今回は『【時代遅れ】失敗するハウスメーカーの特徴10選』というテーマでお話をしていこうと思います。
まずそもそも論として、これから家づくりをするであろう多くの方は、恐らく「ハウスメーカーって星の数ほど存在するけど、何がどう違うの?」と思われていると思います。
それもそのはずで、調べてみたらわかりますが、CMで一度は目にしたこと、耳にしたことのあるハウスメーカーもあれば、言い方は悪いですが「何それ?」と思うようなハウスメーカーも世の中には存在するわけです。
事実、大変失礼なのですが、地方に行くとすごくダサい名前の超小規模ハウスメーカーもありますからね。
ですので、これから家づくりをしようと考えている方は、どのハウスメーカーにどのような特徴があって、他のハウスメーカーと何がどう違うのか、この辺りは誰もが一度は悩むことのはずです。
ただ人生の中で家について真剣に考える機会は早々ないですよね。
そのため、考えてもよくわからなくなってくるのです。
そしてその結果として考えることに疲れてきて、最終的には「有名なハウスメーカーに任せておけば勝手に良い家に仕上がるだろう」と思ってしまうのです。
しかし違うのです。
有名なハウスメーカーであっても、時代遅れな家を提案していることが普通にあります。
それがこの住宅業界なのです。
ですので今回は『【時代遅れ】失敗するハウスメーカーの特徴10選』ということで、ガッツリ解説をしていきます。
この記事を読んでいただくことで、今検討しているハウスメーカー、もしくはこれから検討するであろうハウスメーカーが、時代遅れかそうでないかがわかるようになります。
この業界は何も知らない営業マンほど、なぜだかみんな口をそろえて「大丈夫です。」「その仕様はオーバースペックです。」と言うのですが、そんなものは営業マンが気合と根性と勘で言っているだけです。
完成した家が住み心地の悪い家だったり、無駄に光熱費のかかる家だったりしたら嫌ですよね?
後悔の念にさいなまれながらローンを払い続けるのも嫌ですよね?
何が本当で何が間違っているのか、それを皆さん自身で判断するためにも、自分の身は自分で守るためにも、本記事を最後までご覧いただければと思います。
- 失敗するハウスメーカーの特徴1:気密施工をしていない
- 失敗するハウスメーカーの特徴2:断熱等級が6以上になっていない
- 失敗するハウスメーカーの特徴3:日射取得・日射遮蔽が考慮されていない
- 失敗するハウスメーカーの特徴4:樹脂サッシが採用されていない
- 失敗するハウスメーカーの特徴5:第3種換気を提案してくる
- 失敗するハウスメーカーの特徴6:エネファームを提案する
- 失敗するハウスメーカーの特徴7:太陽光発電を載せていない
- 失敗するハウスメーカーの特徴8:床暖房をやたら推してくる
- 失敗するハウスメーカーの特徴9:蓄電池を提案しない
- 失敗するハウスメーカーの特徴10:次世代の工業化住宅が意識されていない
- 失敗するハウスメーカーの特徴10選のまとめ
失敗するハウスメーカーの特徴1:気密施工をしていない
正直、気密施工をしていないハウスメーカーはものすごい時代遅れになってきてしまっています。
感覚的には今の時代にブラウン管のテレビを見ている、といったそのくらいのレベルで遅れている感じですね。
ですのでハウスメーカー各社様に、早急に対応してほしいです。
「そもそも気密施工ってなんなの?」という人もいると思うので、そこから掘り下げる形でお話をしていくと、気密施工とは、簡単に説明するなら、家の隙間をふさぐ工事のことを言います。
「いやいや家に隙間なんか空いてるわけないじゃん、そんなのがあったら欠陥住宅だよ。」と思われた方もいるとは思いますが、実は目に見えないだけで、気密施工をやらないと、微細な隙間が家のあちらこちらにできてしまうのです。
家に隙間が空いた状態だとどうなるのかというと
- 夏のジメジメとした空気が隙間から侵入してくる
- 冬の乾燥した冷たい空気が隙間から侵入してくる
- 隙間風が邪魔して家の中の換気が上手くできなくなる
- 冷暖房が効きにくくなる
以上4つのデメリットが発生してくるわけです。
考えてみれば当たり前ですよね?
