今回はどんな工務店・ハウスメーカーに頼んでも『注文住宅のデザインをおしゃれにする方法』というテーマでお話をします。
というのも、せっかく家を建てるのなら、少しでもおしゃれな家をつくりたいと思うと思います。
高いお金を払ったのに「なんか普通」「なんかかっこ悪い」と思いたくありません。
そこで今回は、誰でも簡単にわかる注文住宅のデザインの原理原則をお伝えします。
注文住宅に対するリテラシーが上がると思うので、是非最後までご覧ください。
- 注文住宅のデザインの歴史
- 注文住宅のデザインをおしゃれにする方法24選
- 1.照明を間接照明にする
- 2.ダウンライトは最低限にとどめる
- 3.収納をすべて埋め込み式にする
- 4.テレビボードは使わない
- 5.テレビは埋め込み式にする
- 6.プロジェクターを使用する
- 7.ハイドアを使う
- 8.ドアの枠をなくす
- 9.垂れ壁を排除する
- 10.巾木・幕板をなくす
- 11.家全体の壁の色を1色にする
- 12.窓枠を目立たせないようにする
- 13.照明のスイッチ・コンセントを目立たせないようにする
- 14.カーテンを使わない設計にする
- 15.ロールスクリーンを埋め込み式にする
- 16.キッチンを目立たない位置に配置する
- 17.レンジフードを目立たせないようにする
- 18.エアコンを目立たない位置に配置する
- 19.換気設備を目立たない位置に配置する
- 20.玄関土間を打ちっぱなしにする
- 21.階段のささら桁をなくす
- 22.階段手すりをシンプルな形状のものにする
- 23.床材は基本的に1種類のみ使う
- 24.冷蔵庫は見えない位置に配置する
- テイストごとに意識すること
- 家づくりはキッチンから
- 注文住宅のデザインをおしゃれにする方法のまとめ
注文住宅のデザインの歴史
なぜ最初にデザインの歴史について触れる必要があるのかというと、歴史を知らないと感覚頼りのデザインになってしまうからです。
例えば、ネット上では最近「ホテルライク」なるテイストが流行っています。
ただ実際のところ、ホテルライクというテイストは存在しません。
なぜなら、内装のテイストは、本来クラシックとモダンの2種類しかないからです。
ですので、SNSで「ホテルライクを意識して家づくりをしました」という投稿をしている人たちは、各々がイメージしているホテルっぽい何かに寄せてつくった内装、これをホテルライクと言っているわけです。
このように内装の世界は言ったもの勝ちのようになっていることが多く、それゆえによくわからないスタイルがたくさんあります。
事実住宅営業マンもインテリアコーディネーターすらも、内装のことを本質的に理解していなかったりもします。
例えばですが、とある大手ハウスメーカーを検討している人から「今回提案されているテイストはモダンラグジュアリーだそうです。これって本当にモダンラグジュアリーなのでしょうか?」という相談がありました。
これは、モダンラグジュアリーというテイストはそもそもないですし、頭痛が痛いと同じような話なのです。
意味は伝わるけれど、知識のない人がそれらしい言葉で説明したのだなというのが一発でわかります。
しかし、大企業勤めのバチッとスーツでかっこよく決めている営業マンが「これはモダンラグジュアリーです」と言ってきたら「あ、そうなんだ」と思ってしまいます。
そのためみんな騙されるのです。
そのような感じで、内装においては多くの方がきちんと勉強せず、言ったもの勝ちになっていることが多いのが実情です。
これですとチグハグになりますし、後々後悔することにもなります。
ですので、原理原則を知るという意味でも、デザインの歴史を簡単に説明していきます。
「ごてごての装飾」から「装飾の排除」
人類はヨーロッパを中心に発展していくのですが、18世紀中頃にイギリスで起きた産業革命以前は、装飾をすることがデザイン的にいいとされていました。
装飾こそが、そのものを所有する人の権威性や威厳性を表すものになっていたのです。
例えば、王様の椅子やお城は、装飾でごてごてになっているイメージがあると思います。

あれはデザインをよくするという意味でごてごてにしているのももちろんありますが、どちらかというと、人の威厳性や権威性を表すものなのです。
そして、フランス革命によって王族や貴族が没落し、人民が中心の時代に変わりました。
これをきっかけに、権威性や威厳性を表す装飾を排除しようという流れが世界的に広がります。
また、工業の発達により、今までのような装飾性のあるものから、よりシンプルで生産しやすく、さらには今までのような伝統工芸から脱却した工業による工業のための全く新しいデザインを生み出そうという流れになるのです。
この辺をもう少し詳しく説明をすると、産業革命以前は、職人による手工芸が最高とされてきました。
有名なところでいうと、ポスターで有名な画家「アルフォンス・ミュシャ」や

