今回は『【2023年】大手ハウスメーカー坪単価ランキング』ということで解説していきます。
最新のランキングはこちら!!
【2024年最新】大手ハウスメーカー坪単価ランキング
これから注文住宅の購入をしようかどうか迷っている皆さんがまずはじめに考えることは、お金のことだと思います。
そしてその中で特に各ハウスメーカーの価格帯は気になりますよね。
ハウスメーカーによって家の金額が全然違うので、『そもそも自分たちが買えるメーカーなのかどうか』『いくらあればよいのか』何となくでもあたりを付けておきたいはずです。
しかしグーグルなどで『ハウスメーカー 坪単価』『ハウスメーカー 価格』というように調べると思いますが、正直言って、どのサイトも書かれていることが適当すぎるのです。
恐らくアクセス数稼ぎのためだと思うのですが、坪単価60万円から100万円みたいな感じで、ものすごく幅を持たせて書いているところもあれば、今そんな価格じゃ買えないよと坪単価でハウスメーカーの価格を記載しているサイトもあるわけです。
ですので、できるだけ正確な坪単価を皆さんに伝えるために、去年1年間で集めた各ハウスメーカーの資金計画書、合計約1600枚をベースに、値引き後の建物本体価格と建物の坪数、これを割って坪単価を算出し、中央値を出しました。
もちろん地域の特性や家族構成、中に入っている設備仕様によって金額は大きく異なります。
あくまで参考程度にしかなりませんが、それでもネットに掲載されているどこの情報よりも正確な情報になってくるとは思います。
- これから注文住宅購入のために動きはじめる人
- 無駄な動きをせず効果効率的にハウスメーカー選びをしたい人
- 注文住宅購入のための覚悟をしたい人
これらに該当する方は是非とも最後までお読みください。
- 大手ハウスメーカーの坪単価の定義
- 大手ハウスメーカーでの注文住宅購入にかかる費用
- 大手ハウスメーカー坪単価ランキング
- 大手ハウスメーカー坪単価ランキングのまとめ
大手ハウスメーカーの坪単価の定義
最初に坪単価の定義をお伝えします。
坪単価とは建物本体の価格のみを建物の坪数で割ったものを言います。
ですので、照明、カーテン、エアコン、建物の組み立て費用、外交費用、仲介手数料、地盤補強費用、登記費用など、これら建物本体以外の費用は坪単価には含めません。
大手ハウスメーカーでの注文住宅購入にかかる費用
続いて実際の購入にかかる費用についてです。
トータル費用の算出方法
注文住宅の購入にかかるトータルの費用の算出方法についてお話しします。
トータル費用は、
建物の建物価格+諸費用1000万円位+土地の代金
という式で求めることができます。
坪単価100万円の35坪の家で2000万円の土地の購入を検討している場合、
坪単価:100万円×35坪で建物価格3500万円
諸費用:1000万円位
土地の金額:2000万円
全てを合計すると6500万円は必要になる、という計算になります。
「おいおい、そんな金額がかかるのかよ!」「高すぎる!」そんな声が大量に届きそうではあるのですが、大手ハウスメーカーで建てる場合、もうこのくらいの金額になるのが普通の時代になってきてしまいました。
なんなら都心部で家を建てる場合、
- 地盤が非常に弱い
- 道路が狭くて資材を小分けにして搬入する必要がある
- 井戸が出てきてその埋め立てが必要になる
- 既存の建物を壊した時にアスベストが出てきてその処理が必要になる
などなど通常よりも諸費用が多くかかるケースがあります。
そのため都心部で家を建てる場合は1500万円くらい諸費用としてみておく必要があります。
私はもう感覚が麻痺してしまっていますが、本当にこれが普通です。
今後の住宅価格
「しばらく待てば住宅の価格って落ち着くのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、正直どんなに待っても金額は下がりません。
これは言い切ってしまいます。
なんなら確実にもっともっと金額は上がります。
