新築注文住宅でおしゃれなリビングにするポイント20選

はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約34分で読めます。

今回は『新築注文住宅でおしゃれなリビングにするポイント20選』というテーマでお話していこうと思います。

というのも、今まで私は住宅に意匠、つまりは見た目を良くするための方法をたくさんお伝えしてきました。

ですので、ここで一回、リビングの見た目を良くするために知っておかなければならないポイントをまとめようということで、今回の記事をお送りします。

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  1. おしゃれなリビングにする前に!新築注文住宅選びの基準の動向
  2. おしゃれなリビングにする前に!新築注文住宅購入に関する住宅業界の現状
  3. 新築注文住宅でおしゃれなリビングにするポイント20選
    1. 【1】シート系床材になっていないか
      1. シート系床材
      2. 突板
      3. 挽き板
      4. 無垢床
      5. 床材に関する注意点
    2. 【2】床材とキッチンパネルの色や質感がバラバラになっていないか
    3. 【3】家具のことを考慮した床材になっているか
    4. 【4】家具のサイズ感をイメージできているか
    5. 【5】床下の断熱材を気にしているか
    6. 【6】壁面が綺麗か
    7. 【7】天井が穴だらけの照明計画になっていないか
    8. 【8】モールディングが統一されているか
    9. 【9】目立たない巾木になっているか
    10. 【10】ドア装飾や高さが整っているか
    11. 【11】見切り材が目立っていないか
    12. 【12】カーテンレールが収まっているか
    13. 【13】スイッチやコンセントが目立っていないか
      1. キッチンの真下にコンセントを付ける
      2. 埋め込み型のコンセントを使う
      3. スイッチは必ずLDK以外に取り付ける
    14. 【14】色を3色以下におさえているか
    15. 【15】とりあえずウチとソトを繋げただけになっていないか
    16. 【16】窓枠に気をつけた設計になっているか
      1. 意匠面
      2. 性能面
    17. 【17】エアコンが目立つ位置にないか
    18. 【18】レンジフードが目立つ位置にないか
    19. 【19】日差しのことを考えた設計になっているか
    20. 【20】リビングに収納場所があるか
      1. キッチン前収納
      2. 段差を活用した収納をつくる
  4. 新築注文住宅でおしゃれなリビングにするポイント20選のまとめ

おしゃれなリビングにする前に!新築注文住宅選びの基準の動向

正直、意匠に関するノウハウはもうネット上に出回りすぎているので、頭打ち感は否めません。

例えばこちらをご覧ください。

何を基準に住宅を選んだのかを統計調査したもの
出典:国土交通省

これは国土交通省が出している資料で『何を基準に住宅を選んだのか』を統計調査したものになります。

見ていただければ分かると思いますが、デザインを抜いて多くの方が『高気密高断熱』で住宅を選んでいる、ということが調査結果として出ているのです。

つまり、デザインに関してはポイントさえ押さえておけばある程度の物はつくれるけれど、住宅の性能面に関してはまだまだ伸びしろがあるのでそちらを優先した方が良いよね、ということで今、世の中の人の多くが性能面に意識が向いている、ということなのです。

おしゃれなリビングにする前に!新築注文住宅購入に関する住宅業界の現状

結局のところ、住宅は担当者が誰なのかでできる家のクオリティは変わってきます。

営業マンによって家の金額が変わり、

営業マンによって家の金額が変わる

設計士によって家のできが決まり、

設計士によって家のできが決まる

工務によって家の質が決まるのが注文住宅です。

工務によって家の質が決まる

つまり、もし仮に自分の担当者のリテラシーが低かった場合、その差分を埋めるのは皆さん自身なのです。

それがいわゆる『施主力』と呼ばれるものになるのですが、住宅業界には俯瞰して業界全体や自社のことを見られていない担当者がたくさんいます。

それこそ、自社の商品が一番であるという何の根拠もない自信を持っている人や、よくわからない理論・理屈でどうにかこうにかお客さんを丸め込もうとする人まで、様々です。

これは誇張しているわけではなく、今までそれでどうにかなってきてしまったのです。

だからこそ、次の章の「新築注文住宅でおしゃれなリビングにするポイント20選」を一つのチェックリストとして家づくりに挑んでいただければ、皆さんの施主力が向上するのではないかと思います。

新築注文住宅でおしゃれなリビングにするポイント20選

それでは、早速ですがおしゃれなリビングにするポイントを20個紹介します。

YouTubeやインスタに掲載されているようなオシャレな家に住みたい方、少しでも家のクオリティを上げたい方、これらに該当する方は少し長くなりますが、是非とも最後までお読みください。

【1】シート系床材になっていないか

ポイント1つ目は『シート系床材になっていないか』です。

シート系床材

これだけは何が何でもおすすめしません。

採用された方がいたら申し訳ないですが、それでも言います。

『シート系床材』を採用することは絶対にしないでください。

そもそも『シート系床材って何』という人もいるかと思いますので、大枠から説明していきます。

そもそも床材は大きく分けて4種類存在します。

それが

  • シート系床材
  • 突板
  • 挽き板
  • 無垢床

以上の4つです。

床材は大きく分けて4種類

シート系床材

シート系床材とは、合板の上に木目を印刷したシートを巻きつけただけの床材です。

シート系床材

メリットは

  • 価格が安い

ということ、

デメリットは

  • 表面が本物の木ではないので触り心地が悪くペタペタする
  • 経年変化はせずにただただ劣化していく
  • 表面が削れやすく、補修がしにくい

これらが特徴になります。

シート系床材のメリットデメリット

ですのでこのシート系床材は、とにかく目先の価格を抑えたい、そんな方向けの商品ということになります。

突板

続いて突板、こちらは合板の上に本物の木を厚さ0.2mm程度にスライスして巻きつけた床材です。

突板のメリットデメリット

メリットとしては

  • 厚さ0.2mm程度にスライスした木を巻き付けてあるので、一応本物の木の質感を楽しめる
  • 本物の木を使っている床材の中では一番安い

これらが挙げられます。

一方でデメリットは

  • 傷や凹みができるとすぐに下地の合板が見えてしまう
  • 傷や凹みがつかないか、常に不安な思いがつきまとう

ということがあります。

突板は、シート系床材は嫌だけど、そこまで床材にお金をかけられない、という方向けの商品という感じですね。

挽き板

続いて挽き板、こちらは合板の上に本物の木を厚さ2mm程度にスライスしたものを巻きつけた床材です。

挽き板のメリットデメリット

メリットは突板同様に本物の木の質感を楽しめるということです。

デメリットは、突板よりは傷や凹みに対する不安が減るものの、それでも深い傷や凹みができてしまうと直ぐに下地の合板が見えてしまうので、完全に安心できないということが挙げられます。

