今回は『積水ハウス33坪の中庭のある家の間取り』こちらを詳しく解説していこうと思います。
平面図だけで物件を解説するよりも、立体を見ながら解説するのとではだいぶ印象が違うと思いますし、実例を見るからこそ得られる気づきというのもあると思います。
ですので、今回は実際の家の写真をもとに解説をしていきつつ、更に『住まいのレシピ』というサブタイトルをつけ、誰でも真似できるポイントを紹介していこうと思います。
本記事を最後まで読んでいただくことで、皆さんの家づくりが1段階ランクアップすると思うので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
- 建物の概要
- 外構のこだわりと真似できるポイント
- 家の仕様と真似できるポイント
以上の3つを順番に説明していきます。
「積水ハウス中庭のある家」の建物の概要
まず『建物の概要』についてです。
今回の建築地は南側に接道のあるほぼ整形地で、用途地域は第2種中高層住居専用地域になります。
第2種中高層住居専用地域というのは、簡単にかつざっくり説明すると、比較的建築の制限がゆるい地域のことです。
マンションやアパート、大学や専門学校などの教育施設、病院や老人福祉センターなどの医療福祉施設、さらに小規模な店舗や飲食店などの建設も認められている地域になります。
そのため立地によっては家以外の建物が近隣に建つリスクというのを最初から考慮して建築する必要があるわけです。
これから土地を買って家づくりをする方は、自分が検討している土地の用途地域が何なのか、これを把握することで、将来その土地で家を建てた際に起こりうるリスクを想定しやすくなります。
まずは用途地域を確認してみてください。
ちなみに今回紹介する家の立地は、普通に住宅街の中の一区画で、しかも南面がしっかりと開けている土地なので、家を建築する上でほぼほぼリスクがない土地となっています。
土地の大きさは214.64㎡で約65坪。
そしてその約65坪の土地に1階55.5㎡、2階55.5㎡、合計で111㎡、坪に換算すると33.57坪の家が建っている、というのが今回の計画の大枠となります。
細かい数字が苦手!という人でも、なんとなく65坪あれば車2台余裕で停められるんだなぁというのは把握してもらえるかと思います。
また、敷地の形状や持っている車の台数によっては、40坪くらいの土地でも今回紹介する家と同じボリューム感で建てられそうだなというのも感じ取ってもらえるはずです。
いったんここまでで大まかに敷地条件を把握した上で、今回の建物の外観デザインの特徴、間取りデザインの特徴をそれぞれ深掘りして解説します。
「積水ハウス中庭のある家」の外観デザインの特徴
この建物の『外観デザインの特徴』についてです。
今回の建物は一言で言い表すなら『かこうデザインの家』になります。
ただこれだけ聞いても『だから?』という感じだと思うので、もっと具体的に説明をしていくと、実は今回のようなコの字で庭を「かこう」プランというのは、プライバシーを確保しつつ、更には街並みに溶け込むようなデザインにすることができるのです。
というのも例えば、住宅には『コートハウス』と呼ばれるデザインの家が存在します。
コートハウスとは、建物や塀で囲まれた中庭などのオープンスペースをもつ住宅のことを言うのですが、元々はギリシャやヨーロッパなどの街で発展してきたものになります。
このコートハウスは、日本でも人口の密集する市街地などで、通風、採光、プライバシーの確保を図る建築デザインとして住宅に取り入れられています。
ただしコートハウスは外観を見てもらえればわかりますが、完全に閉じたデザインなのです。
ですので、プライバシーを確保した庭や空間がつくれるというメリットがあるのに対して、街並みを考えると、その家だけ浮いた感じになってしまうのです。
更に壁を立てたことによる圧迫感も少なからず感じることになるわけです。
そのため
- 目立つのは嫌だから街並みに合わせた家づくりをしたい
- 壁による圧迫感が気になる
という方にはコートハウスは不向きなのです。
街並みに溶け込むような家のデザインで、かつプライバシーも確保できて、更には圧迫感も感じない住宅にしたい場合、どうしたらいいのかというと、それが今回皆さんに共有したような『かこうデザインの家』になるのです。
『かこう』デザインの家は、コートハウスのような『閉じる』デザインとは違い、建物を不完全なロの字型やコの字型にすることで、視線が抜ける部分を確保できるのです。
事実、この建物をプランニングする際に、視線が遠くに抜けるポイントを建物のメインの開口部分として設定しています。
