今回は『【2024年最新】大手ハウスメーカー坪単価ランキング』ということで解説していきます。
昨年の坪単価ランキングはこちら。
【2023年】大手ハウスメーカー坪単価ランキング
皆さんがこれから注文住宅を購入しようと思った際に、まず気になるのが金額のことだと思います。
注文住宅はいくらするのか、自分達は購入できるのか、非常に気になりますよね?
恐らく皆さんは、各ハウスメーカーの金額を知るために、Googleなどで「ハウスメーカー 坪単価」「ハウスメーカー 価格」と調べると思います。
ただし、断言します!
正直言って、どのサイトも書かれていることが適当です。
例えば「坪単価60万円から100万円」といった感じで、ものすごく幅を持たせて書いているところもあれば、今そんな価格じゃ買えないよという坪単価でハウスメーカーの価格を記載しているサイトもけっこうな数あるわけです。
ただ私は、メグリエという有名大手ハウスメーカー10社限定の優秀営業マン紹介サービスを展開している都合上、リアルタイムで各社の情報が入ってきます。
ですので、その経験を活かして、今回は皆さんに正確な情報をお伝えするべく、有名大手ハウスメーカー10社の坪単価をランキング形式にして一挙公開します。
これから注文住宅の購入を検討される方は、ぜひとも参考にしてもらえればと思います。
- 大手ハウスメーカー注文住宅の坪単価・価格の考え方
- 大手ハウスメーカー坪単価ランキング
- 【2024年最新】大手ハウスメーカー坪単価ランキングのまとめ
大手ハウスメーカー注文住宅の坪単価・価格の考え方
皆さんの理解をより深めるためにも、最初に少しだけ前提となる注文住宅の価格の考え方についてお話をさせてください。
今回皆さんにお伝えする坪単価は、純粋に建物価格のみの坪単価になります。
もう少し具体的に説明をすると、注文住宅の価格はざっくりと表すなら「建物価格+土地代+諸費用1,000万円〜1,500万円」で計算できます。
そのため、35坪の家を坪単価100万円で建てるとなった場合「35坪×坪単価100万円」で3,500万円が建物のみの価格となります。
そこに土地代と諸費用1,000万円〜1,500万円が加算されるのですが、例えば土地代が2,000万円だった場合、以下の諸費用が発生してきます。
- 土地の仲介手数料 約73万円
※仲介手数料=土地の価格×3%+6万円×消費税 - 外構費用 約300万円〜800万円
※営業マンによって大きく変動、要注意 - 建物の組み立て費用 約200万円〜450万円
※建物の大きさにより変動
※多くの地域が200万くらいで収まるが、都内などの 狭小地の場合は450万円くらいかかる場合もある -
屋外給排水工事 約90万円〜150万円
※水道の本管取り出し工事の有無により変動 - ガス引き込み費用 約30万
(オール電化の場合必要なし) - 住宅ローン保証料 約100万円〜200万円
(借入金額の2.2%が目安) - 地盤改良費用 0円〜1,000万円程度
※全国的に見ても多くのエリアが地盤改良費用100万円〜200万円程度で済む
※軟弱地盤エリアだと200万円以上必要な場合もある
※都内の一部エリアなどでは800万円〜1,000万円かかるエリアもある - 火災保険料 約50万円
- カーテン、照明、エアコン、家具、家電 約500万円
※営業マンによって大きく変動、要注意 - 設計業務報酬料 約150万
※建物の大きさにより変動 - 長期優良住宅性能表示制度申請費 約20万
- 登記費用 約30万
※建物の大きさにより変動
建築するエリアによって大きく変動する項目もありますが、これらの諸費用が発生してきます。
そのため、都内などの一部の特殊な地域を除けば、諸費用は1,500万円見ておくことで、不自由なく家づくりができます。
反対に1,500万円を下回る形で諸費用を想定してしまうと、
- 外構工事の規模を縮小する
- 外構工事を後回しにする
- カーテン、照明、エアコン、家具、家電を新調しない、ランクを落とす
- 火災保険を最低限にする
など、どこかしらで我慢が発生してきます。
住宅営業マンによっては、少しでも安く見せて契約を取るために、あの手この手を使って小細工を仕掛けてくることがあります。
ただ残念なことに、表面的に安くみせたところで、お金がかかるものはかかるのです。
その現実から逃れることはできないので、今お伝えした前提となる知識は必ず押さえておいてください。
大手ハウスメーカー坪単価ランキング
坪単価ランキングを10位から順に紹介します。
第10位:一条工務店 約60~100万円/坪
一条工務店は『家は、性能。』のキャッチコピーで有名なハウスメーカーです。
そのキャッチコピーどおり、住宅の断熱性能、気密性能、耐震性能、耐水害性能など、住宅のありとあらゆる性能が高いというのが特徴になります。
