆に、詰まりすぎていても、それはそれで違和感があるのです。
建物にも同様のことが言えて、ただだだっ広い吹き抜けは空間が間延びしてしまう、つまりは余白のない何とも言えない居心地の悪い空間になってしまうのです。
間延びしないように調整しても、変な調整の仕方をしてしまうと、またそれも居心地の悪い空間になってしまうわけです。
空間が間延びしないように吹き抜けをつくるために、ちょうどいい余白を感じられる吹き抜けをつくるにはどうしたらいいのかというと、それが「比率」です。
というのも、実は建築には美しい形状をつくるための比率というのが存在するのです。
比率とは具体的に2つあります。
1つ目が西洋で使われていた比率で、ル・コルビジェも使っていた「黄金比」、2つ目が日本で誕生した比率で、大和比という別名もある「白銀比」、この2つです。
実は皆さんがSNSで「おしゃれだな。」と思う物件のほとんどが、黄金比か白銀比が使われていて、一流の建築士とよばれる人たちはこのどちらかの比率を多用していることがあります。
なぜなら、そもそも論として建物の箱それ自体の形状が間延びしていたり変に詰まりすぎていたりしたら、どんなに箱の中身で使う建材をよくしても意味がないからです。
では、それぞれの比率について簡単に説明をしていきます。
黄金比
まずは『黄金比』です。
黄金比は1:1.618の割合のことをいいます。
正式な式は1:1+√5/2になりますが、およそ1:1.618という解釈で問題ありません。
身近なものですと、名刺やクレジットカード、あとはAppleのロゴ、ミロのビーナス、モナリザの顔、ピラミッドやパルテノン神殿、日本の金閣寺などが黄金比でつくられています。
作成されたものも国も地域もバラバラなのに、現代でも共通して美しいと感じられる比率、それが黄金比なのです。
例えば目安として、尺モジュールとよばれる910mm×910mmのマス目を積み上げて家づくりをするハウスメーカー、具体的には住友林業、ダイワハウス(鉄骨)、ダイワハウス(木造xevoBeWood)、ヘーベルハウス、パナソニックホームズ、三井ホーム、セキスイハイム、ミサワホーム、一条工務店で、幅4モジュール、つまり910mm×4モジュールで、幅3,640mmの大きさで1つの空間をつくる場合、幅3,640mmを1とするので、その1.618倍の約5,890mmがもう一辺となります。
ですので、尺モジュールで開口が4モジュール幅の空間をつくる場合、3,600mm×5,890mm、この大きさがちょうどよく、そして美しく見える形だということになります。
一方でメーターモジュールとよばれる1,000mm×1,000mmのマス目を積み上げて家づくりをするハウスメーカー、具体的には積水ハウス、ダイワハウス(木造xevoGranWood)、トヨタホーム、これらのハウスメーカーで幅4モジュール、つまり1,000mm×4モジュールで幅4,000mmの大きさで1つの空間をつくる場合、幅4,000mmを1とするので、その1.618倍の約6,472mmがもう一辺となります。
ですので、メーターモジュールで間口が4モジュール幅の空間をつくる場合、4,000mm×6,472mm、この大きさがちょうどよく、美しく見える形だということになります。
白銀比
続いて『白銀比』です。
白銀比は、日本で誕生した比率です。
ですので「大和比」ともよばれ、1:√2、つまり1:1.414が白銀比の比率になります。
具体的には、法隆寺や五重塔の屋根の最下層と最上層の比率、スカイツリー、畳、A4用紙、ドラえもんの寸法などなど、これらで白銀比が使われています。
基本的に白銀比は、日本建築の美しさを出すために用いられる比率で、これがどういうことかというと、日本は西洋と比べて物のつくり方が特殊だったのです。
例えば昔、海外では木材を切り出す時に丸太状にしてそれをそのまま山から降ろすということをしていたのですが、日本は川などを用いて様々な運搬方法を使って木材を運んでいたのです。
運びやすくするために、ある程度山の中で木を切った上で運んでいたのです。
しかし、適当なサイズで木を切ったら使えない木材が出てきます。
ですので、木を切っても無駄なく使える寸法として白銀比が誕生したといわれています。
そういった背景もあって、日本建築や和モダン系の住宅を設計する時は、白銀比が多く用いられるわけです。
こちらも黄金比と同様に目安を計算すると、尺モジュールで幅4モジュール、つまり910mm×4モジュールで幅3,640mmの大きさで1つの空間をつくる場合、幅3,640mmを1とするので、その1.414倍の約5,147mmがもう一辺となります。
尺モジュールで間口が4モジュール幅の空間をつくる場合、3,640mm×5,147mm、この大きさがちょうどよく、そして美しく見える形だということになります。
一方で、メーターモジュールで幅4モジュール、つまり1,000mm×4モジュールで幅4,000mmの大きさで1つの空間をつくる場合、幅4,000mmを1とするのでその1.414倍の5,656mmがもう一辺となります。
メーターモジュールで間口が4モジュール幅の空間をつくる場合、4,000mm×5,656mm、この大きさがちょうどよく、そして美しく見える形だということになります。
これが黄金比と白銀比それぞれの説明になるのですが、これらの比率を使うことで、間伸びしない吹き抜けにできるのです。
吹き抜けをつくりたいという方は、比率がきちんとしているかどうかを1つの参考指標としていただければと思います。
