今回は『注文住宅をおしゃれにする技32選』ということでお話をしていきます。
模範解答的な注文住宅をおしゃれにする技、こちらにだけフォーカスして全部で32個、徹底的に解説していきます。
また、せっかくテクニックを紹介したのに、検討しているハウスメーカーで使えないのでは意味がありません。
ですので、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、どちらで使えるものなのか、これに関しても触れていきますので、ハウスメーカー選びの1つの指標としても本記事をご活用いただければと思います。
- おしゃれな家づくりをするための知識
- 注文住宅をおしゃれにする技1:照明を間接照明にする
- 注文住宅をおしゃれにする技2:縁を切る
- 注文住宅をおしゃれにする技3:垂れ壁を活用する
- 注文住宅をおしゃれにする技4:収納をすべて埋め込み式にする
- 注文住宅をおしゃれにする技5:テレビボード・テレビは使わない
- 注文住宅をおしゃれにする技6:ハイドアを使う
- 注文住宅をおしゃれにする技7:ドアの枠を無くす
- 注文住宅をおしゃれにする技8:ドアそのものを無くす
- 注文住宅をおしゃれにする技9:巾木・幕板を無くす
- 注文住宅をおしゃれにする技10:窓枠を目立たせないようにする
- 注文住宅をおしゃれにする技11:下がり天井を活用する
- 注文住宅をおしゃれにする技12:室内全体の壁の色を1色にする
- 注文住宅をおしゃれにする技13:クロスを一枚貼りする
- 注文住宅をおしゃれにする技14:照明のスイッチ・コンセントを目立たせないようにする
- 注文住宅をおしゃれにする技15:スイッチ・コンセント・ドアノブの素材感を意識する
- 注文住宅をおしゃれにする技16:床埋め込みコンセント
- 注文住宅をおしゃれにする技17:カーテンを使わない設計にする
- 注文住宅をおしゃれにする技18:ロールスクリーンを埋め込み式にする
- 注文住宅をおしゃれにする技19:キッチンを目立たない位置に配置する
- 注文住宅をおしゃれにする技20:レンジフードを目立たせないようにする
- 注文住宅をおしゃれにする技21:エアコンを目立たせない位置に設置する
- 注文住宅をおしゃれにする技22:換気設備、火災報知器を目立たせない位置に設置する
- 注文住宅をおしゃれにする技23:玄関カマチを無くす
- 注文住宅をおしゃれにする技24:玄関土間部分を打ちっぱなしにする
- 注文住宅をおしゃれにする技25:階段部分のささら桁を無くす
- 注文住宅をおしゃれにする技26:階段手すりをシンプルな形状のものにする
- 注文住宅をおしゃれにする技27:床材は基本的に1種類のみ使う
- 注文住宅をおしゃれにする技28:軒裏にこだわる
- 注文住宅をおしゃれにする技29:電気メーターを隠す
- 注文住宅をおしゃれにする技30:水切りを無くす
- 注文住宅をおしゃれにする技31:基礎を隠す
- 注文住宅をおしゃれにする技32:屋根勾配を意識する
- 注文住宅をおしゃれにする技32選のまとめ
おしゃれな家づくりをするための知識
おしゃれな家づくりをするために必要な前提となる知識を簡単に説明しておきます。
現在の住宅は、モダニズムとよばれるものの上に成り立っています。
モダニズムとは、建築的には装飾のない建物を意味する言葉で、よく聞くモダンという言葉はここからきています。
つまりモダンという言葉は直訳すると「現代的な」という言葉になるものの、建築においては「装飾のない建物」を意味する言葉だということです。
そのため例えば和モダンテイストの家をつくる場合、まずは装飾性のない空間をつくり、その次に和テイストを加えることで、いわゆる和モダンという空間をつくれるのです。
また最近、そこそこ話題に上がるジャパンディというテイストがあります。
これは和の要素に北欧家具を組み合わせたテイストになるのですが、こちらをつくる場合も考え方はいたってシンプルです。
まずはモダニズムがベースにあるので、装飾性を排除し、その上で北欧家具をチョイスし、最後に和テイストを加えるといった感じです。
ただ、ここでなぜ先に家具を入れることを考えるのか疑問に思った方もいるかもしれません。
これにはきちんと理由があるので、後で解説をします。
とにかくここでは基礎知識として「住宅のおしゃれさ=装飾性の排除」と覚えておいてください。
一旦、これさえ覚えていれば大丈夫です。
注文住宅をおしゃれにする技1:照明を間接照明にする
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
間接照明というのは、壁や天井に埋め込む細いライン上の照明のことです。
これを使うことで、天井面、壁面、床などに光を反射させることができるので、光源を見せずに明るさと奥行き感を演出させることができます。
ちなみに間接照明は照らす場所で名前が変わって、
- 天井を照らす間接照明を「コーブ照明」
- 壁に光を当てる間接照明を「コーニス照明」
- 壁・天井の両方を明るくする間接照明を「バランス照明」
といいます。
ただわかりにくので、多くの方はまとめて間接照明と一括りにしているような感じです。
ではなぜ、照明を間接照明にする必要があるのかというと、よく用いられるダウンライト、これをメインで活用すると天井面に穴が空いてしまいノイズになるからです。
そもそも美しい建築をつくるためには、ベースとしてモダニズムを意識する必要があります。
モダニズムというのは装飾のない建築を意味する言葉で、今現在住宅を含めたすべての建築におけるベースの考え方になります。
ですので建物の装飾性を排除するためにも、天井面はきれいに保つ必要性があって、それゆえに間接照明を使った方がいいわけです。
ただこの話をすると、「じゃあ、ダウンライトを使うなってこと?」「ペンダントライトはどうすればいいの?」このような質問が必ずきます。
ですので、そちらに対しても解答をしておきます。
まず、ダウンライトやペンダントライトは使います。