目には見えないだけで、家に隙間が空いているわけですからね。
ですので家の隙間という隙間を埋める気密施工は、本来ならばしなければならないのです。
しかし、ほとんどのハウスメーカーが気密施工をしていないのが現状なのです。
そのため、これから家を建てようとしている皆さんは、ハウスメーカー選びをする時の1つの指針として、気密施工をしているハウスメーカーなのか、気密施工をやっていないハウスメーカーなのか、この部分は見極める必要があるわけです。
ただこの話をすると必ずと言っていいほど「気密施工なんてやってもやらなくても変わらないですよ。」など、そんなことを言ってきそうなハウスメーカーやら、営業マンやらがいそうなのですが、それは気密施工がどれだけ重要か体感したことがないため言っているだけです。
実際、私の家は44坪くらいの木造住宅で、気密の良し悪しを表すC値が0.8になります。
基本的にC値1以下が高気密の家と言われているので、私の家も一応高気密の家と呼べるわけですが、湿度調整がとてもしやすいです。
私の家はとんでもなくばかでかい吹き抜けがあって、1、2階合わせると50畳くらいあると思いますが、なんと6畳用エアコン1台でこの大空間の温湿度が調整できてしまいます。
実際のグラフを見てもらえればと思うのですが、7月10日(月)の1日のLDKの温湿度がこちらになります。
設定温度25度の自動運転でつけっぱなしにしているのですが、料理や洗い物をする朝方や夕方、この辺りはどうしても室内の温度が上昇してしまうものの、それでも湿度60%を上回ることがないので、サラサラ快適な空間で過ごせています。
特に湿度が高いと、カビ、ダニ、ノミ、ゴキブリ、これらが発生しやすくなると言われています。
ですので、それら人体に有害な虫やら菌を発生させず、快適な空間を保つためには、
- 夏は体感温度27℃、相対湿度60%
- 冬は体感温度21℃、相対湿度50%
この温湿度に留めておくことが良いとされていて、それを保つための1つの手段として、気密施工があります。
高温多湿になってきている今の日本で、気密施工はもうマストなのです。
少しでも手間暇かけず快適な空間をつくりたいなら、気密施工をやっているかどうかを調べた上でハウスメーカー選びをしてください。
そしてまだ気密施工を取り入れていないハウスメーカー各社様は、本当にお願いします。
少しでも良い家を世の中に残すためにも、気密施工を取り入れてください。
このメッセージが届くことを祈っています。
失敗するハウスメーカーの特徴2:断熱等級が6以上になっていない
ハウスメーカーの中には、というか、営業担当者の中にはと言った方が正確だと思うのですが、断熱に対して無頓着な方がかなり高い割合でいます。
断熱というのは、外気の影響を受けにくくする性能のことで、具体的には断熱材の厚さや種類によって、建物の断熱効果というのは変わってくるのです。
ですので例えばですが、断熱材が厚ければ厚い分だけ、室内が外の熱の影響を受けにくくなりますし、それと同時に冷暖房の効きと保温力も良くなるわけです。
イメージ的には、サーモスの水筒がありますよね。
あれは保温力が高いことで有名ですが、断熱材が厚ければサーモスと同じように保温力の高い家を手に入れることができるということです。
このように水筒をイメージするとわかりやすいと思いますが、どう考えても夏場すぐにぬるくなってしまう水筒よりも、長時間キンキンに冷えた水やお茶が入っている水筒の方がいいですよね。
冬場も飲み物が温かい状態で長時間保てた方がいいですよね?
