一条工務店から、新商品の「Naturia(ナチュリア)」という商品が出たので、そちらを掘り下げて解説していきます。

このNaturia(ナチュリア)という商品は、本当に一条工務店らしくないというか、今後の一条工務店の方向性を示しているかのような、そんな商品になっています。
一条工務店は今後デザインに力を入れ始めるのだなという、そんな予兆を感じさせる商品なのです。
今回はそんなNaturia(ナチュリア)を徹底的に解説していきます。
一条工務店の新商品「Naturia(ナチュリア)」は北欧がテーマ
Naturia(ナチュリア)は、北欧をテーマにした商品です。
では、そもそもなぜ北欧なのかというと、日本との共通性があるからです。
そしてその共通性から、多くの人に人気なテイストが北欧テイストになるわけです。
これがどういうことかと言うと、北欧は引っ越しの回数か結構多いらしく、それもあって最小限の家具でミニマルに暮らすという文化があるのです。
それによって、空間に余白、つまりは室内にぎっちぎちに家具や家電を詰め込むというよりかは、適度にスペースを設けながら、それでいて最小限の家具で生活をするという、そんな文化があるわけです。
実は日本も同様で、日本は元々座卓の文化です。

そのため、室内空間は割とすっきりしていて余白が多いわけです。
また北欧は、割と寒い地域ということもあり、日照時間が少ないです。
具体的に言うと、北欧の冬場の日照時間は大体5時間~6時間程度。
北部ではなんと0時間となっていて、ほぼ太陽が上がらないのです。
北欧の人たちはそのような状況の中で暮らしているので、疑似的な太陽を室内につくるべく「反射光」という考えを用いて照明をつくり上げたのです。
というのも、太陽の光は、直接宇宙から降り注いでくるわけではなく、オゾン層などに当たって反射して地球に降り注いでいるわけです。

それを室内で再現するべく、北欧の照明は光を一度反射させて拡散させるという「拡散光」という考え方で照明がつくられています。
例えば有名な照明に、ルイスポールセンの「PH 5」というものがありますが、この照明のシェードと呼ばれている傘の部分がUFOのようになっています。

これは、光を反射させて室内で再現できるようにと考えられてつくられた傘になります。
ちなみに余談ですが、PH 5と同じ形状で「PHランプ」というものがあります。

これは当時、
- オパールガラス
- フロストガラス
- アンバー
- レッドオパール
- イエローオパール
- レッドマット
- イエローマット
これらの種類が展開されていて、シェードのガラス部分が今とは違う製法でつくられていました。
ですので、このランプはマニアの中ではかなりの人気の照明となっていて、ヴィンテージ品ともなると400万円くらいします。
一応今現在も現行モデルとしてルイスポールセンから出ているので、気になった方は部屋の装飾の一部として取り入れてみるのもいいかもしれません。
とにかく反射光を利用して室内に太陽光を疑似的に再現していた北欧の人たちですが、日本は「行灯」や「提灯」があります。

あれも光源が直接見えるわけではなく、紙を通じて反射された光が拡散されているという照明です。
ですので、照明でも反射光を利用して明るさを確保していたというところに共通項があるのです。
さらに、北欧には「ペーパーコード」と呼ばれる、樹脂を含ませて寄り合わせた丈夫な紙紐があるのですが、これを椅子の座面に使っていたりするのです。
北欧の代表的な椅子の中に、日本でも人気の「Yチェア」があります。

あれにもペーパーコードが使われています。
ですので、北欧には紙を使う文化があるのですが、日本にも「和紙」があります。
このような感じで挙げたらキリがないですが、北欧と日本には共通点がたくさんあり、それゆえに北欧の家具は日本にマッチしやすいと言われています。
実際、京都の「両足院」というお寺では、2024年末~2025年初頭にかけて、フリッツ・ハンセン主催の「ポール・ケアホルム展」が開催されていて、日本特有の禅の空間と北欧のミニマルな家具が融合する空間というのが話題になっていました。

