今回は『新築注文住宅の窓の付け方で後悔しないポイント3つ!』というテーマでお話していこうと思います。
いきなりですが、みなさん、窓の重要性は理解していますでしょうか?
実は私のYouTube動画の中で、窓は2つの意味で重要であることを今までお話してきました。
では、その2つが何かというと、それが『断熱性能』と『意匠性』です。
断熱に関しては窓は外気の影響をもろに受ける場所なので、できれば窓はトリプル、サッシは樹脂で、スペーサーも樹脂の窓を選びましょうというお話をしました。
今回お話するのは、もう1つの『意匠性』の方になります。
新築注文住宅の窓の「意匠性」について
「意匠性」とは「もののデザイン性」のことです。ここでは、新築注文住宅の窓における「意匠性」について説明します。
「見た目」と「心地よさ」の2つの意味が含まれる
窓の意匠性には実は2つの意味が含まれるのです。
それが『見た目』と『心地よさ』です。
これが一体どういうことなのか、イメージしやすいように具体的な話を交えて説明をしていきます。
例えばこの前、とあるハウスメーカー2社で検討しているという方から、『間取りを見てください』と公式LINEを通じて連絡がありました。
それで私は『良いですよ』と返信して、18時間後くらいに返信が返ってきました。
その中身を見て、私はその時食べていたエッグベネディクトを吹き出しそうになるくらい驚きました。
では何に驚いたのかというと、土地のサイズ感や法規制に合わせて家づくりはしているものの、土地の形状にぴったりマッチした家づくりを行っていなかったことです。
わかりやすく言い換えるなら、雑誌に掲載されているような間取りを、そのまま土地にあてがっただけのプランだったわけです。
そのため、土地に対してミスマッチな間取りになっていたわけですが、具体的にどの部分がミスマッチだったのかというと、それが『窓』だったのです。
というのも、その間取りは、隣家から家の中が丸見えになるような形で窓が配置されていました。
しかも隣地との距離が近いというのもあって、なおさらまずいプラン提案だったのです。
みなさんは、ご近所の方に自分達の生活が筒抜けの状態ってどう思いますか?
嫌ですよね?
恐らく『見られたい』という人はいないかと思います。
この提案には私も驚きました。
また、このように隣家と近い位置に窓を取ると、例えば近所の人がタバコを吸う人だと副流煙が自分の家の中に入ってきてしまいます。
なので最善の注意が必要なわけです。
そういったこともあって私は、相談をくれたお客さんに『何で担当の営業マンはこんな間取りを提案してきたのか』と聞いてみました。
そしたらそのお客さんいはく、『「大開口を設けたい」という自分達の要望を汲んでくれたから、営業マンはこの窓の取り方を提案してきた』とのことでした。
確かにお客さんの要望をお伺いするのは大切ですが、プロとしてやはりそこはプラスアルファの提案をしてあげるべきだったのではないかと思うのです。
大開口を取ることで家の見た目は良くなるかもしれません。
しかし隣家から家の中が丸見えの状態は決して『心地よい』ものではありませんよね?
ましてや隣の家にタバコを吸う人がいたら最悪です。
つまり今回その営業マンが提案した間取りは、見た目に関しては合格でも、心地よさを考えたら不合格ということです。
そして一言でまとめるなら、『意匠性』に欠けた間取り提案だったわけですね。
このような感じで窓は見た目も重要ですが、『心地よさ』も同じくらい重要なのです。 ちなみに余談ですが、実際に有名な建築家、伊礼智(いれい さとし)さんも「窓辺に居心地は宿る」とおっしゃっています。
これは『「小さな家」70のレシピ』という本に書いてあるので、興味のある方は読んでみると良いかもしれません。(ステマじゃないです)
後悔しないためには施主力を上げよう
冒頭で申し上げたように、窓は『意匠』にも大きく関わってきます。
しかも、窓は簡単にリフォームすることができない場所なので『失敗しちゃった』では済まされません。
本来なら、知識のある営業を自分の担当にできれば、こういったことに悩まずに済むのですが、紹介以外ではランダムで担当が決まるというのが今の住宅業界です。
ですので、保険を掛けるという意味でも、お客さん自らが知識レベルを向上させるしかないのです。
言い換えれば『施主力』を上げるということです。
窓を使ってどこの景色を切り取り、取り入れるのか
まず大前提として、覚えておいてもらいたいことがあります。
それが『窓を使ってどこの景色を切り取り、取り入れるのか』ということです。
