【2023年最新】プロが選ぶ防音性・遮音性が高いハウスメーカー4選

2023年最新プロが選ぶ防音性・遮音性が高いハウスメーカー4選 はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約10分で読めます。

『プロが選ぶ防音性・遮音性が高いハウスメーカー4選』というテーマでお話をしていきます。

そもそも一戸建ては、マンションなどと比較すると、音を通しやすい傾向にあります。

ですので例えば、音に関することを何も考えずに注文住宅を購入して、いざ戸建てに住んでみたら思いのほか外からの音が聞こえてきて気になる、ということがよくあるのです。

やはり実際にそこに住んでみないとわからないことはどうしてもあります。

実際、私が運営しているメグリエから個別面談を申し込んでくださったお客さんで「自宅の目の前の道路が朝と夕方に車の抜け道になっていてうるさい。だから新築を建てるなら静かな家を建てたい。」という方がいました。 では、具体的に各ハウスメーカーのどこを見れば遮音性がわかるのかというと、それは実は外壁の厚さと断熱材の厚さなのです。

遮音性能がわかるポイントは外壁の厚さと断熱材の厚さ

言われてみれば当然だなと思うと思いますが、例えばマスクをしている人と会話する場面を思い浮かべてみてください。

マスクをしている人との会話は聞こえにくいですよね。あれは声から発せられる音の振動をマスクが遮っているため聞こえにくいのです。

マスクの人の声は聞こえにくい

それと同じで、建物も外壁の厚さと断熱材の厚さによって音の振動が遮られるのです。

それにより遮音性が向上します。

つまり、遮音性を気にするなら最優先で確認するべきは、外壁の厚さと断熱材の厚さとなるわけです。

遮音性能がわかるポイントは外壁の厚さと断熱材の厚さ

防音性、遮音性が高いハウスメーカーは、壁が厚いハウスメーカーと言い換えることができるわけです。

今回は、プロが選ぶ防音性・遮音性が高いハウスメーカー、つまり、壁が厚いハウスメーカーを紹介していきます。

これから家づくりをされる方で、特に音に関して気にされる方は、ぜひとも最後までご覧ください。

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防音性・遮音性が高いハウスメーカー1:ヘーベルハウス

ヘーベルハウス

まずはヘーベルハウスです。

遮音、防音といったら安定のヘーベルハウスというのが私の印象です。

ヘーベルハウスの家

そんなヘーベルハウスですが、外壁のヘーベル板が75mm、断熱材のネオマフォームが60mmという壁構成になっています。

ヘーベルハウスの外壁のヘーベル板が75mm、断熱材がネオマフォームが60mm

これは一昔前でしたらかなり分厚い壁構成だったのですが、今だと断熱等級改正の影響で高気密高断熱化がトレンドになってきています。

ですのでそれに伴ってハウスメーカー各社、壁厚が徐々に厚くなってきているのです。

そういったこともあって、ヘーベルハウスだけが壁厚があるわけではなくなってきていますが、それでも遮音、防音に関しては、今でも抜群の性能を誇っている感じです。

ではなぜヘーベルハウスは遮音、防音に関して優れているのかというと、それはヘーベルハウスが使っているヘーベル板と呼ばれる建材に秘密があるのです。

ヘーベル板

というのも、ヘーベル板は通称『軽量気泡コンクリート』と言われ、内部に微細な気泡を内包しています。

軽量気泡コンクリートの内部

そしてその微細な気泡が音を吸収するため、高い遮音効果を発揮してくれるわけです。

実際にその優れた遮音・防音性能から、実は積水ハウスやパナソニックホームズでも、1階と2階の間の遮音材としてヘーベル板を使うケースもあるのです。 それだけ遮音性能が高い建材が家全体に使われているので、必然的に遮音性能も高くなるわけです。

