現在注文住宅市場を取り巻く状況は非常に厳しいものとなっています。
具体的には、
- 地価の上昇
- 建築資材費の上昇
- 30年前から変わらない所得
これらが要因となっているからです。
そしてこのような状況であるが故に、なかなか大きな家を買うことができず、住宅の狭小化が進んでいるのです。
ただ、そうとはいえ、狭小住宅はネガティブな印象がありませんか?
窮屈、居場所がなさそう、などそのような印象です。
それらネガティブな印象を設計で解決し、さらに狭小住宅ならではのコスト面でのメリットを最大限活かせれば「冷暖房の効きが良く、更にメンテナンス費用の少ない住まい」をつくることができるわけです。
そこで本記事では『狭小住宅の狭さを解消する間取りの工夫10選』を紹介していきます。
狭小住宅が1つのトレンドに
ここ最近、住宅の狭小化がトレンドになりつつあります。
その理由としては大きく分けて3つあって、
- 地価の上昇
- 住宅資材価格の上昇
- 上がらない所得
これらが原因で住宅の狭小化がトレンドになっているのです。
それぞれ簡単に見ていきましょう。
地価の上昇
まず1つ目の地価の上昇についてですが、東京都は2013年から上昇傾向に転じています。
一方、神奈川県・埼玉県・千葉県は、東京都に比べると上がり方が鈍く、しばらく横ばい状態・微増傾向が続いていましたが、2020年には、ほぼ2011年並みの水準に戻っています。
また大阪府と京都府に関しては2016年から微増に転じているといった感じです。
このような感じで、地価が徐々に上がってきているのです。
しかもこれだけ地価が上がると、それにつられるようにして周辺の地価も上がるので、結構田舎の方まで行かないと安い土地は見つからない状況になっています。
そのため、買いたくても大きな土地を買える人が少なくなってきていて、どうしても小さな土地を買うしかなくなってきているのです。
これが住宅の狭小化がトレンドになっている理由の1つ目です。
住宅資材価格の上昇
続いて2つ目、住宅資材価格の上昇についてですが、コロナの影響で木材や鉄骨の価格が上昇傾向です。
グラフを見ればわかりますが、価格の上がり方がえげつないです。
また、工事費単価と建設工事費デフレーターの推移を見てください。
このグラフを簡単に説明すると、値上がりした建築資材の費用を企業が負担している、というグラフです。
もっと詳しく説明をするなら、黄色い線と青い線の差分が、企業が負担している費用だということです。
今後さらに住宅の値段は上がるということがこのグラフから読み取れるわけです。
上がらない所得
そして最後に、上がらない所得についてです。
日本の平均年収は平成20年頃(2008年)から現在まで、ほぼ変わっていません。
しかも平均給与額は、2019年の436万円から2020年頃では0.8%減の433万円 になっているのです。
上がるどころか、むしろやや下がっている状況です。
そのため、
- 地価の上昇
- 住宅資材価格の上昇
- 上がらない所得
これらの理由から、住宅の狭小化がトレンドなっているわけです。
なかなか絶望的ですよね。
住宅の狭小化と聞くと「狭いのは嫌だ」「せっかくなら広い家にしたい」など、ネガティブな印象を持たれる方が多いと思います。
しかしながら、実際は家を狭小化、言い換えるとコンパクトにした方が、得られるメリットがたくさんあるのです。
狭小住宅を建てるメリット・デメリット
まずメリットなのですが、
- 冷暖房の効きが早いので光熱費を抑えられる
- 固定資産税を抑えられる
- 建築費を抑えられる
- 家の質を上げることができる
- 生活動線が短いので便利
- メンテナンス費用を抑えられる
- 掃除が楽
以上が狭小住宅のメリットになります。
反対にデメリットは、
- 窮屈な感じがする
- 収納が限られる
- 来客時に不便
- 庭が造れない
- 一人になりにくい
- 家具を想定した家づくりが必要
これらがデメリットになります。
このように書き出してみると、メリットが金銭面でのメリットで、デメリットが設計面でのデメリットであることがよくわかります。
つまり、狭小住宅を建てる場合、設計面でのデメリットさえ解消してしまえいいのです。
そうすることで、デザイン性やコスト面に優れた、非常に合理的で満足度の高い家づくりができるわけです。
なるほどと思いませんか?
