注文住宅で【最高の間取りの特徴3選】

はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約11分で読めます。

今回は、注文住宅で『最高の間取りの特徴3選』についてお話をしていきます。

今まで間取りというものに触れてこなかった人からすると、平面図だけを見ても中々イメージしにくい、ということが良くあります。

そうすると、せっかく良い間取りを提案されても何が良いのかわからないことが、あると思います。

ですので、今回は基本を抑えるという意味で、どのような間取りが良い間取りなのか、そして、見るべきポイントはどこなのか、これらを深掘りしていくために、3つの間取りを具体例にあげて、『最高の間取りの特徴』について解説していきます。

ただし今回、ご紹介するのはあくまで一例です。

「間取りは土地にあったものを作る」が大原則です。

ですので、ポイントとして覚えておいて、柔軟な間取り作りを心がけてください。

これから注文住宅を建てる、という方はぜひとも参考にしていただければと思います。

それではやっていきましょう!

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回遊動線を取り入れた間取り

まずは『回遊動線を取り入れた間取り』です。

回遊動線とは

そもそも、『回遊動線』ってなに?という人のためにまずは簡単に説明すると、『回遊動線』とは行き止まりの無い間取りのことです。

『回遊動線』とは行き止まりの無い間取り

言葉だけでは分かりにくいと思いますので、実際に、こちらの間取りをご覧ください。

回遊動線の間取り

この間取りはキッチン→ダイニング→パントリーと動線が繋がっています。

これが『回遊型』と呼ばれる間取りになります。

回遊動線のメリット

このタイプの間取りのメリットは主に2つあり、

  • 家事動線が短いので効率的に家事が行える
  • 空間に無駄なスペースがない

となります。

メリット
・家事動線が短いので効率的に家事が行える
・空間に無駄なスペースがない

非常にコンパクトにまとめられている間取りでもあるので、コスパが良くなる傾向にあります。

ですので、例えばですが、

  • 共働きで忙しいご家庭や
  • 家事が面倒で少しでも楽したいという方
  • 見た目よりも効率重視

これらに当てはまる方にはピッタリの間取りです。

ただ、ここまでの話は、調べれば良く出てくる話かと思います。

ですので、ここからは、皆さんが回遊動線を取り入れた間取りにする時に、さらに間取りを良くするポイントを解説しています。

回遊型の間取りをさらに良くするポイント「収納の近くを通るかどうか」

では、それはなにかといいますと、『収納の近くを通るかどうか』です。

『収納の近くを通るかどうか』

実は、回遊動線型の間取りは、『収納の近くを通るかどうかで』使い勝手がかなり変わります。

なぜなら、回遊動線のある間取りを言い換えるのであれば、『通路のある間取り』だからです。

そして、その通路を上手く使うことで、効率的で無駄のない間取りを構築できます。

考え方としては『ウォークスルークローゼット』と同じです。

回遊動線のある間取りを言い換えるのであれば、『通路のある間取り』

『通路のある間取り』とはどういうことのか、また、『ウォークスルークローゼット』と同じとはどういう意味なのか。

これについてですが、例えば、こちらの間取りをご覧ください。

一応この間取りにも回遊動線のあると言えますが、これだと動線の部分は、”ほぼ”通路です。

一応この間取りにも回遊動線

では、次はこちらの間取りをご覧ください。

こちらの間取りはさきほどと違い、通路部分の要所要所に収納が配置してあります。

つまり、通路をただの通路とせず、収納を兼ねています。

通路をただの通路とせず、収納を兼ねた回遊動線

つまり、最初にお見せした間取りは通路部分が通路以外の機能がほぼないため、実際に使ってみると、そこまで使い勝手は良くありません。

言い換えれば、『なんちゃって回遊動線』だということです。

左:なんちゃって回遊動線 | 右:機能的で効率的な回誘導線
左:なんちゃって回遊動線 右:機能的で効率的な回誘導線

ただし、もう一方の間取りは、回遊先の近くには必ず収納があります。ですので、通路が通路だけの機能になっておらず、機能的かつ効率的です。

そのため、回遊動線型の間取りを採用する人は、

『収納の近くを通るかどうか』

これに着目して間取りのチェックをしてみてください。

これが回誘動線のある間取りとそれをさらに良くするポイントになります。

動線にウォークスルークローゼットを取り入れた間取り

続いては、『動線にウォークスルークローゼットを取り入れた間取り』です。

このタイプの提案、最近多い気がしますが、動線の途中にウォークスルークローゼットを取り入れることで、何かの『ついで』に家事などをこなすことが出来ます。

例えば、こちらの間取りをご覧ください。

動線にウォークスルークローゼットを取り入れた間取り

この間取りは土間収納とウォークスルークローゼットが動線の途中にある間取りです。

ですので、例えば土間収納は、子どもの遊び道具や傘、掃除道具、折りたたみ可能な三輪車やベビーカーも置く事が出来ます。

また、取り方によっては2way玄関にすることも出来るため、自分達用の玄関と、来客用の玄関に使い分けることが出来ます。

取り方によっては2way玄関

そして、玄関を上がり、ウォークスルークローゼットで、コートやバックをしまい、さらにそのまま洗面所で手を洗い、料理をする時はキッチンへ。

