今回は『【2026年最新】ヘーベルハウスの特徴9選~大手の中では安く手に入る~』というテーマでお話をします。

ヘーベルハウスは、2019年くらいは年間の着工棟数が9,000棟を超えていて、業界でもかなり上位のハウスメーカーでした。
当時は、ヘーベルハウスを検討している人がたくさんいた印象でした。
しかし直近の2025年では、年間の着工棟数が4,000棟を下回る形となって、かなり激減しているような状況です。
その一方で、戸建てではなく、非住宅と呼ばれているアパートやマンション系で売上を伸ばしていて、そちらで戸建てで減った利益を補っているような状況です。

直近の決算書にも出ているのですが、戸建ての比率は減ってきているものの、その分、非住宅がカバーしているというのがこの数字からもわかるかと思います。
こういった状況から、ヘーベルハウスの戸建てはかなり苦戦しているような印象ですが、なぜ着工棟数がここまで減ってしまったのかというと、やはり2022年10月に行われた断熱等級の改正が大きいと思います。
というのも、2020年以前のこの業界は、建物の断熱性能や気密性能はどうでもいいくらいの感じでした。
ただ、法改正があってからというもの、いろいろなハウスメーカーが、建物の断熱性能や気密性能の重要性を話すようになったのです。
その結果、もともと断熱や気密が取りにくい鉄骨住宅系のハウスメーカーは苦戦を強いられてしまう、そんな世の中になりました。
ヘーベルハウスもその影響で、人気が低迷してしまったのかなと思います。
ただそんな状態であったとしても、ヘーベルハウスは根強い人気がありますし、昔の印象の「ヘーベルハウス=高級住宅」というイメージもあり、特に建て替え世代の方たちからすると「ヘーベルハウスで建てることが夢だった。だから今、定年退職をしてまとまったお金もできたし、終の住処としてヘーベルハウスで家を建てたい」と考えている方も事実少なくないのです。
そこで今回は、ヘーベルハウスの魅力的な部分から、他のハウスメーカーと比べて足りない部分まできちんと解説をしていこうと思います。
これからヘーベルハウスで検討しようと思っている方は、ぜひとも最後までご覧いただければと思います。
ヘーベルハウスの特徴1:商品ラインナップ
ヘーベルハウスは鉄骨系のハウスメーカーで、主に3種類の構造躯体が存在します。
- 軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造(~40坪 2階建)
- 重量鉄骨 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造(40~60坪 2階建)
- 重量鉄骨 重鉄・システムラーメン構造(3階建・防火地域)
この3種類です。
そして、この3種類の中から自分たちに合った構造躯体を選び、家づくりをしていくことになるわけですが、ここでおそらく多くの方が「軽量鉄骨と重量鉄骨って何が違うの?」というふうに疑問をもたれたと思います。
ですので、構造躯体それぞれの説明に入る前に基礎的な知識として、軽量鉄骨と重量鉄骨、それぞれの違いについて簡単に説明をしていきます。
そしてその後に、ヘーベルハウスの3つの構造躯体の特徴について解説をしていきます。
軽量鉄骨と重量鉄骨の違い
これは非常にシンプルです。

- 軽量鉄骨…鉄骨の厚みが6mm未満
- 重量鉄骨…鉄骨の厚みが6mm以上
になります。
実際にヘーベルハウスも
- 軽量鉄骨…3.2mm
- 重量鉄骨…9mm
の鉄骨を使っているのです。
そしてこの鉄骨の厚みによって、法定耐用年数が変わってきます。
具体的には、
- 鉄骨の厚さ4mm以上…34年
- 鉄骨の厚さ3mm〜4mm…27年
- 鉄骨の厚さ3mm未満…19年
となっています。
要は何が言いたいのかというと、鉄骨は厚ければ厚い分だけ建物の耐久年数が上がっていきますということです。
当然といえば当然です。
実際に3階建て以上のマンションやビルは、重量鉄骨でつくられています。
ですので、軽量鉄骨と重量鉄骨で何が違うのかと言うと、これは鉄骨の厚みだということ、これを覚えておいてください。
3種類の構造躯体
ヘーベルハウスが販売している商品の中身を見ていきます。
【軽量鉄骨】ハイパワード制震ALC構造
こちらは、40坪までの2階建てを建てるのに向いている構造躯体で、世間一般的な名称に置き換えると「ブレース構造」というものになります。
ブレース構造とは、柱や梁のほかに筋交を使ったものを言うのですが、実はこのブレースは、角度によって地震に対する効き具合が違うのです。
このブレースの角度が大きすぎてもダメですし、逆に小さすぎてもダメです。

