【2025】耐震等級3のハウスメーカーの基本と後悔しないポイントを紹介  

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この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。

地震対策を万全にするには、家の強度や設計思想をしっかり把握しておくことが大切です。とりわけ、耐震等級3は「最上級の耐震性能を示す指標」とされ、大地震や連続する揺れに対しても建物の倒壊リスクを極力低減できます。

実際に「建築コストがどれくらい上がるのか」「設計の自由度は下がるのか」などの疑問を抱える方も多いかもしれません。今回は、耐震等級3の特徴から申請のメリット・デメリット、さらに耐震等級3を標準とするハウスメーカーの事例や効果的な選び方のポイントまで解説します。地震が多い日本で長く安心して暮らすために、耐震の実態をしっかりと理解し、後悔のない家づくりを目指しましょう。

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耐震等級とは

耐震等級は、建物がどれほどの地震力に耐えられるかを数値化した基準です。1から3までの3段階に分かれており、建築基準法が求める最低限度の耐震性能を等級1とし、より高い耐震性能を発揮するものを等級2や3と定義しています。実際に想定する地震動のレベルなどをきちんと確認しなければ、思わぬ制限やコスト増が生じる可能性もあるため、慎重な検討が必要です。

耐震等級1~3の違い

耐震等級1~3の違いは、地震に対する建物の強度を数値化したものです。等級が上がるほど地震の揺れに対する抵抗力が高まり、繰り返しの地震にも耐えられる確率が高まります。

耐震等級1

耐震等級1は、建築基準法レベルの最低限度の基準です。一般的な住宅に求められる最低限の耐震性能で、震度6強から7程度の大地震で倒壊しないことを目的としています。

ただし、この等級では大きな地震の後に住み続けられるかどうかは保証されておらず、修復が必要になる可能性が高いです。

耐震等級2

耐震等級2は、学校や避難所と同程度の1.25倍の強度です。耐震等級1よりも25%強い地震力に耐えられるように設計されており、大地震後も一定の居住性が保たれやすくなります。

中程度の地震では構造体にほとんど損傷が生じないレベルで、多くのハウスメーカーがこの等級を標準としています。

耐震等級3

耐震等級3は、警察署や消防署と同レベルの1.5倍の強度です。耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる構造で、複数回の大地震に対しても高い安全性を発揮します。

震度7クラスの地震が連続して起きても、建物の倒壊リスクを大幅に低減でき、地震後も住み続けられる可能性が高まります。最も安心できる耐震性能ですが、建築コストが上がる傾向にあります。

正式認定と相当の違い

耐震等級3を実現する際には、「正式認定」と「相当」の2つのパターンがあります。

正式認定

正式認定とは、構造計算書を提出し、第三者機関から耐震等級3であることの認定をきちんと受けたケースを指します。このような家はフラット35Sなどの住宅ローン優遇や地震保険料割引といったメリットを受けやすくなるでしょう。

相当

これに対して、設計者が独自に計算して耐震等級3相当だと主張するだけの場合は、外部の正式な審査をクリアしていないため、ローン優遇や保険料割引を十分に活用できない可能性があります。申請手続きや費用を敬遠しがちなケースもありますが、後々のリターンや公的証明の安心感を考えると、正式認定を取得する価値は高いといえるでしょう。

そもそも耐震等級3は必要?

地震による被害

耐震等級3を取る必要性については、費用とメリットのバランスで悩む方が多いかもしれません。日本は世界有数の地震多発国であり、大きな揺れは一度きりで終わるわけではなく、何度も連続して発生することがあります。

2016年の熊本地震では、短い期間に震度7相当の揺れが連発し、その結果として家へのダメージが蓄積して居住不能になる事例も数多く見られました。このような事態を踏まえると、耐震性能をできるだけ高めておく意義は大きいといえるでしょう。