そんな一条工務店ですが、最近では価格の上昇により坪単価100万円を超えることもしばしばある状態なのですが、第10位という順位からもわかるように、有名どころのハウスメーカーの中では、かなり価格を抑えられている方になります。
ではなぜ一条工務店が他のハウスメーカーと比較して価格が抑えられているのかというと、それは住宅の工業化に徹しているからです。
というのも、一条工務店はフィリピンに自社工場を構えているのです。
そしてその自社工場で窓やらキッチンやら外壁やら何でもつくってしまうため、他のハウスメーカーと比較して価格を落としやすい体制を整えているのです。
ただ、一条工務店で家づくりをする場合、『一条ルール』と呼ばれる間取りの制限が発生してくることになります。
これも住宅の工業化に徹しているが故に出てくるデメリットで、製品の質やコストメリットを出すことを優先しているため、間取りの自由度やデザイン性を犠牲にしているわけです。
ですので、わかりやすく例えるなら、一条工務店は住宅業界のユニクロといった感じかなと思います。
「家の性能を極限まで重要視したい!一方でデザインや間取りの自由度はそこまでこだわりないし、普通でいいかな。」という人は、ぜひとも一条工務店を検討してみてください。
ただし、注意事項として、一条工務店には坪単価60万円前後で購入できるハグミーと呼ばれる商品があるにはあるのですが、この商品に関しては、ほとんど仕様をいじれない規格型の商品となります。
また性能面に関しても、一条工務店が本来販売していきたいグランスマートなどの商品と比較すると大きく見劣りします。
一条工務店のよさを最大限引き出した家を購入するためには、やはり坪100万円は出さないといけないということは覚えておいてください。
第9位:トヨタホーム 約95〜100万円/坪
トヨタホームも大手ハウスメーカーの中では比較的リーズナブルなハウスメーカーになります。
理由は先ほどお話した一条工務店と同様に、工業化住宅に徹しているからです。
トヨタホームは家の8割を工場でつくり、残りを現場で組み立てるという生産方式をとっているのです。
ですので、他のハウスメーカーよりも価格が抑えられているわけです。
また、トヨタホームはあのトヨタ自動車のグループ企業で、家と車をうまく連動させて家づくりをしようとしているハウスメーカーです。
これがどういうことかというと、トヨタホームには『エネトリオ』というシステムがあります。
これは家から車へ、車から家へと電気を移動できるシステムの総称で、
- アクアやプリウス、その他の電気自動車から一部の部屋に給電できる『クルマde給電』
- 家と車を繋げ、太陽光発電でつくった電力や安価な深夜電力をクルマに蓄えられる『V2Hスタンド』
- 家に電気自動車用の充電器が設置される『かんたん充電』
これら3つから成り立っているため『エネトリオ』と言うのです。
この考え方は業界でも先進的で、ここまで車と家の連動に力を入れているのはトヨタホームだけです。
ですので、「車が好き。」「今、電気自動車に乗っているよ。」という方は、トヨタホームを検討してみてもいいかもしれません。
ちなみにトヨタホームでは、ユニット工法と呼ばれるシンセシリーズと、鉄骨軸組工法と呼ばれるエスパシオシリーズの2種類から家のつくり方を選べます。
すみわけとしては、ユニット工法と呼ばれるシンセシリーズがトヨタホームのメインの工法で、鉄骨軸組工法と呼ばれるエスパシオシリーズは、ユニットが入らない場所で家を建てるときに使う工法になります。
ですので、トヨタホームは建築地によって工法を使い分けしているのです。
ただしトヨタホームは今後、鉄骨軸組工法と呼ばれるエスパシオシリーズには力を入れていかないような方向性をとっています。
その理由ですが、トヨタホームは今現在、プライムライフテクノロジーズというトヨタホーム、パナソニックホームズ、ミサワホームこの3社からなる合弁会社の子会社という立ち位置になっているのですが、正直、鉄骨軸組工法ならパナソニックホームズのHS工法の方が優れているのです。
そのため今後はエスパシオシリーズには力を入れず、ユニット工法のシンセシリーズのみに力を入れていく方針のようです。
そのため、今回お伝えした坪単価も、鉄骨ユニット工法であるシンセシリーズの坪単価となります。
トヨタホームは、業界でも数少ないメーターモジュールによるゆとりのある間取りづくりが得意なハウスメーカーです。
家も車も両方ともこだわりたいという方は、トヨタホームを選んでみてもいいかもしれません。
第8位:セキスイハイム 約95〜105万円/坪
セキスイハイムもトヨタホーム同様に、鉄骨ユニット工法で家づくりをしているハウスメーカーです。
大手ハウスメーカーの中でも工業化率が高いため、価格を抑えられている印象があったのですが、ここ最近、急激に金額が上がって坪約95万円〜105万円という金額になっています。
