今回は『注文住宅で後悔する間取りと仕様12選』というテーマでお話をしていきたいと思います。
というのも、私はYouTubeでの活動を通じて今までずっと、これから家づくりをされる方達の相談に乗って来ました。
ざっと数えたら1,000は軽く超えていた状態だったわけなのですが、
その中で多くの方がどんな点で後悔しているのか、
これをまとめたら凄く有益な情報になるのではないかと思いました。
そこで、今回は『注文住宅で後悔する間取りと仕様12選』というテーマでお話をしていきたいと思います。
目立つところから結構マニアックな所までたくさん盛り込んでおりますが、これから家づくりをする方にとっては間違いなく参考になると思います。
家は何度も建てられるものではありませんから、
- 家づくりを必ず1回で成功させたい
- 家が完成した後にリフォームをしたくない
このように思っている方は是非とも最後までご覧ください。
それではやっていきましょう!
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:小上がりの和室
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:隠蔽配管の空調
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:軒ゼロの屋根
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:急勾配の階段
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:アルミ樹脂複合サッシ
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:気密確保と断熱材の強化
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:カーテンレールの納まり
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:1階と2階フローリングの種類がバラバラ
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:第3種換気
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:付けすぎたダウンライト
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:掃き出し窓の立ち上がり
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様:リビングが狭い
- 注文住宅で後悔する間取りと仕様のまとめ
注文住宅で後悔する間取りと仕様:小上がりの和室
先ず最初は『小上がりの和室』です。
小上がりの和室というのは段差のある和室のことを言うのですが、大体10年くらい前にかなり流行っていたような印象です。
ただ今もなお、時々採用される方がいるわけなのですが、きちんとメリット・デメリットを理解した上で採用しないと大きな後悔に繋がる仕様の一つになります。
小上がり和室のメリット・デメリット
では、具体的に小上がりの和室のメリット・デメリットは何なのかというと、
先ずメリットに関しては
- 段差に腰かけて椅子代わりに使うことができる
- 寝転んだり子どもの遊び場として使ったりしやすい
- 段差部分を収納場所にすることもできる
といったメリットが存在します。
ただし一方でデメリットとしては
- 圧迫感が生まれやすい
- 段差によってデメリットが大きく変わってくる
という点が挙げられます。
段差によってデメリットが大きく変わってくる
この中で『段差によってデメリットが大きく変わってくる』という点が抽象的でイマイチ分かりにくいと思いますので、ここにフォーカスしてお話をします。
そもそも小上がりの和室というのは、和室自体をさまざまな高さに調整することが可能です。
例えば、10cm、20cm、30cm、という感じです。ただ10cmの段差だと下に収納が作れません。
上り下りも楽ですが、躓き事故の原因になりやすいのがこの高さです。
20cmだと上り下りしやすく躓き事故も少なくなりますが、高さが中途半端なので収納を作ると使いにくくなります。
30cm以上だとベッドの代わりになったり収納が使いやすくなったりしますが、限られた空間でこの高さの小上がりの和室を作ってしまうと隣接しているLDKが狭く感じるようになりますし、天井が低くなって圧迫感が生まれます。
また、子どもの転落事故も多くなったりもします。
このように小上がりの和室というのは、和室自体をさまざまな高さに調整することが可能ではあるのですが、「使いこなすのが難しい」そんな間取りでもあります。
だから後悔する人が跡を立ちません。
目的に応じて「別に収納を確保」や「置き畳の活用」も
そういったことから私は、どうしても小上がりの和室が欲しいということでなければ、
- 別のところに収納を確保する
- 置き畳を活用する
というこの2つをお勧めしています。
そもそも収納を作る目的で小上がりの和室を作ろうとしているのであれば、別のところにきちんと収納を確保した方が効果効率的だったりします。
収納するものにもよりますが、例えばキッチン前の収納を大きめに設けるとか、ですね。
また、和室を常時使わないようであれが可変性のある置き畳の方が小回りが効くので案外そっちの方が使い勝手が良かったりします。
あとはピットリビングにしてその中に畳を敷き詰める、とかだったら圧迫感を感じることなく、更に見た目も損なうことがないので良いかもしれませんね。
ですので、どうしても小上がりの和室が欲しいということでなければ
- 別のところに収納を確保する
- 置き畳を活用する
というこの2つをお勧めしています。
皆さんも『小上がりの和室がいいな』と思ったら、一旦立ち止まって冷静に考えてみてください。
『手段』と『目的』を混在しないようにしましょう!
