今回は『注文住宅購入の流れは?購入手順と3つの疑問を解決!』という、そんなテーマでお話をしていこうと思います。
というのも、これから注文住宅の購入を検討する人からすると、恐らくどのような手順で家づくりを進めていけばいいのかわからないという人が大半かと思います。
それもそのはずで、注文住宅は多くの人にとって、一生に一度の買い物なので、購入手順がわからないというのも当然なのです。
ただそんな状況の中で、とりあえず動いてみようと思われる方も多いとは思うのですが、日本にはものすごい量のハウスメーカーが存在します。
しかも専門知識がないと読み解けないものが多く、違いが非常にわかりにくいので、調べれば調べるほどハウスメーカー迷子になりやすくなるわけです。
また、土地から購入する場合は、なんとなく雰囲気的に最初に土地を購入する段取りをした方がいいような気がしますよね?
特に最近ではYouTube上で『不動産屋からハウスメーカーを紹介すると、特別な稟議によって通常よりも多く値引きしてくれる』『だから最初に不動産屋に行くべき』というデマ情報まで拡散されてしまっているくらいです。
もしかしたら、本当に極々一部の中堅・ローコストメーカーだとそのような仕組みがあるのかもしれませんが、少なくとも私と直接関わりのある大手ハウスメーカー各社、具体的には
- 積水ハウス
- ダイワハウス
- 住友林業
- ヘーベルハウス
- パナソニックホームズ
- 三井ホーム
- セキスイハイム
- ミサワホーム
- トヨタホーム
これらのメーカーにはそのような仕組みは100%存在しません。
では一体何が本当なんだ、どうしたら効果効率的に注文住宅の購入ができるんだ、という話だと思うので、今回は注文住宅購入の流れというテーマでお話をしていき、これから注文住宅の購入をされる方に向けて道標となるような、そんな解説をしていきたいと思います。
この記事を最後まで見ていただくことで
- ハウスメーカー迷子にならずに済む
- 自分達が組むべき予算がなんとなくわかるようになる
これらのメリットがあります。
一方で最後まで見ていただけないと
- ハウスメーカー迷子になる
- 短い期間で慌ててハウスメーカーを決めなければならなくなる
- 土地にお金をかけすぎて建物にかけるお金がほとんどなくなる
といったことになります。
ですので、注文住宅の購入で失敗をしたくない方は、是非とも最後までご覧ください。
注文住宅購入の流れは3ステップ
今回の話の結論ですが、今からお伝えする3つのステップ、これを覚えてください。
それだけで皆さんがこれから行う家づくりがスムーズに進みます。
では、その3つのステップとは何なのかというと、土地から購入される方は
- STEP1:ハウスメーカーを選び、候補のメーカーを3社以下まで絞る
- STEP2:候補のハウスメーカーに土地探しを依頼する
- STEP3:提案されたものを比較検討してハウスメーカーを決定する
以上の3つのステップを順番にこなしていくだけです。
また、すでに建築地がある方の場合はSTEP2がなくなり、
- STEP1:ハウスメーカーを選び、候補のメーカーを3社以下まで絞る
- STEP2:提案されたものを比較検討してハウスメーカーを決定する
こうなるだけです。
これだけ見ると、ハウスメーカー選びは簡単なのではないかと思いませんか?
思いますよね?
まさにその通りで、皆さん難しく考えすぎているだけで、実は注文住宅の購入手順は非常に簡単かつシンプルなのです。
ただしそうは言っても、ここでいろいろな疑問点が出てくると思います。
具体的には
- 土地から購入する場合、土地を最初に探して、その後にハウスメーカーを選んだ方がいいのでは?
- 候補のハウスメーカーを絞るといってもどうやって選べばいいのか
- 予算はどのように決めればいいのか
恐らく大きく分けて以上の3つのような疑問が出てくるはずです。
ですのでこれらの疑問に答えるべく、それぞれ解答をしていこうと思います。
注文住宅購入の流れの疑問①:土地から選んだ方がいいのでは?
