この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。
注文住宅と建売住宅のどちらを購入するか迷っている方は多いことでしょう。注文住宅と建売住宅はそれぞれ特色や強み、注意点があります。どちらを購入するか比較・検討する際には、注文住宅と建売住宅、それぞれの特徴を知ることが大切です。
今回は、注文住宅、建売住宅それぞれのメリット・デメリット、購入がおすすめな人の特徴を解説します。住宅の購入を検討している方も参考にしてください。
建売住宅とは

建売住宅とは、土地と新築住宅がセットになって販売されている住宅の総称です。すでに建築されている住宅を見学して購入するスタイルが一般的ですが、着工前の状態で販売されているケースもあります。
すでに建築されている住宅を購入するため、万人向けの無難な間取りやデザインの住宅が大半です。トイレ・お風呂・キッチン等の水回りをはじめとする設備も変更できません。そのため、提示されている金額から大きな変動はなく、購入後短期間で入居できます。
注文住宅とは

注文住宅とは、購入したり所有したりしている土地に施主自身が契約したハウスメーカーを利用して家を建てる方法です。施主が自らハウスメーカーを選んで間取りを決め、設備を選んでいきます。
施主のこだわりが反映でき、希望通りの家が建てられることが注文住宅の大きなメリットです。その一方で、総費用が予算を大幅にオーバーしたり土地を探すところから含めたら、竣工まで長い期間がかかったりするケースもあります。
なお、注文住宅について理解を深めたい方は、住宅系YouTuber「まかろにお」が運営しているYouTubeチャンネル、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」をチェックしてみてください。まかろにおは、『人から始める家造りの重要性を世に広める』をコンセプトとしています。元大手ハウスメーカー勤務の経験を活かし、中立的な立場で家づくりに役立つ情報を配信しているのが特長です。
建売住宅のメリット・デメリット

建売住宅はすでに建築済みの物件を土地と一緒に購入するスタイルですが、それがメリットにもデメリットにもなり得ます。ここでは、建売住宅のメリット・デメリットを解説します。
メリット
建売住宅のメリットは、主に次の4点です。
予算を把握しやすい
建売住宅は、販売価格に土地の購入費用・施工費用等がすべて含まれており、大きな変動はありません。たとえば、4,500万円の建売住宅にちょっとしたオプションをつけたら5,000万円になった、というような事例はごくまれです。
したがって、予算を把握しやすく、余裕をもって住宅ローンを組みやすいことがメリットです。また、家を探す際も「予算の上限は××円まで」と決めて物件を絞っていけば、予算どおりの家を購入できるでしょう。
注文住宅に比べて価格が安い
同じ坪数や立地条件で比較した場合、建売住宅は注文住宅より安価な物件が多めです。建売住宅の価格が安いのは、主に次の理由のためです。
- ハウスメーカーが広大な土地を取得して一挙に建築・販売するため
- 同じ設備や建材を大量に仕入れているため
- 間取りが決まっており、打ち合わせの時間が必要ないため
- 同じ間取りで複数の住宅を一度に作るので工期が短縮できるため
- 極端に高価な設備を利用しないため
短期間で同じ間取りの物件を多数建てるだけでも建築費用は抑えられるため、販売価格も安価にできるのです。
購入から転居までの期間が短い
建売住宅はすでに住宅が完成しているため、売買契約が成立すればすぐに入居ができます。そのため、「子どもの入学までに新居を購入したい」「特にこだわりがないため、できるだけ早く住宅を購入したい」といった方には、大きなメリットです。
また、購入から入居までの時間が短ければ、仮住まいにかかる費用も節約できます。つなぎ融資を利用せずに済むこともメリットです。
生活の計画を立てやすい
建売住宅は、「建築工事が遅れているので竣工時期がずれる」といったことはありません。そのため、売買契約から引越し、子どもの学校関係の手続き、役所での手続きなど、やるべきことの計画が立てやすいのがメリットです。