注文住宅で後悔する間取りと仕様:隠蔽配管の空調
続いては『隠蔽配管の空調』です。
『隠蔽配管の空調』とは、壁の中に配管を通すことで建物の外周回り以外の部分にエアコンを付けられる方法のことを言います。
そのため、例えばこんな感じで見た目をスッキリさせることが可能になりますし、室外機の位置も自由に調整できるので目立たないところに室外機を配置することが可能になります。
『隠蔽配管の空調』のデメリット
こうやって聞くと『隠蔽配管の空調』って非常にメリットが大きいようにも思えますし、採用したくなる気持ちも分かるのですが、できることならやって欲しくない、そんな仕様の一つでもあります。
どういうことかというと、『隠蔽配管の空調』は配管の結露リスクが向上します。
すると壁内部で結露が起こってしまい、
- 柱や梁が腐る
- 建物の強度が落ちて耐震性能を発揮できない
- 湿気によりカビが発生し、健康被害を起こす
- メンテナンスやエアコンの交換にコストがかかる
これらのデメリットが発生してきます。
特にエアコンって長期使用製品安全表示制度の対象機器にあたります。
このことを知らない人が多いので一応簡単に説明をすると、『長期使用製品安全表示制度』の対象機器は、
経年変化、経年劣化、によってその機会に不具合が生じた場合に発火や怪我をする恐れのあるもの
これに表示されるものになります。
だから例えばエアコン以外にも洗濯機なんかもこの『長期使用製品安全表示制度』の対象機器に該当してくるわけなのですが、実際にどのエアコンも真下を見てみるとこんな感じで製造年月日と使用期限が書いてあって、更に注意書きとして『標準使用期間を超えてお使いを頂いた場合は、経年劣化による発火、怪我等の事故に至る恐れがあります。』とちゃんと書いてあるのです。
皆さん知っていましたか?ですので、エアコンはそもそも買い替える前提のものになります。
それにも関わらずなかなかエアコンを変えることができないような、隠蔽配管を多用した見た目重視の家が多くなっています。
『とりあえず生ビール!』みたいな感覚で『隠蔽配管の空調』を提案されがちなのですが、もし仮に『隠蔽配管の空調』を提案された時は他に方法がないか、一旦立ち止まって考えてみてください。
ただどうしても隠蔽配管を使う必要があるようであれば、メンテナンスコストがかかることは覚悟しつつ結露対策だけは必ずしてもらってください。念には念を入れてハウスメーカー側に伝えるようにしましょう!
注文住宅で後悔する間取りと仕様:軒ゼロの屋根
続いては『軒ゼロの屋根』です。
これも本当に後悔が多いものになりますので基本的には避けて頂きたいものになります。
軒ゼロの屋根のメリット・デメリット
そもそも軒ゼロというのは、屋根の飛び出している部分がないもののことをいいます。
これがないことで
- コストカットすることができる
- 法規制に対応することができる
といったメリットがあるのですが、一方で日差しがダイレクトに家の中に入ってくるようにもなってしまいます。
これは例えば、『西日は暑い』とかよく言ったりすると思うのですが、その状態が常に続いている状態とかなり近い状況でもあります。
もっと具体的にお伝えするなら真夏にコタツ一台を使っているくらいの熱量が家の中に入ってきてしまうという状況でもあります。
ですので、いくらコストカットすることができたとして、いくら法規制に対応することができたとしても、『軒ゼロの屋根』はできることなら採用して欲しくないわけですね。
軒ゼロの屋根の対処法
ただどうしても法規制の関係で軒ゼロの屋根を採用しなけれなならない、そんな場合は代替案としてコストはかかるものの
- 庇(ひさし)をつけて日差しをカットする
- 外付けブラインドのヴァレーマを付けて対処する
この2つの方法を取り入れてもらえればと思います。
一応それぞれ説明をしていきます。
庇(ひさし)をつけて日差しをカットする
庇とは窓や出入口(玄関・エントランス)の上に取り付けられる小さな屋根のことをいいます。
これなら法規制を気にせず付けることができますので、日射をカットしつつ、場合によっては外観を整えることも可能です。
外付けブラインドのヴァレーマ
また『外付けブラインドのヴァレーマ』はその名の通り外につけるブラインドになります。
これを付けることで太陽の光と熱が窓ガラスを通過して室内の温度を上げる前にカットすることができます。
具体的にお伝えをすると内側にブラインドを付けると太陽の熱を約50%カットすることができる一方で、外付けブラインドであれば太陽の熱を約81%カットすることができるとされています。
ですので、どうしても軒ゼロの屋根を採用しなけれなならない、そんな場合は
- 庇をつけて日差しをカットする
- 外付けブラインドのヴァレーマを付けて対処する
これらを検討してみてください!