まずは『土地から購入する場合、土地を最初に探して、その後にハウスメーカーを選んだ方がいいのでは?』ということについてです。
こちらの答えに関しては、もちろんNoです。
土地から購入して家づくりをする場合、どうしても土地を見つけるところからはじめた方がいいと思ってしまうのですが、実はそれは間違いなのです。
ではそれがなぜなのかという話なのですが、その理由は大きく分けて3つ存在します。
不動産屋は建物の専門家ではない
まず土地を見つけるところからはじめてはいけない1つ目の理由が、『不動産屋は建物の専門家ではない』ということです。
要は何を言いたいのかというと、極論、不動産屋は土地さえ売れれば後はどうでもいいということなのです。
というのも例えば不動産屋は仲介手数料と呼ばれる手数料を収益としているわけですが、これは「(物件価格×3%+6万円)×消費税」という金額が皆さんの負担となってかかってくるわけです。
つまり物件の価格が高ければ高い分だけ、不動産屋には手数料が入ってくるということなのです。
例えばですが、価格が1,000万円の土地の取引を仲介しても、価格が4,000万円の土地の取引を仲介しても、業務量は同じなのです。
しかし、入ってくる収入に大きな違いがあるわけです。
具体的に言えば、1,000万円なら「(1,000万円×3%+6万円)×消費税」で、皆さんが不動産屋に支払う仲介手数料は396,000円になってきます。
一方で4,000万円の土地だったら「(4,000万円×3%+6万円)×消費税」で、皆さんが不動産屋に支払う仲介手数料は1,386,000円になってくるわけです。
差額はなんと約100万円ですからね。
これだけ得られる利益に差があるにも関わらず、業務量は同じなわけなので、それは少しでも高い土地を売りたくもなります。
この気持ちは何となくはわかりますよね?
そして先ほどもお伝えしたように、不動産屋は建物の専門家ではないのです。
つまり
- その土地で建物を建てる時にかかる建設工事費はいくらかかるのか
- 建物を建てる上での懸念事項は何なのか
- そもそもハウスメーカーの建物の金額はいくらなのか
これらは把握していませんし、把握する必要もないのです。
なぜなら先ほどもお伝えした通り、基本的に不動産屋というのは土地さえ売れればいいからですね。
もちろん例外もありますが、多くの不動産屋が建物に興味がないということは覚えておいてください。
これが土地を見つけることからはじめてはいけない1つ目の理由、不動産屋は建物の専門家ではないということについてです。
不動産屋に足元を見られる可能性がある
次に土地を見つけるところからはじめてはいけない理由の2つ目が、『不動産屋に足元を見られる可能性がある』からです。
というのも、これは1年に何回かそういう物件に出くわすのですが、契約直前で土地の金額を釣り上げてくるという不動産屋が時々います。
どういうことかというと、例えば契約直前に不動産屋から急に担当の住宅営業マンのところに電話が入って『地主がやっぱり今の金額で土地を売らないって言ってるんです』『もうあと300万円払ってくれるなら売ってもいいと言ってるんですが、どうですか?』と言ってくるケースが、100件中1、2件はありますよということです。
私は今まで全国で500棟以上の家づくりに携わってきましたが、覚えているだけでも10件は確実に今お話ししたようなことがありました。
ですので個人的にはよくあるというか、このケースに遭遇しても『またか……』と思えるようになっています。
そうならないようにするためにも、この部分は最初から注意しなければならないなと思っています。
ではどうやって注意するのかというと、それが
- 不動産屋には直接行かない
- 不動産屋には個人情報を簡単に開示しない
この2つです。
先ほどもお伝えしましたが、土地の金額は上がれば上がった分だけ不動産屋に入る手数料も多くなります。
ですので土地をこれから購入しようとしている人の収入が良かったり、金額を釣り上げても買うだけの余力があるなと思われたりすると、中にはそういう悪いことをしてくる不動産屋も出てくるわけです。
しかも先ほどお話しした、突然金額を釣り上げてくるパターンは、契約直前で言われるケースがほとんどなわけです。
そのため、お客さんとしても釣り上げられた金額を飲むしかなくなるのです。
実際にそれで300万円釣り上げられたケースも過去にありましたし、泣く泣く仕様を落として、カツカツな状態の家づくりを余儀なくされたケースも私は見てきています。
