今回は『今年2023年に家づくりをする人が気をつけるべき3つのこと』というテーマでお話をしていこうと思います。
というのも、恐らくこれから注文住宅の購入を検討している人からすると、
- そもそも注文住宅を購入するにあたり何から始めればいいんだろう
- 気をつけるべきことって何があるんだろう
といったいろいろな疑問や不安があると思います。
それでいて注文住宅は、世間一般的に3回買わないと成功しないと言われています。
だからこそ余計に身構えてしまいますよね。
そこで本記事では、家づくりで失敗しないよう、気をつけるべきことを詳しくお伝えします。
家づくりで気をつけるべきこととは?
事実、今の住宅業界は過渡期です。
これがどういうことかは後で詳しく説明をしますが、わかりやすくお伝えするなら、例えば新型iPhone発売直前で現行のモデルを高額で買ってしまうような、一歩間違えればそんな大損状態になりかねないのが今の住宅業界だということです。
iPhoneは数十万円という金額ですが、注文住宅は何千万、下手したら何億という世界です。
しかも一度建ててしまうと簡単に直すこともできません。
後悔しながら毎月の住宅ローンを払っていくのは嫌ですよね?
絶対に成功させたいじゃないですか。
私は大手ハウスメーカーで営業経験を積み、そこで実績を出し、その実績を使って銀行に転職、不動産の融資担当に従事してきました。
更に今では住宅業界の悪習である担当ガチャ制を変えるべく、各大手ハウスメーカー本社と正式に提携し、自ら担当者を選べるネット版住宅展示場MEGULIEを作成。
各メーカーの担当者、それぞれの実力をオープンにするのと同時に、
- WEB面談を活用した家づくりの無料サポート
- 各ハウスメーカーの弱点を補うための活動や根回し
- ハウスメーカーの営業マンや設計士のリテラシーを上げるための勉強会
など様々なことを行ってきました。
この3つを知っているかどうかで、スタートがうまくできるかどうかが決まってきます。
- 住宅業界が置かれている現状を把握し、正しい選択ができるようになりたい
- できることなら1回で確実に家づくりを成功させたい
- 失敗したなと思う家に対して毎月何十万円も払いたくない
と思う方は是非とも最後までお読みください。
まずは最初に結論をお伝えします。
『今年2023年に家づくりをする人が気をつけるべき3つのこと』とは何なのかというと、
- 断熱等級の変更による建物の性能格差が広がっている
- 営業マンや設計士のリテラシーの格差により、人によって建物のデザイン性、機能性共に提案内容が大きく異なってきている
- 住宅業界には担当ガチャ制と呼ばれる仕組みが存在する
以上の3つになります。
どれもこれから家づくりをするためには知っておかなければならない知識なので、次の章からそれぞれ順番に詳しく解説をしていきます。
家づくりで気をつけること1: 断熱等級の変更による建物の性能格差の広がり
実は大手ハウスメーカー各社は今、断熱性能と呼ばれる外気の温度の影響を受けにくくする性能と、気密性能と呼ばれる家の温度を保つための性能に大きな差が出はじめているのです。
そのため「有名なハウスメーカーで建てればどこも同じ」ではないのです。
ではなぜ、大手ハウスメーカー各社は今、断熱性能と気密性能に大きな差が出はじめているのかというと、そこには2つの背景が存在します。
断熱等級の上限の引き上げ
まず1つ目が、2022年10月から断熱等級と呼ばれるものの上限が引き上げになったということです。
これがどういうことかというと、実は日本の建物には断熱等級と呼ばれるものが存在します。
これは「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」で規定された住宅の省エネ性能を示すための基準なのですが、それが今までは最高等級が4でした。
ただし、この断熱等級4は最高等級とは言いつつも、世界と比較すると非常に低い水準だったのです。
例えばこちらの画像を見てください。
こちらは各国の冬場の室内の平均温度を表している画像になるのですが、さて、日本の家の室内の平均温度は、冬場にどのくらいなのでしょうか?
