ヘーベルハウスの注文住宅は、都心部に特化した住宅となっています。モダンなデザインが特徴的で、狭い土地で二世帯住宅を建てたいようなケースにも適しています。そのため、お住まいの地域によっては第一候補で考えているような方も少なくないでしょう。
とはいえ、ヘーベルハウスの注文住宅には他にもさまざまな特徴、メリット・デメリットがあります。今回は、ヘーベルハウスの重要なポイントはもちろん、坪単価や口コミなど気になる情報もお伝えします。各ハウスメーカーから直接情報を得られる当サイト「メグリエ(MEGULIE)」ならではのリアルな情報なので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
ヘーベルハウスの注文住宅の特徴
ヘーベルハウスの注文住宅には、主に次のような特徴があります。それぞれについて解説します。
モダニズムを広めた現代建築の原点

ヘーベルハウスは1972年に誕生し、モダニズム建築の影響を強く受けたデザインと技術を採用しています。モダニズムとは、建物の装飾を排除し、機能美を追求する建築様式です。ヘーベルハウスの住宅は、直線的でシンプルな外観が特徴で、これにより無駄のない美しさを実現しています。
このデザインは、ル・コルビュジエのサヴォア邸に代表される近代建築の流れをくんでおり、機能的かつ美しい住まいを提供しています。ヘーベルハウスの家は「真四角な家」として知られていますが、これは単なるデザインの選択ではなく、現代建築の原点としての深い歴史的背景があるのです。
他のハウスメーカーと比較してもモダニズムへのこだわりは独自性が高く、シンプルさと機能性を兼ね備えた住まいとして人気を集めています。
業界初の二世帯住宅をつくったハウスメーカー

ヘーベルハウスは、1975年に業界で初めて二世帯住宅というコンセプトを打ち出し、都市部の限られた土地でも快適な暮らしを実現するためのパイオニアとなりました。
当時、親世帯と子世帯が同じ屋根の下で別々に暮らすという発想は革新的で、都会の土地事情を考慮した新しい住宅形態として爆発的に流行しました。
1980年には二世帯住宅研究所を設立し、実際の居住者からのフィードバックをもとに常に設計を改良し続けています。二世帯住宅のタイプには、完全同居型、完全分離型、一部共有型の3種類があり、それぞれの家族のライフスタイルに合わせた柔軟な設計が可能です。
特に都市部での二世帯住宅は、土地の有効活用だけでなく、親世帯と子世帯が適度な距離感を保ちながら生活できる点が大きなメリットです。ヘーベルハウスの豊富なノウハウは、二世帯住宅を検討している方にとって魅力となるでしょう。
3種類の構造躯体
ヘーベルハウスは鉄骨住宅を扱っているハウスメーカーであり、次の3つの構造躯体があります。
それぞれどのような仕組みや特徴があるのか、簡単に解説します。
ハイパワード制震ALC構造(軽量鉄骨)

ヘーベルハウスの軽量鉄骨構造は、独自の『ハイパワード制震ALC構造』を採用しています。この構造は、地震の揺れを効果的に抑える極低降伏点鋼(伸び性に優れた鋼材)の制震装置(ハイパワードクロス)を備えた制震技術を特徴とし、高い耐震性を発揮してくれることが魅力です。
軽量鉄骨の骨組みに高耐久なALC材(通称:ヘーベル板)を組み合わせており、軽量ながら高い耐震・耐火性能を実現していることもポイントです。この構造は主に40坪までの2階建て規模で採用されており、ヘーベルハウス独自の構造となっています。
重鉄・システムラーメン構造(重量鉄骨)

重鉄・システムラーメン構造では、3階建てや防火地域に適したラーメン構造(柱と梁の強固な接合)を採用し、大空間や大開口を可能にしています。都市部の狭小地での住宅建築にも対応し、耐震性と自由度を兼ね備えた設計が可能です。
部材には剛性の高い重量鉄骨が使用されており、軽量鉄骨よりも柱や梁が太いため、強度に優れるのが特徴です。オイルダンパー制震装置「サイレス」によって建物の揺れを吸収し、地震時のダメージを軽減することで地震に耐える仕組みとなっています。
強度を保ちながら柱と梁だけで構造を支えるため、開放的な空間設計が可能な点もメリットといえるでしょう。
重鉄制震・デュアルテックラーメン構造(軽量鉄骨・重量鉄骨のハイブリッド)