それがなぜかというと、住宅の価格は人口と連動しているからです。
つまり、人口が増えれば家の需要が増えるので、家の価格は下がります。
一方で人口が減れば一棟あたりの単価を上げて利益を調整しないと会社が成り立たなくなるので、金額は上がるということになります。
つまり今の日本の現状では、住宅の価格が下がる要素は一切ないということですね。
事実、私が新卒だった12、3年前は、高価格で有名な積水ハウスがなんと坪60万円で買える時代でした。
これからお話しするランキングと照らし合わせると、どれだけ価格が上昇しているのかがわかるはずです。
また2024年には消費税が15%になるようなならないような話も出ているので、別の角度から考えても、住宅の購入はできるだけ早い方が得策なのです。
大手ハウスメーカー坪単価ランキング
では、そんな絶望的な状態ではありますが、ここから話の本題であるランキングに入っていきます。
第10位 トヨタホーム 85.5万円/坪
トヨタホームの坪単価は85.5万円でした。
大手ハウスメーカーの中では比較的リーズナブルなメーカーですね。
エネトリオ
トヨタホームはあのトヨタ自動車のグループ企業で、家と車をうまく連動させて家づくりをしようとしているハウスメーカーです。
どういうことかというと、トヨタホームには『エネトリオ』というシステムがあります。
これは家から車へ、車から家へと電気を移動できるシステムの総称で、
- アクアやプリウス、その他の電気自動車から一部の部屋に給電できる『クルマde給電』
・家と車を繋げ太陽光発電でつくった電力や安価な深夜電力を車に蓄えられる『V2Hスタンド』
・家に電気自動車用の充電器が設置される『かんたん充電』
これら3つから成り立っているので『エネトリオ』というのですね。
この考え方は業界でも先進的で、ここまで車と家の連動に力を入れているのはトヨタホームだけです。
ですので「車が好き」「今、電気自動車に乗っているよ」という方はトヨタホームを検討してみてもよいかもしれません。
選べる2種類の家のつくり方
トヨタホームではユニット工法と呼ばれる『シンセシリーズ』と、鉄骨軸組工法と呼ばれる『エスパシオシリーズ』の2種類から家のつくり方を選べます。
すみ分けとしては、ユニット工法と呼ばれる『シンセシリーズ』がトヨタホームのメインの工法で、鉄骨軸組工法と呼ばれる『エスパシオシリーズ』はユニットが入らない場所で家を建てるときに使う工法です。
そのため鉄骨軸組工法の『エスパシオシリーズ』の方が金額が高いです。
ユニット工法はトヨタホームのメインの工法というだけあって、車の生産技術が家にも応用されています。そのため精度が高く、家の約8割を工場内でつくってしまうのです。
もちろんその反面、ユニット工法ならではの間取りの制限というのも出てくるには出てくるのですが、同じユニット工法のセキスイハイムと比べてトヨタホームでは、メーターモジュールによるゆとりの間取りづくりが可能です。
ですので家も車も両方こだわりたいという方は、トヨタホームを選んでみてもよいかもしれません。
第9位 セキスイハイム 87.3万円/坪
セキスイハイムの坪単価は87.3万円でした。
セキスイハイムは全体的に金額が安いイメージがあったのですが、中央値はそんなこともなかったですね。
セキスイハイムといえば『あったかハイム』というCMで有名なハウスメーカーですが、特出するべき特徴が2つあります。
強固で精密なつくりの構造躯体
1つ目が強固で精密なつくりの構造躯体です。
セキスイハイムはトヨタホームと同様にユニット工法をいう、鉄の箱と鉄の箱を組み合わせて家をつくる方法を採用しています。
これはメリット・デメリットがそれぞれ明確に出るつくり方でもあります。
例えば、工場で8割近く家のパーツをつくり上げるので、ほとんど狂いのない家がつくれるというメリットや、工場でつくるがゆえに臨機応変に対応するのが難しいというデメリットなどですね。
ここについて詳しく説明してしまうと時間がいくらあっても足りないので今回は割愛しますが、ざっくり説明するとこのような感じです。