しかし多くのハウスメーカー、多くの営業担当者が断熱に関して非常に無頓着です。
それがなぜなのかというと、シンプルにアップデートができていないからです。
というのも、去年2022年10月から断熱等級の最高等級が7に引き上げになったのです。
それまでの日本は、断熱の最高等級が4だったのですが、それが制定されたのは実は1999年なのです。
そしてそこから約23年後の2022年3月までずっと同じ制度が維持されてきたのです。
これは考えてみるとかなりおかしなことで、例えばゲーム機のプレイステーションがあると思いますが、1999年から2022年のこの約23年間で、プレイステーション2からプレイステーション5まで進化しているわけです。
しかし、住宅はこの約23年間で、断熱性能に関しては全くといっていいくらい進化してこなかったわけです。
ですので感覚的には「今でもプレイステーション2で遊べますから大丈夫です。」と説明をされて、今の時代にプレステ2を売りつけられるというようなことが直近で行われていたということなのです。
確かに今でもプレステ2で遊べますが、わざわざそんなの買いたくないですし、普通に新しいプレステ5の方がほしいですよね。
しかし今まで23年間も変わってこなかったわけなので、当然、業界としても動きは遅いですし、営業担当者自身も断熱に関しては無頓着で、あたり前の状況になってしまっているわけです。
日本の経済を背負って立つ大手ハウスメーカーのはずなのに、制度が変わってもう半年以上経っているはずなのに、断熱等級4や5の家を未だに普通に提案してきます。
今の時代、断熱等級は6以上がマストです。
もし皆さんが担当営業マンに断熱等級4や5の家を提案されたら、一旦立ち止まって冷静に考えてみてください。
確かにハウスメーカー各社、新しい断熱仕様をリリースすることに対して対応が遅いですが、対応していないわけではないのです。
そう遠くない未来に新しい断熱仕様を出すはずなのです。
事実、公にはできないですが「断熱等級4の家でも大丈夫です。」「断熱等級5の家でも大丈夫です。」というような営業トークはその場限りのものだということがわかるはずです。
仮に「断熱等級4や5の家でも大丈夫です。」と言うなら、そう言い切れる根拠や対策方法を聞いてみてください。
もし無策なら、そのハウスメーカーや営業担当者は検討から外してもいいかもしれません。
失敗するハウスメーカーの特徴3:日射取得・日射遮蔽が考慮されていない
日射取得、日射遮蔽というのは簡単に言い換えると、夏は日差しを室内に入れず、逆に冬場は日差しを室内に入れることを言います。
要は「建物のデザインでこれらをコントロールしましょう!」という話なのですが、この話だけ聞くと「そんなの当たり前じゃん!!」「別に自分達が意識しなくてもハウスメーカー側が勝手にやってくれるんでしょ。」と思われると思います。
確かにその気持ちもわかるのですが、実は意外と考慮されていないことが多いのです。
そもそもの話として、日差しのことを考える際に、窓の配置や数が重要になってくるわけです。
これはなんとなくイメージできますよね?
窓が多ければそれだけ日の光が入ってきやすくなるわけですし、
逆に窓がなければ当然、日の光は入ってこないわけです。
原理原則で言えば、窓は南面には大きく開口を設けて、それ以外の北、東、西には窓をあまり設けないというのがベストなのです。
窓を付けた分だけ断熱性能が落ちる
理由は2つあり、1つ目は窓を付けた分だけ断熱性能が落ちるからです。
具体的に説明をすると、よく使われる窓に
- 樹脂サッシのトリプルガラス
- 樹脂サッシのペアガラス
- アルミ樹脂複合サッシのペアガラス
これら3つがあるわけですが、それぞれの窓の熱貫流率と熱抵抗値というものを出して、住宅の壁によく使われる高性能グラスウール24k 100mmに換算した場合、
- 樹脂サッシのトリプルガラス 30.3mm
- 樹脂サッシのペアガラス 17.8mm
- アルミ樹脂複合サッシのペアガラス 12.7mm
となるのです。
難しい計算式については今回省きますが、とにかく窓をグラスウールに換算すると、いくら窓の性能を上げたとて、壁の断熱性能には勝てない、ということがわかると思います。
窓は無駄に付ければ付けるだけ、家の断熱性能は落ちてしまいます。
そのため夏場は家の中が暑くなり、冬場はその逆で家の中が寒くなりやすくなるわけです。
ですので、南面には大きく開口を設けて、それ以外の北、東、西には窓をあまり設けないというのがベストだということです。
これが1つ目です。
昔と違って窓を開けて換気しない
次に南面には大きく開口を設けて、それ以外の北、東、西には窓をあまり設けない理由の2つ目は、昔と違って窓を開けて換気しないからです。
これがどういうものか、具体的にお伝えをすると、例えば日本の家づくりではよく「風が抜けるようにしないと湿気が抜けない」、「湿気が抜けないと家の中がカビる」、そういう考えから、東西や南北など、直線で風が抜けるように窓を配置することがあります。
しかし今は24時間換気システムという機械が存在するので、そもそも窓を開けて換気をすること自体がないのです。
しかも皆さんもイメージしてもらえればわかると思いますが、今の日本は高温多湿な環境です。
ですので、窓を開けて「外の空気が気持ちいい」と感じる期間があまりにも短すぎるわけです。
事実、11~2月の外気は寒いし乾燥するしで、窓を開ける人はほとんどいないはずです。
3~4月は温かくなりはするものの、3月はスギ、4月はヒノキの花粉が飛びます。
家族に1人でも花粉症の人がいるなら、窓は開けられないと思います。
5月はかろうじて開けられるかなといった感じだと思います。
6月は梅雨に入るので、窓を開けた日には室内の湿度90%といったことも十分にありえます。
7〜9月は、夏で気温が高くて湿度も梅雨と大差ない状態なので、基本的にエアコンを使って過ごしているはずです。
10月は、天気がよければ開けられると思いますが、台風が多い時期ですよね。
このようにみていくと、まともに窓を開けられるのは5月くらいしかありません。
10月も多少窓を開けることはできますが、それでもだいたい1年のうち10ヶ月は開けられない期間なわけです。
こういった事実があるにも関わらず、皆さんは通風のために窓をつけようと思いますか?
