今回は『トイレで後悔しないためのチェックポイント8選』というテーマでお話をしていきます。 トイレは一見すると失敗する箇所が少ないように思えます。
でも実際は、意外と失敗したなと感じることが多い部分でもあるのです。
例えば水を流す音が聞こえやすかったり、思っている以上にトイレが明るいなと思ってしまったり、あとはトイレそのものの大きさが小さいなと思ってしまったり、といったことです。
それこそ色々な小さな失敗をしやすいのが、実はトイレなのです。
正直、使っているうちに細かいことは気にならなくなるだろう、という考え方もできますし、そういう意味では失敗しても気にする必要はないのかもしれません。
しかしそうは言っても、やはり少しでも失敗したなと思いたくない方もいると思います。
そういう方は今からお伝えする8つのポイントを押さえておけば、トイレにおける失敗を未然に防ぐことが可能になりますので、これから注文住宅を建てる方で少しでも『失敗したな』と思いたくない方は、是非とも最後までご覧ください。
新築トイレで後悔しないためのポイント1:電気配線と止水栓の位置
トイレで後悔しないためのチェックポイント1つ目は、『電気配線と止水栓の位置』です。
これがどういうことなのか、百聞は一見にしかずということでこちらをご覧ください。
トイレの電気配線と水を使うための止水栓が目立ちませんか?
個人的に昔からこれが好きではなく、住宅営業をやっていた時もここだけは必ず目立たなくするように配慮していました。
やはり、いくらその他のLDKなどの空間を綺麗につくったとしても、トイレの電気配線や止水栓が目立つままだと、一気に家全体の雰囲気が台無しになってしまうのです。
もう少し詳しく説明をすると、昔、無駄がない綺麗な家を建てたい、という方がいました。
それで私は巾木を目立たなくさせる提案や、スイッチ、コンセントを目立たない位置に配置する提案など、今までの経験から持てる知識を全て投下して間取りや仕様の提案をしました。
これでもうやりきった、個人的にできることは全てやったと完全にそう思い込んでいたのですが、実際に家が完成した後になって気がついたのです。
今まで気にならなかったトイレの電気配線や止水栓の位置、これが無駄のない綺麗な家を作ってしまったが故に余計に目立つ状態になってしまったのです。
私がただただ細かいだけだと思いますし、お客さん自体はそこに対して特になんとも思っていなかったので、その時は何もなく済みましたが、それでも私の心の中には何かモヤモヤが残ってしまったのです。
どうしてそこに気が付かなかったのだろうか、きっとそこに配慮しておけば、もっとお客さんが喜んでくれたのだろうなと、それこそ失恋して彼氏彼女を忘れられないみたいな、そんな感覚に非常に近い状態でずっといました。
そういった経験もあって、それからはどのお客さんにも必ずトイレの電気配線と止水栓の位置、これを必ず隠す提案を推奨するようになりました。
しかもよくよく考えてみると、トイレは来客時に人に見られる場所でもあるわけです。
なので、やはりこだわっておいて損はないのです。
では、具体的にどうやって配慮していたのかというと、例えばトイレの背面に収納キャビネットを取り付けて目立たないようにしたり、あとは予算があればになりますが、TOTOのネオレストという元から配線も止水栓も目立たなくなるようなトイレを提案したり、そういう工夫をしていたのです。
これらの工夫をすれば、目立ちやすいトイレの電気配線や止水栓を隠すことができるのです。
ただし、そういった綺麗に見えるというメリットの一方で、実は双方ともにデメリットが存在します。
具体的にお伝えをすると、トイレの背面に収納キャビネットを取り付ける場合に関しては、トイレという空間そのものの大きさが狭くなります。
またTOTOのネオレスト、これを付けることで手っ取り早くトイレの電気配線や止水栓を隠すことができるのですが、
- コストが高い
- トイレの水を流す際にかなり大きな音がする
これらがデメリットになってきます。
特にネオレストの音に関しては本当に気を遣わないといけません。 事実私の自宅もネオレストですが、それに配慮してトイレの位置を決めました。
なので、ただ収納を付けてそこに電気配線や止水栓を隠せば良いわけではありませんし、ただTOTOのネオレストを付ければ良いわけでもないのです。 収納を付けてそこに電気配線や止水栓を隠す場合は、トイレという空間自体の大きさが狭くないかどうかをきちんと把握する必要があります。