また、「竣工時期が遅れるので仮住まいの家賃が1ヶ月分余計にかかる」といったこともないため、経済的な負担が増える心配もありません。
デメリット
建売住宅のデメリットは、主に次の2点です。
施主の自由に間取りや設備を選べない
建売住宅はハウスメーカーが決めた間取りや設置した設備から変更できません。たとえ着工前に売買契約を結んでも同様です。
そのため、「妥協したがあのメーカーの設備を使いたかった」「我が家のライフスタイルでは、この間取りは少々使いにくい」といった不満が出やすいことがデメリットです。
特に、家にこだわりがある方が予算の都合で建売を選ぶと後悔しがちな傾向があります。
建築過程が見えない
注文住宅は、建築の過程がわかりません。そのため、見えないところに不備があっても気が付きにくいことがデメリットです。
また、後付けができるが高価な設備が欲しい場合は、予想外の出費が発生する可能性もあります。特に、太陽光発電や蓄電池などの設備が欲しい場合は、設置したうえで販売している物件を探さないと後付けが難しいケースもあるでしょう。
注文住宅のメリット・デメリット

続いて、注文住宅のメリット・デメリットを解説します。建売住宅の場合と比較してみてください。
メリット
注文住宅のメリットは、主に次の3点です。
間取りや設備の自由度が高い
注文住宅最大のメリットは、間取りや設備の自由度が高いことです。設計士やハウスメーカーの営業担当者とうまくコミュニケーションが取れていれば、何年住んでも使いやすい理想の間取りの家づくりができるでしょう。
また、ハウスメーカーが選び抜いた設備も自由に設置できます。最新の製品はもちろん、外国製の設備も設置可能です。
施主のこだわりが反映できる
注文住宅は、施主のこだわりを反映できます。イレギュラーな間取りやデザインを提案しても、建築士やハウスメーカーが引き受けてくれれば実現可能です。
外装や内装に強いこだわりを持っている方ほど、注文住宅のほうが満足度の高い家づくりができるでしょう。
高性能(断熱性・耐震性・耐久性)の家を建てられる
ハウスメーカーの中には、性能性にこだわりを持った商品を提供しているところも多いです。そのため、建売住宅と比べると、注文住宅は断熱性・耐震性・耐久性の高い高性能の家が建てられます。
また、オプションとして断熱材を追加したり耐久性の高い建材に変更できたりする商品を販売しているところもあります。地域によってはオプションを利用して高性能の家を建てたほうが格段に暮らしやすくなるケースもあるでしょう。
デメリット
注文住宅のデメリットは、主に次の3点です。
家を建てる総費用が高くなりやすい
注文住宅は施主の希望どおりの家づくりができる一方、予算の上限がないため総費用が高くなる傾向があります。
家の設備や建材はグレードが高く高額なものほど機能性に優れ、見栄えもします。そのため、比較すると高額な製品を選んでしまいがちです。
その結果、予算が大幅にオーバーするケースも珍しくありません。総費用が上がると自己資金もその分多く必要になり、ローンの審査が厳しくなる可能性もあります。
総費用の内訳を理解し、上限を設定しておくなどの対処が必要です。
竣工までに時間がかかる
注文住宅を建てる時期や建築する場所によっては、竣工までに時間がかかるケースもあります。土地を探すことから含めると、家が竣工するまで数年かかる場合もあるでしょう。
「子どもの進学や、独立に合わせて家を建てたい」など期限が決まっている場合は、建売を選ぶ方がメリットが大きいこともあります。
住宅ローンを借りる際に手間がかかる場合もある
住宅ローンは、融資を申し込む金額が大きいほど審査も厳しくなります。年収や職業、勤務年収によっては申し込んだ額より低い金額しか融資を受けられないケースもあるでしょう。
また、つなぎ融資を利用すれば住宅ローンが高額になる可能性もあります。高額な住宅ローンを組むほど返済が行き詰まる危険性も高まります。
住宅ローンを組む上限は手取りの7〜8倍といわれていますが、子どもの進学など大きな出費が必要なイベントが控えている場合は、余裕ある返済ができる額でローンを組むのがおすすめです。
建売住宅と注文住宅はどっちがいい?