使うなということではありません。
ただ優先順位が低いのです。
というのも、照明を入れ込む順番ですが、簡潔にお伝えをすると、メインとなる間接照明、次にどうしてもスポットで必要な部分に対して、
- ダウンライト
- フットライト
- センサー照明
- グレアレスダウンライト
これらの照明を入れ、最後に装飾的な役割でペンダントライトを使う、この順番になります。
この順番で入れ込むことで、間違いない照明計画をすることが可能になります。
もう少し詳しく説明をすると、最初にも説明しましたが、間接照明は光源を見せずに明るさと奥行き感を演出させることができるという特徴をもっているわけです。
要はきちんと入れ込めば間接照明だけでも十分に照明計画は成り立つのです。
あと必要なのは、手元などの局所的な明るさくらいなのです。
ですので、その局所的な明るさを補うために
- ダウンライト
- フットライト
- センサー照明
- グレアレスダウンライト
これらの照明をスポットで入れるのです。
ちなみにダウンライトは説明不要かと思うので割愛しますが、フットライトは文字通り足元を照らすライトです。
廊下や玄関に設置することがほとんどです。
次にセンサーライトですが、センサーライトは文字通り、人が通ると勝手に照明のスイッチが入るライトで、玄関やトイレや廊下につけられることが多いです。
最後にグレアレスダウンライトですが、こちらは
- 置物や絵画など一部のものにフォーカスして照明を当てる場合
- 窓への映り込みをなくしたい場合
この2つの用途で使う照明になります。
特に2つ目の窓への映り込みに関しては、きちんと説明しなければ何を言っているのかわからないという人が多いと思います。
ですのでこの部分を少し掘り下げて説明していきます。
例えば電車や車に乗っていることを想像してみてください。
外が暗くて中が明るい場合、具体的にはトンネルに入った時や夜は、窓に自分の顔が映ります。
この窓への映り込み現象は住宅でも起こるのです。
そしてこの映り込み現象をうまく活用できればいいのですが、うまく活用できないと悲惨になるのです。
というのも、窓への映り込み現象をうまく利用できれば、室内を広く見せられるのです。
ごく稀に小さいお店などで、店舗内を広く見せるために鏡を使っているところがあります。
それと同じ理屈で、窓に部屋全体が映り込むことで、何となく部屋全体が広く感じられるようになるのです。
一方で映り込み現象を上手く利用できなければ、窓への室内の映り込みが激しくて、庭から見えるせっかくの夜景が台無しになります。
ですので窓への映り込み現象をうまく利用できるかできないかはけっこう重要なのです。
では、この窓への映り込み現象にどうやって対応するの?という話だと思うのですが、この時に出てくるのがグレアレスダウンライトです。
グレアレスダウンライトを活用することで、窓への映り込み現象を無くすことが可能になるのです。
例えば私の自宅にもグレアレスダウンライトが入っていて、天井に穴が2つほど空いてしまっているのです。
一見するとせっかくならこの部分にダウンライトをつけず、きれいな天井面にすればよかったんじゃないか?と思われると思うのですが、照明を何も入れないと、それはそれで空間が暗くなってしまいます。
また一方で、普通のダウンライトを入れると窓への映り込み現象が酷くなってしまうわけです。
ですので、ここには仕方なくグレアレスダウンライトを2つ入れたのです。
このような感じで、夜に見える庭の景色を室内に入れたい場合は、グレアレスダウンライトの設置を考える必要が出てくるので、1つ覚えておいてください。
ということで、ここまでの話をまとめると「間接照明だけにしろ!」「他の照明は入れるな!」そう言いたいわけではなく、間接照明をメインで考えて、局所的な明るさを補うためにスポットで
- ダウンライト
- フットライト
- センサー照明
- グレアレスダウンライト
を入れるという話でした。
では、ダイニングテーブルの上などに設置するペンダントライト、これはどのように考えればいいのかというと、基本的には装飾、つまりは飾りとして考えてください。
ですので機能は最低限、手元が明るくなればいいくらいに思ってもらえれば大丈夫です。
これがなぜなのかというと、メインはあくまで間接照明だからです。
例えば有名なペンダントライトに、ルイスポールセンのph5という照明があります。
この照明はとても有名なので知っている方も多いと思いますが、この照明は手元部分だけを明るく照らし、さらに光源が直接見えて眩しくならないように、緩いカーブがかった傘がかかっているのです。
つまりルイスポールセンのph5は極限に無駄を削ぎ落として、さらにはペンダントライトとしての機能とデザイン、これをかなり高いレベルで実現している照明なのです。
個人的にはルイスポールセンのph5には、ペンダントライトが何たるか、その極意が詰まっているように思います。
ただルイスポールセンのph5は、極限に無駄を削ぎ落としてペンダントライトとしての機能とデザインをかなり高いレベルで実現している一方で、個性がないのです。
見た目的にもすごくシンプルで、何も知らない人に無印良品で売っていると言っても多分バレないのではないかなと思います。
それだけシンプルで洗練されたデザインだということなのですが、ペンダントライトはその空間に個性や自分たちらしさを与えるものです。
そのため例えば
- ニューライトポタリー
- マイケル・アナスタシアデス
- イサム・ノグチ
といった少し独特で、かつ愛着が湧きそうな照明を入れるといいです。
事実一部の設計士の中には、そこに住む人の個性やその人の癖も照明で表現している人もいて、例えばフォスカリーニのスポークスペンダントランプ、
これは自転車の車輪のスポークから連想してつくられた照明なのですが、このスポーク部分は傘の骨のようでもあります。
その家に住む人の名前に「傘」が入っていたので、設計士がフォスカリーニのスポークスペンダントランプをチョイスして入れたという事例もありますし、あとは先ほど説明したマイケル・アナスタシアデス、