TOTOのネオレストをつける場合は、水が流れる音が気にならない位置にトイレがあるかどうかを確認する必要があります。
これらを気をつけないといけないことがあるのだと理解した上で、トイレの電気配線や止水栓を隠す努力をしてみてください。
こちらから言わないと、担当の営業や設計士はほとんど配慮してくれません。
感覚的には、言わないと対応してくれない人が95%、残り5%が言わなくても電気配線や止水栓を隠す提案をしてくれる、といった感じです。
ご注意ください。
新築トイレで後悔しないためのポイント2:換気扇の位置
トイレで後悔しないためのチェックポイント2つ目は、『換気扇の位置』です。
実はトイレの中にある換気扇は、綺麗な空間をつくる上では非常に邪魔な存在で、ノイズだったりするのです。
なので、きちんと意匠に対してアンテナを張っている設計士であれば、なるべく換気扇が目立たなくなるような配慮を必ずしてくれます。
しかし世の中そういう設計士ばかりではないので、意匠に対するアンテナが低い担当者が自分の担当だった場合、それはお客さん自身でカバーするしかありません。 では、具体的にトイレの換気扇をどうやって目立たなくするのかというと、例えばこんな感じです。
こうやって一部壁を下げて換気扇が目立たないように配置するのです。
更にそこに間接照明を入れることで雰囲気の良いトイレにすることも可能になるわけです。
なんだかパッと見ると大したことがないように思えるかもしれませんが、これは平面だけでは分からないことです。
ですので、もし仮に換気扇を隠して徹底的にノイズをなくしたい場合は、この記事の動画を担当者に見せるなりして換気扇を消すように頼んでみてください。
新築トイレで後悔しないためのポイント3:照明の照度
トイレで後悔しないためのチェックポイント3つ目は、『照明の照度』です。
照明は、ただただ明るくすれば良いというわけではないのです。
なぜならトイレなどの限られた空間が明るいと、家のメインであるLDKが暗く感じてしまうからです。 どういうことかというと、例えば人間の目というのは何かを基準として明るい、暗いを判別します。
ですので、トイレに自分がいた場合、トイレの照度がその時点の明るさの基準になるわけです。
そしてその基準が高ければ高いほど、当然それ以上の明るさがないと家のメインの空間であるLDKが暗く感じてしまうのです。
つまり何が言いたいのかというと、照明というのはLDKの明るさを最大値の100として考えて、それを下回るように分散して照明を配置していく、というのが一つの考え方になるわけです。
もちろんトイレも玄関もLDKもとにかく真っ白で最初から最後まで全てが明るい空間にしたい、といった要望があるのであれば、特にこの辺りのことを考えなくても良いと思います。
ただし、
- 少しでも落ち着きのあるような空間にしたい
- SNSでよく見るようなオシャレなトイレにしたい
そう思われている場合は、まずはLDKを照度の最大値の100として考えてください。
そしてその上で100という数字を上回らないように、トイレ、廊下、玄関などの照明を考えるようにしましょう。
新築トイレで後悔しないためのポイント4:人感センサーとスイッチの位置
トイレで後悔しないためのチェックポイント4つ目は、『人感センサーとスイッチの位置』です。
人感センサーとは、トイレに入った時に自動で照明が付くためのセンサーのことを言うわけですが、これって実はトイレの照明スイッチと一緒になっているのです。
そしてそれをそのまま壁に取り付けると、そのスイッチ自体がノイズになりかねないわけなのです。
細かいポイントではありますが、壁は最大のインテリアです。
ですので、いかに壁面を綺麗に見せられるかは、意匠にこだわる上で非常に重要なポイントになってきます。 では、人感センサーとスイッチを目立たなくさせるためには実際にどこに配置すれば良いのかというと、例えばこんな感じで収納の真下に付けるという方法が存在します。
そもそも人感センサーは、人が通りさえすれば明かりが勝手に付くわけです。
そのため、普通だったら絶対にありえない足元に配置したとしても機能的には全く問題ないのです。
そしてこれをすることで、トイレの中の壁面を綺麗に見せつつ、スッキリとした空間に仕上げることができるのです。
なるほどという感じですよね?