思いませんよね?
これが、南面には大きく開口を設けて、それ以外の北、東、西には窓をあまり設けない理由の2つ目になります。
ということで、
- 窓を付けた分だけ断熱性能が落ちる
- 昔と違って窓を開けて換気しない
これら2つの理由があって、原則南面には大きく開口を設けて、それ以外の北、東、西には窓をあまり設けないというのが窓を設置するときの原理原則なのですが、やはり、窓をたくさんつけたくなってしまう方が多いのです。
確かに意匠性を考えると、窓がたくさんあった方がオシャレに見える場合もありますし、ハウスメーカー側からすると、部屋が暗いというクレームを受けるくらいなら、思い切って明るすぎるくらいの空間をつくってしまおうという気持ちになるのもわからなくはありません。
ただ元々断熱性能の低い家の場合、窓を付けた分だけ、より断熱性能が低下していきます。
いわゆる高気密高断熱の住宅であったとしても、余計な窓をつけたことで、夏場の日差しが家の中に入ってきてしまったとします。
そうすると、せっかく冷房で冷やしているのに、室内の温度が上昇して、それが保温されてしまいます。ですので冷房が効かなくなるのです。
日差しはコタツ1台分くらいの熱量があると言われています。
逆に冬場は日差しが入ってきた方がいいのですが、とにかく窓は家の日射取得、日射遮蔽を考慮する上で非常に重要な要素だということです。
それ以外にも、軒を深く出す、軒が深く出せないのであれば庇(ひさし)を出す、
それも難しいなら、落葉樹を植えて日差しをコントロールするなど、日射取得、日射遮蔽の方法はいろいろあります。
家の快適性に直結する部分になるので、皆さん自身できちんと確認するようにしてください。
失敗するハウスメーカーの特徴4:樹脂サッシが採用されていない
こちらも大枠から説明していくのですが、サッシ、つまりは窓枠には大きく分けて4種類存在します。
それが
- アルミサッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- 樹脂サッシ
- 木製サッシ
以上の4つです。
今日本で主流なのがアルミ樹脂複合サッシと呼ばれるものなのですが、実はこんなにもアルミ樹脂複合サッシが使われているのは日本だけなのです。
実際、私は以前に海外出張を多く経験している方の家づくりに携わったことがあるのですが、その方曰く、こんなにアルミサッシを使っている国は他にはないそうです。
しかもハンガリーでは、コンテナハウスですら樹脂サッシが使われているそうで、日本の住宅はハンガリーのコンテナハウス以下だという話を聞かせてもらったこともあります。
それを聞いた私は少しショックだったのですが、日本は地震が多いので、どうしても耐久性の高いアルミ樹脂サッシが採用されがちなのはわかりますし、大開口をつくって意匠性を整えるということを考えると、樹脂サッシよりもやはりアルミ樹脂サッシの方が優れているのです。
ですので双方一長一短あるなと私は思っているのですが、一長一短あるからこそ使い分けが必要なのだと思っています。
具体的には
- 南面のメインの大開口はアルミ樹脂複合サッシ
- それ以外の寝室などの所に関しては樹脂サッシにする
という使い分けです。
これに関してもう少し詳しく説明すると、アルミ樹脂複合サッシで大開口をつくる場合、サッシ部分の面積とガラス部分の面積を比較してみてください。
するとガラス部分の面積の方が圧倒的に多いのがわかると思います。
つまり大開口をつくる場合、サッシ部分を強化するよりもガラス面を強化した方が窓全体で見た時の断熱性能は高くなるということです。
一方で主寝室などにつける小さい窓の場合、ガラス面が小さくなり、逆にサッシ部分の面積が大きくなってきます。
ですので、その場合は樹脂サッシにした方が窓全体の断熱性能は高くなるわけです。
大開口をつくる場合、窓全体で考えると、アルミ樹脂複合サッシで窓をつくった方が断熱に有利な場合も存在しますし、そうでなく建売につけるようなよくある窓のサイズの範囲内で家づくりをするなら、樹脂サッシの方が有利になる場合もあるのです。
ですので
- 南面のメインの大開口はアルミ樹脂複合サッシ