この照明にアレンジメンツという照明があるのですが、この照明は知恵の輪のように照明を組み合わせてつくるのです。
幾何学的に非常にカッコいい照明であることから、ご主人がイケメンだったらこの照明を提案すると決めている設計士もいました。
アレンジメンツは公式サイトで好きな形状をいろいろと組み合わせられるので、自分のことがイケメンだと思う方は少しいじってみるといいかもしれません。
このような感じで、ペンダントライトはその空間に個性や自分たちらしさを与えるものです。
ですので、手元を照らすという最低限の機能さえあればいいので、せっかく注文住宅を建てるのであれば、ペンダントライトは少し独特で、かつ愛着が湧きそうなものを入れてみてください。
重要なので最後にもう一度繰り返しますが、照明を入れ込む順番は、最初にメインとなる間接照明を入れ、次にどうしても必要な部分に対してスポットで
- ダウンライト
- フットライト
- センサー照明
- グレアレスダウンライト
これらの照明を入れ、最後に装飾的な役割でペンダントライトを使う、この順番になります。
ぜひとも覚えておいてください。
注文住宅をおしゃれにする技2:縁を切る
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー両方で使える内容になります。
ただし、難易度高めの収め方に関しては、木造系ハウスメーカーでないと無理です。
『縁を切る』というのは業界用語で連続性を断つことを言います。
連続性を断つことで、別々のテイストを両立させることができるのです。
これがどういうことなのかというと、今現在の建築はモダニズムがベースになっているので、極力装飾性を排除して空間をシンプルに仕上げた方がいいわけです。
ただそうはいっても例えば
- LDKの隣に和室を隣接させたい
- 内装で複数の壁材を使いたい
そう思う人も中にはいると思います。
この時に使うテクニックが『縁を切る』という手法なのです。
具体的に説明をすると、LDKの隣に和室を隣接させたい場合は、垂れ壁を設置することで室内の連続性を断つことができます。
これによってLDKに和室が隣接していても違和感がなく、自然に配置することが可能になります。
しかしその反対で、何も工夫なくLDKの隣にただただ和室を隣接させるとテイストが違う空間が不自然に連続することになるので、どうしても違和感のある空間になってしまうわけです
。
もちろん中には「そんなの気にしない。」という人もいると思うので、そういう方には必要のないテクニックかもしれません。
ただ少しの工夫だけで見た目が数倍よくなりますし、このくらいであれば鉄骨系のハウスメーカーであっても、木造系ハウスメーカーであっても、どちらでも対応ができます。
LDKの隣に和室を隣接させる場合は、垂れ壁を使って縁を切るということをやってみてください。
ただし次に説明する内装で複数の壁材を使いたい場合に行う縁切りの方法は木造系のハウスメーカーしか対応できません。
その方法とは何なのかというと、こちらになります。
壁と天井に使う素材を別々にする場合の方法で、壁と天井が接地しているコーナー部分にアルミアングルとよばれる部材を入れ込む方法です。
これをやることで壁面が立体的になって陰影が出るため、非常にいい表情が出る他、複数の素材を使っても全く違和感のない空間に仕上げることができます。
実際にこちらの物件も天井面と壁面で使っている壁材が異なるのですが、全く違和感なく施工されています。
このような感じで難易度は非常に高いですが、壁と天井が接地しているコーナー部分にアルミアングルとよばれる部材を入れ込む方法も存在します。
極めたい方はぜひともトライしてみてください。
注文住宅をおしゃれにする技3:垂れ壁を活用する
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
先ほどの『縁を切る』というパートで垂れ壁の話をしたと思います。
それに付随する内容になるのですが、垂れ壁は実は『縁を切る』という役割の他に『ノイズを隠せる』という効果があるのです。
例えば
- ロールスクリーンを隠す
- 第1種換気の給気口を隠す
- 火災報知器を隠す
- エアコンを隠す
- キッチンのレンジフードを隠す
これら室内空間においてノイズになりやすいものを垂れ壁を活用して隠すことができるのです。
それによっても、装飾性のないモダニズム全開のおしゃれな空間をつくれるのです。
実際に私の自宅もキッチンのレンジフードを隠すために垂れ壁を活用しています。
このような感じで、室内空間のノイズを隠す1つの手段として垂れ壁を使うということ、これを覚えておいてください。
注文住宅をおしゃれにする技4:収納をすべて埋め込み式にする
こちらは鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
基本的に収納はオーダーメイドの造作で、全て壁面に収める形でつくってもらってください。
いわゆる造作家具というものです。
造作家具の収納にする理由
なぜこのような収納にしなければならないのか、その理由は2つあります。
今はモダニズムがベース
1つ目は、今現在の住宅はモダニズムがベースだからです。
こちらは最初に前提となる知識の部分で説明をしているのでご理解いただけていると思いますが、美しい建築をつくるのであれば、最初はとにかく建物の装飾性を排除することが重要になるのです。
そのため、収納は造作で全て壁面に収めることがポイントになります。
建物に合わせて家具をつくる
続いて2つ目の理由が、本来の建築は建物に合わせて家具をつくるからです。
これがどういうことなのかというと、家具は本来、後から入れるものではないのです。
なぜなら建物と家具、ベストマッチな空間に仕上げるためには最初から全てを一緒につくり上げてしまった方がいいからです。
これに関しては誰でもなんとなくイメージできますよね?