最適角があるのです。
そのためヘーベルハウスでは、最適角を出すために、ブレースを2段積みにしています。
こうすることによって、効率よく地震に対する力に作用するようになっているのです。

さらにブレースの中心には「極低降伏点鋼」と呼ばれる特殊な金属をつけることで、地震の力をすべてこの装置に負担させるという仕組みを取っています。

ヘーベルハウスの極低降伏点鋼は、日本製鉄と旭化成(ヘーベルハウス)が住宅用にオリジナル開発したものになります。
この「オリジナル」というところがポイントで、実は極低降伏点鋼自体は割とメジャーな素材なのです。
どういうことかというと、極低降伏点鋼には「高純度鉄」と呼ばれる炭素含有量が0.003%以下の金属が使われているのですが、鉄内部の炭素量が極端に少ないことから、粘り強いという性質を持ち合わせています。
例えば、
- ジェット機のランディングギア
- 発電機のガスタービン
- ビルなどの高層建築物
など、長期的に使用しても疲労破壊してはいけないような重要な部分に使われている素材でもあります。
極低降伏点鋼自体は割とメジャーな素材で、知らないだけで意外と自分たちの身近で使われているわけです。
また、極低降伏点鋼に使われている高純度鉄というのは、一般のマーケットには流通していません。
日本では、日本製鉄という企業でしか高純度鉄をつくることができないので、必要ならそこに依頼し、1から製造してもらわなければならないのです。

それだけ希少価値の高い金属でつくられているのが極低降伏点鋼になります。
ここまでが一般的な極低降伏点鋼の説明です。
そして、先ほどヘーベルハウスの極低降伏点鋼は、日本製鉄と旭化成が住宅用にオリジナル開発したものという話をしたと思いますが、どこがヘーベルハウスオリジナルなのかと言うと、
- 化学成分
- 熱処理
この2つがヘーベルハウスの極低降伏点鋼のオリジナル部分なのです。
簡単に説明をすると、まず化学成分に関しては
- カーボン
- ニオブ
- シリコン
- マンガン
- リン
- 硫黄
- チタン
これらの化学成分がヘーベルハウス独自の配合比率で加えられています。
そして熱処理に関しては、極低降伏点鋼を製造後に熱処理することで、さらに靭性をアップさせ、よりエネルギー吸収量の高い素材に昇華させているのです。
ですので、イメージ的には料理の隠し味のような感じで
- 化学成分
- 熱処理
この2つの要素を極低降伏点鋼に加えて住宅用としているのです。
ヘーベルハウスの制震装置、極低降伏点鋼は、ものすごく高い技術とヘーベルハウスの強いこだわりが詰まったものになっています。
【重量鉄骨】重鉄・システムラーメン構造
こちらは
- 3階建て
- 防火地域の建物
を建てる場合に使う構造躯体で、一般的な名称に置き換えると「ラーメン構造」というものになります。

ラーメン構造とは、柱と梁だけで地震の力に耐えることができる構造躯体のことです。
軽量鉄骨とは違って、斜めの部材、つまりブレースが不要です。
そのため軽量鉄骨に比べて、プランニングの自由度が高いという特徴があります。

例えば次のようなことが可能になります。
- 天井の高さを部分的に上げる
- 2階でダウンフロアをつくれる

といった軽量鉄骨ではできなかったことができるようになるので、間取りにこだわりたいという方にはぴったりかと思います。
ただし、結局のところ鉄骨造の建物なので、やはり地震時には揺れやすいです。
ですので、ヘーベルハウスでは制震装置「サイレス」と呼ばれるオイルダンパーを複数枚付けて、揺れない構造躯体をつくっています。

【重量鉄骨】重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッドである「重鉄制震・デュアルテックラーメン構造」についてです。