続いて、建売住宅と注文住宅を比較し、それぞれ向いている人を解説します。どちらの方法で家を購入するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
建売と注文住宅の比較
建売と注文住宅を比較してまとめると、下の表のようになります。
項目 | 建売 | 注文住宅 |
---|---|---|
費用 | あらかじめ提示されている金額から大きく変動することはない。 | 施主の希望や必要な工事に応じて総費用が大きく変動する可能性がある |
住宅ローンの組みやすさ | 費用が明確なので組みやすい | 総費用が高額になった場合は審査に時間がかかるつなぎ融資が必要になる可能性がある |
工事にかかる期間 | ほぼなし | 竣工まで時間がかかる可能性がある |
間取りの自由度 | なし | 施主の自由度が高い |
デザイン性 | 無難なものが多い | 施主の希望を反映できる |
快適さ | そこそこ | 施主の希望に応じて性能をカスタマイズできる |
安全性 | 建築基準法に基づいた安全性は保証されている | 耐震性・耐火性・耐久性などをより高めた住宅を建築できる |
寿命 | メンテナンスを怠ると短くなる可能性がある | ハウスメーカーのアフターフォロー等により建売住宅より長めになる傾向がある |
失敗・後悔しない | 間取り・設備の自由度が少ない分、何かしら我慢をする部分が出やすい | 施主が十分な知識を持って家づくりにのぞめば満足する家づくりができる |
その他 | 事情があって家づくりに時間をかけられない場合に適している | 施主も家づくりの知識を深めておかないと後悔する可能性がある |
建売住宅は既製品、注文住宅はオーダーメイドと考えると、違いを理解しやすいでしょう。
既製品は、大量生産が可能で価格を抑えられる一方、購入者の細かい希望には応えられません。
一方、オーダーメイドは購入者の細かい希望まで応えられるメリットがある一方で、価格は高くなります。また、購入者自身にある程度製品に関する知識がないとオーダーメイドのメリットを活かせません。
特に、間取りやデザイン、設備の選択はハウスメーカーの営業担当者に任せっぱなしにしてしまうと、後悔する可能性があるでしょう。
建売住宅の購入が向いている人
建売住宅の購入が向いている方の主な特徴は、次の3つです。
時間をかけずに住宅を購入したい
事情があって住宅購入にかけられる時間が少ない場合は、建売住宅のほうがおすすめです。子どもの入学や進学、施主の定年に間に合わせて家を購入したいといった場合も、引き渡しまでの期間が短い建売のほうが適しています。
住宅購入の費用を抑えたい
建売住宅は、最初に提示された金額に土地の購入費用から住宅の価格まですべて含まれています。余計な費用が発生したり、契約直前で価格が大幅に変動したりすることはほとんどありません。
また、住宅の価格も注文住宅に比べると安価な物件が多いため、住宅購入にかかる費用を可能な限り抑えたい方は、建売が適しています。
現物を見たうえで住宅を購入したい
建売住宅は住宅の現物を見て購入できます。見えない部分もありますが、設備も使い勝手などがわかることは大きなメリットです。住宅を内覧したうえで購入を決めたい方は、建売住宅のほうが適しています。
注文住宅が向いている人
一方、注文住宅の購入が向いている方の主な特徴は、次の4つです。
家づくりにこだわりがある
家づくりにこだわりがあり、間取りや外観のデザインに強い希望がある場合は、注文住宅のほうが適しています。家は建てて終わりではなく、何十年も住み続けるものです。
家に対して不満や後悔が多ければ、愛着もわきません。一生に何度も購入できないものだからこそ、希望を優先することも大切です。
家づくりにある程度予算と時間がかけられる
時間と費用がかかっても、満足いく家づくりをしたい場合も注文住宅が適しています。家づくりは時間とまとまった費用がかかります。可能であれば、1年以上の余裕をもって家づくりを始めましょう。
利用したいハウスメーカーがある
利用したいハウスメーカーがある程度絞れている場合も、注文住宅のほうが適しています。
ハウスメーカーにはそれぞれ特色や強みがあります。「このハウスメーカーを利用して、全館空調の家を建てたい」「このハウスメーカーの家は耐久性が高いから利用したい」といった場合は、一度ハウスメーカーの窓口に相談してみるのがおすすめです。予算と期間が合えば、満足度の高い家づくりができるでしょう。
