注文住宅営業マンがよく言うウソあるある7選

注文住宅営業マンがよく言うウソ7選 はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約20分で読めます。

今回は『注文住宅営業マンがよく言うウソあるある7選』というテーマでお話をしていこうと思います。

というのも、最近『担当の注文住宅営業マンからこんな回答があったんですけど、それって本当ですか?』というような質問が非常に多く来るのです。

質問がたくさん来る

なぜそのような質問がわざわざ私のところに来るのかというと、それはシンプルにネットに書かれている情報と住宅営業マンが言っていることに大きな乖離が存在するからです。

当然、これから家を建てようとされている方たちからすると、『ネットにはこう書かれているけど、実際はどうなんだろう?』『ネットの方がなんとなく信憑性のある情報が多い気がするけど、信じていいのだろうか』と、そのような心境になってしまうわけです。

確かにその気持ちはわかります。

ですので今回は『注文住宅営業マンがよく言うウソあるある7選』というテーマで、業界にはびこるウソというウソを暴露していきます。

この記事が出ることによって、きっと一部の住宅営業マンからは『余計なことを言うな!ふざけるんじゃねぇ!』と思われると思います。

しかし、今回の話をきっかけに、これから家を建てる方と住宅営業マン、双方が正しい知識を得て、業界が少しでも良い方向に進めばいいなと思い執筆しています。

  • 住宅営業マンに言いくるめられたくない
  • 正しい知識がなんなのか知りたい

そう思われる方は是非とも最後までご覧ください。

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住宅営業マンがよく言うウソあるある①:アルミ樹脂複合サッシは結露しない

住宅営業マンがよく言うウソ1つ目は『アルミ樹脂複合サッシは結露しません』

住宅営業マンがよく言うウソ1つ目は『アルミ樹脂複合サッシは結露しません。』です。

そもそも論として、サッシ、つまりは窓枠の種類を把握しておかないと何を言っているのかわからないと思うので、まずは全体像を把握するためにサッシの種類についてお話しします。

世の中に出ているサッシというのは大きく分けて4つ存在します。

それが

  • 木製サッシ
  • オール樹脂サッシ
  • アルミ樹脂複合サッシ
  • オールアルミサッシ
サッシの種類
・	木製サッシ
・	オール樹脂サッシ
・	アルミ樹脂複合サッシ
・	オールアルミサッシ

以上の4つで、上に行けば行くほど断熱性能がよくなります。

一番下のオールアルミサッシについてはほとんどのハウスメーカーで使われておらず、今はどこぞの建売業社がつくった超安安仕様の建売で稀に使われているかな?というイメージです。

ですので基本的に今ハウスメーカーでは、下から2つ目のアルミ樹脂複合サッシ、これが標準で入ってくるわけです。

このアルミ樹脂サッシなのですが、知識のない住宅営業マンは必ずといっていいほど、『アルミ樹脂複合サッシは耐久性の高いアルミと、断熱性の高い樹脂を組み合わせてつくられたものです。』『そのため、耐久性と意匠性の両立ができ、結露もしません。』と言ってきます。

知識のない住宅営業マン

しかしこの営業トークは半分正解で、残りの半分は不正解になります。

アルミ樹脂複合サッシは確かに耐久性が高いです。

そのため地震大国である日本向きのサッシではあります。

またアルミという強度の高い素材を使うことから、サッシ自体を細くできます。

それにより建物の意匠性を上げることが可能になるのです。

さらに最近ではアルミ樹脂サッシも進化し続けていて、熱の伝わりやすいアルミ部分を極限まで減らすことで、熱の伝わりやすさを最小限にするというような商品も出てきているわけです。