こちらは主に、40坪〜60坪までの2階建てを建てる場合に使われる構造躯体で、コストパフォーマンスと建物の機能性の両方を兼ね備えた中間に当たる商品になっています。
それぞれの商品の柱や梁の強度は以下です。
- 【軽量鉄骨】ハイパワード制震ALC構造
厚さ3.2mmの鉄骨:約10トンの力に耐えられる柱を使用 - 【重量鉄骨】重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
厚さ6mmの鉄骨:約56トンの力に耐えられる柱を使用 - 【重量鉄骨】重鉄・システムラーメン構造
厚さ9mmの鉄骨:約79~100トンの力に耐えられる柱を使用

このように比較してみると、ちょうど中間に当たる仕様になっていることがわかります。
例えば、軽量鉄骨だと強度が心配、重量鉄骨だと価格が高いと悩んでいる方、重量鉄骨の大空間を取り入れつつ金額を抑えたいという方など、性能と価格のどちらも妥協できない方に、重鉄制震・デュアルテックラーメン構造はぴったりの商品です。
ただ一方で、何でもかんでも重鉄制震・デュアルテックラーメン構造を選べばいいということでもありません。
というのも、重鉄制震・デュアルテックラーメン構造は、重量鉄骨の商品です。
つまり前提条件として、重量鉄骨の特徴を最大限活かせる大きさの建物でないと、反対にコストパフォーマンスが悪くなってしまう可能性があるわけです。
ですので例えば、建坪の小さい家で重鉄制震・デュアルテックラーメン構造のような重量鉄骨を選んでしまうと、重量鉄骨ならではの大空間を活かしにくくなりますし、同時に建築コストが上がってしまいます。
それでしたら、軽量鉄骨の商品を選んだ方がいい場合もあるということです。
実際にヘーベルハウス側も、
- ~40坪 2階建て
【軽量鉄骨】ハイパワード制震ALC構造
「キュービック」「新大地」

- 40〜60坪 2階建て
【重量鉄骨】 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
「RATIUS RD」

- 3階建て・防火地域の建物
【重量鉄骨】 重鉄・システムラーメン構造
「FREX」

を推奨しています。
何でもかんでも重鉄制震・デュアルテックラーメン構造を選べばいいというわけではないので、注意してください。
また、重鉄制震・デュアルテックラーメン構造は、重鉄だからという理由で「制震装置のサイレスが入るのでは?」と思った方もいるかもしれません。
しかし入ってくるのは、軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造に入っている極低降伏点鋼です。
ただし「アダプティブジョイント」という専用の技術を使うことで、極低降伏点鋼を最大限使えるようにカスタマイズされたものが入ってくることになります。

ですので、似て非なるものが入ってくるというイメージです。
自分たちが建てる家の規模感や予算感と照らし合わせつつ、どの構造躯体を選ぶのかを決めていただければと思います。
ヘーベルハウスの特徴2:価格帯
ヘーベルハウスは、建物のみの坪単価で約125万円が目安です。
例えば35坪の家を建てる場合、35坪 × 125万円= 4,375万円、これが建物のみの価格となります。
加えて、
- 外構費用:約300万円〜800万円
- 建物の組み立て費用:約200万円〜450万円
- 屋外給排水工事:約90万円〜150万円
- ガス引き込み費用:約30万円
- 住宅ローン保証料:約100万円〜200万円
- 地盤改良費用:0円〜約1,000万円程度
- 火災保険料:約50万円
- カーテン・照明・エアコン・家具家電:約500万円
- 設計業務報酬料:約150万円
- 長期優良住宅性能表示制度申請費:約20万円
- 登記費用:約30万円
これらの諸費用が発生します。

さらに土地から購入する場合は、土地の仲介手数料もかかります。
- 土地の仲介手数料:(土地価格3%+6万円)×消費税
2,000万円の土地を購入する場合、(2,000万円×3%+6万円)×消費税となり、約73万円が仲介手数料になるわけです。
これらの費用は、建物の規模感でも変わってきますが、今のご時世ざっくりと1,500万円くらいは諸費用としてかかると見ておく方が安心安全です。
諸々合計すると、2,000万円の土地に35坪の家を建てた場合、合計で7,875万円かかるという想定になります。

これがヘーベルハウスで家を建てる時の目安の金額です。
この金額は戦後系の大手ハウスメーカーの中では比較的安い方です。
それがなぜかというと、ヘーベルハウスは住友林業と同様に、きちんと本社が標準仕様を定めて世界観をつくり込み、適切にボリュームディスカウントを取っているからです。
もう少し具体的に説明をすると、ヘーベルハウスには契約者もしくは契約が近づいた方にのみ渡されるデザインブックと呼ばれるカタログが存在します。