ガラス工芸で有名な「エミール・ガレ」、

建築家「エクトール・ギマール」、

ジュエリーで知られている「ルネ・ラリック」、

家具デザイナーの「ルイ・マジョレル」、

といった人たちが、職人技で芸術性の高いものをつくり、それを王族貴族が買ってコレクションにしていたり、自分たちの威厳性や権威性を示すものとして活用していたりしたわけです。
ただ、そういった職人技によってつくられたものは、複雑怪奇で再現性は全くないですし、複雑であるがゆえに機械での量産もできないのです。
これですと多くの人にものが行き渡りません。
ですので、機械生産可能で、かつかっこいいものをつくろうという、新時代のデザインを生み出そうとする流れが誕生したわけです。
この辺の一連の流れだけでも把握しておくと、デザインの見方が変わってくるはずです。
ル・コルビュジエが「モダニズム建築」を提唱
そんな中、現在の工業化建築のベースとなる思想を広めた人物が現れます。
それが20世紀を代表する近代建築家理論の巨匠と呼ばれる「ル・コルビュジエ」です。

彼は「装飾のない建築」という意味の「モダニズム建築」を世界中に建て、それを世界的に流行させていくことになります。
具体的には、サヴォア邸、ヴァイセンホーフ・ジードルングの住宅などです。

見ていただければわかりますが、外観が非常にシンプルです。
また、内装に関しても以前の建物とは違い、収納は壁に、照明は天井に埋め込み式となりました。

その結果、残ったのは机と椅子くらいだったのです。
そのため、モダニズム全盛期は、椅子などの家具が空間の質を決めるとしていて、家具、特に椅子が主役のミッドセンチュリーという時代に突入します。
そこからしばらくすると、デザインが画一的すぎる、つまりは何もかも似たようなものすぎるということから、モダニズムをベースとしてそれぞれの地域の特性を加えた建築をつくろうという流れになります。
その結果、日本では、モダニズムと伝統的な日本の建築の調和を完成させた東京国立博物館東洋館や、東京国立博物館法隆寺宝物館が誕生します。