そのような背景があって、日本では今、アルミ樹脂複合サッシが主流になっているのです。

これだけ聞くと、アルミ樹脂複合サッシはなんだか良さそうに聞こえるかもしれません。

ただし実はデメリットが2つも存在するのです。

アルミ樹脂複合サッシのデメリット1「結露する」

まず1つ目のデメリットが『結露する』ということです。

アルミ樹脂複合サッシのデメリット1「結露する」

2023年の今現在、9割近くの住宅営業マンが『アルミ樹脂複合サッシは結露しません。』と言ったりするのですが、それは真っ赤な嘘になります。

真っ赤な嘘をつく住宅営業マン

というのも実は、アルミ樹脂複合サッシは、外気と室温の温度差が20度の場合、室内の湿度が52%以上になると結露しはじめるのです。

アルミ樹脂複合サッシは、外気と室温の温度差が20度の場合、室内の湿度が52%以上になると結露しはじめる

ちなみにオール樹脂サッシは、外気と室温の差が20度の場合、室内の湿度が73%以上になると結露しはじめます。

オール樹脂サッシは、外気と室温の差が20度の場合、室内の湿度が73%以上になると結露しはじめる

要は何を言いたいのかというと、今までの住宅はそもそも断熱性能が低かったので、外気と室温の差が20度になりにくく、更に住宅の気密性能も低かったため、室内の湿度も低かったということです。

今までの住宅はそもそも断熱性能や気密性能も低かったためアルミ樹脂複合サッシでも結露しなかった

そのためアルミ樹脂複合サッシでも結露しませんでした。

つまり住宅営業マンの『アルミ樹脂複合サッシは結露しません。』という営業トークは言い換えれば『私たちが販売している住宅は断熱性能と気密性能が悪いのでサッシが結露しないんです。』と言っているようなものなのです。

一方で、昨今の高気密高断熱住宅は、簡単に外気と室温の差が20度になってしまいます。

また、室内の湿度の維持管理も比較的容易にできてしまうのです。

ですので高気密高断熱住宅にアルミ樹脂複合サッシを入れてしまうと、冬場、速攻で結露します

このことは必ず覚えておいてください。

アルミ樹脂複合サッシのデメリット2「コールドドラフトが起きる」

そして2つ目のデメリットが、コールドドラフトが起きるということです。

アルミ樹脂複合サッシのデメリット2「コールドドラフトが起きる」

冬場、アルミ樹脂複合サッシのアルミ部分によって冷やされた空気というのは、床を這うようにして空気が流れていきます。

アルミ樹脂複合サッシのアルミ部分によって冷やされた空気というのは、床を這うようにして空気が流れていく

その結果、足元の寒さを感じることになるのです。

そのため床下の断熱材を厚くしたり、基礎断熱にしたりして床の底冷えを防ぐことも重要なのですが、実はサッシ部分にもしっかりと意識を向けなければ床の底冷えを完全に防ぐことができないわけです。

これは小学校の理科で習うようなことなので、考えてみれば誰でもわかることですよね。

しかし対策もせず、考えなしに力技で床暖房を入れて解決しようとする方が結構多い印象です。

床暖房

床暖房を入れるために40万円、60万円を使うなら、床下の断熱材の強化や窓の強化に費用を充てた方が効果効率的だと思います。

実際はそのような提案はほとんどの人がしていない、というが住宅業界の実情です。

ということでアルミ樹脂複合サッシには

  • 結露する
  • コールドドラフトが起きる
アルミ樹脂複合サッシのデメリット
・	結露する
・	コールドドラフトが起きる

という2点がデメリットとして存在します。

このデメリットは、アルミ樹脂複合サッシを入れる上で必ず知っておく必要のある知識になるので、皆さんご注意ください。

サッシは使い分けがおすすめ

ただここで、そんなにデメリットがあるのだったらアルミ樹脂サッシではなく、次に性能の良いオール樹脂サッシにすればいいんじゃないか?と思われる人もいると思いますが、実はそんな単純なことではないのです。