セキスイハイムといえば『あったかハイム』というCMで有名なハウスメーカーですが、特出するべき特徴が2つあります。
強固で精密なつくりの構造躯体
1つ目が『強固で精密なつくりの構造躯体』です。
セキスイハイムは、トヨタホームと同様に、ユニット工法という鉄の箱と鉄の箱を組み合わせて家をつくる方法を採用しています。
この方法は、メリット・デメリットがそれぞれ明確に出るつくり方でもあります。
例えば、工場で8割近く家のパーツをつくり上げるので、ほとんど狂いのない家がつくれるというメリットや、工場でつくるが故に臨機応変に対応するのが難しいというデメリットなどです。
ここについて詳しく説明してしまうと、時間がいくらあっても足りないので今回は割愛しますが、ざっくり説明するとこのような感じです。
では、同じユニット工法でもセキスイハイムはトヨタホームと比べて何が違うの?という話なのですが、それは耐震に対する考え方に差があるのです。
どういうことかというと、セキスイハイムの家は、地震の揺れをまずは壁で受け止めるのです。
そして受けきれなかった揺れを構造躯体で受け流すという仕組みになっています。
この2重でバリアを張っているような構造を、セキスイハイムでは『ハイブリッド耐震ガイアス』と呼んでいます。
つまり簡単に一言でまとめると『構造躯体×外壁=ガイアス』だということです。
ではなぜこのような構造になっているのかというと、室内の損傷を限りなく減らすためなのです。
そもそも鉄骨構造の家は、木造の住宅に比べて揺れやすいとされています。
少しの振動でも揺れが増幅して室内のクロスやインテリアを傷つけてしまうことがあります。
そうならないために、まずは壁で揺れを防いで、そして防ぎきれなかった揺れを構造躯体で受け止めるという構造になっているのです。
一方でトヨタホームは、クルマのサスペンション技術から生まれたT4システムという制振装置を使って、地震に対する揺れを防いでいます。
ですので同じユニット工法でも、制振装置と構造躯体で地震の揺れを抑えるのか、それとも壁と構造躯体で地震の揺れを抑えるのか、こういった違いがあるのです。
ただこれに関しては、甲乙つけがたいので、仕組みとして「同じユニット工法のハウスメーカーでもそんな違いがあるんだな。」程度に思っておいてもらえればと思います。
ここで覚えておいてもらいたいことは、セキスイハイムは地震の揺れをいったん壁で受けて、受けきれなかった揺れを構造躯体で吸収する『ハイブリッド耐震ガイアス』というのがあるということです。
これが特徴の1つ目です。
快適エアリーT-SAS
そして2つ目の特徴が『快適エアリーT-SAS』です。
これは
- エアコン機能
- 換気機能
- 空気清浄機機能
- 抗ウィルス機能
これらの機能を併せ持った空調システムのことを言います。
CMで時々見かける『あったかハイム』というのはここから来ているのです。
では少し詳しく見ていきましょう!
『快適エアリー』を設置すると、床に空気の吹き出し口と吸気口がつきます。
ですので、床から暖かい空気や涼しい空気がゴーゴー出てくるのです。
これが他のハウスメーカーにはない特徴なのですが、では一体なぜ床から空気が出るようになっているのかというと、暖かい空気は下から上へと上がるからです。
つまり通常のエアコンのように上から空気を温めるのではなく、足元から温めた方が合理的なので、床から空気が出るようになっているのです。
すごいですよね。
これは他のハウスメーカーにはない特徴です。
ただしその反面、その見た目が独特なので、見た目的にちょっと嫌という人もいるでしょうし、メンテナンスももちろん必要です。
ですので、一長一短はありますが『快適エアリーT-SAS』、これはセキスイハイムだけの特徴になります。
ということで、『強固で精密なつくりの構造躯体』『快適エアリーT-SAS』これらがセキスイハイムの大まかな特徴になるので、気になる方はぜひともセキスイハイムを検討してみてください。
第7位:ミサワホーム 約100〜105万円/坪
ミサワホームは木造住宅で初めて住宅の工業化に成功したハウスメーカーです。
そのため、ミサワホームは木質パネル接着工法と呼ばれる独自のつくり方をしているのが特徴です。
具体的には、木枠の中に断熱材を入れ込んで構造用合板でサンドし、パネルをつくります。
これを建築現場に運び、接着剤を使って家を組み立てていくイメージです。
接着剤と聞くと「そんなので家づくりをして大丈夫なの?!」と思われると思いますが、実は接着剤は、車や飛行機をつくるのにも使われているのです。
そのため、住宅で使われても接着剤が剥がれてしまう、粘着力がなくなってしまうということはありません。
ですので安心していただいて大丈夫ですし、この接着剤のおかげでミサワホームは成功したといっても過言ではないくらいミサワホームを象徴するアイテムなのです。