少し考えてみてください。
正解は10度です。
つまり、この画像にはロシアやデンマークなど高緯度にあって冬の寒さが厳しい国も含まれていますが、家の中は日本の方が圧倒的に寒いということです。
実際に各国の家の断熱性能を見てみるとわかるのですが、日本がとても遅れているのがわかりますよね。
ですので「断熱等級が最高等級4です!」と言われてもそれは本当に最低限という感じで、高くも何ともなかったというのが今までの日本の住宅でした。
さすがにこれはまずいよね、ということで世界にも通用する基準として、日本でもようやく断熱等級が4から7に引き上げになったわけです。
ただしここで多くの人が「断熱等級の上限が引き上げになったのは何となく理解できたけど、それって別にどこのメーカーも対応してるんでしょ?」と思われていると思います。
確かにその気持ちはわかりますし、実際にこの断熱等級の改正は2021年の夏頃にはすでにわかっていたわけです。
つまり2022年10月から新しい断熱等級が実装になるまでの間に1年間の猶予があったのです。
ですので「1年も猶予があったなら、どこのハウスメーカーでも対応できるようにしてるでしょ。」と思うのも無理はないわけです。
しかし実際はどうかというと、2022年10月から断熱等級の制度改正が行われてから数ヶ月が経ちましたが、今現在きちんと対応できるように動いているのは大手ハウスメーカー9社中2社しかないのです。
大手ハウスメーカーというのは業界でいうと、
- 積水ハウス
- 住友林業
- ダイワハウス
- ヘーベルハウス
- 三井ホーム
- パナソニックホームズ
- セキスイハイム
- ミサワホーム
- トヨタホーム
この9社になるのですが、この中できちんと対応しているメーカーが2社しかないということなのです。
1年も猶予があったのにですよ?
普通でしたらあり得ないですよね。
しかしそんな状況なのです。
ではなぜ大手ハウスメーカー各社の対応がこんなに遅いのかというと、それが2つ目の背景に繋がってくるのです。
大手ハウスメーカー各社が言い張ってきたことの影響
大手ハウスメーカー各社は今、断熱性能と気密性能に大きな差が出はじめているのです。
2つめの背景、それは大手ハウスメーカー各社は今まで
- 断熱材は厚くする必要がない
- 気密施工と呼ばれる家の隙間を埋める工事をする必要はない
と言い張ってきたから、ということです。
実は今まで、というか今もではあるのですが、大手ハウスメーカー各社はこれを頑なに言い張っています。
それがなぜなのかというと、
- 気密施工をしなくても、それなりの性能を出せるから
- 隙間風があった方が建物が長持ちするから
- 高気密高断熱の住宅はオーバースペックだから
というなんとも言い訳のような理由から
- 断熱材は厚くする必要がない
- 気密施工はする必要がない
と今まで頑なに言い張ってきていました。
しかもその文化は私が知る限り10年以上続いているので、ほとんどのハウスメーカーが建物の断熱性能や気密性能を上げることに関して苦手意識を持っているというのが実情なのです。
ただこの話を聞いて「いやいや、有名な大手ハウスメーカー各社が必要ないって言っているんだから必要ないんじゃないの?」と思われる方もいるとは思います。
しかし先ほども説明した通り、日本の住宅は遅れているのです。
しかもこの今の状態に何も疑問を持たずに家づくりをしてしまうと、今後100%取り返しのつかない状態になります。
では、実際にどのように取り返しがつかなくなるのかというと、それが
- 健康に悪い住宅を建てることになってしまう
- 光熱費がとんでもなくかかる家になってしまう
以上の2つになります。
それぞれ順番に説明をしていきます。
健康に悪い住宅を建てることになる
最初に『健康に悪い住宅を建てることになってしまう』ということについてです。
突然ですが、皆さんは季節の変わり目に風邪をひいたことはないですか?
あるいは季節の変わり目は風邪をひきやすいという話を聞いたことはないですか?
