今回は『【2025年最新】ハウスメーカーの選び方|予算や土地探しまで解説』というテーマでお話をしていきます。
私は優秀な住宅営業マンや優秀な設計士を皆さんの担当にするためのマッチングサイトであるメグリエというサービスを運営しています。
そのメグリエには、私との無料個別相談機能もあり、日々多くの方から住宅相談を受けています。
その中で一番多い質問が、「どうやって進めていけばいいのかわからない」ということです。
確かに、注文住宅の購入はそう何度もあることではありません。
ですので、わからないことが多いというのもよく理解できるわけです。
さらにここ最近、いろんな方が住宅の情報を発信しています。
しかも、みんな言っていることが違っていて、誰を信じていいのかわからないというようなことにもなってきているわけです。
ですので今回は、実際に今まで約1,500棟の家づくりに携わってきた私が、改めて『ハウスメーカーの選び方』というテーマでお話をしていこうと思います。
注文住宅の購入は、人それぞれ進め方がありますし、臨機応変に動かなければならないところも結構あります。
ですので、何が合っていて何が間違っているというようなことはないのですが、今回お伝えする内容をぜひとも参考にしていただき、自分たちの家づくりにお役立ていただければと思います。
ハウスメーカーの選び方1:予算
まず家づくりを考える時に、最初に大事になるのが『予算』だとよく言われています。

理由はシンプルで、
- 予算を決めておかなければ予算オーバーになってしまうから
- 予算を決めた上で土地と建物それぞれにどのくらいの金額をかけるのかを把握しておかなければならないから
ということで、最初に大事になるのが予算だと言われているのです。
これを聞くと「あ、確かにその通りだな」と思ってしまいますし、私もそこに対して否定的な意見はありません。
ですが、最初に予算を決めることがすべてではないとも思っています。
なぜなら、相場がわからないのに予算を決めることはできないからです。
これがどういうことかというと、例えばよくある話なのですが、当初の予算が8,000万円でした。
しかし、いろいろと打ち合わせをした結果、最終的な金額が1億2,000万円になってしまいました。
というようなことを私は今まで何千件と見てきているわけです。
なぜそんなに金額のブレが発生してくるのかというと、自分が理想としている家の相場感がわかっていないからです。
しかも、大体の人が注文住宅の相場を甘く見ていることが多いのです。
そのためブレるのです。
ですので、最初からカチッと予算を決めて、そこから逆算して家づくりをしても無意味になることがものすごく多いのです。
特に昨今の物価高騰の流れもあり、YouTubeやInstagramに掲載されているようなおしゃれな家を建てようと思ったら、間違いなく皆さんが想定している以上の金額がかかります。
「予算を決める」というのはものすごく大事なのですが、あくまで目安にとどめてもらうこと、そして、あまりカチッと予算を決めるのではなく、ある程度ブレる想定でいること、これを念頭に置いてください。
その上で、実際どのようにして注文住宅の購入を進めていけばいいのかというと、
- 自分たちが総額でいくらまで住宅ローンを借りられるのかの目安を把握する
- 興味・関心のあるハウスメーカーをいくつか絞る
- ハウスメーカーと一緒に土地探しをしつつ、最終的にどこのハウスメーカーにするのかを決める
以上になります。
これらの手順をそれぞれ詳しく解説していきます。
借りられる目安を把握する
まず『自分たちが総額でいくらまでの住宅ローンが借りられるのかの目安を把握する』ということに関してですが、住宅ローンの借入れ上限は、世帯の手取り年収の8倍、これが目安になります。

つまり、夫婦合わせて世帯年収が1,000万円だとしたら、手取り年収である約750万円の8倍である6,000万円が借入れ上限だということです。
その理由はシンプルで、税金で引かれる額を考慮せずローンを借りてしまうと破産するからです。
当たり前です。
ただ、中には手取り年収ではなく、世帯年収の8倍まで借りてもいいと説明する人もいます。
世帯年収が1,000万円だったら8,000万円まで借りてもいいと説明をすることになるのですが、借りられる金額と返せる金額は完全に別です。
ですので、額面の年収で計算するのではなく、やはり手取り年収で計算する方が間違いないと思っています。
ただしこの話をすると「手取り年収で計算をしたら全然ローンが借りられない。そしたら住宅ローンが組めないんだけどどうしよう…」と思われる方がいます。
ただ、若ければ定年までの期間が長いため、ローンを長く組めます。
また、今は基本35年ローンが主流ですが、実は40年ローンもあるのです。
特に20代30代の若い方は、40年ローンや50年ローンを積極的に活用していただくことで、返済期間を長く設定して月々の返済額を抑えることができます。
そうすると借りる金額が同じでも、月々の支払いをぐっと抑えられるので、若い方にとってはかなり強力な選択肢になるわけです。
さらにご両親からの援助を受ける場合に知っておきたいのが、贈与税の特例です。
通常110万円を超える贈与は税金がかかりますが、家を建てるタイミングですと、最大1,000万円まで非課税になる特例があります。
実際に親御さんから500万円の援助を受けて住宅ローンを減らすケースも少なくありません。
そして2025年は補助金も充実しています。
例えばGX(グリーントランスフォーメーション)補助金で最大160万円。
さらに地域ごとに太陽光パネルの設置で+60万円。
市町村独自の助成金でさらに+200万円など、活用しないと損な制度がたくさんあるのです。
補助金が取れる想定で家づくりをしてしまうと、補助金が取れなかった時に破産してしまうので、あくまで「取れたらラッキー」くらいに思っていただきたいです。
しかし、補助金を活用することで、かなりお得に家づくりができるのは間違いありません。
家づくりをする際は、必ず補助金について調べるようにしてください。
このような感じで、総額でいくらまで住宅ローンが借りられるのか、これを把握するためには
- 手取り年収の8倍を目安に考える
- 40年ローンや50年ローンを積極的に活用する
- 補助金を視野に入れて予算の全体像を把握していく
これがポイントになります。
興味関心のあるハウスメーカーを絞る
『興味関心のあるハウスメーカーをいくつか絞る』ということについてです。

昨今調べると、各ハウスメーカーの特徴を解説している動画やブログ記事が大量にあるなと思います。
それらネットの情報を収集すれば、自分たちが気になるハウスメーカーがわかってくると思います。
そしておのずと、ある程度絞れていきます。
絞れたのであれば、それらのハウスメーカーを優先的に検討していくでいいと思うのです。
ただし、金額も気になると思うので、ざっくりと各大手ハウスメーカーの坪単価をまとめたのがこちらの一覧になります。