無垢床

そして最後に無垢床。

こちらは一本の木からできている床材になります。

メリットは

  • 突板、挽き板では選ぶことのできない樹種の質感を楽しめる
  • フローリングの幅を狭めれば金額を落とすことができる
  • 傷や凹みができても気にならない

ということがあります。

無垢床のメリット

今までお話ししてきた突板や挽き板は合板の表面に木を薄くスライスしたものを巻きつけて作る都合上、どうしても硬めの木でしかつくることができないのです。

例えばですが、ウォールナットやチークといった広葉樹の硬い木は突板や挽き板があるものの、スギやヒノキといった柔らかい木の針葉樹は突板や挽き板はないのです。

そういったこともあるので、無垢床であれば幅広く、いろんな樹種を選べるというのがメリットとしてあがってくるわけです。

また、一般的に高いと思われがちな無垢床ですが、確かに金額は高いものの、床材の幅を狭めることで金額を落とすことが可能になります。

具体的にお伝えをすると、同じウォールナットの床材で57mm幅、90mm幅、130mm幅の3種類があった場合、57mm幅の床材が一番安く、130mm幅の床材が一番高くなる、ということです。

無垢床は床材の幅を狭めることで金額を落とすことが可能

しかも無垢床は、床の幅を狭めることで膨張収縮のリスクを緩和してくれる効果もあるのです。

というのも無垢床は本物の木なので、乾燥する冬場は収縮し、フローリング間の隙間が開きやすくなります。

また、湿気の多い梅雨から夏場は膨張し、隙間が狭くなります。

そのため、施工が下手だったり、木の処理をしっかりしていなかったりすると床が隙間だらけになったり、盛り上がってボコボコになったりするのです。

しかし床材の幅を狭めることで、例えばウォールナットの場合

  • 130mm巾で約0.60mmの収縮
  • 90mm巾で約0.42mmの収縮
  • 57mm巾で約0.26mmの収縮

このような感じで収縮の幅を抑えられるのです。

ウォールナットの収縮率の違い

実は私の自宅もこれを考えて、あえて幅の狭いチークの無垢床を採用しています。

幅の狭いチークの無垢床

そして何より、傷や凹みができても補修すれば良いやという気持ちでいられるので、精神的にめちゃくちゃ安定します。

実際にグラインダーという機械があって、それを入れることで床全面を綺麗にすることができるのです。

無垢床はグラインダーという機械で床全面を綺麗にすることができる

これができるのが無垢床の強みです。。

無垢床は

  • 突板、挽き板では選ぶことのできない樹種の質感を楽しめる
  • フローリングの幅を狭めれば金額を落とせる
  • 傷や凹みができても気にならない

これらがメリットになってくるわけです。

一方でデメリットはというと、「しっかりと無垢床の勉強をしなければならない」ということになります。

無垢床のデメリット

というのも無垢床は樹種によって

  • 金額
  • 木の特性

これらが大きく変わってきます。

加えて先ほどもお伝えしたように、床材の幅を調整することで同じ樹種でも金額を落とすことができるのです。

また、一昔前は無垢床は乾燥収縮の観点から床暖房に対応できなかったのですが、最近では無垢床でも床暖房に対応できる床材も出てきています。

深く知れば知るほど、いろんな抜け道が見えてくるわけですが、それは真剣に無垢床について勉強しなければ見えてこないわけです。

ですので「しっかりと無垢床の勉強をしなければならない」これが最大のデメリットになるのかなというところです。

床材に関する注意点

大きく分けて4種類の床材が存在していて

  • シート系床材
  • 突板
  • 挽き板
  • 無垢床

以上の4つがあるわけです。

床材は大きく分けて4種類

ただ、多くの営業マンは目先の契約を取ることを優先して、金額の安いシート系床材を提案しがちです。

しかもプレゼン資料には大抵『高強度でメンテナンスいらずの床材』と書かれています。

しかしそんなのは真っ赤な嘘です。

きちんとそれぞれの床材の種類と、メリット・デメリットを理解した上でシート系床材を選んだのなら良いと思います。

ただ、もし仮に営業マンからすすめられるがまま何となく床材を決めてしまっているようであれば、早急に考え直していただくことをおすすめします。

【2】床材とキッチンパネルの色や質感がバラバラになっていないか

ポイント2つ目は『床材とキッチンパネルの色や質感がバラバラになっていないか』です。

床材とキッチンパネルの色や質感

キッチンパネルというのは、キッチンの側面の面材のことを言うのですが、これを決めるのは契約したあとなのです。

床材とキッチンパネルの色や質感

もう少しイメージしやすいように解像度高くお伝えをすると、実はハウスメーカーと契約する前は、ざっくりとした内容でしかキッチンを決めないのです。

ですので例えば、

「今回の見積もりではパナソニックのLクラスをとりあえず入れときました。」

「大体の金額がこれなので契約してください。詳細は契約後に決めます。」

といった話の流れで進んでいってしまうということですね。

この進め方は、お金に余裕のある人であれば問題ないのですが、予算が割とシビアな場合、キッチンの面材はまぁまぁ良い金額するので、思いもよらない追加金額が発生して痛手になってしまう、ということなのです。

何よりキッチンの面材を甘く見ていると、床材との相性が合わずに空間全体がごちゃごちゃっとした雰囲気になってしまいがちです。

ですのでこれから注文住宅を建てる方は、なるべく早めにキッチンのショールームに行って、キッチンの種類や面材の色と質感、これを決めるようにしてください。

そしてその時同時に、床材のサンプルも持っていくようにしましょう!

