今回は『注文住宅契約前に知るべき業界のからくり7選』と題して、注文住宅業界では当たり前にあるけれど何かがおかしい、そんな業界のからくり7選を紹介します。
この業界は普通に考えたらおかしいけれど、それが常識のようになり、違和感ないくらい浸透してしまっていることが結構あるのです。
「そういうものなんだ」としてあまり理解せずにハウスメーカーとの打ち合わせをしてしまうと、確実に失敗することになります。
ですので、皆さんが失敗しないためにも、今回は注文住宅業界で当たり前にあるけれど何かがおかしい、そんな業界のからくりを7つ解説します。
からくり1:数百万円の大幅値引に潜む「乗っけ引き」と原価の真実

普通に考えておかしいです。
月末になると大体どのハウスメーカーも「今月契約をしてくれれば特別値引きをすることができます」「今月は決算月なので、通常よりも多く値引きすることができます」「今特別なキャンペーンを行っていて、たまたま今月だったら通常よりも多く値引きができるのです」など、何かしらの常套トークをしてくるわけです。
そして、300万円、多い場合は500万円くらいの値引きをしてくれるのですが、普通そんなに値引きをしたら企業がもちません。
SNSを見たり、友達の話を聞いたりして、300万円や500万円くらいの値引きがあるのが普通になってしまい、何とも思わないかもしれませんが、明らかにおかしいのです。
この値引きの仕組みについて、全体像からお話します。
ものづくりをする上で必ず必要になってくる前提となる考え方があります。
それがボリュームディスカウントです。
例えばユニクロは、量をつくることで単価が下がり、いいものを安く安定した品質で提供できるようになっているわけです。

これは誰でも知っていることだと思います。
実はこの考え方は、ものづくりすべてに共通する考え方なのです。
ですので、住宅でも同様にボリュームディスカウントが効くのです。
ただ、この時におかしいのが、この業界は年間で8,000棟ほどやっている大手系のハウスメーカーが一番金額が高くて、年間20〜100棟未満しかやっていない町の工務店の方が安いという謎の現象が起きているのです。
明らかに変です。
ボリュームディスカウントというものの観点で言ったら、何千棟vs何十棟のような話で、明らかに数が違うわけです。
ですので、本来大手系のハウスメーカーの方が安いはずですが、高いのです。
それがなぜかというと、いわゆるこれが「ブランド料」と呼ばれるものだからです。
具体的に説明をすると、例えば本来市場価格100万円で販売されていたキッチンがあるとします。
このキッチンを、ボリュームディスカウントを効かせて70万円で仕入れることができるとします。
本来、70万円に少し利益を乗せてお客さんに販売するのがセオリーだと思うのですが、

ハウスメーカー各社は大体市場価格の100万円で見積もり計上して、さらにそこに30~50%の利益を乗せてお客さんに見積もりを出しているのです。

つまり130〜150万円でお客さんに見積もりを出していることになるのですが、これによってハウスメーカーは、キッチンだけでも60万円や80万円の利益を得ることができているわけです。
これと同じ仕組みがすべての建材で行われているので、チリツモでとんでもない利益になります。
そのため、300万円や500万円値引きをしても、痛くも痒くもないのです。
さらに、この業界には「乗っけ引き」という文化も存在しています。
一部のハウスメーカーは営業マンが見積もりをいじれるので、100万円や200万円、本体価格に上乗せ計上しておくのです。
そうすることで、値引きをしてもプラスマイナス0で痛手を負わないようにしており、多少の痛手を負ったとしても、必要最低限の値引きで済むように調整しているのです。
この仕組みはとてもとても悪さができる仕組みになっていて、例えば自分がミドルコスト系のハウスメーカーに勤めていたとします。
競合先が業界で一番金額の高い積水ハウスになるようにお客さんを誘導します。
すると積水ハウスであれば普通の間取りであっても金額が高いので、ミドルコスト系のメーカーは多少金額を上乗せしてもバレないですし、多少金額を上乗せして高くなったとしても、それでもまだ積水ハウスの方が金額が高いという状態になるのです。
そして金額を比較した結果、お客さんは自分たちミドルコスト系のハウスメーカーで決めてくれるという筋書きが完成するのです。
この仕組みがわかると、住宅系インフルエンサーがなぜミドルコスト系のハウスメーカーのサポートに入ろうとするのか、この裏事情もわかってくるのですが、この辺の真相は闇の中になります。
からくり2:ハウスメーカーの「最長60年保証」に潜む落とし穴