大体世間的には「家族の人数×8.5坪」このくらいあれば十分な広さの家がつくれると言われています。
例えば積水ハウスのフルカスタマイズ仕様で35坪の家を建てるのであれば、坪単価150万円×35坪で、5,250万円が建物だけにかかる金額になります。
このような感じで、ご自身の家族構成に合わせて、まずはざっくりと「どこのハウスメーカーで、どのくらいの金額になるのか」を見積もってみてください。
ただ、ここで絶対に忘れてはいけないのが、建物本体価格だけではないということです。
家を建てるためには、諸々の諸費用がかかってきます。
具体的には
- 外構費用:約300万円〜800万円
- 建物の組み立て費用:約200万円〜450万円
- 屋外給排水工事:約90万円〜150万円
- ガス引き込み費用:約30万円
- 住宅ローン保証料:約100万円〜200万円
- 地盤改良費用:0円〜1,000万円程度
- 火災保険料:約50万円
- カーテン・照明・エアコン・家具・家電:約500万円
- 設計業務報酬料:約150万円
- 長期優良住宅性能表示制度申請費用:約20万円
- 登記費用:約30万円

どのハウスメーカーでも、このくらいの金額は諸費用としてかかってくるイメージです。
さらに土地から購入する方は、ここに土地の仲介手数料も発生してきます。
土地の仲介手数料は(土地代×3%+6万円)×消費税になるので、これまた結構な金額が取られるわけです。
そしてこれらをざっくりと合計すると、最低でも1,500万円は諸費用として発生してくる計算になります。
昨今の物価高騰を考えると、正直1,500万円だと全然足りないので、1,800万円くらいみておくといいかなと思います。
きちんとしたものをつくろうと思うのであれば、このくらいの金額は普通にかかってくるのが今の世の中です。
ですので、各ハウスメーカーの坪単価と諸費用、これらはしっかりと把握してください。
そして、かかるものはもう仕方ないので、ある程度金額をかける想定で、興味関心のあるハウスメーカーをいくつか絞ってみてください。
ハウスメーカーと一緒に土地探しをする
『ハウスメーカーと一緒に土地探しをしつつ、最終的にどこのハウスメーカーにするのかを決める』ということについてです。

まず、土地探しは自分1人でしないでください。
必ずハウスメーカーと一緒にやりましょう。
これはポジショントークではありません。
ハウスメーカーと一緒にやった方が皆さんにとって得なのです。
ここ数年、物価の高騰が本当にすごくて、しかも金利も上がっています。
そのため「早く家を建てないと」と焦っている方がものすごく多いのです。
しかもそこで焦って、土地だけ先に買ってしまう方が本当に増えています。
しかし、これはものすごく危ないのです。
知らずに土地を買ってしまうと、違法行為になったり、そもそも家が建てられなくなったりする可能性があります。
実際に都市部でよくあるのですが、
- 先行して土地を買ったものの、北側斜線や道路斜線がきつくて思ったように家を建てられない
- 擁壁をつくらなければならず、思ったよりもお金がかかってしまう
- 既存の建物を解体するのにアスベストが出てきてしまい、処理費用に1,000万円追加で必要になってしまった
など挙げればキリがないくらい、土地に関してのトラブルはあります。
不動産屋はあくまで土地の仕入れのプロであり、建築のプロではありません。
不動産屋に家のことを聞いても、なんとなくしか把握していなかったり、情報が全然アップデートされていなかったり、もう散々たる状況になっていることが多いのです。
ですので、変に焦って不動産屋から土地だけを購入してしまう前に、家のプロであるハウスメーカーと一緒に土地探しをした方が絶対にいいのです。
とはいえ、ある程度自分たちで動いて土地を探したいという人もいるでしょうし、完全に住宅営業マンに頼りきりになってしまうのは、それはそれでリスクがありそうと思われる方もいると思います。
ですので、ここからは土地探しをする上で特に危険なポイントをまとめてお伝えします。
セットバック
『セットバック』についてです。
セットバックは簡単にお伝えすると、土地に接道している道路を4mにするために敷地を道路に譲ってくださいというルールです。

というのも、例えば昔の街並みは、道が狭いことがあります。
熊本県などは城下町なので、細い道がものすごく多いです。
そのような感じで、全国各地、細い道がたくさんあります。
今は火事が起きた時に消防車が通れないとダメですし、救急車も通れるようにしておかなければいけないので、基本的に道路は4m以上必要というルールがあります。
ただ、今現在進行でそこに住んでいる人は、前面道路が3mだろうが2mだろうがそのまま住み続けてOKなのです。
しかし、建て替えをする時には、道路を広げるためにセットバックをしなければなりません。
ですので例えば、この土地で家を建てたいとなった時に、前面の道路が3mしかないとします。
このままですと、救急車や消防車が入れないので、将来的に前面道路を4mにするために、道路の真ん中に中心線を引いて、そこから両側に0.5mずつ下がる必要が出てくるのです。
そうすると将来的には4mの道路になります。
このような感じで、自分の土地を提供して、将来的に4mの道路にするのがセットバックです。
ただ、この話を聞くと「えっ、せっかくの土地が狭くなるのは嫌だな」と思われる方もいるかもしれません。
確かにその気持ちもわかります。
しかし、最初からセットバックを考慮して設計をすれば特に問題はないですし、むしろ将来的に道路が広がることで土地の資産価値が上がるという場合もあるのです。
ですので、一概に「セットバック=マイナス」ではないのです。
ただし、セットバックが必要か否かで、実は建てられるハウスメーカーが変わってきます。
例えばセキスイハイムやトヨタホームのようなユニット工法のハウスメーカーや、一条工務店のように施工制限があるハウスメーカーは、道路幅が狭いとトラックが入れないという理由で「この土地では建てられません」となることがあります。

逆に、現場に部材を運んで組み立てる方法なら、狭い道でも建築OKという場合があります。
例えば、積水ハウスのシャーウッド、ミサワホームは「手組み」というのがあります。