オール樹脂サッシは強度を出すためにサッシ部分、つまりは窓枠部分がかなり太くなるため、意匠性が落ちてしまうのです。

アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシの比較

更に強度の問題で、オール樹脂サッシはアルミ樹脂サッシと比べて大開口もつくりにくいのです。

また、サッシだけではなく、サッシ部分とガラス部分を含めた窓全体の断熱性能を考えたときに、実はアルミ樹脂複合サッシの窓を取り入れた方が断熱性能に有利な場合も存在するのです。

これがどういうことかというと、アルミ樹脂複合サッシで大開口をつくる場合、サッシ部分の面積とガラス部分の面積を比較してみてください。

アルミ樹脂複合サッシで大開口をつくる場合、ガラス部分の面積の方が圧倒的に多い

するとガラス部分の面積の方が圧倒的に多いのがわかると思います。

つまり大開口をつくる場合、サッシ部分を強化するよりもガラス面を強化した方が窓全体で見た時の断熱性能は高くなる、ということです。

一方で主寝室などにつける小さい窓の場合、ガラス面が小さくなり、逆にサッシ部分の面積が大きくなってきます。

主寝室などにつける小さい窓の場合、ガラス面が小さくなり、逆にサッシ部分の面積が大きくなる

その場合は樹脂サッシにした方が窓全体の断熱性能は高くなるわけです。

大開口をつくる場合、窓全体で考えるとアルミ樹脂複合サッシで窓をつくった方が断熱に有利な場合も存在しますし、そうでなく建売につけるようなよくある窓のサイズの範囲内で家づくりをするなら、樹脂サッシの方が有利になる場合もあるのです。

つまり、何でも樹脂サッシにすればいいわけではないのです。

個人的な意見になるのですが、使い分けが重要なのかなと思っています。

一旦情報をまとめると、アルミ樹脂複合サッシのメリットは

  • 意匠性が高い
  • 大開口をつくることができる
  • アルミの強度によってサッシ部分の面積が少なくなるので、大開口をつくる場合はアルミ樹脂複合サッシの方が窓全体で考えた時の断熱性能は高くなる傾向にある
アルミ樹脂複合サッシのメリット
・	意匠性が高い
・	大開口をつくることができる
・	大開口をつくる場合は断熱性能は高くなる傾向にある

一方でデメリットは

  • 外気と室温の差が20度の場合、室内の湿度52%で結露する
  • コールドドラフトが起きる
アルミ樹脂複合サッシのデメリット
・	外気と室温の差が20度の場合、室内の湿度52%で結露する
・	コールドドラフトが起きる

ということになります。

一方でオール樹脂サッシのメリットは

  • 外気と室内の温度差が20度の場合、室内の湿度73%で結露するものの、アルミ樹脂複合サッシと比較すると結露しない
  • コールドドラフトが起きにくいため、床の底冷え対策になる
オール樹脂サッシのメリット
・	外気と室内の温度差が20度の場合、室内の湿度73%で結露するものの、アルミ樹脂複合サッシと比較すると結露しない
・	コールドドラフトが起きにくいため、床の底冷え対策になる

一方でデメリットは

  • 窓枠が太くなるので意匠性が悪くなる
  • アルミ樹脂複合サッシのような大開口がつくれない
オール樹脂サッシのデメリット
・	窓枠が太くなるので意匠性が悪くなる
・大開口がつくれない

ということになります。

そしてこれらのメリット・デメリットを把握した上で使い分けをするなら、建物南面に設置するようなメインの大開口についてはアルミ樹脂複合サッシを選択。

ただしガラス面を強化しなければ意味がないので、トリプルガラスを採用すること。

メインの大開口以外で見た目を気にする必要のない場所、例えば主寝室や子ども部屋などはオール樹脂サッシを選択。

オススメのサッシの使い分け
南面の大開口はアルミ樹脂複合サッシ(トリプルガラス)
メインの大開口以外はオール樹脂サッシ(トリプルガラス)