ただしハウスメーカーによっては出来ないとか言ってくるかもしれませんので、その場合はハウスメーカー自体を見直すか、もしくは間取りそのものを全部変えてもらうようにしてください!
注文住宅で後悔する間取りと仕様:急勾配の階段
続いて『急勾配の階段』です。
誰もが急な勾配の階段って嫌だと思いますが、実は『尺モジュール』で作られている間取りって工夫をしないと階段の勾配が急になってしまいます。
メーターモジュールと尺モジュールの違い
これがどういうことかというと、そもそもの設計手法として建築には
1スパンを1000mmとするメーターモジュール
と
1スパンを910mmとする尺モジュール
があるのです。
それで何がどう違うのか説明します。
メーターモジュールのメリット・デメリット
例えばメーターモジュールで造られた家というのは
廊下、トイレ、お風呂、階段、
これらの場所が尺モジュールで造られた家よりも9センチ広く設計することが可能になるのです。
そのため、
- 家族の中で車イスに常時乗っている方や介助が必要な方がいる場合、もしくはそれらを見据えて家づくりをする場合
- あとは勾配の緩い階段にしたい人の場合
これらに該当する方はメーターモジュールでの家造りがピッタリなのです。
ただし一方でメーターモジュールにもデメリットがあって、それが『コストが高くなる』ということなんです。
というのも、世の中的には尺モジュールでの家づくりが主流となっています。実際に多くのハウスメーカーが尺モジュールを採用しているわけなのですが、そんな状況もあって石膏ボードやドア、階段など、メーター規格のものと尺規格のものを比較すると
どうしても出荷量が少ないメーター規格の建材の方が割高になってしまいます。
そしてその結果、メーターモジュールで造られた建物は尺モジュールで造られた建物と比較すると建物全体の金額が高くなる傾向にあります。
これがメーターモジュールのデメリットになります。
尺モジュールのメリット・デメリット
ではもう一方の尺モジュールのメリット・デメリットはどうなのかというと、全てメーターモジュールの逆になります。
なので具体的にお話しをすると、
メリットが
- 価格が安くなる
デメリットが
- 階段勾配が急になったり、廊下、トイレ、お風呂が狭くなるため将来介護等を見据えるなら不向きな建て方になる
ということです。
これが尺モジュールで家を作る場合のメリット・デメリットになるわけです。
まとめると、
メーターモジュールのメリットが
- 廊下、トイレ、お風呂、階段、が広くなり、将来を見据えた家造りをしやすい
デメリットが
- 金額が高くなる傾向にある
尺モジュールのメリットは
- メーターモジュールと比較すると金額が安くなる
デメリットが
- メーターモジュールと比較すると階段勾配が急になったり、廊下、トイレ、お風呂が狭くなる
ということになります。
なので『どちらかが優れている』というわけではないです。
どちらにも良し悪しがあるのですが、ただ階段の勾配だけに着目をするのであれば先ほどもお伝えした通りで、尺モジュールの家の階段勾配はメーターモジュールで造られた家の階段勾配に比べて急だし狭いです。
でもこれは平面図だと全然わからないし、気がつかないポイントでもあります。
だから実際に家が建った後に『あれ?自分の家の階段ってなんか急だな』とか思うようになるわけです。
そうならないようにするためには、先ずは検討しているメーカーが尺モジュールを使っているメーカーなのか、それともメーターモジュールを使っているメーカーなのか、これをきちんと理解する必要があります。
またそれを理解した上で、仮に尺モジュールを使っているメーカーと商談をしているのだったら、階段の勾配を緩くしてもらうために、造作階段を入れてもらったり、あとは階段の長さ自体を長くしてもらう、そういった工夫が必要になってきます。
もし検討しているハウスメーカーが尺モジュールを使っていて、更にそのメーカーから提案されてた間取りの階段が4マスで上がり切るようになっていたら要注意です。