これはどういうものかというと、部材を人力で施工現場に運び、その場で組み立てるという方法です。
この手組みを活用することによって、狭い現場でも家を建てることが可能なのです。
ただ、もちろん手間がかかるので、施工費用は通常よりもかなり割高になります。
ですので、もし仮に皆さんが「前面道路が狭い土地を買おうかな?」と思っているのなら
- どのハウスメーカーなら建てられるのか
- 道路幅の問題で追加費用がかからないか
この辺りは早めにチェックすることが大事です。
接道義務
『接道義務』についても触れていきましょう。

実は家を建てるためには、4m以上の道路に最低2m接していないといけないという決まりがあります。

そして2mの接道がない土地は、基本的に建築不可なのです。
例えば「昔から家が建ってるし大丈夫でしょ」と思って中古住宅を買いました。
しかし、いざ建て替えようと思ったら「いやいや、この土地は接道が取れていないのでダメです」と言われることがあるのです。
「えっ、そんなの知らなかった」となっても、建て替えできない以上どうしようもないのです。
ですので、土地を買う時は「接道がきちんと取れているか」ここを必ずチェックしてください。
また、これと合わせて重要なのが「家の前の道路が誰のものなのか」ということです。

実はこれ、トラブルになるケースが多いポイントなのです。
例えば、県道や国道、市道のように行政が管理している道路でしたら、基本的には問題ありません。
しかし私道だった場合、個人や複数の所有者がその道路を持っているので、管理や修繕費用は所有者たちで負担するというルールになっているのです。
そういうルールになっているケースが大半です。
つまり、道路が傷んだり、除雪が必要だったりしても「行政が何とかしてくれる」ではなく「自分たちでお金を出し合ってなんとかしようね」というパターンなのです。
ここでトラブルになるのが、新しく引っ越してきた人が「前の持ち主からそんな話を聞いてない」となった場合です。
お金が絡むので、確実にご近所トラブルに発展します。
また新参者に厳しい場合というのもあり、例えば私道に水道管が通っていた場合、私道の所有者が水道管の使用許可をしてくれないことが多々あるのです。
なぜなら、自分たちの水道管を使われることで、水圧が下がる可能性があるからです。
そのため嫌がって自分たちの水道管は使わせないというようなことがあるのです。
そうすると、ものすごく遠い位置にある水道管の本管から、水道管を自分たちのためだけに引っ張ってこなければならないという場合があります。
これ系のトラブルは本当に地獄です。
私も過去に経験があるのですが「なんでそんな意地悪をするんだろうな」と思ったくらいです。
あとは、駐車場の位置によっても問題が起こることがあります。
例えば家を出入りする時に、自分の持ち分でない私道を通らなければいけないとなった場合、「え、ここを通る権利ないですよね?」という話になり、駐車場を使えません、使わせませんということになるケースもあるのです。
このような感じで、セットバックが必要な土地、前面道路の接道が2m未満の土地、前面道路が私道の土地、これらに該当する土地で家を建てる場合は、かなり慎重に下調べをする必要があります。
法的に問題なくても、近隣住民の方の感情で判断されることが多いですし、基本トラブルになるのは感情面での話です。
理屈ではないのです。
だからこそ、土地を購入する時はその近所の方の様子もきちんと把握するようにしていただくといいかと思います。
ただ、そういうちょっと癖があって手間がかかる土地は、相場よりも土地の値段が安く、奥まった土地に家を建てることになるので、豪邸を建てても周囲から目立たずに済みます。
しかも、そういう一癖も二癖もある土地は、いろいろな工夫を盛り込めるので、設計する側からすると非常に設計しがいのある土地でもあるのです。
ですので、そういうちょっとした癖のある土地で建築を検討するのだったら、やはりハウスメーカーに事前に確認した上で、土地の購入をするかどうか決めた方が賢明です。
擁壁が必要な土地
『擁壁が必要な土地』についてです。

擁壁というのは、こういうコンクリートの塀のことを言います。
崖っぽい敷地や坂道の多いエリアによくあるものです。
この擁壁は古いものも結構あり、そのまま昔のものを活用するか、それとも解体して新しくつくり直すのか、まずはこれを検討しなければなりません。
そして、その判断は建てる側、つまりは設計士やハウスメーカーの判断になるのです。
不動産屋は判断できません。
ですので、設計士やハウスメーカー側の判断で「古い擁壁をそのまま活用してもいいよ」ということであれば、特に擁壁をやり替えずに家を建てても大丈夫なのです。
しかしそうでない場合、擁壁のやり替えで1,000万円近い追加金額が発生します。
最悪の場合、家を建てられないということも平気であるのです。
これに関しても、やはりハウスメーカーや工務店の担当者でもいいですが、一緒にその土地をチェックするというのがとても大事なわけです。
一応補足をすると、擁壁は必ずしも全部つくり直す必要はありません。
実際に既存の擁壁がそこまで痛んでいなければ、補強工事だけで済むケースもあります。
ですので、擁壁のある土地を検討していたとしても、それが別に悪いことではないのです。
いい家が建てられる可能性は十分にありますし、それ以外にも擁壁のある土地は、
- 日当たりがいい
- 景色がいい
- プライバシーが守られる
そういうメリットもあるのです。
実際に私の友人も何人か擁壁のある土地で家を建てていましたが、ものすごく眺望がよくて、海が見えたり、都市を一望できたり、そういう立地で家を建てていたりもしました。
これは、実際に見学してみると「いいな」と思ったりします。
そういういい面もあるので、メリット・デメリット双方を勘案して確認していただければと思います。
市街化調整区域
土地を探しているとよく見る『市街化調整区域』、これについての解説です。

市街化調整区域は、安い土地が多いため気になっているという人は多いと思います。
しかし、実はものすごく注意が必要なのです。
そもそも土地は大きく2つに分かれていて、それが市街化区域と市街化調整区域、この2種類です。
ざっくりと説明をすると、市街化区域は「積極的に街をつくりましょう」というエリアで、市街化調整区域は「ここは基本、田んぼや畑を守って、あまり建物を建てないでね」というエリアになります。
ですので、市街化調整区域は、基本的に建物を建てるのはNGな地域なのです。
ただし、一部例外があります。
6親等以内の親族がその区域に20年以上在住しているなどの条件を満たした場合は、市街化調整区域でも家を建てることが可能になります。
また、エリアによっては3親等以内と定められている場合もあります。
ですので、建物を建てようと思えば建てられるのです。
ただ、普通のサラリーマンや一般的な会社員が家を建てるのは、基本的にアウトだと思った方が無難です。
こういう特殊条件下にある土地なので、市街化調整区域の土地は安いのです。
さらに市街化調整区域の金額が安い理由として、
- 住宅ローンが組みにくい
- 売ろうとしてもなかなか売れない
というのもあります。
あと、安いと思って買ったけれど、造成費用に1,000万円近くかかってしまい、結局普通の土地を買うのと変わらなかった…というようなケースも結構あります。
また、調整区域内にも「青地」や「白地」とよばれるエリアがあり、エリアによってはすぐに家を建てられないというケースも存在します。
調整区域は本当にかなり特殊なエリアなのです。
そのため、そのエリアに精通した専門家を入れるなどして、慎重にことを進めなければいけない土地になります。
ご注意ください。
北側斜線、道路斜線
調整区域とは真逆の都市部によくある『北側斜線、道路斜線』についてお話をしていきます。