何事もそうですが「自分は大丈夫!」と思っていると痛い目を見るかもしれないので、確実な方法を取るなら
- 不動産屋には直接行かない
- 不動産屋には個人情報を簡単に開示しない
この2つは意識しつつ、土地探しをする時は最初からハウスメーカーに間に入ってもらうようにしてください。
そして土地探しは基本、ハウスメーカーに丸投げすることを強くおすすめします。
ちなみにハウスメーカーに土地を探してもらっても手数料はかかりません。
この話をすると中には「ハウスメーカーに手数料を入れるために誘導しているのでは?」というわけのわからないコメントがきたりするのですが、ハウスメーカーが土地を探すのは正直ボランティアです。
手数料は一切かかりません。
あくまでハウスメーカーの利益は建物の利益であり、その利益を得るために土地探しのボランティアをしている、ということを覚えておいてください。
土地から選ぶと急いでハウスメーカーを決めることになる
そして最後に、土地を見つけるところからはじめてはいけない3つ目の理由が、『急いでハウスメーカーを決めなければいけなくなる』、ということです。
これを理解するためには、大きく分けて2つのルールを理解する必要があります。
住宅ローンは土地と建物セットで組む
まず1つ目のルールが『住宅ローンは土地と建物セットで組まなければいけない』というルールです。
要は土地だけ最初に住宅ローンで購入して、どこのハウスメーカーで家を建てるのかはゆっくり検討する、ということはできないということですね。
では、それがなぜなのかという話なのですが、実はバブルの時は住宅ローンで先に土地を購入して、後から家を建てるということもできたのです。
ただ住宅ローン特有の低金利という特性を利用して、土地の転売で儲ける人が出てきてしまったわけです。
本来ならそれは事業融資でやることなのですが、事業融資の場合は金利が高いのです。
そのためみんな住宅ローンでお金を借りて土地の転売を行っていたのです。
ただそれは、本来の目的とは違う形での融資になっているわけなので、当然規制が入って今に至るわけです。
ですので、まずは『住宅ローンは土地と建物セットで組むもの』だというルールは覚えておいてください。
土地は買付証明書を入れたら2週間後には契約
次にルールの2つ目、『土地は買付証明書を入れたら2週間後には契約しなければいけない』ということです。
そもそも不動産の購入をする時というのは、まず最初に買付証明書と呼ばれるA4用紙に、
- 住所
- 名前
- 対象の土地をいくらで買いたいか
などを書いて、その書類を不動産屋に提出します。
この買付証明書という書類はわかりやすく言い換えるなら、『整理券』のようなもので、買付証明書を入れた順番で、その土地の購入を検討する優先権を得られるという仕組みになっています。
ちなみに買付証明書を入れるだけなら現金や印鑑は必要ありませんし、買付証明書を入れた後にキャンセルをしたいとなった場合でも、キャンセル料の支払いなどもありません。
買付証明書はあくまで整理券のような役割ですからね。
ただとにもかくにも、この段階ではいち早く買付証明書を不動産屋に入れなければ土地購入のチャンスを逃すことになるので、スピーディーな決断が求められます。
そして実際に買付証明書を不動産屋に提出した後は、不動産屋がその受け取った買付証明書を地主に持って行き、『今、いくらでその土地を買いたいという人が現れたけど、売る?売らない?どうしますか?』というのを聞きます。
そして地主から『その値段で売ってもいいよ』という合意が得られれば、実際の土地の購入に向けて動きはじめることになるわけです。
ただし買付証明書を入れ、地主から合意が得られたなら、先ほどもお話ししたように業界的には大体その2週間後には契約しなければならない、というルールが存在するのです。
もちろん大体なので、必ず2週間後というわけではありません。
若干の前後は問題ありませんし、東京などの人気の土地の場合は1週間で契約までしてくれないと買付証明書を白紙にする、という条件を出してくる業者も中にはいます。
ですのであくまで大体ではあるのですが、基本的に買付証明書を入れたら2週間後には土地の契約をしなければならない、ということは覚えておいてください。
土地から選んだ場合に起こること
・住宅ローンは土地と建物セットで組む
・土地は買付証明書を入れたら2週間後には契約しなければいけない
この2つのルールが存在するのですが、これによって『急いでハウスメーカーを決めなければいけなくなる』という状態が必然的に生まれてくるわけです。
そうですよね?