- それ以外の寝室などの所に関しては樹脂サッシ
という使い分けが私は重要だとは思うのですが、そもそもそれすらも考えずに、「窓=アルミ樹脂複合サッシ」という思考停止状態で窓を提案しているハウスメーカーや営業担当者が多い状況です。
窓のメーカーのYKKAPは今、樹脂サッシよりも性能が良いとされる木製サッシの開発に着手していて、それももう少ししたら発売になります。
時代はどんどん進んでいるのですが……、窓はそんなに簡単にリフォームできる部分ではないので、皆さん自身で後悔のないように判断してください。
失敗するハウスメーカーの特徴5:第3種換気を提案してくる
第3種換気は外気をそのまま室内に取り入れて、機械で室内の空気を排気する換気方法のことを言います。
これは外気をそのまま取り入れるので、夏は高温多湿の空気を室内に取り入れることになりますし、冬は乾燥したカラカラの空気をそのまま室内に取り入れることになるのです。
ですので、省エネという観点から考えると、経済合理性が悪いです。
さらに第3種換気は、家の壁部分にたくさん穴を開けることになるので、家の気密性能も悪くなってしまうのです。
どこのメーカーさんとまでは言いませんが、本当に第3種換気一辺倒の提案はやめてほしいなと思っています。
仮に第3種換気を提案するなら、しっかりと設置した後のことも考えて提案してほしいのです。
第3種換気を提案するなら、家の気密性はきちんと担保されていないと室内の換気ができなくなるので、気密は取れているということとその根拠は提示してほしいです。
さらにその上で、エアコンの真上に第3種換気の給気を持ってくるように配置するなどです。
そうすれば、外から取り入れた空気をエアコンが直接取り入れて吐き出す流れができますし、気密が取れていれば負圧できちんと室内が換気できるようになるのです。
この辺りの考えなしに、ただただ安いからという理由で第3種換気を提案してくるハウスメーカーや営業担当者は、時代遅れと言っても過言ではないと思います。
失敗するハウスメーカーの特徴6:エネファームを提案する
エネファームは正直おすすめしません。
もし今打ち合わせ中の方がいましたら、すぐにでも取り外すことをおすすめします。
なぜなら多くの方が思っている以上に、日々の光熱費が高くなる可能性があるからです。
これがどういうことか説明するために、大枠の部分から説明をしていこうと思うのですが、そもそもエネファームという給湯器は簡単に説明をすると、ガスを分解した時に出る熱と、電気を利用することによって、お湯を沸かしつつ発電をするというものになります。
ですので例えば、エネファーム自体が発電するので、災害時は多少電気が使えて便利と言われていますし、電気とガスを併用して使うので、日々の光熱費が抑えられると言われていたりします。
実際、エネファームのパンフレットにはものすごく快適そうな写真が掲載されているので、雰囲気的にエネファームを入れれば快適に過ごせそうな気がしますし、光熱費が抑えられるような気もしてくるのです。
本当のところはどうなのかというと、先ほどもお伝えしたように、多くの方が思っている以上に、日々の光熱費が高くなっています。
というのも、ハウスメーカー各社が採用を推奨してくるエネファームは、パナソニック製のものになります。
パナソニック製のエネファームは、特徴として学習機能というのがついているのですが、この学習機能は、大量にお湯を使う時間を逆算して、タンクの中の水を60度に温めるという機能なのです。
これだけ聞くと何だか耳障りが非常にいいのですが、実際この学習機能がかなり怪しくて、けっこう長い時間、ダラダラお湯を沸かしながら発電しているのです。
つまりその間にガスが垂れ流しになっているということです。
また例えば19時にお風呂に入るので、それに向けてエネファームがタンク内にお湯をつくり始めたとします。
それで溜まったタンク内のお湯を浴槽に使ったとします。
すると当然、使ったお湯の分の水量を埋めるべく、水道水が補充されるわけです。
ここまでは何となくイメージできると思います。
ただ図を見ると、その補充された水は、都度都度発電しながらお湯に変換されていると思ってしまうと思いますが、実はこれ、半分正解で半分不正解になります。