これが窓をつける上で最も基本で、かつ重要な考え方になります。
というのも、その土地その土地で、ここが綺麗に見えるなというポイントがあるはずで、それは土地によって違うからなのです。
例えばそれが、庭に木を植えた時に見える木々の葉なのか、
後は庭に裂けるスペースが建築地にない場合は『空』を切り取るというのも良いですよね。
そんな感じで、自分達の家は『どこの景色を切り取り、取り入れるのか』これを考えることが『見た目』と『居心地の良さ』を両立させる『窓』の取り方の『基本的な考え方』になります。
少し補足説明をします。
こういった『景色を切り取る』という間取りづくりの仕方は、多くの場合、『外構計画も同時に進行させないといけない』ということも、追加で覚えておいてください。
今の住宅業界は建物だけ先行して契約をします。
なので外構の詳細打ち合わせは契約後にするのです。
すると、建物は建物、外構は外構、といったように別々に切り離された形での提案になってしまいます。
結果、とりあえず窓を付けただけの間取りになってしまうわけですね。
更に最悪、契約後に予算が足りない状況になり、外構は後回しにせざるをえなくなる可能性も出てきます。
中には『家が立った後、徐々に外構をつくれば良い』『そういう人はたくさんいる』といった提案をしてくる営業マンもいるのですが、それは絶対におすすめしません。
外構づくりも大変なので、ほとんどの場合、後々自分達で外構をつくる、なんてことにはならないですからね。
ですので、プラン提案の際は外構提案も同時に受けるということを覚えておいてください。
新築注文住宅の窓の付け方で後悔しないポイント3つ
『窓を使ってどこの景色を切り取り、取り入れるのか』という基本についてはわかっていただけたかと思います。
では、これをふまえた上で、後悔しない新築注文住宅の窓の付け方のポイントを3つご紹介します。
それが、
- 窓の高さを慎重に決める
- 北向きの窓でも積極的に取り入れる
- 窓辺の居心地よい場所をつくる
以上の3つになります。
それでは、それぞれ順番に説明をしていきます。
窓の高さを慎重に決める
まず1つ目の『窓の高さを慎重に決める』ということについてです。
実はこれ、疎かにされがちなのですが、ものすごく重要なことなのです。
というのも、『外から見た家の見た目』『中から見た部屋の雰囲気』『コスパ』、この3つが格段に良くなるのです。
例えば、『高窓』と呼ばれる窓がありますが、これをつけることで、
・外部からの視線が気にならなくなる
・『空の景色』を室内に取り入れることができる
・カーテンが不要になるため、コストカットに繋がる
というメリットを得ることができます。
なので、周りが住宅地に囲まれている立地や、通りに面している所に窓を設置する場合、非常に有効な手段になるわけです。
『高窓』と反対の『地窓』というのもあるのですが、こちらに関しても
・庭にちょっとした塀の高さがあれば、外部からの視線が気にならなくなる
・地窓ごしに見える植栽を室内に取り入れることができる
- 抜け感を演出できるので、広さを感じられる
- カーテンが不要になるため、コストカットに繋がる
といったメリットが存在します。
ただし『高窓』も『地窓』も、『外から見た家の見た目』『中から見た部屋の雰囲気』『コスパ』、これら3つを格段に良くできる反面、冒頭でもお話したような、『基礎的な知識や配慮のある人』でないと、こういった提案はしてくれません。
『基礎的な知識』というのは、『窓を使ってどこの景色を切り取り、取り入れるのか』ということで、
『配慮』というのは間取りの提案と外構の提案をセットでしてくれる、ということですね。
結局のところ、そういったきちんとした担当を捕まえることが一番手っ取り早い、という話なのです。
でもなかなかそうもいかないのが今の住宅業界です。
なのでできるだけ『高窓』や『地窓』を使った実例をネットで調べて、自分達の理想に近い実例画像を保存しておくようにしましょう。
そして、その保存した画像をベースに皆さんから営業マンや設計に提案をしてあげてください。
北向きの窓でも積極的に取り入れる
続いて2つ目、『北向きの窓でも積極的に取り入れる』ということについてです。
これを説明するために、まずは多くの方がしている誤解を解かなければなりません。
その誤解とは何なのかというと、それは「北向きの窓は暗い」ということです。
実は北向きの窓は、決して暗くはないのです。
ちょっと信じられないという人もいるとは思いますし、本当のことを言うと私も最初はそう思っていました。