そして視線が抜けるポイントを最大限活用する工夫を考えながら、建物の断面図を作成して家づくりをしているのです。
またこのようなデザインの建物は、見方によっては街に対して自分の家の植栽を貸している、という捉え方もできます。
要は自分の家が街並みを整えるのに一役買っている、ということですね。
こういった街に対して自分の家の植栽を貸すという発想は、有名な住宅建築家の伊礼智(いれい さとし)さんも積極的に取り入れている手法です。
このような感じで『かこうデザインの家』は、見た目的にもおしゃれですし、これだけプライバシーを確保した中庭がある間取りにも関わらず、閉塞感のない街並みに溶け込むようなデザインにすることが可能なのです。
これがこの建物のデザインの特徴です。
「積水ハウス中庭のある家」の間取りデザインの特徴
続いては『間取りデザインの特徴』についてです。
この間取りデザインの特徴を一言でまとめるなら、『建物の外周部分に開口部をほとんど設けていない』というところになります。
実際に間取りを見ていただければわかるのですが、実は2階の水回り付近と階段付近に少し窓がある程度で、それ以外の外周部分は全部壁なのです。
この建物は、開口部を一部に集中させるデザインになっているわけです。
こうすることによって、開口部から見える景色を中心とした家づくりになるのです。
そして更に、家の階層ごとに見えるシーンというのが大きく変わってきます。
1階部分:中庭や街に視線が向く
もう少し具体的に説明をすると、例えば1階部分はLDKが26畳、囲ってある外の空間が21畳あるため、内と外で合計約47畳の広さを感じることができて、更に視線の先には街並みが広がっているわけです。
つまりこの家の1階部分というのは、中庭の自然が街と居住スペースを曖昧に繋げつつ、広がりのある暮らしを体感できる間取りだということです。
ちなみに話が逸れますが、この写真を見ると、外から家の中が丸見えになりそう、と思われる方もいるかと思います。
その気持ちはすごくわかるのですが、先ほどお見せした断面図を思い出してみてください。
実は身長175cmまでの人の視線の高さでは、家の中が覗けないように少し建物の高さを上げているのです。
ですので、よほど高身長の人や脚立を使ってわざわざ覗き込む人でない限りは、外から家の中を見ることはできません。
なるほど!という感じではないですか?
こういうところからも、断面図の重要性がわかるかと思います。
2階部分:シンボルツリーに視線が向く
次に2階から見えるシーンについてですが、こちらは1階とは見えるシーンが大きく変わり、実は中庭にあるシンボルツリーに視線が集まるようになっているのです。
つまり1階では中庭や街に視線が抜けるようにつくられていたのに対して、2階では内側から見えるシンボルツリーにのみ視線が向かうよう調整されているということです。
実際に見てみるとわかりますが、子ども部屋の南側には窓がなく、中庭側に大きな窓が設置されています。
また主寝室には、機能を考えて南側に窓とバルコニーがあるにはありますが、バルコニーの手すりの高さを上げて視線が外に向かわないように調整されているのです。
そのためこの家の2階部分は『開放的すぎて落ち着かない』ということがないのです。
開放的に感じる必要のある場所は開放的に、開放的に感じる必要のない場所は閉鎖的に視線の向かう方向を調整することで『開く』と『閉じる』を上手く表現しているわけですね。
開口部から見える景色を中心とした家づくりをすることで、家の階層ごとに見えるシーンが大きく変わってくるというのはこういうことになります。
このような説明を受けると、この建物に対する見え方というのが変わってくるのではないかなと思います。
ということでここまでが今回の建物の概要についてで
- 敷地条件
- 外観デザインの特徴
- 間取りデザインの特徴
それぞれの説明になります。
「積水ハウス中庭のある家」の外構のこだわりと真似できるポイント
続いて、『外構のこだわりと真似できるポイント』についてです。
こちらについては大きく分けて3つ紹介します。
植栽の配置の仕方
1つ目は『植栽の配置の仕方』です。
こちらの家の外構、見る方によっては『たくさんの樹木が植えられているなぁ』と思われるかと思います。
ただ実際はというと、このくらいの樹木の量でちょうどいいくらいなのです。
なぜなら、『建築を木立の中にたたずまわせる』ことが家を引き立たせるポイントになるからです。
というのも例えば、ミースファンデルローエのファンズワーズ邸や
フィリップジョンソンの自邸、
日本では吉村順三の軽井沢山荘など、
