今回は『【2024年最新】ヘーベルハウスの特徴10選〜すべてがわかる!〜』というテーマでお話をしていきます。
皆さん、ハウスメーカーって世の中にたくさんありますよね?
「ネットで調べても違いがよくわからない!」かといって「住宅展示場に行ったり、あるいは各ハウスメーカーに資料請求をしたりすると勝手に担当者がついて固定化されてしまう!」「だからうかつに動くこともできない!」「もうどうすればいいんだ!」
そのように悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
ですので今回は、私がヘーベルハウスの良い面も悪い面も忖度なく、全てお話していきます。
これから家づくりをされる方で、
- ヘーベルハウスってどんな会社なのか知りたい
- ヘーベルハウスを検討する上で注意するべきことは何かを知りたい
- 誰も知らないような情報をコッソリと教えてほしい
これらに該当する方は、ぜひとも最後までお読みください。
- へーバウハウスの特徴1:日本にモダニズムを広めたハウスメーカー
- ヘーベルハウスの特徴2:初めて二世帯住宅をつくったハウスメーカー
- ヘーベルハウスの特徴3:ALC(軽量気泡コンクリート)通称ヘーベル板
- ヘーベルハウスの特徴4:他社などから悪口を言われやすい
- へーバウハウスの特徴5:3種類の構造躯体がある
- ヘーベルハウスの特徴6:モダニズムのさらにその先の商品(RATIUS|GR)がある
- へーバウハウスの特徴7:通常の注文住宅よりも坪単価が10万円安い商品(my DESSIN)がある
- ヘーベルハウスの特徴8:割引率が高い仕様(通称:デザインブック)がある
- へーバウハウスの特徴9:全館空調(ロングライフ全館空調)を選択できる
- ヘーベルハウスの特徴10:価格は大手ハウスメーカーの中では抑えられている方
- 【2024年最新】ヘーベルハウスの特徴10選〜すべてがわかる!〜のまとめ
へーバウハウスの特徴1:日本にモダニズムを広めたハウスメーカー
『現代建築の原点』
ヘーベルハウスは1972年に誕生したハウスメーカーなのですが、1930年〜1955年くらいまでの間から、世界ではモダニズムという建築様式が流行りはじめていました。
モダニズムというのは、簡単に一言でお伝えすると、「建物の装飾を無くそう」という動きです。
というのも、昔の建物は装飾が至るところにありました。
これはそこに住む人の権威性や威厳性を表すために施されているわけですが、見てのとおり、職人がつくり込む必要があるので、どうしてもつくり終えるのに時間がかかってしまうのです。
これは何も建築に限った話ではなく、とにかく昔の物はなんでも複雑な装飾が施されていたのです。
ただ産業革命により、物を大量生産できる時代に突入したことから、だんだんと物にシンプルさが求められるようになりました。
当然建築にもその流れが来て、有名建築家であるル・コルビジェが建物のモダニズム化、つまりは装飾を無くす建築を世界に推奨していくことになります。
有名なところでいうと、例えばル・コルビジェが建てた建物に、サヴォア邸というのがあります。
見ていただければわかりますが、非常にシンプルな建物です。
こういう装飾のないモダニズムな建物が世界で流行していくわけです。
そんな中1960年代、高度成長期の日本の大都市圏は、深刻な住宅不足の状況にありました。
そのため、旭化成は建材事業への参入を目指し、1966年、旧西ドイツのへーベルガスベトン社から後にヘーベル板とよばれるALC(軽量気泡コンクリート)の技術を導入しました。
そしてそのヘーベル板と鉄骨軸組工法を組み合わせた「ヘーベルハウス」を1972年3月に発売。
1972年11月に「旭化成ホームズ株式会社」が誕生しました。
そして、ヘーベルハウスは当時流行っていたモダニズムの形状を踏襲して、日本にモダニズム住宅を普及させていくわけです。
今でこそヘーベルハウスといえば「真四角な家」という印象が強いですが、実はこれにはきちんとした歴史的な背景があったのです。
ちなみにこのモダニズムという思想は、今の建築におけるベースとなっている考え方になります。
つまり考え方を変えれば、全ての家の原点ともいえるデザインがヘーベルハウスだということになります。
ヘーベルハウスの特徴2:初めて二世帯住宅をつくったハウスメーカー
『屋上に本物のゾウを乗せたのはヘーベルハウスだけ』
今でこそ当たり前となっている二世帯住宅ですが、実はヘーベルハウスがつくり出した住宅形態なのです。
当時1975年くらいは、1つ屋根の下にいながら、親と子の世帯が別れて暮らすという発想はありませんでした。
ですので、土地の事情が厳しい都会では、二世帯で協力しあって家を建てるという提案が爆発的に受けたのです。
そういったこともあり、1980年にヘーベルハウスでは二世帯住宅研究所を設立。
以来、ヘーベルハウスでは、お客さまから同居の成功談や失敗談を直接うかがい、それを新しい提案に反映しているわけです。
二世帯住宅は簡単そうに見えますが、大きく分けて
- 完全同居型
- 完全分離型
- 一部共有型
この3つの形態のどれかで家づくりを行っていくことになります。
ただ、そこに住む人の人数が多ければ、当然意見をまとめるのも難しくなってきますし、さらに建築地が都心部の建築制限のある土地でしたら、なおのこと形にするのが難しくなってきます。
しかし、ヘーベルハウスには、それをまとめるだけのパイオニアとしてのノウハウがあるわけなので、二世帯住宅を建てるなら、まずはヘーベルハウスを検討してみてもいいかもしれません。
ちなみに1993年に放映された「フレックス3」という商品のテレビCMですが、このCMは、ヘーベルハウスのつくった家がいかに頑丈な家なのかをアピールするためのもので、屋上に本物のゾウをのせるという今では考えられないことをしていたのです。
聞くところによると、象の体重は2t、檻ごとクレーンで吊り上げ、かなり大がかりな撮影となったそうです。
この商品は二世帯住宅の商品でもあったため、当時このCMを見た人たちにとって「頑丈な家に家族みんなで住む」ことへの憧れの象徴となっていたようです。
実際に私が作ったメグリエというサービスを通じて、いろんな方と面談を行っているのですが、やはりある一定以上の年代になると「昔見たヘーベルハウスのCMの印象が忘れられない。」「ヘーベルハウスで家を建てることが憧れだった」という人はけっこういます。
これ、やらせやステマなどではなくて、本当に多いのです。
とにかく二世帯住宅の建築を考えている方は、一度ヘーベルハウスを検討してみるといいかもしれません。
ヘーベルハウスの特徴3:ALC(軽量気泡コンクリート)通称ヘーベル板
『選べるのはこの外壁だけ』
ヘーベルハウスの最大の特徴は、やはりなんといっても外壁や床などに使われているALC(軽量気泡コンクリート)、通称ヘーベル板です。
ALCとは
の略称で、世界で約90年、日本で約50年の歴史と使用実績を誇り、現在も多くの国で使用されている建材です。
有名なところでいうと、ドイツ、クウェート、アメリカ、これらの国々でも使われているのです。
そしてそのALC、通称ヘーベル板には、主な特徴が8つもあります。
それが
- 一般的なコンクリートの約10倍の断熱性能がある
- ヘーベル板内部にある独立気泡と直径0.05μから0.1μの細孔が調湿してくれる
- 比重0.6という水にも浮く軽さが住まいを軽量化、地震時の建物への負荷を軽減
- 60年以上もつ耐久性
- 表面を加熱後30分で843℃、60分で945℃に上昇させ続ける耐火試験をクリアした国土交通大臣認定の耐火構造部材
- 10気圧の高圧蒸気と180℃の高温で養生し、ヘーベル板を作成、化学変化も起こしにくい極めて安定した物質『トバモライト結晶』を形成
- 乾燥収縮率が0.05%以下で寸法安定性がある
- ヘーベル板内部の独立気泡が音を吸収、70dbの外の音を30db程度まで抑える
これらの機能です。
要はそれだけ多機能だということなのですが、それを買われて日本では
- 東京都庁
- 東京ミッドタウン
- 富士山5合目に建つ、小御嶽神社
これらのところでもALCは使われているのです。
今例に挙げた建物以外でもALCは使われているので、皆さんも調べてもらえれば「あ、ここでもALCって使われていたんだ。」というのがわかっておもしろいかもしれません。
ヘーベルハウスではこのALCが外壁として使われるのですが、実はこの外壁しか選ぶことができません。
他のサイディングや吹き付け、タイル、そういった外壁はヘーベルハウスでは使えないのです。
良くも悪くもモダニズムを突き詰めた結果なのかもしれませんが、人によって好き嫌いが大きく分かれるハウスメーカーであることは間違いありません。
ヘーベルハウスの特徴4:他社などから悪口を言われやすい
『勘違いを生みやすいハウスメーカー』
ALCはネットで調べてみるとわかるのですが、いろいろなネガティブな意見が書き込まれています。
しかも、それというのが大きく分けて
- 寒冷地に弱い
- 吸水性があるから外壁に不向き
- 水を吸って凍らせると内部破壊が起きる
この3つになります。
こういったネガティブな意見を目にすると、ヘーベルハウスは本当に大丈夫なのか不安になってしまいます。
ですので、その意見の真偽を皆さんにお伝えするべく、ALCについてもう少し深掘りをしていきます。
寒冷地に弱い?
