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注文住宅の購入を考えている多くの方が最初に気になるのは、価格ではないでしょうか?もちろん「どこのハウスメーカーで建てれば良いのだろう?」「総額でどのくらいの費用が発生するのだろう?」といったことも気になると思います。
一条工務店は、高気密・高断熱住宅の先駆者として知られる大手ハウスメーカーです。断熱等級7を取得可能な断熱性能や、全棟で気密測定を実施する徹底した品質管理など、住宅性能の面で高い評価を得ています。
今回は、一条工務店の坪単価について、商品シリーズごとの価格帯から、費用を抑えるためのポイントまで詳しく解説します。これから家づくりを検討される方は、ぜひ参考にしてください。
一条工務店の坪単価の特長

一条工務店の坪単価は、平均80万円前後と他の大手ハウスメーカーと比べてもやや高めに設定されています。さらに、2023年以降の原材料高騰を受け、以前より5~10%ほど価格が上昇している状況です。
しかし、この価格水準には正当な理由があります。工業化住宅を徹底的に追求することで自社工場での一貫生産体制を確立し、窓やドアなどの主要部材を自社で生産することで、高品質な部材を安定的かつ効率的に供給することが可能となっています。こうした生産体制は、一条工務店の強みといえるでしょう。
また、高性能住宅市場において一条工務店は費用対効果の高さで評価されています。すべての現場で気密測定を行い、断熱等級7の取得が可能な優れた断熱性能を備えているため、光熱費の大幅な削減が期待できます。さらに、独自の床暖房システムや特注の床材など、充実した標準仕様も注目すべきポイントです。
このように、一条工務店は初期費用こそ高めですが、長期的な視点で見ると、次のような点でメリットがあります。
- 高い気密性と断熱性による光熱費の削減効果
- 耐震等級4相当の耐震性による長期的な安心感
- 自社生産による高品質部材の採用で、修繕費用を抑制
- 標準仕様が充実しているため、追加工事費用が少ない
大手ハウスメーカーの中でも特に住宅性能にこだわる一条工務店では「安かろう悪かろう」ではなく、適正な価格で高い性能を提供することを重視しています。
商品シリーズ別の坪単価相場
一条工務店には複数の商品シリーズがありますが、それぞれに特長的な性能と価格帯が設定されています。高級路線の「GRAND SMART」から、比較的お求めやすい「SAISON A」まで幅広いラインナップが用意されています。
ここでは、建物価格と諸費用の基本的な内訳について解説します。
- 建物価格と諸費用の内訳
- GRAND SMART(グラン・スマート)の特長と価格
- GRAND SAISON(グラン・セゾン)の特長と価格
- i-smart(アイ・スマート)の特長と価格
- i-cube(アイ・キューブ)の特長と価格
- 一条の洋館SAISON(セゾン)の特長と価格
- SAISON(セゾン)Aの特長と価格
- Brillart(ブリアール)の特長と価格
- 百年の特長と価格
建物価格と諸費用の内訳
一条工務店の建物価格には、2×6工法による高性能な構造材や、全館床暖房システムなどの標準設備機器が含まれています。これらの設備は、一条工務店の特長である高気密・高断熱住宅に欠かせない要素です。
しかし、実際の家づくりでは建物本体価格以外にもさまざまな費用が必要です。地盤調査や改良工事が必要になるケースもあるでしょう。
また、建物価格は地域によっても異なります。都市部では地方と比べて人件費や輸送費が高くなるため、同じ仕様でも価格が上がる傾向にあります。次章から、各商品シリーズの特長と価格帯について詳しく解説します。
GRAND SMART(グラン・スマート)の特長と価格

画像引用元:グラン・スマート(一条工務店)
一条工務店の最上位モデルであるGRAND SMARTは、坪単価75〜90万円の価格帯に設定されています。高級路線の商品だけに、断熱性能やデザイン性において最高レベルの仕様となっています。
徹底した工業化により品質を高めながら、内外ダブル断熱工法を採用することで断熱等級7を実現。パッシブハウス協会との提携で取り入れた最新の断熱技術により、優れた省エネ性能を発揮します。
また、全棟で実施される気密測定によって高い気密性を担保し、自社工場で生産された窓やドアなどの主要部材と組み合わせることで、長期的な性能維持も実現しています。標準仕様には特注床材や全館床暖房システムも含まれており、快適性と耐久性を兼ね備えた住まいといえるでしょう。
GRAND SAISON(グラン・セゾン)の特長と価格