お風呂に入る時はそのまま脱衣所へと繋がっています。

お風呂に入る時はそのまま脱衣所へ

見て頂いてわかっていただけたと思いますが、『ついで』の行動が次のアクションに繋がります。

これが、『動線にウォークスルークローゼットを取り入れた間取り』の特徴です。

ただ、実はこちらの間取りも注意ポイントがあります。

ポイントは「扉を極力無くすこと」

実はこの手の間取りの場合、『扉を極力無くす』というのがポイントになってきます。

『扉を極力無くす』というのがポイント

どういうことかというと、先ほどもお伝えした通りで『動線にウォークスルークローゼットを取り入れた間取り』は『ついで』という形で次のアクションを取れるのが特徴です。

ですので、例えばキッチンに行くついでに、ウォークインで物をしまい、そして次のアクションで洗面所で手洗いする、というような感じです。

ウォークインで物をしまい、そして次のアクションで洗面所で手洗いする

そのため、なるべくスムーズに動ける配慮があった方がいいわけです。

ですので、そう考えると扉は邪魔だと思いませんか? 具体的に言うとこの間取りなら、これらの箇所の扉がいらないわけです。

扉は1枚7万円程度ですので、削られれば削った分だけ金額が下がります

扉は1枚7万円程度ですので、削られれば削った分だけ金額が下がります。

こう考えると、非常にお財布に優しいです。

また、そもそもの話でこの間取りに限ったことにはなりますが、来客が一番多い玄関からの目線も、この間取りなら気になりません。

ただ、「もし仮に家の中に来客があったら」とか「もし冷暖房効率が悪くなったら」とか、そういったネガティブ面が気になる方は、ロールスクリーンを設置することをお勧めします。

ロールスクリーンなら、降ろしたい時に下ろせますし、何よりコスパが良いため、ちょっとだけ家の値段を抑えられます。

ロールスクリーンなら、降ろしたい時に下ろせますし、何よりコスパが良い

ですので、『動線にウォークスルークローゼットを取り入れた間取り』を作る場合、

自分達がどのように動くのか、そしてその結果、何が必要で何が必要ないのか、これを想像してみてください。

自分達がどのように動くのか、そしてその結果、何が必要で何が必要ないのか、これを想像する

これが『動線にウォークスルークローゼットを取り入れた間取り』とこの手の間取りを更に良くするポイントでした。

洗濯が楽になる間取り

続いては、『洗濯が楽になる間取り』です。

実は最近、室内物干しスペースを作るのが、かなり流行っています。つまり、ベランダを作らない人が増えているということです。

実際に、リクルート住まいカンパニーが出している間取りのトレンド調査だと、このような感じで5位に室内物干しスペースがランクインしています。

1位ウォークインクローゼット34.1%
2位カウンターキッチン29.7%
3位パントリー28.9%
4位シューズクローク27.6%
5位室内干しスペース27.2%
6位アイランドキッチン22.9%
7位畳コーナー18.5%
8位オープンなLDK17.8%
9位ゆっくり入浴できる広い浴室17.1%
10位階段下収納12.0%
出典:リクルート住まいカンパニー

5位といっても、2位から5位まではほぼ誤差みたいな数字ですので、

『カウンターキッチン』『パントリー』『シューズクローク』『物干しスペース』 この辺りはほとんどの人が間取りに取り入れたいのだと、思って頂ければと思います。

こんな話をすると、

『流行りなんかに乗せられてたまるか』

『きっと落とし穴があるに違いない』

という人が出てきそうですが、確かにそうです。

この中で地雷とも呼べる間取りがあるのも事実です。

室内物干しスペースについて

今回の話の本題である『室内物干しスペース』これは流行って然るべき間取りです。

なぜなら、皆さん、普通の2階建ての家をイメージしてみてください。水回りってどこにあるイメージですか?

基本、1階ですよね?

それでは、干す場所は2階ですよね?

どう考えても面倒です。

わざわざ、階段登り降りして洗濯物を運ばなければならないからです。

ですので、『室内物干しスペース』を家事動線を楽にするには、非常に合理的な考えです。

それは流行ると思います。

少し余談になりますが、実際にこの前、知り合いの設計士の方と室内物干しスペースとベランダのあり方について話しました。

業界ではかなり有名は設計士の方ですが、やはりその方も『ベランダ反対派』でした。

室内物干しを付けた方がメンテナンスもかからず、動線的にも合理的だという話でした。

私もそれを聞いて『やっぱりそうだよね』と思いました。

それでは、話を本題に戻して、実際にどんな間取りにすれば良いのかという話だと思いますので、実例をご覧ください。

例えばこちらです。

こちらの間取りは、

洗面、ウォークインクローゼット、室内物干しスペース、

これらが『回遊動線』になっています。

回遊動線は先ほども説明した通り、行き止まりの無い間取りのことです。

ですので、コンパクトに設計できるのが特徴です。

回遊動線

ですので、例えばこのような間取りにすることで、室内で干した物をすぐにファミリー用のウォークインクローゼットにしまえます。

またその逆で、タオルや下着類などを短い動線で取って、お風呂に入れたりするわけです。

つまり、簡単に一言でまとめると、

『洗う、干す、取り込む、しまう』

この動線が最短で完結するということです。

『洗う、干す、取り込む、しまう』この動線が最短で完結する

非常に便利です。

ですので、皆さんもぜひ取り入れてみてください!と言いたいところですが、ちょっと待ってください!