それにも関わらず、工業化によって成り上がった日本では、とにかく家という箱を先行してつくって、
後から家具を入れるという賃貸方式が主流になってしまいました。
その結果、家具の後入れに対して何ら違和感を感じないようになってしまったのです。
そのため「家具なんて後回しでいいでしょ」という感覚にどうしてもなりがちなのですが、それですと完璧に建物と家具をマッチさせた空間はつくれないのです。
今現在の住宅はモダニズムがベースだからということと、本来の建築は建物に合わせて家具をつくるからということ、これら2つの理由があって、収納をすべて埋め込み式にすることがおしゃれな住宅づくりには欠かせないのです。
造作家具をつくる際の注意点
SNSを見るとおしゃれな住宅のほとんどが、造作家具を使っているので、人によっては「なんだ、おしゃれな家をつくるためには造作家具をつくってくれ」とお願いすればいいのかと安易に考えてしまいがちです。
ただそんなに簡単なことではなく、注意点が3つほどあるので、それについても簡単に触れておきます。
担当の設計士の経験値に大きく左右される
まず1つ目の注意点が、担当の設計士の経験値に大きく左右されるという点です。
造作家具をつくるためには
- 寸法
- 材質
- 取り付け方
最低でもこれらをイメージした上で図面に書き起こす必要があるのです。
これがけっこう難しくて、例えば皆さん、ミッキーマウスを思い浮かべてください。
ミッキーマウスは誰もが頭の中で鮮明に思い浮かべることができると思います。
ただ、その頭の中に思い浮かべているミッキーを書き起こしてくださいと言われたら、意外と難しいと思います。
しかもミッキーに関しては、既にあるものを書き起こせばいいだけですが、造作家具の場合は0から1を生み出さなければならないので、クリエイティブさも必要になってくるわけです。
要はそれと同じ感覚で、言葉にするのは簡単ですが、意外と書き起こせないのです。
ですので結局のところ、造作家具を提案してくれるかどうかは担当の設計士によるのです。
ただ、この話を聞いた人の中には「それはわかったけど、そんなのどうすることもできないじゃん。」と思われた方もいると思います。
その気持ちはすごくわかります。
わかるので、一部のハウスメーカーでは私専用といっても過言ではない、特別紹介窓口をつくってもらいました。
これがどういうものなのかというと、ハイレベルな物件をつくりたいという全国のお客様の要望を叶えるべく、そのハウスメーカーの全国トップレベルの設計士が皆さんの設計担当になってくれるという窓口です。
手数料等もかかりませんし「いい家をつくりたい!」というやる気さえあれば全国どこでも対応できます。
「何か裏があるんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、裏なんてなく、純粋に私の想いに共感してくれた仲間たちが立ち上げた部署です。
使わないと損するレベルの超すごいことなのですが、こちらについて「詳細を知りたい!」という方は、メグリエから私との無料個別面談を申し込んでみてください。
そちらで詳細をお伝えします。
とにかく造作家具の提案は、担当の設計士の経験値に大きく左右されるものであり、一言でまとめるなら属人性が非常に高いものになります。
これが注意点の1つ目です。
対応できるハウスメーカーが限られる
注意点の2つ目ですが、対応できるハウスメーカーが限られるという点です。
皆さんもご存知だとは思いますが、ハウスメーカーという業態は日本独自の業態です。
なぜなら日本は敗戦国であり、戦後の日本では住宅の大量生産が必要だったからです。
そのため、ハウスメーカーという業態のそもそもの目的は、住宅の大量生産にあるわけです。
言い換えれば、とにかく「つくること」、これがハウスメーカーの目的だということです。
そしてつくることが目的だったということは、造作の提案もほとんどやってこなかったということなのです。
そのため例えば、造作家具を使ってきれいな空間をつくってほしいですと依頼しても、Aというハウスメーカーではすんなり要望がとおる一方で、Bというハウスメーカーでは「そんなの必要ない」などの否定的な意見をされるというようなことも平気で起こるわけです。
「そんなことあるの?」と思われると思うのですがあるのです。
とにかく造作家具の作成は、対応できるハウスメーカーが限られるということを覚えておいてもらえればと思います。
これが注意点の2つ目です。
市販の家具から逆算して家づくりをすることもできる
最後に注意点の2つ目が市販の家具から逆算して家づくりをすることもできるということです。
こちらは相当難易度が高い話になってくるのですが、先ほど建築は本来、建物に合わせて家具をつくるものだという話をしたと思います。
そのため造作器具が必要という話だったわけですが、逆をイメージしてみてください。
建物に合わせて家具をつくるのも家具に合わせて建物をつくるのも、順番は逆になっていますが、やっていることは同じです。
ですので、「市販の家具」ここから逆算して家づくりをすることもできるということなのです。
ここのパートは収納のパートなので、収納にフォーカスをしてお話をすると、例えばサイドボードという家具があります。
この家具は、そこにいることで時間を忘れられるようなヴィンテージ感のある住まいをつくるためには必需品だと私は思っているのですが、そういう住まいをつくるためには、最初からサイドボードをどのようなものにするのか、これを決めて逆算して家づくりをしなければ上手くいかないわけです。
また話が逸れてしまうのですが、世の中には名作家具とよばれる椅子たちがあります。
LC1やLC2、DARにLCW、NV45やYチェアなどなどです。
これらの名作家具と家が一体となるような、そんな家をつくるとなると、これもまた家具から逆算して家づくりをしなければ上手くいかなくなるわけです。
とにもかくにも建物に合わせて家具をつくるのも、家具に合わせて建物をつくるのも、順番は逆になっていますが、やっていることは同じで、市販の家具から逆算して家づくりをすることもできるのです。
このことを理解した上で家づくりを行うのであれば、何も造作家具にこだわる必要性もなくなるわけです。
ですので、造作家具にこだわるのか、それとも既製品の家具から逆算して家づくりをするのか、はたまたその両方を狙うのか、これらを考えてみてください。
ということで、造作家具の提案を受ける上での注意点が3つ
- 担当の設計士の経験値に大きく左右される
- 対応できるハウスメーカーが限られる
- 市販の家具から逆算して家づくりをすることもできる
以上の解説をしてきました。
ぜひとも参考にしてみてください。
注文住宅をおしゃれにする技5:テレビボード・テレビは使わない
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
テレビボードはそれ自体が装飾になります。
そのためシンプルですっきりとした空間をつくり込むためにも、基本的にテレビボードは使わないようにしましょう。
今は昔と違って、ブルーレイやDVDを使わずとも、映画などを観られるようになりました。
冷静に考えれば「いらないか。」と思う方も多いはずです。
なんなら極論にはなりますが、テレビ自体を無くしてきれいな壁面を維持できるようにしてしまった方がいいくらいです。
