今回は『注文住宅の内装材選びで後悔しないポイント』というテーマでお話ししていこうと思います。
そもそも「注文住宅における内装材って何?」という人もいると思うので、まずはそこを簡単に説明すると、室内の面積の大部分を占めるもの、これを内装材と言います。
例えば床材や壁紙です。
これらを内装材と言って、打ち合わせの時も「内装どうしましょうかー」といった会話が飛び交うわけです。
ただこの内装材は面積が大きい分、金額のインパクトもでかいのです。
そのため予算削減の対象にもなりやすいという性質があります。
担当者によっては、契約を取るために内装材のメリット・デメリットをきちんと伝えないという人も結構な割合で存在します。
そしてそういう人が自分の担当になってしまうとどうなるのかというと、例えばよくあるのが「メンテナンスフリーだから大丈夫です!」と言ってくるパターンです。
確かにそれはそれで真実なのですが、きちんとデメリット部分も伝えなければ、後々になって高額なメンテナンス費用が必要になってしまったという状況に陥りやすいのです。
ちなみにこれは結構あるあるです。
決して他人事ではないのです。
では、そうならないようにするためにはどうしたらいいのか?
内装材を決める時に抑えておくポイントはなんなのか?
気になりますよね?
ということで今回は『注文住宅の内装材選びで後悔しないポイント』というテーマで、内装材を決める時に抑えておくポイントについて深掘りをしていきます。
本記事を最後まで読んでいただければ、
- 傷ができてしまったけど直せない
- 家が完成したものの、見た目が建売と変わらない
そのようなことに悩まされずにすむはずです。
後悔しながら毎月高額な住宅ローンを払いたくはないという方は、ぜひとも最後までご覧ください。
注文住宅の内装材選びの重要なポイント「質感に着目する」
内装材選びをするにあたっての重要なポイントをお伝えします。
それが『内装材選びは質感に着目する』ということです。
では、なぜそれほどまでに質感が重要なのかというと、それは本物は『経年変化』が起こりますが、偽物には『劣化』しか起こらないからです。
これが皆さんに覚えてもらいたい一番重要なポイントになります。
重要なのでもう一度言います。
本物は『経年変化』が起こるけど、偽物には『劣化』しか起こらないです。
このことを知らなければ、住んだ後に非常に後悔することになるわけです。
わかりやすいように具体例を出してお話をしようと思います。
注文住宅の内装材で使われる『〇〇調』と呼ばれる素材
住宅業界では『〇〇調』と呼ばれる素材が存在します。
この素材は主に床材、壁紙、天井のクロス、外壁などに使われるもので、表面に本物に見えるようなペイントをしたり、本物に似せたシートを貼ったりして作っているのです。
これを一言でまとめるなら、言い方は少し悪いですが、『偽物の素材』ということになります。
そしてこの『〇〇調』と呼ばれる素材には
- タイル調
- コンクリート調
- レンガ調
- 塗壁調
- 木目調
- 大理石調
といった感じでいろんな種類があります。
ただしこういった『〇〇調』と呼ばれる偽物の素材は、もちろんメリットもあるのですが、デメリットの方が大きいのです。
これがどういうことか、メリット・デメリット、それぞれ簡単に説明していきます。
「〇〇調」のメリット
まずはメリットについてですが、これは1つしかありません。
「コストを抑えられる」これだけです。
コストを抑えられる
実際に私も経験があるのですが、お客さんの中には、コンクリートを打ちっぱなしにしたような雰囲気の部屋にしたい、という要望を持たれている方が時々います。
ただし現実問題として、本物のコンクリートでそういった打ちっぱなしにしたような雰囲気の部屋をつくると、それこそ数千万円単位で金額が跳ね上がってしまうのです。
お金持ちの人からすればあまり気にならないかもしれませんが、普通の人からするとこれはあまりにも現実離れしていますし、「夢をあきらめるしかないのか」と思ってしまう方もいるわけです。
ただ家は一生に一度の大きな買い物です。
本当だったら、できることなら夢を叶えたいですよね。