ヘーベルハウスの住宅

ですので、都心部で交通量の激しい立地で家を建てる場合や、近くに学校があるところに家を建てる場合など、遮音、防音が必須の土地で家づくりをする場合は、真っ先にヘーベルハウスを検討に入れるようにしましょう。

防音性・遮音性が高いハウスメーカー2:パナソニックホームズ

パナソニックホームズ

次はパナソニックホームズです。 パナソニックホームズは有名なパナソニックのグループ企業になるわけですが、個人的には安心・安定なパナソニックホームズという感じです。

パナソニックホームズの住宅

メインの構法であるHS構法の断熱材は、

  • 屋根:ロックウール 210mm
  • 壁:ロックウール 105mm(ハイグレード仕様ロックウール160mm)
HS構法の断熱材
・	屋根:ロックウール 210mm
・	壁:ロックウール 105mm(ハイグレード仕様ロックウール160mm)

で70dBの音を20dBまで軽減。

もう1つのF構法の断熱材は、新しい断熱仕様のハイグレード断熱ⅡSという仕様にすると

  • 屋根 高性能グラスウール210mm
  • 壁 ロックウール75mm+フェノールフォーム20mm
F構法のハイグレード断熱ⅡSの仕様
・	屋根 高性能グラスウール210mm
・	壁 ロックウール75mm+フェノールフォーム20mm

で70dBの音を30dBまで軽減してくれるとされています。

これは幹線道路の騒音を木の葉が触れ合う音くらいまで軽減してくれるというレベルの遮音性能で、業界の中ではかなり良い方です。

幹線道路と木の葉

さらに室内の部屋同士の音へも配慮されており、遮音間仕切り壁の中にはロックウールを25mm入れることで、部屋同士の音は35dB軽減してくれます。

遮音間仕切り壁の中にはロックウール25mmを入れることで、35dbまで部屋同士の音を軽減できる

さらにさらに、HS構法であれば、先ほどヘーベルハウスの解説部分でも少し触れましたが、2階の床にはヘーベル板が入るため、遮音性を高めてくれます。

ヘーベル板

それでも足りないという方は、オプションでQON50という遮音複合システムを入れることも可能です。

床遮音複合システムQON50

実を言うと、私は以前にパナソニックホームズが建てたマンションに住んでいました。

パナソニックホームズのマンションの仕様は戸建てとほぼ変わらないのですが、本当に遮音性は高かったです。

家の中にいると雨が降っていることに気がつかないことも多々ありましたからね。

防音性・遮音性が高いハウスメーカー3:積水ハウス

積水ハウス

続いて積水ハウスです。

積水ハウスはここ最近、断熱材の強化をおこなってきました。

具体的には

  • グリーンファーストゼロ・スーペリア
  • グリーンファーストゼロ・プラスアルファ

といったような新断熱仕様を出している感じです。

積水ハウスの住宅

グリーンファーストゼロ・スーペリアもグリーンファーストゼロ・プラスアルファも、今までの積水ハウスでは考えられなかったくらい、断熱材が分厚く入っています。

少し話が逸れるのですが、グリーンファーストゼロ・スーペリア、こちらの仕様は実は気密ラインの取り方が一条工務店と同じなのです。

ですので、断熱気密を意識しつつ、デザインとの両立を図るなら最適な仕様だったりするのです。

このように、ここ最近、積水ハウスはかなり進化してきているのですが、話を戻しまして断熱材の強化、それに伴って壁厚が厚くなってきており、副次的に遮音性能、防音性能が高くなってきている、といった感じです。