そうすることでキッチンの面材がリビング全体の色味にマッチする色や質感なのかどうかが分かります。

床材のサンプル

【3】家具のことを考慮した床材になっているか

ポイント3つ目は『家具のことを考慮した床材になっているか』です。

家具のことを考慮した床材か

注文住宅の契約後の流れを大雑把にお伝えすると、内装の仕様を決めて、次にキッチンなどの水回りの仕様を決めて、最後にどんな家具を入れるのかを決める、このような感じで進んでいくわけですが、意外とあるのが、最後の最後で入れたい家具と床材の色味が合わなかった、ということです。

ナラ、オーク、ウォールナットなどの樹種は家具にも比較的多く使われており床と家具を合わせやすい

というのも、例えば、ナラ、オーク、ウォールナットなどの樹種は家具にも比較的多く使われています。

これらの場合、床と家具を合わせやすいのですが、チークやイロコなどの樹種はそもそも希少な木材なので、それらの樹種を使った家具はあまり市場に出ていないのです。

チークやイロコなどの樹種はそもそも希少な木材なので、それらの樹種を使った家具はあまり市場に出ていない

結果、家具と床材、それぞれバラバラの樹種のものを使うことになり、室内の色合わせの難易度が跳ね上がることになるわけです。

『床材に合う家具がなかなか見つからない』、『入れたかった家具があったけど、床材の色味を考えるとその家具を入れること自体諦めざるを得ない』、そうならないようにするためにも、家具にこだわりたい人は、好きな家具から逆算して室内の色味を整える、ということをしてみてください。

それが分からない、イメージできないという方は、無難にナラ、オーク、ウォールナット、これらの床材を選んでおけば家具選びで悩むことはないと思います。

ナラ、オーク、ウォールナットの床材を選んでおけば家具選びで悩むことはない

【4】家具のサイズ感をイメージできているか

ポイント4つ目は、『家具のサイズ感をイメージできているか』です。

家具のサイズ感をイメージできているか

これは3つ目にお話しした『家具のことを考慮した床材になっているか』、これに似たような話にはなってくるのですが、重要なことなのであえて別々にお話します。

恐らくこれから注文住宅を建てようとしている皆さんは、「家具よりもハウスメーカーはどこにすれば良いんだろう」、「どうやったら自分達にあった間取りをつくれるんだろう」、そんなことを主に悩まれていると思います。

それはそれで良いのですが、頭の片隅に置いてもらいたいのが、間取りによって置ける家具の大きさが限られるということです。

もっと言ってしまえば、コンパクトな家になればなるほど、造作家具が必要になってくるのです。

これがどういうことかというと、今現在、住宅の価格がものすごく高騰しています。

去年の今頃と比較すると、どこのメーカーも大体坪15万円くらい上がっているようなイメージです・・・・。

そんな状況であるがゆえに、多くの方がコンパクトな家を建てざるをえないのです。

そしてコンパクトな家を建てなければならないということは、それに合わせて家具のサイズ感もきっちりと把握、計算した上で何を置くかを決めなければ家具がリビングを圧迫してしまうのです。

結果として、リビングがただただ窮屈なだけの空間になってしまうわけです。

窮屈なリビング

賃貸と変わらないような、狭いリビングは嫌ですよね?

特に住宅営業マンが出してくるプレゼンは、ほとんどの場合、家具の寸法がめちゃくちゃです。

住宅営業マンが出してくるプレゼン

そのため実際に家を建てた後に、思ったような家具を配置できないことに気がつくこともよくあるので、

  • コンパクトだったら造作家具の可能性を疑うこと
  • そうでなかったとしたら、家具のサイズ感をイメージして提案された間取りをチェックすること

これは忘れないようにしてください。

考えるのが面倒な場合は、スペースを取らないビーズクッション、これを使って過ごすことを前提にしておくと、どんな大きさの空間でも快適に過ごせるのでおすすめです。

ビーズクッション

【5】床下の断熱材を気にしているか

ポイント5つ目は、『床下の断熱材を気にしているか』です。

床下の断熱材

実は、ほとんどのハウスメーカーは『床下断熱』というつくり方で家づくりを行っています。

この『床下断熱』というつくり方は、シロアリに強いというメリットがある一方で、床が底冷えしやすいというデメリットがあるのです。

床下断熱は底冷えしやすい

ですので『床下断熱』でつくられている家の場合は、床下の断熱材の厚さをできるだけ厚くした方が良いのですが、そこまで気が回っていない、そもそもこのことに気がついていない、という人がほとんどなのです。

結果どうなるのかというと、住んだあとになってから自宅の床の冷たさにショックを受けることになるわけです。

例えば床下断熱の建物でリビングにタイルを敷くような内装の場合、これはもう床下の断熱材の強化はマストです。

リビングにタイルを敷くような内装の場合、床下の断熱材の強化はマスト

ただでさえタイルはひんやりしやすいですが、床下の断熱材が薄いと冬場は余計に冷たくなりますからね。

床暖房を入れるよりも、断熱材の強化が最優先です。

これから皆さんがハウスメーカーを検討される際は、床下断熱でつくられているメーカーなのかどうかを調べ、それに該当してくるようであれば、とにかく床下の断熱材を厚くするよう担当者に伝えてみてください。恐らく担当者は『大丈夫です。』と言い始めると思いますが、ほとんどの場合根拠はないので、自分の意思を貫いてもらえればと思います。

【6】壁面が綺麗か

ポイント6つ目は、『壁面が綺麗か』です。

壁面が綺麗か

皆さん「壁はダサいもの」という印象はないですか?