もちろんこちらもガラスはトリプルの採用を推奨。

これが今現在のハウスメーカーで家づくりをする場合のベストな窓の使い分けの仕方かなと思います。

いやいや見た目にもこだわりたいし、性能も妥協したくない、という方は木製サッシを使うという手もあるにはありますが、こちらは価格が非常に高いです。

木製サッシは価格が高い

最近ですと、お医者さんや会社経営者の方といったお金持ちの方は木製サッシを入れはじめていますが、全体で見るとそれはごくごく少数です。

事実、このグラフを見てみるとわかりますが、木製サッシを採用する人の割合が低いということは、ここからも何となくうかがい知れるかと思います。

木製サッシを採用する人の割合が低いということがわかるグラフ

とにかく、それぞれの特徴を理解した上でサッシ選びをしてみてください。

『アルミ樹脂複合サッシは結露しません。』という営業トークは間違いなく嘘です!

住宅営業マンがよく言うウソあるある②:樹脂サッシは劣化する

住宅営業マンがよく言うウソ②:樹脂サッシは劣化する

続いて住宅営業マンがよく言うウソ2つ目は、『樹脂サッシは劣化しますのでおすすめしません。』です。

これも窓関連の話にはなるのですが、『樹脂サッシを入れたい』と言うと必ずと言っていいほど、『樹脂サッシは劣化しますのでおすすめしません。』と言ってくる営業マンがうじゃうじゃいます。

樹脂サッシをすすめない営業マン

これも結論『嘘』ということになります。

というのも、よく皆さんが思い浮かべる樹脂というのはポリエチレンという素材でできているもので、これは例えば、プラスチック系のバケツや洗濯バサミなんかで使われている素材になります。

このポリエチレンでできている素材は、確かに紫外線に当たると白い粉のようなものが出てきて、しまいには外に放置し続けるといとも容易く粉々に砕け散るようになるわけです。

これに関しては何となく皆さんもイメージできるのではないかなと思います。

一方で樹脂サッシに使われている樹脂は、ポリ塩化ビニルといって電線のカバーなんかにも使われている素材なのです。

ですので例えばですが、日本はどこを見ても電線が張り巡らされていますよね?

張り巡らされている電線

本当に劣化するのでしたら、街のあちらこちらで電線のカバーの付け替え作業をしていてもいいはずですが、そのような所は見たことないですよね。

何なら電線は雨風にずっとさらされ続けていますからね。

要はそれだけポリ塩化ビニルには、優れた耐候性、耐水性、強度といった物性があるということなのです。

ですので『樹脂サッシは劣化しますのでおすすめしません。』というのは真っ赤な嘘になります。

住宅営業マンがよく言うウソあるある③:今のままの断熱仕様で大丈夫

住宅営業マンがよく言うウソ③:今のままの断熱仕様で大丈夫

続いて住宅営業マンがよく言うウソ3つ目は、『今のままの断熱仕様で大丈夫。断熱仕様を上げるのはオーバースペックです。』です。

断熱等級の改正もあって、最近断熱性能、気密性能を高めようとする動きが活発になっています。

断熱等級の改正

ただこれはこれから家を建てようとしているお施主さん側の話であって、ハウスメーカーの営業マンは『今のままの断熱仕様で大丈夫です。断熱仕様を上げるのはオーバースペックです。』と必ずといっていいほど言ってきます。

しかしそれはあなたの感想ですよね?

実際にあなたは断熱仕様を上げた家に住んでいて、その上で十分とおっしゃっているのですか?という話なのです。

実際、正直なところ営業マンは

  • わからない
  • 知識がない
  • 今までと違う進め方や段取りをするのがめんどくさい

というこの3つのどれかしらの理由から、苦し紛れで『オーバースペックです。』と言っているだけなのです。

オーバースペックと言ってくる知識のない担当者

本当にオーバースペックだとは微塵も思っていないということがほとんどです。

『今のままの断熱仕様で大丈夫です。断熱仕様を上げるのはオーバースペックです。』と言ってきたら、あぁ知識がない担当者に当たってしまったんだな、と思ってください。

また、わからないことをごまかす癖がある人というのは、他のことでも多かれ少なかれ同様なごまかしをしてくるので要注意です。

住宅営業マンがよく言うウソあるある④:C値は古い、今はUa値

住宅営業マンがよく言うウソ④:C値は古い、今はUA値

続いて住宅営業マンがよく言うウソ4つ目は『C値は古いです。今はUa値です。』です。

これはそもそもの話として、C値とUa値は全くの別物になります。

にも関わらず『C値は古いです。今はUa値です。』と言ってくる営業マンは、『うどんと蕎麦は似たようなものです。』と言っているのと同じくらいトンチンカンな発言をしているわけなのです。