注文住宅を検討していると、うちは「30年保証です」「最長で60年保証です」といった営業トークをよく耳にしますが、30年保証の30年はどこから来ている数字なのか、また「最長で60年保証します」というこの60年も、どこから来ている数字なのか、疑問に思うと思います。
あとは「最長で60年保証」は、言い換れば、1世代ギリギリもつ家ということです。
ということは、代が変わると同時に壊すこと前提の家づくりになっていることの裏返しだとも捉えることができます。
それであるにも関わらず「30年保証だから安心」「最長で60年保証だから安心」とはなりません。
この長期保証30年や60年、これらの数字がどこから来ているのか、そのネタバラシです。
実は国土交通省の集計で、日本の住宅は大体30年くらいしかもたないというデータが公表されているのです。

企業側も壊れるとわかっているものに対して保証はしないので、この国土交通省が出しているデータが、長期保証30年の1つの根拠になっているのではないかと思います。
そしてもう1つ、最長60年保証の根拠ですが、それが基礎の設計基準強度についてです。

基礎の設計基準強度とは、基礎の密度のことを表していて、その密度がいくつなのかで基礎の耐久年数が変わってくるのです。
それをまとめたのがこの表で、多くのハウスメーカーは、大体24Nという数字で基礎をつくっています。

そして、この24Nという密度の基礎は、耐久年数に換算すると大体65年なのです。
65年耐久の基礎をつくっているわけで、当然それ以上の保証はできないので、大体どのハウスメーカーも、最長60年保証にしているのではないかなと考察できます。
いくら構造計算をして「地震に強い建物をつくっています」「制震装置が入っているので、地震に強くて安心です」など、ハウスメーカー側から説明を受けたとしても、基礎はその会社の本音が出ます。
それらを考えると、きちんと根拠があっての保証の年数になっていると思いますし、30年保証や60年保証が長いのかと言われれば、決してそうではない気がします。
甘い言葉には裏があるということです。
また、「保証」という言葉を聞くと、多くの人が、何かあった時にハウスメーカー側が何でもかんでも無料で直してくれると勘違いしてしまいがちなのですが、それは違います。
建物の経年劣化による不具合は保証の対象外ですし、天災による建物の損壊も保証の対象外です。
またメーカー側が問題ないと判断した場合も、当然ですが保証の対象外となります。
業界人ならみんな思っていることだと思いますが、保証が発動してハウスメーカー側が不具合箇所をすべて無料で直してくれるというシーンは1度とも見たことありません。
これは業界あるあるで、どのハウスメーカーでも同様です。
事実、よく業界人で集まって住宅業界のことやハウスメーカー各社のことについて話すのですが、この時に「保証なんてさ、あってないようなものだよね」という話をすると、みんな「そうだよね」と言います。
実際SNSを見ると、いろいろなハウスメーカーの不具合などが出てきます。
現場でも同様で、たくさんの不具合が日々発生しています。
本当に保証が有効なら、そういった不具合についても無料で全部きれいに直してくれるはずなのですが、「建物の耐久性に影響はないので保証の対象外です」と言って、スルーすることがほとんどです。
基礎にクラックがものすごく入っていて、明らかにひどい状況でも、それを「問題ない」として突っぱねることもあります。

そういう基礎のクラックを隠すために、本来の目的とは違った形で基礎の表面塗装を使っている現場も結構あります。
各ハウスメーカーの現場監督は、絶対表では情報として言わないとは思いますが、「基礎の表面塗装はクラックを隠すもの」と裏では平気で言っています。
あとは、断熱材が雑に施工されていて断熱欠損が発生しているせいで、一部の壁から外気の熱がバンバン伝わってくるという不具合もあったりしました。