壁と聞くと、白いビニールクロスの貼られた壁を思い浮かべる気がします。

白いビニールクロスの貼られた壁

そのような印象だからか、少しでもおしゃれにするべく壁にエコカラットと呼ばれるタイルのようなものを貼ったり、

エコカラットと呼ばれるタイルのようなものを貼った壁

ウッドタイルと呼ばれる木のタイルを貼ったりする人が実際に多くいます。

ウッドタイルと呼ばれる木のタイルを貼った壁

確かにそのアイテム自体はおしゃれかもしれません。

しかし「おしゃれなもの×おしゃれなもの=おしゃれな家」ではないのです。

下手にそれらのアイテムに頼ってしまうと、上手くコントロールができず、結果としてごちゃごちゃっとした内装になりやすいです。

これは例えるなら、市販のカレールーを使って作ったカレーに、隠し味でヨーグルトやチョコレートを入れるような行為にかなり近いことです。

何を言いたいのかというと、隠し味でヨーグルトやチョコレートを入れる前に、市販のカレールーで作るカレーの旨味を最大限引き出すことの方が先じゃないですか?ということです。

それと同じで、壁に関しても装飾をする前に壁本来の美しさを最大限引き出すことを考えた方が実はスマートなのです。

壁は面積が大きいだけあって、部屋に与えるインパクトがかなりデカいのです。

だからこそもっと丁寧に、どうやったら壁そのものが綺麗に見えるのか、これを考えることの方が優先順位は高いのです。

つまり、壁は家の中で最も大きいインテリアとも言えるわけです。

このことに気がつかずに、「おしゃれなもの×おしゃれなもの=おしゃれな家」ができあがる、そう思って小手先のテクニックに走ってしまっている人が結構いますので、そこは注意をしていただき、まずは家の壁がどうやったら美しく見えるのかを考えてみてください。

一応、私なりの壁を綺麗に見せる方法をお伝えしておくと、

  • 窓は余計に設けない
  • テレビは埋め込み式にする
壁を綺麗に見せる方法
窓は余計に設けない
テレビは埋め込み式にする

これらは最低限行い、その上で内装材に

  • テンダートップけいそう
  • 湯布院珪藻土
  • 薩摩中霧島壁

これらを使うことが一番壁を綺麗に見せられると思っています。

壁を綺麗に見せる方法
テンダートップけいそう
湯布院珪藻土
薩摩中霧島壁

ぜひ参考にしてみてください!

【7】天井が穴だらけの照明計画になっていないか

ポイント7つ目は『天井が穴だらけの照明計画になっていないか』です。

照明計画は、

  • 経験が少ない担当者
  • きちんと自分の考えやプライドを持って提案していない担当者

ほど、とりあえず多めに照明を入れておけば良いという提案をしがちです。

しかも、それを言われたお客さん側も『確かに暗いよりかは明るい方がマシか』と思うので、多めに入れた照明計画を受け入れてしまうのです。

しかしそれを受け入れてしまうと、LEDマシマシで天井が穴だらけのリビングになってしまいます。

LEDマシマシで天井が穴だらけのリビング

これだと天井面が汚くなって見た目が非常に悪くなるので、おしゃれさから程遠い仕上がりになってしまうのです。

実際にLEDマシマシの天井面とそうでない室内の天井面を比べてみると、どちらがスッキリしているかは一目瞭然ですよね。

スッキリ綺麗な天井面

何よりLEDは光が真下に落ちてくるので、寝転がると眩しかったりもするのです。

そうならないようにするためには、

  • 間接照明をメインで使う
  • 壁に光を当てて一度反射させてから家全体を照らす設計をする
  • 必要な所に必要な光を取り入れる多頭分散照明を意識する

そんな照明計画を取り入れるようにしてみてください。

照明計画
間接照明をメインで使う
壁に光を当てて一度反射させてから家全体を照らす
多灯分散照明を意識する

これをすることにより、先ほどお話しした壁面を綺麗に見せるということが照明によってより活きてきますし、更に柔らかい光がリビング全体を包み込むようになります。

言われてみれば「なんだそんなことか」と思うポイントかもしれませんが、この辺りの照明提案がきちんとできる人は案外少ない印象です。

皆さんもハウスメーカー任せにせず、照明の見え方、配置の仕方は勉強していただければと思います。

【8】モールディングが統一されているか

ポイント8つ目は『モールディングが統一されているか』です。

モールディング

『モールディング』とは巾木や天井と壁の継ぎ目に使う廻り縁などを一言でまとめた言葉になります。

このモールディングがあることによって建築物や家具などに凹凸が生まれ、立体感のある美しいデザインをつくることができるわけです。

ハウスメーカーの中には三井ホームというメーカーがあります。

三井ホーム

三井ホームは洋風の可愛らしいデザインの家が得意なハウスメーカーなのですが、三井ホームの家は、必ず『廻り縁』が出てくるのです。

三井ホームの家は必ず『廻り縁』が出てくる

この『廻り縁』はクロスが剥がれないようにするために付けている、という理由もあるのですが、一方で洋風建築をつくる上では欠かせない装飾の一つでもあるわけです。

洋風建築をつくる上では欠かせない装飾の一つ

そのため、三井ホームはあえて『廻り縁』を強調させることで洋風らしさを全面に押し出したデザインをつくっているのです。

▼三井ホームについて詳しく知りたい場合はこちら▼

【2023年最新】三井ホーム徹底解説(特徴・強み、商品のおすすめ仕様を紹介)

このような感じでモールディングと呼ばれる装飾の類は、足し算の建築である洋風建築とは非常に相性が良いものなのです。

ただし一方で、無駄を極力削ぎ落とした日本風の引き算の建築をつくる場合には、モールディングは必要のないものになるのです。

つまり何を伝えたいのかというと、皆さんがこれから提案される・もしくは今提案されているリビングは

  • モールディングが強調されている間取りなのか?
  • それともモールディングが削ぎ落とされている間取りなのか?
洋風はモールディングを強調させる
日本風はモールディングを極力排除

これをチェックしなければ、どこか中途半端な感じの内装になってしまい、おしゃれとは程遠い建売のような家が完成してしまいます。

自分たちがこれから建てる家を洋風のデザインに寄せるならモールディングの類は強調させ、日本風のデザインに寄せるならモールディングの類は極力排除すべきです。

中途半端は絶対にダメ!