そういった背景もあり、今現在では、北欧と和の要素を掛け合わせてできた「ジャパンディ」という空間テイストが流行っていたりもするわけです。

ちなみに余談ですが「ジャパンディ」は日本の要素が入っているので、日本発祥のデザインテイストと思っている方が非常に多いのですが、これは違います。
もともとは、ペリーによる開国後に日本の禅の思想に感銘を受けた北欧人がつくり出したテイストなのです。
つまり、日本人の感性が海外に影響を与えて生み出されたテイストなわけです。
このことを簡単に説明すると、ジャパンディの起源は1860年代にまで遡るとされています。
1863年、鎖国を解いて間もない日本に訪れたデンマークの海軍ウィリアム・カーステンセンという人が、和の文化に深く魅了され、帰国すると同時に自身の経験をもとに本を発表したのです。
それを見た北欧のデザイナーたちは、そのまだ見ぬ魅力を自ら確かめるために日本へと渡り、そこで日本独自の侘び寂びの美意識と、ミニマリズム、自然の素材、シンプルさを大切にするデンマークの人の暮らしとの間に共通点を見つけ出し、以来、北欧デザインは和の美学の影響を受け始めるようになりました。
こういった経緯があり、実はジャパンディというテイストは、日本が海外に影響を与えた結果、海外で生まれたものになります。
「ジャパンディ」というテイストは海外由来のもので、日本発祥のものではありません。
これは、1つ豆知識として覚えておくといいかと思います。
とにかく一条工務店が今回出した新商品の「Naturia(ナチュリア)」は、そんな日本とシナジーのある北欧をテーマにした商品になっています。
Naturia(ナチュリア)のコンセプト
まずは、Naturia(ナチュリア)のコンセプトについてです。
Naturia(ナチュリア)は自然を表すネイチャー(Nature)、そして場所を表すエリア(Area)、これら2つを合わせた一条工務店の造語で、「自然な優しさとシンプルさが私らしい愛着のわく場所をつくる家」というのがコンセプトになっているようです。
この商品が発売になった目的ですが、
- デザインに関心のある新規顧客層の獲得
- デザイン志向のお客様への入口役としての役割
- デザインで共感を得て、他の商品へ話を展開する
- 外観の要望などから、セゾンA、ブリアールの軸組タイプで建築予定のお客様を枠組タイプの建物に誘導する
といったことを目的として、この商品がつくられました。
シンプルにまとめると、
- 一条工務店は今後デザインに力を入れていく
- 軸組系の商品はあまりお勧めしておらず、枠組み系のつくり方にシフトしていく
これら2つの目的があるということです。
一条工務店は「HUGme」という商品を出したことによって、格安ハウスメーカーのタマホームのシェアを奪ったという成功事例があります。
昔はタマホームの名前をそこそこ聞きましたが、今ではめっきり聞かなくなりました。
実際に調べてみると、やはり数字的にも一条工務店にやられてしまっています。
今回の動きというのはタマホームの時と同様に、デザインで売っている住友林業や積水ハウスなど、あの辺りからシェアを奪いつつ、企業としてより成長していこうとしている、そのような動きの第一波になるわけです。
一条工務店は動きがとにかく早いので、もしかしたらそのうち一条工務店が住友林業や積水ハウスからシェアを奪う時代が来るかもしれません。
Naturia(ナチュリア)の基本スペック
Naturia(ナチュリア)は規格住宅で、構造躯体は枠組み壁工法になります。
ですので、グラン・スマートなどと同じ構造躯体になるわけです。
標準の天井高は2.4mになります。
断熱構成は、
- 天井:天井断熱 EPS 235mm
- 壁 :充填断熱 EPS 140mm
外張り断熱 EPS 50mm - 床 :床下断熱 EPS 140mm

になっています。
この断熱構成はすごくスペックが高いです。
下手なハウスメーカーで家を建てるのだったら一条工務店を選んだ方が絶対にいいという、そんな断熱構成なわけです。
また今回、Naturia(ナチュリア)専用のサッシということで、「連段窓」が新たに誕生していて、窓の性能を表すU値は0.79となっています。