というのも、タンク内が水の状態ですぐにお湯が必要な場合は、エネファーム内に入っているバックアップ熱源機が、ガスを使ってお湯をつくる仕組みになっているのです。
そしてこのバックアップ熱源機というのは、かっこいい名前にしてわかりにくくしているだけで、正体はガス給湯器のエコジョーズなのです。
つまり、タンクのお湯が無くなった後、さらにお湯を使おうとしてシャワーなどを使用すると、発電しながらお湯をつくりつつ、同時にバックアップ熱源機というカッコよく改名しただけのエコジョーズも稼働するので、2重でガスを使うハメになるのです。
ガス料金の低い一昔前でしたら、それでもお得だったのかもしれませんが、今はガス料金が高騰しています。
この仕組みのせいなのか、エネファームを導入している方の光熱費は電気とガス合わせて4万円から4万5千円くらいしていました。
月々4万円から4万5千円の光熱費は、住宅ローンを2,000万円から2,500万円組んでいるのと変わらないのです。
こう考えるとなかなかのインパクトですよね。
さらにエネファームを入れると床暖房がお得というような営業トークをしてくる住宅営業マンもいるのですが、全然お得ではありません。
お得に使える場面というのはかなり限定的なのです。
図を見ると「熱交換」と書いてありますよね。
要はこれはタンクに入っているお湯の熱が床暖房の熱源になっている不凍液を温め、循環しますよ、というものなのです。
つまり、タンク内にお湯がなく、中の水が温まっていない時というのは、エネファーム内のエコジョーズが普通に起動して、タンク内の水を温めることで床暖房を起動させているのです。
これは普通にガスを使って床暖房を起動させているだけで、発電していないのです。
仮に発電していたとしても、またダブルでガスを使うことになります。
全然、お得ではないですよね。
では、「床暖房をお得に使うためにはどうしたらいいんだ?」という話なのですが、これはかなり限定的な話になります。
先ほどもチラッと説明しましたが、エネファームは大量のお湯を使う時間を逆算して、タンクの中の水を60度に温めます。
つまりそのお湯をつくっている時間帯に床暖房を使えば、確かに、副次的に得られる熱でお得に床暖房を使えるかもしれません。
しかしこれはほとんどの場合、現実的な時間帯ではないのです。
イメージしやすいようにお伝えをすると、例えば19時の入浴のために、エネファームが17時から起動するとします。
すると17時から19時までの間の2時間は、効果効率的に床暖房を使える時間ということになるわけですが、逆を言えばそれ以外の時間に床暖房を使うと、エコジョーズがただただフル稼働しているだけということになるのです。
夕方の時間はバタバタしていることが多く、そもそも家にいないなんて場面も普通にあるでしょうから、いかにこの仕組みが現実的でないかがわかると思います。
ですので一言でまとめると、エネファームという給湯器は、ガス屋が効果効率的に儲けるための機械であって、仕組みを知らないで導入すると完全に搾取さる給湯器だということです。
とにかくエネファームは、知れば知るほど怪しい機械なので、採用することを検討しているなら、諸々慎重に判断するようにしてください。
「では一体どのような給湯器がいいんだ?」
という話だと思うのですが、結論
- オール電化にするならソーラーチャージ機能付きのエコキュート
- ガスと電気の併用をどうしてもしたいならエコワンのハイブリット給湯器
これらになります。
特に最近ではカンタくん需要も多いので、エコワンのハイブリット給湯器160Lがベストな選択肢かなと思います。
ぜひとも覚えておいてください。
失敗するハウスメーカーの特徴7:太陽光発電を載せていない
失敗するハウスメーカーの特徴7つ目は『太陽光発電を載せていない』です。
これもハウスメーカーというよりは、そこに勤めている営業担当者個人ベースでの話になるとは思うのですが、今の時代、太陽光を載せるのはマストだと思っています。
理由はシンプルに電気料金の値上げです。
これによって今かなり電気料金が上がっていますし、今後さらに値上がりするような話も出ています。