断熱材の強化=壁が厚くなる=遮音・防音性能が上がる

さらに積水ハウスの鉄骨住宅は、厚さ60mmのダインコンクリートが採用されています。

厚さ60mmのダインコンクリートの使用例

ですので、木造のシャーウッドももちろん遮音性能、防音性能共に高いのですが、それよりもさらに鉄骨住宅の方が遮音性能、防音性能が高くなっているという状況です。

もうここまでくると、感覚的には追いオリーブのような感じなのです。

つまり、遮音性能も防音性能も「そこまでいる!?」という状態になってきてしまっているということです。

基本的には自分が建てるエリアがどんな立地なのか、それを考慮して構造躯体を選んでもらえればと思うのですが、とにかく遮音、防音が最優先でできる限り性能を高めたいということであれば、積水ハウスの場合、鉄骨住宅を選択していただき、さらに

  • グリーンファーストゼロ・スーペリア
  • グリーンファーストゼロ・プラスアルファ

このどちらかの仕様を選んでもらえればと思います。

積水ハウスの住宅

防音性・遮音性が高いハウスメーカー4:ダイワハウス

ダイワハウス

最後に、ダイワハウスです。

ダイワハウスの住宅

ダイワハウスは、ダイワマンや松坂桃李をCMで起用していることで有名なハウスメーカーですが、80dBの音を30dBにまで低減できると公式が謳っています。

80dBの音を30dBまで軽減できるダイワハウスの外壁

これは例えるなら、地下鉄の車内の音を、深夜の静まり返った住宅街くらいまで騒音を軽減するレベルなのです。

地下鉄と深夜の住宅街

これを聞くと「本当かよ。」と思われると思うので、実際にダイワハウスの鉄骨の商品であるxevoΣのエクストラV断熱仕様、こちらを見ていくと

ダイワハウスxevoΣの住宅
  • 天井:セルロースファイバー25k 300mm
  • 壁:グラスウールボード100k 12mm+高性能グラスウール14K 172mm 
  • 床:硬質ウレタンフォーム 60mm
xevoΣエクストラV断熱
天井:セルロースファイバー25k 300mm

壁:グラスウールボード100k 12mm+高性能グラスウール14K 172mm 

床:硬質ウレタンフォーム 60mm

になって、壁厚に関しては、合計で184mmもの厚さになるのです。

そこにさらに外壁がプラスされるわけなので、なんとなくすごそうというのは伝わりますよね?

事実、先ほどお伝えしたヘーベルハウスの壁構成が、ヘーベル板75mm、断熱材のネオマフォーム60mm、合計135mmでしたので、ダイワハウスの方が遮音性・防音性が優れているのがわかると思います。

xevoΣエクストラV断熱
壁:グラスウールボード100k 12mm+高性能グラスウール14K 172mm 
ヘーベルハウス
外壁:ヘーベル板75mm
断熱材:ネオマフォーム 60mm