重鉄制振・デュアルテックラーメン構造は、軽量鉄骨と重量鉄骨を組み合わせたハイブリッド構造で、40〜60坪程度の大規模な2階建て住宅向けに開発された構造です。
従来、軽量鉄骨は重量鉄骨より強度に劣り、重量鉄骨はコストがかかるというジレンマがありました。しかし、デュアルテックラーメン構造では軽量鉄骨と重量鉄骨の長所を融合しているため、コストを抑えながら強度を高めることができます。
必ずしもデュアルテックラーメン構造が3つの中で優れているとは限りませんが、地域や予算、間取りなどに応じて柔軟に選べるという点では、良い選択肢といえるでしょう。
ヘーベルハウスの特徴は他にもあります。登録者13万人以上を誇る住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネルでも、ヘーベルハウスについての最新情報を解説しています。より詳しく知りたい方はチェックしてください。
ヘーベルハウスの注文住宅の坪単価
ヘーベルハウスの注文住宅の坪単価は約122〜130万円で、ハウスメーカーの中でもやや高価格帯に分類されます。では、なぜヘーベルハウスの住宅は他社と比較して高額なのでしょうか?
主な理由としては、「耐震性能の高さ」「住環境の快適さ」「間取りの自由度の高さ」などが挙げられます。
まず、ヘーベルハウスは「ハイパワード制震ALC構造」や「デュアルテックラーメン構造」などを採用し、地震の揺れを最小限に抑える技術を持っています。これにより、繰り返しの地震にも強い設計が可能となり、長期間にわたる安心感を提供します。
また、「アリオス」という独自の住環境シミュレーションシステムを導入しており、都市部の住宅密集地でも最適な日照・風通しを計算し、快適な間取りを提案できる仕組みになっています。これにより、狭小地でも住みやすい住宅設計が可能です。

初期費用は高めですが、耐震性・住環境などを考慮すると、それ相応の価値があるハウスメーカーです。
とはいえ、コスト面での負担を感じる場合は、他のハウスメーカーを検討するのも良いでしょう。大手ハウスメーカーのリアルな坪単価は下記の動画でまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
ヘーベルハウスの注文住宅のメリット
ヘーベルハウスの注文住宅には、主に次のようなメリットがあります。
各メリットの詳細を解説するので、気になる方はチェックしてみてください。
間取りの自由度が高い
ヘーベルハウスの構造は、間取りの自由度を大きく向上させる設計になっています。特に、ラーメン構造(柱と梁で支える構造)を採用しているため、壁で家を支える必要がなく、広い空間や大きな窓、開放的な吹き抜けなどの設計が可能です。
たとえば、一般的な住宅では間取りの都合上、大きな開口部を確保しにくい場合があります。しかし、ヘーベルハウスでは「重鉄・システムラーメン構造」や「デュアルテックラーメン構造」を活用することで、間取りの自由度を高めつつ、強固な構造を維持できます。
また、狭小地や変形地でも柔軟に対応できる点も魅力の一つです。都市部の住宅密集地において、「アリオス」という住環境シミュレーションシステムを利用し、最適な光の入り方や通風をシミュレーションできるため、快適な住まいづくりが可能になります。
全館空調がある
ヘーベルハウスでは、「ロングライフ全館空調」という全館空調システムを採用しており、家全体を一定の温度に保つことができます。