まず最初に『寒冷地に弱い』ということについてです。
これに関しては、ヘーベルハウスが東北以北で営業をしていないために言われるケースが多いです。
実際に私が住宅営業をしている時も、「ヘーベルハウスは寒冷地に弱い建物です。その証拠にヘーベルハウスは寒い地域では営業していません。」といったような営業トークをよく耳にしていました。
確かにそうなのです。
例えばこちらを見ていただければと思うのですが、これはヘーベルハウスの営業可能エリアになります。
緑色になっているところが施工可能エリアで、灰色になっているところが施工不可エリアなのですが、東北以北だけではなく、北陸、四国、中国地方、九州南部、沖縄などでも営業していないことがわかります。
つまり、もし仮に寒冷地に弱いなら 、東北より下の全ての県で営業展開しているはずです。
しかし、そうなっていないのです。
では、どうしてヘーベルハウスは営業エリアを絞っているのかというと、それは、重量鉄骨に需要のある地域に絞った『ドミナント戦略』をしているからなのです。
ドミナント戦略というのは、地域を絞って集中的にその地域の占有率を向上させる経営戦略のことをいいます。
イメージのしやすいところでいうと、コンビニがドミナント戦略を行っている代表格です。
例えば、コンビニは都心部ですと、道路の向かいに同じコンビニがあったり、あとは、数百メートルおきに同じコンビニチェーンが出店していたりするケースをよく目にすると思います。
あれは、
- 店舗同士が近いと、物流コスト・店舗間の移動コストが抑えられる
- エリア内で認知度が上がり、より地域に浸透しやすい
- 競合の参入を防ぐことができる
こういったメリットがあるので、地域を絞って集中的に営業エリアを展開しているのです。
そして地域を絞って集中的に営業エリアを展開することで、ヘーベルハウスの活動理念である『オールフォーロングライフ』これを達成しようとしているのです。
この話を聞いて、中には「それって本当なの?」と疑問に思われた方もいると思います。
ですので1つ実例をお話しようと思います。
それが、北海道旭川市にある、ヘーベル板を使った建物が建ち並ぶ『ヘーベル通り』です。
ヘーベル通りというのは、旭化成建材と旭川市がタイアップしてつくった街並みのことなのですが、ヘーベル板は元々、北海道よりも寒いドイツでつくられた建材です。
ですので、北海道のような寒い地域でも普通にヘーベル建築は建てられるのです。
しかし実は、ヘーベル通りに建っている建物は『ヘーベルハウス』とはよばず、『ヘーベル建築』とよぶのです。
なぜなら、実はヘーベルハウスでは、営業所からのアクセスを加味して、60年間の無料点検などのサービスを提供できるエリアの建物を『ヘーベルハウス』としてブランド化しているのです。
言い換えれば、先ほど紹介した理念『オールフォーロングライフ』を提供できるエリアを『ヘーベルハウス』としているわけなのです。
そのため、営業所がない旭川では、建材の提供は行ったものの、無料点検などのサービスはついていないのです。
というか、営業所がないのでつけられないのです。
そのため旭川のヘーベル通りの建物は『ヘーベル建築』ではあるものの、『ヘーベルハウス』とはよばないわけです。
これがヘーベルハウスが『寒冷地に弱い』と言われることに対する1つの回答になります。
吸水性があるから外壁に不向き?
続いて『吸水性があるから外壁に不向き』ということについてです。
これに関して正直にお伝えすると、半分正解で半分間違いです。
というのも、ヘーベル板は吸水性が高いのです。
それは事実で、ヘーベル板は非常に多くの微細気泡とそれをつなぐ細孔を含んでいます。
ですので、毛細管現象により、表面から水が浸透しやすいのです。
水中に浸漬した場合は10~40%(容積)もの吸水率を示すといわれています。
そして吸水してしまったヘーベル板は、強度、断熱性、調湿性が低下し、ヘーベル板本来の長所を生かせなくなるのです。
しかしその反面、ヘーベル板は吸水性が高い代わりに、乾燥もしやすい素材なのです。
つまり、吸水したヘーベル板も、放置すれば容易に乾燥して元の状態に戻るのです。
一方、ヘーベル板と外見上よく似た一般的なコンクリートは、「吸水→乾燥」に伴う乾燥収縮率が0.2~0.5%と大きいため、吸水乾燥後にひび割れを起こしやすいという欠点をもちます。
これに対し、ヘーベル板は乾燥収縮率が0.025~0.05%(飽水→気乾)と非常に低いので、ひび割れを起こす可能性も低いのです。
実際にそういった背景もあって、私の知る限り、ヘーベル板は国内の建築実績で、累計10億㎡使われています。
そしてその約70%、7億㎡が建物の外壁として使われているのです。
今はもう少し多いと思います。
ですので「ヘーベル板は水に弱い。」といった説明をする人は、『一般的なコンクリート』の特徴と『ヘーベル板』の特徴を混同している場合が多いということです。
ただそうはいっても、ヘーベル板が『吸水性が高い』というのは事実です。
そのため、ヘーベルハウスで家を建てようと思っている人は『塗装』と『メンテナンス』、この2つは必ず着目して読み解く必要があります。
まず塗装に関していうと、ヘーベルハウスは外壁に3層仕上げの外壁塗装『ロングライフコート』をほどこしていて、下塗り層は工場で塗装することで、精度の高い一次防水を確保しています。
さらに中塗り層と上塗り層は、現場でシーリングも含めて吹き付けを実施しています。
塗料は、水と紫外線に強い特殊原料を配合したものを採用しているため、60年間に1回の塗り替えで、外壁の美観と防水性を維持できるようになっています。
そしてメンテナンスに関してですが、実はヘーベルハウスのメンテナンスは400万円ほどかかります。
これを聞いて高いと思った方も多いはずです。
しかしこのメンテナンス費用は、防水や目地の補修など、全てコミコミの金額なのです。
さらにカタログ表記のものなので、信頼性が高いという特徴があります。
というのも実は、家のメンテナンス費用は予測でしかないため、安く見せようと思えば、いくらでも安く見せられるのです。
しかし、ヘーベルの場合は、良くも悪くもカタログベースで話します。
つまり嘘をつくことができないのです。
これに関しても『オールフォーロングライフ』を達成するために仕掛けているヘーベルの経営戦略の1つになります。
水を吸って凍らせると内部破壊が起きる?