ただし、ここでも問題点はあって、実は狭小住宅を設計するのは非常に難易度が高いのです。
なぜなら、平面だけではなく立体を同時に考えながら間取りをつくる必要があるからです。
そしてさらに、狭小住宅を建てる場合は少しトリッキーな間取りをつくる必要があるため、そういった提案ができる人でないと、先ほど書き出したデメリットをカバーする家をつくることができないのです。
そのため、担当者がものすごく大事になってきます。
ただし、住宅業界には担当ガチャという制度があります。
要は展示場に行ったり、WEB予約をしたり、資料請求をしたりすると、勝手に担当者が決まってしまうわけです。
それで後悔している人がとても多いです。
実際に私のところにも「どうにかなりませんか?」という相談がよくきます。
何とかなるケースもなくはないのですが、原則、担当替えはできないのです。
では、どうすればいいのかというと、それは自分の身は自分で守るしかないのです。
狭小住宅の狭さを解消する間取りの工夫10選
ということで、ここからは皆さんの引き出しを増やすべく、狭小住宅の狭さを解消する間取りの工夫を紹介していきます。
壁を天井に繋げない
まず1つ目は『壁を天井に繋げない 』ことです。
これをすることで、空間に繋がりを持たせることができます。
例えば、適度に空間が区切られているような感じになり、限られた空間でも広さを感じつつ、ある程度プライベートも保たれるようになるわけです。
この設計手法は、実は福岡県にあるキッチンハウスのショールームでも使われています。
この建物は、建築家の窪田勝文さんが設計した建物なのですが、すごくカッコいいですよね。
私も以前この建物に行ったのですが、すごくおしゃれでした。
さらに『壁を天井に繋げない』設計手法を取り入れているので、ただでさえ広く感じる空間が、より広く感じるのです。
このような感じで、有名な建築家の方も実際に使っている手法なので、よかったらぜひ取り入れてみてください。
最大視覚の活用
続いて2つ目、『最大視覚の活用 』です。
これは簡単に言い換えると、「斜めに視線が抜けるように間取りをつくる」ということです。
どういうことかというと、例えば正方形をイメージしてみてください。
正方形は対角線を引くと、二等辺三角形ができますよね?
そして二等辺三角形の三平方の定理は『1:1:√2』 ですよね。
つまり斜めの方が通常の1.4倍長いということなのです。
これと同様に長方形の場合は、対角線を引くと直角三角形になるので、割合が『1:2:√3』 になります。
つまり、斜めの方が通常の1.156倍広く感じられるということなのです。
「なるほど」と思いませんか?
そしてこれを一言でまとめると『長さ≒広さ』ということです。
ですので、狭小住宅を設計する時は、長さが取れる方向に視線が抜けているか、これを確認してみてください。
居場所をつくる
続いて3つ目、『居場所をつくる 』ということです。
これは狭小住宅以外でも言えることなのですが、居場所がない家は落ち着かないですよね。
そして居場所がないと、ソファの上が居場所になったり、ダイニングが居場所になったりするわけです。
すると例えばですが、奥さんは旦那さんに対して
- ソファの上で寝転がっていて邪魔
- 居場所がなくて自分はいつもダイニングテーブルに座っている
そういった不平不満が生まれやすくなります。
一方で旦那さんは、「嫁がいつもリビングにいて居心地が悪い」など、そのようなケースもなくはないです。
ですので、家の中にたくさんの居場所をつくってあげることが、家づくりには非常に重要なことなのです。
特に狭小住宅を建てる場合は、よりこれを意識してつくってあげなければ、ただただ窮屈で居心地が悪くなるわけです。
では、具体的にどうすればいいのかというと、それは『段差をつくってあげる』ということなのです。
段差と聞くと「老後のことを考えて言ってるのか?」と言われそうなのですが、その気持ちもわかります。
ただ考えてみてください。
老後段差が上がれないくらいの状態というのは、けっこうやばい状態ですよね?