そしてそんなミサワホームですが、その特徴はなんといっても接着剤でガチガチに固めたことによる建物の強度です。
ミサワホームの木質パネル接着工法は、阪神淡路大震災で起きた震度7クラスの地震を受けても3階建てで1cm7mm、2階建てで0.82cmしか揺れないとされています。
これによって地震による建物の内装被害を抑えてくれるのはもちろんのこと、建物内部の断熱材のズレや気密施工の劣化を防ぐことにも一役買ってくれているのです。
このような感じで、ミサワホームはあまり知られていない、というか、かなり噛み砕かなければ魅力が伝わりにくいハウスメーカーというだけで、実は知れば知るほど魅力のあるハウスメーカーでもあるのです。
ミサワホームは、木造住宅で初めて住宅の工業化に成功したハウスメーカーというだけあって、大手ハウスメーカーの中でもまだ価格が抑えられている方です。
気になる方は、一度検討してみてもいいかもしれません。
第6位:住友林業 約100〜115万円
住友林業は社名のとおり、木に力を入れている会社です。
ですので、床材の樹種もかなり豊富なラインナップが存在するのです。
例えばオーク、メイプル、アッシュ、クリ、チェリー、チーク、ウォルナット、カバ、ニレ、ナラ、オニグルミといった感じです。
これらの樹種の床材は、外部の床材メーカー、例えばマルホンなどを使えば、どこのハウスメーカーでも入れることはできます。
ただハウスメーカーが自社の商品として、オーク、メイプル、アッシュ、クリ、チェリー、チーク、ウォルナット、カバ、ニレ、ナラ、オニグルミ、これらの樹種の床材を持っているのは住友林業だけです。
また、住友林業には、3種の神器と呼ばれる住友林業で建てた方のみが使える特有のアイテムも存在します。
それが
- ウッドタイル
- スタイルシーリング
- チェスターフィットシリーズ
この3つになります。
あくまでこの3種の神器という呼び方は公式が決めたものではなく、住友林業で家を建てたお施主さんたちが呼んでいるものになります。
そのため、人によっては中身が多少違うのですが、調べる限り大体この3つに集約されるかなという感じです。
簡単に見ていきましょう。
ウッドタイル
ウッドタイルはその名のとおり、木のタイルです。
これを取り入れることで、玄関ホールや廊下、リビングなど、室内の木質感が一気に上がります。
ただし室内の色や家具に合わせるのが非常に難しいアイテムでもあるので、採用する人のセンスが問われそうです。
スタイルシーリング
スタイルシーリングとは、実際の木製パネルに近い質感を演出したシート系素材のパネルになります。
下がり天井など目線に近い場所に採用することで、室内が一気にオシャレになるアイテムです。
カラーバリエーションは9色もあるため、ほとんどの床材に合わせられるのが魅力です。
チェスターフィットシリーズ
チェスターフィットとは、住友林業クレストという関連会社が住友林業向けに製造している収納シリーズの名称です。
例えばですが、キッチンにチャスターフィットをつければこのような感じになりますし、
リビングにチャスターフィットをつければこのような感じになります。
サイズや収納部分の選択肢が豊富で、色や柄も住友林業の床材にあわせて豊富に用意されています。
木目シートの仕様に加えて突板や天然木仕様も用意されているので、こだわりたい人はとことんこだわれる仕様になっています。
チェスターフィットシリーズは、カスタマイズの幅がかなり広い、そんなオプションなのです。
ということで、ウッドタイル、スタイルシーリング、チェスターフィットシリーズ、これら3種の神器は、住友林業で家を建てる人がよく使うアイテムなので、住友林業で家を建てようと考えている方はぜひとも採用してみてください。
住友林業は今現在、間違いなく、住宅業界のデザインを牽引している企業の1つになります。
ですので、建物のデザイン性にこだわりたいと思う方は、住友林業を検討することをおすすめします。
第5位 ヘーベルハウス(旭化成ホームズ) 約105〜115万円/坪
旭化成ホームズは、ヘーベルハウスの愛称で親しまれているハウスメーカーです。
そんなヘーベルハウスですが、最大の特徴は、やはりなんといっても外壁や床などに使われているALC、通称ヘーベル版です。
ALCとは
の略称で、世界で約90年、日本で約50年の歴史と使用実績を誇り、現在も多くの国で使用されている建材です。
有名なところでいうと、ドイツ、クウェート、アメリカ、これらの国々でも使われているのです。
日本では
- 東京都庁
- 東京ミッドタウン
- 富士山5合目に建つ小御嶽神社
これらの所でもALCは使われているのです。
そしてこのALCという建材を使うことによって、装飾のない建築を意味する『モダニズム』これをテーマに家づくりをしているわけです。
そんなヘーベルハウスには
- 軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造