これはあくまで一例ですが、こんな感じで固定概念にとらわれず、人感センサーとトイレの照明のスイッチの位置をいろいろと模索してみてください。
新築トイレで後悔しないためのポイント5:尺モジュールかメーターモジュールか
トイレで後悔しないためのチェックポイント5つ目は、『トイレの大きさが尺モジュールでつくられているのか、それともメーターモジュールでつくられているのか』です。
実はそもそもの設計手法として建築には、 1000mm×1000mmのマスを積み上げてつくるメーターモジュールと、910mm×910mmのマスを積み上げてつくる尺モジュールがあるのです。
何がどう違うのかというと、例えばメーターモジュールでつくられた家というのは、廊下、トイレ、お風呂、階段、これらの場所が尺モジュールでつくられた家よりも9センチ広く設計することが可能になるのです。
例えば、トイレをつくる場合、2マスの正方形を積み上げてつくるわけなのですが、メーターモジュールの場合は1000mm×2000mm、尺モジュールの場合は910mm×1820mmとなるのです。 つまりメーターモジュールと尺モジュールとでは幅は9センチ、奥行きは18センチ、違いが出てくることになるのです。
これって結構な違いじゃないですか? でも平面図で見るとメーターモジュールも尺モジュールも同じ2マスでトイレがつくられているのです。
そのため、今自分が提案を受けているハウスメーカーは、メーターモジュールを使っているのか、それとも尺モジュールを使っているのか、まずはこれを把握しましょう。 これを把握することで、トイレ内に手洗いは付けないほうが良いのか、付けたほうが良いのか、
あとは、収納を設けるためにはどのくらいのスペースを取らなければならないのかなどが変わってきます。
間取りは見慣れないと寸法にまで目がいかないことも多いと思います。
この部分は意識して注意するようにしてください。
新築トイレで後悔しないためのポイント6:音が響き渡る可能性があるかどうか
トイレで後悔しないためのチェックポイント6つ目は、『トイレの音が響き渡る可能性があるかどうか』です。
ここでお話しするのは、タンクレストイレを選択しようとした人に対しての注意事項、というか確認事項になります。
というのも、最近見た目の良さからタンクレストイレを選択する人が増えていますが、先ほどもお話しした通りで、あれは実は水を流す時にものすごい勢いで流れていくのです。
なので、これは私の感覚にはなりますが、普通のタンクありのトイレと比較して、水の流れる音が2、3倍大きい気がします。
これは私の家のトイレなのですが、結構音が大きいです。
ですので例えばですが、
- 何も考えずに見た目だけでタンクレストイレを設置してしまった
- 水の流れる音が響きやすい場所にトイレがある
みたいな状況ですと、非常に後悔する可能性があります。
そうならないようにするためにも、タンクレストイレを設置する場合は
- 音の響かない場所にトイレがあるかどうかを確認する
- 実際にタンクレストイレの音の大きさを確認してから採用を決める
これらの配慮は最低限しておいた方が良いかもしれません。
これからタンクレストイレを設置する方は是非ともご注意ください!
新築トイレで後悔しないためのポイント7:収納スペースが考慮されているかどうか
トイレで後悔しないためのチェックポイント7つ目は、『トイレの収納スペースが考慮されているかどうか』です。
これに関してもタンクレストイレを設置する方向けの話になります。 そもそもタンクレストイレを付けるメリットは『見た目がスッキリする』ということ、あとは『掃除が楽になる』ということ、大きく分けるとこの2つです。
つまりこれらを妨害するようなトイレの仕様は、タンクレストイレのメリットを潰していることに他ならないのです。
ですので、タンクレストイレを採用する場合の立ち返るポイントとして、
- 『見た目がスッキリする』ということ
- 『掃除が楽になる』ということ
これらを確認することがポイントになります。
ではこれを念頭に置いた上でお話をしていくと、そもそも一般的にトイレに収納を付ける場合、収納棚を付けるか、もしくは少し壁を付加してそこにちょっとした収納を付けるか、このどちらかなのです。
ただ、収納棚を付ける場合は窓が潰れることがほとんどです。
なので、どうしてもトイレに窓が欲しいと言う方だと収納棚は付けにくいです。
また壁を付加して収納を設けた場合は、元々1帖程度しかないトイレの空間を自ら狭めているわけです。 収納棚と同様に圧迫感を感じますし、その割には収納量が取れません。
ですので、どちらの方法を取ったとしても、『見た目がスッキリする』『掃除が楽になる』というタンクレストイレのメリットを阻害してしまいます。
せっかくタンクレストイレを付けてトイレまわりをすっきりさせても、
それを台無しにするような収納の配置はもったいないですよね。 ただそうはいっても、トイレットペーパーや掃除用具など、トイレには意外と小物が多いのも事実です。