でも今まで、住宅営業時代から銀行員時代の間でいろんな家をみてきた中で「北向きの窓は暗い」というイメージは覆ったのです。
というのも、『北向きの窓』は、例えば
- 反射光が年中入ってくる
- 暑い日差しは入ってこず、夏場は適度に影ができる
- 植栽に光があたってきれい
といったメリットを実際に感じることができます。
なので思考停止状態で下手に南向きに窓を取るよりも、意外と北側に窓を取った方が『意匠性』の高い空間を演出できるのです。
ただ、そうはいっても北向きの窓だけでは心もとない場合も確かにあります。
その場合は『高窓』や『地窓』、後は『吹き抜け』と合わせて間取りをつくることで、更に光をプラスできます。
なので、自分達が家を建てようとしている場所は本当に南側に窓を設けるべきなのか、それが本当に自分達にとって最善の間取りなのか、是非とも検討してみてください。
窓辺の居心地よい場所をつくる
最後は『窓辺の居心地よい場所をつくる』ということについてです。
これに関しては先ほども話に出た有名建築家、伊礼智(いれいさとし)さんの「窓辺に居心地は宿る」という言葉を具体的に体現する方法になります。
では、その方法とは何なのかというと、ポイントは3つあります。
- ピットリビングを使ってベンチを作成
- 垂れ壁を無くす
- ふかし壁をつくり、カーテンレールを隠す
以上の3つになります。
これに関してはそのまま真似すれば、大体、どの間取りにでも当てはめられると思います。
では、それぞれ簡単に説明していきます。
ビットリビングを使ってベンチを作成
まずはポイントの1つ目、『ピットリビングを使ってベンチを作成』ということについてです。
これに関しては、そのままの意味ですね。
ピットリビング、つまりダウンリビングを使うことで、窓辺に擬似的なベンチをつくることができるのです。
そうすることで、窓辺が心地良い空間になります。
なので例えば、そのベンチの部分に植栽を置いておしゃれな空間にすることもできますし、後はベンチ部分を収納スペースにしてしまえば、ごちゃつきやすく、収納が少なくなりがちなリビングをすっきりさせることができます。
ただ反面、ピットリビングは、
- お掃除ロボットが使いにくい
- すみっこにホコリが溜まりやすい
- 段差でのつまずきのリスク
- リビングの模様替えがしにくい
といったデメリットも存在するため、メリットとデメリット、双方勘案する必要はあります。
とはいえ、ピットリビングを使ってベンチを作成することで得られるあの空間は、ゆっくりとくつろげる空間として最適ですよ。
なので、個人的には非常におすすめです。
垂れ壁を無くす
続いて、ポイントの2つ目『垂れ壁を無くす』ということについてです。
垂れ壁を無くすことで『窓』がきれいに納まります。
更に水平方向に視野が広がるため、空間を広く感じることができるのです。
なので例えば、限られた敷地で最大限の広さを感じられる間取りをつくる際は、非常に重宝するテクニックとなります。
『垂れ壁を無くす』というのは一見すると簡単そうですが、こちらに関しては『配慮』の問題があります。
そのため中には『配慮』が足りない担当もいるかもしれないので、自ら『垂れ壁を無くしたい』旨を担当に伝えるようにしましょう!
ふかし壁をつくり、カーテンレールを隠す
そして最後に3つ目のポイントの『ふかし壁をつくり、カーテンレールを隠す』ということについてです。
これもそのままの意味ですが、カーテンレールはそのままだと目立ちますよね。
なのでカーテンを付ける場合はふかし壁をつくってカーテンレールを隠しましょう!という話です。
こうすることで、窓がスッキリ納まり、後はカーテンレールに埃が溜まりにくい、というメリットも得られます。
デメリットに関しては造作工事がかかる、というくらいですが、それもそこまでの費用はかかりません。
こちらに関しても配慮の問題ではありますが、施主力向上のために、1つ覚えておいてください。
新築注文住宅の窓の付け方で後悔しないポイント3つ!のまとめ
今回の話をまとめると、間違った窓の付け方にならないようにするために注意するべきポイントは
- 窓の高さを慎重に決める
- 北向きの窓でも積極的に取り入れる
- 窓辺の居心地よい場所をつくる
以上の3つになります。
新築注文住宅を建てる際に窓の付け方で後悔しないよう、皆さん、是非とも参考にしてみてください。
これから注文住宅の購入を検討したいという方は、わたくし、まかろにおが提供している注文住宅オンライン相談サービス「メグリエ」で大手ハウスメーカーの優秀営業担当を無料でご紹介しています。
是非、無料会員登録の上で地域の優秀営業担当を探してみてください。