しかし、これは保証の対象外なのです。
こういった話は現場では腐るほどあり、みんな「保証は発動しない、あってないようなものだ」と知っているのです。
しかし、「保証」は言葉の響きがよく、耳障りがいいのです。
そのため、保証なんてあってないようなものであるにもかかわらず、営業サイドも見て見ぬふりをして、「きっとなんとかなるだろう」「大企業だから大丈夫だろう」、そう信じて保証を武器に営業活動をしているのです。
ただ、そもそもの話として、保証はお客さんを守るためというよりかは、メーカー側を守るためにあるものなのです。
意味がわからないと思いますが、実は保証は保証の範囲を定めることで、クレームを受ける範囲を狭めているのです。
「何でもかんでも補償します」にしてしまうと、全部を受けないといけなくなります。
メーカー側としてもそれは面倒なので、「ここからここの範囲だったら保証対応して受けます」という対応するポイントを絞っているのです。
これが実態です。
こういった保証系の話は住宅業界だけの話ではなく、マンションやリノベ系でも同じなのです。
一見するとお客さんのためを思った保証内容に思えるのですが、実態はメーカー側を守るためにあるもの、これが保証の正体になります。
こういった事実を受け入れられないという人からすると、「でも保証の正体がメーカー側を守るためのものだったとしても、アフター対応はしっかりしてくれるはず。そこはきちんとした企業だから大丈夫でしょ?」と思う人もいると思います。
確かにきちんと対応はしてくれます。
なぜなら、アフター要員の人は、言い換えるとリフォーム営業だからです。
どこの住宅会社もですが、自分たちの会社で大工や水道業者といった建物の諸々の工事ができる人を正社員化していません。
要するにどの会社も、外注対応をして家のメンテナンスをすることになるわけですが、その時に間に入っている業者は何をしているのかというと、言い方が悪いですが、手数料の中抜きをしているだけなのです。
一連の流れをもっと具体的に説明をすると、アフター要員と呼ばれる人が数年に1度、無料点検という名前のリフォーム営業をしに来ます。
そして何かしらの不具合があったら、アフターという名前のリフォーム営業さんが、対象の工事箇所を修理するために業者に見積もりを取ります。
出てきた見積もりに対して、自社の利益を乗せます。
そしてお客さん側に見積もりとして出すという流れです。

これでしたら、自分で地元の業者に直接メンテナンス依頼をした方がいいです。
結局、住宅会社を通じて地元の業者にメンテナンスの依頼をしているだけです。
無駄に業者を挟むくらいなら、入れない方がいいわけです。
ただ、自分で地元の業者に直接メンテナンスの依頼をしてしまうと、住宅会社側は「これ以降私たちの保証は受けられなくなります」と言ってくるのです。
それを聞くと「保証されなくなるってなんかやばいんじゃない?」と怖くなってしまうのですが、保証はあってないようなものなので、ただの脅し文句でしかありません。
しかも言ってしまえば、本来メンテナンスフリーであるべきところは壁の中です。
壁の中は当然開けてみないとわかりません。
アフターの方であっても、壁の中は見られないわけです。
ではアフターの方がどこを見るのかと言ったら、やはり目につく範囲の点検です。
目につく範囲の点検は、自分たちでもできることが多いです。
もちろん屋根に上ったり、基礎の下に潜ったり、そういったことはなかなかしないとは思いますが、ただ根本建物がしっかりしていれば、わざわざ基礎の下に潜ったり屋根の上に上ったりする必要もないわけです。
まずはしっかりとした建物をつくって、その後に目につく範囲で何かが起きたら、自分たちで都度対応するという動き方をした方が真っ当です。
ちなみに、住宅会社の中には定期点検も有料というところもありますが、それは言い換えれば、住宅会社側に営業活動料を払って、わざわざ来てもらっているという構図です。
ものすごく馬鹿らしいです。
「なぜわざわざこっちが営業活動料を払わなければならないの?」と思うと思います。
しかも手数料も中抜きされて、保証もあってないようなものですし、散々たる状況です。
しかし、仕方ないのです。
世の中すべてのことに言える話だとは思うのですが、本質が見えていないと、誰かの仕組みの上で踊らされて、いいように使われ続けるだけです。
金融系や政治経済系もそうです。
住宅業界も同じです。
どうすればいいんだという話になるのですが、本質的にメンテナンスがかからない耐久性の高い建物をつくること、これが1番重要なのです。
からくり3:通気工法とその課題とは