それ以降の日本の建築もモダニズムと日本の調和という軸からは大きく逸れず、より洗練された「SANAA」、

日本独自の素材や工法に着目した「隈研吾」など、

現代の建築家へと続いていくことになるわけです。
そして、この流れが住宅にも落ちてきているという状況です。
これが、究極にざっくりとわかりやすく説明した建築とデザインの歴史です。
歴史的な経緯からも見てわかるとおり、建物の装飾をなくすこと、これがとにかく重要なのです。
これが、きれいな建物をつくる上での根本的な考えになるということです。
そして、シンプルになった空間に個性を追加するものとして、インテリアが存在します。
これこそが装飾のない建築を意味するモダニズムであり、現在の建築デザインにおける根幹の部分となるのです。
日本の注文住宅におけるデザインの歴史
おしゃれな建物をつくるためには装飾を排除していくというのはなんとなくわかったけれど、「そもそも現在の日本の住宅における装飾って何?」という疑問もあると思います。
確かにそこら辺にある普通の建売も大体がシンプルに構成されていますし、「装飾なんてないじゃん」という感じだと思います。
しかし、どことなくダサさを感じる建物になっていませんか?
実は日本という国の住宅は、独自の進化を遂げてきたのです。
これがどういうことなのかを説明するために、今度は日本の住宅の歴史を振り返って見ていきます。
ご存知のとおり、日本は敗戦国です。
その影響もあり、戦後の日本は人口が大体3,000万人くらいでした。
ただ、そこからベビーブームに突入して、約50年で人口が1億2,700万人にまで増えたのです。
戦後から一気に人口が増えたということで、家が足りないという時代に突入することになります。
そのため、家に対する需要が高まりました。
また、1950年代は住宅金融公庫が年収の5倍まで住宅ローンを貸してくれるという流れになっていましたが、当時の年収は300万円くらいが平均だったと言われています。
そのため、300万円の5倍で1,500万円までしか借りられない状況だったのです。
それですと家を建てることが難しかったので、当時は現金をもっている人をターゲットにして、町の工務店は家づくりをしていました。
それが、1960年に打ち出された所得倍増計画によって大体10年で年収が倍になり、今まで年収300万円だった人が年収600万円になったのです。
そしてベースとなる年収が上がるということは、住宅金融公庫が貸せるお金も大きくなるということを意味していて、これにより家を安く大量生産できれば儲かるということがわかったわけです。
この時に一気に名だたる大企業が住宅業界に参入してくることになります。
具体的には、
- 積水ハウス
- 住友林業
- ダイワハウス
- ヘーベルハウス
- ミサワホーム
- 三井ホーム
- パナソニックホームズ
- セキスイハイム
- トヨタホーム
これらのハウスメーカーが誕生しました。
今ではこれらのハウスメーカーは「ブランド系」と呼ばれていますが、当時は「プレハブ系」と呼ばれていて、とにかく早くそして安くつくること、これを優先した家づくりを行ったのです。
そしてそれを真似して、
- 一条工務店
- アイ工務店
- 桧家住宅
- アキュラホーム
など、これら新興系のハウスメーカーが誕生しました。
一方で、これまでメインで家づくりをしてきた工務店たちはどうなったのかというと、実は完全にこの時代の波に乗り遅れてしまったのです。
当時は今と違って誰でも簡単に情報を取得できる時代ではなかったので、工務店の人たちは「住宅ローン」というものを知らず、うまく活用できなかったのです。
年上の方になればなるほど新しいことにトライするのが億劫になるというイメージがあると思いますが、おそらくそれと同じ状況が当時も起きていたのではないかと思います。
ですので、ハウスメーカーがバンバン住宅ローンを活用して家づくりを進めている中で、工務店はこれまでどおり、現金で家を買える人だけをターゲットにして商売を進めていたのです。
それゆえに、工務店の勢いはどんどん衰退していくことになりました。
こうして家の需要が高まったことと、住宅ローンという国の後押しによって、ハウスメーカーがものすごい勢いで伸びていきました。
こういった背景によって、日本は職人が家づくりをする時代から、企業が家づくりをする時代へとシフトしていく形になったのです。
日本の住宅の歴史はこういった背景があるのですが、それゆえに、急ごしらえ前提の家づくりになっており、その根底の部分は今も変わっていないということです。
ですので、日本の家は普通に建てるとシンプルではあるものの、どこか独自のダサさがあるのです。
これは積水ハウスで建てようが住友林業で建てようが、その他有名なハウスメーカーで建てようが、どこでも同じです。
逆にマイナーハウスメーカーであっても、ダサさを取り除くことができれば、誰でも積水ハウスや住友林業くらいのおしゃれさは出せます。
その具体的なノウハウについて、この後解説していきます。
注文住宅のデザインをおしゃれにする方法24選
ダサさが出てしまう日本独自の装飾性を排除するための具体的な方法論について解説します。
日本独自の装飾性を排除して、おしゃれなデザインにするための具体的な方法は、
- 照明を間接照明にする
- ダウンライトは最低限にとどめる
- 収納をすべて埋め込み式にする
- テレビボードは使わない
- テレビは埋め込み式にする
- プロジェクターを使用する
- ハイドアを使う
- ドアの枠をなくす
- 垂れ壁を排除する
- 巾木・幕板をなくす
- 家全体の壁の色を1色にする
- 窓枠を目立たせないようにする
- 照明のスイッチ・コンセントを目立たせないようにする
- カーテンを使わない設計にする
- ロールスクリーンを埋め込み式にする
- キッチンを目立たない位置に配置する
- レンジフードを目立たないようにする
- エアコンを目立たない位置に配置する
- 換気設備を目立たない位置に配置する
- 玄関土間を打ちっぱなしにする
- 階段部分のささら桁をなくす
- 階段手すりをシンプルな形状にする
- 床材は1種類のみ使う
- 冷蔵庫は見えない位置に配置する

以上になります。
最低限これくらい抑えておけば大丈夫です。
それぞれ説明していきます。
1.照明を間接照明にする
間接照明とは、壁や天井に埋め込む細いライン状の照明のことです。

間接照明でメインの照度を確保して、その次にどうしても必要なところにだけスポットでダウンライトを設置、最後に装飾的な意味合いでペンダントライトを設置するというステップで計画していくことが、失敗しない照明計画のつくり方になります。
時々ペンダントライトでメインの照度を取ろうとする人がいますが、それですと明るさが足りず、確実に失敗するのでご注意ください。
2.ダウンライトは最低限にとどめる
ダウンライトは、天井に小さな丸い穴を開けて、そこから光を出す照明です。