営業マンに意見を押し通されてしまうと皆さんが不幸になるだけなので、一応念の為、C値とUa値、それぞれの違いを簡単に説明していこうと思います。

まずC値というのは、住宅の気密性能を表す数値のことです。

C値というのは、住宅の気密性能を表す数値

もう少し具体的にお伝えをすると、その家の大きさ、つまりは面積に対して、どの程度のスキマが存在するのかを表した数値のことで、数値が小さければ小さいだけ、建物の気密性能が良いということになります。

では、気密性能が高い住宅というのはどのようなメリットが存在するのか、というと

  • 暖房をフルに動かす必要がないため、電気代や燃料費などが安く済む
  • 廊下や洗面所、風呂場、トイレなどにも隙間風が入りにくいため、温度差の少ない家づくりが可能になる
気密性能が高いメリット
・	暖房をフルに動かす必要がないため、電気代や燃料費などが安く済む
・	廊下や洗面所、風呂場、トイレなどにも隙間風が入りにくいため、温度差の少ない家づくりが可能になる

などといったメリットが存在します。

一方でUa値とは何なのかというと、こちらは正式名称、外皮平均熱貫流率といって、住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均化した値です。

Ua値とは、住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均化した値

つまり、熱損失の合計を外皮等の面積で除した値で、計算で出てきた値が小さければ小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いということを表します。

わかりやすく例えるなら

『Ua値=水筒の保温力』と思っていただけるとイメージしやすいのではないかと思います。

水筒の保温力

水筒は性能の良いものだと、朝、温かいお茶を入れて夕方に飲もうと思っても温かいですよね。

一方でおもちゃのような水筒ですと、すぐに冷えてお昼時にはキンキンに冷えている、ということもあるわけです。

住宅もそれと同じで、家の保温性能を表したのがUa値になるのです。

まとめると、

  • C値は家の隙間がどれだけ空いているのかを表したもの
  • Ua値は家の保温力を表したもの
・	C値は家の隙間がどれだけ空いているのかを表したもの
・	Ua値は家の保温力を表したもの

になります。

ですので『C値は古いです。今はUa値です。』と言ってくるのは、言い換えると『穴だらけの水筒が今の時代の最先端です!』と言っているのと同じなわけです。

ということで、『C値は古いです。今はUa値です。』という営業トーク、こちらも真っ赤な嘘になります。

住宅営業マンがよく言うウソあるある⑤:木造住宅は地震で構造躯体に歪みが出る

住宅営業マンがよく言うウソ⑤:木造住宅は地震で構造躯体に歪みが出る

住宅営業マンがよく言うウソ5つ目は、『木造住宅は地震が来ると構造躯体に歪みが出て断熱性能が下がります。でも鉄骨住宅はその心配がありません。』です。

これ、そこそこの頻度で確認の問い合わせがくるよくわからない営業トークの1つなのですが、そもそも論として、鉄骨住宅の方が地震が来た時に揺れます。

これはどこのメーカーが良いとか悪いとか、そういう話ではなく、鉄骨という素材で建物をつくるとどうしても揺れてしまうのです。

3.11の地震があった時に東京タワーの先が曲がったというニュースがありましたよね。

先端が曲がった東京タワー

あれは3.11の地震で東京タワーがものすごい揺れて、その影響で先端が曲がったままになったという話なのですが、そのような感じで、鉄骨で建てた建物は左右に揺れながら地震の揺れを受け流す構造になっているわけです。