通気工法は、外壁の裏側に通気層を設けて、そこから壁の中で起きる結露や侵入してきた水を蒸散させるという工法です。

今現在、ほぼすべての住宅会社がこの工法になっています。
積水ハウスも住友林業もダイワハウスもアイ工務店も桧家住宅も、ほぼすべてのメーカーが通気工法です。
この通気工法の成り立ちについてなのですが、元々日本の建物はほとんど断熱材が入っておらず、さすがに日本の家は寒すぎるし暑すぎるということから、1999年に断熱等級4が制定されたのです。
ただ今度は、断熱材を詰め込みすぎてしまったが故に壁の中で結露が起きて、それで倒産する会社まで出てきてしまったわけです。
2000年頃に「なるべく通気工法を採用するようにしてください」という法律が定められたのですが、そこから通気工法が今の形として定着したのが2010年くらいになります。
建物は10年くらいして初めて目に見えるような痛みが出てきます。
ですので、当時の通気工法が成功だったのか、それとも失敗だったのかが、今になってようやくわかる状況なのです。
2022年10月に断熱等級が7に引き上げになりました。
そして、どのハウスメーカーも当時の考え方のままで断熱材を大量に詰め込んで、「うちは断熱等級6だ」「うちは断熱等級7だ」と言っていますが、これは歴史を繰り返していることになります。
たとえ家の中がかびてしまっても、構造材が腐ってしまっても、「使い方が悪かったんでしょ?」「経年劣化による不具合ですので仕方ありません」など、そういった説明をしていくらでも言い逃れができてしまう状況なので、家を買う側がしっかりしていないと、その辺は泣き寝入りすることになるかもしれません。
目に見えない部分だからこそしっかりと理屈を理解して、壁の断面図、それを見ただけでも、どういうふうに湿気が移動するのか、どういう条件で、冬型結露、夏型結露が起きるのかなど、この辺はわかるようになってください。
からくり4:日本の窓は「半外付け窓」で取り替えできない?

日本の家の窓は、取り替えることができません。

これはどのハウスメーカーの家でも、どの工務店の家でもそうなのですが、日本の家は昔、トステムという会社が仕組みをつくって流通させたものになっていて、それが定着して今に至るのですが、半外付け窓という非常に特殊な設置の仕方になっているのです。
もっと具体的にお伝えをすると、日本の窓は外の壁にビスで止めているだけなので、簡単に言えば、宙ぶらりんになった状態で設置されているという窓なのです。

そんなことある?と思うと思いますが、実際本当に日本の窓は宙ぶらりんで外壁についているのです。
そして、その宙ぶらりんになっている窓の上から外壁を施工することになるのですが、その都合上、窓をすべて取り替えるとなると外壁をすべてひっぺがしてから窓を取り替えなければならないのです。
一方で海外の窓は、外壁と一直線に並ぶように施工されているので、窓を変える際も外壁を壊さなくていいですし、窓からの熱橋も少なくて済むのです。
ですので、断熱的にも気密的にも非常に有利になるわけです。
窓のつくり方に関しては、明らかに日本は変です。
そのせいで断熱気密も悪くなっていますし、メンテナンスもできない状態になっているわけです。
このような窓ばかりを使っているのが日本の住宅の現状であるにも関わらず、「うちの会社の家はメンテナンスフリーです」などと言うのです。
からくり5:ベタ基礎、鉄骨だからシロアリ対策不要は本当?