きっと誰もが1回くらいは季節の変わり目で風邪をひいたり、季節の変わり目は風邪をひきやすいという話を聞いたりしたことがあるかと思います。
要は何が言いたいのかというと、人間はそれだけ温度変化に弱い生き物だということです。
実際に極端な例にはなってしまいますが、例えばヒートショックといって室内の温度差によって血圧が急に上下に変動し、心臓や血管に異常が生じることで死んでしまう人もいるくらいです。
しかもこのヒートショックの影響で、日本では年間2万人亡くなっているという統計があります。
一方で、交通事故で亡くなっている人は年間で約4000人なのです。
つまり、外出するよりも室内にいた方が死んでしまう確率が高いのが日本の住宅だったりするわけです。
事実、先ほど画像をお見せした通りで、ロシアやデンマークなど、高緯度にあって冬の寒さが厳しい国よりも、家の中は日本の方が圧倒的に寒いということ、そして各国の家の断熱性能を見てみると日本がとても遅れているということ、もうこれが事実なのです。
このような状態なら、ヒートショックの影響で年間2万人亡くなっているというのもうなずけますよね。
ですので健康に悪い住宅を建てないためにも、本来なら断熱性能や気密性能に関しては重要視していかなければならないわけです。
実際に高気密高断熱の家づくりをすることで
- 風邪をひきにくくなり、医療費を削減できる
- 光熱費を削減できる
- 1年中、室内の温湿度を一定に保つことができ快適に暮らせる
という、そんな家づくりができるとされています。
高気密高断熱の家に住むことで、年間の医療費を削減できるというデータがあるくらいです。
更には健康チェックリストの暖かさに関する設問を活用した『温熱環境評価法の提案』という学術誌に、高気密高断熱の家をつくると健康になるという論文もあるくらいです。
このことからも私の話が決して大げさではないことがわかるはずです。
光熱費がとんでもなくかかる家になる
次に『光熱費がとんでもなくかかる家になってしまう』ということについてです。
実は今、光熱費がどんどん上がっていくことが予想されているのです。
なぜなら、その背景には地球温暖化が深く関わっているからです。
そして今から光熱費が上昇したときの対策を先回りしてやっておかなければ、今後光熱費が家計を圧迫していくことが予想できるのです。
これがどういうことか、もう少し詳しく説明していきます。
またまた突然ですが、皆さんはなぜストローがプラスチックから紙に、ビニール袋が無料から有料になったのかご存知でしょうか?
なんとなくイメージできる人はイメージできるとは思いますが、これはシンプルにCO2を削減して地球温暖化などから人類を守るために行っているのですよね。
ではどうして今になってそんなに躍起になって「地球環境に配慮しよう!」となっているのかというと、それはこのまま行くと、最悪世界で4億人の難民が出ると予想されているからなのです。
例えばこちらをご覧ください。
こちらはIPCCと呼ばれる国際的な地球温暖化の専門家たちによって作られた『RCPシナリオ』と呼ばれるものをまとめたものになります。
簡単に説明をすると、これから2100年までの間の地球温暖化の影響を4つのパターンに分けられるとしているのです。
具体的には
- RCP8.5
- RCP6.0
- RCP4.5
- RCP2.6
この4つが存在していて、それぞれ詳しく説明をすると、RCP8.5は、2100年、世界で平均気温が最高で約5℃上昇するという最悪のシナリオです。
海面も45cmから82cm上昇するとされていて、それにより住めない地域が出てきてしまい、日本も含めて世界で4億人の難民が出るとされています。
RCP6.0は、2100年の地球の平均気温が約3℃上昇するというシナリオです。
世界の国のカーボンニュートラルへの取り組みが遅れて、技術開発の速度が速まらなかった場合のシナリオがこのRCP6.0になります。
影響としては温暖化抑制の効果はでてくるものの、降水量と気温の変化によって、深刻な食糧不足になります。
RCP4.5は、地球温暖化対策と大気汚染防止策が世界的に効果をみせた場合のシナリオです。
森林が保護され再生に向かいます。
それでも、2100年に地球の温度は2℃以上上がり、サンゴ礁の2/3は失われる可能性があります。
RCP2.6は、ただちに世界がカーボンニュートラルを目指した政策に着手した場合のシナリオです。
地球の平均気温の上昇を2℃以内に抑えることができます。
以上の4つが2100年までに想定されているシナリオです。
ところが現在2030年ごろまでに気温が1.5℃上昇することが確定してしまっていて、予定よりも10年早く地球の温度が上昇しているのが現状なのです。
そんなこともあって、2100年になるまでの残り約80年の間で0.5℃の上昇に留めなければ今まで通りの生活ができなくなってしまうのです。