そして最後に『水を吸って凍らせると内部破壊が起きる』これについてですが、先ほどもお伝えしたとおり、ヘーベル板は吸水性が高い建材です。
いくら乾くのが早いとはいっても、もし仮に乾かずに水が中に溜まった状態で凍ったら、確かに膨張して壊れそうです。
しかし、実は違うのです。
もしどこかのハウスメーカーの営業マンが「ヘーベル板は水を吸って凍らせると内部破壊が起きる。」と言ってきたら、「勉強不足なんだな。」と思ってください。
そもそも建材の耐久性を測る試験に、凍結融解試験というものがあるのですが、この試験には、「気中凍結気中融解試験」と「水中凍結水中融解試験」、この2種類があります。
もう少し具体的に説明すると、「気中凍結気中融解試験」は、無塗装状態の建材を吸水率40%にして−20℃で12時間、+10℃で12時間を100サイクル行うという試験なのです。
「水中凍結水中融解試験」は、無塗装状態の建材を14日間水に浸けて、−18℃から+5℃を200サイクル行うという試験になります。
ヘーベル板は「気中凍結気中融解試験」の方をクリアしているのです。
そもそも「水中凍結水中融解試験」の方は、水中に完全に浸かることを前提としています。
ですのでこれは、橋げたなどに使う建材に行う試験方法です。
つまり、戸建て住宅に求められる性能水準を超えた試験なのです。
また、「水中凍結水中融解試験」の前提条件は「水中かつ無塗装で吸水」なのです。
そのため、住宅の検討に有効な指標とは考えにくいわけです。
つまり結局のところ、「水を吸って凍らせると内部破壊が起きる」という中傷トークは、「水中凍結水中融解試験」の方の話であって、「気中凍結気中融解試験」をクリアしているヘーベル板には関係のない話だということです。
このような感じで、様々な憶測と誤解から中傷のターゲットになりやすいヘーベルハウスですが、実はしっかりと調べれば、きちんと実験した上で安心安全な住まいを提供していることがわかるはずです。
より詳しい話は私よりも現場の営業マンの方が詳しいと思いますが、調べればヘーベルハウスがどう考えて家づくりをしているのかがよくわかるはずです。
ということで、これからヘーベルハウスを検討される方が必ず直面するであろうネガティブな意見3つ、
- ヘーベルハウスは寒冷地に弱い
- 吸水性があるから外壁に不向き
- 水を吸って凍らせると内部破壊が起きる
これらについてお話をさせていただきました。
何を信じるかは人それぞれではありますが、皆さんがハウスメーカー選びをする際の1つの判断材料にしていただければと思います。
へーバウハウスの特徴5:3種類の構造躯体がある
『どれを選んでも頑丈』
ヘーベルハウスには
- 軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造
- 重量鉄骨 重鉄・システムラーメン構造
- 軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
この3種類が存在します。
そしてこの3種類の中から、自分達にあった構造躯体を選び、家づくりをしていくことになるわけですが、ここでおそらく多くの方が「軽鉄と重鉄って何が違うの?」という疑問をもたれているかと思います。
ですので、構造躯体それぞれの説明に入る前に基礎知識として、軽量鉄骨と重量鉄骨、それぞれの違いについて簡単に説明していきます。
そしてその後に、ヘーベルハウスの3つの構造躯体の特徴について解説をしていきます。
軽量鉄骨と重量鉄骨の違い
まず軽量鉄骨と重量鉄骨の違いですが、これは非常にシンプルで
- 鋼材の厚みが6mm未満のものが軽量鉄骨
- 鋼材の厚みが6mm以上のものが重量鉄骨
になります。
実際にヘーベルハウスも
- 軽量鉄骨が3.2mm
- 重量鉄骨が9mm
の鉄骨を使っているのです。
そしてこの鉄骨の厚さによって、実は『法定耐用年数』というのが変わってきます。
具体的にいうと、鉄骨の厚さが
- 4mm以上:34年
- 3~4mm:27年
- 3mm未満:19年
となっているのです。
つまり何が言いたいのかというと、鉄骨は厚ければ厚い分だけ建物の耐久性は上がるということです。
当然といえば当然です。
実際に3階建て以上のマンションやビルは、重量鉄骨でつくられています。
軽鉄と重鉄で鉄の厚さが違うということを覚えておいてください。
軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造
まずは『軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造』です。
こちらは40坪までの2階建てを建てるのに向いている構造躯体で、世間一般的な名称に置き換えると『ブレース構造』というものになります。
『ブレース構造』とは、柱、梁のほかに「筋かい」を使ったものをいうのですが、実はこのブレースは、角度によって地震に対する効き具合が違うのです。
ですので例えば、このブレースの角度が大きすぎてもダメですし、逆に小さすぎてもダメなのです。
最適角があるのです。
そのためヘーベルハウスでは、最適角を出すために、ブレースを2段積みにしています。
さらにブレースの中心には「極低降伏点鋼(ごくていこうふくてんこう)」とよばれる特殊な金属をつけることで、地震の力を全てこの装置に負担させるという仕組みを取っています。
この極低降伏点鋼とよばれる非常にいかつい名前の制振装置ですが、わりとハウスメーカー界隈で否定されるケースが多いのです。
なぜなら、制振装置が鉄でできているため、繰り返しの地震に対応できないと考えられているからです。
確かに普通に考えたら「そもそも鉄が地震のエネルギーを吸収できるの?」と思ってしまいますよね。
しかし実は違うのです。
よく勘違いされがちなのですが、ヘーベルハウスの極低降伏点鋼は実はかなりすごいのです。
それを今から説明していきます。
まず、ヘーベルハウスの極低降伏点鋼は、日本製鉄と旭化成が住宅用にオリジナル開発したものになります。
このオリジナルというところがポイントで、実は極低降伏点鋼自体はわりとメジャーな素材でもあるのです。
どういうことかというと、極低降伏点鋼には、高純度鉄とよばれる炭素含有量が0.003%以下の金属が使われているのですが、鉄内部の炭素量が極端に少ないことから、「粘り強い」という性質をもちあわせているのです。
ですので例えば、ジェット機のランディングギアや発電機のガスタービン、ビルなどの高層建築物など、長期使用しても疲労破壊してはいけないような重要部分に使われている素材でもあるのです。
ですので極低降伏点鋼自体、わりとメジャーな素材で、知らないだけで意外と自分たちの身の回りで使われていたりするわけです。
もうこの時点で「制振装置が鉄でできているため、繰り返しの地震に対応できない」というのが違うことがわかったと思います。
このような営業トークをしてくる人は、勉強不足という話になってきます。
また少し話がそれるのですが、極低降伏点鋼に使われている高純度鉄は、一般のマーケットには流通していません。
日本では日本製鐵という企業だけしか高純度鉄をつくることができないので、必要ならそこに依頼し、1から製造してもらわなければなりません。
それだけ希少価値の高い金属でつくられているのが極低降伏点鋼というものになります。
ここまでが一般的な極低降伏点鋼の説明になります。
そして先ほど、「ヘーベルハウスの極低降伏点鋼は日本製鉄と旭化成が住宅用にオリジナル開発したもの」という話をしたと思いますが、ではどこがヘーベルハウスオリジナルなのかというと、
- 化学成分
- 熱処理
この2つがヘーベルハウスの極低降伏点鋼のオリジナルな部分になります。
一応簡単に説明していくと、まず化学成分に関しては、カーボン、ニオブ、シリコン、マンガン、リン、硫黄、チタン、これらの化学成分がヘーベルハウス独自の配合比率で加えられているのです。
そして熱処理に関しては、極低降伏点鋼を製造後、熱処理をすることで、さらに靭性をアップさせ、よりエネルギー吸収量の高い素材に昇華させているのです。
ですので、イメージ的には料理の隠し味のような感じで、化学成分と熱処理、この2つの要素を極低降伏点鋼に加え、住宅用としているわけです。
要はそれだけへーベルハウスの制振装置、極低降伏点鋼は、高い技術力と細かいこだわりが詰まったものだということなのです。
軽量鉄骨だからといって構造躯体が貧弱というわけではありません。
ここまでが『軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造』の説明になります。
重量鉄骨の重鉄・システムラーメン構造
続いて『重量鉄骨 重鉄・システムラーメン構造』についてです。
こちらは「3階建て」や「防火地域」の建物を建てる場合に使う構造躯体で、世間一般的な名称に置き換えると『ラーメン構造』となります。