- 重量鉄骨の重鉄・システムラーメン構造
- 軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
この3種類の構造躯体があって、この中から自分達にあったものを選び、家づくりをしていくことになります。
軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造
まずは『軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造』。
こちらは40坪までの2階建てを建てるのに向いている構造躯体で、世間一般的な名称に置き換えると『ブレース構造』というものになります。
『ブレース構造』とは、柱、梁のほかに「筋かい」を使ったものをいうのですが、実はこの『ブレース』は、角度によって地震に対する効き具合が違うのです。
このブレースの角度が大きすぎてもダメですし、逆に小さすぎてもダメなのです。
最適角があるのです。
そのためヘーベルハウスでは、最適角を出すために、ブレースを2段積みにしています。
さらにブレースの中心には「極低降伏点鋼(ごくていこうふくてんこう)」と呼ばれる特殊な金属をつけることで、地震の力を全てこの装置に負担させるという仕組みを取っているのです。
重量鉄骨 重鉄・システムラーメン構造
続いて『重量鉄骨 重鉄・システムラーメン構造』についてです。
こちらは「3階建て」や「防火地域」の建物を建てる場合に使う構造躯体で、世間一般的な名称に置き換えると『ラーメン構造』となります。
ラーメン構造とは、柱と梁だけで地震の力に耐えることができる構造のことで、軽量鉄骨とは違い、斜めの部材が不要なのです。
そのため、軽量鉄骨に比べてプランニングの自由度が高いという特徴があります。
ですので例えば、ヘーベルハウスでは、『重鉄が叶える、至高のリビング』と題して
- 天井の高さを部分的に上げられる
- 2階でダウンフロアできる
これらを重鉄で家をつくる1つの売りとして、商品の訴求をしています。
これらは軽鉄ではできなかったことなので、間取りにこだわりたいという方にはぴったりかと思います。
ただしこの構造は、壁やブレースといったもので、地震の力に対応しているわけではないので、『揺れやすい』というマイナスの特徴があります。
ですのでヘーベルハウスでは、制震装置の「サイレス」と呼ばれるオイルダンパーを複数枚つけて、揺れない構造をつくっているのです。
しかもこのオイルダンパー「サイレス」は、先ほどお話した鋼材ダンパーよりも強力で、微小な揺れでも効果を発揮してくれます。
そのため、揺れやすい鉄骨造の家でも快適に暮らせます。
これが『重量鉄骨 重鉄・システムラーメン構造』の説明になります。
軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
そして最後に『軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造』についてです。
こちらは主に40坪から60坪までの2階建てを建てる場合に使われる構造躯体で、ヘーベルハウスの中では最新の構造躯体になります。
そしてコストパフォーマンスと建物の機能性、両方を兼ね備えているのが特徴です。
では、これが一体どういうことかというと、実はヘーベルハウスは先ほど説明してきた軽量鉄骨の商品、ハイパワード制震ALC構造と、重量鉄骨の商品、重鉄制震・システムラーメン構造、これら2つの商品しかなかったのです。
ただ軽量鉄骨は
- 鉄骨を大量生産できるため、製造単価を抑えることができる
というメリットがある反面、
- 重鉄に比べると耐久性が劣る
- 柱を多くして壁に筋交いを入れる必要があるため、間取りに制限が出てしまう
というデメリットが存在します。
一方で重量鉄骨は
- 耐久性が高い
- 軽量鉄骨造りの建築物に比べて柱の数が少ないため、設計の自由度が高い
というメリットがあるものの、その反面
- 鉄骨自体が分厚いためコストがかかる
というデメリットがあるのです。
ですのでお客さんからしたら、軽量鉄骨は重量鉄骨に比べて強度は下がるし、かといって重量鉄骨にしたらオーバースペックで金額も上がってしまう、どっちにすればいいんだろう……というなんとも悩ましい状況でした。
つまり一言で簡単にまとめるなら、今までのヘーベルハウスは両極端だったのです。
ただ重鉄制震・デュアルテックラーメン構造が出たことにより、ちょうど中間に当たる商品のカテゴリが生まれたのです。
具体的にそれぞれの商品の柱と梁の太さを見ていくと、
- 軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造
厚さ3.2mmの鉄骨、約10tの力に耐えられる柱を使用
- 軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