では、同じユニット工法でもセキスイハイムはトヨタホームに比べて何が違うの?という話なのですが、それは耐震に対する考え方に差があるのです。
どういうことかというと、セキスイハイムの家は地震の揺れをまずは壁で受け止めるのです。
そして受けきれなかった揺れを構造躯体で受け流すという仕組みになっています。
この2重でバリアを張っているような構造をセキスイハイムでは『ハイブリッド耐震GAIASS(ガイアス)』と呼んでいるのです。
つまり簡単に一言でまとめると『構造躯体×外壁=GAIASS(ガイアス)』だということですね。
ではなぜこのような構造になっているのかというと、室内の損傷を限りなく減らすためなのです。
そもそも鉄骨構造の家は、木造の住宅に比べて揺れやすいとされています。
そのため少しの振動でも揺れが増幅して、室内のクロスやインテリアを傷つけてしまうことがあるのです。
そうならないために、まずは壁で揺れを防いで、そして防ぎきれなかった揺れを構造躯体で受け止めるという構造になっているのです。
一方でトヨタホームはクルマのサスペンション技術から生まれたT4システムという制震装置を使って地震に対する揺れを防いでいます。
ですので同じユニット工法でも、制震装置と構造躯体で地震の揺れを抑えるのか、それとも壁と構造躯体で地震の揺れを抑えるのか、こういった違いがあるのです。
ただこれに関しては、どっちが良い悪いといった甲乙をつけがたいので、仕組みとして同じユニット工法のハウスメーカーでも「そんな違いがあるんだなー」程度に思っておいていただければと思います。
ここで覚えておいていただきたいことは、セキスイハイムは地震の揺れを一旦壁で受けて、受けきれなかった揺れを構造躯体で吸収する『ハイブリッド耐震GAIASS(ガイアス)』というのがあるということです。
これが特徴の1つ目です。
快適エアリーT-SAS
2つ目の特徴が『快適エアリーT-SAS』です。
これは
- エアコン機能
- 換気機能
- 空気清浄機機能
- 抗ウィルス機能
これらの機能を併せ持った空調システムのことを言います。
CMで時々見かける『あったかハイム』というのはここから来ているのです。
では少し詳しく見ていきましょう!
『快適エアリー』を設置すると、床に空気の吹き出し口と吸気口が付きます。
そのため床から暖かい空気や涼しい空気がゴーゴー出てくるのですね。
これが他のハウスメーカーにはない特徴なのですが、一体なぜ床から空気が出るようになっているのかというと、暖かい空気は下から上へと上がるからです。
つまり通常のエアコンのように上から空気を温めるのではなく、足元から温めた方が合理的なので、床から空気が出るようになっているのです。
すごいですよね。
これは他のハウスメーカーにはない特徴です。
ただしその反面、その見た目が独特なので、見た目的にちょっと嫌という人もいるでしょうし、メンテナンスももちろん必要です。
一長一短はありますが『快適エアリーT-SAS』、これはセキスイハイムだけの特徴になります。
第8位 ミサワホーム 88.1万円/坪
ミサワホームの坪単価は88.1万円でした。
「デザインのミサワ」の3種類の商品ラインナップ
ミサワホームは
- 完全自由設計の『CENTURY(センチュリー)』
- ある程度規格化されている準規格型の『GENIUS(ジーニアス)』
- 軽微な変更のみ可能な『SMART STYLE(スマートスタイル)』
この3種類の商品ラインナップが存在します。
そしてそれぞれの商品の価格帯をわかりやすくお伝えすると、
- CENTURY(センチュリー)が松
- GENIUS(ジーニアス)が竹
- SMART STYLE(スマートスタイル)が梅
みたいなイメージです。
ですので、選ぶ商品と中の仕様によってはもう少し金額を下げることもできるかもしれません。
ちなみに商品によって金額を下げられるのは、ミサワホームが木質パネル接着工法と呼ばれる独自のつくり方をしているからです。
この木質パネル接着工法は、木質パネルと呼ばれる合板と合板の間に断熱材が入った木の板を工場でつくるのです。