その場合、かなりの急勾配になりますのでしっかりと確認した上で採用するようにしてください。
注文住宅で後悔する間取りと仕様:アルミ樹脂複合サッシ
続いては『アルミ樹脂複合サッシ』です。
『アルミ樹脂複合サッシ』はハウスメーカー側から言わせると
『アルミ樹脂複合サッシは外はアルミで内側は樹脂できているので高耐久でかつ、結露しない高性能なサッシ』なんです
でも実はそんなこともないのです。
というのも、海外に目を向けてみると『アルミ樹脂複合サッシ』はほぼ使われていません。海外で主流なのはオール樹脂サッシか木製サッシです。
だからそこだけ切り取ってみると日本は遅れています。
時代は樹脂サッシか木製サッシ
ネットで情報収集をしていると必ずと言っていいほど、『樹脂サッシの方が高性能』、『樹脂サッシにした方が良い』とか書かれていたりします。
木製サッシに関しては価格が高すぎるので、推進されている人がそこまでいません。なのでここでは一旦木製サッシの話は置いておいて、とにかく時代は樹脂サッシや木製サッシに傾いている、というのが現状で、それを後から知って後悔する人が増えているということですね。
ただ先ほども説明した通りで、ハウスメーカー側の説明からすると、『アルミ樹脂複合サッシは外はアルミで内側は樹脂できているので高耐久でかつ、結露しない高性能なサッシ』なわけです。
なので『アルミ樹脂サッシでも問題ないんじゃないの?』とか思われそうなのですが、正直使ってみると全然違いますので、基本的にはネット情報の方が正しいと思った方が良いです。
ハウスメーカー側が完全に遅れています。
だからできることなら樹脂サッシや木製サッシにしてしまった方が良いです。
それは間違いないのですが、アルミ樹脂複合サッシと比べると樹脂サッシや木製サッシは高価なものになります。
加えて樹脂サッシは樹脂サッシ特有の窓枠の太さというのがあります。
ですので、それをカバーするような設計力が必要になってくるわけです。
そのため樹脂サッシや木製サッシを使う場合は
- 自分達のお財布事情
- メーカー側の設計力
この2つがネックになってきます。
さらに、それ以前の問題で樹脂サッシを一切使うことができない、というハウスメーカーもあったりしますのでこの点も要注意です。
この点は絶対に確認してください。
アルミ樹脂複合サッシの良い点
ただ、そうはいってもアルミ樹脂複合サッシはアルミ樹脂複合サッシで良い点もあったりします。
例えば日本には四季があって、海外と比べたら台風やら地震やらも多いですよね。
だから強度や耐久性を考えると『アルミ樹脂複合サッシ』の方が有利な側面もあります。
また『アルミ樹脂複合サッシ』は窓枠が細いので、高い意匠性を得やすいというのも特徴です。
こういった特徴もあるので一概にアルミ樹脂複合サッシが悪いとは完全には言い切れないわけです。
樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシを選ぶ基準
では、ここで樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシ、それぞれを選ぶ基準ってなんだろう?という話だと思いますが、個人的には「アルミ樹脂複合サッシが結露する温湿度」をしっかり理解し、それを判断基準にすれば良いと思っています。
具体的にお伝えをすると
外気と室温の差が20度の場合、アルミ樹脂複合サッシは湿度52%で結露し、樹脂サッシは湿度73%で結露し始めるとされています。
この温湿度を想定した時に『結露しそうで湿気が気になる』という方は樹脂サッシを選んでみてください。
そうでないのであれば耐久性やコスト、お手軽な意匠性をとってアルミ樹脂複合サッシにすれば良いのかなと思います。
結露ってそれが発生することで
- カビやダニの発生の原因もになり、ぜんそくやアレルギーになる可能性がある
- 構造躯体を劣化させる原因になる
これらのリスクがあるとされています。
だから結露する温湿度をしっかり理解し、その上で『アルミ樹脂複合サッシ』を選ぶのだったら、それはそれで良いのかな、という感じです。参考にしてみてください!