北側斜線は、北側の隣地の日当たりを確保するために、建物の高さを制限するルールです。
道路斜線は、建築基準法に基づく建物の高さ制限で、道路に面した建物の高さを規制するルールです。
これだけ聞いても「何のこっちゃ?」という話だと思うのですが、詳しい制限については覚えなくてもいいです。
しかし、存在自体は知ってもらいたいです。
なぜなら、土地の購入を判断する際に、建ぺい率や容積率だけを見て土地の購入に踏み切る人がいるからです。
これがどういうことかというと、都市部で家を建てる場合、その土地にどのくらいの大きさで家を建てることができるのか、それを判断する指標として、建ぺい率や容積率というのを見ることがあります。
- 建ぺい率…建築敷地面積に対する建築面積の割合
- 容積率…敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合
のことをいいます。
具体的に説明をすると、敷地面積が100㎡で、建ぺい率50%、容積率80%だった場合、建ぺい率によって1階の床面積は50㎡まで、延べ床面積は最大で80㎡までとなるのです。

これ自体は調べればなんとなく理屈はわかるかなと思いますし、ちょっとした算数の計算なのでわかりやすいのですが、都心部の場合土地が狭いのに、ここにさらに北側車線と道路車線が入ってくるのです。
そうすると、建ぺい率や容積率をギリギリ使って最大限大きい家を建てようと思っていたのに、全然大きさが取れないなど、そういうことによくなるのです。
しかも都市部は建物が密集していることが多いです。
きちんと光を取り入れる想定で間取りをつくろうと思うと、中庭などを必ず設けなければいけないわけです。
すると、なおのこと建ぺい率や容積率をギリギリ使って最大限大きい家を建てるなんていうことは無理なのです。
これは建物を設計したことがある側の人間でないとわからないことで、不動産屋もわからないですし、これから家づくりをしようと思っている皆さんでも判断するのはかなり難しいはずです。
実際に私は今まで何百人、何千人とコンサルをさせてもらっているのですが、都市部に土地を購入した方は間違いなく最大限広さを確保したいという要望を出してきます。
その上で、自分たちが理想とする間取りの要望をあれこれ出してくるわけなのです。
これは間取りを書く側からするとものすごく難しく、例えばこれらです。

ものすごくつくるのが難しかったです。
プロでもこれだけ難しいのに、素人の方が簡単に判断できるわけがないのです。
ですので、
- ハウスメーカーや工務店の担当者と一緒に土地をチェックする
- どこにどのくらい費用がかかりそうなのか、しっかりと確認する
この一手間が本当に失敗しない土地選びのコツになります。
ポジショントークではありません。
ただ都市部の場合は土地の動きがものすごく早いです。

その場合は土地先行で動くしかないので、土地の件で動きつつ、同時に気になるハウスメーカー複数社に声をかけるということをしてください。
予算などそんなのを気にしている場合ではなく、まずはその土地で理想の家を建てられるのか、この判断をすることの方が先です。
ですので、ハウスメーカー複数社に声をかけるということに関して、あまり慎重になりすぎないようにしてください。
せっかく出てきた土地を買い逃してしまったら、ものすごく機会損失です。
ハウスメーカーの選び方2:快適性
『快適性』についてです。

同じように見えるハウスメーカーであっても、実は家の快適さが全然違います。
断熱性能
建物の基礎的なスペックとして『断熱性能』というものがあります。
断熱性能とは、家の保温力と外気の影響を受けにくくする力、この2つの能力が備わったもののことです。
わかりやすく例えると、水筒のようなものです。
水筒は中に入れた液体の温度を長時間保ってくれます。
さらに水筒の中に入っている液体が外気の影響を受けにくい状態になっていると思います。
そのため水筒にお茶を入れれば、夏場は冷たいお茶を飲めて、冬場は温かいお茶を飲めるわけです。
それと建物の断熱性能の考え方は同じです。
その能力がハウスメーカーによって全然違うという話です。
昨今、地球環境問題もあり、断熱性能が重要視されてきています。
そのため、どのハウスメーカーも断熱性能の基礎スペックは向上しつつあるのですが、それでもかなりばらつきがあります。
例えば:
- 一条工務店
- アイ工務店
- ダイワハウス(ウルトラW断熱)
- ミサワホーム(スマートテック・アドバンス)
- 三井ホーム(MOCX THERMO)
- 積水ハウス(グリーンファーストゼロ・スーペリア)(グリーンファーストゼロ・プラスアルファ)

このあたりのハウスメーカーや商品を選べば、断熱性能が重視された住まいをつくり上げることができるため、間取りによってはエアコン1台で家中暖かい、部分的な暖房だけで十分過ごせるなど、そういう家をつくれるわけです。
全館空調
物理的に断熱性能が上げられないハウスメーカーもあり、その場合は空調で家の中を快適な空間に仕上げなければならないのです。
それが
- トヨタホーム
- セキスイハイム
- ヘーベルハウス

になります。
これらのハウスメーカーは『全館空調』が得意なハウスメーカーとしてネット上で説明がされています。
ただ、セキスイハイムやトヨタホームに関しては、ユニット工法による工場生産であるがゆえに、断熱材の厚さを厚くしようと思った場合、工場のラインから規格まで全てをやり替えないといけなくなるのです。

そのため断熱材の厚さを簡単には変えられなくて、機械で室内の温熱環境を整える方向になっています。
ヘーベルハウスに関しては、ヘーベル板が入っていてこの厚さが邪魔をして、断熱材を厚くすることができません。