そのためある程度規格化できれば商品の金額を下げられるわけです。
しかもどの商品もデザインにかなりこだわっていて、ミサワホームは33年連続でグッドデザイン賞を受賞しています。
実は一時期、ハウスメーカーのデザインを牽引したのもミサワホームなのです。
ですので、その時ミサワホームに勤めていた設計士は、各ハウスメーカーから引く手あまたでした。
そういった背景もあって、ミサワホームは『デザインのミサワ』なんて呼ばれています。
蔵
ミサワホームといえば何といっても『蔵』です。
蔵というのは「高さ1.1mから1.4mの収納空間」のことを言います。
これがあることでミサワホームが得意とする空間設計が可能となるのです。
これは展示場で初めてみると、普段見慣れない非日常感が味わえるので結構感動すると思います。
ただ「1.1mから1.4mの高さで奥行きのある収納空間って使い勝手ってどうなの?」「物を詰め込みすぎて最終的には開かずの間になりそう」といった意見もよく耳にします。
一長一短ではありますが、蔵があることで形成される空間に魅力を感じるようであれば検討してみてもよいと思います。
第7位 大和ハウス工業(鉄骨:xevoΣジーヴォシグマ) 93.1万円/坪
大和ハウス工業の鉄骨造の商品であるxevoΣ(ジーヴォシグマ)の坪単価は93.1万円でした。
ダイワハウスには「鉄骨造の商品」と「木造の商品」両方があるのですが、実は木造の商品の方が高いのです。
しかも結構な価格差があるので、今回は鉄骨と木造、それぞれ分けて計算しています。
ここではダイワハウスの鉄骨造であるxevoΣ(ジーヴォシグマ)という商品について説明します。
選べる断熱性能
xevoΣ(ジーヴォシグマ)は鉄骨で家を建てる方が選ぶことになる商品なのですが、その最大の特徴は選べる断熱性能です。
具体的にお伝えをすると
- スタンダードV断熱
- 外壁:高性能GW 14k 120mm+高性能GWボード100k 12mm
- 天井:高性能GW 14k 100mm
- 床:高性能GW 14k 100mm
- ハイクラスV断熱
- 外壁:高性能GW 14k 120mm+高性能GWボード100k 12mm
- 天井:高性能GW 14k 100mm+高性能GW 16k 100mm
- 床:高性能GW 14k 100mm
- エクストラV断熱
- 外壁:高性能GW 14k 172mm+高性能GWボード100k 12mm
- 天井:吹き込みセルロースファイバー300mm
- 床:高性能GW 14k 100mm
という感じでxevo Σ(ジーヴォ シグマ)には3段階の断熱仕様が存在します。 ここまで断熱仕様が選べるのはダイワハウスか積水ハウスくらいですね。
xevo Σ PREMIUM(ジーヴォ シグマ プレミアム)
xevoΣ(ジーヴォシグマ)には更なるパワーアップが施された『xevo Σ PREMIUM (ジーヴォ シグマ プレミアム)』という商品も存在します。
『xevo Σ PREMIUM(ジーヴォ シグマ プレミアム)』はエクストラ断熱仕様が標準装備になり、持続型耐震構造のD-NΣQST(ディーネクスト)は新型耐力壁「KyureK(キュレック)」にパワーアップ。
エネルギー吸収力をD-NΣQST(ディーネクスト)の1.3倍に高め、内外装の被害をさらに抑えます。
そしてベルサイクスと呼ばれる12mmの堀のある外壁も標準装備。
この凹凸によりつくり出された陰影で、風格と趣が出るようになります。
つまり簡単にまとめると、xevo Σ PREIMUM(ジーヴォ シグマ プレミアム)は高い断熱性はそのままに、より耐震性、耐火性を上げたい方向けの商品です。
ただプレミアムにするかどうかは置いておいて、スタンダード断熱仕様からエクストラ断熱仕様にしても差額40万円、50万円程度なので、間違いなくエクストラにした方が得です。
断熱材は言い換えると最強の冷暖房器具でもあるので、ダイワハウスの鉄骨造であるxevoΣ(ジーヴォシグマ)を建築する予定の方は、絶対にエクストラを選ぶようにしてください。