だったらそうならないために今から定期的に運動しておくべきですし、そのためにも多少の段差はあった方がいいです。
具体的には、「小上がりの和室」をつくってあげたり、「ピットリビング」のように一段リビングを下げて、リビングとダイニングの境界をハッキリさせてあげるというのもいいかと思います。
ただ、「小上がりの和室」に関しては、普通につくってしまうとけっこう圧迫感が出るので、なるべく重心は低めにつくってあげる必要はあります。
このような感じで、段差を利用して居場所をつくってあげるという手法は、狭小住宅を建てる場合でも、普通の大きさの家を建てる場合でも有効な手段になるので、よかったらぜひともご活用ください!
灯りの重心を低くする
続いて4つ目は、『灯りの重心を低くする 』ということです。
照明はとにかくダウンライトをつければいい、UFOのようなシーリングライトを空間の真ん中につければいいなどと思われる人が多いのですが、これをやってしまうことで、実は部屋全体が単調になってしまうのです。
建売のような可もなく不可もない部屋になってしまい、場合によっては「これだったら注文住宅をわざわざ建てないで建売を買ったほうがよかったじゃん!」となってしまうわけです。
できることなら、せっかくお金をかけるのですから、おしゃれで快適な空間にしたいですよね。
では、おしゃれで快適な空間にするためにはどうしたらいいのかというと、それが『灯りの重心を低くする』ということなのです。
見ていただければわかると思いますが、天井に直接照明がついているのではなく、コードが天井についていて、ぶら下がっているような状態で照明がついています。
これを照明の重心を低くする、といいます。
照明の重心を低くすることで、空間にメリハリができて広さを感じやすくなりますし、同時におしゃれな空間をつくりやすくなります。
さらに、この時に絶対に覚えておいてもらいたいポイントがありまして、それが白熱灯とLEDを使い分けるということなのです。
今現在、世の中はLEDに移行しつつあるのですが、実は白熱灯の方が発色が良く、灯りがきれいなのです。
実際に写真を見てもらえればわかると思いますが、白熱灯だけやたら輝いていると思います。
しかもLEDと比べて目に突き刺さるような光の刺激が少ないので、光を直接見ていられるのです。
これは個人差があるかもしれませんが、ぜひとも一度、白熱灯とLEDの光の違いを試してもらいたいです。
ちなみに白熱灯はご飯を食べるところなど重要な部分につけて、それ以外はLEDにするという使い分けをするのがおすすめです。
玄関はコンパクトにする
最後に5つ目、『玄関はコンパクトにする』についてです。
玄関はこだわっておいた方がいいです。
なぜなら玄関は家の顔だからです。
というのも、玄関は一目に多く触れる場所の1つです。
親戚や友人、近所の人から、さらには郵便配達員の人まで、いろんな人の目に触れるのが玄関です。
そのため玄関はこだわっておいた方がいいわけなのですが、一方で玄関は『見栄』とも捉えられるわけです。
これがどういうことかというと、例えば来客が少ない家庭の場合は、わざわざ玄関にこだわってお金をかけるより、他のことにお金を回した方が圧倒的にいい家をつくることができるわけです。
特に狭小住宅を建てる場合、普通に間取りをつくっていたらスペースが足りなくなります。
ですので、見栄を捨て、玄関は靴を脱ぐだけの最低限の場所にとどめつつ、それ以外を広くした方がいい場合もあるのです。
実際に靴を脱ぐ部分を最小限にとどめて、その他の玄関収納やリビングを大きく取っている事例もあります。
またこちらの写真を見ていただきたいのですが、これ、どこが玄関だかわかりますか?
一見すると、どこが玄関かわからないと思うのですが、実はマット部分が玄関なのです。
そして、脱いだ靴は左にある大きな連続した収納の下に隙間があるので、そこに靴をスライドさせてしまうのです。
廊下の幅も60cm弱で、人一人がやっと通れる大きさです。
しかし、その分収納や他のスペースが取れているので、全然不自由さを感じません。
このような感じで靴を脱ぐ場所を最低限にして、その代わりに他のスペースを広くすれば、限られた空間でも広くすることができるのです。
「来客も少ないし、見栄を張るつもりもない」という方は、玄関を圧縮して他の部屋にスペースを回してみる、ということをしてみてはいかがでしょうか?