つけすぎると天井面が穴だらけになり、汚くなります。
ですので、メインは間接照明で照度を取り、どうしても必要なところにだけスポットでダウンライトを設置、最後に装飾的な役割でペンダントライトを設置するというすみわけで照明を設置することを心がけてください。
3.収納をすべて埋め込み式にする
基本的に、すべて壁面に収める形で収納をつくってください。

ただしこの場合、規模によっては造作家具ということで、別途家具屋さんに特注でつくってもらう必要があります。
ですが、そこまで大した金額はしないので、きれいな空間をつくるためには必要なものだと理解して、1つ覚えておいてください。
4.テレビボードは使わない
テレビボードは装飾です。

モダニズムからかけ離れるので、下手に置くと室内空間がごちゃつきます。
ですので、テレビボードが必要ないように間取りを工夫してもらうか、埋め込み式にする形でテレビを設置するようにしましょう。
5.テレビは埋め込み式にする
最近テレビを見る人が減ってきてはいますが、まだまだテレビを設置したいという人もいるかと思います。

ただし、普通にテレビを設置してしまうと非常にノイジーなので、テレビを設置する場合は、壁に埋め込むように設置してください。
6.プロジェクターを使用する
どんなに配慮してもテレビはテレビです。
存在感がかなりあるので、完全にきれいな空間をつくるためには、プロジェクターでテレビを見るようにした方がいいかと思います。

プロジェクターにすることによって、間取りの自由度が格段に上がります。
最近では、プロジェクターで家づくりをする方が増えてきている印象です。
7.ハイドアを使う
ハイドアとは、天井まで高さのあるドアです。

例えば左が一般的な2mのドアで、右がハイドアになります。
比べるとわかりますが、ハイドアはドアが天井まであります。
そのためドアを開けた時に下がり壁がなく、スッキリとした印象になります。
これを建築では「無駄なラインを減らす」と言います。
一般的なドアは、横のラインが天井、床、ドアの上部で3つあるのに対して、ハイドアは、横のラインが天井と床部分の2つしかありません。
大した差ではないように感じるかもしれませんが、このことに配慮するのとしないのとでは、室内のでき上がりが全然違ってくるわけです。
ただし、和モダン系の住宅をつくる場合は、あえて通常のドアを活用するというパターンも存在します。
元々左側のドアは、昔の日本建築を基準にしてつくられたドアなので、和モダン系の住宅をつくる場合は、あえて通常のドアを使うというのもありです。
この辺はテクニック次第のところでもあるかもしれませんが、ハイドアがすべてではないということは覚えておいてください。
8.ドアの枠をなくす
こちらも先ほどの「ハイドアを使う」という部分に付随する内容なのですが、ドアの枠がなくなることですっきりします。
要は、これも装飾を排除することにつながるわけです。
9.垂れ壁を排除する
垂れ壁とはこの部分のことをいいますが、これが出てきてしまうと一気に装飾感が出ます。

特に「2×4」「2×6」と呼ばれる枠組壁工法系の建物は、垂れ壁が出やすいので徹底的に排除しましょう。
10.巾木・幕板をなくす
巾木とは、床と壁の接地部分につける部材ですが、これも太いと装飾的な扱いになるので、基本は排除する前提で考えます。

また、ハウスメーカーによりますが、1階と2階の間に幕板と呼ばれる部材が入るメーカーがあります。

これも装飾になるので、基本的には排除する方向で動きましょう。
11.家全体の壁の色を1色にする
これはそのままの意味です。
よく注文住宅だからということで、いろいろな場所にいろいろな色の壁紙を貼り付ける人がいますが、これはやめましょう。

非常にごちゃつきます。
あとは「エコカラット」。

エコカラットをすすめる営業マンもいまだに多いですが、エコカラットはやはり装飾的な扱いになるので、これもつける想定でいるのであれば、一旦外してフラットに考えていただいた方がいいかと思います。
エコカラットをつけないことでおしゃれになることもあるので、エコカラットがすべてではありません。
ここはご注意ください。
12.窓枠を目立たせないようにする
窓枠を目立たせない方法は2つあるのですが、1つ目が窓枠のクロス巻き込み仕上げにするということ、2つ目がサッシを隠すために壁をふかすということです。

1つ目の方法は比較的簡単で、余計な窓枠を排除してクロスを巻き込み仕上げにしてしまえばいいだけです。

2つ目は難易度が高いのですが、壁を厚めにしてサッシ部分が隠れるように施工するのです。
例えばこのような感じです。

これはなかなかの高等テクニックではあるのですが、モダニズムには必要な手段の1つなので、覚えておいてください。
13.照明のスイッチ・コンセントを目立たせないようにする
これは特に説明不要かと思います。