ラーメン構造とは、柱と梁だけで地震の力に耐えることができる構造のことで、軽量鉄骨とは違い、斜めの部材が不要なのです。
そのため、軽量鉄骨に比べてプランニングの自由度が高いという特徴があるのです。
例えばヘーベルハウスでは『重鉄が叶える至高のリビング』と題して
- 天井の高さを部分的に上げられる
- 2階でダウンフロアできる
これらを重鉄で家をつくる1つの売りとして商品の訴求をしています。
これらは軽鉄ではできなかったことなので、間取りにこだわりたいという方にはぴったりかと思います。
ただしこの構造は、壁やブレースといったもので地震の力に対応しているわけではないので、揺れやすいというマイナスの特徴があります。
そのためヘーベルハウスでは、制震装置の『サイレス』とよばれるオイルダンパーを複数枚つけて、揺れない構造をつくっているのです。
しかもこのオイルダンパー『サイレス』は、先ほどお話した鋼材ダンパーよりも強力で、微小な揺れでも効果を発揮してくれるのです。
ですので揺れやすい鉄骨造の家でも快適に暮らせるわけです。
これが『重量鉄骨 重鉄・システムラーメン構造』の説明になります。
軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッドの重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
そして最後に『軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』についてです。
こちらは主に40坪から60坪までの2階建てを建てる場合に使われる構造躯体で、ヘーベルハウスの中では最新の構造躯体になります。
そしてコストパフォーマンスと建物の機能性、両方を兼ね備えているのが特徴なのです。
では、これが一体どういうことかというと、実はヘーベルハウスは先ほど説明してきた『軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造』と『重量鉄骨 重鉄制震・システムラーメン構造』、これらの2つの商品しかなかったのです。
ただ軽量鉄骨は
- 鉄骨を大量生産ができるため、製造単価を抑えることができる
というメリットがある反面、
- 重鉄に比べると耐久性が劣る
- 柱を多くして壁に筋交いを入れる必要があるため、間取りに制限が出てしまう
というデメリットが存在します。
一方で重量鉄骨は
- 耐久性が高い
- 軽量鉄骨づくりの建築物に比べて柱の数が少ないため設計の自由度が高い
というメリットがあるものの、その反面
- 鉄骨自体が分厚いためコストがかかる
というデメリットがあります。
ですのでお客さんからしたら「軽量鉄骨は重量鉄骨に比べ強度は下がるし、かといって重量鉄骨にしたらオーバースペックで金額も上がってしまう、どちらにすればいいんだろう……」というなんとも悩ましい状況でした。
つまり一言で簡単にまとめるなら、今までのヘーベルハウスは両極端だったのです。
ただ『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』が出たことにより、丁度中間に当たる商品カテゴリが生まれたのです。
具体的にそれぞれの商品の柱と梁の太さを見ていくと、
- 『軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造』は、厚さ3.2mmの鉄骨、約10tの力に耐えられる柱を使用
- 『軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は、厚さ6mmの鉄骨、約56tの力に耐えられる柱を使用
- 『重量鉄骨 重鉄制震・システムラーメン構造』は、厚さ9mmの鉄骨約79t〜約100tの力に耐えられる柱を使用
このような感じで、それぞれの商品を比較してみるとわかるのですが、ちょうど中間に当たる仕様になっているのです。
さらに梁についてですが『軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造』は、フランジとよばれる部分の幅が100mm、『重量鉄骨 重鉄制震・システムラーメン構造』は、フランジとよばれる部分の幅が125mm、この2種類があったのです。
『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』では、『重量鉄骨 重鉄制震・システムラーメン構造』と同じ125mm幅のフランジの梁が使われています。
つまり柱と梁の特徴をまとめると『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は、重量鉄骨の商品同様に大空間をつくりやすく、自由度の高い間取りづくりを可能としているのです。
加えてコストパフォーマンスにも優れているので『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は、建物の機能性、コストパフォーマンス、両方を兼ね備えているということなのです。
ですので例えばですが「軽量鉄骨だと強度が心配、けれど重量鉄骨だと価格が高いしどしよう。」と悩んでいる方、あとは、重量鉄骨の大空間を取り入れつつ、金額を落としたい方など、このような重鉄ならではの性能と価格、どちらも妥協できない方には『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』はぴったりの商品になっているのです。
ただし一方で、なんでもかんでも『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』を選べばいいということでもありません。
というのも『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は、重量鉄骨の商品です。
つまり前提条件として、重量鉄骨の特徴を最大限活かせる大きさの建物でないと、反対にコスパが悪くなってしまう可能性があるわけです。
ですので例えばですが、建坪の小さい家で『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』のような重量鉄骨を選んでしまうと、重量鉄骨ならではの大空間を活かしにくくなりますし、同時に建築コストが上がってしまうということなのです。
それでしたら、軽量鉄骨の商品を選んだ方がいい場合もあります。
それぞれの商品説明の冒頭でも少し触れていますが、実際にヘーベルハウス側でも、40坪までの2階建てを『軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造』である『キュービック』や『新台地』という商品を推奨
40坪から60坪までの2階建てを『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』の『RATIUS|RD』という商品を推奨
3階建てや防火地域の建物を『重量鉄骨 重鉄・システムラーメン構造』である『フレックス』を推奨
このようなすみ分けで、各商品を推奨しています。
ですので、なんでもかんでも『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』を選べばいいというわけでもないのでご注意ください。
また、今までの話を聞いていると、人によっては『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は重鉄だから制振装置は重鉄の構造躯体で入る『サイレス』が入ってくるのかな?と思っている方がいるかもしれません。
確かにそう思ってしまう気持ちもわかるのですが、実は『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』に入る制振装置は、『軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造』に入っている極低降伏点鋼になります。
これを聞くと「おいおい、重鉄なのに軽鉄の制振装置を入れて大丈夫なの?」と思われると思うのですが、これに関しては、サイレスは3階の狭い平面に1箇所、多くて2箇所つけるように設計されたものなので、2階建の40坪以上の大きい平面で、4箇所も5箇所もつけるとコスパが悪いのです。
明らかにオーバースペックで「そこまでいる?」という感じでもあるので、極低降伏点鋼が採用されているのです。
さらに『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』で極低降伏点鋼を使う場合は、アダプティブジョイントという専用の技術を使うことで、極低降伏点鋼を最大限使えるようになっているのです。