このカタログには
- コスパの良い仕様が入っているコース
- 少し高めの仕様が入っているコース
の2つのコースがあり、どちらか好きな方を選んでいただき、初期仕様とします。
初期仕様というのは簡単に言うと、見積もりを取得するためのベースの仕様のことです。
そしてこの初期仕様は、ボリュームディスカウントが効いていて、割引率が結構高めなのです。
ですので、建物のみの坪単価が125万円と、他の戦後系の大手ハウスメーカーと比較して割安なのです。
もちろん、初期仕様はあくまで見積もりを取得するための仕様なので、そこからいくらでもカスタマイズは可能です。
ただし初期仕様から外れれば外れるほど特注単価に寄っていくので、割高になっていきます。
ここに関しては注意が必要です。
とにかくヘーベルハウスは、戦後系の大手ハウスメーカーの中では結構安い方で、それがなぜかと言うと、適切にボリュームディスカウントを効かせる仕組みがあるからということになります。
こういった仕組みを取り入れているのが、戦後系の大手ハウスメーカーの中ですと、ヘーベルハウスと住友林業だけなのです。
これでも高いと思われる方向けに、ヘーベルハウスには通常の注文住宅よりも安く、建物のみの坪単価で100万円くらいに抑えられる商品があります。
それがMy Dessinと呼ばれる商品です。

この商品は規格住宅なので、決められた間取りの中から自分たちにマッチしたものを選び、色味や仕様を少しいじって完成させるという商品になります。
以前まではこの商品も少しだけカスタマイズができたのですが、今はほとんどいじれなくなりました。
やはり人間は欲が出るので、1ついじってもいいよとすると、次から次へといじりたくなって、後々トラブルになることから規制を厳しくしたのではないかと思います。
規格住宅である以上、やはり制限は受け入れないといけません。
その分、通常の注文住宅と比べると大体800万円近く安くなるかと思います。
クオリティを取るのか、それともコストを取るのか、この辺はご自身の財布事情と相談して決めてみてください。
ヘーベルハウスの特徴3:耐震性
ヘーベルハウスは、頑丈な家、頑丈な基礎が売りのハウスメーカーです。

ただし、基礎の設計基準強度は24ニュートンで65年耐久となっていて、他のハウスメーカーと同程度の耐久性です。
また、本来は構造計算を行って耐震等級3を取得するために、基礎の大きさ、配筋の数、配筋の太さを決めていくのですが、ヘーベルハウスは、型式適合認定を取得している都合上、これらは最初から決まったものが入る流れとなっています。
つまりイメージ的には、どんぶり勘定的な基礎づくりになっているということです。
そのためよく、型式適合認定を取得している会社は危ないなどと言われたりするのですが、これまでのヘーベルハウスの家づくりを見ていると、そこまで騒ぎ立てるほどのことではないかなと思います。
あと、ヘーベルハウスは外壁にヘーベル板というものを使っているという特徴がありますが、

このヘーベル板には気泡が入っています。

そのため空気層が耐火性能の向上に一役買ってくれていて、本来火に弱い鉄骨から建物を守ってくれるつくりになっています。
これに関しては展示場に行くと必ずヘーベル板を火で炙る実験を見せてくれるのですが、表面を高温のバーナーで炙っても裏面が全然熱くないのです。
これを最初に体感した時はものすごく心が惹かれるのですが、この耐火性能があることで、地震の後の二次災害で起こる火災からも家族を守れる、まるでシェルターのような家になるわけです。

この辺りの特徴があるので、ヘーベルハウスは建物が密集している都市部に特化したハウスメーカーと言えるわけです。
これは本当に間違いないなと思います。
ヘーベルハウスの特徴4:断熱性能
結論から言うと少し申し上げにくいのですが、ヘーベルハウスの断熱性能や気密性能は、業界全体から見てあまりよくはないです。
ヘーベルハウスの現在の断熱仕様は次のとおりです。
【軽量鉄骨】ハイパワード制震ALC構造
- 屋根
ネオマフォーム65mm
ポリスチレンフォーム25mm
ヘーベル板75mm - 壁
ネオマフォーム60mm(柱回り28mm)
ポリスチレンフォーム7mm
ヘーベル板75mm - 床
ポリスチレンフォーム60mm
ヘーベル板75mm