これを是非とも覚えておいてください。

【9】目立たない巾木になっているか

ポイント9個目は『目立たない巾木になっているか』です。

目立たない巾木になっているか

こちらは先ほどお話ししたモールディングに付随する話になるのですが、巾木は特に重要ポイントなので深掘りしてお話していきます。

そもそも巾木とは、壁と床の境目に取り付ける部材のことで、役割としては、

  • 壁と床にできる隙間を隠して、見た目をきれいにすること
  • 掃除機を使用する際に壁にぶつけてクロス等を傷つけないようにすること
色々な種類の巾木

これらの役割があります。

ただし、巾木は床材とも壁材とも違う、別の素材の建材なのです。

そのため、シンプルに目立つのです。

あと、確かに巾木自体の役割として先ほどもお伝えした通り、掃除機を使用する際に壁にぶつけてクロス等を傷つけないようにするというのがあるのですが、

掃除機を使用する

そもそも自宅というのは大金を支払ってようやく手に入れられるものです。

それにも関わらず、クロスが傷つくくらい乱暴に掃除機をかけますか?かけないですよね?

実際私も毎朝、特に気を遣わず普通に掃除機をかけているのですが、壁を傷つけたことは一度もありません。

そのようなこともあるので、リビングをおしゃれに見せたいなら、極力巾木は目立たせないようにすることが重要です。

具体的には

床材と同じ材質の巾木を使って、巾木自体を目立たせないようにする

床材と同じ材質の巾木を使って、巾木自体を目立たせないようにする

アルミアングルと呼ばれるものを使い、極力巾木を細くする

アルミアングル

これらの対策方法があります。

これをやるのとやらないのとでは、リビングの印象が全然違って見えるので、巾木を目立たなくさせたいという方は、自分の担当者に必ず『巾木を目立たなくしてください』と伝えるようにしましょう。

巾木が目立たない

ただし施工に手間がかかるので、嫌がる人は嫌がります。

そういう人が担当になってしまうと、後にも先にも不幸になるのは自分なので、できれば最初に『巾木を目立たなくすることってしてもらえますか?』と確認するようにしてください。

ただし、洋風の建物にしたいのであれば、あえて巾木を強調させるというのはアリです。

ですので、最終的には自分の美的センスに合わせて巾木の調整をしてください。

【10】ドア装飾や高さが整っているか

ポイント10個目は『ドア装飾や高さが整っているか』です。

ドア装飾や高さが整っているか

これに関しても一部モールディングの話に付随する内容になるのですが、

  • ドアの枠があるのかないのか
  • ドアの高さが天井まであるのかないのか

これで室内の雰囲気が大きく変わってくるのです。

どういうことかというと、そもそもドアには枠ありのドアと枠なしのドア、この2種類が存在します。 それぞれ簡単に説明すると、『枠あり』のドアの方が洋風建築よりのアイテムになります。

『枠あり』のドアの方が洋風建築になる

海外のようなおしゃれで可愛らしい雰囲気の内装をつくりたい場合には、ドアの枠、つまりはモールディングが役立ってくるわけです。

ですので、実際に画像のような感じで洋風の家をつくるなら、窓枠を通常よりもより厚くしてあげると、いい感じの洋風テイストになります。

これを『足し算の建築』といったりするのです。

ただし一方で『枠なし』のドアに関しては、当然枠がないのでモールディングと呼べるものがありません。

ですので、日本風の建築をする場合には、先ほどの巾木と同様に窓枠も消した方がスッキリした空間に仕上げられるのです。

具体例を出すならこのような感じです。

日本風の建築
日本風の建築

先ほどと違って扉に余計な装飾がないのでスッキリしていますよね。

更に先ほど説明した巾木もありません。

これが日本風の建築である引き算の建築になります。

ということでリビングを綺麗に仕上げるためには、洋風に寄せて枠ありのドアを選ぶのか、それとも日本風に寄せて枠なしのドアを選ぶのか、ここを決めて必ず統一させないといけません。

そしてここで日本風に寄せることを選択した人は、ハイドアを使うことで更にリビングをスッキリ仕上げることが可能になります。 ハイドアというのは天井まで高さのあるドアのことを言うのですが、このハイドアを使うことで実は扉の存在感をなくすことができるのです。

ハイドアを使うとリビングをスッキリ仕上げることが可能

というのも例えば左の画像では横のラインが天井、床、ドア上部、で3つありますよね。しかし、右のハイドアの画像では横のラインが天井と床部分の2つしかないのです。

ハイドアを採用することで『無駄な横のライン』をなくせる
横のラインが 左:天井・床・ドア | 右:天井・床のみ

一見すると大した差ではないように感じるかもしれませんが、このような感じでハイドアを採用することによって『無駄な横のライン』をなくせます。

結果、扉の存在感をなくして、空間に繋がりを持たせることができるのです。

ただしハイドアは一部だけ採用するのはNGです。

その理由は、ドア同士の高さが合わず、チグハグな内装になってしまうからです。

分かりやすくお伝えするために画像をお見せすると、このような感じですね。

ドア同士の高さが合わずチグハグな内装

それぞれの扉の高さがバラバラなので何とも不格好ですよね。

ですのでハイドアを採用した場合、他のドアも高さを揃えるためにハイドアにしなければなりません。

リビングで後悔しないためにも、ドアの枠部分や高さが整っているかどうか、これはしっかりと確認してください。

【11】見切り材が目立っていないか

ポイント11個目は『見切り材が目立っていないか』です。

見切り材というのは、床などの仕上げ材が切り替わる部分に使う化粧材のことを言います。

具体的にはこのような感じですね。

床などの仕上げ材が切り替わる部分に使う化粧材

見切り材が目立つと巾木と同様に別の素材感が出てしまい、めちゃくちゃカッコ悪いのです。

これを目立たなくさせる工夫が必要なのですが、ここで便利なのがアルミの見切り材です。

アルミの見切り材はそれ自体が細いので目立つことがありません。

アルミの見切り材

別の素材感というのを感じにくくなりますし、床材の色によってはゴールドのアルミ材を使うことで、より目立たなくなります。

また究極系として、見切り材を一切使わずに収めるという方法も存在します。

見切り材を一切使わずに収める方法

これに関しては設計士のレベルが相当高くないとできない超上級テクニックになります。

個人的には少しでもリビングを綺麗に見せるために、見切り材を一切使わずに収めるという方法を使っていただきたいですが、そこは担当者次第という感じにどうしてもなってしまいます。

ただ、言わないと見切り材自体が適当に決められてしまうかもしれないので、担当者に『見切り材があれば極力目立たないようにしてほしい』と、言うだけ言うようにしましょう!