そのような状況なので、世の中ではCO2を削減するために躍起になってストローをプラスチックから紙にしたり、ビニール袋を有料にしてビニール袋を使わない環境をつくったりしているのです。
ただし、ストローをプラスチックから紙にしたり、ビニール袋を有料にして使わない環境をつくったりしても、やらないよりはやった方がマシというレベルです。
CO2を大幅に削減するためには、化石燃料と呼ばれる石油や石炭を使用しないことが重要になります。
そして石油や石炭の代わりとなるエネルギーとして、そもそも環境負荷の少ない天然ガスや電気に注目が集まっているわけですが、ここでポイントになってくるのが
- 今後ガスと電気の需要が上がることにより、値上がりすることが予想される
- ガスは自分達でつくることはできない
というこの2つなのです。
つまり何が言いたいのかと言うと、今後、光熱費は上がる前提で今から家づくりをしておかなければ、毎月の住宅ローンに固定資産税、2024年には消費税が15%になり、そんな状況にも関わらず追い討ちをかけるように光熱費が上がり続けるという最悪な状況に陥る可能性があるのです。
実際に天然ガスの価格が上昇傾向にあるのはグラフを見れば一目瞭然です。
また電気に関しては、4人家族での平均年間消費電力量をおよそ5,500kwhであると仮定した場合、2030年までに年間で4万円近く電気代が上昇する試算すら出ているくらいです。
ですので、光熱費は上がる前提で今から家づくりをしておかないと、後々の生活が今よりも厳しくなる可能性が非常に高いのが今の時代なわけです。
ということで、大手ハウスメーカー各社は今、断熱性能と気密性能に大きな差が出はじめているため、慎重かつしっかりとそのハウスメーカーのことを理解して家づくりをしなければ
- 健康に悪い住宅を建てることになってしまう
- 光熱費がとんでもなくかかる家になってしまう
これら2つのことが起きてしまい、取り返しのつかないことになりますよというのがここまでの話になります。
事実とはいえ、ここまでさんざん不安をあおってきはしましたが、もちろん今後徐々に変わっていき、新しい仕様を出すメーカーも出てくるとは思います。
ただとにかく今の状態として、柔軟に対応しているハウスメーカーとそうでないハウスメーカーとに大きく分かれてきているということは把握していただければと思います。
しかし、そうは言っても素人には判断のハードルが高いと思います。
これから注文住宅購入に向けて動き始める皆さんのために、誰でもハウスメーカーを見極めることができるよう、
- 【一生役立つ】注文住宅で最初に抑えるべき超キホンを解説! (YouTubeへのリンク)
- 【ハウスメーカー比較】断熱性能を比較する時の基本 (YouTubeへのリンク)
- 【大手の闇?】ハウスメーカーで鉄骨住宅を建てる意味 (YouTubeへのリンク)
- 【損失500万以上】後悔する注文住宅オプション15選 (YouTubeへのリンク)
これらの動画を去年のうちから作ってきました。
更に各ハウスメーカー解説&攻略動画も出しているので、そちらも合わせて見てもらえれば、ある程度はハウスメーカーのことを見極めることができるはずです。
家づくりで気をつけること2:営業マンや設計士のリテラシー格差
続いて2023年に家づくりをする人が気をつけるべきこと2つ目、営業マンや設計士のリテラシーの格差により、人によって建物のデザイン性・機能性共に提案内容が大きく異なってきているということについてです。
これは先ほど1つ目でお話しした『断熱等級の変更による建物の性能格差が広がっている』ということに付随する話でもあるのですが、実は今の時代にあった提案をするためには、営業担当者と設計担当者、双方が高いレベルで知識を持っていないと成り立たない状況になってきているのです。
「いやいや、何当たり前のこと言ってるの?高いレベルで提案をするなんて当たり前のことじゃん。」と思われると思うのですが、実はそれが当たり前ではないのが住宅業界なのです。
これがどういうことかというと、こちらをご覧ください。
この図は縦軸が設計士の設計力、横軸が営業マンのリテラシーを表しているものになりますが、当然目指すべきは理想である『この部分』になるわけですね。
設計士
グラフの縦軸である設計士の設計力、まずここにフォーカスしてお話をすると、例えば皆さんは、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、肉と聞いてどのような料理を思い浮かべますか?
恐らく多くの方が『カレー』と答えると思います。
しかし、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、肉、これらを使えば『肉じゃが』だって作れますよね?