【重量鉄骨】重鉄・システムラーメン構造/重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
- 屋根
ネオマフォーム65mm
ポリスチレンフォーム25mm
ヘーベル板75mm - 壁
ネオマフォーム60mm
ポリスチレンフォーム7mm
ヘーベル板75mm - 床
ポリスチレンフォーム60mm
ヘーベル板100mm

ここで知っておいてもらいたいのが、ヘーベル板は断熱材ではないということです。
ヘーベルハウスの展示場に行くと、ヘーベル板をガスバーナーで炙って、お客さんに触らせるという実験をよくやります。

表面をどれだけ熱しても裏面は全然熱くならないのです。
その凄さから、この実験を体感した人ほぼ全員が「ヘーベル板ってこんなに断熱性能があるんだ」と錯覚してしまうのです。
しかし、ヘーベル板は断熱材の代わりにはなりません。
断熱材というのは、暖気と冷気の両方を遮断して初めて断熱材と言えるからです。
実験はあくまで火で炙っただけなので、暖気の遮断には適しているということを証明しているわけですが、一方で冷気は普通に通してしまうのです。
結果どういうことが起きるのかと言うと、冬はやはり少し寒いです。
ヘーベル板が断熱材として機能していないということは、どの商品もポリスチレンフォーム60mm、要は6cmしか断熱材が入っていないということになるわけです。

他のハウスメーカーですと最低でも今は床下断熱材で100mm、よくて150mm、200mmくらいの厚さが主流になってきています。
一応補足で説明をしておきますが、断熱材は種類よりも厚さの方が影響が大きいことが多いです。
ですので例えば、似たような厚さであれば、発泡系のネオマフォームの方が性能がいいと言えますが、圧倒的に厚さが違う場合に関しては、やはり厚い方が断熱性能はよくなるのです。
ですので、ポリスチレンフォーム、つまりはヘーベルハウスの言葉で言うネオマフォームだから断熱材の厚さがなくても大丈夫ということにはならないのでご注意ください。
よくヘーベルハウスの営業マンは「ヘーベルハウスはヘーベル板で囲まれているので、断熱材に包まれたような家をつくることができます」「そのため、夏は涼しく冬は暖かいです」という営業トークをするのですが、これはかなり誇張しているなと思います。
ヘーベルハウスの特徴5:気密性能
ヘーベルハウスは気密を表すC値は公開していませんし、測定もしていません。

また、外部業者を入れることを会社全体として禁止しているハウスメーカーでもあるので、無理に気密測定をしようと思っても「できない」と断られることが多いです。
最近ですと、気密性能を上げる専門の業者さんもいるのですが、当然そういった業者さんも現場に入るのは禁止になっています。
情報漏洩的な観点からすると、ヘーベルハウスの行動は正しいと思います。
ですが一方で、後々になってから「なんで外部の業者が入れられないんだ?」という風にならないように、最初から外部の業者を入れる想定をしているのであれば、契約前の段階でヘーベルハウス側に確認をするといいかと思います。
ヘーベルハウスの特徴6:ロングライフ全館空調
ヘーベルハウスは基本的に第3種換気がメインです。
ただカスタマイズをすることで、第1種換気や全館空調を入れることが可能になります。
ここ最近では、建物の断熱性能、気密性能が他のメーカーよりも少し劣っているところがあるので、それをカバーするために、ロングライフ全館空調という名前の全館空調がリリースされました。

ロングライフ全館空調は、1階と2階それぞれに天井埋め込み型の空調を入れることで、家中快適な温度にできる仕組みになっています。

もちろん部屋ごとの風量調整や温度調整も可能となっています。
ただ、設置するだけで200万円くらいはかかってしまうので、全員が全員つけられる設備ではないと思いますが、個人的にはヘーベルハウスで家を建てるのであれば、マストで入れるべき設備だと思っています。
そんなロングライフ全館空調はどのような特徴があるのかというと、
- 機械室がいらない
- ネオマフォームでつくられたダクト、チャンバースペースが採用されている
- オプションでデシカント換気が採用可能
大きく分けて、この3つの特徴があります。
機械室がいらない
ヘーベルハウスのロングライフ全館空調は、機械室がいりません。
通常どのハウスメーカーも、全館空調を導入する場合、機械室と呼ばれる小学校の掃除用具入れくらいの大きさのスペースを家のどこかに設けなければならないのです。