注文住宅で後悔する間取りと仕様:気密確保と断熱材の強化
続いては『気密確保と断熱材の強化』です。
これも後悔の声がめちゃくちゃ多いのですが、気密性能確保と断熱材の強化、これはやっておけば良かったという声が非常に多いというのが現状です。
関東や関西でも北海道仕様の家を建てよう
というのも2022年10月から変更される断熱等級の上限アップが非常に大きなきっかけになっています。
これというのは簡単に言うと、関東や関西でも北海道仕様の家を建てようぜ!という基準で要は断熱気密をより強化してエコで地球環境に配慮した暮らしをしようというものです。
当然、断熱材は厚ければ厚い分だけ、外気の影響を受けにくくなりますし、気密は良ければ良い分だけ、家の保温性能などの向上に寄与する形となりますからね。
だから断熱気密をより強化してエコで地球環境に配慮した暮らしをしよう、という流れになってきてはいるのですが、現行のハウスメーカーの性能だとそこまで断熱気密性能は高くないです。
そのため、2022年10月から変更される断熱等級の最高ランク7に近づけるためにはどうしても断熱材の強化と気密の確保が必須になってきます。
そのため例えばですが
- 東北や北海道仕様の家を建てられるかどうかを確認する
- 床下断熱から基礎断熱への変更できるかどうかを確認する
必要があります。
もちろんお財布事情と相談にはなってくるのですが、そんな感じでとにかく、断熱材の強化と気密の確保が必須なのが今のハウスメーカー事情です。
だから最初にオーダーしなければならないのが、
- 回遊動線の間取りにしたいとか
- 玄関収納を作りたいとか
そんなのではなく、
『断熱材の強化と気密確保』
何よりこれが最優先です。
一応、気密に関しては家が建った後に床下に潜ってウレタンフォームや気密テープを貼ればそれなりに確保することはできるのですが、断熱に関しては、最初から計画してないと後からではどうすることもできません。
それこそやるなら大規模なリフォーム工事が必要となってきます。
ですので、悪いことは言いませんのでなるべく断熱材は厚めにしてもらってください。
そして後々自分で床下に潜るなど、面倒な工事をしないためにも最初から気密工事をしてもうようにしてください。
注文住宅で後悔する間取りと仕様:カーテンレールの納まり
続いて『カーテンレールの納まり』です。
最近カーテンレールの納まりで直接カーテンレールを入れ込む方式が流行ってるみたいです。
具体的にはこんな感じです。
ただしこれは見てみてると分かるのですが、思っている以上にスッキリしないのです。
だから意外とやってみて後悔した、とか、やらなくても良かったのではないか、みたいな声を聞きます。
確かにこれをやるくらいなら中途半端にカーテンレールを埋め込むのではなく、きちんとしたカーテンボックスを作った方が良い気もしますが、、、それはそれでハウスメーカー側の設計力と現場の施工力が必要になってきます。
ただし、ちゃんと設計や施工ができる人だったら、こんな感じで天井を下げて空間にメリハリを付けつつ、カーテンボックスを埋め込んだりして見た目もスッキリさせることができます。
ですので、やるならやるで徹底的にやることをお勧めします。
流行りで真似するのも良いかもしれませんが、中途半端な感じだとかえって見た目が悪くなってしまうので冷静に考えて取り入れるか、取り入れないのかこれを決めることをお勧めします。
注文住宅で後悔する間取りと仕様:1階と2階フローリングの種類がバラバラ
続いて『1階と2階フローリングの種類がバラバラ』です。
これはどうしようもないことなのかもしれませんが、予算の関係で1階と2階のフローリングの種類をバラバラにして採用する人が結構な割合でいます。
それで結果、後悔しているという人を今までめちゃくちゃ見てきました。
というのも例えば床材の種類が切り替わるとそこに見切り材と言うのが入ります。
なるべく目立たないような見切り材を入れる、ということも可能といえば可能なのですが、それでもシンプルに見た目が悪くなります。