さらに、耐震等級3を取得することで地震保険料が軽減されたり、フラット35Sなどの優遇制度が活用できたりするため、長期的な視点で見れば投資に値するケースが多いです。多少の建築費アップはあっても、大きな地震のあとの生活再建コストや精神的負担を考慮すると、耐震等級3は十分に検討価値があるといえます。

耐震等級3を取得するメリット・デメリット

耐震等級3は最上級の耐震性能を示すため、優れた点と注意すべき点が共存します。大きな地震が増えている現代だからこそ、こうした特性を理解した上で、自分たちに合った選択をすることが重要です。

耐震等級3のメリット

資産価値アップ

日本は地震大国であり、住宅の耐震性は家族の安全と資産を守るために不可欠です。特に耐震等級3の家には、地震時の安心だけではなく、保険料の割引や将来的な資産価値の向上など多くの魅力があります。ここでは、耐震等級3住宅が持つこれらのメリットを詳しく解説します。

地震被害を最小限に抑え、繰り返しの揺れでも倒壊リスクを大幅に低減できる

耐震等級3の家は、震度6強から7クラスの大地震が複数回発生しても倒壊を防げるよう設計されています。通常の建物よりも1.5倍の地震力に耐えられるため、大地震後も構造体の損傷を最小限に抑えられます。

これにより家族の身の安全を確保できるだけではなく、地震後の住宅修復費用や片付けの手間も大幅に軽減できるでしょう。熊本地震のような連続して起こる地震にも強いため、避難所生活を強いられるリスクを低減することができます。

地震保険料の割引や税制優遇など長期的な費用を軽減できる

耐震等級3の認定を正式に受けると、地震保険料が最大50%割引になるというメリットがあります。また、住宅ローンでは「フラット35S」などの優遇金利を適用できるケースが多く、長期間にわたって返済額を抑えられます。

こうした割引や優遇措置は、初期の建築コスト増加分を相殺し、トータルで見れば経済的なメリットにつながることが少なくありません。さらに、自治体によっては固定資産税の減額など、独自の支援制度を設けている場合もあります。

資産価値が高くなり中古売却時も有利に働く可能性がある

耐震性の高さは住宅の資産価値を大きく左右します。将来的に住み替えや売却を考える場合、耐震等級3の認定を受けた家は中古市場でも高い評価を得やすく、同等の物件と比べて有利な条件で売却できる可能性が高まります。

特に地震への備えを重視する購入者にとって、第三者機関から耐震性能が認められている住宅は大きな安心材料となるでしょう。また、建物の経年劣化による資産価値の下落も、高い耐震性能があれば緩やかになる傾向があります。

耐震等級3のデメリット

木造住宅

耐震等級3の家は安心感がある一方で、建築コストや間取りの自由度、施工期間などに影響を及ぼす可能性があります。ここでは、注意すべき点を具体的に解説します。

建築コストが高くなる

耐震等級3を実現するには、構造材や補強材を増やす必要があるため、建築コストが上昇します。一般的に、耐震等級1に比べて10〜15%程度、建物価格が高くなるケースが多いです。ただし、ハウスメーカーによってはコスト増加を最小限に抑える工夫をしているところもあります。

たとえば、工業化された部材や独自の構造システムを導入することで、コストパフォーマンスを高めている会社もあるため、複数社の見積もりを比較検討することをおすすめします。

間取り・デザインの自由度が制限される

耐震等級3の構造を実現するには、壁量や筋交いを増やす必要があるため、間取りの自由度が制限される場合があります。特に広い吹き抜けや大きな窓、L字型やコの字型といった複雑な形状の建物は実現が難しくなることがあります。

また、1階と2階の壁の位置を合わせる必要性も高まるため、思い描いていた理想の間取りが実現できないケースもあるでしょう。設計の初期段階から耐震性と理想の間取りのバランスについて、担当者と綿密に打ち合わせることが重要です。

施工期間が長くなる可能性がある

耐震等級3の認定を正式に受けるには、詳細な構造計算や第三者機関による厳格な審査が必要となります。そのため、書類作成や審査期間を含めると、一般的な住宅よりも全体の工期が伸びる場合があります。

