この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。
木のぬくもりを感じられる住友林業の家は魅力的ですが、デザインと同じくらい「一年中快適に過ごせるか」は重要なポイントですよね。「住友林業の断熱性能は本当に高い?」「標準仕様で十分?それとも、オプションを追加すべき?」といった疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
今回は、住友林業の断熱性能の実力から、見落としがちなデメリットと具体的な対策、断熱等級7の新仕様「付加断熱90仕様」まで解説します。この記事を読めば、家族に本当に必要な性能が見えてくるはずです。
- 住友林業の温暖地の標準仕様は、業界全体で見れば中程度の断熱性能です。
- 断熱を強化するなら断熱等級7の「付加断熱90仕様」を選ぶべきです。
- 外張り20mmの付加断熱仕様は夏型結露のリスクが高く推奨されません。
- 中途半端な断熱強化より全館空調「PRIME AIR」のほうが合理的です。
住友林業の断熱性能を支える標準仕様

画像引用元:木質感あふれるLDKで、すっきり暮らせる家(住友林業)
住友林業の温暖地(4〜7地域)の標準仕様は、国の基準は上回るものの、業界全体で見れば中程度の断熱性能です。MEGULIEが全18社105商品を比較した断熱性能ランキングでも、住友林業BF構法【4〜7地域】は75位という位置づけになっています。まずは、その性能を支えている仕様について見ていきましょう。
断熱等級6の性能
住友林業の温暖地の標準仕様は、断熱性能を示す「断熱等級6」をクリアしています。これは、2022年に新設された基準で、従来の省エネ基準である等級4を大きく上回る性能です。
住宅の断熱性能に関する高い目標を掲げる「HEAT20」のG2グレードに相当し、冬の厳しい寒さや夏の強い日差しに左右されにくい、安定した室内環境を実現できます。ただし、断熱等級6は他の大手ハウスメーカーでも標準化が進んでおり、住友林業の標準仕様が業界トップ級というわけではありません。
UA値0.46前後の断熱性能
住友林業の断熱性能は、住宅の熱の逃げやすさを示すUA値(数値が小さいほど熱が逃げにくい)においても、標準で0.46W/㎡・K前後を実現しています。この数値は、国が推進するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準である0.6W/㎡・K(6地域の場合)をクリアするレベルです。
UA値が低いほど、外の気温の影響を受けにくいため、冷暖房の効率が良くなります。これにより、年間の光熱費を抑えながら快適な室温を保てるため、環境にも家計にも優しい暮らしにつながります。
3層6面構造による高い断熱性
住友林業独自の「3層6面構造」は、家の断熱性能を支える重要なカギです。床・壁・天井を一体化させ、家全体を高性能な断熱材ですっぽりと覆うことで、熱の出入り口となる隙間を極力なくしています。
この構造は、地震に強いBF(ビッグフレーム)構法と組み合わせることで、高い耐震性と断熱性を両立させています。

ただし、大きな窓や開放的な吹き抜けを設けたプランでは、構造の断熱性だけで快適性を確保することはできません。窓や吹き抜けからの冷気対策は、後述するとおり別途検討が必要です。
高性能グラスウール24Kの採用
温暖地(4〜7地域)の推奨仕様で採用されている断熱材は、壁の充填断熱が細いガラス繊維を使った「高性能グラスウール24K」の105mm、天井が同24Kの210mm、床が押出法ポリスチレンフォーム3種の100mmです。繊維が細いほど多くの空気を内包できるため、熱の伝わりを効果的に抑え、高い断熱性能を発揮します。
また、グラスウールは湿気を通しやすい素材ですが、室内側の防湿シートと外壁側の通気層によって、壁の内部に湿気がこもるのを防ぐ設計になっています。これにより、断熱材の性能劣化や結露のリスクを抑え、長期にわたって新築時と変わらない快適な住環境を維持できるでしょう。
住友林業で断熱性能を高めるオプション仕様と費用の目安

画像引用元:360°トリプル断熱(住友林業)
住友林業には、断熱性能を引き上げるためのオプションが複数用意されています。ただし選び方を間違えると、費用をかけたのに建物の耐久性を下げてしまうため注意が必要です。断熱を強化するなら、中途半端な仕様ではなく断熱等級7の「付加断熱90仕様」まで引き上げるのが正解です。ここでは、代表的なオプション仕様と費用の目安、選ぶ際の注意点を紹介します。
なお、ハウスメーカーで安く買うコツについて詳しく知りたい方は、住宅系YouTuberの「まかろにお」が運営する「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」内の「【2021年】大手ハウスメーカー金額ランキングと安く買うコツ」を参考にしてください。
運営者である「まかろにお」は、『人から始める家づくりの重要性を世に広める』をコンセプトとした、チャンネル登録者数14万人以上の住宅系YouTuberです。元大手ハウスメーカーの営業担当として全国1位の成績を収め、その後も不動産融資を扱う大手金融機関での実務経験を経て、幅広いハウスメーカー事情に精通しています。