また床材の種類が変わると当然、床材自体の触り心地も変わってしまうので違和感を感じるようになってしまいます。
だからなるべく1階と2階のフローリングの種類は統一した方が良いです。
床材は『無垢床』で統一がベスト
そしてできることなら、床材に関しては一本の木から出来ている床材の『無垢床』これを選んでいただくのがベストです。
なぜなら複合フローリングと呼ばれる「挽き板や突板」、「シート系フローリング」は下が合板でできていますので、傷や凹みが深いと補修が困難になります。
一方で無垢床っていくら傷がついていても表面を研磨さえしてしまえば、新築同様の状態に戻すことも可能だったりします。
だから住んでからの安心感が全然違うのが『無垢床』なのです。
そういった意味でも1階と2階のフローリングの種類をバラバラにせずに統一しつつ、『無垢床』を採用した方が結果として満足度は高くなり、後悔がなくなります。
ただし、一般的に無垢床は金額が高いと思われがちです。
だからハウスメーカーの営業マンによっては金額が高くなり契約が遠のく可能性が上がってしまうので
例えば
- 無垢床はメンテナンスが必要です
- コスパが良いのはシート系床材です
- 床暖房を入れられないので無垢床はお勧めできません
そういったネガティブトークを言ってきたりします。
確かにそういった側面もあるのが無垢床ではあるのですが、
- 無垢床はメンテナンスは必要ですが、研磨しながらずっと使い続けられる
- 傷の補修も含めて考えると長期的に見て無垢床の方がコスパは良い
- 今は床暖房に対応した無垢床もあり、そもそも高気密高断熱の家になればなるほど床暖房は必要なくなる
だから無垢床の特性をしっかり理解すればデメリットは気になりません。
また樹種によっては金額の高い樹種もあるにはあるのですが、例えばカバザクラや、杉、ヒノキ、といった樹種であれば比較的安い金額で無垢床を入れることもできます。
ですので、最初から無垢床は高いから、と言う理由で検討から外すのではなく、色々模索をしてみてください。
そして1階と2階のフローリングの種類を統一するようにしてみてください。
これが間違いない選択になります。
注文住宅で後悔する間取りと仕様:第3種換気
続いて『第3種換気』です。
そもそも換気には3種類の換気方法があってその中で住宅では主に第3種換気と第1種換気、この2つが使われています。
第3種換気と第1種換気の違い
一応簡単に説明をすると、第3種換気は給気口から外気をそのまま取り入れて機械で室内の汚れた空気を排出する方法で、第1種換気は機械で給気も排気も行い、その過程で室内の温湿度が変わらないように調整してくれる換気方法になります。
ここまでの話を聞いて疑問に思った方もいるかもしれませんが、第3種換気は外気をそのまま室内に取り入れるわけです。
これは冷房効率を考えるとめちゃくちゃ悪いですよね。 外気をそのまま室内に取り入れるということは、夏場の湿気の多い空気をそのまま室内に入れてしまうということですし、
冬は冬で寒くて乾燥してる空気を室内に入れることになるわけです。
だから第3種換気ではなく、機械で給気も排気も行い、その過程で室内の温湿度が変わらないように調整してくれる第1種換気の方が良さそうだというのは、皆さんも何となく想像できるはずです。
ただし、今までほとんどのハウスメーカーが表面的な金額を下げることができるという理由から第3種換気ばかり提案してきたのです。
そのため例えばですが換気をうまくすることで
- ホコリ、湿気、二酸化炭素、匂い、
これらを効果効率的に排出できることが説明されないまま、ハウスメーカーと契約、着工してしまった、なんて人も結構な割合でいるはずです。
だから後々になって第3種換気ではなく、第1種換気にしておけばよかった、と思われる人が多くなってきてるといった感じです。
第3種換気のメリットと採用時の注意点
確かに第3種換気は第3種換気で
- 取り付け費用が安い
- メンテナンスコストがほぼかからない
といったメリットもあるにはあります。