リビングなどメインとなる空間部分には、スイッチ、コンセントは目立たないように設置してください。
例えば、パントリー内部や玄関部分に照明スイッチを集約させ、コンセントも最低限にして、どうしても必要なら床下に設置するなどです。

リビングには実はそこまでコンセントはいらないので、とにかくきれいに見せる方法を考えてください。
14.カーテンを使わない設計にする
カーテンは究極の装飾です。

カーテンは女性らしさが非常に出るアイテムでもあるので、洋風系の住宅やラグジュアリー感を出すなら設置してもいいですが、最初の段階でいきなりカーテンを設置すること前提で間取りをつくるのは危険です。
一旦、カーテンは使わない想定で設計してもらうようにしましょう。
15.ロールスクリーンを埋め込み式にする
「カーテンは使いたくない、でも夜はカーテンを閉めたい」という方も多いはずです。
この時ロールスクリーンの設置を検討することになると思いますが、ロールスクリーンは、ただただ無骨に取り付けると非常に不格好です。
ロールスクリーンを設置する場合は埋め込み式にしてもらいましょう。

これは最初に言った方がいい項目で、後からですと余計な追加費用がかかりやすいです。
ご注意ください。
16.キッチンを目立たない位置に配置する
キッチンはインテリアの部類に入ります。

ですので、海外のキッチンのように装飾性に富んだキッチン以外はノイズになることがほとんどです。
考えなしにキッチンを設置すると、せっかくのきれいな空間が台無しになってしまう可能性が高くなるので、キッチンは目立たない位置に設置するというのは鉄則だと思ってください。
どうしても目立つ位置に配置しなければならないなら、シンプルさが引き立つ白のキッチンにするなどの工夫が必要です。
17.レンジフードを目立たせないようにする
LDKの中で、レンジフードほどメカメカしいものはありません。

あれはものすごく威圧感が出ます。
できることなら、隠した方がシンプルな空間をつくれます。
18.エアコンを目立たない位置に配置する
エアコンはレンジフードよりも隠せる方法があるのでまだマシですが、レンジフードについでメカメカしい設備です。
目立たない位置で、さらには効果的・効率的にエアコンが効く位置を設計段階から決めておいてください。
ちなみに、エアコンを隠すための格子は、造作家具屋さんでつくってもらいます。

19.換気設備を目立たない位置に配置する
これは極力配慮するという感じです。

というのも、昨今主流となりつつある第一種換気や全館空調のことを考えると、ある程度は天井面に換気設備が出てきてしまうからです。
ただ仕方ないとはいえ、こちらも最大限目立たない位置に配置してもらうようにしてください。
20.玄関土間を打ちっぱなしにする
玄関タイルも装飾としての役割が大きいので、基本的に玄関土間は打ちっぱなしを前提に考えましょう。

ある程度家全体のテイストが整って、方向性が見えた時点で、打ちっぱなしのまま行くのか、それとも装飾してタイルにするのか、この辺を選んでいただければと思います。
21.階段のささら桁をなくす
階段のささら桁はこの部分です。

これがあると非常にダサいので、速攻でなくしましょう。
ここに装飾を入れる必要性はないです。
22.階段手すりをシンプルな形状のものにする
ハウスメーカーによっては、階段手すりが複雑な形状だったりします。

複雑になればなるほど装飾性が強くなるので、なるべくシンプルなものにしてください。
23.床材は基本的に1種類のみ使う
壁紙と同様で、たくさんの種類の床材、たくさんの色の床材を使いたがる人がいるのですが、いろいろな種類の床材を使えば使うほど見切り材というのが出てきます。

また、いろいろな色の床材を使うと、当然空間がごちゃごちゃしてきます。
床材は基本的に1種類のみ使うということを徹底してください。
24.冷蔵庫は見えない位置に配置する
冷蔵庫もエアコンと同様に、目立つ位置に設置すると非常に生活感が出てしまいます。