ですのでそもそも論として、鉄骨住宅は揺れるのです。

もちろんハウスメーカー各社もそれはわかっていて、揺れないように大量に制振装置を入れて流すなどして、さまざまな工夫を施しているわけです。

ただ工夫をしたとしても、やはり揺れを完璧に抑えることはできず、地震の揺れによる内装の損傷は木造住宅よりも鉄骨住宅の方が圧倒的に割合としては大きいのです。

地震の揺れによる内装の損傷は木造住宅よりも鉄骨住宅の方が圧倒的に割合としては大きい

ですので『木造住宅は地震が来ると構造躯体に歪みが出て断熱性能が下がります。でも鉄骨住宅はその心配がありません。』という営業トークを使うのだったらむしろ逆で、鉄骨の方が歪みが出て断熱性能が下がりそうな感じがするのですが……皆さんはどうでしょうか。

営業マンには営業マンの言い分があるでしょうし、メーカーにはメーカーなりの言い分があるとは思うのですが、こういうわけのわからない営業トークで他社をおとしめようとするのは違うのではないかなと思います。

根拠のない営業トークは基本的に営業マンが独自で考えた嘘の営業トークであることがほとんどなので、皆さんもご注意ください。

ということでこれが5つ目になります。

住宅営業マンがよく言うウソあるある⑥:第3種換気で十分

住宅営業マンがよく言うウソ⑥:第3種換気で十分

住宅営業マンがよく言うウソ6つ目は、『第1種換気はランニングコストがかかるので第3種換気で十分です。』です。

これも時代の流れをよく理解していない人ほど、『平気です!大丈夫です!』と言ってしまうものになります。

正直、今の時代は第1種換気一択でして、その理由に関しては

  • 第1種換気を選択することでエアコンの効率を上げられる
  • 家の気密性能を向上できる
第1種換気のメリット
・	エアコンの効率を上げられる
・	家の気密性能を向上できる

以上の2点があるからです。

一方で第1種換気は第3種換気と比較して電気代がかかるにはかかります。

そのためランニングコストがかかるというのは、あながち間違ってはいないのですが、それは、第1種換気のみの電気代にフォーカスした時の話になります。

家全体で考えた時にはむしろ第1種換気を入れることで得られるメリットの方が大きいのです。

では、これが一体どういうことなのか?を説明するために、大枠から説明していきます。

そもそも換気には

  • 第1種換気
  • 第2種換気
  • 第3種換気
  • 第4種換気

という4種類が存在します。

そのうち第2種換気は主に病院で使われる換気で、第4種換気は幻の換気と呼ばれる換気で詳細は割愛しますが、ほとんど使われていません。

換気の種類
・	第1種換気は住宅
・	第2種換気は病院
・	第3種換気は住宅
・	第4種換気は幻の換気

ですので住宅で換気というのは、第1種換気か第3種換気になるのです。

では、第1種換気と第3種換気、それぞれどんな違いがあるんだ?という話ですが、第1種換気はまずは機械で室内に外気を取り入れ、その後に機械で室内の空気を排気するタイプのことをいいます。

第1種換気はまずは機械で室内に外気を取り入れ、その後に機械で室内の空気を排気するタイプ

そしてさらに第1種換気には2種類タイプがあって、それが『全熱型』と『顕熱型』です。

第1種換気には2種類タイプがある。『全熱型』と『顕熱型』

全熱型は機械で室内に外気を取り入れる際に、取り入れた外気を室内の温度に限りなく近い温度にするのと同時に、加湿と除湿を行ってくれるもののことをいいます。

顕熱型は外気を室内に取り入れる際に、取り入れた外気を室内の温度に限りなく近い温度にして取り入れてくれるだけのものをいいます。

温度調整と除湿加湿を行ってくれるのが全熱型で、ただ温度の調整をしてくれるだけのタイプが顕熱型だということです。

一方で第3種換気は、こちらは自然に外気を室内に取り込み、機械で室内の空気を排気するタイプのことをいいます。

第3種換気は、こちらは自然に外気を室内に取り込み、機械で室内の空気を排気するタイプ

そのため自然吸気、機械排気と呼ばれていたりもするのですが、要は温湿も加湿もしないまま、ただただ外気を室内に取り入れる換気のことなので、夏は高温多湿の空気を室内に取り入れることになりますし、冬は乾燥したカラカラの空気をそのまま室内に取り入れることになるわけです。