更に言ってしまえば、まずいカレーもあればまずい肉じゃがだってあるわけです。
要は何が言いたいのかというと、調理するのが誰になるのかでできる料理や料理自体のクオリティが変わるのです。
それと同じように、結局のところ住宅も誰が設計するのかでできる家が大きく変わってくるということです。
よくある勘違いとして、積水ハウスや住友林業、ヘーベルハウスなど、誰もが聞いたことのあるメーカーで検討しさえすれば、いい提案をしてくれるというのは大きな間違いなのです。
メーカー云々の話ではなく、設計士『個人』なのです。
ですので設計士個人の力量によって、縦軸の場所が変わってくるのです。
そして設計士『個人』というのは言い換えると『職人』です。
なぜなら、建築には文化や伝統が存在しているからです。
例えば日本では陰影礼賛という言葉があるように、暗がりにこそ美しさがあるという文化がありますし、海外ではモールディングと呼ばれる建材を分厚くすることでオシャレさを演出する足し算の文化があるわけです。
今お話ししたのはあくまで一例ですが、他にも建築にはいろいろな文化や伝統が存在しています。
そしてそれらを活用することで、SNS映えするようなデザイン性の高い住宅はつくれるのです。
しかし『職人がつくるもの』というのは、少し言い方は悪いのですが、いくらデザインが優れていても時代に合わせた提案ができなければ廃れていくだけになります。
具体例を出すと、雨が降った時に使う『傘』がありますよね。
傘は昔からずっとその形状が変わらないにも関わらず、和傘は廃れ、今はビニール傘が主流になっています。
これは和傘と比べてビニール傘は価格が安く、壊れたり失くしたりしてもいいものという認識があるため、今ではビニール傘が主流になっているわけです。
そのような状況の中で生産量が確保できず、更には1つ5万円前後する和傘がビニール傘以上に売れるかといったら売れるわけがないのです。
これは誰でもわかりますよね?
しかし、一方で和傘には和傘で職人ならではの技術があるのです。
そしてそれが日本の伝統工芸であり、文化の一部を形成していたりもするわけです。
ですので、売れないという理由だけでその文化自体をなくしてしまうのはもったいないですよね。
そのため、和傘も今の時代に合わせてビニール和傘というのが作られていたり、あとは和傘を作る技術を活用して照明を作っている和傘屋さんもあったりするのです。
このように時代の変化を柔軟に取り入れているのです。
住宅も傘と同じです。
傘というものの概念が昔から変わっていないように、家という箱に住む概念も昔から変わっていません。
しかし、間違いなく家にも時代の流れが存在するのです。
そのため今まで脈々と受け継がれてきた職人の技術や文化、それを引き継ぐ設計士の間取りの提案力をベースに、どう今の時代の流れに合わせた提案に変換できるかを考える必要があるのです。
冒頭でもお伝えした通り、特に今の住宅業界は過渡期ですからね。
では、今の時代の流れに合わせた提案を受けるためにはどうしたら良いのかというと、この時に出てくるのが営業マンなのです。
営業マン
「いやいやなんで営業マン?」と思われた方もいると思いますが、実は皆さんが提案される注文住宅の仕様、これを決めるのはほとんどが営業マンなのです。
設計士がメインで仕様を決めるのではありません。
なぜなら、ハウスメーカーの設計士というのは、あくまで間取りという絵を描き、行政などに提出する図面を作成するのが主な仕事だからです。
ですので皆さんに提案する建物の仕様、 わかりやすく言い換えれば建物の標準仕様は、営業マンが決めるのです。
そのため例えばですが、営業マンが気密・断熱のリテラシーがない人間だった場合、もしかしたら断熱グレードを上げるオプションがあるにも関わらず、提案をしないかもしれません。
なんなら「今のままで十分です。」という根拠のない大丈夫!でその場を押し切ろうとする可能性も大いにあり得ます。
また断熱、気密を高めた住宅には第一種換気が必要だということを知らずに、目先の金額を下げることを優先して、第三種換気を見積もりに入れ込んでしまっているかもしれません。
そうなってしまうと、ハウスメーカーの設計士は見た目は気にするものの建物の性能を気にしないので、そのまま打ち合わせが進み、建物の性能が確定してしまいます。
営業マンのリテラシーが低い場合、そういう時代遅れの提案を平然としてくる危険性があるのです。
しかしその逆で、しっかりとリテラシーの高い営業マンが担当であれば、職人である設計士の提案にきちんと今の時代にあった提案を掛け合わせることをしてくれるわけです。