そしてそういった夢を叶えてくれるのが、コストを抑えて入れることのできる『〇〇調』と呼ばれる素材なのです。
実際に私も過去にコンクリート調のクロスを提案したことがありますし、それと同様で、大理石調の床材なんかも提案したこともあります。
これは本物のコンクリートで打ちっぱなしの雰囲気をつくったり、本物の大理石を敷き詰めて床にしたりするのが、あまりにも建築コストが高くなってしまうからです。
そして本人たちもどうしても自分の夢を諦めきれないという理由から入れることになりました。
ですので自分たちがやりたいことと自分たちの予算、この差分があまりに乖離している場合には『〇〇調』と呼ばれる偽物の素材を使うのはありなのかなと思います。
「〇〇調」のデメリット
ただし、先ほどもお伝えした通り、『〇〇調』と呼ばれる素材はデメリットの方が大きいのです。
具体的にお伝えをするなら、
- 長期的に見た時のメンテナンス性に難あり
- 安っぽく見える
こういったデメリットがあるのです。
重要なことなので、これらについてもそれぞれ説明をしていきます。
長期的に見た時のメンテナンス性に難あり
まずは『長期的に見た時のメンテナンス性に難あり』ということについてです。
例えば木目調のシートフローリングであれば、本物の木の板からできている無垢床と比較した場合、経年変化は起きないですし、狂いも生じず、ワックスがけも不要です。
そのため営業マンも『〇〇調』と呼ばれる素材をすすめる場合に「メンテナンスフリーです」とよく言います。
確かにそれはそれで事実ではあるのですが、一方で『〇〇調』と呼ばれる素材は偽物であるが故に劣化するのです。
ですのでシートフローリングの場合、もし仮に物を落としたりして傷をつけてしまうと、下地が見えてしまい、簡単には補修できません。
軽微なものであれば専用のクレヨンで傷をごまかすということもできるのですが、場合によっては広範囲で補修が必要となり、きれいになおすには業者へ依頼するしかなくなってしまうのです。
一方で本物の素材である無垢床は、定期的にお手入れは必要なものの、何かあったら都度補修ができますし、時間と共に風合いがよくなっていきます。
こういったことから『〇〇調』と呼ばれる素材は基本的に劣化するのです。
そのため『長期的に見た時のメンテナンス性に難あり』なのです。
これが1つ目のデメリットについてです。
安っぽく見える
そしてもう1つのデメリットである『安っぽく見える』ということについてです。
これは本物の素材との差が最も顕著に現れる部分です。
なぜなら本物と比べると『質感』と『近くで見た時の意匠性』が全くの別物だからです。
そして同時にこれは、生活の質にも大きく関わってくることなのです。
どういうことかというと、本物の木を使用した床材であれば、樹種ごとに硬さの違いや肌触り、暖かさや色味の変化、木目の違いを感じることができます。
一方で『〇〇調』と呼ばれる素材は本物ではないため、触り心地がペタペタします。
また先程例にあげたコンクリート調の壁紙でいうと、遠目ではいい感じに見えますが、近くで見ると印刷された感が非常に強く、偽物っぽさをものすごく感じてしまうのです。
要は何が言いたいのかというと、いろいろなところから感じる偽物感から日々安っぽさを感じることになり、そういった小さな『気になる』の積み重ねがストレスになるということです。
結果、家に対する満足度が低下し、同時に生活の質が落ちることにも繋がるのです。
これがデメリットの2つ目です。
ということで、一旦ここまでの話をまとめると『〇〇調』と呼ばれる素材のメリットはコストを抑えられるということ、
一方でデメリットは長期的に見た時のメンテナンス性に難あり、安っぽく見える
この2つということになります。
注文住宅の内装材で使われる本物の素材
では一方で、偽物の反対である本物の素材とはなんなのかというと、
- 無垢床
- 塗り壁
といったものになります。
一応これらの素材の特性もそれぞれ簡単に説明していうと思います。
無垢床
無垢床に関してですが、これは以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる方はそちらも合わせて見てみてください。