画像引用元:グラン・セゾン(一条工務店)
GRAND SAISONは、坪単価70〜80万円で提供される上位グレードモデルです。2×6工法をベースにした高い構造性能に加え、全館空調や床暖房など、快適な住環境を実現する設備が標準で搭載されています。耐震等級4相当の耐震性を持つ構造により、地震に対する高い安全性も確保されています。
自社生産の主要部材を使用することで、高品質でありながら価格を抑えることに成功。独自のシート技術により、本物の木材と見分けがつかない質感の床材なども標準採用されています。
特に気密性能と断熱性能の高さには定評があり、光熱費の削減効果も期待できるでしょう。長期的なランニングコストを考慮すると、価格以上の価値を持つ商品といえます。
i-smart(アイ・スマート)の特長と価格

画像引用元:アイ・スマート(一条工務店)
i-smartは、一条工務店の主力商品として人気を集めており、坪単価60~80万円のスタンダードモデルとして位置づけられています。
全棟で気密測定を実施し、高い断熱性能と気密性能を実現。一条工務店の特長である2×6工法の構造体に、自社生産の建材を組み合わせることで、高性能でありながらコストパフォーマンスの高い住まいを実現しています。
標準仕様が充実していることも特長で、全館床暖房システムや高性能な断熱材、特注の床材なども標準装備。耐震等級4相当の耐震性能も確保されており、長期的な安心感も魅力です。
価格帯としては中位に位置しますが、一条工務店らしい高性能住宅の特長を余すことなく体現した商品といえるでしょう。
i-cube(アイ・キューブ)の特長と価格

画像引用元:アイ・キューブ(一条工務店)
i-cubeは、坪単価50~65万円とエントリーモデルに位置づけられていますが、一条工務店の基本性能は確実に受け継いでいます。
自社工場で生産される窓やドアなどの主要部材は標準仕様として採用され、工業化住宅ならではの品質管理の厳しさも同様です。全棟での気密測定も実施されるため、高い気密性能も担保されています。
価格を抑えながらも、2×6工法による高い耐震性能や、充実した断熱性能は確保。特注床材や独自のシート技術による内装材なども採用されており、コストパフォーマンスを重視しつつ、一条工務店の品質基準は守られています。
一条の洋館SAISON(セゾン)の特長と価格

画像引用元:セゾン(一条工務店)
洋館SAISONは、坪単価60~70万円で提供される洋風デザインに特化した商品です。2×6工法の構造体をベースに、欧米テイストの外観デザインを実現。全棟気密測定の実施や、自社工場生産による高品質な建材の使用など、一条工務店の基本性能はしっかりと受け継いでいます。
特に外観デザインにこだわりを持つ方に人気の商品で、本物の木材と見分けがつかない独自のシート技術を活用した内装材や、特注の床材なども標準採用しています。工業化住宅でありながら、高級感のある仕上がりを実現できるのが特長です。
SAISON(セゾン)Aの特長と価格

画像引用元:セゾンA(一条工務店)
SAISON Aは、坪単価45~60万円と、一条工務店の商品の中で最もお求めやすい価格帯に設定されています。
価格を抑えながらも、2×6工法による耐震性能や気密測定による性能確認など、一条工務店の基本的な品質基準は維持しています。自社工場での生産による主要部材も採用され、工業化住宅としての確かな品質管理も特長といえるでしょう。
基本性能を重視しつつ、コストパフォーマンスを追求した商品設計により、比較的手の届きやすい価格帯を実現。全館床暖房システムなどの快適性を高める設備も標準仕様として組み込まれており、予算を抑えながらも高性能住宅の特長を体験できる商品となっています。
Brillart(ブリアール)の特長と価格

画像引用元:ブリアール(一条工務店)
Brillartは、坪単価75~90万円のプレミアムデザインモデルとして展開されています。
2×6工法による高い構造性能に加え、独自のシート技術を駆使した内装材や特注の床材により、デザイン性の高い住空間を実現。自社工場で生産される窓やドアなどの主要部材も、デザインと機能性の両立を意識した仕様となっています。
全棟での気密測定実施や、断熱等級7相当の性能確保など、一条工務店の基本性能は当然のこととして備えています。さらに全館床暖房システムなどの快適設備も標準搭載しており、工業化住宅の利点を活かした品質管理の厳しさと、デザイン性の高さを両立させた商品として、こだわりの住まいづくりを実現できる商品です。
百年の特長と価格