第6位 住友林業 93.3万円/坪
住友林業の坪単価は93.3万円でした。
豊富な床材ラインナップ
住友林業は社名の通り、木に力を入れている会社になります。
ですので、床材の樹種もかなり豊富なラインナップが存在します。
例えばオーク、メイプル、アッシュ、クリ、チェリー、チーク、ウォルナット、カバ、ニレ、ナラ、オニグルミ、といった感じですね。
これらの樹種の床材は外部の床材メーカー、例えばマルホンなどを使えば、どこのハウスメーカーでも入れることはできます。
ただハウスメーカーが自社の商品としてオーク、メイプル、アッシュ、クリ、チェリー、チーク、ウォルナット、カバ、ニレ、ナラ、オニグルミ、これらの樹種の床材を持っているのは住友林業だけになります。
3種の神器
また住友林業には3種の神器と呼ばれる住友林業で建てた方のみが使える特有のアイテムも存在します。
それが
- ウッドタイル
- スタイルシーリング
- チェスターフィットシリーズ
この3つになります。
この3種の神器という呼び方は公式が決めたものではなく、住友林業で家を建てたお施主さんたちが呼んでいるものになります。
そのため、人によっては中身が多少違うのですが、調べる限り大体この3つに集約されるかなといった感じです。
簡単に見ていきましょう。
ウッドタイル
ウッドタイルはその名の通り木のタイルです。
これを取り入れることで、玄関ホールや廊下、リビングなど室内の木質感が一気に上がります。
ただし室内の色や家具に合わせるのが非常に難しいアイテムでもあるので、採用する人のセンスが問われそうです。
スタイルシーリング
スタイルシーリングとは、実際の木製パネルに近い質感を演出したシート系素材のパネルになります。
下がり天井など目線に近い場所に採用することで、室内が一気にオシャレになるアイテムなのです。
カラーバリエーションは9色もあるため、ほとんどの床材に合わせられるのが魅力です。
チェスターフィットシリーズ
チェスターフィットとは、住友林業クレストという関連会社が住友林業向けに製造している収納シリーズの名称です。
ですので例えばですが、キッチンにチャスターフィットをつければこのような感じになりますし、
リビングにつければこのような感じになります。
サイズや収納部分の選択肢が豊富で、色や柄も住友林業の床材にあわせて豊富に用意されています。
木目シートの仕様に加えて突板や天然木仕様も用意されているので、こだわりたい人は、とことんこだわれる仕様になっています。
ですので、チェスターフィットシリーズはカスタマイズの幅がかなり広い、そんなオプションなのです。
ということで、
- ウッドタイル
- スタイルシーリング
- チェスターフィットシリーズ
これら3種の神器は住友林業で家を建てる人がよく使うアイテムなので、住友林業で家を建てようと考えている方は是非とも採用してみてください!
「きこりん税」は廃止
去年の3月ごろまで住友林業には『きこりん税』と呼ばれる特殊な仕組みがありました。
ただこれに関しては本体価格に入れ込む形で表面的にはなくなりました。
友人知人から「住友林業で建てると『きこりん税』がかかって〜」というような話を聞くこともあると思いますが「なくなったんだなー」と思っていただければと思います。
第5位 旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) 95.2万円/坪
旭化成ホームズの坪単価は95.2万円でした。
旭化成ホームズはヘーベルハウスの愛称で親しまれているハウスメーカーですね。
ALC(ヘーベル板)
最大の特徴はやはりなんといっても外壁や床などに使われている「ALC」、通称「ヘーベル板」です。
ALCとは
の略称で、世界で約90年、日本で約50年の歴史と使用実績を誇り、現在も多くの国で使用されている建材です。
有名なところでいうと、ドイツ・クウェート・アメリカ、これらの国々でも使われているのです。
日本では
- 東京都庁
- 東京ミッドタウン