ですので、ヘーベルハウスも室内の温熱環境を整えるために全館空調を入れているのです。
ちなみに、パナソニックホームズも全館空調が得意なハウスメーカーですが、パナソニックホームズはトヨタホーム、セキスイハイム、ヘーベルハウス、これらのハウスメーカーよりも断熱性能は上になります。

ですので、断熱性能を求めつつ、さらには全館空調による快適さを求めるのであれば、パナソニックホームズを選ぶといいかと思います。
しかし金額は高めなので、その点は悩みどころです。
パッシブデザイン
- 積水ハウス
- 住友林業
- 三井ホーム
- ミサワホーム

ですが、これらのハウスメーカーは建築家寄りの家づくりができるハウスメーカーになります。
というのも、本来注文住宅は『パッシブデザイン』を考えて家づくりを行うべきものなのです。
パッシブデザインというのは、夏場は日差しを遮り、冬場は日差しを取り込むことで快適な住環境をつくろうという考え方のデザインなのですが、これは別に特別なことではなくて、当たり前にどのハウスメーカーもやらなければならないことなのです。
というのも「デザイン」という言葉は、日本だと見た目のかっこよさだけにフォーカスされて使われていると思います。
しかし本来のデザインは、川上から川下まで考えるのがデザインであって、見た目・コスト・生産性・使い勝手、これらを全て整えて初めてデザインになるのです。
それは住宅も同様で、本来建物の性能とデザインは切り離して考えるべきものではなく、全て兼ね備えてようやくデザインになるのです。
ただ、ハウスメーカーという業体は、基本的に戦後から続く住宅の大量生産を行っている企業です。
そのため、割と力技でどうにか家を建ててきてしまっていることが多いのです。
しかし、ハウスメーカーの中には力技でどうにかするのではなく、きちんと建物の機能も見た目も全て兼ね備えた、本当の意味でのデザインを考えた家づくりができるハウスメーカーがあり、それが建築家寄りの家づくりができる積水ハウス、住友林業、三井ホーム、ミサワホームなのです。
ただし、あくまで可能性があるというだけで、積水ハウス、住友林業、三井ホーム、ミサワホーム、これらのハウスメーカーも元々は戦後から続く住宅の大量生産をメインとしている企業です。
そのため、担当者によっては建売の延長のような間取り提案しかできないという人もいますし、その逆で、今まで見たことないと感動するような素晴らしい間取りを提案する担当者もいるわけです。
そのため、今お伝えした4社を選べば確実にいい間取りを提案してくれるかといわれれば、そんなことはありません。
結局のところ担当者次第なので、その点は注意をしてもらえればと思います。
このような感じで、1つのところに特化しているようなハウスメーカーもあれば、バランスよく全てを整えることができるハウスメーカーもあります。
ただ、バランスよく整えられるハウスメーカーであったとしても、属人性が非常に強いという側面も持ち合わせているので、思っている以上にハウスメーカー選びは難しかったりします。
この辺は、自分たちが支払えるコストの問題もあると思うので、総合的に勘案した上でハウスメーカーを決めていただければいいかと思います。
ハウスメーカーの選び方3:間取り
『間取り』についての話もしていきたいと思うのですが、間取りは大きく分けて2種類あります。
自由設計と規格住宅
1つ目が自由設計です。
これは皆さんがイメージされている通りのもので、自分たちの好みに合わせて自由にカスタマイズできるもののことをいいます。
ただ、自由にカスタマイズできるので、それ相応にお金がかかってきますし、打ち合わせの時間も長くなってしまいます。
もう1つが規格住宅といって、あらかじめ用意された間取りの中からプランを選ぶスタイルです。
これは打ち合わせの時間も短く、さらには費用も比較的抑えられるというのが特徴なのですが、結構な制限がかかってきます。
そのため自由度はあまりないと思ってください。
実は大枠として、価格の高いハウスメーカーや商品は自由度の度合が高くて、価格の低いハウスメーカーや商品は自由度の度合が低いというのが、この業界の特性なのです。
ハイコスト系ハウスメーカー
よくハイコスト系とよばれている
- 積水ハウス
- 住友林業
- 大和ハウス
- パナソニックホームズ
- ヘーベルハウス
- ミサワホーム
- 三井ホーム
- セキスイハイム
- トヨタホーム

これらのハウスメーカーは専属の設計士がついて、チームで打ち合わせをしていくというスタイルになることが多いです。
ですので、自分が納得いくまで何回でも打ち合わせをすることが可能になります。
ただし、専属の設計士がついてチームで打ち合わせをしていくスタイルになることが多いとお伝えをしましたが、ハイコスト系のハウスメーカーであればどこを選んでも、どんな商品を選んでも、自分が納得いくまで何回でも打ち合わせをできるかといわれれば、そうではありません。
理由は2つあります。
担当者による
1つ目は、何度もお伝えしているように『担当者によるから』です。
再三お伝えすることになりますが、ハウスメーカーという業態は企業の大小に関わらず、住宅の大量生産を行っている企業です。
そのため本来は、同じような形のものを大量にサクっとつくることが、ハウスメーカーの目的なのです。
ですので、ハイコスト系のハウスメーカー内でも、未だに
- 過去に提案した間取りを左右反転させて提案する
- プラン集をコピーしてそのまま提案する
- 過去に提案した間取りやプラン集を少し改良して提案する
というようなことが普通に裏で行われています。
そのような担当者に当たってしまうと「とにかく家をつくること」「とにかく家を売ること」が目的となっているので、自分が納得いくまで何回でも打ち合わせをすることが難しくなります。
仮に何回も打ち合わせをしたとしても、希望する間取りが全然出てこないということが平気であります。
この辺のスタンスは担当者次第で大きく変わってくるので、もしこだわり抜いた理想の住まいをつくりたいという場合は、それ相応にリテラシーの高い住宅営業マンを自分の担当にする必要があります。
規格住宅
ハイコスト系のハウスメーカーであっても、納得いくまで何回でも打ち合わせすることができない場合があるその理由の2つ目は『規格住宅』です。
実は、ハイコスト系のハウスメーカーであっても、規格住宅とよばれる商品があります。
そしてその規格住宅系の商品は、価格が安い分、内装の色や素材を数回の打ち合わせだけで決められるような仕組みづくりがされているのです。
ですので、例えば打ち合わせの回数制限があったり、打ち合わせをいつまでに終わらせなければならないという期日があったりします。
感覚にはなりますが、早いと大体1か月ぐらいで打ち合わせが終わる時もあるという印象です。
そのため
- 住友林業「Forest Selection BF」