【12】カーテンレールが収まっているか

ポイント12個目は『カーテンレールが収まっているか』です。

カーテンレールが収まっているか

カーテンレールとはその名の通り、カーテンをつけるレールのことなのですが、これはそのままだと結構目立つのです。

ですので目立たないようにさせる工夫が必要になってくるわけです。

では、実際にカーテンレールを目立たなくさせる工夫にはどのようなものがあるのかというと、例えばカーテンレールを天井にそのまま付けるパターンや

カーテンレールを天井にそのまま付ける

カーテンレールを天井に埋め込むパターンがあります。

カーテンレールを天井に埋め込む

これをすることによって、カーテンレールをただ付けるだけの場合と比べてだいぶスッキリとした印象になりますよね。

しかし紹介しておいてこんなことを言うのも変なのですが、正直今ご紹介した2つの納め方は私個人としてはあまりおすすめしていません。

確かに簡単にできますし、カーテンレールを目立たなくさせるという意気込みを感じることはできます。

それは素晴らしいと思いますが、両方ともカーテンのレールを完全に隠しきれてはいませんよね。

やるのであれば中途半端にやるのではなく、天井を下げてカーテンボックスをつくってしまった方が見え方としては綺麗に収まりますよね。

天井を下げてカーテンボックスをつくる

カーテンボックスというのはこういう感じのものを言います。

これなら完全にカーテンレールは隠れますし、天井面も綺麗に保つことが可能になります。

ただこれをやるには、そもそもの設計力が自分の担当者にあるかどうかが問題になってきます。

また、私はカーテンボックスをつくった方が良いとは言ったものの、カーテンレールを天井にそのまま付けるパターンや、カーテンレールを天井に埋め込むパターンが良いという人もいるかもしれません。

何があっている、何が間違っているということは正直ないのです。

私個人としてはカーテンボックスをつくることをおすすめしましたが、目的はカーテンレールを消すことです。

ですのでそこに意識を向けてもらい、あとは皆さん自身が綺麗だと思う納め方でカーテンレールを消す方法を取り入れていただければと思います。

【13】スイッチやコンセントが目立っていないか

ポイント13個目は『スイッチやコンセントが目立っていないか』です。

スイッチやコンセントが目立っていないか

綺麗なリビングをつくる上で、地味ですが大切な要素になってくるのが、『スイッチやコンセントが目立たないようにする』ことです。

というのも、これまでのお話で『壁は最大のインテリア』だとお伝えしたと思います。

ですので壁というのはできれば綺麗に残してあげた方が良いのですが、スイッチやコンセントはそれ自体が違う素材なのでノイズになりやすいのです。

これを分かりやすく例えるために、白いTシャツを着てカレーうどんを食べているシーンを思い浮かべてみてください。

カレーうどんはどれだけ気をつけて食べていても汁が飛び散りますよね。白いTシャツにシミができてしまうと、なんとも残念な気持ちになります。

要はスイッチやコンセントもそれと同じで、言い方は悪いですが、壁にできたシミのようなものなのです。

スイッチやコンセントは壁にできたシミのようなもの

スイッチやコンセントはノイズになりやすいので、できることなら見えないように工夫した方が良いわけです。

では、どんな工夫があるんだ?という話だと思いますので、個人的におすすめの方法を3つほど簡単にご紹介します。

キッチンの真下にコンセントを付ける

先ず1つ目が『キッチンの真下にコンセントを付ける』ということです。

キッチンの真下にコンセントを付ける

メーカーにもよりますが、実はキッチンの真下にコンセントの取り付け口を付けることができます。

こうすることでコンセントが目立たずに済みますし、キッチンを一つの給電場所として使うことが可能になるわけです。

埋め込み型のコンセントを使う

続いて2つ目が『埋め込み型のコンセントを使う』ということです。

埋め込み型のコンセントを使う

これは植栽やソファなどで隠せる場所に設置することが前提ではありますが、床に直接コンセントを埋め込むことでこちらも壁を綺麗に保つことが可能になります。

ただし断熱の処理はしなければならないので、床下にコンセントを埋め込む場合は、床下からウレタンフォームを吹き付けて気密テープで補強する作業が必須になります。

大した作業ではないですが、それゆえ疎かになりがちな部分でもあるので、担当者には必ず隙間は埋めるように伝えてください。

スイッチは必ずLDK以外に取り付ける

最後に3つ目、『スイッチは必ずLDK以外に取り付ける』ということです。

スイッチは必ずLDK以外に取り付ける

というのも、リビングはとにかく壁を綺麗に見せることが重要なわけです。

リビングは壁を綺麗に見せることが重要

ですので、ノイズになりやすいスイッチは、極力LDKに隣接している廊下やパントリーの中に入れ込むことを意識してください。

ただしこの話をすると必ず、『スイッチを押す場所が遠くなって効率が悪そう』と言われる方がいるのですが、案外そのようなことはありません。

感覚論になってしまいますが、実際に家が建った後に『スイッチはそこにあるもの』と認識してしまえば、スイッチを押しに行くのがそこまで億劫になることはないです。

最近ですとスマホで室内の照明のオンオフを操作することもできるので、そもそもスイッチを押さないことすらあるわけです。

スマホで室内の照明のオンオフを操作することもできる

ですのでスイッチは必ずLDK以外に取り付ける、これを是非とも取り入れてみてください。

ということで

  • キッチンの真下にコンセントを付ける
  • 埋め込み型のコンセントを使う
  • スイッチは必ずLDK以外に付ける

これら3つの方法をご紹介したのですが、

スイッチやコンセントを目立たせない方法
1キッチンの真下にコンセントを付ける
2埋め込み式のコンセントを使う
3スイッチは必ずLDK以外につける

この考え方に共感できない、やはり普通が良いという方は、スイッチやコンセントの設置位置を下げることを意識してみてください。

具体的には

  • スイッチは通常、床から1200mmの所に設置することが多いが、これを950mmの位置に設置
  • コンセントは通常、床から250mmの所に設置することが多いが、これを150mmの位置に設置