- 富士山5合目に建つ小御嶽神社
これらの所でALCは使われています。
重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
また去年ヘーベルハウスでは、コストパフォーマンスと建物の機能性、両方を兼ね備えた『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』という最新の構造躯体を発売しています。
これに関して詳しく説明をすると、実はヘーベルハウスは今まで軽量鉄骨の商品『ハイパワード制震ALC構造』と重量鉄骨の商品『重鉄制震・システムラーメン構造』これら2つの商品しかなかったのです。
軽量鉄骨は
- 鉄骨を大量生産ができるため、製造単価を抑えることができる
というメリットがある反面、
- 重鉄に比べると耐久性が劣る
- 柱を多くして壁に筋交いを入れる必要があるため、間取りに制限が出る
というデメリットが存在します。
一方で重量鉄骨は
- 耐久性が高い
- 軽量鉄骨づくりの建築物に比べて柱の数が少ないため、設計の自由度が高い
というメリットがあるものの、その反面
- 鉄骨自体が分厚いためコストがかかる
というデメリットがあります。
そのためお客さんからしたら「軽量鉄骨は重量鉄骨に比べて強度は下がるし、かといって重量鉄骨にしたらオーバースペックで金額が上がってしまう、どっちにすればいいんだろう……」というなんとも悩ましい状況になっていました。
つまり今までのヘーベルハウスは両極端だったのです。
ただ『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』が出たことによりちょうど中間にあたる商品カテゴリが生まれたのです。
具体的にそれぞれの商品の柱の太さを見ていくと、
- 軽量鉄骨の商品『ハイパワード制震ALC構造』は厚さ3.2mmの鉄骨、約10tの力に耐えられる柱を使用
- 『重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』は厚さ6mmの鉄骨、約56tの力に耐えられる柱を使用
- 重鉄の商品『重鉄制震・システムラーメン構造』は厚さ9mmの鉄骨、約79tから約100tの力に耐えられる柱を使用
このような感じで、それぞれの商品を比較してみるとわかるのですが、ちょうど中間にあたる仕様になっているのです。
ですので、ヘーベルハウスは今までよりも商品の選択肢が増え、より提案の幅が広がったことになるわけです。
都心部に住んでいて耐震性や耐火性に重点を置きたいという方は、ヘーベルハウスを一度検討してみてもよいかもしれません。
第4位 パナソニックホームズ 110.1万円/坪
パナソニックホームズの坪単価は110.1万円でした。
パナソニックホームズは安いイメージを持っている方が多いのですが、実は安くないのです。
むしろ結構いい金額しますし、なんなら都内だと積水ハウスよりも金額が高いなんてことも普通にあります。
ですので、パナソニックホームズが安いと思っている方は感覚を改めた方がよいかなと思います。
では、そもそもパナソニックホームズはどのようなハウスメーカーなのでしょう?
パナソニックホームズの特徴である
- 地震対策
- キラテック
- 全館空調エアロハス
これら3つを簡単に説明していきます。
地震の後も帰れる住まい
まず地震対策についてですが、パナソニックホームズは『地震の後も帰れる住まい』これをつくることを目的に家づくりをしているハウスメーカーです。
事実、パナソニックホームズでは大林組というゼネコンが所有している「ダイナミックス実験棟」という実験施設を使って、阪神・淡路大震災のレベルの大地震を57回、さらに中地震83回、計140回揺らした後に阪神淡路大震災の4.3倍、つまり限界加振と呼ばれる今日本で出せる最大級の震度に耐えられるということを証明しているのです。
それでこれを証明しているのは、大手ハウスメーカー何社もある中で唯一パナソニックホームズだけなのです。