というのもここ最近、私の紹介で家を建てた方の多くがプロジェクターでテレビを観るということをしています。
そもそも最近テレビを観るという家庭も少なくなってきていますし、これがより加速すると、何十年後かにはテレビ自体がほぼ絶滅するような、そんな状況にもなるのかなと思っています。
例えば昔は映画館でないと映像は観られませんでした。
それがテレビの登場により、映画館にわざわざ行かずともテレビで映像を観られるようになったのです。
そして今現在はテレビをつけずとも、スマホで情報収集ができるようになったわけです。
歴史は繰り返すというので、テレビというものが完全消滅することはないまでも、需要自体はかなり減るのではないかなと思います。
そもそもテレビの使用頻度が低いのであれば、プロジェクターの方が持ち運びしやすいです。
しかも最近のプロジェクターは画質もよくて、音もかなりきれいなのです。
一度体感してみるとわかりますが、本当にテレビの存在意義を考えさせられる、そんな時代になってきています。
ですのできれいでおしゃれな家づくりをするためにも、また時代を先読みした家づくりをするためにも、テレビボードを無くしてなるべくテレビボードが必要ないように間取りを工夫してもらったり、あとは埋め込み式にする形でテレビを設置したりしましょう。
また場合によってはテレビそのもの自体を無くしてみてください。
注文住宅をおしゃれにする技6:ハイドアを使う
こちらの内容は鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
ハイドアとは天井まで高さのあるドアです。
例えば左が一般的な2mのドアで、右がハイドアになります。
見比べてみるとわかりますが「ハイドア」はドアが天井まであります。
そのためドアを開けた時に下がり壁が無く、すっきりとした印象です。
これを建築では「無駄なラインを減らす」といったりします。
例えば左の画像では横のラインが天井、床、ドア上部で3つあるのに対して、右のハイドアの画像では、横のラインが天井と床部分の2つしかないのです。
大した差ではないように感じるかもしれませんが、このことに配慮するのとしないのとでは室内のでき上がりが全然違ってきます。
ぜひとも意識してみてください。
ハイドアにさえなっていれば、開戸であっても引き込み戸であっても、どちらでも大丈夫です。
注文住宅をおしゃれにする技7:ドアの枠を無くす
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
こちらも先ほどの「ハイドアを使う」という部分に付随する内容なのですが、ドアの枠がなくなることですっきりするのです。
要はこれも装飾を排除しているわけです。
注文住宅をおしゃれにする技8:ドアそのものを無くす
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
そもそもの話として、無駄にドアをつけると、それだけで数万円の費用が発生してきますし、ドアの取りつけに伴って、先ほど説明した
- ハイドアにする
- ドアの枠を無くす
これらのことを考えなければならなくなります。
余計な手間や費用がかかるのを考えるくらいなら、最初からドアを極力つけない方向で間取りをつくった方が賢明ですし、その方がきれいな空間をつくり上げることができます。
言い方が悪いですが、レベルの低い設計士が書いた間取りですと至るところにドアが取りつけられてしまうので、削減できるところはないか確認するようにしましょう。
注文住宅をおしゃれにする技9:巾木・幕板を無くす
こちらの内容は一部の木造系ハウスメーカーのみで使える内容になります。
巾木とは、床と壁の設置部分につける部材ですが、これも太いと装飾的な扱いになるので、基本は排除する前提で考えます。
こちらに関しては完全に排除するでもいいですし、アルミアングルというものを差し込んで、巾木を目立たなくするのでもいいです。
また、ハウスメーカーによるのですが、1階と2階の間に幕板とよばれる部材が入るメーカーもあります。
これも装飾になるので、基本は排除する方向で動きましょう。
注文住宅をおしゃれにする技10:窓枠を目立たせないようにする
こちらの内容は鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
ここでお伝えしたいのは3つです。
- 窓の枠をクロス巻き込み仕上げにする
- サッシを隠すために壁をふかす、もしくは垂れ壁を活用する
- 窓と窓の間のクロスを窓枠と同じ色の壁紙にする
以上の3点です。
窓の枠をクロス巻き込み仕上げにする
1つ目の方法は比較的簡単で、余計な窓枠を排除してクロス巻き込み仕上げにしてしまえばいいだけです。
ですので、ハウスメーカーに「窓枠部分はクロス巻き込み仕上げにしてください」と頼むようにしましょう。
サッシを隠すために壁をふかす、もしくは垂れ壁を活用する
2つ目は難易度が高いのですが、壁を厚めにしてサッシ部分を隠すように施工するのです。
例えばこのような感じです。
これはなかなかの高等テクニックなのですが、言ってしまえば壁をふかしたり、垂れ壁を設置したりすればいいだけです。
つまりは、やるかやらないかの差でしかないということです。
モダニズムには必要な手段の1つになるので覚えておいてください。
窓と窓の間のクロスを窓枠と同じ壁紙にする
最後に3つ目は、窓を隣り合わせで連続させる時に、その間の壁と窓枠の色と同じクロスにすることで、窓を連続させているように見せるというテクニックです。
ただこれはかなり限定的な場合にのみ使える方法になるので、おまけ程度に覚えておくくらいでいいです。
ただ今お伝えした
- 窓の枠をクロス巻き込み仕上げにする
- サッシを隠すために壁をふかす、もしくは垂れ壁を活用する
- 窓と窓の間のクロスを窓枠と同じ色の壁紙にする
以上の3つは窓枠を目立たせないようにするために必要な知識になるので、ぜひとも覚えておいてください。
また余談にはなりますが、無垢床を採用している場合、窓枠の笠木に無垢床のあまりを使うという方法があります。
これをすると10万円くらい安くできるので、無垢床を採用しようと考えている方は、1つの方法として覚えておいてください。
注文住宅をおしゃれにする技11:下がり天井を活用する
こちらの内容は、一部の鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカーで使える内容になります。
下がり天井とは、一部の天井を意図的に下げることによって、アクセントにしたり、間接照明を仕込んだりする手法です。
Instagramの実例でもやたら見かけるので、多くの方が真似している印象です。
これに関しては鉄骨系のハウスメーカーであろうと木造系のハウスメーカーであろうと取り入れられるものになるので、そこまで難易度の高いものではありません。
やるかやらないかです。
また、下がり天井の活用は窓の高さを取れない樹脂窓の意匠性をカバーする時にも使える手法です。
ただし天井を下げる場合、窓が横に広がるような空間構成にしなければなりませんし、下がり天井はそれ自体が非常に装飾性の強いものでもあります。