また、施工時には構造部分の精度が重視されるため、現場での作業にもより多くの時間と手間がかかることがあります。引っ越しや住宅ローンの手続きなど、全体のスケジュールに余裕を持たせておくことが賢明です。

耐震等級3を標準仕様としている主なハウスメーカー

耐震等級3を当たり前のように採用するハウスメーカーは増えてきましたが、標準仕様として設定し、コストと耐震性能の両立を目指す企業はまだ限られています。各ハウスメーカーには得意分野や工法の特長があるため、自分たちの希望と照らし合わせて検討することが大切です。ここでは、耐震等級3を標準仕様としている主なハウスメーカーを5社紹介します。

「実際にはどのハウスメーカーがどの程度地震に強いのか、繰り返しの揺れを想定した検証はどうなのか」と感じた方には、住宅系YouTuber「まかろにお」の動画を参考にしてください。

一条工務店

一条工務店

気密と断熱性能で有名な一条工務店は、2×6工法を基本としながら耐震性を強化しています。繰り返しの地震に強いとされる構造設計をベースに、全棟で気密測定を行うなど品質管理が徹底していることが特徴です。標準仕様で耐震等級3を取りやすいプランも多く、長期的に光熱費を抑えたい人や性能重視の人に向いています。

一条工務店についてより詳しく知りたい方は、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」でまかろにおが一条工務店について詳しく解説しているこちらの動画をチェックしてみてください。

セキスイハイム

セキスイハイム

セキスイハイムは、ほとんどの部材を工場でユニット化する「ユニット工法」によって高い施工精度を誇ります。ユニットごとに制震要素を組み込んでおり、耐震等級3が取得しやすい仕組みを整備しています。

施工期間の短さがメリットですが、ユニット工法特有の間取りの制約には注意が必要です。

セキスイハイムについてより詳しく知りたい場合は、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」でまかろにおがセキスイハイムについて詳しく解説しているこちらの動画をチェックしてみてください。

ミサワホーム

ミサワホーム

木質パネル接着工法という独自の建築方法を採用するミサワホームは、地震の揺れを抑える「制振装置MGEO」との組み合わせで耐震等級3を実現します。

ただし、簡易計算(ブロックチェックシステム)ではなく、ルート計算の手法で設計してもらわないと耐震等級2になってしまう可能性があるため、契約前に必ず確認しましょう。

ミサワホームについてより詳しく知りたい方は、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」でまかろにおがミサワホームについて詳しく解説しているこちらの動画をチェックしてみてください。

ダイワハウス

ダイワハウス

鉄骨造と木造の両方に対応するダイワハウスは、持続型耐震構造など高度な耐震技術を持っており、住宅のバリエーションが非常に幅広いことが特徴です。大きな窓や吹き抜けなど、デザイン性の高さを重視する方は、相談する価値があるでしょう。

ダイワハウスについてより詳しく知りたい方は、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」でまかろにおがダイワハウスについて詳しく解説しているこちらの動画をチェックしてみてください。

三井ホーム

三井ホーム

洋風デザインを得意とする三井ホームは、プレミアム・モノコック構法とよばれる頑丈な構造で、耐震等級3対応のプランを複数用意しています。上部に広い吹き抜けを取る設計が得意ですが、横に大きい窓を取りたい場合には制限がかかることもあるため、設計士と細かく打ち合わせることが重要です。

三井ホームについてもっと詳しく知りたい方は、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」でまかろにおが三井ホームについて詳しく解説しているこちらの動画をチェックしてみてください。

耐震等級3のハウスメーカーを選ぶポイント

地盤工事

耐震等級3対応を前提としたハウスメーカー選びでは、価格面や耐震技術の実験データ、申請方法のサポート体制など、チェックすべきポイントが多くあります。地震に強い家を手に入れるためには、次のような視点で比較・検討することで後悔を防ぎやすくなります。