これにより、夏は涼しく、冬は暖かい快適な住環境を実現できます。
また、他にも次のような特徴があります。
- 機械室が不要
- ネオマフォーム製のダクトを採用
- オプションでデシカント換気を追加可能
一般的な全館空調と異なり、専用の機械室を設ける必要がないため、間取りの自由度を損ないません。また、ネオマフォーム製のダクトは断熱性が高く、電気代を抑える効果があります。
オプションでデシカント換気を追加可能することで、湿度をコントロールし、カビやダニの発生をより抑えやすくできることも魅力です。
ただし、ロングライフ全館空調は1階と2階それぞれに設置する必要があるため、通常の全館空調と比べるとややコストがかかる点には注意が必要です。しかし、その分快適な室内環境と省エネ性能を兼ね備えているため、長期的なメリットは大きいといえます。
耐震性能・耐火性能に優れている
ヘーベルハウスは、地震や火災に強い家づくりを得意としており、耐震性・耐火性に優れた設計となっています。
耐震性については、先述した3つの鉄骨構造により強度を保ちつつ、制振技術で繰り返しの地震にも耐えるような耐久性を実現しています。
火災対策については、ヘーベル板が力を発揮します。

実際にヘーベルハウスではヘーベル板にガスバーナーを当てて炙るような実験を行っています。高温で炙っても熱くならず、木造のようにすぐに火がついて燃えるようなことはありません。鉄は高温で溶けることが懸念される素材でもありますが、熱を通さないためその心配もないでしょう。
この耐火性によって、ヘーベルハウスの住宅はシェルターのような役割を果たすのです。特に都心部は住宅が密集することも多く、自宅で火災が発生しなくても、隣家から延焼するリスクが高い地域です。また、地震が多い地域においても、地震後の火災発生はよくある話です。
そのような状況であっても火災からしっかりと家族を守ってくれるのは、ヘーベルハウスならではの魅力と言えるのではないでしょうか。
ヘーベルハウスの注文住宅のデメリット
ヘーベルハウスに注文住宅は多くのメリットや魅力がある一方で、デメリットがあることも事実です。特に次の3つの点については、慎重に判断するようにしましょう。
デメリットを把握しておくことで、後々になって後悔してしまうような事態を避けやすくなります。ぜひ確認しておいてください。
価格が高め
ヘーベルハウスは、大手ハウスメーカーの中でも坪単価が比較的高めです。具体的には、坪単価122〜130万円程度とされており、同じ鉄骨系ハウスメーカーである「積水ハウス」や「パナソニックホームズ」よりはやや抑えられている印象です。
そのため、高価格帯ではあるけれど、業界トップクラスに高いわけではないといったイメージです。価格が高い理由については先述したとおりで、構造や住環境、設計などの品質が高いためでしょう。
都心部に特化していることもあり、納得できる価格帯ではあります。もちろん価格に見合うだけの価値もありますが、予算に余裕がないと理想の設計はできないのが現実でしょう。
デザインの好みが分かれる
ヘーベルハウスの住宅デザインは、シンプルで直線的なモダンデザインが主流です。一見スタイリッシュで洗練された印象を与えますが、一方で「無機質すぎる」「冷たい印象を受ける」という印象もあります。
具体的には、次のようなデザインの特徴があります。
- 外観はシンプルな四角いフォルムが多い
- 外壁(ALCパネル)の質感が独特で、木の温もりが少ない
- 吹き抜けや大開口などの間取りは得意だが、デザインの自由度は木造住宅より低め
そのため、ナチュラルなデザインや和風のこだわりがある家などを求める人には向かない可能性があります。逆に、都会的でシンプルなデザインを好む人にとっては魅力的な選択肢といえるでしょう。
メンテナンス費用が高い