第3種換気は温湿も加湿もしないまま、外気を室内に取り入れる換気

これは、外気をそのまま室内に入れているわけなので、室内の温熱環境を整えるのが難しくなるということは皆さんもなんとなくイメージができますよね?

要は第1種換気にかかる電気代以上にエアコンなどの冷暖房器具を使わなければ、室内の温湿度が調整できなくなるということです。

更に第3種換気は、家の外壁部分にたくさんの吸気口と排気口がつく形になります。

家の外壁部分にたくさんの吸気口と排気口がつく形

つまりそこから家の中に外気が入ってきやすくなるわけです。

特に強風の時はビュービュー室内に風が入ってくるので最悪ですね。

一方で第1種換気の場合ですが、ハウスメーカーが採用している第1種換気はダクト式の第1種換気というものになります。

ハウスメーカーが採用している第1種換気はダクト式の第1種換気というもの

これを採用することで、第3種換気と比較した時に外壁部分の吸気口と排気口の数が大幅に少なくなるため、家の気密性を保持しやすくなる、ということになるのです。

例えば

  • 積水ハウスにはスマートイクス
積水ハウスにはスマートイクス
  • 住友林業にはe-kikubari
住友林業にはe-kikubari
  • ダイワハウスには風ナビRX2
ダイワハウスには風ナビRX2

といった感じで、各社ダクト式の第1種換気を持っています。

基本はそういったダクト式の第1種換気を採用していただき、エアコン負荷が少なくて、かつ、気密性に優れた温度変化の少ない家づくりをするのが今の時代の家づくりであり、トータルで見ると第3種換気を入れるより第1種換気を入れた方が圧倒的にメリットが大きくなります。

  • 電気料金がどれだけかかっても気にしないからガンガンエアコンを使いたい
  • 昔の日本の住宅のように寒い日はこたつやストーブの前で肩を寄せ合ってコミュニケーションを取るのが理想
  • 夏は暑くて、冬は寒く、各部屋に温度差のある家で暮らしたい

中にはこういった時代と逆行した暮らし方や家づくりを理想とする人もいるかもしれませんが、多くの人がそうではないはずです。

第3種換気で十分ということはあり得ないので、営業マンにすすめられるがまま、第3種換気を取り入れないようにご注意ください。

住宅営業マンがよく言うウソあるある⑦:値引き

住宅営業マンがよく言うウソ⑦:値引き

住宅営業マンがよく言うウソ7つ目は、『値引き全般』です。

住宅営業マンの中には、値引きを理由にしなければ契約するきっかけをつくれない人がかなりの割合で存在します。

ですので例えば

  • 今月は決算月で大幅な値引きができますので、お得になります
  • 今月ならこれだけ安くなるので、今月中に契約をお願いします
  • なんとかってキャンペーンに見事当選しました!なので今月中に契約してください

といったことですね。

これらの営業トークは中には本当の時もありますが、体感で言うと90%近くは契約を取るためのきっかけづくりです。

つまりは嘘だということです。

基本的にハウスメーカー本社が主導でやっている施策以外は、ほぼ嘘だと思って問題ありません。

あとはハウスメーカー各社によって値引きの上限値は決まっているのですが、その上限値を超えなければ、値引きの内訳やら値引きの名称は適当に営業マンがいじくれるのです。

具体的にお伝えすると、値引きの上限値が10%だとしたら

  • 5%を特別値引き
  • 3%をオーナー様紹介割引
  • 2%をキャンペーン値引き
値引きの上限値が10%だとしたら
・	5%を特別値引き
・	3%をオーナー様紹介割引
・	2%をキャンペーン値引き