外と繋げる
6つ目は、『外と繋げる』ということについてです。
外部の空間をどれだけ取り入れられるかで、限られた空間をより広く見せることができるのです。
例えば、
- 庭や公園のある方向に窓を取って視線の抜けをつくる
- 住宅密集地なら高窓を設けて空の景色を切り取る
そういったことをすることで、外の空間を室内に取り入れ、限られた空間をより広く見せることができるのです。
なるほどという感じですよね?
この設計手法はよく使われるものの、最初からどこの景色を切り取って室内に反映させるのかを決めておかなければできないことなのです。
ですので、設計士の腕が問われる部分でもあります。
また、ここで皆さんに覚えておいてもらいたいことがあります。
それは『設計』という言葉の意味についてです。
実は、設計とは言い換えると「開口部を通じて外部をどれだけ取り入れることができのるか」 ということなのです。
開口部からは多くのものが入ってきます。
具体的に言えば、光、風、熱、音、香り、人(コミュニケーション)などです。
それら外部からやってくるものを制御するのが設計なのです。
当然といえば当然ですよね。
このように言語化すると非常にシンプルではあるのですが、これをしっかりと理解している人は案外少ないのです。
そのため、なんとなくで窓をつけられているケースがけっこうあるのです。
実際に私のところにはよく、「図面のチェックをしてください」ということで依頼が来るのですが、意味もなくつけられた窓がわりと多く見受けられます。
ですので、皆さんも設計とは言い換えると「外部をどれだけ取り入れることができるのか」ということであり、光、風、熱、音、香り、人(コミュニケーション)これら外からやってくるものを制御するのが設計の役割であるということを覚えておいてください。
これが頭にあるだけで、提案された間取りがどのような趣旨でつくられたのか考える癖がつきます。
狭小住宅を建てる時には必ず使うべき設計手法の1つでもあるので、ぜひともこちらの建築手法をご活用いただければと思います。
造作家具を使う
続いて7つ目、『造作家具を使う』ということです。
これ、よくやりがちなことで失敗する定番ではあるのですが、部屋の大きさに対して家具のサイズが合っていないということが多々あるのです。
狭小住宅になればなるほど、家具のサイズ感を合わせて間取り提案をする必要があるのです。
そうでなければ例えば、部屋の大きさと家具の大きさがマッチせず、家具を置いたせいで圧迫感を感じたり、部屋が狭く感じてしまったりするわけです。
ですので、実は家具のサイズ感というのは非常に重要なのです。
では狭小住宅を建てる際に何を意識すればいいんだ?という話だと思うのですが、それが『造作家具を作る』ということです。
やはり市販で売っている家具を入れるよりも、1からその部屋に合わせて家具をつくってしまった方が手っ取り早いですし、間違いないわけです。
ただここで、「その理屈はわかるけど、お高いんでしょ?」と思われた方もいると思いますが、実は工夫次第でどうにでもなるのです。
例えばこちらの写真をご覧ください。
この写真のテレビボード。
実は無垢床の余った木材を使ってつくっているものなのです。
というのも、無垢床は、施工する時に失敗してもいいように、少し多めに部材を発注します。
ただ、実際のところ失敗することは少なくて、最終的に部材が余るケースが多いです。
その余った部材はどうなるのかというと、捨ててしまいます。
でもそれはもったいないですよね。
そこでこのような感じでテレビボードをつくってみたり、あとは机や机兼収納スペースをつくったりすることができるわけです。
そのため、普通に家具を買うよりも安くできて、さらに床材との質感や色味も統一できるわけです。
そして何よりその部屋のサイズにあった家具をオーダーメイドできます。
そのため圧迫感や部屋が狭く感じるといったようなこともなくせるのです。
すごくないですか?