ヘーベルハウスは耐久性に優れており、60年以上住み続けられる家づくりを目指していますが、定期的なメンテナンスは必要になります。特に、ALCパネルの塗装やコーキングの補修にはコストがかかります。
ALCパネル自体は耐久性が高いですが、防水性を維持するためには定期的な塗装メンテナンスが必須です。また、全館空調を導入している場合、フィルター交換やメンテナンス費用もかかる点に注意が必要です。
長寿命の家である分、初期コストだけではなくメンテナンス費用も考慮して選びましょう。
他のハウスメーカーの価格や特徴も気になる方は、住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネルの視聴がおすすめです。各ハウスメーカーから直接得たリアルな情報を発信していますので、チャンネル登録しておいてください。
ヘーベルハウスの注文住宅に関する評判・口コミ
続いて、ヘーベルハウスの注文住宅について、よくある評判や口コミを紹介します。
良い評判
- 間取りの提案力が高い
- 構造が信頼できる
- 施主の意見を柔軟に取り入れてくれる
- 他社では施工が困難と言われた土地でも提案してくれた
間取りの自由度が高いのはもちろん、提案力も高く、施主の意見を柔軟に取り入れてくれるといった声が多いです。また、耐久性や耐火性に優れており、構造が信頼できる点でも評価されているようです。
都心部に特化していることもあり、他社では断られたような土地でも提案・施工してくれた点は非常に嬉しいポイントだといえるでしょう。
悪い評判
- デザインに四角が多い
- 値段が高い
モダンなデザインが特徴的なヘーベルハウスですが、実際に提案を受けた方もデザイン面で懸念したという声がありました。また、値段が高いという口コミが多く、現実的に難しいと感じる方もいるようです。
ヘーベルハウスの注文住宅が向いている人
ここまで解説した特徴やメリット・デメリットを踏まえると、ヘーベルハウスは次のような方に向いているハウスメーカーといえます。
間取りにこだわりがある
ヘーベルハウスはラーメン構造を基本とする鉄骨住宅なので、開放的な空間や吹き抜けなど、こだわりのある間取りを比較的再現しやすいのがメリットです。そのため、間取りに制約が多いようなハウスメーカーではなく、間取りの自由度が高いハウスメーカーを選びたい方におすすめできます。
ただし、間取りの自由度が高いだけで、デザインはモダンなものになりがちなので、デザインが合わない場合は向いていない可能性もあるでしょう。
また、ヘーベルハウスでは『my DESSIN』という規格住宅もあるのですが、こちらの場合は間取りの制約が多めです。

買取保証がついているなどメリットはありますが、間取りについては無難になりがちなので、間取りを重視する方は『my DESSIN』を避けた方が良いでしょう。
モダンなデザインが好き
先述したように、ヘーベルハウスのデザインは、シンプルかつスタイリッシュなモダンデザインです。そのため、無駄を省いたようなデザインが好きな方には、非常におすすめできるハウスメーカーです。
丸みがあるよりも四角いフォルムを重視しており、直線的な住宅となっています。特に、ヘーベル板を活かした無機質でシャープなデザインは、都会的な住宅を求める方にぴったりです。
逆に、木の温もりを感じるようなナチュラルテイストの家を求める場合などは、別のハウスメーカーを検討した方が良いかもしれません。
予算に余裕がある
ヘーベルハウスは坪単価122〜130万円となっており、高価格帯に分類されます。
たとえば、40坪の住宅だと、単純計算でも建物だけで4,880〜5,200万円ということになります。都心部で土地も合わせて購入するなら、7,000万円くらいまで膨れ上がる可能性があるでしょう。
そのため、そもそも予算に余裕がないと建てることが難しい住宅なのです。業界トップの価格帯ではないといえ、さすがに予算的に厳しいという方がいるのも仕方がないことかと思います。
逆に、予算に余裕があって、安さよりも性能・品質を重視したい方にはおすすめの選択肢となるでしょう。
ここまでの内容を踏まえて「自分には合わない」と感じた方は、ぜひ住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネルを視聴してみてください。他のハウスメーカーの特徴やメリット・デメリットを把握することができ、ハウスメーカー選びに役立ちます。
まとめ
ヘーベルハウスの注文住宅の特徴やメリット・デメリット、坪単価、どのような方に向いているのかなどについて解説しました。
ヘーベルハウスはやや価格が高めのハウスメーカーですが、業界トップというわけではなく、耐震性や快適性にも優れています。そのため、予算に余裕があって、間取りやモダンなデザインにこだわりたい方には、おすすめの選択肢といえます。また、二世帯住宅や都心部での建築を考えている方にもおすすめできます。
逆に、本記事の内容を踏まえて「自分には向いていない」と感じた方は、ぜひ他のハウスメーカーをじっくりと検討してみてください。
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