この数値も、窓の性能的には結構上位に入ってくる数値です。
また、対応可能なオプションとしては、
- 準防火仕様
- 準耐火仕様
- 2倍耐震
- 耐水害住宅(スタンダードタイプ)
- アドバンス免震
- 天井高2.597mまでアップ可能
- ロスガード90
- うるケア
があります。
逆に対応不可な仕様としては、
- 全館さらぽか空調
- 耐水害住宅(浮上タイプ)
- 花粉ジェット
があります。
そして気になる参考価格は、建物のみの坪単価で約70万円となります。
とても安いです。
つまり、35坪の家を建てるとなったら、2,450万円が建物のみの金額となって、そこから諸費用と土地代が加算されるというイメージです。
あくまで参考価格ではありますが、それでも建物のみの坪単価で約70万円という金額は、今のご時世においてかなり安いです。
しかも断熱仕様も付加断熱です。
昨今問題になっている夏型結露リスクも少ないですし、断熱性能的にも抜群となっています。
ただし一条工務店は、一部のエリアがフランチャイズ対応になっていることがあり、
例えば
- 岩手県(花巻以南)
- 宮城県
- 群馬県
- 富山県
- 石川県
- 岡山県(津山市周辺を除く)
- 広島県
これらの地域では、Naturia(ナチュリア)は販売不可となっています。
Naturia(ナチュリア)の外観
Naturia(ナチュリア)は、4パターンの外観の中から選ぶ仕様となっています。
Himmel(ヒンメル)

葬送のフリーレンの勇者のような名前の商品なのですが、こちらはフィンランドやスウェーデンの住まいをイメージしたモダンな白い箱の家になっています。
公式ホームページには、マリメッコでコーディネートされた内装写真が掲載されていて、これは好き嫌いが分かれそうだなとは思いつつも、普通に外観はかっこいいですし、住友林業や積水ハウス、三井ホームでもありそうな外観だなという感じです。

Gladje(グレーデ)

デンマークのアパートをイメージさせるクラシカルなスタイルです。
グレー系の床に腰パネルや新色のフォレストグリーンの建具を使うことで、ヴィンテージ家具にも合う内装に仕上げています。

ヴィンテージ家具好きの人からすると、非常に印象がいいというのがグレーデです。
Hytte(ヒュッテ)

コテージを連想させるナチュラルで温かみのある空間が特徴となっています。
レッドパインの羽目板を使ったり、清潔感のあるホワイトの建具やキッチンを使ったりすることで、リラックスできる住まいをつくり上げている、そんな印象のテイストです。

Aino(アイノ)

北欧と和を合わせたジャパンディスタイルです。
ライトカラーで統一した空間に、スリットウォールという格子を合わせて内装をつくり上げています。

ただ、このテイストはいくつか気になるところがあって、例えばホームページの画像には「セルジュ・ムーユ」というフランスの照明デザイナーの照明が入っています。
ただこの照明は、和要素も北欧要素も皆無なのです。
私もホームページに掲載されているセルジュ・ムーユのスタンドライト、そのヴィンテージのオリジナルのものを持っていますが、どう見ても和の要素も北欧の要素もありません。
ですので「なんでセルジュ・ムーユのスタンドライトが入っているのかな?」と思ってしまいます。
あとは「セクトデザイン」の照明など、確かに形状はお茶立てのような形状で和っぽいなと一瞬思うのですが、拡散光ではないですし、あとは椅子の脚の素材感と色味、椅子の生地とソファーの生地、リレーションの構築などなどです。
本当のジャパンディとはかけ離れた内装画像になっているので、これに関しては「おやおや?」と思うテイストになっています。
ただこの辺の話はインテリアについての話であって、住む人によってインテリアは変わるので、そこまで気にする必要もないのかなと思います。
ということで外観のテイストは、
- ヒンメル
- グレーデ
- ヒュッテ
- アイノ

これら4つの外観から選んで家づくりを行っていくというのがNaturia(ナチュリア)になります。
全体的に今までの一条工務店の商品に比べてデザイン性は格段に上がりましたし、きっと「これでいい」という人も出てくるのではないかと思います。
Naturia(ナチュリア)の細かい仕様
細かい仕様についてです。
土台の水切り部分
「水切り」というのは、基礎と構造躯体の間にある金物のことで、この金物があることによって、雨水が基礎の中に入らないようになっているわけです。