ですので、サイレスが入っていないからといって心配する必要はないようにきちんと設計されているので、その点は安心してもらえればと思います。
ということでここまでの話を一旦まとめます。
ヘーベルハウスの商品である
- ハイパワード制震ALC構造
- 重鉄・システムラーメン構造
- 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
この3種類の商品の説明をしてきました。
そして
- 40坪までの2階建ては『軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造』
- 40坪から60坪までの2階建ては『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』
- 「3階建て」や「防火地域」の建物は『重量鉄骨 重鉄・システムラーメン構造』
このような感じで、それぞれの商品はすみ分けされていますというお話でした。
自分達が建てる家の規模と照らし合わせつつ、それぞれの構造躯体の把握をしていただければと思います。
ヘーベルハウスの特徴6:モダニズムのさらにその先の商品(RATIUS|GR)がある
『その名もRATIUS|GR(ラティウス ジーアール)』
先ほども少し触れましたが、モダニズムとは、装飾を一切つけないという考え方です。
ただ、このモダニズムという考え方は、1972年7月15日午後3時25分アメリカミズーリ州セントルイスにて終焉を迎えているのです。
これがどういうことかというと、産業革命以降、世界ではモダニズム建築が流行ることになります。
そしてそれは街づくりにも影響していたわけですが、結果、住みにくい街になってしまったのです。
具体的にコルビジェがやったことをお伝えすると、彼は住居、職場、商業施設という3つのエリアに分けて、それらを道と道で繋ぐという方法で街づくりをしたのです。
一見すると効率的な街づくりのように思えるのですが、人間は余暇にこそ楽しみを感じる生き物なのです。
例えば学校での授業より、友達との登下校の方が楽しかったりしますよね。
コルビジェのつくった街は、そういったことが一切存在しなかったのです。
そのため1972年7月15日午後3時25分アメリカミズーリ州セントルイス、アメリカプルーイット・アイゴー地区に建設された団地が爆破解体され、モダニズムは終焉を迎えることになりました。
そして、モダニズムを提唱した本人であるル・コルビジェもモダニズムに限界を感じていて、その土地にあった建築をするべきなのではないかということで、インドのチャンディガールなど、けっこう複雑な建物を建てはじめたりしていました。
私がここで何を皆さんに伝えたかったのかというと『RATIUS|GR(ラティウス ジーアール)』という商品は、モダニズムに日本らしさを加えた次世代のモダニズム建築であるということです。
というのも、『RATIUS|GR(ラティウス ジーアール)』は、重鉄を使って深い軒、大空間、大開口、高天井、これらを実現したい方に向けた商品です。
もう少し具体的に説明すると、『RATIUS|GR(ラティウス ジーアール)』の主なポイントは3つです。
全周1.8mの軒を出すことが可能
1つ目が、出角も含めて全周1.8mの軒を出すことが可能になったということです。
通常重量鉄骨で住宅をつくる場合は、バルコニー部分のみ軒が深くなっているということがよくあります。
今回の新商品『RATIUS|GR(ラティウス ジーアール)』では、出角も含め、全周1.8mの軒が可能になったのです。
これによって重量鉄骨の住宅にも関わらず、深い軒をつくれるようになったので、水平ラインを強調したきれいな住宅をつくりやすくなったのです。
標準で2.56mの天井高
続いて2つ目が、従来2.4mだった天井高が、標準で2.56mの天井高になったということです。
こちらに関してはそのままの意味で、標準で天井高が2.56mになったということです。
これによって、より開放的な空間をつくりやすくなったということになります。
12.5帖の吹き抜けを連続してつくれる
そして最後に3つ目が、12.5帖の吹き抜けを連続してつくれるようになったということです。
具体的には、図のような感じで梁が1本出てしまうものの、25畳の吹き抜けをつくれるということになります。
重量鉄骨以外のつくりでは、吹き抜けを連続させるとこのような水平方向のブレースが必要になってきてしまいます。
ですので、「重鉄を最大限活かした大空間をつくりたい!」という方にぴったりの仕様かなと思います。
ということで、『RATIUS|GR(ラティウス ジーアール)』の主なポイントは
- 出角も含めて全周1.8mの軒を出すことが可能になった
- 従来2.4mだった天井高が、標準で2.56mの天井高になった
- 12.5帖の吹き抜けを連続してつくることが可能になった
これら3つになるわけです。
これら3つの特徴は、日本建築によく見られる特徴でもあるわけです。
元々日本の建築は横に広い大開口をつくりつつ、大きな空間をつくるのが得意だったりします。
ですので『RATIUS|GR(ラティウス ジーアール)』は、まさにモダニズムに日本らしさを加えた、次世代のモダニズム建築であるということです。
ただ最後に補足をしておきますが、今の説明は私独自のものです。
ヘーベルハウスの本社はそこまで深く考えていないかもしれません。
ですので、あくまで私による独自の解釈だと思ってください。
へーバウハウスの特徴7:通常の注文住宅よりも坪単価が10万円安い商品(my DESSIN)がある
『その名もmy DESSIN(マイデッサン)』
ヘーベルハウスには通常の注文住宅よりも坪単価が10万円安い商品があります。
それが『my DESSIN(マイデッサン)』とよばれる商品です。
この商品は規格住宅になるので、決められた間取りの中から自分たちにマッチしたものを選び、あとは色味や仕様を少しいじって完成させる商品になります。
これだけ聞くと、「せっかく家づくりをするのに、決まった間取りで家を建てるのはちょっと抵抗があるなぁ。」と思われる方もいると思います。
確かにその気持ちもわかるのですが、一方で現実として昨今の住宅価格の高騰がとにかくえげつないわけです。
実際に去年と比較をすると、だいたいどのハウスメーカーも坪単価で15万円程度金額が上がっているイメージです。
金額にして約500万円〜700万円の金額増だということです。
しかも多くの方が気がついていませんが、値上げは実質の増税です。
例えば100円に消費税をかけたら110円ですが、その100円の商品が200円に値上げしたら、総額220円になって、払う金額が10円増えます。
これは実質の増税です。
住宅の場合金額が大きいので、この影響もかなり大きいわけで、けっこう深刻な問題になってくるのです。
そのためヘーベルハウスを含め、現在様々な大手ハウスメーカー各社が規格商品に力を入れはじめていますし、価格を抑えて家づくりをしたいという世の中のニーズも増えてきているわけです。
なぜ規格住宅にすることで価格を抑えられるのか疑問に思った方もいるかと思うので、一応そこについても簡単に説明をします。
実は注文住宅という商材は、家が完成してはじめてハウスメーカー側にお金が全額入ってくるという収益構造なのです。
そのため、契約後の打ち合わせにたくさん時間を使うと、人件費で利益がどんどんマイナスになってしまうわけです。
つまり最小限の人件費で質の高い家づくりを提供するためには、最初から選択肢を減らすことで打ち合わせの回数を強制的に減らし、早めに着工して、早めに家の引き渡しをする仕組みが必要なのです。
そのため、規格住宅というものがあるのです。
my DESSIN(マイデッサン)のメリット
『my DESSIN』 のメリットを紹介します。
通常の注文住宅と同じ構造躯体、同じ保証内容
実際にヘーベルハウスの『my DESSIN』は、通常の注文住宅と同じ構造躯体、同じ保証内容になっていて、純粋に人件費のみを削った価格になっているのです。
そしてその分、通常よりも坪10万円安いということなのです。
買取保証がついている
買取保証がついているということについてです。
これがヘーベルハウスの『my DESSIN』を建てる上での最大のメリットといっても過言ではないのですが、実はヘーベルハウスのマイデッサンで家を建てると、特典として買取保証がついてくるのです。
買取保証とは、文字通りヘーベルハウス側が自分達の建物を買い取ってくれる制度のことをいいます。
ですので例えば、転勤で家の売却が必要なときや、将来住み替えが必要になった時などに、ヘーベルハウス側が買い取ってくれるということです。
しかもこの制度は、ヘーベルハウスの通常の注文住宅にはついていない制度で、『my DESSIN』を購入した人だけの購入特典になるのです。
すごいですよね?