ヘーベルハウスは、それが必要ありません。
なぜヘーベルハウスにはそういった機械室が必要ないのかと言うと、天井埋め込み型のエアコンを活用しているからです。
どういうことかと言うと、そもそもの話として、全館空調というのは3つの要素の掛け算から成り立っています。
壁掛けエアコン × 第1種換気 × 風量 = 全館空調
ということです。
そしてこれらを1つにまとめているため機械室が必要で、小学校の掃除用具入れくらいの大きさのスペースを家のどこかに設けなければなりませんでした。
ただし今お伝えしたように、全館空調というのは3つの要素の掛け算から成り立っているということさえ知っておけば、いろいろな応用を利かせられるのです。
例えば今回のように、
壁掛けエアコン × 第1種換気 × 風量 = 全館空調
だったのを、
天井エアコン × 第1種換気 × 風量 = 全館空調
に変更することもできるわけです。
そしてその全館空調の基本的な構造をうまく利用しているのが、ヘーベルハウスのロングライフ全館空調ということになります。
これによって空調室がいらなくなったため、無駄なスペースをつくる必要がなくなり、間取りを設計する際に小回りが効きやすくなったわけです。
1階の天井と2階の天井双方に全館空調の装置をつける必要が出てきてしまったのですが、1階は全館空調をつけておいて、2階は誰もいないから消しておくという小回りの利いた対応ができます。
こういう話を聞くと「それって全館空調じゃなくて各階空調なのでは?」と思うかもしれませんが、細かいことは気にしないようにしましょう。
ヘーベルハウスのロングライフ全館空調は機械室がいらないということ、ここではこれを覚えておいていただければと思います。
チャンバースペースが採用されている
全館空調と聞いて「電気代って大丈夫なの?」と思われると思いますが、実はロングライフ全館空調では、ネオマフォームでつくられた「チャンバースペース」というものをダクトとして活用することで、
- 電気代の抑制
- ダクトの結露リスクの解消
- 送風時の熱欠損の解消
これらの効果を得ているのです。

もう少し具体的に説明をすると、例えば全館空調は、天井にダクトを通してつくられるわけですが、施工がうまくできていないと、屋根側から熱の影響を受けてしまう可能性があります。

すると、せっかくエアコンで生成した暖気や冷気が無駄になってしまう可能性があるのですが、ネオマフォームでつくられたダクトであれば、そういった屋根からの熱の影響を防ぐことが可能なのです。
しかもこのつくり方でしたら、施工ムラが起きないため、ダクト内部の結露リスクも大幅に減らすことが可能なのです。
チャンバースペースは、カタログで見ると、少し「おぉ…」となるような見た目なのですが、ヘーベルハウスらしい効果効率的なつくり方になっているなと思います。
オプションでデシカント換気が採用可能
オプションでデシカント換気が採用可能ということについてです。
全館空調は基本的に、全熱型と呼ばれる調湿機能のついている第1種換気とエアコンを連動させて動いています。
しかし、全熱型の第1種換気は、多少調湿できるだけで、それ単体のみでは完全には調湿できません。
完全に温湿度を整えるのであれば、やはりエアコンの力や加湿器の力が必要になってきます。
ただし、ロングライフ全館空調にはさらなるオプションとして、熱交換型ロングライフエコ換気システムHGというものがあります。

わかりやすく言い換えると、
天井エアコン × 第1種換気 × 風量 = 全館空調
だったのが、
天井エアコン × 熱交換型ロングライフエコ換気システムHG × 風量 = 全館空調
になるということです。
そして、この熱交換型ロングライフエコ換気システムHGというオプションは、デシカント換気と呼ばれる換気方法で、給水・排水いらずで、勝手に除湿と加湿をしてくれるのです。
商品としては、住友林業の「PRIMEAIR」や、積水ハウスの「アメニティー換気プラス」と同じです。
簡単に理屈を説明すると、除湿する場合は、熱く湿った空気を冷却してデシカントローターと呼ばれる機械に通します。

するとデシカントローター内部の乾燥剤に湿気が吸収され、室内には除湿した涼しい空気が送られるようになるのです。
一方で加湿する場合は、冷たく乾いた外気を加温してデシカントローターに入れます。