大手ハウスメーカーの特徴やメリット、デメリット、さらに注文住宅を建てる前に知っておきたい知識を中立的な立場で発信しています。
断熱等級7の新仕様「付加断熱90仕様」にする場合
より高いレベルの断熱性能を求めるなら、住友林業が新たにリリースした断熱等級7対応の「付加断熱90仕様」が選択肢になります。壁は高性能グラスウール28K・105mmの充填断熱に高性能フェノールフォーム90mmの外張り断熱を重ね、天井は吹き込み用セルロースファイバー25K・360mm、床は高性能フェノールフォーム100mmという構成です。この仕様は断熱性能ランキング全105商品中14位に入る、業界トップクラスの断熱性能です。
特に冬の寒さが厳しい地域や、光熱費を徹底的に削減したい方に適した選択肢です。住友林業で断熱を強化するなら、中途半端な付加断熱20mm仕様ではなく、この付加断熱90仕様まで引き上げるべきです。
フェノールフォーム90mmは湿気の通しにくさを示す透湿抵抗値が20m〜40mあり、湿気をほぼ完全に遮断できるため、夏型結露のリスクも大きく下げられるからです。
トリプルガラス樹脂サッシにする場合
住まいの熱の出入りがもっとも大きい場所の一つが「窓」です。標準のペアガラスから、3層のガラスで構成される「トリプルガラス樹脂サッシ」に変更することで、断熱性能を格段に向上させられます。
この変更にかかる費用は、家の大きさや窓の数によりますが、約50万〜100万円が目安です。断熱性だけではなく、遮音性も高まり、結露の発生を大幅に抑えられるメリットもあります。コストを抑えたい場合は、特に熱の逃げやすいリビングの大きな窓や、日当たりの悪い北側の部屋に限定して採用する方法もあります。なお付加断熱90仕様を採用する場合は、壁が厚くなって使える窓が限定されるうえ、玄関ドアを強化しないと結露の温床になります。窓と玄関ドアの強化は必須と考えてください。
付加断熱(ダブル断熱)にする場合の費用と夏型結露リスク
壁の断熱性能を強化する方法として「付加断熱(ダブル断熱)」があります。これは、柱の間に断熱材を充填する従来の工法に加え、建物の外側からも断熱材で覆う手法です。住友林業には外張り断熱に高性能フェノールフォーム20mmを追加する「温暖地付加断熱仕様(提案仕様)」があり、費用は約200万円が目安となります。
ただし、この付加断熱20mm仕様は推奨していませんす。フェノールフォーム20mmは湿気の通しにくさを示す透湿抵抗値が5m〜10mしかなく湿気を断ち切れないうえ、壁の中に温度差が生まれて結露が乾きにくくなるため、夏型結露(夏場に壁の内部で起きる結露)のリスクが跳ね上がるからです。
壁の内部の結露を防ぐには外張り断熱が最低40mm、安全を見るなら60mm以上必要で、20mmは心もとない厚さです。約200万円をかけて建物の耐久性のリスクを背負うくらいなら、後述する全館空調「PRIME AIR」を導入したほうが合理的です。
気密性能(C値)を高める工事を行う場合
高い断熱性能を最大限に活かすためには「気密性」がカギとなります。住友林業は断熱と気密の施工を一度に終わらせる「耳付きグラスウール」を標準採用しており、大手ハウスメーカーの気密性能ランキングでは4位、多くの建物でC値1以下を実現しています。
気密性とは家の隙間の少なさを示すもので、この性能をさらに高めるための専門的な施工や気密測定を追加する費用は、約10万〜30万円です。
どれだけ高性能な断熱材を使っても、家に隙間が多ければそこから熱が逃げてしまい、性能を十分に発揮できません。丁寧な気密施工によって隙間をなくすことで、冷暖房効率が向上するだけではなく、計画的な換気が正しく機能し、室内の空気をきれいに保つことにもつながります。
全館空調「PRIME AIR」を導入する場合
家全体の温度を一年中快適に保つ全館空調も、住友林業の有力なオプションです。住友林業にはPRIME AIRとエアドリームハイブリッドの2種類がありますが、除湿・加湿ができてメンテナンスも少ないPRIME AIR一択で、導入費用は「高効率エアコン4台+第1種換気」を入れるのと同等が目安です。
家全体を効率良く冷暖房できるため、部屋ごとの温度差がなくなり、冬場のヒートショックのリスクを軽減できます。高い住宅性能がベースにあるからこそ、少ないエネルギーでシステムを稼働でき、結果的に省エネにもつながるでしょう。
さらにPRIME AIRは室内の湿度を1年中40〜60%に保てるため、夏型結露対策も兼ねられます。ただし採用できるのは5〜7地域、平屋か2階建て、延床面積は平屋32坪・2階建て38坪まで、断熱等級6以上といった条件があるため、事前の確認が必要です。
住友林業の断熱性能に関するデメリット
住友林業の家は木造住宅として一定の断熱性能を備えていますが、その性能や設計の特性上、注意しておきたい点も存在します。メリットだけではなく、デメリットとなりうる側面も事前に理解しておくことで、家づくりで後悔するリスクを減らせます。ここでは、断熱性能に関連して考えられる3つのデメリットについて見ていきましょう。
大開口や吹き抜けで冷気を感じやすい
住友林業が得意とする大きな窓や開放的な吹き抜けは、空間に広がりと明るさをもたらす一方で、冬場に冷気を感じやすくなる原因となることがあります。これは「コールドドラフト現象」とよばれるもので、窓で冷やされた空気が下降し、床を伝って足元に広がる現象です。高性能な窓を採用していても、壁に比べると窓は熱を通しやすいため、窓際に立つとひんやりとした感覚を覚えます。また吹き抜けは調整を誤ると空間が間延びしやすいため、無理に設けるくらいなら水平方向に広い空間をつくったほうがよいとされています。
なお、リビングで失敗しやすい間取りは、【間取り解説】最悪なリビングの特徴3選と解決策で詳しく解説されています。
気密性が不明確な場合がある
住友林業では、住宅の隙間の量を示すC値を公式には公表しておらず、全棟で気密測定を実施しているわけではありません。
C値(気密性を示す数値。小さいほど隙間が少ない)は断熱性能を十分に引き出すための重要な指標で、契約前に数値を保証してもらえない点はデメリットです。前述のとおり実際の住友林業は多くの建物でC値1を下回りますが、都内の狭小地ではC値1.8、ビルトインガレージ付きの家ではC値2を超えることもあり、100%C値1を切るわけではありません。
気密性能は、設計だけではなく現場の施工品質に大きく左右されます。断熱性能を上げるほど壁の内側と外側の温度差は大きくなり、気密が伴わないと壁の中が結露してカビや柱の腐朽、シロアリの原因になります。実際に工事現場へ足を運び、丁寧に施工されているかを確認しておきましょう。
標準の第3種換気で冷気と乾燥を感じやすい
現在の住宅は24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、住友林業の標準はダクト式の「第3種換気」(給気は自然に行い、排気だけを機械で行う方式)です。熱交換を行う第1種換気は、標準ではなくオプション扱いになります。