よく、戸建てはリセールバリューがないなどと言われますが、ヘーベルハウス側が買い取ってくれるなら話は変わってきます。
ただし、この話をすると「そんなうまい話なんてあるわけないんだし、何か裏があるんでしょ。」と思った方もいるかと思います。
確かにその気持ちはわかりますし、事実ヘーベルハウスの『my DESSIN』にはいくつか注意事項が存在します。
半年間売却できなかった場合、旭化成不動産レジデンスもしくは旭化成ホームズが買い取りする
1つ目が、売りに出して半年間売却できなかった場合に旭化成不動産レジデンス、もしくは旭化成ホームズが買い取りするということです。
つまり、一旦普通に査定して、市場に中古住宅として売りに出す必要があるということです。
そして半年間売れなかったら、そこで初めてヘーベルハウス側が買い取ってくれるのです。
売りに出したらすぐにヘーベルハウスが買い取ってくれるというわけではないので、そこは注意していただければと思います。
買い取りは査定額の90%が上限
2つ目が、査定額の90%を上限として買い取りしてくれるということです。
ですので例えば、査定の結果4,000万円で売れるとなったとしても、ヘーベルハウス側の買取金額は最大で3,600万円にしかならないということです。
また「90%を上限として」なので、その時の建物の状態によっては、査定額の80%や70%の金額での買い取りになるケースも可能性としては十分にあるわけです。
そのため、『my DESSIN』を購入すればノーリスクでヘーベルハウスが買い取ってくる、そのように考えて購入してしまうと痛い目を見ることになるかもしれないのでご注意ください。
築30年までの建物が対象
そして最後に3つ目が、最長で築30年までの建物を買い取りしてくれるということです。
つまり築31年になったら、その時点で買取保証制度の対象から外れるということです。
ですので買取保証を活用するなら、ある程度売るタイミングのあたりはつけておいた方がいいかもしれません。
ということで
- 半年間売却できなかった場合、旭化成不動産レジデンスもしくは旭化成ホームズが買い取りする
- 買い取りは査定額の90%が上限
- 築30年までの建物が対象
これら3つが『my DESSIN』の注意事項となります。
ただし、このようにみてみると、そんなにどぎつい制約があるわけではないということがわかると思いますし、何より他のハウスメーカーの商品には、こういった買取保証なる制度は今のところ存在しません。
ですので、買取保証がついているというのは、『my DESSIN』という商品を購入する上での1つのメリットになるのではないかと思います。
ということで、これがメリットの1つ目になります。
カラーコーディネートを考える必要がない
続いて『カラーコーディネートを考える必要がない』ということについてです。
『my DESSIN』は室内のベースカラーを決めると、それと連動して建具などの色味の選択肢が決まる仕組みになっています。
これがどういうことかというと、例えば白をベースとしたらこのプレゼンの中から建具などの色味を決めることになりますし、
中間色系の色味を選んだらこの中から、
茶系を選んだらこの中から、
濃茶系を選んだらこの中から、
グレージュ系を選んだらこの中から、
といった感じで、ベースとなるテーマカラーを決めたら、自ずと建具などの色味の選択肢が決まってくるのです。
要は間違いない選択肢の中から、より効果効率的に色合わせをしていくイメージです。
これは個人的には非常にいいなと思うポイントです。
というのも、これは感覚的な話になるのですが、室内のデザインは洋服をコーディネートするのと同じような感覚があるのです。
どういうことかというと、例えば雑誌に載っている洋服のコーディネートはおしゃれだなと思うと思うのですが、いざ真似してみようと思うと真似できないですよね。
家づくりもそれに近い感覚があって、いくらおしゃれな室内をつくるための理論理屈がわかっていても、いざそれを実行しようとすると思うようにできなかったりするわけです。
その点『my DESSIN』は、メーカー側がきちんとコーディネートしてくれたものの中から選択できるので、失敗しないような仕組みづくりがされているのです。
要は一定以上のデザインが確約されているというわけです。
まとめると、
- 通常の注文住宅と同じ構造躯体、同じ保証内容
- 買取保証がついている
- カラーコーディネートを考える必要がない
これらが『my DESSIN』のメリットになります。
my DESSIN(マイデッサン)のデメリット
一方で「デメリットはどうなんだ?」という話だと思うので、次は『my DESSIN』のデメリットについて説明します。
無難な間取りしかない
1つ目が『無難な間取りしかない』ということです。
ヘーベルハウスの『my DESSIN』は、ヘーベルハウスの一級建築士が作成した500のプランの中から間取りを選んで家づくりをしていくことになるのですが、どの間取りも一言で言ってしまえば「無難」です。
ですので、間取り自体に驚きや感動がないというのが正直なところです。
個人的には、数を増やすよりも質の向上を目指した方がいいような気がします。
私自身も注文住宅を建てる価値というのは、その人、その家族しか使えない間取りをつくること、それこそが注文住宅を建てる価値であると考えています。
もっとわかりやすく言い換えれば、自分達家族以外の人が自分達の家を見た時に「使いにくい」と思われる間取りをつくることが注文住宅の本質だということです。
ただその考え方を前提に『my DESSIN』を見てみると、正反対の位置にある、無難で万人受けしそうな間取りしかない、そんな商品であるように思えると思います。
「じゃあ、ヘーベルハウスの『my DESSIN』なんて買う意味ないじゃん!」という言葉が一瞬頭をよぎるのですが……。
先ほど『my DESSIN』の特徴で、この商品には買取保証がついていますという話をしたと思います。
つまりこの『my DESSIN』という商品は、市場に再流通させる前提でつくられている商品だということです。
そして市場に再流通させるということは、自分達家族だけが使えるような尖った間取りにするのではなく、誰もが使いやすい、万人受けする間取りにした方が当然売れるわけです。
このヘーベルハウスの『my DESSIN』という商品は、マンションに近い特性をもっている商品だということです。
ヘーベルハウスの『my DESSIN』は、もうマンションだと思ってください。
マンションは無難な間取りばかりですよね。
あれは、
- どんな家族が買ってもストレスなく普通に生活できること
- 売った時に買い手がつきやすいようにすること
これらの目的があるため、無難な間取りになっているわけです。
もうまさに『my DESSIN』と同じです。
『my DESSIN』が無難な間取りしかないのは確かにデメリットです。
ただその一方で、それによる恩恵もあるということを覚えておいてもらえればと思います。
買取保証制度には、適用できる対象エリアが存在する
続いてデメリットの2つ目は『買取保証制度には、適用できる対象エリアが存在する』ということです。
これは当たり前の話ではあるのですが、それなりに需要のあるエリアでないと買取保証の対象になりません。
例えば極端な話、お客さんから山の頂上に建てた家を買い取ってほしいと言われても、市場に再流通させるという観点から考えると、ヘーベル側も「それは無理です。」となります。
ですので、『my DESSIN』という商品を買えば、ヘーベルハウス側がなんでも買い取ってくれるわけではないということ、これは覚えておいてください。
ただこの話を聞くと「家を購入する前は買取保証の対象って言ってたのに、いざとなったら買い取りできませんって言われることもあるんじゃないの?」「手のひらを返される可能性はないんですか?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし『my DESSIN』は、買取保証対象のエリアであれば、契約書に買取保証の対象だということが明記される仕組みになっています。
ですので、ヘーベルハウスと契約する前の段階から、これから買おうとしているエリアが買取保証対象のエリアかどうかわかりますし、それをわかった上で契約することになります。
さらに、契約書にはきちんと保証内容も明記されているので、手のひら返しに合うことはないわけです。
ただしそうはいっても、マイデッサンの購入を検討する方は、事前に自分が建築を希望しているエリアが買取保証の対象エリアなのかどうか、これは必ず確認しましょう。
以前に比べてルールが厳しくなった
最後に『以前に比べてルールが厳しくなった』ということについてです。
『my DESSIN』には、デザインブックという標準仕様が掲載されているカタログが存在します。
