今回は大手ハウスメーカーの2024年4月発表の新商品・新仕様をまとめて解説していきます。
これから注文住宅を建てようと思っている方も、今現在ハウスメーカー選びをしている最中の方も、契約後の打ち合わせをしている方も、すべての人にとって有益な情報となっているので、ぜひとも最後までお読みください。
大手ハウスメーカーの新商品・新仕様1:住友林業
まずは住友林業です。
住友林業は大幅なアップグレードはなかったのですが、選べる仕様が少し変わりました。
ざっくり説明すると、ポイントは2つです。
床材
1つ目が床材。
床材に関しては無垢床、挽板、突板、これらすべてにおいて『メイプル』がラインナップから除外され、その代わりにアッシュが追加されています。
また、オニグルミがクルミに変更になっているといった感じです。
ユニットバスの標準仕様から積水ホームテクノがなくなった
2つ目が、『ユニットバスの標準仕様から積水ホームテクノがなくなった』ということです。
これら2つのポイントが今回住友林業の変更点になります。
それ以外の大きな変更はありません。
中にはこの話を聞いて「なんだそんなことかよ。」と思ってがっかりされた方もいると思うのですが、確かにその気持ちはわかります。
ただここからは私の予想になるのですが、住友林業はまた近いうちに新しい仕様などを出すと考えています。
ですので、期待していてもいいのではないかなとは思っています。
今後の住友林業に期待です。
大手ハウスメーカーの新商品・新仕様2:ダイワハウス
続いてダイワハウスの新しい仕様です。
第1種換気がグレードアップ
ダイワハウスは今回新たに第1種換気がグレードアップしました。
その名も『風なびRXⅡ-82』です。
そもそもの話として、今までのダイワハウスの第1種換気『風なびRXⅡ』は熱交換率が70%でした。
これ、性能としてはとても悪いのですが、それもそのはずで『風なびRXⅡ』は確かだいたい12年くらい前に発売したものなのです。
ですので性能が悪いのは当たり前ですし、それにも関わらずダイワハウスは今まで第1種換気のアップグレードをまったくしてこなかったのです。
住宅の高気密高断熱時代にこれはまずいということで、一昨年の夏くらいだったと思いますが、たまたまダイワハウスの住宅部門のトップで上席執行役員の和田さんとお会いする機会があったのです。
その時に私から「第1種換気の性能を上げてくれませんか?」とお伝えしたところすぐに動いてくれて、いろいろな社内調整を経てようやく『風なびRXⅡ-82』がリリースされたという感じです。
ただ社内通達が非常にわかりにくかったらしく、現場の営業マンも『風なびRXⅡ-82』を使えるということを知らない人もいるようです。
ですのでこの記事を読んでいる方でダイワハウスを検討している方は、営業マンに「『風なびRXⅡ-82』という第1種換気が出たんですね!」と、念の為伝えてもらうといいのかもしれません。
大手ハウスメーカーの新商品・新仕様3:積水ハウス
続いて積水ハウスです。
積水ハウス ノイエが販売中止
積水ハウスには「積水ハウス ノイエ」という低価格商品があったのですが、それが販売中止となりました。
これにより積水ハウス内での低価格商品がなくなったことになります。
ここからは私個人の見解ですが、ノイエは断熱性能もそこまでよくなかったですし、積水ハウス内での低価格商品という位置付けになっているにも関わらず、都内ですと住友林業とあまり価格が変わらず、なんだかどのポジションを狙っているのか、誰をターゲットにしているのか、全然定まっていませんでした。
ですので、なくなるべくしてなくなった商品なのかなという印象です。
大手ハウスメーカーの新商品・新仕様4:パナソニックホームズ
最後にパナソニックホームズです。
パナソニックホームズは今回の大本命!!