積水ハウスなどでは、この水切りの部分をなくし、水切り部分に塗装をして外壁と一体化させるのですが、今回一条工務店は、
- アーバングレー
- ブラック
- ホワイト
の3色から選べるようになっていて、デザイン的にも目立たないような工夫ができます。
水切りの色が選べるのはなかなか珍しいので、こういうところから見ても、デザインにかなりこだわりをもって商品開発をしたというのがわかるポイントになっています。
軒天のサイディング
軒天のサイディングは木目調の軒天サイディングで、
- イエローブラウン
- ダークブラウン
- チャコールグレー
の3色から選べます。
また、塗装版サイディングは、
- ホワイト
- ベージュ
- グレー
- ダークグレー
の4色から選べます。

窓
窓はホワイトが標準で、
- アーバングレー
- ブラック
- 木目調

これらがオプションで採用可能となっています。
また、今回新しく登場した「連段窓」。
こちらに関しては5955サイズと4442サイズの2種類が存在していて、5955または4442どちらかを1棟1箇所標準サービスで採用可能となっているようです。
要は、安い値段でこの連段窓を1箇所つけることができますという話です。
屋根
屋根に関してですが、
- ガルバリウム鋼板
- コロニアルクァッド
が標準で、
- コロニアルグラッサ
はオプションで入れることができます。
ただし、瓦は採用不可となっています。
外壁
外壁はNaturia(ナチュリア)専用の木目調サイディングが採用可能で、ニチハ製のコートリーウッド
- ナチュラル
- バーチ
- ウォルナット
- ブラック
から選べます。

ただし、この木目調サイディングは、1階の玄関面のみ計画可能となっています。
そのため、
- 玄関ドアを含まない外壁面は施工不可
- 幅15尺(4.5m)を超える計画も不可
ということに関しては注意が必要です。
今回さらに、塗り調デザインのサイディングと低飛散吹付を組み合わせた外壁仕様も登場しています。
塗り調デザインのサイディングというのはその名のとおりで、塗り壁調のサイディングなのです。
そのサイディングというのは、職人技で仕上げたような細かい素材感が特徴の外壁となっています。
それがメインの外壁となっていて、塗り分けられる形で低飛散吹付けという吹き付け外壁が採用されるというイメージです。
わかりやすく言うと、右から半分は塗り調サイディング、左から半分は塗り壁というような感じで、外壁を塗り分けるデザインになっているということです。
しかも低飛散吹付の外壁に関しては、アースカラー8色をベースに構成されています。
8色の中から塗り壁材を選ぶことができるのです。
一条工務店がまさか積水ハウスとか住友林業のように吹き付けを採用してくるとは思いもしなかったです。
ただ一応注意点ですが、サイディングには1,820mmごとに約8mmの目地が入ります。
また「胴差し」と呼ばれている1階と2階の間に水平に配置され、建物の外周部をぐるりと囲む重要な構造材があるのですが、そこの部分には「見切り材」も入ります。
この辺は注意が必要かもしれません。
キッチン
キッチンは今回の商品に合わせて「シャーリー・シリーズ」という商品が誕生しました。

普通のキッチンではありますが、扉部分が「框扉」という装飾性のある扉になっています。
一応このキッチンのデザインに合わせて「シャーリー建具」や「シャーリーシューズボックス」も用意されていて、それを採用することで、内装に統一感が出せるようにもなっています。
木目調腰パネル
Naturia(ナチュリア)専用の木目調腰パネルです。

こちらは白のみの展開ですが、高さ75cmの腰高パネルを内装に貼ることができます。
アイアン手すり
階段の上り口のみに設置できる専用のアイアン手すりが新たに追加されています。
ただし、
- 1階の天井の高さが2,400mmの建物にしか使えない
- 階段の上がり口以外では計画不可
となっています。
一条工務店の新商品「Naturia(ナチュリア)」を徹底解説!のまとめ
今回は『一条工務店の新商品「Naturia(ナチュリア)」を徹底解説!』というテーマでお話をしました。
いよいよ一条工務店が積水ハウスや住友林業のシェアを奪いに本格的に動き始めたという感じです。
まさか一条工務店が吹き付け外壁を採用してくるとは思いもしませんでしたし、今後もこのような感じで、住宅業界のユニクロやGUになるべく、どんどん革新的なことをやってくるのだろうなと思います。
今までデザインが苦手と散々言われてきた一条工務店が、しっかりとプロダクトを組んで、デザインに特化した商品を出してきたわけです。
一条工務店の今後の動向には目が離せない、そんな状況となっています。
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