念のためここでも無垢床の説明をすると、無垢床は1本の木からできている床材です。
そして樹種によって触り心地や質感が全然違います。
例えば硬い樹種であるイペ材は木の密度が高く、含まれる空気量が少ないため重厚で傷がつきにくいのが特徴です。
ただしそういった特徴があることから、少しひんやりした触り心地になります。
また柔らかい樹種である杉材などは密度が低く、傷つきやすいという特徴があるものの、補修がしやすく、柔らかいので足腰への負担が少ない、足触りが良い、という特徴があります。
このような感じで、樹種によって特性が2つに分かれます。
この話をすると「硬い木、柔らかい木、結局どっちがいいんだ?」という話になるのですが、こちらに関しては完全に人の好みになってきます。
ですので正解も不正解もないのですが、ここで1つ確実に言えることがあります。
それは硬い樹種を選ぶ場合は、挽き板と呼ばれる合板に厚さ2mm程度の木を巻きつけた床材でも十分であるということです。
というのも、無垢床も挽き板も断面を見ないかぎり、区別がつかないのです。
硬い樹種を選ぶ場合は、無理に無垢床を入れなくても挽き板で十分だったりします。
ただし、柔らかい木を選ぶ場合は挽き板だと傷や凹みを考えた時に心もとないのです。
ですのでその場合は、完全な1本の木からできている無垢床を私はおすすめしています。
無垢床は樹種によっても金額が大きく変わりますし、硬い木を選ぶのか、それとも柔らかい木を選ぶのかでも戦略が大きく変わります。
むやみやたらに無垢床を選べばいいというものでもありません。
コスト管理も重要なので、今お話しした無垢床と挽き板の選び方はぜひとも覚えておいてください。
塗り壁
次に塗り壁についてです。
正直に言います。
これはとても高いです。
実際に私は40坪の家を今建築中なのですが、室内全てを塗り壁にしたのです。
そしてかかった総額が700万円です。
材料費自体はそこまで高くないのですが、職人さんの人件費が高くてとんでもない金額になってしまっている感じです。
ただ質感に関しては間違いないですし、内装材自体にも調湿性や空気をきれいにしてくれる性能があります。
ですので空気環境や室内の雰囲気を重要視される方は、一部にだけでも入れてみるといいかもしれません。
ちなみに私が採用した塗り壁は『高千穂シラス』というものです。
気になる方はぜひとも採用してみてください。
あと『高千穂シラス』はどちらかというと機能面に特化した塗り壁ですが、デザイン面に特化した塗り壁で『ポーターズペイント』というものもあります。
ということで、本物の素材である無垢床・塗り壁、これらについても解説しました。
まとめると、無垢床に関しては選ぶ樹種によってコストの調整が可能。
塗り壁に関してはコスト調整はできないが、高い金額を払う価値はある、
ということでした。
注文住宅の内装材は生活の質を高めるための投資
こういった普段ハウスメーカーがあまり提案しないようなことをお話しすると、多くの人が私の話していることは『一部の人が行う特別なこと』と考えがちですが、そんなことはありません。
私は今までたくさんの住まいづくりに関わらせていただいた中で、当然のように全員が内装に対する質は大事にするべきことだと考えるようになりました。
なぜならその方が住んだ後の満足度が圧倒的に高いからです。
ですのでこれから家を建てようと考えている皆さんも、ぜひとも自分たちの生活の質を上げるための投資だと思って、無垢床や塗壁を検討していただければと思います。
注文住宅の内装材選びで後悔しないポイントのまとめ
今回は『注文住宅の内装材選びで後悔しないポイント』というテーマでお話しをしました。
家を購入した後、ようやく目には見えない部分が少しずつ浮き出てきます。
そしてそこで感じるのが質の違いです。
最初の方でもお伝えしましたが、本物は『経年変化』が起こりますが、偽物には『劣化』しか起こらないのです。
ですので『内装材選びは質感に着目する』これを忘れずにマイホーム計画を進めてもらえればと思います。
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