動線が最短で完結する間取りの注意ポイント

実はこの間取り、注意しておかなければならないポイントが

2つあります。

そのポイントさえ抑えておけば、この間取りはもっと良くなりますし、

その逆でポイントを見逃すと後悔する間取りにもなり得ます。

では皆さん、それがどこかわかりますか?

実は、その2点とは

  • 1つ目が、洗面所の大きさ、
  • 2つ目が、ウォークインクローゼットの収納用途

この2つです。

1つ目が、洗面所の大きさ、
2つ目が、ウォークインクローゼットの収納用途

どういうことかそれぞれ簡単に説明をしていきます。

注意ポイントその1:洗面所の大きさ

まず、一つ目の洗面所の大きさに関しては、端的に言うとこの間取りだと狭いです。

注意ポイントその1:洗面所の大きさ

なぜか洗面所は1坪(畳2枚分)で良い、という固定概念がある人が多いです。

これは間取りを作る側も、提案を受ける側も、です。

ただ、洗面所は広ければ広いほど、良いです。

もちろん限度はありますので、そこは丁度いい塩梅を見極めてもらいたいのですが、ただ間違いなく「洗面所は1坪では狭い」ですこれは間違いありません。

では、その理由ですが、

  • 子供と一緒にお風呂に入ることを想定していない
  • 脱衣所のことを考えていない

この2つがあるからです。

しっかり『生活イメージ』ができていない状態で、なんとなく洗面所の大きさを決めている場合が多いということです。

洗面所は1坪ではせまい。子供と一緒にお風呂に入ることを想定していない。脱衣所のことを考えていない。

例えば、小さいお子さんのいる家庭は、一緒にお風呂に入ることがほとんどだと思いますし、さらにお子さんが二人以上いたら、洗面所が大混乱です。

また、お子さんが成長して思春期に入った時のことを考えてみてください。洗面所で着替えてる最中に鉢合わせになると、少し険悪になると思います。

またそれとは別に、洗面の細々した物をしまう場所も必要です。

これは以前にもお話ししましたが、既製品の洗面台は、収納の奥行きがなかったり、逆に奥行きがありすぎたりで、かなり使いにくいです。

ですので、収納内部がごちゃつきやすいです。

このようなこともあり、洗面所は広くしておいて間違いないです。

そうすれば、脱衣所は最悪ロールカーテンでもなんとかなりますし、家族の成長に合わせて使用用途に都度、変化をつけられます。

また、収納にしまう物に関しても綺麗に整理整頓することが出来ます。

これが1つ目の注意ポイントになります。

注意ポイントその2:ウォークインクローゼットの収納用途

2つ目の『ウォークインクローゼットの収納用途』についてです。

『ウォークインクローゼットの収納用途』

実は、室内物干しが流行るのと同時にこの手の収納提案が増えています。

ランドリースペース兼収納として空間があった方が動線的には効率的

なぜなら、ランドリースペース兼収納として空間があった方が動線的には効率的だからです。

このような提案が増えるのも分かりますし、私も良いと思います。

ただ、注意するべきは先ほどもチラッと出た『生活イメージ』です。

例えばイメージしてみてください。

皆さんだったら実際に、この収納に何をしまいますか?

恐らくしまってもタオルとか、部屋着とか、そのようなものだと思います。

つまり、一見便利そうですが、案外しまうものが限られるわけです。

一見便利そうですが、案外しまうものが限られる

ですので、先程の洗面とは逆で、洗濯物を畳む場所や、小物類をしまって置く場所、これらの最低限の機能だけあれば十分であることが多いのです。

ただ、そうはいっても家族によって、生活リズムや生活の仕方は変わってくると思います。

ですので、皆さん自身で、『生活イメージ』を持ちながら、この提案は自分たち家族に合致しているのか、そうでないかを確認してください。

これが2つ目注意ポイントです。

まとめると、

家事動線をまとめるのは良いですが、しっかりと自分たちの生活イメージをすること。

これが重要だという話でした。

この注意点さえクリアにすれば、元々良い間取りを更に良くすることができます。ぜひとも参考にしてみてください。

ということで、今回は、『最高の間取りの特徴3選』というテーマでした。今回、お話したことは間取りを見る上での基本になります。

もっと上級者になると、平面と同時に立体を考えるようになりますが、今後徐々に立体で考える間取りの見方について解説していきます。

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