画像引用元:百年(一条工務店)
百年は、坪単価75~85万円で展開される和モダンテイストの商品です。
2×6工法による高い耐震性と断熱性を基本性能として持ちながら、日本の住文化に合わせた設計思想が特長的です。全棟実施される気密測定や、自社工場生産による高品質な建材の使用など、一条工務店の品質基準はそのままに、和の要素を取り入れた住まいを実現します。
独自のシート技術による内装材や特注の床材は、和モダンテイストに合わせた仕様が選択可能です。全館床暖房システムとの相性も良く、伝統的な和の空間に現代の快適さを融合させた住まいづくりが実現できるでしょう。
一条工務店の坪単価が高くなる理由
一条工務店の坪単価が他のハウスメーカーと比べて高めに設定されている理由は、徹底した工業化と品質管理にあります。確かに初期費用は高くなりますが、その分だけの価値があると評価されている理由を具体的に解説します。
自社生産による品質へのこだわり

一条工務店では、窓やドアなどの主要部材を自社工場で一貫生産することで、高い品質管理を実現しています。工業化住宅の追求により、他社では真似のできない独自の生産システムを確立しています。これにより、高品質な部材を効率的に供給することが可能になりました。
たとえば、独自開発の床材は通常のシート系床材とは異なり、傷がつきにくい特殊な仕様となっています。また、本物の木材と見分けがつかない高い質感を持つシートを採用するなど、見た目の美しさと耐久性を両立しています。
全棟での気密測定実施といった徹底した品質管理体制により、長期的な性能維持も実現できるでしょう。
高い住宅性能を支える技術
一条工務店の高い坪単価を支えているもう一つの要因が、業界トップクラスの住宅性能です。断熱等級7を取得可能な高い断熱性能は、パッシブハウス協会との提携により実現した最新の断熱技術によるものです。全棟実施される気密測定と合わせて、確かな性能を保証しています。
また、耐震等級4相当の耐震性を持つ2×6工法の構造体や、標準仕様として採用される全館床暖房システムなど、高性能な設備が標準装備されていることも特長です。これらの技術や設備は、快適な住環境を実現すると同時に、光熱費の削減にも貢献しています。初期費用は高くなりますが、長期的に見ると大きなメリットとなるでしょう。
建築費用を抑えるためのポイント

一条工務店は坪単価こそ高めですが、適切な計画を立てることで、予算内での家づくりは十分に可能です。ここでは、建築費用を抑えるための具体的なポイントを、契約前の準備から支払いまでの流れに沿って解説します。
契約前に押さえるべきポイント
家づくりの費用を抑えるには、土地選びの段階からの計画が重要です。まず、土地の形状や向き、法規制などによって建物の設計が制限され、それが予想外のコスト増加につながることがあります。特に一条工務店は2×6工法を採用しているため、複雑な形状の土地では建物の設計に制約が生じやすくなります。
また、建築プランを立てる際は、将来的な暮らしも見据えた検討が必要です。たとえば、吹き抜けや大きな窓など、見た目の華やかさにこだわりすぎると空調効率が落ち、ランニングコストが上がってしまいます。一条工務店の標準仕様は充実しているため、本当に必要なオプションを見極めることで、費用を抑えることができるでしょう。
大手ハウスメーカーの選び方や比較のポイントをさらに詳しく知りたい方は、住宅系YouTuberまかろにおのチャンネルもご覧ください。豊富な実例と詳しい解説で、家づくりのヒントが見つかるはずです。
活用できる割引制度
一条工務店には、建築費用を抑えるためのさまざまな割引制度があります。最も活用しやすいのが紹介制度で、既存のお客様からの紹介で契約すると、最大で35万円相当のオプション工事が無料になります。また、モデルハウスの見学予約や資料請求の際に開催されているキャンペーンをチェックすることで、追加の特典を受けられる可能性もあるでしょう。
また、契約時期によって価格が変動することもあります。たとえば、決算期である3月や9月は比較的値引き交渉がしやすい傾向にあります。ただし、あまり無理な値引き交渉は避け、標準仕様で十分な項目とオプションが必要な項目を整理した上で、商談に臨むことが重要です。
見積書の見方とチェックポイント
見積書には、標準仕様とオプション項目が混在しているため、しっかりと内容を確認する必要があります。たとえば、照明器具や網戸、カーテンレールなどは標準仕様に含まれていないことが多く、追加費用が発生します。また、外構工事や給排水工事なども建物本体価格には含まれていないため、これらの費用も考慮しましょう。
特に注意が必要なのは、建具や収納などの造作工事です。一条工務店は自社製品を使用することが多いため、他社製品への変更は難しく、かえってコスト増になることがあります。
契約から完成までのお金の流れ
一条工務店での家づくりでは、契約から完成までの間に複数回の支払いが発生します。一般的な支払いスケジュールは、契約時に請負金額の10%程度、着工時に30%程度、上棟時に30%程度、完成時に残りの30%程度となっています。
この間、追加工事や仕様変更による費用が発生する可能性もあるため、ある程度の予備費を確保しておくことが賢明です。
また、着工から完成までは通常6〜8ヶ月程度かかります。住宅ローンの借入時期や、現在の住居の引越し時期なども考慮しながら、支払いスケジュールを管理していく必要があります。
一条工務店で家を建てるべき人の特徴
一条工務店は、高性能住宅のパイオニアとして知られていますが、すべての方に最適な選択とは限りません。ここでは、一条工務店との相性が良い方の特徴と、別のハウスメーカーを検討した方が良い方の特徴を具体的に見ていきましょう。
向いている人の特徴