『住宅ローンは土地と建物セットで組むもの』かつ『土地は買付証明書を入れたら2週間後には契約しなければいけない』わけなので、土地の契約が行われる2週間後までに
- どこのハウスメーカーで
- いくらの建物を建てるのか
- 土地と建物を合わせて総額いくらになるのか
- 総額に対して自分達は銀行からどのくらいお金を借りられるのか
これらは全て明確にしておかなければならないわけです。
そのため、土地先行で動いてしまい、もし仮に良い土地が見つかってしまったら、2週間でハウスメーカーを選び、建物の中の仕様を大体決め、契約までことを進めなければいけなくなるわけです。
しかも、ハウスメーカーとの打ち合わせは最低でも1回3時間くらいかかるので、2週間という短い期間の中で捻出できる打ち合わせの回数も限られてきます。
そのため、打ち合わせが大雑把になり、契約後に金額が上がるリスクが非常に高くなるわけです。
こういったことがあるので、基本的には土地を見つけるところからはじめてはいけません。
これが3つ目の理由になります。
ということで、
- 不動産屋は建物の専門家ではない
- 不動産屋に足元を見られる可能性がある
- 急いでハウスメーカーを決めなければいけなくなる
これら3つの理由があるので、『土地から購入する場合、土地を最初に探して、その後にハウスメーカーを選んだ方が良いのでは?』ということに対する疑問への回答は『No!!』ということになるわけです。
土地から購入して家を建てる方の場合は、ネットで自分が購入を希望しているエリアの土地の値段が大体どのくらいなのかを把握するのにスーモやアットホームを見るのはいいですが、具体的なアクションはせず、基本的にハウスメーカーに間に入ってもらい、土地探しを丸投げするようにしてください。
これが一番リスクの少ない方法となります。
何度もお伝えをしますが、ハウスメーカーに土地探しを依頼しても余計な費用はかかりません。
ハウスメーカーはあくまで建物で利益を出しているのであって、土地を探すのは完全にボランティアなので、変にかんぐることはせず、素直に丸投げしてみてください。
注文住宅購入の流れの疑問②:どうやってハウスメーカーを選ぶ?
次に『候補のハウスメーカーを絞ると言ってもどうやって選べばいいのか?』という疑問についてです。
これについてざっくりと業界の全体像を把握して、その上でハウスメーカー選びをする必要があります。
というのも、例えば旅行に行くときでもなんでもそうですが、地図がないと目的地に辿り着けないですよね。
それと同じように、ハウスメーカー選びもざっくりとした全体像を把握した上で選びに行かなければ、確実にハウスメーカー迷子になるわけです。
では、その全体像とはなんなのかという話なのですが、実は住宅業界は3層構造になっているのです。
具体的にお伝えをすると、こちらの表のような正三角形になっていて、横に3等分されているようなイメージです。
それぞれ説明をしていくと、まず三角形の下3分の1のゾーンがローコストメーカーというくくりになります。
ここの層は例えば、予算が厳しいけど、どうにかして住める家が欲しいという人や、後は土地に思いっきりお金を使ってしまって、あまり建物にお金をかけられない人が購入する層になります。
地元の建売業者や安さを売りにしているハウスメーカーは、基本的にここに該当します。
次に三角形の中腹部分、ここは住めるだけではなく、家の性能もしっかりと確保していきたい方向けの層になります。
ですので例えば、断熱性能、気密性能、耐震性能、遮音性能などなど、これら家の性能を突き詰めつつ、コストもそれなりに抑えたい方はこの中間層に該当してきます。
ハウスメーカーとしては中堅メーカーがこの層に該当してきて、具体的には一条工務店、住友不動産、タマホーム、アイ工務店、アキュラホームなどが当てはまります。
ただし、この話をすると決まって「一条工務店やタマホームは有名な企業なのになんで大手じゃないの?」というような疑問を持たれる方がいます。