だから外気をそのまま室内に取り入れてしまうというデメリットを理解した上でそれでも第3種換気のメリットである
- 取り付け費用が安い
- メンテナンスコストがほぼかからない
これらに魅力を感じて採用するのであれば良いと思います。
ただ実は第3種換気ってファンの形状が3種類あり、
- 換気能力の低い、プロペラファン
- 換気能力が中くらいの、ターボファン
- 換気能力が高い、シロッコファン
これら3つがあります。
当然、換気能力の低い、プロペラファンが一番安いわけですが、これだとただ取り敢えず付けただけで、ほとんど効果を発揮しなかったりもします。
ですので、第3種換気を選択するなら換気能力が高い、シロッコファン
これを必ずつけるようにしましょう。
注文住宅で後悔する間取りと仕様:付けすぎたダウンライト
続いて『付けすぎたダウンライト』です。
家の照明を決める時に良く分かっていない営業マンや設計士ほど、照明はたくさん付けておきましょう!というアドバイスをします。
なぜなら、リスクを取りたくないから、なのです。
これがどういうことかというと、シンプルに家が暗かったというクレームを受けるくらいなら、最初から取り敢えず明るくしておけ、みたいな、そんな感覚でお客さんに照明をたくさん付けてもらおうとする、ということです。
確かにそれって一見すると理にかなっているようにも思えるのですが、
よくよく考えてみると、そういったアドバイスをしてくる営業マンや設計士は考えることを放棄している、わけです。
実際、一流と言われる設計士ほど、照明の数は極力減らして設計します。
それはその方が空間に陰影ができて広がりを感じさせやすいから、ということと、ただただ明るいだけの空間より明暗のある空間の方がオシャレな部屋を作りやすいから、なのです。
そしてこれっていうのは『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』という本もあるくらいで、暗がりに美しさを見出す日本建築の文化でもあります。
つまりしっかりと建築という文化を学んでいる人ほど、照明の数は極力減らそうとするということです。
逆にそういった文化を学んでない人は保身のために取り敢えずたくさん照明をつけるわけなのですが、そうすると結果として、天井が穴だらけになってしまい、見た目も悪く、ただただ眩しい空間が完成してしまうわけです。
照明は間取り以上に想像がしにくい部分です。だから照明の見え方に関しては慎重に決定するようにしてください。
注文住宅で後悔する間取りと仕様:掃き出し窓の立ち上がり
続いて『掃き出し窓の立ち上がり』です。
これはバルコニーを付ける場合や2階リビングを作る場合の話ですが、設計段階で何も言わないと、一部を除く99%のメーカーは掃き出し窓に立ち上がりができてしまいます。
掃き出し窓の立ち上がりというのは、これのことです。
この仕様は住宅瑕疵担保履行法という法律で、
- バルコニーについて床は1/50の勾配をつけること
- 開口部の下端で120mmの立ち上がりを付けるけること
この2が義務つけられていることによってできるものです。
だから
床の高さとバルコニー部分の高さ、双方を120mm上げてフラットにさせる
そういった対策をしない限り、必ず2階部分の掃き出し窓には立ち上がりができてしまうわけです。 それで、この仕様はよく住宅展示場で使われているものなのでお客さん自身も『掃き出し窓には立ち上がりがない状態が標準』と思い込んでしまってるケースが大半です。
場合によっては営業マン自体もそこに気がついていない、重要だと思っていない人もいて、見積もりに反映されていないケースが結構あったりします。
平面図では分からない部分の一つなので『掃き出し窓の立ち上がり』これを無くしたいという方は是非とも確認することを忘れないで頂ければと思います。
ただし、掃き出し窓の立ち上がりをなくすには感覚的に50万円くらいかかるイメージです。こちらもメーカーによって多少異なるとは思いますが、一応ご注意ください!