そうすることで先ほどお見せした図の理想の部分に該当する家づくりができるのです。
今まで業界が遅れていた分、その反動が急に押し寄せている感じではありますが、営業マンや設計士のリテラシーの格差により、人によって提案内容が大きく異なってきているということ、そして今の時代にあった提案をするためには営業担当者と設計担当者、双方が高いレベルで知識を持っていないと成り立たない状況になってきている、ということでした。
これは是非とも覚えておいてください。
家づくりで気をつけること3: 担当ガチャ
続いて2023年に家づくりをする人が気をつけるべきこと3つ目は、住宅業界には担当ガチャと呼ばれる仕組みが存在するということについてです。
ここまでの話を聞いて、担当者次第で家づくりの方向性や提案内容が大きく変わるということを何となくご理解いただけているのではないかと思います。
ただし住宅業界には担当ガチャと呼ばれる、勝手に自分の担当者が決まってしまうという制度があります。
担当ガチャの現実
一度営業担当者が決まってしまうと、基本的に変更は不可能です。
普通でしたらあり得ないと思うと思うのですが、住宅業界ではこれが普通なのです。
ですので例えば、ハウスメーカーの裏事情として
- 展示場に行き、アンケートと呼ばれる用紙に、住所、氏名、連絡先を書いてしまうと、その時目の前にいる営業マンが今後ずっと自分の担当者になる
- 資料請求をするとその時点で担当者がつき、売れていない営業マンか若手営業マンが担当になってしまう確率がかなり高くなる
- 自身が勤めている会社の福利厚生を利用してハウスメーカーから割引を得るための申請をすると、法人部門の営業担当者が勝手に担当になる(しかもハウスメーカーの法人部門は多くの場合、売れない営業マンが行き着くところ)
という、これらのことが存在します。
要は簡単にまとめると、ハウスメーカーに対して何かしらのアクションを取った時点で担当者が決まってしまうということなのです。
しかも住宅業界は個人営業の世界なので、契約が取れる取れないかは、営業マンにとっては死活問題なわけです。
自分のボーナスの査定や出世にも関わってきますからね。
ですので、営業マンは自分が担当になったお客さんを簡単には手放さないですし、他の営業マンもサラリーマンなので、社内のイザコザに巻き込まれるリスクを取ってまで、無理に担当者変更の交渉をしようとは思わないのです。
それにより一度営業担当者が決まってしまうと基本的に変更は不可能なのです。
またこの話をすると決まって、『自分は担当者を変更することができた』という人が出てくるのですが、それはその営業マンの上司に当たる人が代わりに担当になるというケースがほとんどのはずです。
でもそれは純粋な担当替えではないのです。
なぜなら、それは表面的な担当替えであって、裏で行う実務は以前の担当者がそのまま行っているからです。
ですので意味がないのです。
そういう裏事情もあるので、きちんとした人に担当になってもらうためには最初がものすごく肝心です。
良い担当者の見つけ方
では
- 展示場に行くこともできない
- 資料請求をすることもできない
- 自身が勤めている会社の福利厚生の利用申請もできない
そのような状態の中でどうやって良い担当者を見つけるのかという話なのですが、それは
- 紹介サービスを活用する
- 信頼できる友人知人から紹介をしてもらう
もうこの2つしか抜け道は存在しません。
ではそれぞれどういうことなのか説明していきます。
紹介サービスの活用
まずは『紹介サービスを活用する』に関してですが、例えば私であれば、今の時代にあった提案がきちんとできて、更に顧客満足度が高く、家づくりが好きな営業マンをご紹介できます。
では、なぜそのようなことを言い切れるのかというと、それは今までずっと皆でリテラシーを高めるために研鑽を積んできたからです。
というのも、私は全国の優秀な営業マンと一緒に定期的に家づくりのための勉強会を行ってきました。
具体的には、デザイン性や機能性に優れている家がある都道府県に皆で直接出向いて実例を見学し、設計のポイントなどを学んでみたり、あとは全国の営業マンを集めて、今後の住宅業界の方向性や今どのような提案をしたらお客さんのためになるのかなどのディスカッションを通じて視座を高めたりというものです。
あとはおまけで今後の住宅業界を担う若手設計士や若手住宅営業マンを集めて、一緒に外工事をしたりもしました。
このように日々、皆で研鑽してリテラシーを高めあってきたのです。