ただ吹き抜けの話を聞いて「吹き抜けをつくりたいけど夏は暑くて冬は寒い家になりそう。」と思われる方もいると思います。
そこに対しても補足しておくと、吹き抜けのある家で夏は暑くて冬は寒い家になるのは、シンプルに建物の断熱性能・気密性能が悪いからです。
むしろ、断熱性能・気密性能を高くした家は、吹き抜けがあった方が空調効率がよくなるのでいいのです。
実際に私の自宅も1、2階合わせて50畳くらいあるとんでもなく大きい吹き抜けがあるわけですが、断熱性能と気密性能を高めているということもあって、夏場は1、2階それぞれで6畳用エアコン1台ずつつけることで十分に涼しいです。
しかも弱風です。
強風運転はほぼしません。
冬場は暖気が上に上がるということもあって、1階のエアコン1台つけるだけでかなり温かくなります。
むしろ暑いくらいです。
そんな実体験も含めてお伝えをしておきますが、今までの日本の住宅の断熱性能・気密性能が低すぎたのです。
そのため吹き抜けをつくると暑かったり寒かったりしただけなのです。
一方で、断熱性能と気密性能を高めた家というのは、皆さんが想像している以上に快適です。
ですので、吹き抜けをつくる方のみならず、みなさん建物の断熱性能・気密性能はしっかりと上げるようにしましょう。
注文住宅のリビングで失敗しやすい間取り4:床材の方向
続いて、注文住宅のリビングで失敗しやすい間取りの4つ目が『床材の方向』です。
床材の方向といわれても「何のこと?」と思われる方もいると思いますが、実はフローリングを張る向きは調整できるのです。
例えば、視線の伸びる方向を意識してウッドデッキと繋げるかのようにフローリングの向きを調整して張る、
ウッドデッキとフローリングが繋がるようにフローリングを張ってしまうと変に空間が間延びしてしまうので、そうならないようにあえて繋がらないように張ってみるなど、
視線の伸びる方向や空間の形を考慮して適切な向きを選ぶことで、よりクオリティの高いリビングに仕上げることができます。
たったそれだけの話ですが、そういった細かい配慮の積み重ねが建物のクオリティに大きく関わってくるのです。
こちらから何も指示しないと、なんとなくでフローリングが張られることになるので、フローリングの張る向きに意味を持たせる場合は、担当の営業マンや担当の設計士に意見を聞いてフローリングの張る方向を調整してみてください。
また、フローリングの向きに対して何も言ってこない担当者であれば、流れでフローリングの張る方向が決まってしまうかもしれないので、施主側から指示するようにしましょう。
注文住宅のリビングで失敗しやすい間取り5:居場所の少ない間取り
最後に、注文住宅のリビングで失敗しやすい間取りの5つ目が『居場所の少ない間取り』です。
ここで皆さんにいきなり質問なのですが、一般的にLDKと聞いてどんな形のLDKを思い浮かべますか?
おそらく対面キッチンがあって、そこに隣接する形でダイニングテーブルがあり、あとはリビングにソファーがある、そのような間取りを想像したのではないかと思います。
しかし、そういった一般的なLDKは居場所が少ないです。
大体がダイニングテーブルの椅子かソファーのどちらかです。
これですとあまりにも居場所が少ないですし、もっと柔軟にいろいろと落ち着ける場所があった方がよかったりもします。
例えばですが、こちらの間取りのように階段の1段目をベンチにしたり、その延長上に外部にもベンチがあるようにしたり、このような感じで造作で居場所をつくるのもありだと思います。
これならダイニングの椅子やリビングのソファー以外の場所でも落ち着いてくつろげます。
少し気分を変えたいなという時に使えます。
ただ、造作は意外とお金がかかりますし、固定されてしまうので可変性がなかったりします。
それはいやだなということで、可変性を求めるのであれば既製品の家具で居場所をつくる必要があるわけですが、それはそれで最初から入れ込む家具を想定した家づくりをしなければなりません。
極端な例を出すと、これを入れるパターンです。
この畳スペースは誰がどう考えても最初からこれを入れる想定で間取りをつくっておかなければ入れられません。
ただ、一度これを入れる想定で間取りをつくってしまえば1つの居場所をつくれますし、もし仮にこの畳スペースが飽きたなということであれば、この家具を売るなりなんなりして別の空間に仕上げることもできるのです。
ですので、既製品の家具で居場所をつくるという方法もあるのですが、それには前提としてどんな既製品の家具を入れた方がよいのか、その知識がないと居場所を増やす提案はできないということになります。
これから注文住宅の打ち合わせを開始しようと思っている方は、自分たちは造作家具で居場所をつくっていくのか、それとも既製品の家具で居場所をつくっていくのか、どちらにするのかを考えて居場所を増やすことにトライしてみてください。
注文住宅のリビングで失敗しやすい間取り5選のまとめ
今回は『注文住宅のリビングで失敗しやすい間取り5選』というテーマでお話をしてきました。
まとめると、
- コーナー開口
- 大開口の窓
- 吹き抜け
- 床材の方向
- 居場所の少ない間取り
以上がリビングで失敗しやすい間取りの5つになります。
もちろん失敗しやすいというだけであって、使い方や考え方がしっかりしていれば失敗することはありません。
ですので、皆さん自身も学んでいただければと思います。
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