- ダイワハウス「スマートセレクション」

- ヘーベルハウス「my DESSIN」

- ミサワホーム「スマートスタイル」

- パナソニックホームズ「フォルティナセレクトプレミアム」

- 三井ホーム「MITSUI HOME SELECT」

- セキスイハイム「スマートパワーステーションFXアーバン」

- トヨタホーム「SINCE LQ」

これらの商品はハイコスト系のハウスメーカーの中で規格住宅という扱いになるので、価格が安い分、諸々の制限が発生してくると思ってください。
ただし、規格住宅はあくまでハイコスト系のハウスメーカーの中では安いというだけであって、実際の坪単価は、建物のみで大体75万円〜90万円くらいです。
極端に安いというわけではないので、ここだけはご注意ください。
ということで、ハイコスト系のハウスメーカーであっても「担当者のスタンスによる」「規格住宅」のこれら2つに該当する場合は、納得するまで打ち合わせを何回もするということは基本的にはできないと思っていただければと思います。
ミドル・ローコスト系ハウスメーカー
ミドル・ローコスト系のハウスメーカー、具体的には建物だけの坪単価で90万円を下回ってくるハウスメーカーは、ハイコスト系のハウスメーカーの規格住宅と同じ運用で全ての商品が展開されています。
さらに、価格が安くなればなるほど、その制限や縛りはきつくなってくる傾向にあります。
つまり、コストの低いミドル・ローコスト系のハウスメーカーでたくさんお金をかければ、素晴らしく豪華な設備仕様を入れられて、おしゃれな家をつくれる、こういう考え方はできないということです。
よくハウスメーカー検討初期の頃は「安いハウスメーカーで豪勢な設備仕様を入れれば、ものすごくいい家が建てられるのではないか」「おしゃれな間取りがつくれるのではないか」と思ってしまうのですが、それは構造的に不可能だということです。
ミドル・ローコストにはミドル・ローコストである理由が存在します。
その理由が制限や縛りです。
例えばアイ工務店は、ネット上に「自由度が高いです」というような説明があるのですが、実態はそうではなく、エリアにはよるものの、契約後の打ち合わせは大体3回くらいで終わらせなければならなかったり、意外とチャレンジングな間取りがつくれなかったりします。

その他にも、タマホームや住友不動産、桧家住宅やヤマト住建、アキュラホームもそうです。

とにかく種類は違えど、いろいろな制限が発生してきます。
ただ、そうやって制限をかけることで価格が安くなっているのです。
この辺はもうトレードオフなので仕方ないですが、ミドル・ローコスト系のハウスメーカーは自由設計とは言いつつも、それなりに制限が発生してくる、この辺りはしっかりと理解いただいた上で、ハウスメーカー選びをしてください。
自分たちはそこまでこだわらなくていいかなという方は、比較的リーズナブルなハウスメーカーの方が向いていますし、しっかりと丁寧な提案を受けたい、ものすごくクオリティの高い家づくりをしたいという方は、やはりハイコスト系のハウスメーカーを選ぶしかありません。
ハウスメーカーの選び方4:デザイン
『デザイン』の話をしていきます。
実はデザインは、ハウスメーカーによって「できる」「できない」が明確なのです。
例えばモダニズム、つまりは装飾の排除を徹底的に行ったノイズのない建築を行う場合
- 積水ハウス
- 住友林業
- ヘーベルハウス
- 三井ホーム
あたりが比較的頑張ってくれます。
ですので、SNSでよく見かけるようなおしゃれな家をつくりたいのであれば、優先して検討するべきハウスメーカーが
- 積水ハウス
- 住友林業
- ヘーベルハウス
- 三井ホーム

この辺りになってくるわけです。
ただ、これらのハウスメーカーを選んだとしても、結局のところ「担当者次第」です。
担当者によってはイマイチになることもあります。
一流の食材を用意されても、それを料理する料理人が微妙だと、でき上がる料理が残念になるのと同じです。
ただし、積水ハウス、住友林業、ヘーベルハウス、三井ホームを選べば、他のハウスメーカーよりはおしゃれな家を提案してくれる確率が高いのは間違いないです。
結局のところ担当者次第なわけなので、それ以外のダイワハウス、パナソニックホームズ、ミサワホーム、セキスイハイム、トヨタホーム、これらを選んだとしても、担当者次第で十分におしゃれな住宅をつくることもできます。

実際に私監修で、ダイワハウスのxevoGranWoodで超絶おしゃれな家をつくり上げています。
特定のハウスメーカーにこだわらずとも、いい担当者に出会えたのであれば、その人優先でハウスメーカーを決めるというのもありかと思います。
ハウスメーカーの選び方5:外壁
間取りに関しては担当者次第でどうにかなったとしても、どうにもならない部分というのもあります。
それが『外壁』です。
外壁に関しては、各社それぞれで使える外壁が異なります。
例えば最近人気なのが、塗り壁、タイル外壁、この2つです。
塗り壁
まず塗り壁というのは、表面がザラザラとした継ぎ目のない壁で、街並みに溶け込みやすい外観になるのが非常に人気です。

昨今、防犯対策も考えて「どこどこのハウスメーカーで建てた家」とわからないようにするのが重要なので、そういう意味でも塗り壁は今の時代にあったいいアイテムなのです。
また、塗り壁は目地がないので継ぎ目が出ません。
しかも昔と違い、雨垂れなどが外壁に付着することもなくなってきています。
ですので、吹付け外壁は非常におすすめのアイテムなのです。
この塗り壁が得意なのが、
- 三井ホーム
- 住友林業
- 積水ハウス
になります。
「積水ハウスといえばベルバーン」というようなイメージがありますが、それは以前までベルバーンが安かったため、営業マンがそちらをすすめていただけなのです。
今は昔と違い、ベルバーンも値上がりしました。
ですので、吹付けと金額が同等になってしまっているのです。
そういった事情もあるので、今現在は積水ハウスでも吹付けを選ぶ方がかなり増えています。
タイル外壁
一方でタイル外壁についてですが、こちらは見た目がすごく豪華で高級感があり、しかもメンテナンスが少なくてすみます。