画像引用元:全館空調システム エアドリーム ハイブリッド(住友林業)
第3種換気は熱交換を行わないため、冬は給気口から冷たく乾いた外気がそのまま入ってきます。実際に「第3種換気で足元に冷たい風が吹いていた」という声もあり、冬場の乾燥や足元の冷えを感じやすい点は理解しておく必要があります。
住友林業の断熱性能のデメリットへの対策

住友林業の断熱性能に関するデメリットは、適切な対策を計画段階から取り入れることで、その影響を最小限に抑えることが可能です。設計の工夫やオプションの活用によって、快適性をさらに高められます。
ここでは、先ほど挙げたデメリットに対して、具体的にどのような対策が有効なのか解説します。
窓性能を強化して冷気を防ぐ
大開口や吹き抜けからの冷気を防ぐには、窓の性能を強化することがカギとなります。標準のペアガラスから「トリプルガラス樹脂サッシ」へ変更したり、後から「内窓」を設置したりすることで、窓からの熱の出入りを大幅に抑制できます。あわせて、家具の配置や外構計画から逆算して窓の大きさと位置を決めると、冷気の不快感も景色の失敗も避けられます。
また、床暖房を併用すれば、足元からじんわりと暖まるため、コールドドラフトによる不快感を和らげることが可能です。
気密施工を強化して熱損失を防ぐ
気密性への不安を解消するためには、設計段階でその重要性を営業担当者や設計士に伝え、対策を講じてもらうことが大切です。
オプションとして「気密測定」を依頼し、施工後の性能を数値で確認することをおすすめします。測定を依頼することで、現場の職人の意識も高まり、より丁寧な施工が期待できます。特に付加断熱を採用する場合は、断熱性能を上げるほど気密の重要性が増すため、気密測定は必須と考えてください。
第1種換気への変更で冷気と乾燥を防ぐ
換気による冬の乾燥と冷気の対策としては、オプションの第1種換気への変更が有効です。1台で建物全体を換気でき空気清浄能力も高いアズビルの第1種換気「e-kikubari」がおすすめです。
また、加湿器を併用し、長時間過ごす寝室やリビングにはパワフルな機種を用意しておくと安心です。第3種換気のままにする場合は、給気口と排気口の位置にも注意してください。排気口の真下にベッドを置くと外気が直接顔にかかるため、間取りの段階で位置を確認しておきましょう。
住友林業の保証とメンテナンス体制