ですので、極力隠れる位置に設置してください。
ということで、ここまででモダニズムが何たるか、その具体的な例として日本独自のダサさをなくすために必要な、なくすべき装飾について説明してきました。
さらに細かい部分はありますが、それは超応用編になるので、一旦今お伝えした要素を徹底的に突き詰めてください。
テイストごとに意識すること
装飾のないシンプルな空間をつくり上げるのは、あくまで基本的な話です。
シンプルな空間を意識したからといって、確実におしゃれな空間をつくり上げることはできません。
では、モダニズムを理解した上で次に何を意識しなければならないのかというと、つくる家のテイストによって変わってきます。
具体的には、和系のテイストをつくりたいのなら比率を意識する必要があり、特定のモダン系のテイストをつくりたいなら、装飾を意識する必要があるのです。
これがどういうことなのか、それぞれ説明します。
和系のテイスト
「和系のテイスト」は、そもそも何をもって「和」とするのかという問題があると思います。
畳を入れれば和なのか、障子を入れれば和になるのか、といった話です。
ただ、そういった各論的なアイテムを入れたとしても、和っぽさは出せても、和な感じではないと思います。
感覚的な話なので伝わらない方もいるかとは思いますが、例えば建売に、ちょこんとした和室があったとします。

和っぽさは出ているとは思いますが、完全に和を感じられません。
では、和っぽさではなく、和を感じられる要素は何なのかというと、日本を代表する禅の思想、ここにあると思います。
禅の思想
禅の思想は、今では海外の人たちも影響を受けていて、いろいろなもののデザインに取り入れられているのですが、結局抽象概念です。
概念的に理解するのが結構難しいのですが、「未完成のものに美しさを感じること」が禅の本質かと思います。
というのも、禅の思想を世界中に広めた鈴木大拙という人物は、不完全性の美が、古めかしさや原始性を伴う時、さびが見えてくるとしています。
「さび」とは侘び寂びの「さび」です。
具体的に説明をすると、侘び寂びとは
- 侘び…悲観する、貧しくなる、心細く過ごす
- 寂び…寂しく思う、衰える、荒れる、さびる
という意味です。
鈴木大拙は、侘びを「貧」と訳し、時代の流行や名声を気にせず、時代や社会を超えた思考の価値を内面に感じることとしていて、そうした「貧の美」を絶賛しています。
「寂び」に関しては、周囲には何もない孤独な形状が形成する孤高の間、このような状態を促す感覚が「寂び」であり、これもまた美とする価値観が「寂び」の特徴だそうです。
少し難しいですが、要は、侘び寂びというのは「不完全な美であり、不完全な美こそ禅である」、そんな意味合いがあるのだと思います。
日本を代表する建築である寺は、言ってしまえば地味ですし、中に入ると豪華さもない寂しい感じです。

しかし、その地味で寂しい感じが、和を感じる侘び寂びの要素であり、禅なのです。
ただ、この時「寺が地味とか何言ってんの?日本庭園とかあって美しいじゃん」と思われる人もいると思いますが、日本庭園は仏教的な要素が非常に強いです。
ですので、建物と庭を別々で考えるのならいいですが、一緒に考えてしまうと本質的ではないように思えます。
というのも、仏教の言葉で「縁起」という言葉があるのですが、これはすべての存在や物事が繋がっているという考え方です。
そんな中で日本庭園は、屋外の景色を室内に取り込んで、内と外の繋がりをつくることで日本は自然と人が一体となって暮らしている、そんな国であるということを表している、まさに縁起を体現したものなのです。
事実、外の景色を内に取り入れるという考え方で建築している建物は、寺くらいです。
ですので、建物と庭を一括りにして考えてしまうと、禅というものが何なのか、その答えが薄れてしまうような気がします。
一方で建物と庭それぞれで見ると、不完全な美を感じることができる、禅の思想が見えてくるように思えるわけです。
禅の思想は本当に難しく、抽象概念なので、あくまで個人的な考察に過ぎないのですが、この考え方が頭にあると、和系のテイストの住宅がつくりやすくなるのです。
なぜなら、不完全である前提で美しく見せることだけを考えればいいからです。
「料理をのせる皿」を思い浮かべてみてください。
皿は、その上に料理がきれいに盛り付けられていることで完成すると思いますが、禅というのは、皿の形状、質感のみできれいさを出すという話です。

建物に置き換えると、家具は置かず、建物の開口幅や天井高など、寸法からくるきれいさだけで勝負すればいいということです。
そうすることで、感覚的に美しさを感じることができ、結果的にそれが和系のテイストを構成する要素となってくるのです。
これが、和系のテイストをつくりたいのであれば比率を意識する必要があると言った理由です。
和系のテイストをつくるために必要な比率
和系のテイストをつくるために必要な比率である黄金比、白銀比を意識する、ということについてお話します。
実は、建築には美しい形状をつくるための比率が存在します。
その比率は、具体的には2つあります。
- 西洋で使われていた比率で、ル・コルビュジエも使っていた「黄金比」
- 日本で誕生した比率で、大和比という別名もある「白銀比」
この2つです。
実は皆さんがSNSでおしゃれだな、素敵だなと思う物件のほとんどが、この黄金比や白銀比が使われていて、一流の設計士と呼ばれる人たちは、このどちらかの比率を結構使っています。
なぜならそもそも論として、建物の箱、それ自体の形状がダサかったら、どんなに箱の中身で使う素材をよくしても意味がないからです。
例えば、立体的な話ではなく、平面的な話になってしまいますが、名刺を正方形でつくったらダサいと思います。