この方法は無垢床を入れるからできる方法にはなりますが、「無垢床を入れたい!」と思っていた方はぜひともやってみてください。
またその他にも「置き家具ではなく、作り付けの家具を作ってもらう」という方法も存在します。
作り付けの家具に関しては、主に契約後の打ち合わせで調整する内容にはなるのですが、最初から『作り付けの家具を提案する』という選択肢が頭にないとスムーズに打ち合わせを進めることができません。
ですので、営業マンの配慮や知識が重要になってくるので、その点はご注意ください。
家具の重心を低くする
続いて3つ目、『家具の重心を低くする』ということです。
重心の低い家具を選ぶことで、視線が抜けるようになります。
例えば、背の高いソファは基本的に選ばない方がいいですし、ソファの足もなるべく細い方がいいので、アイアンのものがおすすめです。
そうすることにより、部屋を広く感じることができます。
これだけではあるのですが、このちょっとしたポイントを反映できるかどうかで部屋の雰囲気は大分変わります。
しかも家具だって決して安いものではないので、少しでも圧迫感をなくして部屋を広く見せるためにも、重心の低い家具を選んでみてください。
個人的におすすめなのは、ビーズクッションを使ってリビングの広さを最大限感じられるようにするということです。
これなら圧迫感を感じにくいですし、さらに自由に移動できるので、コンパクトな空間にはもってこいの商品です。
そして何よりコスパがいい!
子どもがまだ小さく、ソファを汚されても困ると思っている方は、ビーズクッションを1つの選択肢としてご活用ください。
素材の質感を重視する
続いて9つ目、『素材の質感を重視する』ということです。
これに関してはあまり気にしている方がいないように思えるのですが、部屋の中の質感というのはけっこう大事です。
というのも狭小住宅を建てる場合、壁と人の目線との距離が近くなるのです。
当然ですよね。
ですので壁の質感を意識しなければ、のペっとしてしまって、平面に深みがない空間になってしまうのです。
結果、狭い、窮屈、と感じやすくなってしまいます。
これは感覚的なものなので、人それぞれで感じ方は違いますし、伝わりにくいと思うのですが、素材感を意識した壁と、よくあるただの白いビニールクロスを貼っただけの壁では全然部屋の雰囲気が違ってきます。
ですので例えば、左官材とよばれる塗壁を一部に使うと、壁が経年美化していき、平面に深みを与えてくれるのです。
特に高千穂シラスという塗壁は、消臭効果、調湿性、それと素材感、どれも非常に優れていて、実際に私の自宅でも取り入れる予定となっています。
これはぜひともサンプルをオーダーして、実物を見てみてください!
可能であれば施工実例を探して見学してみるといいと思います。
ビニールクロスと比べて室内の雰囲気がガラリと変わります。
引き戸を積極的に使う
そして最後に、『引き戸を積極的に使う』ということです。
引き戸は、開き戸に比べて余計なスペースを使わないのです。
そのため、限られたスペースで家を作る方や、もしくは空間をより広く感じるようにしたいと思っている方は積極的に使うべきです。
また、引き込み戸といって、壁の中に扉をしまうタイプのものもあるのですが、それも見た目がスッキリするのでおすすめです。
ただし引き戸、あるいは引き込み戸には大きなデメリットがあります。
それを理解した上で設置する必要があるのです。
そのデメリットは、遮音性能が低いということです。
というのも引き戸は、開き戸と違って隙間ができているのです。
その隙間から音が漏れる、もしくは音が部屋の中に入ってきやすくなります。
ですので例えば、トイレの近くに引き戸のある部屋をもってくると水の流れる音が聞こえやすくなりますし、しゃべり声なんかもけっこう聞こえてきます。
そのため、設計配慮が必要なのが引き戸、あるいは引き込み戸なのです。
ただし、このデメリットさえ理解して扉を配置すれば、限られたスペースでも有効に使えますし、空間をより広く感じることもできるわけです。
ですので、部屋を広く見せる方法の1つとして、ぜひとも覚えておいてください。
狭小住宅の狭さを解消する間取りの工夫10選のまとめ
狭小住宅の狭さを解消する間取りの工夫10選ということで
- 壁を天井に繋げない
- 最大視覚の活用
- 居場所をつくる
- 灯りの重心を低くする
- 玄関はコンパクトにする
- 外と繋げる
- 造作家具を使う
- 家具の重心を低くする
- 素材の質感を重視する
- 引き戸を積極的に使う
これら10の方法をお伝えしました。
今回お伝えした方法は、狭小住宅を建てるときだけではなく、普通の家を建てるときでも活用できる方法になっています。
ぜひとも皆さんの家づくりにお役立てください。
これから注文住宅の購入を検討したいという方は、わたくし、まかろにおが提供している注文住宅オンライン相談サービス「メグリエ」で大手ハウスメーカーの優秀営業担当を無料でご紹介しています。
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