以前まで、このカタログに載っている範囲であれば個数制限なくカスタマイズすることが可能だったのですが、2個までしか選択できなくなってしまいました。
また、デザインブックに載っていないもの、例えば無垢材や塗り壁、キッチンハウスのキッチンを採用するなど、これらをやる場合は特注品という扱いで2個までいじれるというのが以前までのルールだったのですが、それが1箇所もできなくなりました。
これはけっこうな制限だなと思う反面、やはり人間は欲が出るので、1つOKにすると、次から次へといじりたくなって、後々トラブルになることから規制を厳しくしたのかなと思います。
こればかりは仕方ありません。
ということで『my DESSIN』のデメリットは
- 無難な間取りしかない
- 買取保証制度には、適用できる対象エリアが存在する
- 以前に比べてルールが厳しくなった
以上になります。
このような感じで、コストメリットはあるものの、その代償もそれなりにあるのが規格住宅の『my DESSIN』です。
もし「家にそこまでお金をかけたくないな。でもいい家には住みたいな。」と考えている方は、一度ヘーベルハウスのマイデッサンを検討してみてもいいかもしれません。
ヘーベルハウスの特徴8:割引率が高い仕様(通称:デザインブック)がある
『通称:デザインブック』
ヘーベルハウスには、契約者もしくは契約が近い方にのみ渡されるデザインブックとよばれるカタログが存在します。
そのカタログには
- コスパのいい仕様が入っているコース
- ちょっと高めの仕様が入っているコース
この2つのコースがあって、このどちらかが皆さんの初期仕様になります。
初期仕様とは簡単にいうと、見積もりを取得するためのベースの仕様ということです。
そして実は、この初期仕様の割引率がけっこう高めなのです。
というのも設備メーカーは、ヘーベルハウスのデザインブックに掲載されるために入札を行うのです。
そしてヘーベルハウス本社がその入札されたものの中から、価格などのメリットがある仕様を選定してデザインブックにまとめる仕組みになっているのです。
ではなぜこのようなことをしているのかというと、常々私が言っているとおり、担当の営業マンや設計士によって、提案されるものが大きく異なるからです。
つまり、ヘーベルハウス本体がトップダウンで「これが初期仕様です!」としてしまえば、必然的にその中から設備仕様が選ばれる確率が高くなります。
設備メーカーからしたら、自社製品が選ばれる確率が高ければ高い分だけ得になりますし、もしかしたらお客さんはイモズル式で自社の他の設備も入れてくれるかもしれないわけです。
ですので、こぞってヘーベルハウスのデザインカタログに掲載されようとするのです。
そしてその結果として、デザインカタログに載る設備は、他よりも圧倒的に割引率がよくなるのです。
これは私が知る限り、ヘーベルハウスにのみある仕組みです。
ですので、ヘーベルハウスを語る上では外せないポイントかなと思います。
ただし、トップダウンで初期仕様を決める都合上、どうしてもそのシーズンに建てる家の雰囲気が同じ感じになりやすくなります。
具体的には、ヘーベルハウスのデザインカタログは、半年に1回、だいたい5月と11月に変更されるのですが、そのシーズンに建てた家の雰囲気は、どこか似通ってくる可能性があるということです。
もちろん、初期仕様はあくまで見積もりを取得するための仕様なので、そこからいくらでもカスタマイズは可能です。
ですので、完璧に似通ってくることはほぼないのですが、それでもデザインカタログの仕様のまま建てると、同じ仕様にはなってきてしまいます。
大したデメリットではないですが、少しでも他の人と被りたくないという方は、一応こういったデメリットもあるのだということを覚えておいてもらえればと思います。
ただし、安いのは間違いないので、デザインカタログの詳細はぜひともヘーベルハウスの営業マンから直接聞いてみてください。
へーバウハウスの特徴9:全館空調(ロングライフ全館空調)を選択できる
『必ず入れろ!』
ヘーベルハウスは『ロングライフ全館空調』という名前の全館空調を去年リリースしました。
個人的にヘーベルハウスで家を建てるなら、マストで入れるべき設備だと思っています。
なぜなら、そもそも論として、鉄骨住宅全般が木造住宅と比較して断熱性能・気密性能が低いからです。
つまり、簡単に言い換えると、夏は暑く、冬は寒くなりやすいのが鉄骨住宅だということです。
もちろん昔の家と比較して、エアコンが効かないくらい暑いのか、凍えるほど寒いのかといわれれば、そんなことはありません。
しかし木造住宅と比較すると、どうしも断熱性能・気密性能が劣ってしまうというのは、これはもう紛れもない事実です。
ですので、何かしら対策をしなければならないわけですが、その対策としてヘーベルハウスでは、全館空調のロングライフ全館空調があるのです。
ロングライフ全館空調は、キュービック、新大地、フレックス、ラティウス、全ての商品に対応できるものとなっています。
ロングライフ全館空調の特徴は大きく分けて3つです。
- 機械室がいらない
- ネオマフォームでつくられたダクト、チャンバースペースが採用されている
- オプションでデシカント換気が採用可能
以上になります。
それではそれぞれ解説をしていきます。
ロングライフ全館空調の特徴1:機械室がいらない
まずは『機械室がいらない』ということについてですが、ヘーベルハウスのロングライフ全館空調は機械室がいりません。
というのも、通常どのハウスメーカーも全館空調を導入する場合、機械室とよばれる小学校の掃除用具入れくらいの大きさのスペースを家のどこかに設置しなければならないのですが、ヘーベルハウスにはそれが必要ないのです。
ではなぜ、ヘーベルハウスはそれが可能なのかというと、天井埋め込み型エアコンを活用しているからです。
少し意味がわからないですよね。
今私がお伝えしたことだけを聞いて理解するためには、そもそも論として全館空調の仕組みを理解していなければわからないはずです。
ですので、まず簡単に全館空調の仕組みについて説明をして、それからヘーベルハウスのロングライフ全館空調の説明に入っていきます。
最初に全館空調の仕組みについてですが、実は全館空調というのは、3つの要素のかけ算から成り立っているのです。
具体的には
- 壁掛けエアコン
- 第1種換気
- 風量
これら3つなのです。
もっとわかりやすく言い換えるなら、『壁掛けエアコン×第1種換気×風量=全館空調』だということです。
そしてこれらをギュッと1つにまとめているため、機械室というのが必要であり、小学校の掃除用具入れくらいの大きさのスペースを家のどこかしらに確保しなければならなかったのです。
ただし今お伝えしたように、全館空調というのは3つの要素のかけ算から成り立っているということさえ知っておけば、これら3つの要素をそれぞれ分解して別々に設置することで、全館空調もどきをつくることもできるのです。
具体的には、第1種換気における室内の空気の取り込み口をエアコンのすぐ近くに設置することで、全館空調もどきをつくることが可能になります。
さらに今回のように『壁掛けエアコン×第1種換気×風量=全館空調』だったのを『天井エアコン×第1種換気×風量=全館空調』に変換することもできるわけです。
要は基本的な構造がわかっていれば、全館空調はいくらでも応用が効くのです。
そしてその全館空調の基本的な構造をうまく利用してつくり上げたのが、今回のヘーベルハウスのロングライフ全館空調になるわけです。
では、『壁掛けエアコン×第1種換気×風量=全館空調』だったのを、ヘーベル流にアレンジして『天井エアコン×第1種換気×風量=全館空調』これにしたことで、どのようなメリット・デメリットが出てきたのかというと、メリットは先ほどもお伝えしたように
- 空調室がいらないため、無駄なスペースをつくる必要がなくなった
- 小回りが効きやすくなった
一方でデメリットが
- 1、2階双方に全館空調の装置をつける必要があるということ
以上かなと思います。
メリットの小回りが効きやすくなったという点に関しては、デメリットである『1、2階双方に全館空調の装置をつける必要がある』という部分と連動しているのですが、通常の全館空調は機械室がある分、それだけで家全体を温めたり涼しくしたりできます。
一方でロングライフ全館空調は、機械室がない分、1、2階双方に全館空調の装置をつける必要があるのです。
ただし、1、2階双方に全館空調の装置をつける必要があるというのは、必ずしも完全なデメリットになり得るかといわれればそんなこともなくて、人によって体感温度は違うので、1階は全室空調、2階は個別エアコンというように、フロアごとに使い分けるという考え方もできなくはないのです。
ですので、一長一短あるのですが、この辺りは人それぞれの好みや感性の問題かなと思います。