「ベタ基礎だからシロアリは入ってきません」「鉄骨住宅だからシロアリ対策は必要ありません」「防蟻剤入りの断熱材だから大丈夫です」「数年に1度防蟻剤を土壌散布するだけで大丈夫です」「土台に加圧注入材を使っているのでシロアリは問題ありません」これらの営業トークは全部嘘です。
嘘①「ベタ基礎だからシロアリは入ってきません」
シロアリは0.6mmという非常に小さい隙間があれば入ってきてしまうので、基礎に多少のヘアクラックがあった時点で侵入されてしまいます。

ですので、ベタ基礎の家であっても、普通にシロアリは入ってきます。
実際にネットで「ベタ基礎のシロアリ被害、布基礎の2倍に」という記事があり、2025年9月にシロアリの駆除・予防の依頼経験者100人を対象に調査をした結果、構造上シロアリが侵入しづらいと考えられてきたベタ基礎の被害者件数が布基礎の約2倍に達しているという結果になったというデータも開示されています。
知っている人からすると「それは当たり前だよね」という話なのですが、この業界はなぜだかベタ基礎であればシロアリ対策はしなくていい、シロアリに強いのがベタ基礎、そういう営業トークがはびこっているのです。
これは本当にご注意ください。
嘘②「鉄骨住宅だからシロアリ対策は必要ありません」
確かにシロアリは鉄骨自体は食べませんが、断熱材を巣にしてそこで繁殖します。

当然床材や玄関框などなど、鉄骨住宅でも木は使われているので、シロアリ被害は普通に発生します。
ですので「鉄骨住宅だからシロアリ対策は必要ありません」というのは完全に嘘です。
嘘③「防蟻剤入りの断熱材だから大丈夫です」
防蟻剤入りの断熱材であっても、シロアリは蟻道という、土や埃をこねくり回してつくったトンネル、それを防護壁にして侵入してくるのです。

ですので「防蟻剤入りの断熱材だから大丈夫」なんていうことはありません。
シロアリはものすごく頭がいいので、1回学習すると確実に対策を施してきます。
嘘④「数年に1度、防蟻剤を土壌散布するだけで大丈夫です」
外は雨風に常にさらされているわけなので、数年に1度だけ薬剤を散布しても、完璧なシロアリ対策ができるわけありません。
シロアリでなくても、普通の黒アリの侵入防止剤だって何年も効果は持続しません。
ですので「数年に1度防蟻剤を土壌散布するだけで大丈夫」ということはないのです。
嘘⑤「土台に加圧注入材を使っているので問題ありません」
確かに、土台部分に加圧注入材を使っていれば、そこはシロアリに食べられません。

ですが、加圧注入材はシロアリがそれを食べたら効果を発揮するものなので、食べられなかったら、普通に加圧注入材の上を歩いて他のところに行くのです。
しかもシロアリはものすごく頭がいいので、1度食べて危険だというのがわかると、絶対に食べません。
ですので「土台に加圧注入材を使っているので問題ありません」というのも間違いです。
からくり6:F☆☆☆☆(エフ・フォースター)建材だから安全!?