いくら紙質や字体にこだわったとしても、長方形の名刺には美しさでは勝てません。
それもそのはずで、実は名刺には黄金比が使われてつくられているのです。

ですので、人間が自然と美しいと思えるバランスのいい形状となっているのです。
このような感じで、美しいと感じることのできる比率が使われているのか使われていないのかで、建物のデザイン性は大きく違ってきます。
ですので、ル・コルビュジエも黄金比を使って建物をつくっていたのです。
それぞれの比率について簡単に説明します。
黄金比
黄金比は1:1.618の割合のことを言います。
正式に言うと1:1+√5/2になるのですが、おおよそ1:1.618という解釈で問題ありません。
この比率は身近なものですと、名刺やクレジットカード、これが黄金比で1:1.618になっています。
その他有名なものとして、
- Appleのロゴ
- ミロのビーナス
- モナリザの顔
- ピラミッド
- パルテノン神殿
- 金閣寺

も黄金比でつくられています。
作成されたものも国も地域もバラバラなのに、現代でも共通して美しいと感じることのできる比率、それが黄金比です。
例えば、尺モジュールと呼ばれる910mm×910mmのマス目を積み上げて家づくりをするハウスメーカーは、
- 住友林業
- ダイワハウス(鉄骨)
- ダイワハウス(木造xevoBeWood)
- ヘーベルハウス
- パナソニックホームズ
- 三井ホーム
- セキスイハイム
- ミサワホーム
- 一条工務店
などです。
これらのハウスメーカーで幅4モジュール(4マス)、つまりは910mm×4モジュールで幅3,640mmの大きさで1つの空間をつくる場合、幅3,640mmを1とするので、その1.618倍の約5,890mmがもう1辺となります。

ですので、尺モジュールで開口が4モジュール幅の空間をつくる場合、3,640mm×5,890mm、この大きさがちょうどよく、そして美しく見える形だということになります。
一方で、メーターモジュールと呼ばれる1,000mm×1,000mmのマス目を積み上げて家づくりをするハウスメーカー、具体的には
- 積水ハウス
- ダイワハウス(木造xevoGranWood)
- トヨタホーム
これらのハウスメーカーで幅4モジュール(4マス)、つまりは1,000mm×4モジュールで幅4,000mmの大きさで1つの空間をつくる場合、幅4,000mmを1とするので、その1.618倍の約6,472mmがもう1辺となります。

ですので、メーターモジュールで開口が4モジュール幅の空間をつくる場合、4,000mm×6,472mm、この大きさが黄金比でちょうどよく、そして美しく見える形だということになります。
白銀比
白銀比は日本で誕生した比率で、大和比と呼ばれ、比率は1:√2、つまりは1:1.414になります。
白銀比が使われているものとして、具体的には
- 法隆寺や五重塔の屋根の最下層と最上層の比率
- スカイツリー
- 畳
- A4用紙
- ドラえもんの寸法

など、これらで使われています。
基本的に、白銀比は日本建築の美しさを出すために用いられる比率です。
これがどういうことかというと、日本は西洋と比べてもののつくり方が特殊でした。
例えば昔、海外では木材を切り出す時に丸太状にして、それをそのまま山から降ろすということをしていたのですが、日本は川などを用いて様々な運搬方法を使って木材を運んでいたのです。
ですので、運びやすくするために、ある程度山の中で木を切って運んでいました。

しかし、適当なサイズで木を切ったら使えない木材が出てきます。
ですので、木を切っても無駄なく使える寸法として、白銀比が誕生したと言われています。
そういった背景もあり、日本建築や和モダン系の住宅を設計する時は、黄金比よりも白銀比を用いることが多いです。
ただ、白銀比も黄金比も最終的には好みなので、どちらか好きな方を選んでいただければいいかと思います。
白銀比ですが、黄金比と同様に目安を計算すると、尺モジュールで幅4モジュール(4マス)、つまりは910mm×4モジュールで幅3,640mmの大きさで1つの空間をつくる場合、幅3,640mmを1とするので、その1.414倍の約5,147mmがもう1辺となります。