厚さ6mmの鉄骨、約56tの力に耐えられる柱を使用
- 重量鉄骨 重鉄制震・システムラーメン構造
厚さ9mmの鉄骨、約79t〜約100tの力に耐えられる柱を使用
このような感じで、それぞれの商品を比較してみるとわかるのですが、ちょうど中間にあたる仕様になっているのです。
さらに梁についてですが、
- 軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造
フランジと呼ばれる部分の幅が100mm
- 軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
フランジと呼ばれる部分の幅が125mm
- 重量鉄骨 重鉄制震・システムラーメン構造
フランジと呼ばれる部分の幅が125mm
というように、重鉄制震・デュアルテックラーメン構造では、重量鉄骨の商品の重鉄制震・システムラーメン構造と同じ125mm幅のフランジの梁が使われているのです。
つまり柱と梁の特徴をまとめると、重鉄制震・デュアルテックラーメン構造は、重量鉄骨の商品同様に大空間をつくりやすく、自由度の高い間取りづくりを可能としているのです。
加えてコストパフォーマンスにも優れているので、重鉄制震・デュアルテックラーメン構造は、建物の機能性、コストパフォーマンス、両方を兼ね備えているということです。
ですので例えばですが「軽量鉄骨だと強度が心配、だけど重量鉄骨だと価格が高いしどうしよう?」と悩んでいる方、あとは、重量鉄骨の大空間を取り入れつつ、金額を落としたい方など、こういう重鉄ならではの性能と価格、どちらも妥協できない方には重鉄制震・デュアルテックラーメン構造はぴったりの商品になっています。
ただし一方で、何でもかんでも重鉄制震・デュアルテックラーメン構造を選べばいいということでもありません。
というのも、重鉄制震・デュアルテックラーメン構造は、重量鉄骨の商品です。
つまり前提条件として、重量鉄骨の特徴を最大限活かせる大きさの建物でないと、反対にコスパが悪くなってしまう可能性があるわけです。
建坪の小さい家で重鉄制震・デュアルテックラーメン構造のような重量鉄骨を選んでしまうと、重量鉄骨ならではの大空間を活かしにくくなりますし、同時に建築コストが上がってしまうということなのです。
それでしたら、軽量鉄骨の商品を選んだ方がいい場合もあります。
それぞれの商品説明の冒頭でも少し触れていますが、実際にヘーベルハウス側でも、40坪までの2階建てを軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造である『キュービック』や『新台地』という商品を推奨、40坪から60坪までの2階建てを重鉄制震・デュアルテックラーメン構造の『RATIUS RD』という商品を推奨、3階建てや防火地域の建物を重量鉄骨の重鉄制震・システムラーメン構造である『フレックス』を推奨、このようなすみ分けで各商品を推奨しています。
ですので、何でもかんでも重鉄制震・デュアルテックラーメン構造を選べばいいというわけでもないのでご注意ください。
ということで、ここまでで簡単にヘーベルハウスの商品である
- 軽量鉄骨 ハイパワード制震ALC構造
- 重量鉄骨 重鉄制震・システムラーメン構造
- 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
この3種類の商品の説明をしてきました。
- 40坪までの2階建ては、軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造
- 40坪から60坪までの2階建ては、重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
- 3階建てや防火地域の建物は、重量鉄骨の重鉄制震・システムラーメン構造
このような感じでそれぞれの商品はすみ分けがされているので、自分達が建てる家の規模と照らし合わせつつ、どの工法が最適解なのかを検討していただければと思います。
第4位 三井ホーム 約90〜125万円/坪
三井ホームは大手ハウスメーカー各社の中で、唯一洋風住宅が得意なハウスメーカーです。
そういった特徴があることからか、お金持ちの方に一定の人気がある感じです。
というのも、実は三井ホームは、東京では杉並区や大田区でものすごく高いシェアを誇っているのです。
一方で少し地方の方に行くと、そこがかなり集客力のある展示場であっても撤退していたりします。
つまり三井ホーム特有の洋風デザインは、都心部に住む高所得者層に人気があるのであって、田舎ではあまりウケがよくないという状況なわけです。
皆さんもイメージしてみてください。
あたりが畑一面の所にかわいらしい洋風のデザインの家が建っていたら少し違和感を覚えますよね?