有名できれいな建築のほとんどが、木立の中にたたずむようにつくられているのです。
特に吉村順三の軽井沢山荘は、彼が『木の上の鳥になったように暮らしたい』と言ってつくられたこともあり、居住スペースと木々の距離がとても近いのです。
このような感じで、内からも外からも自然と一体化した建築が、美しい家の1つの要素であると私は考えているのですが、今回の家も『建物を木立の中にたたずまわせる』これをきちんと体現している外構になっています。
ですので、植栽の量は一見すると多そうと思うかもしれませんが、別に多くもないですし、むしろこのくらいが美しい建築をつくる上では適正なのです。
一応、補足としてお伝えをしておきますが、この話をすると決まって『木は成長するから維持管理が大変そう』と思われる方がいるのですが、実は木は人間と一緒である程度まで成長すると急激には成長しないのです。
ですので、成長しきっている木を選んで植えると、思ったより手間がかからないで済みます。
1つ豆知識として覚えておいてください。
では、それら理論理屈がわかったところで、植栽の配置についてお話をすると、植栽は手前側と奥側に植えるというのがポイントになります。
というのも、植栽は思い切って建物に近づけて植えることで、家と庭を一体化させることができるのです。
特に家の出隅や入隅と呼ばれる角の部分に樹木を植えることで、木を避けて建築したかのような自然な雰囲気を出すことができます。
今回の建物は少し極端ではありますが、真ん中にシンボルツリーを植えて、それを活かすような設計になっているわけです。
これは初めて見た人からすると『この木、わざわざ植えたの?』と感じると思います。
「前々からそこにあった木なんじゃないか」という雰囲気をかもし出していますよね。
実は他の人から見てそう思われることこそが成功で、家と庭がきちんと一体化して設計されているという証拠なのです。
また今お話ししたことは、植栽を建物に近づけて植えることでしたが、今度はそこから奥の方に木を植えることで、室内から庭を見たときに遠近感を出せるのです。
そのため、室内空間をより広く見せることができます。
このような感じで、植栽の配置の仕方1つとっても、いろんな工夫や理由が存在しているのです。
また、これは少し話が逸れるのですが、実は建物に対してどこに、どれくらいの高さの木を入れるのか、それ次第で建物の表情が大きく変わります。
もう少し具体的にお伝えをすると、今回の家のように軒の水平ラインが強調されている建物は、樹木による縦のラインを入れることで、建物を小さく控えめにおさめられるのです。
そのため全体を美しくまとめることが可能になります。
しかし、全体を美しくまとめるには、背の高い木が必ず必要です。
実際に写真を見てもらえればわかりますが、背の高い垂直な木々が多く植えられていますよね。
これは水平ラインが強調されている軒に対して、樹木による縦のラインを入れることで、建物の美しさを引き立たせる役割を果たしているということなのです。
このことを覚えておいていただけると、いざという時真似できるかと思います。
ぜひとも自身の引き出しの1つとして、持っておいていただければと思います。
ということで『植栽の配置の仕方』に関しては
- 自分が考えているよりも多めに植栽を入れること
- 手前側と奥側に配置すること
この2つがポイントになります。
あとはおまけとして
- 水平ラインが強調された建物の場合は、背の高い木を使って縦のラインを入れること
以上が外構のこだわりと真似できるポイントの1つ目である『植栽の配置の仕方』についてです。
石
続いて2つ目が『石』です。
こちらはシンプルな話ではあるのですが、良い建物には良い石が必要になります。
ただその良い石というのは、何も高級な石ではなく、近くの山やその地域で取れる石の中で、形や色味の良いものを使うということです。
そうすることで、その土地の自然な姿を自身の家の外構で描くことができるので、より地域に馴染んだ家づくりが可能になるわけです。
しかも石は地域によって、形や色、性質が異なります。
石のことを知り、それを自宅に配置すると、より自分の住んでいる地域や家に愛着が湧くようになるので、石選びもこだわってやっていただくことをおすすめします。
ちなみに画像右端に垂直に置かれている石が1つあると思うのですが、これは立石(たていし)と言います。
立石は縁起の良さを表すもので、日本庭園の石組手法としてよく使われるものです。
ですのでわざと石を縦に配置してあるのです。
こういう説明を受けると、石が魅力的に見えてくるかなと思うのですが、いかがでしょうか?