ヘーベルハウスのロングライフ全館空調は『機械室がいらない』ということをここでは覚えておいてもらえればと思います。
ロングライフ全館空調の特徴2:ネオマファームでつくられたダクト、チャンバースペースを採用
続いてロングライフ全館空調の特徴2つ目『ネオマフォームでつくられたダクト、チャンバースペースが採用されている』ということについてです。
全館空調と聞くと「電気代って大丈夫なの?」と思われると思いますが、実はロングライフ全館空調では、ネオマフォームでつくられたチャンバースペースというのをダクトとして活用することで
- 電気代の抑制
- ダクトの結露リスクの解消
- 送風時の熱欠損の解消
これらの効果を得ているのです。
もう少し具体的に説明をすると、例えば全館空調は天井にダクトを通してつくられるわけですが、施工がうまくできていないと、屋根側からの熱の影響を受けてしまう可能性があるわけです。
するとせっかくエアコンで生成した暖気や冷気が無駄になってしまう可能性があるわけですが、ネオマフォームでつくられたダクトであれば、そういった屋根からの熱の影響を防ぐことが可能になるのです。
しかもこのつくり方なら施工ムラが起きないため、ダクト内部の結露リスクも大幅に減らすことが可能になります。
またダクト自体も大きいため、摩擦による空気の失速も少なくすることができて非常に省エネなのです。
チャンバースペースは一見すると「おぉ」と思うような見た目ですが、ヘーベルハウスらしい非常に効果効率的なつくり方になっているのです。
ロングライフ全館空調の特徴3:オプションでデシカント換気を採用可能
そして最後にロングライフ全館空調の特徴3つ目、オプションでデシカント換気を採用可能ということについてです。
全館空調は基本的に、全熱型とよばれる調湿機能のついている第1種換気とエアコンを連動させて動いています。
ただ、全熱型の第1種換気は、多少調湿ができるだけで、それ単体のみでは完全に調湿できないのです。
完璧に温湿度を整えるなら、やはりエアコンの力や加湿器の力が必要になっていたのです。
ただし、今回新しくロングライフ全館空調と一緒に『熱交換型・ロングライフエコ換気システムHG』というオプションが登場しました。
わかりやすく言い換えるのなら『天井エアコン×第1種換気×風量=ロングライフ全館空調』これの第1種換気部分がオプションで変更できて『天井エアコン×熱交換型・ロングライフエコ換気システムHG×風量=ロングライフ全館空調』になるということです。
そしてこの『熱交換型・ロングライフエコ換気システムHG』というオプションは、実はデシカント式とよばれる換気方法で、給水・排水いらずで勝手に除湿と加湿をしてくれるのです。
仕組みとしては一条工務店がやっている『さらぽか』という商品と同じで、簡単に説明をすると、除湿する場合は熱く湿った空気を冷却してデシカントローターとよばれる機械に通します。
するとデシカントローター内部の乾燥剤に湿気が吸着され、室内には除湿した涼しい空気が送られるようになります。
一方で加湿する場合は、冷たく乾いた外気を加温してデシカントローターに入れます。
すると内部の乾燥剤に溜まった水分が加えられ、暖かく加湿された空気が室内に送られるようになるのです。
室内を1年中、相対湿度40~60%に調整することができるため、カビ、ノミ、ダニ、ゴキブリ、これらの発生を抑制してくれつつ、快適な室内環境を提供してくれるようになります。
すごいですよね?
さらに金額的にも「各居室エアコン+床暖」の金額よりは安く導入できるようなので、ヘーベルハウスで検討する場合、入れなければ損するレベルのオプションなわけです。
ということでロングライフ全館空調の特徴は大きく分けて3つ
- 機械室がいらない
- ネオマフォームでつくられたダクト、チャンバースペースを採用
- オプションでデシカント換気を採用可能
以上になります。
ロングライフ全館空調と熱交換型・ロングライフエコ換気システムHG、これはなるべく入れるようにしてください。
ヘーベルハウスの特徴10:価格は大手ハウスメーカーの中では抑えられている方
『しかし、安いわけではない』
ヘーベルハウスの現在の坪単価は、建物のみでだいたい110万円程度です。
つまり35坪の家を建てるとなったら、35坪×110万円で3,850万円が建物のみの価格ということになります。
さらに土地から購入する場合、ここに土地代が加わり、仮に土地代が2,000万円だとすると、
- 土地の仲介手数料 約73万円
※仲介手数料=土地の価格×3%+6万円×消費税
- 外構費用 約300万円〜800万円
※営業マンによって大きく変動、要注意
- 建物の組み立て費用 約200万円から450万円
※建物の大きさにより変動
※多くの地域が200万くらいで収まるが、都内などの 狭小地の場合は450万円くらいかかる場合もある。
- 屋外給排水工事 約90万円〜150万円
※水道の本管取り出し工事の有無により変動
- ガス引き込み費用 約30万
(オール電化の場合必要なし)
- 住宅ローン保証料 約100万円〜200万円
(借入金額の2.2%が目安)
- 地盤改良費用 0円〜1,000万円程度
※全国的に見ても多くのエリアが地盤改良費用100万円〜200万円程度で済む
※軟弱地盤エリアだと地盤改良費用に200万円以上必要な場合もある
※事実、都内の一部のエリアなどでは地盤改良費用で800万円〜1,000万円かかるエリアも存在する
- 火災保険料 約50万円
- カーテン、照明、エアコン、家具、家電 約500万円
※営業マンによって大きく変動、要注意
- 設計業務報酬料 約150万
※建物の大きさにより変動
- 長期優良住宅性能表示制度申請費 約20万
- 登記費用 約30万
※建物の大きさにより変動
となり、諸費用でだいたい1,500万円くらいかかる計算になります。
つまりヘーベルハウスで今家を建てるなら、2,000万円の土地を購入すると7,350万円はかかってくるという計算になります。
正直、今の時代からしたらもう普通という感じの金額です。
もちろん、諸費用部分を下げることはできます。
ただ、諸費用は下げた分だけ我慢が必要な家づくりになってきます。
例えば外構を後回しにする、もしくは最低限にする、照明、カーテン、家具、家電を新調しないなどです。
そういった我慢に我慢を重ねれば、かろうじて7,000万円切るかなという感じです。
これから家づくりをする人からすると「高い!」と思われると思いますが、その他のハウスメーカーですと、建物だけで坪単価150万円、130万円ならいい方、そういうレベルになってきます。
ヘーベルハウスは比較的頑張っている方なのです。
もちろん決して安いわけではないです-が、それでもお得といえばお得なので、気になる方はヘーベルハウスを検討していただければと思います。
【2024年最新】ヘーベルハウスの特徴10選〜すべてがわかる!〜のまとめ
ヘーベルハウスの特徴10個を紹介してきました。
まとめると
- 日本にモダニズムを広めたハウスメーカー
- 初めて二世帯住宅をつくったハウスメーカー
- ALC(軽量気泡コンクリート)通称ヘーベル板
- 他社などから悪口を言われやすい
- 3種類の構造躯体がある
- モダニズムのさらにその先の商品(RATIUS|GR)がある
- 通常の注文住宅よりも坪単価が10万円安い商品(my DESSIN)がある
- 割引率が高い仕様(通称:デザインブック)がある
- 全館空調(ロングライフ全館空調)を選択できる
- 価格は大手ハウスメーカーの中では抑えられている方
以上の10個になります。
ただし、ここまでお話してきた10個の特徴は、ヘーベルハウスの基本的な特徴のみになります。
というのも、ここまでで私はヘーベルハウスのいいところしか触れてきませんでした。
しかし当然、ヘーベルハウスにも弱点があります。
弱点があるということは、その対策をしなければ後々後悔することになるわけですし、嫌なことは後から知るよりも先に知っておいた方が間違いなくいいですよね。
ですので、ヘーベルハウスの弱点とはなにか、そしてその対策方法としてどのようなことをすればいいのか、これらを私が作った紹介サービスメグリエをご活用いただいた方、もしくは公式LINEから直接紹介依頼をしてくださった方のみに共有したいと思います。
さらに今回は、ヘーベルハウスで家を建てる場合に知っておいた方がいい小技なんかもお伝えしようと思っています。
ですので、それらも含めて合計で7つのポイントを皆さんに共有させていただきます。
少しでもヘーベルハウスでいい家を建てたいと思う方は、メグリエをご活用いただくか、もしくは公式LINEから直接紹介依頼をいただければと思います。
ちなみに公式LINEでは、各大手ハウスメーカーの攻略カタログを無料で配布しています。
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