高性能な家を建てたい
近年の日本では定期的に大きな地震が発生しており、台風をはじめとする自然災害も増加傾向です。注文住宅のほうが、予算が高い分ハウスメーカーの強みを活かして高性能な家を建てられます。
また、高性能の家は初期費用がかかりますが、適切なメンテナンスをすれば家自体の寿命も長くなります。
費用を抑えて注文住宅をつくるためのポイント

「予算に限りがあるので注文住宅を選ぼうか迷っている」「予算を抑えて注文住宅を建てるコツがあれば知りたい」と悩んでいる方も多いでしょう。最後に、価格を抑えて注文住宅を建てるコツやポイントを解説します。
大手ハウスメーカーの規格住宅を利用する
大手ハウスメーカーの中には「規格住宅」と呼ばれる商品を販売しているところもあります。規格住宅とは、大量生産することでコストを抑えた商品の総称です。
規格住宅は、選択できる間取りや設備がある程度決まっています。自由度は低くなりますが、その分価格は抑えられます。しかも、ハウスメーカーを選べば、建売住宅よりも性能の高い家が建てられることもメリットです。
規格住宅の一例を挙げると、次のような商品が該当します。
- 一条工務店:HUGme
- 三井ホーム:MITSUI HOME SELECT
- ヘーベルハウス:my DESSIN
興味がある方は、一度ホームページをチェックしたりカタログを取り寄せたりしてみましょう。なお、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内にある各ハウスメーカーの特徴を紹介している動画をチェックすれば、より理解を深められます。
土地探しをハウスメーカーに依頼する
土地探しは不動産業者というイメージが強いですが、ハウスメーカーにも土地探しは依頼できます。土地探し、土地購入、ハウスメーカー探しといった順番で家づくりを進めていくと、ハウスメーカーを探す時間がどうしても短くなり、十分に比較・検討できません。
ハウスメーカーに土地探しを依頼すれば、最初にハウスメーカーの比較・検討から始めるため、十分に時間をかけて施主の希望を実現するハウスメーカーを選べます。また、土地を購入する際の手数料などを節約できることも大きなメリットです。
「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内にある「注文住宅を建てる場合、土地探しは自分でしてはいけない!」も併せてチェックしてみると、ハウスメーカーに土地探しを依頼するメリットがより詳しくわかります。
家のデザインや設備を変える
注文住宅は、内装・外装のデザインや設備によって価格が変わります。建築にかかる費用を抑えたい場合は、次のようなデザイン変更を検討してみましょう。
- 建物の高さを低くする
- 片流れの屋根にする
- ベランダをなくす
- 窓・扉をなくす
また、不要なオプションをつけなければ、費用をより抑えられます。
ただし、やみくもに設備のランクを落としたりデザインを変更したりすると住みにくい家になってしまいます。営業担当者や建築士ともよく相談し、必要な設備やデザインを取捨選択していくことが大切です。
「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内の「【損失500万以上】後悔する注文住宅オプション15選」や「住宅価格高騰に備える!初期コスト大幅カット術10選」も一緒にチェックしてみると、必要な設備を選ぶポイントやコツもわかります。
まとめ
注文住宅と建売住宅はそれぞれメリット・デメリットがあります。家を購入する目的、家に求めるもの、予算等によってどちらが適しているか判断しましょう。
ただし、「予算がないので注文住宅を選べない」と悩んでいる場合は、注文住宅でも価格を抑えて建てる方法もあります。「せっかく家を建てるなら、愛着がわきやすい施主のこだわりを反映した家を建てたい」と考えている場合は、情報を集めて複数のハウスメーカーを比較してみましょう。
「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」には、注文住宅づくりを成功させるために必要な情報が詰まっています。家づくりを始める方は、ぜひチャンネル登録したり、動画をチェックしたりしてみてください。