なので、そういった小物をしまっておく収納スペースは絶対に必要なわけです。
ではどうすれば良いのか?という話なのですが、それは『ニッチ』をつくるということ、これがものすごくおすすめです。 ニッチというのは壁を一部窪ませて、そこに収納スペースをつくるもののことを言います。
これなら若干意匠が気になりますが、トイレの大きさ自体を拡張する必要がないですし、ちょうどその窪みを利用してトイレットペーパーを並べておくことができます。
もちろんニッチの深さや取り方によって、それ以外の物をしまっておくこともできます。
例えば、今まで担当したお客さんの中には、ニッチを使ってトイレの中に本棚をつくった方もいました。
ニッチをつくることで小物をしまっておくこと以外にも、使い方によってはいろいろな工夫をすることができるのです。
ですので、タンクレストイレのメリットを潰さない方法の一つとして『ニッチ』を活用する、というのは一つ覚えておいてください。
金額もそこまでかからないはずです。
ただし一方で、トイレ自体の大きさを広くしてもいいから、見た目と収納量のバランスを確保したいという場合もあると思います。
その場合は、タンクのありなしに関わらず、トイレの横を大体26センチくらい拡張する必要があります。
トイレ自体を26センチくらい拡張しても、敷地的にも予算的にも問題ないという方は、こちらの方法を取り入れてもらえればと思います。
新築トイレで後悔しないためのポイント8:窓の必要性
トイレで後悔しないためのチェックポイント8つ目は、『トイレの窓の必要性』です。
最後はトイレの窓の必要性についてです。 実はトイレの窓はあまり必要性がなく、ただの固定概念で付ける人が多い部分でもあるのです。
最近ではそれに気がついて、トイレに窓を付けない人も増えてきてはいますが・・・それでもこれから注文住宅を購入しよう!という人からすると、『なんで窓ってつけちゃいけないの?』『あった方がトイレが明るくなって良いじゃん』と思われると思うのです。
確かにその気持ちも痛いほどわかります。
私自身も住宅業界に入りたての頃はそう思っていましたからね。
ただし、今となっては付ける意味がないと思っていますし、窓を付けようと考えている人がいるなら、あまりおすすめしないとハッキリ言います。
その理由は大きく分けて2つあるのですが、まず1つ目は
『換気が上手くいかなくなる可能性がある』
ということです。 皆さんもイメージできると思うのですが、トイレには換気扇がありますよね。
あそこから汚い空気を外に排出しているわけですが、汚い空気を排出させるためには気流を乱さないように考えないといけないわけです。
でないとスムーズに換気ができなくなるのです。 気流が乱れて換気が上手くできないと、例えば自分の前に入った人の臭いが残っていて嫌な気持ちになるといったことになりかねません。
想像するだけでも嫌ですよね。
なので、換気をスムーズに行うためにも、私はトイレに窓を付けることをおすすめしていないのです。
これが1つ目になります。
そして2つ目が『断熱』です。 皆さんご存知かもしれませんが、窓からは多くの熱が入ってきますし、逃げていきます。
具体的にお伝えをすると、夏は窓から74%の熱が入ってきて、冬は50%の熱が失われていくのです。
なので、トイレの窓を付ける場合は、そこもしっかりと断熱性能の良い窓を付けておかないと、夏はものすごく暑くて、冬はものすごく寒いトイレになりやすいわけです。
でも考えてみてください。
トイレを明るくするためだけに差額プラス30万円とかをかけて、そんな性能の良い窓を入れますか?
普通の人は即答で『はい』とは言えないはずです。
もしここで、30万円くらい大したことない!自分は窓をつけることを優先する!!というのであれば引き止めません。
ただそんなにお金に余裕のある人ばかりではないので、優先順位をつけるためにも、トイレに窓をつけるのはものすごく後回しにした方が良いかなと思っています。
これが私がトイレに窓をつけることをおすすめしない2つ目の理由になります。
なので、これらのことを参考に、皆さんもトイレに窓を設置する必要性を今一度考えてみてください。
まとめ:新築注文住宅のトイレ設置で後悔しないためにポイントをおさえよう!
今回はトイレで後悔しないためのチェックポイント8選というテーマでお話をしてきました。
- 電気配線と止水栓の位置
- 換気扇の位置
- 照明の照度
- 人感センサーとスイッチの位置
- トイレの大きさが尺モジュールで作られているのか、それともメーターモジュールで作られているのか
- トイレの音が響き渡る可能性があるかどうか
- トイレの収納スペースを考慮されているかどうか
- トイレの窓の必要性
以上の8つになります。
新築注文住宅の購入を考えている方は、トイレの設置で後悔しないために是非とも参考にしてみてください!
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