新商品の登場と、待望の新仕様も登場しています。
では、具体的な中身を見ていきます。
セレクトプレミアム
1つ目が、F工法であるフォルティナからセレクトプレミアムという規格型の商品が登場します。
そしてこのセレクトプレミアムには特徴が3つあります。
箱の中なら自由に間取り変更が可能
1つ目が、建物の外観は決まっているけど、『箱の中なら自由に間取り変更が可能』という点です。
よくある規格住宅は外観も間取りもほぼ決まっていて、壁やドアの付け外しが多少できるくらいというのが一般的なのですが、パナソニックホームズのセレクトプレミアムは、外観は固定されるものの箱の中身は自由という、いい意味で規格住宅らしくない規格住宅です。
プランニング的には、トヨタホームやセキスイハイムのプランニング方法と同じ感じになってくると思うので、トヨタホーム、セキスイハイム、この2社を検討されている方は、パナソニックホームズのセレクトプレミアムも検討していいと思います。
基本性能・保証は同じ
2つ目の特徴が、『基本性能・保証は同じ』という点です。
というのもセレクトプレミアムは、半永久的と言っても過言ではないくらいメンテナンスのかからないキラテックという外壁や、全館空調エアロハスも採用可能で、さらには35年の初期保証に加えて、パナソニックホームズ独自の地震あんしん保証まで付いているのです。
普通、こういった規格系の商品は何かしら制限がありますが、普通の商品と変わらないくらい制限がありません。
最高ランクキッチンLクラスとフロントオープン食洗機が標準採用
最後に3つ目、これが1番すごいのですが、『最高ランクキッチンLクラスとフロントオープン食洗機が標準採用されている』という点です。
こちらも普通の規格型商品であれば、標準仕様で入っているのがランクの低いキッチンというのが一般的なのですが、それがパナソニック価格で標準仕様としてお得に入っているわけです。
特にパナソニックのフロントオープンの食洗機が海外食洗機の完全上位互換なので、絶対に入れた方がいい設備なわけです。
実際に私の自宅ではミーレの食洗機を入れて使っているのですが、乾燥機能がないのでけっこう不便なのです。
それに比べてパナソニックのフロントオープンの食洗機は乾燥機能が付いていて洗浄力もミーレ以上!
もう使わない手はありません。
ということで、新しく出たパナソニックホームズのセレクトプレミアムの特徴3つは
- 建物の外観は決まっているけど、箱の中なら自由に間取り変更が可能
- 基本性能・保証は同じ
- Lクラスとフロントオープン食洗機が標準採用
以上になります。
ただこれだけですと、何だかパナソニックホームズの回し者のように聞こえてしまうので、私から見たデメリットもお伝えすると、断熱性能はそこまで高い方ではないということです。
というのも、元々断熱性能が低めのセキスイハイムやトヨタホーム、あとはヘーベルハウスと比較検討するのであれば、パナソニックホームズのセレクトプレミアムはいいと思います。
価格に関してもパナソニックホームズのセレクトプレミアムが坪100万円くらいなのですが、今はセキスイハイムもトヨタホームもだいたいそのくらいの金額感です。
ヘーベルハウスはセキスイハイムやトヨタホームよりもやや金額が高めですが、それでしたらセレクトプレミアムの方が性能的にも価格的も魅力的です。
また話がそれますが、セキスイハイムやトヨタホームはユニット工法でやっていることもあって、他のハウスメーカーと比較して、間取りの自由度が低いわけです。
さらにヘーベルハウスに関しては、最近myDESSINとよばれる規格住宅に注力しています。
ただこのmyDESSINは縛りがかなり強いのです。
ですので、セキスイハイムやトヨタホーム、あとはヘーベルハウス、これらのハウスメーカーを検討するのであれば、外観が決まっているものの、箱の中身を自由にいじれるセレクトプレミアムを検討するのは全然ありだと思います。
ただしその他の住友林業や積水ハウス、あとはダイワハウスの木造、そういったハウスメーカー・商品と比較すると断熱性能は劣ります。
また間取りの自由度も劣るので、あくまで鉄骨系のハウスメーカーと比較するなら、パナソニックホームズの新商品セレクトプレミアムはすごくいい商品だということ、これを覚えておいてもらえればと思います。
「いやいや、それを言い切る明確な根拠を教えろ!」という方は、メグリエから個別面談を申し込んでいただければ、より詳しい性能の比較情報をお伝えさせていただきます。
HS工法の断熱気密強化
続いてパナソニックホームズの新商品・新仕様のポイント2つ目は、『HS工法の断熱気密強化』です。