それを考えたら、間違いなく太陽光は載せておいた方がいいのですが、今でも時々見かけるのが金額削減のために太陽光を外す提案をする担当者です。
確かに太陽光を完全に載せなければ、それだけで100万円から200万円近い金額を削ることはできるのですが、
それはお客さんのための提案というよりかは、契約を取るための提案のような気がするのです。
言い方は悪いですが、太陽光を削ってまでカツカツな状態でそのハウスメーカーと契約をするくらいなら、振り切って他のハウスメーカーと契約をすることをおすすめします。
失敗するハウスメーカーの特徴8:床暖房をやたら推してくる
床暖房と聞くと、なんとなく「便利そう」「快適そう」「暖かそう」と思うと思いますが、確かにその通りなのです。
あったらあったで便利なのです。
しかしやはりその代償として、光熱費がかかるのです。
特に最近の床暖房は、ガス温水式の床暖房を入れることがほとんどなので、エネファームとの合わせ技で提案されることになります。
エネファームは先ほどもお伝えしましたが、ガス代がかなりかかります。
ですので、ガス会社もそれを分かってなのかどうだかわからないですが、エネファームを入れると床暖房がタダになるキャンペーンなどを頻繁にやっているのです。
つまりこれは、「床暖房にかかる費用を負担します」というのを餌にエネファームを入れてもらって、その後は中長期的に床暖房の費用を回収するというビジネスモデルになっているということです。
しかも一度床暖房を入れる仕様で家を建ててしまったら、ガス会社からすると、その後数十年間ガス代を払い続けていただける永久期間が完成したのと等しいわけです。
そりゃ、床暖房を無料にしてでもガスを使ってもらうよう仕向けますよね。
ただよくよく冷静に考えてみるとわかりますが、床暖房をつけずとも快適にいられる空間をつくることの方が先ではないですか?
そちらにお金をかけた方がコスパがよくないですか?
という話なのです。
「床暖房が無料!しかも金額にして40万円もお得になる!これは入れるしかない!」と思ってしまいがちですが、今後数十年間損する可能性が大きいので、床暖房を提案されたらこちらも冷静に判断するようにしてください。
基本的には床下の断熱性能を上げることの方が先です!
ちなみにこの話をすると、「I条工務店も床暖房やってるじゃん!!」「そこを否定するのか!!」という、知っている人からするとそんな意見が出てきそうなのですが、あれは今の日本だと床暖房を入れた方が商品のイメージが良くなるのと、そっちの方が売れるので床暖房を入れている、と偉い人が言っていました。
そもそもI条工務店の床下の断熱材はかなり分厚いので、床暖房はつけなくても過ごせる仕様になっているのですが、要はI条工務店のマーケティングにハマっているということですね。
失敗するハウスメーカーの特徴9:蓄電池を提案しない
今まで金額が高いから、ということであまり提案がされてこなかった蓄電池ですが、ここ最近の電気料金の高騰と、あとはあまりエネファームが使えないということ、この2つの理由があって、アンテナの高い営業マンは蓄電池を提案することが増えてきています。
というのも、やはり蓄電池があることで、電気料金を抑えることができますし、何より停電時や災害時に非常に便利なのです。
具体的には、例えばまたエネファームの話になりますが、エネファームはそれ自体が発電するため、災害時や停電時に便利ですよ、と言われています。
しかしそもそもエネファームは、700wまでしか発電できないのです。
災害時や停電時は、まず先に冷蔵庫を起動させたいわけですが、冷蔵庫は大きさによっては、立ち上げに1,000wくらい使います。
つまり何が起きるのかというと、一瞬だけ冷蔵庫を立ち上げることができますが、その後すぐに電源が落ちてしまうのです。
またすぐに一瞬立ち上がりますが、その後またすぐに電源が落ちてしまいます。
つまり本来エネファームは、災害時や停電時の発電が売りにも関わらず、機種によっては永遠に冷蔵庫が使えない、という状況になるわけです。
これは災害時や停電時にけっこう死活問題になるのではないのかなと私は思うのですが、皆さんはご存知でしたか?