実際の耐震実験や検証データを確認する

ハウスメーカー各社は、大規模な振動実験やシミュレーションを行って独自のデータを公表しています。本当に繰り返しの地震を想定しているか、実験では何回までの震度7クラスに耐えられたのかといった点をチェックしましょう。大振動実験の動画や結果を公開している場合は、より信頼度が高いと考えられます。

標準仕様かオプション扱いか見極める

耐震等級3を取得するための仕様が標準なのか、追加工事扱いになるのかは大きな費用差を生みます。契約時に「ここまでは標準」「ここから先はオプション」と明確に分けられている場合、後から追加費用が発生して予算オーバーとなるケースが少なくありません。見積りを慎重に確認することが大切です。

設計自由度とのバランスを考える

耐震等級3は安心感が高い反面、壁や筋交いといった構造材を増やす必要があるため、デザイン面での制約が生じます。吹き抜けや大開口などの希望がある場合、どの程度の自由度が許されるかを早い段階で営業担当や設計士に質問しておくと良いでしょう。

地盤調査や基礎工事へのこだわり

地盤が弱い場合、耐震等級3の家を建てても想定外の地盤沈下に悩まされる恐れがあります。地震対策をきちんと行うには、地盤調査やそれに基づく地盤改良が重要です。また、基礎の工法にも注目し、自分の土地に合った選択をすることが大切です。

アフターサポート体制を重視する

耐震構造は家を長く使ううえで大きな安心材料になりますが、地震後には点検や修繕が必要になる場合もあります。アフターサポートや定期点検が充実しているハウスメーカーを選べば、地震発生後の不安や修繕費の負担を軽減できるでしょう。電話やオンラインでのサポートが迅速な会社だと、有事の際に心強い味方となります。

保険・優遇制度への対応状況を確認する

耐震等級3の認定を取得している家は、フラット35Sの金利優遇や地震保険料の割引が適用されることが多いです。

ハウスメーカーがこうした申請をどの程度サポートしてくれるかも重要なポイントです。面倒な書類作成を手伝ってもらえるだけではなく、優遇制度の最新情報を提供してくれる会社であれば、スムーズに手続きを進められます。

口コミや実際のオーナーの声を参考にする

ハウスメーカーの公式サイトには良い情報ばかりが掲載されがちですが、SNSやYouTubeなどで実際に建てた人の体験談を探してみるのも効果的です。

住宅系YouTuber「まかろにお」のYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」でも、多くの事例や比較ポイントが紹介されており、リアルな視点を取り入れることでハウスメーカー選びの参考になります。

まとめ

耐震等級3の基準や申請手続き、そしてハウスメーカーごとの特徴を理解しておけば、地震リスクへの不安を大幅に軽減できます。

複数回の大地震が想定される日本では、家の耐震性を強化しておくことが住宅購入における大きな安心材料となります。間取りプランや工法のバランスを考えながら、繰り返し揺れに耐える設計を選ぶことで、災害後の後悔を防ぐことができるでしょう。

ハウスメーカーの選定だけではなく、完成後のメンテナンス計画まで含めて検討する姿勢が、長く住み続ける家づくりには欠かせません。詳しい情報を探しているなら、住宅系YouTuber「まかろにお」のYouTubeチャンネル「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」をチェックしてください。

また、ハウスメーカー診断を利用して複数メーカーを比較しつつ、耐震性能や費用面をじっくり検討してみてください。

当サイト「メグリエ(MEGULIE)」では、公式LINEを通じた無料相談も実施中です。住宅に関する悩みや質問がある方は、下記のリンクから友だち追加をしていただくと、最新の情報や具体的なアドバイスがリアルタイムで受け取れるため、安心して家づくりを進めるための強力なサポートとなります。

家づくりは、事前の勉強が非常に重要です。正しい知識を身につけ、後悔しない理想の住まいを建てられるようにしましょう。

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