これで多少はスッキリさせることが可能になります。

スイッチやコンセントの設置位置を下げることを意識

参考まで覚えておいていただければと思います。

【14】色を3色以下におさえているか

ポイント14個目は『色を3色以下におさえているか』です。

色を3色におさえているか

基本的にリビング、というか家全体に関わる話でもあるのですが、室内の色は3色以下におさえてください。

もっと具体的にお伝えをするなら、ホワイト、グレー、黒などの無彩色以外の色を1色に絞ってください。

これが綺麗な住宅をつくるための必須事項になります。

私のおすすめの決め方として、まずは室内の中で影響のデカい床材とダイニングテーブルの色、これだけは最初に決めてしまいます。       

そして次に残りの部分の窓枠やキッチン、壁に関しては無彩色であるホワイト、グレー、黒でまとめます。

これだけなのです。

言語化すると非常に簡単ですよね?

この流れで色を決めるのが一番失敗しない綺麗な進め方になります。

色を3色以内にまとめると綺麗な住宅になる

色のまとめ方が分からない人ほど、いろんな色やいろんなアイテムを使いたがります。

しかしそれだとおしゃれからはほど遠くなっていくので、基本的に室内の色は3色以下におさえてください。

そしてホワイト、グレー、黒などの無彩色以外の色は必ず1色に絞るようにしてください。

これを徹底していただければと思います。

【15】とりあえずウチとソトを繋げただけになっていないか

ポイント15個目は『とりあえずウチとソトを繋げただけになっていないか』です。

ウチとソトを繋げただけになっていないか

最近ウチとソトを繋げて開放的な空間をつくることが流行っています。

私の家も実際にそうなっているので分かるのですが、カーテンを気にせず暮らすことができますし、常に緑を感じることができるので、リビングが非常に居心地の良い空間になります。

そのためおすすめではあるのですが、これは設計士の設計力がないとなかなかできるものではありません。

きちんとやり方を理解して設計しなければ、とりあえずウチとソトを繋げただけになってしまいます。

どういうことかというと、例えばウチとソトを繋げる行為というのは、言い換えると『遠ざける』設計なのです。

手前側に植栽などを設けることで、より遠近感や繋がりを感じやすくなる

ですので手前側に植栽などを設けることで、より遠近感や繋がりを感じやすくなるわけです。

同じウチとソトを繋げる設計でも、ここが差別化ポイントになってきますし、よく「外構と建物をセットで考える必要がある」と言われるのはここからきているのです。

またリビングの軒部分と室内の内装部分の素材もピッタリと合わせなければならないので、そういう意味でも綺麗で緻密な設計をすることが求められます。

リビングの軒部分と室内の内装部分の素材もピッタリと合わせなければならない

このような感じで、単純にウチとソトを繋げると言ってもこれだけノウハウがあるのです。

ただ最近ですと、色が似ているだけで違う素材の材料で繋げてみたという感じの物件も増えてきています。

例えばこんな感じです。

色が似ているだけで違う素材の材料で繋げてみたという感じの物件

これだと設計の雑さが際立ってしまい、せっかくの繋げる行為が台無しになってしまいます。

ですので皆さんがウチとソトを繋げた提案をメーカー側に求める場合、

  • 材料は同一のものかどうか
  • 継ぎ目部分がズレないよう設計してもらえるかどうか

最低限、これだけは確認するようにしてください。

材料は同一のものかどうか、継ぎ目部分がズレないよう設計してもらえるかを確認

【16】窓枠に気をつけた設計になっているか

ポイント16個目は、『窓枠に気をつけた設計になっているか』です。

窓枠に気を付けた設計

これに関しては意匠面と性能面、2つあります。

意匠面

意匠面に関しては、窓枠が見えないように設計されているかどうか、ということになります。百聞は一見にしかず、ということで実物をお見せするとこのような感じになります。

窓枠部分を壁に埋め込んで、極力目立たないように収めてある

これは窓枠部分を壁に埋め込んで、極力目立たないように収めてあるのです。

このような感じで窓枠をなるべく消すように調整をすると、ウチとソトの繋がりをより感じられるようになるわけです。

これが意匠面です。

性能面

次に性能面についてですが、性能についてはもうペアガラスは古いです。

最低でもトリプルガラスにしてください。

トリプルガラス

ペアとトリプルでは熱の伝わり方が全然違います。

優先順位で言えばこれが一番高いです。

次に樹脂サッシ。

最近ではアルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシの金額差はほとんどなくなってきました。

しかもメーカー側は「樹脂サッシのサイズがないので使えない」と言ったりもするのですが、販売元のメーカーに直接問い合わせてみると、オーダーで好きなサイズを作ってくれたりもします。