実際に立石を取り入れる、取り入れないは別として、1つ知識として覚えておいていただければと思います。
洗い出し
最後に3つ目が『洗い出し』です。
洗い出しというのは、コンクリートの中に砂や丸石を埋め込み、半分乾燥した段階で、表面を水や特殊な薬品で洗って仕上げる方法のことです。
これを採用することで、見た目も良くなるのですが、それ以外の機能面でも、例えば車のタイヤ痕が付かなかったり、雨や雪の日でも滑りにくかったりします。
ですので、非常に優れた仕上げ方法になります。
しかも今回の家の場合、外壁の吹き付けの色味と洗い出しの色味を合わせて統一感を出しています。
洗い出し単体だけでもおすすめの仕上げ方法にはなるのですが、もし外壁に吹き付けを採用される方がいましたら、洗い出しと色味をそろえる、ということをしてみてもいいかもしれません。
ただし、今回の家の場合『あご出し』と呼ばれるステップ部分の仕上げも洗い出しになっているのです。
これは技術的にとても難しいことで、ここだけは簡単に真似できるポイントではありません。
現場の職人さんの技術力がどうしても必要です。
ですのでもし仮にあご出し部分を洗い出し仕上げにして、統一感を出したいと思われている方がいましたら、ハウスメーカー側に確認しつつ、綿密な打ち合わせをしていただければと思います。
ということで『外構のこだわりと真似できるポイント』として
- 植栽の配置の仕方
- 石
- 洗い出し
以上の3つを紹介しました。
「積水ハウス中庭のある家」の建物の仕様と真似できるポイント
最後に『建物の仕様と真似できるポイント』についてです。
まずは家の仕様についてですが、建物は積水ハウスの木造シャーウッドで、
外壁は吹き付け、色はオフグレーという色になっています。
屋根はカラーベストと呼ばれるスレート瓦のグリシェイドグラッサⅡを使用し、軒裏はサイディング仕様で『こたたき』と呼ばれる種類のものを使い、現地にて外壁に合わせてオフグレーの吹付塗装を行っています。
サッシは積水ハウスのオリジナルのSAJサッシを使っているのですが、
SAJサッシがどれだけ優れているかはこちらの記事でお話ししているので、気になる方は併せてご覧ください。
キッチンはキッチンハウス、
ユニットバスは積水ホームテクノ、トイレはTOTO、
床は1階、2階共にマルホンのナラの挽板(オイル塗装仕上げ)を採用し、
メインの壁材にはフジワラ化学の珪藻土の塗壁、シルタッチSNを採用。
クロスを使っている部分に関しては、シンコールというメーカーのSW4301を使い、
巾木にはHOSEIというメーカーのアルミLアングルACA-3-112ステンカラーを使っています。
この仕様を真似するだけでも、今回紹介した家にかなり近づけるとは思いますが、その他にも真似できるポイントとして、間取りの工夫を3つほど紹介したいと思います。
外壁の吹き付けと内装の塗り壁の色味を合わせる
まず1つ目が『外壁の吹き付けと内装の塗り壁の色味を合わせる』ということです。
基本的なことではあるものの、意外と知られていないこととして、実は室内に使う塗り壁は、色味を調合することが可能なのです。
ですので例えば、外壁を吹き付けにした場合、その外壁の色味と室内の塗り壁の色味が同じになるよう、色の調整が可能なのです。
へー!という感じですよね。
ですので今回紹介した家のように、内と外が一体となった空間をつくりたいのであれば、吹き付けと塗り壁を採用し、色の調合をすることを検討してもいいかもしれません。
ただし、塗り壁の素材によっては出しにくい色というのが存在します。
例えば漆喰と呼ばれるタイプの塗り壁は、どうしても白っぽい色味が強くなるので、落ち着いたトーンの色味を出すのが苦手です。
一方で珪藻土系の塗り壁は、落ち着いた色味を出しやすかったりするわけです。
このような感じで、塗り壁にもいろいろな種類があるので、どのような種類があるのかをしっかりと把握するようにしてください。
ちなみに余談ではありますが、塗り壁を探していると必ずといっていいほど、どの会社も『調湿性がある』とうたっています。
しかしそれは自称のケースもけっこうあり、実際はほとんど調湿性がない塗り