やり過ぎると意匠性がよくなるどころか、空間がごちゃごちゃしやすくなるので、下がり天井の採用を検討する場合は、使い所をしっかりと見極めるようにして、ここぞという時にお使いください。
注文住宅をおしゃれにする技12:室内全体の壁の色を1色にする
こちらの内容は鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
室内全体の壁の色を1色にするということについてですが、これについてはそのままの意味です。
よく、注文住宅だからということで、いろんな場所にいろんな色の壁紙を貼りつける人や、やたらエコカラットをすすめる営業マンがいるのですが、それはやめましょう。
壁はそれ自体が最大のインテリアです。
そのことを理解せず、いろんな色のクロスを入れてみたり、エコカラットを入れてみたり、やればやるほど装飾性が酷くなって空間がごちゃごちゃしやすくなります。
例えるなら、アクセサリーをジャラジャラつけている感じに近い感じです。
アクセサリーをジャラジャラつけるのは、つけている本人はおしゃれだと思ってやっているのだと思いますが、正直、言葉を選ばずに言えばダサいですよね。
余計に加えれば加えた分だけ酷くなるのは、なにもアクセサリーだけではなく、壁も一緒です。
そのためできることなら家全体の壁の色は1色にしてください。
ただこの話をすると「それじゃつまらない!」「賃貸っぽくなるじゃん!」などそのようなことをいう人がいるのですが、確かにそれはそのとおりです。
何も工夫をしないで、ただただ白のビニールクロスを入れてしまったら、それは当然、賃貸のようになってしまいます。
ですのでここからは、ポイントを2つお伝えします。
素材感を意識する
まず1つ目は、素材感を意識するということです。
壁材にも様々な素材感のものが存在します。
例えば、ふりまき壁紙や和紙壁紙、織物壁紙といった壁材です。
これらの壁紙は素材感が非常にいいので、これ単体だけでも十分におしゃれな空間を演出することができます。
その他にも私おすすめの壁材として
- 漆喰壁の漆喰くるむ
- 紙クロスのオガファーザー
- シラス壁の中霧島壁
などがあります。
これらの壁材は性能もよく、さらには質感もいいので、例え1色のみの色使いであってもかなりいい感じの空間に仕上がります。
ノイズのない面にアクセントクロスを入れる
2つ目のポイントは、ノイズのない面にアクセントクロスを入れるということです。
どうしてもアクセントクロスを入れたいという方向けのアドバイスとして、照明やスイッチなどがないきれいなノイズのない壁面、ここに対してアクセントクロスを入れるようにしてください。
照明やスイッチなどがある壁面にアクセントクロスを入れてしまうと、非常にノイジーな空間になってしまい、おしゃれとは真逆な空間に仕上がってしまいます。
そうならないようにするためにも、どうしてもアクセントクロスを入れたいのであれば『ノイズのない面にアクセントクロスを入れる』これを徹底してください。
これら2つのポイントを守っていただければ「つまらない!」「賃貸っぽくなる!」といったことを回避できます。
ぜひとも覚えておいてください。
注文住宅をおしゃれにする技13:クロスを一枚貼りする
こちらの内容は鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
室内のクロスを貼る際に、最大限空間をおしゃれに、そして同時にきれいに見せる方法があります。
それが、継ぎ目が極力出ないようにクロスを貼ってもらうということです。
これは、けっこうないがしろになっている現場が多く、しっかりと指示しなければ、変なところでクロスの継ぎ目が出てきていたりするのです。
すると見た目が悪い空間になってしまいますし、経年劣化で継ぎ目の部分から剥がれてきたりもするのです。
ですので、できることなら継ぎ目が極力出ないようにクロスを貼ってもらうというのがポイントです。
これは知っているか知らないかで大きく結果が異なってくるポイントでもありますし、お金をかけずともおしゃれな空間をつくることのできる方法でもあるので、検討しているハウスメーカーに極力継ぎ目が出ないようにクロスを貼ってもらうようお願いしてみてください。
注文住宅をおしゃれにする技14:照明のスイッチ・コンセントを目立たせないようにする
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
これは特には説明不要かと思います。
リビングなどメインとなる空間部分には、スイッチ・コンセントは目立たないように設置してください。
例えばパントリー内部や玄関部分に照明のスイッチを全て集約させる、コンセントも最低限にして、どうしても必要なら床下に設置してみるなどです。
リビングは実はそこまでコンセントはいらないので、とにかくきれいに見える方法を考えてみてください。
注文住宅をおしゃれにする技15:スイッチ・コンセント・ドアノブの素材感を意識する
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
スイッチ・コンセント・ドアノブ、これらは一言で言い換えると、機能性と装飾性を兼ねた身近で不可欠なものであり、洋服でいうボタンのようなものになります。
ボタンはただ服を着る時に使うものくらいの感覚しかないと思うのですが、洋服の金額が高くなれば高くなっただけ、貝殻を使ったボタンだったり、象牙を使ったボタンだったり、あとは真鍮を使ったボタンだったり、その服の個性を象徴するかのような様々なボタンが使われているのです。
スイッチ・コンセント・ドアノブ、これらもそれ自体が確かに機能性と装飾性を兼ねた身近で不可欠なものである一方、説明を受けなければわからない、でも説明を受けるとハッとする、そのような軽視できない重要な存在なのです。
だからこそおしゃれな空間をつくるなら、スイッチ・コンセント・ドアノブの素材感を意識する必要があるのです。
では具体的にどのような素材を使ったらいいのかというと、私個人的には真鍮系のものがおすすめです。
真鍮は経年変化でアンティーク感が出るのです。
建物の価値や愛着を感じられるようにするためには、いかに時間的要素を取り入れられるか、これがポイントになってきます。
そういう意味では、真鍮という素材は非常に使い勝手のいい素材になるので、真鍮のスイッチ・コンセント・ドアノブを探して取り入れてみるといいかもしれません。
注文住宅をおしゃれにする技16:床埋め込みコンセント
こちらの内容は、一部の鉄骨系ハウスメーカーと一部の木造系ハウスメーカーのみで使える内容になります。
床埋め込みコンセントはその名のとおり、床に埋め込むタイプのコンセントです。
これを採用することで、室内の壁面を汚くすることがない他、ソファの下にコンセントを入れ込むこともできるのです。
ですので例えば、ソファで横になりながらスマホを充電するなんてこともできます。
床埋め込みコンセントは、意匠的にも機能的にも非常にいいもののように思えます。
思えるのですが、安易に真似すると痛い目をみるので、皆さんが失敗しないようにするために、注意ポイントを2つ紹介します。
コンセントは横に設置する
1つ目は、コンセントは横に設置するということです。
時々コンセントを真下に設置して施工してしまう方がいるのですが、それをやるとコンセントの穴に埃が入り、最悪、火事になってしまう可能性があります。