ですので、もしお財布が許すなら、樹脂サッシを選んでください。

また更に余裕がある方は、木製サッシを選ぶことをおすすめします。

木製サッシが一番性能が良い

正直、金額を気にしないのであれば木製サッシが一番性能が良いですし、私も木製サッシを自宅に入れたかったなと後悔しています。

お金に余裕のある方で、かつ断熱に強い関心のある方は、是非とも木製サッシを採用してみてください。

お金に余裕のある方で、かつ断熱に強い関心のある方は、是非とも木製サッシを採用

少し話が逸れてしまいましたが、意匠面と性能面、窓はこの2つに気をつけて設計しなければ成功とは言えません。

どちらも両立できるように窓に関してはしっかりと吟味してください。

【17】エアコンが目立つ位置にないか

ポイント17個目は『エアコンが目立つ位置にないか』です。

エアコン

エアコンは目立つので、それがあるだけでリビングの見た目が一気にダサくなってしまいます。

ですので例えば格子をつけてエアコン自体を目立たなくさせたり、

格子をつけてエアコン自体を目立たなくする

隠蔽配管を使った壁埋め込みエアコンを使ったりすることで、リビングの意匠性を保てます。

隠蔽配管を使った壁埋め込みエアコンを使う

ただし隠蔽配管を使った空調は

  • 壁内結露のリスク
  • メンテナンス費用がかかる

これらのデメリットが存在するので、よほどのことがない限りはおすすめしません。

ですので、なるべく通常用のエアコンで、できるだけ目立たないように設置できる場所を検討してみてください。

これに配慮できるかどうかでリビングの見た目が大きく変わります。

【18】レンジフードが目立つ位置にないか

ポイント18個目は『レンジフードが目立つ位置にないか』です。

レンジフードが目立つ位置にないか

こちらも先ほどお話ししたエアコン同様に、キッチンのレンジフードを目立たなくさせることで、隣接しているリビングの意匠性を向上させることができます。

ただこれだけですとちょっとイメージが湧かないと思うので、具体例をお見せします。

エアコン同様に、キッチンのレンジフードを目立たなくさせることで、隣接しているリビングの意匠性を向上させることができる

どうでしょうか?

レンジフードがないですよね。

実はこれ、天井に換気扇を埋め込んであるのです。

天井に換気扇を埋め込んである

それによりスッキリとした見た目をつくることができているのです。

ただしこれをやると見た目は良くなるものの、どうしても換気の量は落ちてしまうので、そこはご注意ください。

もしそれが嫌だという場合は、天井の壁を下げてレンジフードを隠す、という方法もあります。

これも設計力が必要になることですが、レンジフードのあるなしでリビングの見た目がかなり変わってきます。

少しでもリビングを綺麗に見せたい方は、一度設計士に相談してみてください。

【19】日差しのことを考えた設計になっているか

ポイント19個目は『日差しのことを考えた設計になっているか』です。

日差しのことを考えた設計になっているか

これに関しては日射取得、日射遮蔽という考え方になってくるのですが、夏は日差しの入りをカットすることで、コタツ一台分の熱量が家の中に入ることをカットし、冬は逆に日差しを取り入れてあげることで、コタツ一台分の熱量が自然と家の中を暖めてくれるのです。

日射取得、日射遮蔽という考え方

ですので本来なら季節によって

  • 日差しが入るようになっているか
  • 日差しが入らないようになっているか

これらを事前にシミュレーションしてもらわなければいけないのです。

しかし多くの住宅営業マンはそのような計算はしないですし、大抵の場合、ざっくりとした提案しかしないのです。

そしてその結果どうなるのかというと当然、家が建ってから、夏の日差しが家に入りすぎて熱い、

夏の日差しが家に入りすぎて熱い

逆に冬は日差しが入らなすぎて寒い、

冬は日差しが入らなすぎて寒い

そんな状態になってしまいます。

実際に過去に私は夏に日差しが入りすぎる家を体感したことがあるのですが、冷房をガンガンにかけても家中の温度が全く下がらず、とにかくリビングがサウナ状態だったことを今でも覚えています。

ですので快適なリビングをつくるためにも、家を建てる前には必ず

  • 夏は日差しをカットできるのか
  • 冬は日差しを取り入れられるのか

これを確認してください。

【20】リビングに収納場所があるか

ポイント20個目は『リビングに収納場所があるか』です。

リビングに収納場所があるか

最後はシンプルにリビングの収納についてお話をしていこうと思います。

リビングは広い割に、実は収納スペースを取りづらいのです。

ですので間取りによっては、常にリビングが散らかった状態であったり収納場所がなくてダイニングテーブルの上が物置になっていたり、そんなケースがよくあるのです。

常にリビングが散らかった状態

そうならないためにも、できることならリビングに収納を設けることを意識しておいた方が良いです。

ただし、実際はそんな簡単な話でもなくて、リビングに変に収納を設けてしまうとそれはそれでリビングの見た目が悪くなってしまうのです。

それですとせっかく壁面を綺麗に見せるために整えたとしても、台無しになってしまいます。

「じゃあ、どうすればいいんだ?」という話だと思うのですが、個人的におすすめの対策としては2つあります。

キッチン前収納

1つ目がキッチン前収納を活用する、ということです。

キッチン前収納を活用する

キッチン前収納とはこれのことですね。

これがあることでリビングの収納のなさをカバーしてくれます。

段差を活用した収納をつくる

2つ目は段差を活用した収納をつくるということです。

段差を活用した収納をつくる

これはピットリビングと呼ばれる一段下がった空間や窓際に段差をつくることが前提の話になるのですが、段差の規模によってはかなりの収納量を見込めます。

しかもベンチがわりにもなるので、割とおすすめです。

ということで

  • 1つ目がキッチン前収納を活用する
  • 2つ目が段差を活用した収納をつくる

この2つがリビングに不足しがちな収納を補う具体的な方法になります。

スッキリとしたおしゃれなリビングをつくるためにも是非とも取り入れてみてください!

新築注文住宅でおしゃれなリビングにするポイント20選のまとめ

『新築注文住宅でおしゃれなリビングにするポイント20選』ということでお話をしてきました。

正直、この20個のポイントさえ押さえておけば、絶対に意匠で失敗することはないと思っています。

ただ、最終的にはこれら20個のポイントを丁寧にクリアしてくれるパートナーが家づくりには必要になってきます。

皆さんが良い人と巡り会えることを祈っておりますが、最終的には縁です。

縁に恵まれなかった時のことも考慮して、今回のチェックポイントを参考に、皆さん自身の施主力を向上していただければと思います。

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