その気持ちもわかるのですが、そもそも業界として昔から大手ハウスメーカーと呼ばれる会社は
- 積水ハウス
- ダイワハウス
- 住友林業
- ヘーベルハウス
- パナソニックホームズ
- 三井ホーム
- セキスイハイム
- ミサワホーム
- トヨタホーム
これら9社になります。
ですので、基本的には今お伝えした9社が大手のハウスメーカーというくくりになるのです。
ただし、これだけですと「そんなの昔の話だし、今は違うでしょ」と反論が返ってきそうですが、もう1つ大手と非大手の圧倒的な違いが存在します。
それが『契約後の打ち合わせの長さ』になります。
どういうことかというと、実は中堅・ローコスト系のメーカーは、何かしら契約後の打ち合わせを短縮する仕組みがあるのです。
なぜなら、契約後の打ち合わせに時間をかければかけるほど、企業としては時間と人を使うことになるからです。
わかりやすく一言で言い換えるなら、人件費がかかるということです。
契約後の打ち合わせが長引けば長引くだけ、企業としては利益がマイナスになっていくわけなので、企業としては同じ人件費をかけるなら、契約前の集客の部分などにお金を使いたいわけです。
そのため、中堅・ローコスト系のいわゆる薄利多売系のハウスメーカーは、決まって契約後の打ち合わせを短縮する仕組みが存在するのです。
具体的にどこのハウスメーカーとは言いませんが、例えば
- 契約後の打ち合わせは3回までというルールがある
- 間取りに制限をかけることで打ち合わせの時間を短縮する
- 契約時に値引きする条件として着工期限を設ける
などなど、このような感じで何かしら契約後の打ち合わせを短縮する仕組みがあるハウスメーカーが存在します。
注文住宅は建物が完成してからでないと企業に利益が入ってこないので、いかにして契約後の打ち合わせを短縮するのかが企業にとっては重要なわけです。
ここに大手と非大手の違いが存在するのです。
では、最後に三角形の上3分の1の部分の大手ハウスメーカーについてですが、大手ハウスメーカーは先ほどからお伝えしている通りで
- 積水ハウス
- ダイワハウス
- 住友林業
- ヘーベルハウス
- パナソニックホームズ
- 三井ホーム
- セキスイハイム
- ミサワホーム
- トヨタホーム
これら9社になります。
ここの層は住めればいいというだけの家を建てるのではなく、性能もデザインもこだわりたい、そんな方向けの層になります。
大手ハウスメーカーは先ほど説明した中堅・ローコストメーカーとは逆で、契約後の打ち合わせをかなり長い期間取ることが可能です。
具体的にはどんなに短くても4ヶ月くらい、長ければ平気で1年近く打ち合わせするケースもあります。
しかも回数制限もないので、結婚式の打ち合わせと同様に、正直打ち合わせの回数を重ねたものがちなのです。
ただしそれだけ時間と労力が必要になってくるので、金額が高くなるというのがこの層の特徴です。
ハウスメーカーを選ぶ時というのは、これまでお話しした業界の全体像を思い浮かべていただき、自分達が
- とりあえず住めるだけの家づくりでいいのか
- 住めるだけではなく、性能にもこだわった家づくりをしたいのか
- 性能にもデザインにもこだわった完璧な家づくりをしたいのか
これら3つのどこに該当するのかを考える必要があります。
そしてその上で好みのハウスメーカーを見つけていくわけです。
これが理解できていないとどういうことが起きるのかというと、よくあることとしては
- ローコスト・中堅メーカーに過度な期待をしてしまい、契約後にあれができない、これもできないと言われ、結果、建売と変わらないようなデザインの家が完成してしまう
- わかりやすいコストでしか比較検討できなくなる
- ハウスメーカー迷子になって結局決めきれない
これらの状況になってしまいます。
そうならないようにするためにも、まずは業界の全体像を思い浮かべながら、自分達の理想がどこの層にマッチするのかを考えてみてください。
注文住宅購入の流れの疑問③:予算はどう決める?