しかもその実験の様子を見て大林組のお偉いさんもパナソニックホームズで家を建てているのです。
これはカタログにさりげなく掲載されているので、よかったら探してみてください。
キラテック
キラテックは汚れが付着しても太陽の紫外線と雨で汚れをきれいに落としてくれるタイル外壁のことです。
このキラテックはタイルの下に目地がある構造になっています。
目地というのは、外壁と外壁を繋ぐゴムみたいなもので、鉄骨住宅だとこの目地がすごく多くなってしまうのです。
ですので各社、目地を隠すためのコーティング剤というものを持っているのですが、パナソニックホームズではそもそも目地を外壁の下に入れて施工するため、外観に目地が出ないシームレスな見た目をつくれるのです。
つまり一言で言い換えると、デザイン性と機能性、更にはメンテナンス性に配慮したタイル外壁だということです。
これがキラテックの特徴になります。
全館空調エアロハス
全館空調エアロハスはエアコン一台で家全体の温度を均一にするシステムです。
やはりリビングだけ快適な温度であっても、他の部屋や廊下が寒かったり暑かったりしたら、快適な住まいとは言えません。
何より急激な温度変化は体にも負担がかかります。
そういったこともあって、最近では全館空調を入れる方が非常に多いのです。
ただし便利そうな全館空調でも導入するためにはそれなりの初期コストがかかりますし、さらに全館空調を入れると空気が乾燥しやすくなります。
その他にも細々としたデメリットが存在するので、全てを把握した上で全館空調を採用するかどうかを決めることをおすすめします。
その他にも知れば知るほど魅力がわかるメーカーなので、興味がある方は検討してみてください。
第3位 大和ハウス工業(木造:xevo GranWoodジーヴォグランウッド)110.8万円/坪
大和ハウス工業、木造xevo GrandWood(ジーヴォグランウッド)の坪単価は110.8万円でした。
先ほど第7位で紹介したダイワハウスの鉄骨造の商品であるxevoΣ(ジーヴォシグマ)の坪単価は93.1万円だったので、それよりも木造xevo GrandWood(ジーヴォグランウッド)の方が高いというのがわかるかと思います。
選べる断熱性能
なぜダイワハウスは鉄骨よりも木造の方が金額が高いのかというと、xevo GrandWood(ジーヴォグランウッド)の方ができる幅が広いのです。
そのためどうしても金額が高くなりやすい傾向にあるのです。
これがどういうことかというと、ダイワハウスの鉄骨造の商品であるxevoΣ(ジーヴォシグマ)は
- スタンダードV断熱
- ハイクラスV断熱
- エクストラV断熱
この3段階で断熱仕様を選べるというお話を先ほどしたかと思います。
では木造はどうなのかというと、
- スタンダードW断熱
- ハイクラスW断熱
- エクストラW断熱
- プレミアムW断熱
という4段階の断熱仕様が存在するのです。
しかも実は5段階目の断熱仕様『ウルトラW断熱』という仕様も存在します。
これは2023年4月から公開になる断熱仕様なのですが、今大手ハウスメーカーで唯一断熱等級の最高等級7を取得できる仕様です。
木製サッシ
xevo GrandWood(ジーヴォグランウッド)はハウスメーカーがほとんど使わない木製サッシを使うことが可能です。
木製サッシは金額は高いですが、一番性能のよいサッシなので、好む人は高くても入れるのです。
これら以外にも細かくいじれるところが結構あるので、鉄骨のxevoΣ(ジーヴォシグマ)よりも木造のxevo GrandWood(ジーヴォグランウッド)の方ができる幅が広いのです。
そのため金額が高いのではないかなと思います。
建物の性能とデザイン性の両立
最近、建物の性能とデザイン性を両立させて完璧な家を建てたいという人が、ダイワハウスの木造を選んで家を建てるというケースも増えてきています。
お医者さんの間でも人気になっていて、私の知るお医者さんも何人かxevo GrandWood(ジーヴォグランウッド)で建てていますね。
やはり時代は高気密高断熱だなと思いつつ、金額は第3位でした!