ですので、コンセントは埃が入らないように真横に設置するようにしてください。
断熱・気密処理を施す
2つ目は、断熱・気密処理を施すということです。
本来床埋め込みコンセントを施工する場合、断熱材でコンセントボックスをつくり、気密処理をした上で床埋め込みコンセントを設置するのですが、非常に面倒なので、それをやらずに施工している案件が多々あります。
これですと室内の温熱環境が悪化するので、床埋め込みコンセントを取り入れるのであれば、必ず断熱材でコンセントボックスをつくり、気密処理をしてもらってください。
これら2つの注意ポイントを無視して、なんとなく意匠性がいいからで取り入れると大惨事になります。
ご注意ください。
注文住宅をおしゃれにする技17:カーテンを使わない設計にする
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
カーテンは究極の装飾です。
なんならカーテンは女性らしさが非常に出るアイテムでもあるので、洋風系の住宅やラグジュアリー感を出すなら設置してもいいのです。
ただ最初の段階でいきなりカーテンを設置すること前提で間取りをつくるのは危険なので、洋風系の住宅やラグジュアリー感のある建物が好みでないのであれば、地窓や高窓を駆使するなどして、一旦はカーテンは使わない方向で設計してもらいましょう。
注文住宅をおしゃれにする技18:ロールスクリーンを埋め込み式にする
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
「カーテンは使いたくない!でも夜はカーテンを閉めたい!」そんな方も多いはずです。
この時、ロールスクリーンの設置を検討することになると思うのですが、ロールスクリーンは、それ自体がただただ無骨に取りつけられているだけですと、非常に不恰好です。
ロールスクリーンを設置する場合は埋め込み式にしてもらいましょう。
これは最初に言っておいた方がいい項目で、後からですと余計な追加費用がかかりやすい部分でもあります。
ご注意ください。
注文住宅をおしゃれにする技19:キッチンを目立たない位置に配置する
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
きれいな建築をつくる基本は、まずはモダニズムを意識して、その上で比率を意識した空間構成にする必要があるという話はしたと思います。
ただしいくらきれいな空間構成をつくれたとしても、キッチンが目立つ位置にあるとそれ自体が装飾になってしまい、せっかくのきれいな空間が台無しになってしまうのです。
ですので、キッチンは基本的には目立たない位置に設置するのがポイントで、
どうしても目立つ位置に配置しなければならないなら、シンプルさが引き立つ白のキッチンにするなどの工夫が必要になります。
注文住宅をおしゃれにする技20:レンジフードを目立たせないようにする
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
LDKの中で、レンジフードほどメカメカしいものはありません。
できることなら隠した方がシンプルな空間をつくり上げることができます。
ですので例えば、先ほども説明したとおりで、垂れ壁を使ってレンジフードを隠す、
あとはそもそもレンジフードではなく、普通の換気扇を使って意匠性を担保するなどです。
これらの工夫をすることで、メカメカしいレンジフードを空間から消すことができます。
そういった小技が難しいというのであれば、いっそのことキッチンを個室にしてしまうというのもアリなので、皆さんもいろんな視点からキッチンのレンジフードを隠す手立てを考えてみてください。
注文住宅をおしゃれにする技21:エアコンを目立たせない位置に設置する
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
エアコンはレンジフードよりも隠せる方法があるのでまだマシではありますが、レンジフードに次いでメカメカしい設備です。
目立たない位置で、さらには効果効率的にエアコンが効く位置を設計段階から決めておいてください。
ちなみにこういったエアコンを隠すための格子は造作家具屋さんでつくってもらえます。
注文住宅をおしゃれにする技22:換気設備、火災報知器を目立たせない位置に設置する
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
垂れ壁のパートの例え話で話しましたが、
- 第1種換気の給気口
- 火災報知器
これらはついていてあまり見た目がよくなるものではありません。
ですので、極力目立たない位置に設置することが重要となります。
ただ第1種換気の設置位置、これに関しては要注意です。
というのも、第1種換気は室内の空気と外の空気を足し合わせて、なるべく室内の温度に近い温度にした上で各部屋に新鮮な空気を分配するという方式になっています。
その仕組み上、キッチンに近い位置に設置してしまうと、食べ物の臭いもかすかに各部屋に分配してしまうわけです。
意匠性が重要なのはわかるのですが、それを優先するあまり機能的に悪くなってしまっては意味がありません。
意匠優先の担当者は、その辺全く気にせず、割と適当に給排気口を設置しがちなので、皆さんもご注意ください。
注文住宅をおしゃれにする技23:玄関カマチを無くす
こちらの内容は、一部の鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカーで使える内容になります。
玄関カマチというのは、この部分のことをいいます。
無垢床を採用する場合のみの話にはなるのですが、この玄関カマチをなくして無垢床を切りっぱなしに施工することができます。
これをやることで見た目もよくなり、さらにはハウスメーカーによるものの10万円くらいコストを削減できます。
ですので個人的には非常におすすめの施工方法になるのですが、ここで1つ注意点があります。
それがフローリングを貼る向きです。
というのも、玄関に対してフローリングを縦に貼ってしまうと、フローリングの断面があらわになってしまい耐久性が悪くなります。
そうならないようにするためには、フローリングを横に貼る必要があるのです。
そうすることで切りっぱなし特有のおしゃれさを維持しつつ、耐久性も確保できるわけです。
この辺も考えなしにやってしまうと、後々になってから、結局普通に玄関カマチを入れておけばよかったとなってしまいます。
そうならないようにするためにも、玄関の切りっぱなしを採用する際は施工方法を確認するようにしてください。
注文住宅をおしゃれにする技24:玄関土間部分を打ちっぱなしにする
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
玄関タイルは装飾としての機能が非常に大きいです。
ですので、基本的に玄関土間は打ちっぱなしを前提に考えましょう。
ある程度家全体のテイストが整って、方向性が見えた時点で、打ちっぱなしのままでいくのか、それとも装飾をしてタイルにするのか、この辺を選んでいただければと思います。
何度も言いますが、現代における建築の原点は、装飾のない建物を意味するモダニズムです!