フォースターは住宅建材で使われているもので、日本ではこの称号がついていたら体にいい建材、だから安心安全、大丈夫だという風潮があるのです。

ただ、なんか変です。
そもそもフォースターは、昔石油由来の新建材と呼ばれるものを住宅に大量に使いすぎてしまったが故に、目のチカチカ、めまい、頭痛などのシックハウス症候群が社会問題となり、さらにはシックハウス症候群で死者が出る状況になってしまったので、フォースターという基準が誕生したわけです。
しかしこれは、1990年後半から2003年くらいまでにあったことで、事実、フォースターという基準が誕生したのも2003年なのです。
基準がアップデートされてもいいような気がしますが、アップデートされません。
それがなぜかというと、アップデートしてしまうと、これまで流通させてきた建材が一気に使えなくなり、あとは海外から建材を輸入することも難しくなってしまうからです。
というのもそもそも論として、残念ながら今現在の日本は、海外に頼らないと家づくりができない状況なのです。
多くの建材は中国やフィリピン、その辺から仕入れてくることがほとんどです。
輸入建材は、海外メーカーが「低ホルムアルデヒドです。だから安全です」と言って、日本側は試験データを見てそれが問題なければOKという流れで市場に流通させます。
ですので、再度日本側で試験して測定するということはほぼしていません。
フォースター相当でも通ってしまうというのが日本の基準なわけです。
ちなみにフォースターのFは、ホルムアルデヒドのFです。
そのため、ヨーロッパでは使えない建材、アメリカでも使えない建材、しかし日本だと高級輸入建材として使うのがOKというのがまかりとおってしまっているわけです。
一方で、ヨーロッパなどはホルムアルデヒドはもちろんのこと、REACH基準をもとに、
- 発がん性物質
- 内分泌かく乱物質
- 神経毒性
- 生殖毒性
- 長期低濃度暴露リスク
これらが建材に使われていないかどうか、きちんと調べた上で建材を流通させているわけです。
要は簡単にまとめると、ヨーロッパはそのREACH基準によって、科学懸念物質の使用を包括的に管理しているのに対して、日本は完成された建材に対してどれくらいホルムアルデヒドが出るのかだけを見ているということです。

そしてこのザルな法律によって、日本は複合曝露の懸念も一切考慮されていないというのがポイントなのです。
複合暴露とは、私たちが日常生活で意図せず複数の異なる化学物質に同時にさらされることを指しています。
つまり複数の異なる化学物質が合わさることで、物質単独にさらされるよりも大きな健康被害が生じる可能性があるという話なのですが、こういうことを考えられていないのです。
日本は先進国の中でがんの発症率が1番高く、その主たる原因が食事と言われていますが、24時間365日過ごしている家にも原因があるのではないかと思います。
こちらも真相は闇の中です。
からくり7:24時間換気システムの盲点

日本の基準は確かにザルなのですが、それを補うためにものすごく換気をするようになっています。
これがどういうことかというと、日本では24時間換気システムをつけないといけないという決まりがあります。

これによって、1時間で0.5回、つまりは1時間で家全体の半分の空気を外に捨てなければならないのですが、1時間で家全体の空気の半分を捨てるのです。
冷静に考えてみてください。
そんなことをやっていたら、いくら温度調整をしたとしても、加湿除湿をしたとしても、調整できるわけありません。
冬場に加湿器を使って湿度を上げようと思ってもなかなか上がらないのも、夏場になかなか除湿ができないのも当たり前です。
それにプラスして、お風呂場の換気扇もトイレの換気扇も回しっぱなしです。
大体の方がそうだと思います。
料理の時はキッチンのレンジフードを回します。
これですと、ほぼ外なのです。
言われてみれば「あ、そうだな」と思うと思います。
結局無理やり機械で解決するという力技をするしかないわけです。
その方が加湿器もエアコンも売れるので、設備機器メーカー的にはいい気がします。
こういうことが見えてくると、企業によって自分たちの課題や悩みが生み出されて、またその解決策として、企業によって商品が販売されるという壮大なラットレースの中で、自分たちは生かされていると感じてしまいます。
注文住宅契約前に知るべき業界のからくり7選のまとめ
今回は『注文住宅契約前に知るべき業界のからくり7選』と題して、注文住宅で当たり前にあるけれど、何かがおかしい、そんな業界のからくりを7つ紹介させていただきました。
こういった変な現象にいち早く気がついて家づくりをしているハウスメーカーもごく少数ですがありますし、仮にベースの仕様に足りない部分があったとしても、適切に強化をしていけば住み心地のいい家をつくることもできます。
ですので、皆さんもいろいろと疑いの目をもちつつ、本当に自分たちが検討しているハウスメーカーは大丈夫なのかを確認してみてください。
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