これは個人的には本当にうれしかったアップグレード内容です。
というのも、まず今までパナソニックホームズで使用禁止となっていた樹脂サッシが、ついに解禁となりました。
パナソニックホームズの窓はスペーサーもアルミで、窓の性能が非常に悪かったのですが、これによりその弱点が一気に解消されたことになります。
さらに断熱材の厚さが天井部分と基礎断熱部分、両方の厚みが強化されたことにより、5・6地域で平屋を建てる場合であれば断熱等級7が取れるような仕様となりました。
さらにさらに今まで不足していた部分の気密施工も追加となり、いよいよパナソニックホームズも高気密高断熱化となってきたというそんなイメージです。
正直に言いますが、鉄骨系のハウスメーカーはなぜだか断熱性能や気密性能を上げたがらないのです。
しかし、パナソニックホームズはパナソニックブランドというだけあって、施工が丁寧ですし、今回の新しい仕様が出る前から私の紹介案件できちんと施工した物件は、C値0.8など普通に出せたのです。
ですので忖度なく、本当にパナソニックホームズはまともですし、いい会社なのです。
ですので例えば、現在平屋を検討していて
- メンテナンス費用や日々の光熱費を削減したい方
- 鉄骨住宅で頑丈かつ安心な住まいを手に入れたい方
- 鉄骨住宅で断熱等級の最上級等級である7を取得したい方
これらに該当する方はぜひともパナソニックホームズを検討してみてください。
ただ一方で、今回のアップグレードの注意点として
- 樹脂サッシは非防火仕様のみ
- 今現状は平屋でしか断熱等級7を取得できない
といったデメリットも存在します。
そのため今回のアップグレードはどちらかというと、地方などの土地が広い地域向けのものなので、東京などの都心部に住まわれている方はまだ恩恵を受けられそうにないのです。
この辺りは今後に期待という感じなのですが、1つ注意事項として覚えておいてください。
地震あんしん保証の強化
最後にパナソニックホームズの新商品・新仕様のポイント3つ目は、地震あんしん保証の強化です。
地震あんしん保証というのは、パナソニックホームズで建築した方全員が入れる保証です。
詳しい内容はパナソニックホームズの解説記事を見てもらえればと思うのですが、今回この保証が3階建の建物まで対象となりました。
これにより保証の範囲が広くなったことになります。
人によっては「なんだそれだけ?」と思われる方もいると思うのですが、この地震あんしん保証は実はけっこうすごいものなのです。
なぜなら、建物の損壊割合が20%でも保証の適用になるからです。
もう少し具体的にお伝えをすると、実は大地震が起きたあと、その建物がどれだけ壊れているか調査が入るのです。
それで建物の20%が壊れていると判断されたら、その建物は半壊したという扱いになるのです。
50%でなくて20%で半壊なのです。
そしてパナソニックホームズの地震あんしん保証は半壊時でも使える保証となっているので、20%が壊れていると判断され半壊したという判定が出た時点で、保証により金銭負担なしで元通りの建物にすることができるのです。
これすごいですよね。
それが今回3階建ての建物にも適用になったということです。
建物は高さが高くなるほど、地震が来たときに揺れやすくなりますし、それによって内装被害も出やすくなるわけです。
それが保証で直せるというのは、非常に大きなメリットかなと思います。
これから3階建て以上の建物を建てようと考えている方は、一度パナソニックホームズで検討してみるといいかもしれません。
【2024年4月発表!】大手ハウスメーカー4社の新商品・新仕様を解説のまとめ
今回は大手ハウスメーカー4社の2024年4月新商品・新仕様をまとめて解説してきました。
ぜひとも参考にしてみてください。
また、もっと詳しく知りたい方や「他のハウスメーカーってどうなの?」と思われた方は、私が運営しているメグリエから私と無料個別面談を申し込んでいただければ、開示できる範囲で新しい情報を開示するので、個別面談の予約をしていただければと思います。
また実はつい先日、とあるハウスメーカーで私専用と言ってもほぼ過言ではない、設計窓口が誕生しました。
これにより、都道府県の垣根なく、全国No,1と呼べる設計チームを皆さんに紹介し、担当になっていただける仕組みが整いました。
ですので地域関係なく「とにかく断熱も機密もデザインもすべて完璧に整えた最先端の家をつくりたい!」という方、そういう方はチャンスなので、この機会を逃さないようにしていただければと思います!