注文住宅をおしゃれにする技25:階段部分のささら桁を無くす
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
階段のささら桁というのはこの部分です。
これがあると非常にダサいので、速攻で無くしましょう。
ここに装飾を入れる必要性はありません。
注文住宅をおしゃれにする技26:階段手すりをシンプルな形状のものにする
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
ハウスメーカーによっては階段手すりが複雑な形状だったりします。
複雑になればなるほど装飾性は強くなるので、なるべくシンプルなものにしてください。
階段手すりは施主支給でもなんとかなるので、もし検討中のハウスメーカーが決まった階段手すりしか入れられない場合は、施主支給にして現場で取りつけをしてもらうようにしてください。
注文住宅をおしゃれにする技27:床材は基本的に1種類のみ使う
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
壁紙と同様で、どうしてか、たくさんの種類の床材、たくさんの色の床材を使いたがる人がいるのですが、いろんな種類を使えば使うほど見切り材というのが出てきます。
また、いろんな色の床材を使えば使うほど、空間がごちゃごちゃしてきます。
床材は基本的に1種類かつ1色のみ使う、これは徹底してください。
いろんな床材を使えば使うほど見切り材が出てきますし、空間がまとまらなくなります。
ご注意ください。
注文住宅をおしゃれにする技28:軒裏にこだわる
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
軒裏とは、屋根の裏側の部分のことをいいます。
この部分は意外と目立つので、できれば本物の木を使って軒裏をつくった方が、見た目的にも風合い的にもよかったりします。
実際、私の自宅の軒裏も、最初はサイディングでいいかなと思ってサイディングを選択していたのですが、後からそれではダメだということに気がついて、急いで全部の軒裏部分を本物のチーク材に変更しました。
おかげでものすごくかっこよく仕上がりましたし、満足度も高いです。
ただこの軒裏は使う建材にもよるのですが、そこそこ金額が上がります。
とにかく契約すること優先の営業マンが自分の担当ですと、最低限の軒裏材になっていることがよくあります。
もちろん予算が無限にあるなんて方はほぼいないので、限られた範囲内できれいに仕上げられる方法も考えなければならないのも重々承知です。
ではどうすればいいのか、個人的にはマットな質感の軒裏材を使うというのをおすすめしています。
というのも、軒裏は基本的にはサイディングを貼ることがほとんどなのですが、その中でマットな質感の軒裏材であれば目立ちにくいですし、見た目も悪くはありません。
さらに、できるハウスメーカーは限られるのですが、吹き付け外壁を選んだ場合、軒裏のサイディング材の上にも吹き付けを行い、外壁と一緒の素材にそろえてしまうなんて施工方法もあります。
超高等テクニックですが、そのような方法もあるので、もし吹き付け外壁を採用される方がいましたら、軒裏まで吹き付けられないか、ハウスメーカーに相談してみてください。
きれいな家をつくることに情熱を燃やす優秀な担当者であれば、その願いを叶えてくれるはずです。
注文住宅をおしゃれにする技29:電気メーターを隠す
こちらの内容は、鉄骨系ハウスメーカーと木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
ごく稀に電気メーターが建物の目立つ位置に設置されているケースがあります。
そこまでこだわりがなく、見た目を気にしない設計士ほど、こういう細かいところが適当になっているケースがあるのでご注意ください。
注文住宅をおしゃれにする技30:水切りを無くす
こちらの内容は、一部の鉄骨系ハウスメーカーと一部の木造系ハウスメーカーで使える内容になります。
水切りというのは、構造躯体と基礎の間に入るグレーの金具のことをいいます。
この金具は本来、基礎内部に雨水が入らないようにする目的で設置するのですが、壁を厚くするなどの工夫をすれば、水切りを無くすことができるのです。
これをすることで、家っぽさを消すことができて、建物の見た目の美しさも大きく向上します。
ぜひともトライしてみてください。
注文住宅をおしゃれにする技31:基礎を隠す
こちらの内容は、一部の鉄骨系ハウスメーカーと一部の木造系ハウスメーカー、両方で使える内容になります。
先ほどの水切りを無くすテクニックとの合わせ技で、さらに建物の見た目をよくする方法があります。
それが「基礎を隠す」という方法です。
この方法は、基礎にも外壁で使っているタイルや吹き付け材を使うという方法で、これを取り入れることで、より家っぽさを消すことができるのです。
ブランド感を出さず、さらには街に溶け込むような、そんなデザインの家をつくるためには必要な要素となるので、水切りを無くすことと合わせてこちらもぜひトライしてみてください。
注文住宅をおしゃれにする技32:屋根勾配を意識する
こちらの内容は、一部の鉄骨系ハウスメーカーと一部の木造系ハウスメーカーで使える内容になります。
屋根の勾配は可能な限り水平になるよう、2.5寸勾配の屋根を取り入れましょう!というのがおしゃれな住宅をつくるポイントになります。
というのも、一般的な住宅の場合、5寸勾配という屋根を使います。
5寸勾配の屋根は「いかにも屋根!」という感じの屋根で、これを使うと家っぽさや箱っぽさが強調されるのです。
ただ例えば、建築面積が限られている土地に家を建てる場合などは、5寸勾配の屋根にして、2階部分の天井高を高くしつつ広さを演出するなんてこともできるにはできます。
そのため5寸勾配が絶対にダメかと言われればそんなこともないのですが、外観のきれいさだけで言えば、圧倒的に2.5寸勾配の屋根になります。
屋根なしのフラットな外観ではなく、普通に屋根をつける想定で家を建てるのであれば、最初はとりあえず2.5寸勾配で屋根をつくる前提でいるようにしてください。
注文住宅をおしゃれにする技32選のまとめ
今回は『注文住宅をおしゃれにする技32選』というテーマでお話をしてきました。
まだまだ細かいテクニックはあるのですが、だいたいこれら32個を覚えておけば、いい感じの家が建てられるはずです。
ただし、ハウスメーカーによってできるできないがけっこう激しいので、「さらに詳しく知りたい!」「テクニックを駆使したおしゃれな家づくりをしたい!」など、そう思われた方は私が運営しているメグリエから私との無料個別面談を申し込んでもらえればと思います。
実はつい先日、とあるハウスメーカーで私専用といってもほぼ過言ではない設計窓口が誕生しました。
これにより都道府県の垣根なく、全国No,1とよべる設計チームを皆さんに紹介し、担当になっていただけるような仕組みが整いました。
ですので地域関係なく、とにかく断熱も機密もデザインも、全て完璧に整えた最先端の家をつくりたいという方、そういう方はチャンスなので、この機会を逃さないようにしていただければと思います!