すると、内部の乾燥剤に溜まった水分が加えられ、暖かく加温された空気が室内に送られるようになるのです。
ですので、室内を1年中、相対湿度40~60%に調整することができるのです。
そうすることで、カビ、ノミ、ダニ、ゴキブリ、これらの発生を抑制しつつ、快適な室内環境を提供してくれるようになります。
さらに金額的にも、各居室エアコン+床暖房の金額より安く導入できるので、ヘーベルハウスで検討する際は、入れなければ損するレベルのオプションなのです。
ただし、通常の換気システムより電気代がやや高めなので、太陽光パネルをのせるなどして対策をした方がいいです。
ヘーベルハウスで家を建てることを検討する場合は、ロングライフ全館空調を導入する想定で家づくりを進めていただきたいと思います。
ヘーベルハウスの特徴7:デザイン、設計力
ヘーベルハウスは、ALCコンクリート、通称「ヘーベル板」というものを外壁材として使っています。

ヘーベルハウスではこの外壁しか使うことができないので、好き嫌いが出る一方で、非常に重厚感のある建物に仕上がるという特徴があります。
また、屋根に関してはフラット屋根になることが多いです。
もちろん寄せ棟などの屋根もできるのですが、片流れの屋根はヘーベル板の関係上できません。
また、ヘーベルハウスは元々、建築家のル・コルビュジエが提唱したモダニズムという装飾のない建築をつくること、これを踏襲して始まっているハウスメーカーです。
ですので、水平ラインを強調したフラットな外観の建物になりやすいという特徴があります。
むしろそういったフラットな屋根の方が、都心の法規制の厳しい建築地では相性がよかったりもします。
ル・コルビュジエが建てたサヴォア邸や、ミース・ファン・デル・ローエのファンズワースのように、フラットで装飾のない建築が好きという方は、ヘーベルハウスとは相性がぴったりかと思います。

外壁はヘーベル板しか選べませんが、色に関しては選べます。
王道は白ですが、御影という色も街並みにマッチしやすいかと思います。

メテオブルーや玄武という色は、結構個性的なので、独自のかっこよさを追い求めるというのであれば、こういった色を選んでもいいのかなと思います。
やはりヘーベルハウスは無機質な感じがかっこいいわけです。

ですので、北欧家具を入れるというよりかは、内装にタイルなどを入れて、重厚な感じを出しつつ、LC1やLC2、バルセロナチェアなど、ミッドセンチュリー時代の王道な感じで整えたり、ジャン・プルーヴェの家具などで締めたりすると、いい感じになるのかなという印象です。
ヘーベルハウスはハイコスト系のハウスメーカーだけあって、専属の設計士やインテリアコーディネーターがつきます。
ですので、この辺の空間テイストに関しては、じっくりと寄り添って提案をしてくれます。
さらにヘーベルハウスには、住環境シミュレーションシステム「ARIOS」というものがあります。

これは家を建てる時に、その敷地にどのように日の光や風が入ってくるのか、また隣の家からの影はどのようになっていて、どういった影響を及ぼすのか、これらが事前にわかるシミュレーションシステムです。

実はこれは結構すごくて、他のハウスメーカーですと、建築士や住宅営業マンが「日の光はこう入りますよ」と手書きのパースで示したり、なんとなくで「このくらいの距離をあけておけば問題ないですね」と言ってきたり、根拠なく経験値から訴求することが多いです。
ただ、ヘーベルハウスでは、膨大なデータから「99%こうなります」というシミュレーションをして提案してくれるので、そういう環境が整っているのはものすごく安心感があると思います。
実際に日の入り方は季節によってかなり変わります。
それを手計算や感覚でどうにかするのは相当難しい話なので、こういったシミュレーションがあるというのは、ヘーベルハウスのかなりの強みになります。
さらにこのシステムは、各部屋の室温計算までしてくれます。

「この部屋は夏は暑くて冬は寒くなり、そうだから窓の大きさを調整しましょう」といった住環境に重きを置いたデザイン提案ができるのです。
そしてARIOSがあることによって、都心部の密集地で家を建てる場合であっても、近隣に大きなビルや3階建ての建物が建っていたとしても、なるべく日の光が入るように工夫しつつ、大空間のリビング、