壁も世の中には存在します。
それを見分けるためには、JIS A6909という評価試験を行っている塗り壁かどうかを確認してみてください。
このJIS A6909という評価試験は、実際に調湿した水分量を評価する試験で、吸湿と排湿の振幅が70g以上ないと合格にならない試験なのです。
そういう意味では、以前からお伝えしている高千穂シラスの中霧島壁や漆喰くるむは、きちんとJISを取得しているので、非常に優秀な塗り壁ということになります。
塗り壁を選ぶときの基準として覚えておいてください。
天井や壁をきれいに見せることを意識する
続いて2つ目が『天井や壁をきれいに見せることを意識する』ということです。
家をおしゃれに見せるためには、きれいな天井面、きれいな壁面が必要不可欠です。
そのため例えば、天井面をきれいに残すために、ダウンライトは最小限に留め、メインは間接照明にする必要があります。
また、壁面をきれいに見せるためには、スイッチやコンセントを見えない位置に配置したり、あとは間接照明メインの照明計画にしたりする必要があります。
あと照明についても少し触れたのでお話をしておくと、照明計画に関しては正直担当者の経験がものを言う世界です。
ですので注文住宅の中でも特に難しい部分ではあるのですが……そのようなことを言っていても仕方ないので、皆さんも日頃から建物を見るときに、どこにいくつ照明がついていて、それが部屋全体を見たときにどれくらいの光量になるのか、早い段階でこれを意識しておくといいと思います。
でないと、無駄に照明をつけて天井面を汚すことになりかねません。
ご注意ください。
壁面の上部に空洞をつくる
そして最後に3つ目が『壁面の上部に空洞をつくる』ということになります。
これに関しては賛否両論あると思うのですが、壁面上部に空洞をつくることで
- 空間をより広く見せる効果
- 空調を各部屋に行き渡らせる効果
- 空洞部分から漏れ出す光によって空間がきれいに見える効果
これら3つの効果があるのです。
今回の家に関しても壁面の上部に空洞をつくることで、これら3つの効果を得ることができているわけです。
ただし一方で『音』に関してはどうしても筒抜けになってしまうので、使い所は慎重に考慮する必要があるかなとは思います。
とはいえ、覚えておいて損はない建築手法です。
いざという時はぜひともこの建築手法の活用を検討してみてください。
ということで、誰でも真似できるポイントとして、間取りの工夫を3つ紹介しました。
- 外壁の吹き付けと内装の塗り壁の色味を合わせる
- 天井や壁をきれいに見せることを意識する
- 壁面の上部に空洞をつくる
以上になります。
参考にしてみてください。
【住まいのレシピ】積水ハウス33坪の中庭のある家の間取りを解説のまとめ
なるべく皆さんが真似できるように噛み砕いて説明したつもりなので、本記事が皆さんの家づくりの一助になれば幸いです。
ただしどんなに勉強したとしても、最終的には担当者が誰なのか、この部分が大きく影響してきます。
事実、優秀な設計士は、
- どこに開口部を設けるのか考える
- 屋根の形はどうするのか考える
- 建物の断面図を作って高さを調整する
- 間取りを書く
ざっくり説明するとこの順番で設計をしていくのです。
ですので例えば、先ほども説明した通りで、今回の建物の断面図を見てもらえればわかるのですが、最初からどのような照明を入れるのか決めていますし、身長175cm以下の人の視線からでは家の中が見えないよう、建物の高さを上げる調整が最初からされています。
あとは植栽の位置関係も同様です。
最初から遠近感を感じられるように配置されていますよね。
このような感じで、優秀な設計士はそもそも普通の方と設計プロセスが異なるのです。
担当者によって建物の仕上がりが大きく異なるというのは、こういうことなのです。
こういう課題を解決するべく、担当者の力量を可視化できるネット版住宅展示場メグリエというサイトを運営しています。
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