床:硬質ウレタンフォーム 60mm

さらにダイワハウスの木造、xevoGranWood、こちらで新しく出たウルトラW断熱は

  • 外張断熱部分:押出ポリスチレンフォーム90mm
  • 充填断熱部分:アクリアウールα 36k 105mm+20k 89mm 

天井

  • 高性能グラスウール20k 400mm

床下断熱

  • 硬質ウレタンフォーム200mm+大引き上断熱材15mm+断熱浴槽
xevoGranWoodウルトラW断熱は

壁:外張断熱部分:押出ポリスチレンフォーム90mm

充填断熱部分:アクリアウールα 36k 105mm+20k 89mm 

天井:高性能グラスウール20k 400mm

床下断熱:硬質ウレタンフォーム200mm+大引き上断熱材15mm+断熱浴槽

という断熱構成になっていて、壁厚が合計194mmにもなるのです。 「家は、性能。」のキャッチフレーズで有名な一条工務店の壁構成が

一条工務店
  • 外張断熱部分:高性能ウレタンフォーム50mm
  • 充填断熱部分:高性能ウレタンフォーム140mm

合計190mmなので、単純な断熱材の厚さだけで言えば、ダイワハウスのxevoGranWoodから出た新しい断熱仕様、ウルトラW断熱の方が上ということになります。

xevoGranWoodウルトラW断熱

壁:外張断熱部分:押出ポリスチレンフォーム90mm
充填断熱部分:アクリアウールα 36k 105mm+20k 89mm 

一条工務店
外張断熱部分:高性能ウレタンフォーム50mm
充填断熱部分:高性能ウレタンフォーム140mm

つまりそれに伴って、ウルトラW断熱は、遮音性能も防音性能も優れているということです。

このような感じでダイワハウスは今、積水ハウスと同様に断熱気密とデザインの両立ができる企業というポジションを狙って、社内改革がバンバン進んでいます。

正直、いろいろと課題はありますが、それに関しては以前にアップしたダイワハウスの解説記事の通りです。

ただ、本社の皆様が本当に頑張っていろいろと動いてくれているので、今後大きく変わっていきそうな感じはしています。

そのような状況ではありますが、ダイワハウスが気になるという方は検討してみてもいいかもしれません。

【2023年最新】プロが選ぶ防音性・遮音性が高いハウスメーカー4選のまとめ

プロが選ぶ防音性・遮音性が高いハウスメーカーというテーマに沿って

  • ヘーベルハウス
  • パナソニックホームズ
  • 積水ハウス
  • ダイワハウス
ヘーベルハウス
パナソニックホームズ
積水ハウス
ダイワハウス

この4社を紹介してきました。

正直、壁の構成的にもこの4社が強すぎるのです。

ですので、遮音、防音を特に気にされる方は、この4社の中からメーカー選びをしていただければいいのかなと思います。

ただ一方で「その逆に遮音、防音という観点において気をつけた方がいいハウスメーカーってないの?」と思われた方もいるかと思います。

あるかないかで言えば、実はあります。

ただ具体的にどこどこのハウスメーカーと言ってしまうと、非常に面倒なことが起こりそうなので、少し遠回りにはなるものの、一般論をお話しします。

おまけ程度の小話になりますが、今からお話しする一般論を念頭にハウスメーカー選びをしてみるといいかもしれません。

ですのでよかったら参考にしてみてください。

今回お伝えするのは木造住宅についてですが、木造住宅は主に『軸組工法』と『2X4工法』、大きく分けてこの2つの工法があります。

木造軸組工法と木造枠組工法(ツーバイフォー)の違い

そしてどのハウスメーカーもこの2つの工法を進化させて、それぞれ独自工法として家づくりをしているわけですが、実は『2X4工法』と呼ばれているつくり方をベースに家づくりをすると、非常に強固なつくりにできるというメリットがある反面、音が反響しやすいというデメリットが発生してくるのです。

木造軸組工法と木造枠組工法(ツーバイフォー)の違い

もう少し具体的にお伝えをすると、例えば外からの音が室内に入ってくる際に、音が増幅されて入ってくるので、余計にうるさく聞こえたりするということです。

逆に室内の音に関しても増幅されて外に音が漏れるので、場合によっては近隣から「うるさい」とクレームが入ってしまうかもしれないわけです。

これは『2X4工法』の構造上、壁や床が太鼓のように音を反響させやすい形になってしまうために起こることなのです。

ですので仕方ないのです。

もちろんハウスメーカー側もそういったデメリットがあるのはわかっているので、様々な対策を施しています。

ただし『2X4工法』ベースの家づくりは、どうしても他の工法と比べると音が反響しやすいという特性があるということ、これだけは覚えておいてもらえればと思います。

2×4工法の家造りは音が反響しやすい特性がある

このことを念頭においてハウスメーカー選びをすれば、そのメーカーが『2X4工法』ベースの家づくりをしているかどうかがわかりますし、わかったならどうやって音対策をしているのか、これを重点的に聞いて、納得できるようならそのハウスメーカーを検討するという動き方ができます。

1つ参考にしてみてください。

その他にも鉄骨住宅で気をつけるべきことなんかもあったりするのですが、気になる方はメグリエから面談の予約をしていただければと思います。

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