大開口の窓、

コーナーサッシ、

これらを採用することができるわけです。
せっかくヘーベルハウスで建てるのであれば、アウトドアリビングを活かしたヘーベルハウスらしい住まい方をしていただけると嬉しいなと思います。

例えばですが、ヘーベルハウスが得意としている「ホールディングウィンドウ」というジャバラ式の窓をつけてもらって、バルコニーと室内すべてをつなげたような空間をつくるのもいいと思いますし、

「ビスタウィンドウ」というFIX窓を使って、バルコニーの景色を室内に取り入れるのもいいかもしれません。

あとは、ヘーベルハウスでしかできないこととして、重量鉄骨の商品で2階リビングにした場合、天井高を上げつつダウンリビングにすることで、3m40cmの天井高の空間をつくることができます。

2階でダウンリビングにするというのが結構すごくて、こういうことができるのはヘーベルハウスだけなのです。
ただ、重量鉄骨だからできることなので、それ相応に土地の広さは必要です。
また、建物の大きさもそれ相応に必要になります。
都心部で、なおかつ広めの土地を持っていて、こういう邸宅感のある住まいをつくりたいという方には非常におすすめです。
ヘーベルハウスの特徴8:メンテナンス性
ヘーベルハウスのメンテナンス費用は、正直結構かかります。

というのも、ヘーベルハウスの家は30年後に400万円くらいかけて、集中メンテナンスをする必要があるのです。
これを聞くと「そんなにかかるの?」という感じだと思います。
しかし、ヘーベルハウスで家を建てるのであればこれは仕方なく、そもそもヘーベル板は、水を吸わないように塗装してヘーベル板自体を保護しているのです。
ですので、その保護の役割をもっている塗装が切れてしまったら、構造躯体に悪影響を及ぼすので、何が何でも30年目にフルメンテナンスを行わなければならないのです。
ただ裏を返せば、ヘーベルハウスのメンテナンスシステムは、30年目にフルメンテナンスさえ行ってくれれば、最長60年保証しますよというものになっています。

30年目に400万円もかけてフルメンテナンスを行うので、その間は無料点検をしてくれるなど、アフター対応はしっかりしている方です。
また、実際に以前こんな話がありました。
ヘーベルハウスの家を売ろうと考えていたお客さんがいました。
そのお客さんは何を思ったのか、家を壊してヘーベルハウスの使っている家の骨組みだけを売るということをやったのです。
私も今まで普通に中古住宅を販売するというのは何度も見てきていますが、わざわざ骨組みにしてそれを売るということを見たことがありませんでした。
「そんなことできるんだ」と私自身も勉強になったくらいです。
結局その骨組みだけの家は売れて、再度その骨組みを再利用してヘーベルハウスで家を建てたということがあったのです。
こういうトリッキーな動きも一応できるようなので、1つ参考までに覚えておくといいのではないかと思います。
ヘーベルハウスの特徴9:客層
ヘーベルハウスの購入を検討される方は、住友林業と積水ハウスを検討先として見ていることが多いです。
価格帯的にも同じで、鉄骨か木造かで迷っている場合は住友林業も見て、鉄骨一本に決めているけれど比較先としてどこがいいかなということで、積水ハウスが入っているという感じです。
土地から購入される方でヘーベルハウスを検討される方は、最低でも世帯年収で1,500万円は必要となります。
すでに土地がある場合でも、最低で世帯年収1,000万円は必要です。
大手のハウスメーカーだけあって安くはありませんが、高すぎるわけでもありません。
ヘーベルハウスが好き、重厚な鉄骨住宅を建てたい、そう思った方はぜひとも検討していただきたいです。
ヘーベルハウスの特徴のまとめ
今回は『【2026年最新】ヘーベルハウスの特徴9選~大手の中では安く手に入る~』というテーマでお話をしました。
ヘーベルハウスは、ここ数年ずっと変化がない企業となっています。
競争の激しい住宅業界の中で、徐々に他のメーカーに追い越されてしまっている、そんな状況になっているように思います。
しかも発売した渾身の木造住宅「asu-haus」も廃止になるような話も入ってきています。
あれはものすごくいい商品だったので、非常にもったいないなと思っています。
ヘーベルハウスにはヘーベルハウスなりの考え方があるのかなと思うので、もしヘーベルハウスを検討してみたいという方がいましたら、今後の動向も含めて営業マンにいろいろ聞いてみるといいかもしれません。
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