焼き物なので汚れがつきにくく、年数が経っても新築のように見えます。
- 一条工務店
- 積水ハウス
- セキスイハイム
- パナソニックホームズ
- ミサワホーム
この辺りが強いイメージです。
- 一条工務店「ハイドロテクトタイル」

- 積水ハウス「ベルバーン」

- セキスイハイム「磁器タイル」

- パナソニックホームズ「キラテック」

この辺りを自社商品として持っています。
「えっ、なんでミサワが入ってるの?」と思われた方もいると思うのですが、ミサワホームは実は割と積極的に一般品のタイルを販売するメーカーなのです。
こういった背景もあるため、ミサワもタイルの施工慣れはしていると言えるわけです。
そのため、タイルに強いハウスメーカーとしてミサワホームも加えた感じになります。
ハウスメーカーの選び方6:メンテナンス
『メンテナンス』についてですが、メンテナンスはかからない方がいいです。

家を建てるのに何千万円という金額を払っているわけです。
それにも関わらず、また何十年後かに追加で何百万円も費用が発生してくると考えると、非常にしんどいです。
頭が痛くなってくると思います。
そのため「メンテナンスフリー」という言葉にしびれる、憧れるというのはよくわかるのですが、結局「どのハウスメーカーだったらメンテナンスがかからない」ではなく、「どんな素材で家づくりをしているのか」なのです。
そしてこの部分は、よく保証と混同して考えてしまったりするのですが、メンテナンスと保証は完全に別物です。
これがどういうことなのかというと、まずメンテナンス費用は主に屋根、外壁、シロアリ、この3つの部分で発生してきます。
そして結局のところ、金額の高いものを入れれば、どんなハウスメーカーの家だろうと長持ちします。
一方で金額の低いものを入れれば、どんなハウスメーカーの家であっても長持ちはしないのです。
例えば屋根材には
- スレート瓦
- ガルバリウム鋼板
- 瓦
の3種類があるのですが、スレート瓦が一番耐久性が低くて、瓦が一番耐久性が高いです。
スレート瓦は金額が安いですが、瓦は金額が高くなります。
外壁に関しては
- サイディング
- 吹き付け
- タイル
主にこの3種類があるのですが、サイディングが一番耐久性が低く、タイルが一番耐久性が高いのです。
サイディングは金額が安くて、タイルは金額が高いです。
このような感じで、結局使っているものがよくなれば、自然とメンテナンス頻度も下がってきて、それと同時にメンテナンス費用も抑えられます。
「屋根と外壁についてはわかったけれど、シロアリは?」という話になると思いますが、これはシンプルに「国産材を使いましょう」となります。

ハウスメーカーは大量生産前提の家づくりをする企業です。
大量生産するためには安くしなければいけないわけです。
ではどのように安くするのかというと、答えはいたってシンプルです。
主要構造部分である木の質を落とせばいいのです。
そのため、ハウスメーカーで使う木材は、そのほとんどが価格の安い北欧材のホワイトウッドやレッドウッドが使われているのです。
ただ、これらの樹木は湿気がなく、シロアリのいない寒い地域で育った木なので、湿気にもシロアリにも弱い木なのです。
事実、現地北欧の人からすると「ホワイトウッドやレッドウッドは5年持てばいい方」とされている木材でもあるのです。
ただ、安いのです。
日本では大量生産住宅をつくるために、ホワイトウッドやレッドウッドが使われているのですが、やはり日本の環境にはなかなか適しません。
だからこそ、力技でシロアリ対策をするために、薬剤散布をしたり、加圧注入をやったり、あとはホウ酸処理をしたりするのです。
そのため本当の意味でメンテナンスの必要がない長期耐久性の高い家をつくるのであれば、国産材に変更して家づくりができるようにした方がいいのです。
それかいっそのこと、シロアリが関係ない鉄骨メーカーで家をつくるかです。
ただしそもそも論として、構造材に使われている木材を国産材に変更できないハウスメーカーもありますし、国産材に変更できたとしても金額が少し高くなります。
こちらに関しても結局お金をかければメンテナンスフリーに近づきますよ、ということになります。
ですので「どこどこのハウスメーカーを選べばメンテナンスフリーになる」「メンテナンス費用が抑えられる」ではなく、結局のところ、何を使うか、どんなものが使われているのかでメンテナンス費用がかかるかかからないかが決まってくるのです。
ハウスメーカーの選び方7:保証
『保証』なのですが、よくハウスメーカーで何十年保証などがあります。

あの何十年保証というのは、構造躯体のみにかかってくるものです。
さらにハウスメーカー側に落ち度があったと証明できない限り、無償で何かを直してくれるということはありません。
これがどこのハウスメーカーにも共通して言える保証の真理なのです。
「うちの会社は何十年保証です」という営業トークを聞くと、何かあったら何でも無償で直してくれるんだと勝手に解釈してしまうのですが、何でもかんでも無償で直してくれるというそんな都合のいい話があるわけありません。
では、どの範囲が保証の対象なのかというと、構造躯体の骨組みのみです。
骨組みに何かあったら保証しますよという話ですが、何かあっても壁で塞がれているので、何があるかわかりません。
ですので、ハウスメーカー側の落ち度だと証明できないので、結局何があっても保証の対象外になります。
また、震災などで構造躯体に何かあった場合は、免責事項として扱われるので、これも結局何かあっても保証の対象外になります。
ですので、保証が長ければ安心、何でも保証で直してくれるというわけではないのです。
実際にここ最近、タマホームやアイ工務店、あとは桧家住宅も保証を延ばしているのですが、保証を延ばしても保証することがないため保証を延ばせるのです。
もちろん長い期間保証されますよと説明されると心理的に安心すると思いますし、それによって住宅購入のハードルが下がるのは事実です。
ただ言葉の響きだけでなんとなく判断して、なんとなく理解した気にならないように注意してください。
ハウスメーカーの選び方8:耐震性
『耐震性』についてもお話をしようと思うのですが、最近やはり地震や災害が多いので、家の耐震性能は結局どこが強いのか、皆さんとても気にされていると思います。
ただ、ほぼ全てのハウスメーカーが「うちは耐震性能が高いですよ」と言うので、どこが本当に強いのかわかりにくいのです。
ですので、どの工法がどれくらい強いのか、耐震性能の本当の意味、この2つをシンプルにお伝えします。
工法
まず住宅の工法は大きく分けて3つあり、
- 木造軸組工法
- 2×4(ツーバイフォー)、2×6(ツーバイシックス)とよばれている枠組壁工法
- 鉄骨工法
の3種類です。
これを耐震性の強さで見ると、木造軸組工法がベースの場合、それよりも1.25倍くらい強いのが2×4や2×6とよばれる枠組壁工法になります。
さらにもっと頑丈で大空間にも強いのが鉄骨系のメーカーになるのです。
耐震性能の本当の意味
木造軸組工法の木造は弱いのかといわれれば、そんなことはなく、耐震等級を上げれば木造でも十分強いのです。
というのも耐震等級とよばれる国の基準があり、それが1から3まであります。