やはりオシャレな住宅地にこそ三井ホームは合うのであって、だからこそ一部のお金持ちが好んで建てているのではないかなと思います。
しかし、三井ホームもそんな洋風デザインのイメージから脱却するべく、最近のトレンドに合わせてモダン系のデザインにも力を入れ始めました。
三井ホームの強みはあくまで洋風デザインではあるものの、こういったモダンなデザインの提案もできるので、気になるという方は三井ホームも検討してみてください。
第3位 大和ハウス工業(木造) 約110〜135万円/坪
ダイワハウスには、鉄骨造の商品と木造の商品、両方存在します。
金額に関しては、木造の方が高い傾向にあります。
具体的には、鉄骨の商品が建物の坪単価が110万円前後なのに対して、木造の商品は建物の坪単価が135万円前後という状況です。
そのため金額を優先するなら鉄骨一択になるのですが、建物の断熱性能や気密性能を求めるなら木造一択になります。
というのも、ダイワハウスの鉄骨商品、xevoΣは
- スタンダードV断熱
- ハイクラスV断熱
- エクストラV断熱
この3段階の断熱仕様しかありません。
一方で木造のxevoGranWoodは
- スタンダードW断熱
- ハイクラスW断熱
- エクストラW断熱
- プレミアムW断熱
- ウルトラW断熱
以上の5段階も断熱仕様が用意されているのです。
しかも木造のxevoGranWoodのウルトラW断熱は、断熱等級の最高等級7を取得できるくらい優れた仕様でもあるのです。
断熱等級7を取得できるハウスメーカーは、本当に極々一握りです。
そういった状況であることから、最近ダイワハウスを検討するほとんどの人が木造を検討しています。
もちろん建築地によっては木造ではなく鉄骨で家を建てた方がいい場合もあるので、木造が全てというわけではありません。
ただ、もし家を建築する土地が広かったり、建築地の周辺に立っている建物が比較的新しい建物が多かったりするなら、なるべく木造を選択することをおすすめします。
第2位 パナソニックホームズ 約120〜130万円/坪
パナソニックホームズは、ネット記事や他の住宅系のインフルエンサーやらが「安い」「お手頃」というような発信をしているせいもあって、「安い!」というイメージを持たれている方が多いのですが、実はパナソニックホームズは安くないのです。
むしろけっこう金額は高い方ですし、なんなら都内ですと、積水ハウスよりも金額が高いなんてことも普通にあります。
ですので、パナソニックホームズが安いと思っている方は、感覚を改めましょう。
では、そもそもパナソニックホームズはどのようなハウスメーカーなのか、パナソニックホームズの特徴である
- 地震対策
- キラテック
- 全館空調エアロハス
これら3つを簡単に説明していきます。
地震対策
まず地震対策についてですが、パナソニックホームズは『地震の後も帰れる住まい』、これをつくることを目的に家づくりをしているハウスメーカーです。
事実、パナソニックホームズでは、大林組というゼネコンが所有している『ダイナミックス実験棟』という実験施設を使って、
阪神・淡路大震災レベルの大地震を57回、さらに中地震83回、計140回揺らした後に阪神淡路大震災の4.3倍、つまり限界加振と呼ばれる今日本で出せる最大級の震度に耐えられるということを証明しているのです。
これを証明しているのは大手ハウスメーカー何社もある中で、唯一パナソニックホームズだけなのです。
しかもその実験の様子を見て、大林組のお偉いさんもパナソニックホームズで家を建てているのです。
これはカタログにさりげなく掲載されているので、よかったら探してみてください。
キラテック
続いてキラテックです。
キラテックは汚れが付着しても、太陽の紫外線と雨で汚れをきれいに落としてくれるタイル外壁のことです。
しかもこのキラテックは、タイルの下に目地がある構造になっています。
目地というのは、外壁と外壁を繋ぐゴムのようなもので、鉄骨住宅ですとこの目地がすごく多くなってしまうのです。
ですので各社、目地を隠すためのコーティング剤というものを持っているのですが、パナソニックホームズでは、そもそも目地を外壁の下に入れて施工するため、外観に目地が出ないシームレスな見た目をつくることができるのです。
つまり一言で言い換えると、デザイン性と機能性、さらにはメンテナンス性に配慮したタイル外壁だということです。
これがキラテックの特徴になります。
全館空調エアロハス
最後に全館空調エアロハスです。
全館空調エアロハスは、エアコン一台で家全体の温度を均一にするシステムです。
やはりリビングだけ快適な温度であっても、他の部屋や廊下が寒かったり暑かったりしたら、快適な住まいとは言えません。
何より急激な温度変化は体にも負担がかかります。
ですのでそういったこともあって、最近では全館空調を入れる方が非常に多いのです。