こういうデメリットがあるなら、そもそもエネファームなんて選ばず、それこそ、エコキュートやエコワンを選びますよね?
ただエコキュートやエコワンには発電機能がないので、そこに別途蓄電池が必要になってきます。
そういう背景があるので、最近アンテナの高い営業マンは、蓄電池を提案し始めているのですが、ここでネックになってくるのが蓄電池は今相場で大体5kwで120万円から150万円くらいするのです。
まぁまぁ高いですよね。
そのため導入するべきかどうか、非常に悩むところではあります。
ただ1つだけ断言します。
今すぐに蓄電池を入れる、入れないは別として、配線だけは最初の段階から通してもらうようにしてください。
でないと後々になって蓄電池を入れようとした時に、配線工事だけでなんと200万円以上かかります。
さらにそこに蓄電池代がかさむわけなので、すごくコスパが悪いのです。
ですので、間違いなく最初の段階から蓄電池は入れてしまった方が得にはなりますが、そこはお財布との相談になると思うので、ゆくゆくのことを考えて配線だけは確実に入れるようにしてください。
失敗するハウスメーカーの特徴10:次世代の工業化住宅が意識されていない
これは、すこしぶっちゃけた話をするのですが、個人的にハウスメーカーは立ち位置的にかなりヤバイ状況にあるのではないのかなと思うのです。
どういうことかというと、そもそもハウスメーカーは戦後家がない時に、家を安く大量生産する目的でできた企業です。
ただ時代と共に家の供給数が増えたことにより需要が減り、さらには人口減少によってこの住宅業界は斜陽産業になってしまったわけです。
昔と状況が大きく変わってきているのです。
そのような状況にも関わらず、さらに断熱に関しても国の基準が変わらないからというのを理由に、約23年間もの間ほとんど変化してこなかったわけです。
ですので状況はますます深刻になっているというのが昨今の状況なのです。
これらの状況を鑑みると、正直、今の時代にあった次世代の工業化住宅を牽引しているのは一条工務店なわけです。
そして、その他のハウスメーカーはというと、
- 一条工務店同様に、耐震性・耐火性・断熱性・気密性、これらが整った次世代の工業化住宅をつくり、シェアの奪い合いに参入する
- 耐震性・耐火性・断熱性・気密性、これらを整えた上で、さらにデザインという付加価値をプラスした脱・工業化住宅を目指して高単価受注を狙っていく
このどちらか、あるいは両方を戦略的に狙っていかないといけなくなっているわけです。
なんならこのことに気がつかず、次世代の工業化住宅をつくることができないなら、今後、工務店で建てる人が増えてくるでしょうし、そうなるとハウスメーカーは、オープンハウスや飯田産業のような建売業者に成り下がる未来もあるのではないのかなと思っています。
現に今、ハウスメーカーと工務店が競合することも増えてきています。
ハウスメーカーは立ち位置的にかなり厳しい状況にあるというのはそういうことで、いち早くその辺を察知して対応した
- 積水ハウス
- ダイワハウス
- 三井ホーム
この辺りはさすがだなと思います。
ただその他のメーカーも、2024年の4月には新しい仕様を出すような、出さないような情報が入ってきているので、この辺りの競争は今後激化するのではないのかなと思っています。
これから家づくりをされる皆さんは、住宅業界が今、このような状況なのだということを理解していただきつつ、ハウスメーカー選びをしていただければと思います。
失敗するハウスメーカーの特徴10選のまとめ
今回は『【時代遅れ】失敗するハウスメーカーの特徴10選』というテーマでお話をしてきました。
まとめると
- 気密施工をしていない
- 断熱等級が6以上になっていない
- 日射取得日射遮蔽が考慮されていない
- 樹脂サッシが採用されていない
- 第3種換気を提案してくる
- エネファームを提案する
- 太陽光発電を載せない
- 床暖房をやたら推してくる
- 蓄電池を提案しない
- 次世代の工業化住宅が意識されていない
以上の10個となります。
ハウスメーカーはどこも同じではありません!
仕事でもなんでもそうですが、先々のことを正確に見据えて行動できた人ほど得することになります。
皆さんの家づくりが成功することを祈っております。
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