注文住宅で後悔する間取りと仕様:リビングが狭い
最後に『リビングが狭い』です。
注文住宅の打ち合わせをしていると、今まで見たことの無い金額を目の当たりにすることになります。
ですので、「本当に住宅ローンを返済できるのか?」とか、「もっと金額を圧縮した方がいいんじゃないか?」とか、そう思ってきてしまうのですよね。
それでその結果、謎の高揚感というか、何とかなるだろう、という気持ちが働いてしまい目の前の不安を解消するため建物の大きさをコンパクトにしてしまったりするわけです。
しかもそういう時は大抵の場合、担当者も根拠のない『大丈夫』という後押しをしてくるのです。
『担当者が大丈夫って言っているし平気だろう』
とか、
『子供が育ったらそんなに広い家は必要ないし、それだったら最初から多少狭くても大丈夫だろう』
とか、そんな一種の自己暗示のような言い訳を自然と頭の中でしがちだったりもするのです。
これは人によって結構心当たりのあることなのではないかと思うのですが、はっきり言います。
その違和感というのは大切にしてください。
リビングの広さが心の余裕にもつながる
というのも、以前とあるハウスメーカーで契約寸前まで話が進んでいたお客さんの相談を乗ったことがあるのです。
それでそのお客さんが「本当にこのまま契約をしていいのか不安だった」ということから私に相談をしてきたわけなのですが、図面を見てみたら家族四人で暮らすにも関わらずめちゃくちゃ小さい平屋を提案されていたのです。
それこそ時々街を歩いていると見かけるボロボロで小さな平屋がありますよね。そんなレベルのコンパクトさだったわけです。 私はそれを見た時、正直びっくりして、『このまま契約するのは絶対にやめたほうがいいです』と言ってしまったくらいです。
それだけ酷い提案で、いかにも契約を取るために作った間取りだったのですが、やっぱり家はある程度の大きさが必要なのと、生活をする中でリビングの広さがそこに住む人の心の余裕にも繋がってくるのではないかな、と思います。 例えばですが、リビングは元々収納できる場所が少ないです。
そんな場所にも関わらず、通常よりも狭いとさらに物で溢れやすくなるわけです。
しかもこれは言い換えると『散らかりやすい』ということでもあるわけですから、常に綺麗さに気を配らないといけなくなるわけです。
結果、それがストレスになってイライラしてきたりします。
一方で広ければ、少し散らかってもそこまで気にならないですし、『後で片付けなきゃなーくらいにしか』思わないわけです。
だから生活をする中でリビングの広さは、そこに住む人の心の余裕にも繋がってくるのではないかな、と思います。
ここに関しては完全に私の独断と偏見ではあるのですが、変にリビングの狭い間取りで家を建てるくらいなら、他のハウスメーカーに乗り換えるか、設計士を変えるかした方が良いのではないかなと思います。
注文住宅で後悔する間取りと仕様のまとめ
はい、ということで後悔する仕様と間取り12選をお話ししてきました。
まとめると
- 『小上がりの和室』
- 『隠蔽配管の空調』
- 『軒ゼロの屋根』
- 『急勾配の階段』
- 『アルミ樹脂複合サッシ』
- 『断熱材の強化と気密確保』
- 『カーテンレールの納まり』
- 『1階と2階フローリングの種類がバラバラ』
- 『第3種換気』
- 『付けすぎたダウンライト』
- 『掃き出し窓の立ち上がり』
- 『リビングが狭い』
以上の12個になります。
どの項目も非常に重要な項目です。
悪いことは言いませんのでこれから家を建てる方はこれら全ての項目を回避するように家づくりの計画を進めてみてください!
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