といった感じで上限値の10%を超えなければ適当なキャンペーンやら、適当な値引き項目を捏造できるということです。

ですので、この業界の値引きは別に特別なものではなく、法人提携割引も、オーナー紹介割引も、全てがあってないようなものなのです。

正直、私はこの嘘にまみれた風習やそれを悪用して清々しい顔をしている輩に辟易している部分もあるのですが、皆さんも焦って契約をしてしまわないよう、くれぐれもご注意ください。

あと、これは完全に余談ですが、金額が高くなるとビビって提案できなくなる営業マンが少なからず存在します。

例えば金額が高くなってくると、急にソワソワしはじめたり、品物の質に関係なく、とにかく安くする方向に話を持っていこうとしたりする感じですね。

金額が高くなるとビビって提案できなくなる営業マンが少なからず存在する

しかしそういうタイプの営業マンは

  • 今まで価値あるものを提案してきていない
  • 圧倒的に経験不足

のどちらかでしかないのです。

値引きを理由にしなければ契約するきっかけをつくれない営業マンは高確率でこのどちらかに該当してくるので、もしこういうタイプの営業マンが自分の担当になってしまったら、今後自分達の家づくりを本当に任せても大丈夫なのかどうか、これを冷静に見極めてもらえればと思います。

住宅営業マンがよく言うウソあるある7選のまとめ

今回は注文住宅営業マンがよく言うウソあるある7選というテーマでお話をしてきました。

まとめると

  • 「アルミ樹脂複合サッシは結露しません。」
  • 「樹脂サッシは劣化しますのでおすすめしません。」
  • 「今のままの断熱仕様で大丈夫です。断熱仕様を上げるのはオーバースペックです。」
  • 「C値は古いです。今はUa値です。」
  • 「木造住宅は地震が来ると構造躯体に歪みが出て断熱性能が下がります。でも鉄骨住宅はその心配がありません。」
  • 「第1種換気はランニングコストがかかるので第3種換気で十分です。」
  • 「値引き全般」
営業マンがよくつく嘘
・	「アルミ樹脂複合サッシは結露しません。」
・	「樹脂サッシは劣化しますのでおすすめしません。」
・	「今のままの断熱仕様で大丈夫です。断熱仕様を上げるのはオーバースペックです。」
・	「C値は古いです。今はUa値です。」
・	「木造住宅は地震が来ると構造躯体に歪みが出て断熱性能が下がります。でも鉄骨住宅はその心配がありません。」
・	「第1種換気はランニングコストがかかるので第3種換気で十分です。」
・	「値引き全般」

以上の7つになります。

皆さんも住宅営業マンから言われたおかしなことがあれば是非ともコメントしてもらえればと思います!

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一条工務店の今までのイメージを覆すような情報を皆さんに届けられたらいいなと思い、今回解説をさせていただくことにしました。「一条工務店がどんなハウスメーカーなのか知りたい」、「場合によっては一条工務店を候補に入れて検討したい」と思われている方は、ぜひとも最後までお読みください。
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【大手ハウスメーカーの全館空調比較】全館空調はやめたほうがいいって本当?

今回は『【大手ハウスメーカーの全館空調比較】全館空調はやめたほうがいいって本当?』というテーマでお話します。結論からすると『ハウスメーカーによる』となりますが、きちんとそのハウスメーカーのつくり方を理解しないと、
全館空調のいる、いらないは判断できないということになります。
ただしそうは言っても、どこのハウスメーカーがどのような状況なのか、そして、全館空調を入れた方がいいハウスメーカーはどこなのか、ある程度網羅的にわかった方がいいと思うので、ここから先はハウスメーカーごとに、より具体的にお話をしていこうと思います。 これから注文住宅を検討される方はぜひともご覧ください。
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