一条工務店は特に、光熱費などのランニングコストを重視する方との相性が良いハウスメーカーです。断熱等級7を取得可能な高い断熱性能と、全棟で実施される気密測定により、冷暖房効率が格段に向上します。全館床暖房システムと組み合わせることで、年間の光熱費を大幅に削減できます。
また、長期的な住宅の資産価値を重視する方にもおすすめです。2×6工法による耐震等級4相当の耐震性や、自社生産による高品質な建材の採用により、経年劣化に強い住まいを実現できます。標準仕様が充実していることで、将来的なメンテナンス費用も抑えられる傾向にあります。初期費用は高めですが、長期的な視点で見ると、その投資に見合う価値があるといえるでしょう。
向いていない人の特徴

一方で、予算を最重視する方は、他のハウスメーカーの方が合っているかもしれません。一条工務店の平均坪単価は80万円前後と、業界内でも比較的高めの価格設定です。高性能な分、その価格には妥当性がありますが、予算が限られている場合は選択が難しくなります。
また、徹底した工業化により品質の安定化を図っているため、自由なデザインや特殊な間取りへの対応には限界があります。たとえば「一条ルール」と呼ばれる設計上の制約があり、窓や設備も自社製品が中心です。
独創的なデザインにこだわりたい方や、細かなカスタマイズを望む方は、他のハウスメーカーも検討することをおすすめします。
まとめ
一条工務店の坪単価について、特長から商品別の価格帯、費用を抑えるポイントまで詳しく解説しました。
一条工務店の平均坪単価は80万円前後と、確かに他のハウスメーカーと比べて高めの設定です。しかし、この価格設定には明確な理由があります。2×6工法による高い耐震性や、断熱等級7を実現可能な断熱性能、全棟での気密測定実施など、住宅性能の面で妥協のない家づくりを行っているからです。
とりわけ重要なのは、次の4つの費用を抑えるためのポイントです。
- 契約前に押さえるべきポイント:土地条件や将来性を考慮し、標準仕様を活かして不要なオプションを避けることで費用を抑える。
- 活用できる割引制度:紹介制度や決算期の値引き交渉を活用して、建築費用を軽減する。
- 見積書の見方とチェックポイント:標準外の設備や外構・給排水工事費を確認し、後からの想定外支出を防ぐ。
- 契約から完成までのお金の流れ:契約・着工・上棟・完成時に段階的な支払いがあり、予備費確保やローン・引越し時期の考慮が必要。
商品選びの面では、GRAND SMARTからSAISON Aまで、幅広い価格帯から選択が可能です。標準仕様が充実していることも特長で、追加工事費用を抑えられる可能性も高いでしょう。
より詳しい家づくりの情報は、住宅系YouTuber「まかろにお」のYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」をご覧ください。一条工務店を含む大手ハウスメーカーの特長や、家づくりのノウハウをわかりやすく解説しています。
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