最後に『予算はどのように決めればいいのか?』という疑問についてです。
これは非常にシンプルで、手取り年収の8倍、これが住宅ローンで借りてもいいアッパーの金額になります。
というのも住宅ローンは額面の年収の8倍まででしたら普通に借りられてしまうのです。
ですので例えば、旦那さんの額面の年収が500万円、奥さんの額面の年収が500万円で世帯年収が1,000万円の場合、単体で住宅ローンを借りるなら4,000万円、収入合算で借りるなら8,000万円は借りられてしまうということです。
しかし借りられる額と返せる額は違うのです。
私は元々銀行員だったので、無理に住宅ローンを組んでローンが払えず、2年後に売却してしまうというような人も結構見てきました。
そうならないようにするためには、税引き後の実態に合わせた手取り収入、これで計算しなければならないわけです。
つまり年収500万円なら手取りの年収は大体390万円になるので、その8倍の3,120万円、年収1,000万円なら手取り年収は大体750万円になるので、その8倍の6,000万円、ここまでなら借りても大丈夫ということになるのです。
ただしこの手取り年収の8倍という借入額は、余裕を持って大丈夫といえる金額ではなく、多少背伸びをしないといけないけど、まぁ可もなく不可もない金額という感じです。
具体的には返済期間35年、変動金利0.775%、元利均等返済、ボーナス返済なしの場合、年収500万円で額面の8倍の4,000万円借り入れたなら月々108,768円、年収500万円で手取り390万円の8倍の3,120万円借り入れたなら月々84,839円になります。
また同じ条件で、年収1,000万円で額面の8倍の8,000万円借り入れたなら月々217,537円、年収1,000万円で手取り750万円の8倍の6,000万円借り入れたなら月々163,152円になります。
この記事を読んでくださっている方で、今例に出した年収帯の方からすると共感していただける部分だと思いますが、このように計算してみると、私が多少背伸びをしないといけないけど、まぁ可もなく不可もない金額、と言った意味をわかっていただけたかと思います。
とにかく、手取り年収の8倍、これが住宅ローンで借りてもいいアッパーの金額だと覚えておいてください。
そしてそこから状況に合わせて自己資金で調整していくというイメージです。
これだけ守っていただければ予算で失敗することはないので、今お話ししたことを是非とも覚えておいてください。
あと余談にはなるのですが、ハウスメーカーと打ち合わせをしていると、時々、FP(ファイナンシャルプランナー)を紹介するのでそこでお金の相談をしながら予算を決めていきませんか?と提案されることがあります。
ただこのFP(ファイナンシャルプランナー)の正体は保険屋です。
そのためメインは自社の保険を売ることなのです。
もう少し詳しく順番に説明をすると、
- そのFP(フィナンシャルプランナー)と呼ばれる保険屋はまずお客さんの日々の生活費や固定費を聞き出す
- 聞き出した生活費や固定費を圧縮する提案をする
- 圧縮した分を住宅ローンと保険に回しましょう!と提案
大体このような感じの進め方をしていくわけです。
住宅ローンは100万円借りるごとに大体3,000円借入が増えるイメージなので、その逆で3,000円固定費を圧縮できれば住宅ローン100万円多く借入しても大丈夫、という考え方になるのです。
そこでお客さんの予算を伸ばしていくわけです。
あとは状況に応じて
- 年収が上がる前提でライフプランを立てて、その仮定を根拠に少し多めにローンを借りても大丈夫
- 退職金がある前提で話をして、退職金がもらえたら住宅ローンを一括で返せるから大丈夫
ということを言ってきたりもします。
ただここで皆さんが惑わされないようにはっきりお伝えをしておきますが、
- あれこれ調整して節約したとしても、年収以上には豊かになれない
- 節約を頑張っていればいつか豊かになれると夢をみるのも違い、それは現実から目を背けているだけ
このことはきちんと理解していただき、FP(ファイナンシャルプランナー)の甘い言葉に惑わされないようにしてください。
注文住宅購入の流れは?購入手順と3つの疑問を解決!のまとめ
家づくりの進め方は、土地から購入する場合、
- STEP1:ハウスメーカーを選び、候補のメーカーを3社以下まで絞る
- STEP2:候補のハウスメーカーに土地探しを依頼する
- STEP3:提案されたものを比較検討してハウスメーカーを決定する
以上の3つのステップを順番にこなしていくだけで、既に建築地がある方の場合は今お話ししたSTEP2がなくなり、
- STEP1:ハウスメーカーを選び、候補のメーカーを3社以下まで絞る
- STEP2:提案されたものを比較検討してハウスメーカーを決定する
こうなるだけだということです。
ただし進め方として非常にシンプルなのですが、
- 土地から購入する場合、土地を最初に探して、その後にハウスメーカーを選んだ方がいいのでは?
- 候補のハウスメーカーを絞ると言ってもどうやって選べばいいのか?
- 予算はどのように決めればいいのか?
恐らく大きく分けてこれら3つのような疑問が出てくるかなと思ったので、それらの疑問に対してそれぞれ回答していきました。
住宅購入未経験の方からすると、何からはじめればいいのかわからない、どのような順序で動けばいいのかわからないという状態だと思うので、今回お話ししたことを是非とも参考にしていただければと思います。
また今回お話しした内容よりも更に深掘りした具体的なハウスメーカーの絞り方、検討方法について知りたい、相談したいという方は、私が作った担当者を自ら選べるネット版住宅展示場メグリエから私との個別面談を予約していただければと思います。