画像引用元:住友林業の60年保証 アフターサービス(住友林業)
家は建てて終わりではなく、長く快適に住み続けるためには、建てた後の保証やメンテナンス体制が重要になります。住友林業では、断熱性能を長期にわたって維持し、安心して暮らせるためのサポート体制が整っています。ここでは、断熱性能に関わる保証やメンテナンスについて見ていきましょう。
断熱材の劣化を防ぐための保証と施工が行われている
住友林業で標準採用されているグラスウールは、ガラスを主原料とする無機質な素材のため、それ自体が腐ったりシロアリの食害にあったりする心配が少なく、長期的に性能を維持できる断熱材です。
さらに、前述のとおり室内側の防湿層と外壁側の通気層によって、壁の内部に湿気がこもりにくい設計になっています。ただし、この仕組みが機能するかどうかは現場の施工精度に左右される点は押さえておきましょう。
結露やカビの発生を防ぐための保証と設計が採用されている
高い断熱性能は、結露やカビのリスクを軽減するためにも不可欠です。住友林業では、壁の内部や窓まわりで結露が発生しにくいよう、適切な換気計画と断熱設計を両立させています。また、万が一の雨漏りなどから建物を守る防水施工についても、品質に対する保証が設けられています。
長期的に安心して住み続けるためのメンテナンスサポート体制が整っている
住友林業の保証は、構造躯体と防水の初期保証が30年、住宅設備の保証が10年です。定期点検などの条件を満たすことで、最長60年まで保証を延長できる仕組みになっています。
「60年保証システム」のもと、専門のスタッフによる定期的な点検が実施されるため、断熱材の状態やサッシの不具合といった問題を早期に発見し、対処することが可能です。
ただし、保証を過信するのは危険です。保証の対象は構造躯体と防水が中心で、メーカー側の落ち度だと証明できない不具合や天災による破損、経年劣化は対象外になります。保証をあくまでおまけ程度の位置づけであり、年数の長さよりも、どんな部材でどれだけ丁寧に施工されているかを確認するほうが重要です。
住友林業の断熱性能に関するよくある質問

住友林業の断熱性能について検討していると、具体的な仕様や数値に関する疑問が出てくることも多いでしょう。特に、断熱等級や断熱材の厚みといった専門的な内容は、わかりにくい部分もあるかもしれません。最後に、住友林業の断熱性能に関するよくある質問とその回答を紹介します。
標準仕様は断熱等級5ですか?
現在の住友林業の標準仕様は、断熱等級6となっており、等級5を上回る性能が確保されています。
断熱等級5はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準に相当する性能で、住友林業はその上の等級6を標準としています。以前の仕様や商品プランによっては等級5の場合もあったため、中古物件を検討する際や過去の情報を参考にする場合は注意が必要です。
標準で使われる断熱材の厚さはどれくらいですか?
壁に充填される高性能グラスウール断熱材の厚さは、約105mmが標準的な仕様です。ただし、住宅の断熱性能は壁だけではなく家全体で確保します。前述のとおり温暖地の推奨仕様では、天井が210mm、床が100mmと部位ごとに厚みが異なります。
また、建築する地域によって求められる断熱性能が異なるため、仕様が変わることもあります。正確な厚みや仕様については、最終的な設計図書にすべて記載されていますので、契約前に必ず確認することが確実です。
まとめ
住友林業の標準仕様は断熱等級6をクリアするものの、業界全体で見れば中程度の断熱性能です。断熱を強化するなら、夏型結露のリスクがある付加断熱20mm仕様は避け、断熱等級7の「付加断熱90仕様」か、全館空調「PRIME AIR」の導入を検討してください。
断熱性能についてより深く比較検討したい方は、YouTubeチャンネル「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」の動画をチェックして知識を身につけましょう。運営者のまかろにおが、専門的な内容もわかりやすく解説しており、ハウスメーカー選びの参考になります。

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一生に一度の大きな買い物だからこそ、断熱性能のような目に見えない部分にもこだわり、後悔のない家づくりを進めてください。