ですのでハウスメーカーがやりたがらない気密施工や気密測定をやるようにもしてきましたし、ハウスメーカーによってはどうしても提案力が弱いところがあるので、そういう場合は営業マンと私とで根回しをして、私が信頼する外部の設計士に入ってもらい家づくりをするなんてこともしてきました。
そういう柔軟な対応ができるリテラシーの高い営業マンを私はきちんとご紹介しています。
また私が作ったネット版住宅展示場MEGULIE(メグリエ)、こちらは営業担当者の実力が丸裸になっているサイトです。
ですので、その営業マンがただただ売るためだけの家づくりをしてきたのか、それともきちんとこだわった家づくりをしてきたのかがわかるようになっているのです。
このサイトに関しては各ハウスメーカー本社と提携して、しっかりと基準に則り、厳選した営業マンを掲載しています。
そして皆さん自身で営業マンを選び、コンタクトを取れる、そんなサイトなのです。
もしメーカー選びで迷われることがあれば、サイトを通じて私との無料WEB面談を予約することも可能です。
このような感じで、私は皆さんが家づくりで失敗しないようにするために、今までいろんな下準備をしてきました。
ですので、今の時代にあった高気密高断熱で、かつデザイン性にも優れた住宅を建てたい、そういうリテラシーの高い担当者と巡り会いたいという方は、私の公式LINEに登録をしていただき、直接紹介の依頼をしていただくか、もしくはメグリエをご活用いただければと思います。
信頼できる友人知人からの紹介
それともう1つ
- 信頼できる友人知人から担当者を紹介してもらう
ということに関してです。
これまでの話を聞いて「いやいや、まかろにおなんか信頼できないよ。」という方は、身近にいる信頼できる友人知人から担当者を紹介してもらうのがベストです。
これに関してはもう説明するまでもないですが、そうでもしなければ今の仕組み上、どうしてもランダムで担当者が勝手に決まってしまうのです。
ですので、動き始める前に自分の周りに家を建てた人がいないかどうかを調べて、その担当者が良ければ紹介してもらうようにしてください。
会社の福利厚生利用の注意点と値引きの仕組み
ちなみに自身が勤めている会社の福利厚生を利用して割引を得ようとすると勝手に担当者がついてしまう、という話についてですが、これに関しては福利厚生はあってないようなものだと思った方が良いです。
というのもほとんどの場合、法人提携割引きとして3%値引きします、と記載があると思いますが、3%値引きは別に特別なものでもなければ、得でもないのです。
もう少しハウスメーカーの仕組みを具体的にお伝えすると、ハウスメーカーは基本的に値引きの上限値が決まっています。
そしてその上限を越えなければ、項目を好き勝手にいじれるのです。
例えばとあるハウスメーカーの値引き上限が10%だとします。
その場合、値引きの合計が10%以内で収まれば良いので
- 法人提携割引3%
- 〇〇キャンペーン5%
- 〇〇値引き2%
合計10%
という感じにできるということです。
この仕組みがわかるとハウスメーカーはキャンペーンの捏造が簡単にできることがわかりますよね。
3%値引きは別に特別なものでもなければ得でもない、というのはこういうことなのです。
なんなら普通に展示場に行った人の方が値引き額が大きいなんていうケースも山のようにあります。
少し言い方は悪いですが、まんまと福利厚生という言葉と割引という言葉に釣られてしまったという感じでしょうか。
そのため、会社の福利厚生を利用して割引を得ようとすると、むしろ損になる可能性が大きいので、利用する場合は慎重にご判断ください。
2023年 家づくりをする人が気をつけるべき3つのことのまとめ
今回は『今年2023年に家づくりをする人が気をつけるべき3つのこと』というテーマでお話をしてきました。
まとめると
- 断熱等級の変更による建物の性能格差が広がっている
- 営業マンや設計士のリテラシーの格差により、人によって建物のデザイン性、機能性共に提案内容が大きく異なってきている
- 住宅業界には担当ガチャと呼ばれる仕組みが存在する
以上の3つになります。
何度もお伝えをしますが、住宅業界は今過渡期です。
きちんと学び、自分自身で判断して後悔のないようにメーカー選びをしていただければと思います。
これから注文住宅の購入を検討したいという方は、わたくし、まかろにおが提供している注文住宅オンライン相談サービス「メグリエ」で大手ハウスメーカーの優秀営業担当を無料でご紹介しています。
是非、無料会員登録の上で地域の優秀営業担当を探してみてください。