そして耐震性能3を取れれば普通の家の1.5倍強い耐震性能を確保することができるのです。
ただここで注意をしてほしいのが、耐震等級3と書いてあれば全部安心かというとそうではないということです。
実は耐震性能の計算方法には
- 許容応力度計算
- 性能表示計算
- 壁量計算
この3つがあります。
許容応力度計算か性能表示計算で耐震性能3ならOKなのですが、メーカーによっては1番簡単な壁量計算だけで「うちは耐震性能3相当ですよ」と曖昧な表現でごまかすところもまあまああるのです。
直近で法改正もあったので、この辺はだいぶ変わってきてはいますが、それでもまだまだ不安定です。
ですので、耐震性能に対して不安がある場合は「許容応力度計算はやってくれますか?」と聞いてみてください。
そしてそのハウスメーカーや工務店が「許容応力度計算はやりますよ」と答えてくれたのであれば、それは安心安全なハウスメーカーあるいは工務店です。
ハウスメーカーの選び方9:災害対策
最近やはり災害が増えているので『災害対策』についてもお話をします。
停電
『停電』についてです。
万が一の時の停電はとても不安です。

そんな時に強いのが、蓄電池や太陽光パネル、これが標準的に強いハウスメーカーなのです。
具体的には
- 一条工務店
- セキスイハイム
- ダイワハウス
この辺りのハウスメーカーは太陽光プラス蓄電池がセットで強いので、停電時でも比較的安心して生活できるハウスメーカーになるかと思います。
少し話がそれるのですが「太陽光パネルって結局どうなの?つけるべきなの?」とよく聞かれます。
私の結論は「絶対につけた方がいい」というのが回答になります。
もちろんこれは住んでいる地域にもよるのですが、今は電気代がどんどん上がっています。
事実、再エネ賦課金という毎月電気代にオンされている金額が、2025年5月からまたこっそり上がります。
ですので、今後の電気代上昇のことを考えると、間違いなく太陽光はのせておいた方がいいわけです。
ただ日照時間があまりないエリアですとつけても意味がないというのもあるので、最終的にはエリアによるかと思います。
気になる方は自分たちが住んでいるエリアの日照時間を調べてみてください。
水害
『水害』についてです。

最近洪水や浸水がすごく多くて心配だと思います。
今のところ水害対策で浮く家をやっているのは一条工務店だけですが、正直そこまで普及しているわけではありません。

水害が心配な方が一番大事にすべきなのは、そもそも浸水リスクの少ない土地を選ぶことなのです。
特に土地を買う前にハザードマップで水害リスクを確認するというのを忘れないでください。
土地探しの段階から災害対策をしっかり考えることが一番の防災対策になります。
いくら家を建てる前に地盤補強をしたとしても、軟弱地盤のところで家を建てたら、あまり意味がないのです。
結局地盤がものをいうのです。
ただしどうしても地盤が弱いところで家を建てなければならないケースもあると思いますし、水が近くのところで家を建てなければならないケースもあると思います。
その場合は、最優先で一条工務店を検討する方がいいです。
私も耐水害住宅は実際に体験しているのですが、あれはものすごい技術です。
その他の災害対策として、例えばトヨタホームや桧家住宅、ヤマダホームズなどは、メーカーがやたらと宣伝している「車と家をつなげられる」という仕組みがあります。

電気自動車を持っている方でしたら車から家に電気を供給できるので、停電時であったとしても数日間は普通に過ごせるというものなのです。
情報感度の高い人はご存知だとは思いますが、今現在電気自動車はかなり下火です。
正直電気自動車がメインになる時代はそうそうに来ないと思うので、電気自動車を使わなければならないよほどの理由がない限り、あまり意味をなさないシステムになると思います。
金額も馬鹿になりませんが、どうしても入れたいという方は入れてもいいと思います。
個人的にはあまりおすすめしない設備仕様です。
蓄電池
『蓄電池』についてです。

蓄電池は今後絶対に必要になりますし、つけておいた方がいいのは間違いありません。
つけようと思えばどこのハウスメーカーでも入れることができます。
セキスイハイムやトヨタホームのように元々機械や設備が得意なメーカーですと、蓄電池も比較的コストを抑えて入れることができます。
一条工務店も自社で蓄電池をつくっているので安く入れられますし、ダイワハウスも蓄電池の会社を買収しているので、それもあって安く入れられます。
ハウスメーカーによって、入れられる蓄電池の価格はまちまちです。
この点は比較検討してみてもいいかもしれません。
また「今は価格が高いし後から蓄電池を入れよう」と考える人がいるのですが、それはやめてください。
蓄電池の後入れは、リフォーム工事を含めると大体350万円くらい消し飛びます。
さらにリフォーム工事をする際に、建物の気密性能も失われます。
ただただ損でしかないので、蓄電池を入れるのであれば、最初に入れるようにしてください。
ハウスメーカーの選び方のまとめ
今回は『ハウスメーカーの選び方』ということで解説をしてきました。
本記事を読んでくださった方の中には
- 土地探しからの家づくりを手伝ってほしい
- 自分はこういうハウスメーカーが向いているかも
- あのハウスメーカーと話をしてみたい
などと思った方もいるでしょう。
その上で、少しでも自分の担当者を優秀な人にしたいということであれば、私が作成しているメメグリエからお声がけいただければと思います。

展示場に直接行ってしまったり、資料請求をしてしまったりすると、私から担当者を紹介することが難しくなってしまいます。
できればこれから家づくりをスタートするぞというタイミングで、早めにご連絡をいただけるとうれしいです。
よりよい家を突き詰めてつくっていきたいと思われている方は、気軽にメグリエからご相談ください。