第2位 積水ハウス 114.3万円/坪
積水ハウスの坪単価は114.3万円でした。
ハウスメーカーの中で一番値引きが少ない企業が積水ハウスなので、それもあって坪単価が高く出ている感じですね。
グリーンファーストゼロ スーペリア
積水ハウスは提案力やデザイン性がズバ抜けて高いハウスメーカーです。
更に去年11月には『グリーンファーストゼロ スーペリア』という建物の断熱性能・気密性能を上げるためのオプションも誕生しました。
この仕様は今の時代に求められている断熱性能と気密性能、そして積水ハウスが今まで培ってきたデザイン性、これらの全てのバランスを取るためにつくられた仕様となっており、鉄骨の商品も木造の商品も、双方ともに断熱材の厚さや種類をグレードアップすることが可能になります。
更には気密を取るための仕様変更や断熱気密を高めることによって起こる可能性がある夏型結露、この対策も施された仕様になっているため、高気密高断熱住宅をつくりやすい仕様なのです。
建物の性能とデザイン性の両立
ダイワハウスの木造xevo GrandWood(ジーヴォグランウッド)と同様に、建物の性能とデザイン性を両立させて完璧な家を建てたいという人にはピッタリのメーカーかなと思います。
実際、有名な会社の経営者の方や有名漫画家さんなど、数多くの著名人が積水ハウスで家を建てていますからね。
金額が高くても他のメーカーには真似できないような提案を受けたいという方は、積水ハウスを検討してみるとよいかもしれません。
ただし、どこのメーカーもそうですが、担当者によってレベル感は全然違います。
そのため「大手ハウスメーカーで検討すれば大丈夫」ではないので、その点はご注意ください。
第1位 三井ホーム 116.7万円/坪
三井ホームの坪単価は116.7万円でした。
4つの商品展開
三井ホームは大きく分けて4つの商品展開を行っています。
- 完全自由設計の『エクセレントフリー』
- 価格が抑えられるが、間取りや選べる仕様が少し限られる『フリー』
- 『フリー』よりも更に金額が抑えられるが、より選択肢が狭まる『セレクトフリー』
- 決まったプランかつ屋根断熱、長期保証などがオプションの『FC』
この4つの中から自分に合った商品を選んでいくわけです。
今回は、完全自由設計の『エクセレントフリー』で建築される方からの問い合わせが非常に多く、坪単価ランキング堂々1位になりました。
やはりお金持ちに一定の人気がある感じですね。
というのも、実は三井ホームは東京では杉並区や大田区でものすごい高いシェアを誇っているのです。
一方で少し地方の方に行くと、そこがかなり集客力のある展示場であっても撤退していたりするのです。
つまり三井ホーム特有の洋風デザインは都心部に住む高所得者層に人気があるのであって、田舎ではあまりウケがよくないのだと思います。
皆さんもイメージしてみてください。
あたりが畑一面の所にかわいらしい洋風のデザインの家が建っていたら少し違和感を覚えますよね?
やはりオシャレな住宅地にこそ、三井ホームは合うのであって、だからこそ一部のお金持ちが好んで建てているのではないかなと思います。
そしてその結果、坪単価が上がっているといった感じです。
モダン系デザインの「イズム」
三井ホームは洋風デザインのイメージから脱却するべく、最近のトレンドに合わせてモダン系のデザインの『イズム』という商品を去年発売しました。
垂直ラインと水平ラインを意識したデザインになっていて、住友林業やミサワホームなどが得意とするデザインにかなり近い住宅になっています。
三井ホームの強みはあくまで洋風デザインではあるものの、こういったモダンなデザインの提案もできるので、気になるという方は三井ホームを検討してみてください!
大手ハウスメーカー坪単価ランキングのまとめ
大手ハウスメーカーの坪単価ランキングをまとめると、
1位 三井ホーム | 116.7万円/坪 |
2位 積水ハウス | 114.3万円/坪 |
3位 大和ハウス工業(木造) | 110.8万円/坪 |
4位 パナソニックホームズ | 110.1万円/坪 |
5位 旭化成ホームズ | 95.2万円/坪 |
6位 住友林業 | 93.3万円/坪 |
7位 大和ハウス工業(鉄骨) | 93.1万円/坪 |
8位 ミサワホーム | 88.1万円/坪 |
9位 セキスイハイム | 87.3万円/坪 |
10位 トヨタホーム | 85.5万円/坪 |
以上が『2023年 大手ハウスメーカー坪単価ランキング』でした!
地域の特性や家族構成、中に入っている設備仕様によって金額は大きく異なります。
そのため、あくまで参考程度にしかなりませんが、本記事が皆さんの参考になれば幸いです!
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