ただし便利そうな全館空調でも、導入するためにはそれなりの初期コストがかかります。
さらに、全館空調を入れると空気が乾燥しやすくなります。
その他にも細々としたデメリットが存在するので、全てを把握した上で全館空調を採用するかどうかを決めることをおすすめします。
ということで、パナソニックホームズの地震対策、キラテック、全館空調エアロハスについてお話しました。
その他にも知れば知るほど魅力がわかるメーカーなので、興味がある方は検討してみてください。
第1位 積水ハウス 約140〜150万円/坪
ぶっちぎりの第1位が積水ハウスになります。
積水ハウスで家を建てるなら、坪140万円〜150万円は普通です。
SNSで見かける積水ハウスの実際の家は、だいたいこのくらいの金額がかかっていると思っていただいて間違いありません。
ちなみに積水ハウスには、木造の商品と鉄骨の商品、2つあるのですが、そのどちらも価格差は無く、同じ金額になります。
ではなぜ積水ハウスだけこんなに高額なのかというと、理由は2つあると思っています。
設計力の高さ
まず1つ目が、設計力がズバ抜けて高いということです。
例えばネットやSNSで各ハウスメーカーの実際の建築実例を調べてみてください。
ほとんど積水ハウスの物件しか出てこないはずです。
逆に実際の建築実例が一切出てこないハウスメーカーもあるわけですが、もうそれが物語っています。
つまり、わかりやすくお伝えをするなら、それだけ積水ハウスにはSNS映えするデザイン性の高い家をつくれる設計ノウハウがあるということです。
それが付加価値になって、結果的に価格が高くなっているわけです。
部材に積水ハウスの魂が宿っている
そして2つ目が、1つ1つの部材に積水ハウスの魂が宿っているということです。
これがどういうことかというと、例えば積水ハウスの窓は、AGCというガラスメーカーとコラボでつくっています。
それによって細かい調整が効くため、室内空間と室外空間を繋げるクリアビューデザインと呼ばれるものが可能になっているのです。
これは画像だけ見ると簡単そうに見えますし、「別にどこのハウスメーカーでもできるんじゃないの?」と思われると思いますが、ここまできれいに室内空間と室外空間を繋げられるのは、実は積水ハウスだけなのです。
このような感じで、他にも細かいこだわりがたくさんあって、その1つ1つがきちんと考えられているのです。
ですので、それらの細かい説明を受けると、1つ1つの部材に積水ハウスの魂が宿っているのがわかり、金額が高くても、高いなりの理由があるんだなぁとなってしまうわけです。
ということで、
- 設計力がズバ抜けて高い
- 1つ1つの部材に積水ハウスの魂が宿っている
これら2つが積水ハウスが高い主な理由になります。
ただ積水ハウスはできることが多い反面、営業担当者の知識で、仕様が大幅にブレるハウスメーカーでもあるのです。
ですので例えば、積水ハウスでも中身スカスカの仕様にすれば、坪110万円くらいで建てられる場合もあります。
売ること先行の営業マンが自分の担当になると、この辺り悲惨なことになるのでご注意ください。
とにかく、積水ハウスで検討する場合は、坪140万円〜150万円くらいになるということは覚悟するようにしましょう。
【2024年最新】大手ハウスメーカー坪単価ランキングのまとめ
今回は『【2024年最新】大手ハウスメーカー坪単価ランキング』ということでお話をしてきました。
まとめると、
- 1位:積水ハウス 約坪140万円〜坪150万円
- 2位:パナソニックホームズ 約坪120万円〜坪130万円
- 3位:大和ハウス工業(木造) 約坪110〜135万円
- 4位:三井ホーム 約坪90万円〜坪125万円
- 5位:ヘーベルハウス(旭化成ホームズ) 約坪105万円〜坪115万円
- 6位:住友林業 約坪100万円〜坪115万円
- 7位:ミサワホーム 約坪100万円〜105万円
- 8位:セキスイハイム 約坪95万円〜105万円
- 9位:トヨタホーム 約坪95〜100万円
- 10位:一条工務店 約坪90〜100万円
以上になります。
今回のランキングを見て「こんな高いの!?信じられない!」と思われた方もいると思います。
ただ冷静に考えてもらいたいのですが、私が皆さんに嘘をつく必要性は全くないですし、もうこれが事実なのです。
これからまた時間が進むにつれて、確実に金額は上がっていきます。
悪いことは言わないので、注文住宅をこれから検討される方は、なるべく早く動くようにしてください。
ただこれから家づくりをされる方の中で、何から始めればいいのかわからない、私に直接相談をしてみたいという方は、ぜひとも私のつくったサービス、メグリエをご活用いただければと思います。
これら10社の中から皆さんにぴったりのハウスメーカーをご紹介させていただくと同時に、各ハウスメーカー本社と連携しつつ、正真正銘、優秀な営業マン、優秀な設計士をご紹介させていただきます。