ですので、尺モジュールで開口が4モジュール幅の空間をつくる場合、3,640mm×5,147mm、この大きさがちょうどよく、そして美しく見える形だということになります。
一方、メーターモジュールで幅4モジュール(4マス)、つまりは1,000mm×4モジュールで幅4,000mmの大きさで1つの空間をつくる場合、幅4,000mmを1とするので、その1.414倍の5,656mmがもう1辺となります。

ですので、メーターモジュールで開口が4モジュール幅の空間をつくる場合、4,000mm×5,656mm、この大きさが白銀比でちょうどよく、そして美しく見える形だということになります。
これが黄金比と白銀比、それぞれの説明になります。
このような感じで、和系のテイストをつくる場合は、なるべく箱のクオリティを上げるべく、黄金比もしくは白銀比を必ず意識するようにしてください。
これさえわかっていれば、比率を計算するだけなので、自分たちで簡単にチェックできるはずです。
そうすることで、純粋な和のテイストもつくれますし、派生系の和モダンや北欧家具と和の混合テイストである「ジャパンディ」をつくり上げることもできます。
とにかく、和テイストの家をつくる場合は比率がものすごく重要になってくるので、和を意識した家づくりをしたい場合は絶対に比率を意識してください。
モダン系のテイスト
特定のモダン系のテイストをつくりたい場合、装飾を加えるということです。
和系のテイストが、限りなく素材や形状のよさを研ぎ澄ました引き算の建築であったのに対して、特定のモダン系テイストをつくる場合は、足し算の建築を行います。
例えばモダン、つまりは装飾のない建築をつくって、そこにプラスチック、金属、ガラスなどでできた大量生産しやすい素材で構成した内装にすることで、王道の「ミッドセンチュリースタイル」になります。

そこにホテルらしい要素を足し合わせれば、ホテルライクと呼ばれるテイストになります。

また、工場を彷彿とさせるインテリアと、打ちっぱなしのコンクリートのような色味や質感を足せば「インダストリアル系のテイスト」、

インダストリアル系のテイストの打ちっぱなしのコンクリートのような質感や色味、これらを排除しておしゃれにつくり込むと「ブルックリンスタイル」や「カフェスタイル」といったものにすることができます。

あとは、全体的に木質感のある内装にすれば「北欧テイスト」や「ナチュラルモダン」と呼ばれるテイストにできますし、

曲線的な装飾を多く入れ込めば「クラシックテイスト」、つまりは「洋風テイスト」につくり上げることも可能です。

このように、最初は日本独自の無駄な装飾を排除してきれいな空間をつくり、その後で必要な要素を加えることで、特定のスタイルをつくり上げることができるのです。
根本は、日本独自のダサい装飾を完全に排除すること、その上で自分たちの理想のスタイルを足し合わせること、これになるわけです。
コツさえ覚えておけば、デザインの方向性を決めるにあたって失敗することはまずないはずです。
家づくりはキッチンから
注文住宅において、キッチンは最後に決めることが多いです。

なぜなら、住宅メーカーを筆頭に、多くの人がキッチンは最後に決めるものとして感覚的に捉えているからです。
ただし、残念ながらその感覚は大きな間違いです。
というのも、キッチンはインテリアです。
キッチンはインテリアの中でも最大級の大きさで、かつ家の中でかなりの面積を占めるものになっています。
当然、内装のテイストに大きな影響を及ぼすのです。
ですので、内装のつくり込みをするのなら、まずはどんなインテリアよりも先に、キッチンのデザインを決めなければなりません。
そして、そのキッチンの色味や質感に合わせて内装全体の色味を決めていく、質感を決めていくという話になります。
これがわかっているだけで内装の決めやすさが格段に変わってきますし、失敗する確率も大幅に低下します。
そのため、これまで説明してきた内装デザインの考え方をベースにしつつ、キッチンのデザインをどのようにするのか、早い段階で決めることをおすすめします。
注文住宅のデザインをおしゃれにする方法のまとめ
今回は『注文住宅のデザインをおしゃれにする方法』というテーマでお話をしました。
デザインについての知識がない状態で、なんとなく家づくりを進めている人が多いですが、こういう状態ですと再現性がないですし、おしゃれな住宅をつくることが難しくなります。
ですので、今回お伝えしたことを頭に入れ、デザインの源流をおさえていただければと思います。
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