今回は『【2024年最新】積水ハウスの特徴11選〜すべてがわかる!〜』というテーマでお話をしていきます。
皆さん、ハウスメーカーって世の中にたくさんありますよね?
「ネットで調べても違いがよくわからない!」
かといって「住宅展示場に行ったり、各ハウスメーカーに資料請求をしたりすると、勝手に担当者がついて固定化されてしまう!」「だからうかつに動けない!」「もうどうすればいいんだ!!」
そのように悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回は、私が積水ハウスの良い面も悪い面も、忖度なくすべてお話をしていきます。
これから家づくりをされる方で、
- 積水ハウスってどんな会社なのか知りたい
- 積水ハウスを検討する上で注意するべきことは何かを知りたい
- 誰も知らないような情報をコッソリと教えてほしい
これらに該当する方は、ぜひとも最後までお読みください。
- 積水ハウスの特徴1:住宅業界を牽引するトップのハウスメーカー
- 積水ハウスの特徴2:チーフアーキテクトという制度がある
- 積水ハウスの特徴3:西日本の設計力が高い
- 積水ハウスの特徴4:西日本の設計力が横展開されている(life knit design)
- 積水ハウスの特徴5:クリアビューデザイン
- 積水ハウスの特徴6:SAJサッシ
- 積水ハウスの特徴7:鉄骨造の商品と木造の商品両方を展開している
- 積水ハウスの特徴8:鉄骨造には2種類の構法がある
- 積水ハウスの特徴9:木造にはまさかの伝統工法の要素が入っている
- 積水ハウスの特徴10:メーターモジュールを採用している
- 積水ハウスの特徴11:業界一金額が高い
- 【2024年最新】積水ハウスの特徴11選〜すべてがわかる!〜のまとめ
積水ハウスの特徴1:住宅業界を牽引するトップのハウスメーカー
『SNSは積水ハウスだらけ』
SNSで注文住宅のことを検索すると、必ずと言っていいほど積水ハウスが建てた家の写真や動画が出てきます。
一方で、検索してもほとんど写真や動画が出てこないハウスメーカーもあるわけです。
この差はなんなのか。
それはシンプルに、積水ハウスが満足度の高い家を数多く提供しているからです。
「えー、本当かよ!積水ハウスの肩を持ってるんじゃないの?」と思われると思うのですが、皆さんもイメージしてみてください。
買ってよかったなと思う商品は、友人・知人に広めたくなりますよね。
要はそれと同じ感覚で、積水ハウスで家を建てた多くの方がSNSに写真や動画をアップしているわけです。
つまり『そのハウスメーカーのSNSでの投稿数=満足度の高さ』そう言い換えても問題ないのではないかなと思います。
事実、積水ハウスは、設立が1960年、従業員数が14,932名、その内一級建築士が3,090名在籍している会社なのですが(2023年1月31日時点)、
2023年1月31日時点の累計建築戸数は2,583,978戸で、累計建築戸数が世界一の企業なのです。
それだけたくさんの方に選ばれてきた企業が積水ハウスだということです。
皆さんもSNSでいろんなハウスメーカーのことを調べてみてください。
積水ハウスの事例の多さに驚くはずです。
積水ハウスの特徴2:チーフアーキテクトという制度がある
『ただし、全てが当たりではない』
先ほど積水ハウスには、従業員数が14,932名いて、一級建築士が3,090名在籍しているとお伝えしました。
そして、在籍している一級建築士3,090名の中で全体の上位8%に相当する人たちは『チーフアーキテクト』という肩書を持っています。
このチーフアーキテクトという肩書は、簡単に説明すると、積水ハウス内の優秀な設計士のみに与えられる称号のようなものになります。
そのため、通常の設計士よりもレベルの高い設計力を持ち合わせている方々になるのです。
ですので例えば、チーフアーキテクトが自分の担当設計士になれば、それだけでいい提案をしてもらえる可能性が高くなるわけです。
しかも、チーフアーキテクトの方が自分の設計担当になったからといって、料金が変わることはありません。
尚のこと、チーフアーキテクトの方に担当になってもらった方がいいですよね。
それは私もそう思います。
ただし、そんな簡単な話ではありません。
気をつけなければならない点もあるわけです。
それはチーフアーキテクトという肩書きがあるからといって、全員が全員、当たりではないということです。
なぜなら
- 得意なテイストが違う
- 熟練度が違う
この2つの理由があるからです。
それぞれ説明していきます。
得意なテイストが違う
まず1つ目の『得意なテイストが違う』ということについてですが、例えば住宅には大きく分けて、足し算の建築と引き算の建築、この2つがあります。
設計士によって、足し算の建築が得意なのか、それとも引き算の建築が得意なのか、はたまたミックスが得意なのか、全然タイプが違うわけです。
ですので、チーフアーキテクトの肩書きをもつ設計士が自分の担当になればそれで安心というわけではなく、場合によってはカレーを頼んだのにハッシュドビーフが出てくるというような、「思っていたのと違う感」に悩まされる可能性も大いにあるわけです。
熟練度が違う
続いて2つ目の『熟練度が違う』ということについてです。
これについてもイメージしてみると何となくわかると思うのですが、チーフアーキテクトになりたての人と、チーフアーキテクトになってから数十年経っている人とでは、例えるならできたてのカレーと一晩寝かせたカレーくらい深みが違うのです。
考えてみればそうですよね。
経験を積めば積むほど、熟練度は上がっていくわけです。
そしてそういった熟練度の高いチーフアーキテクトの方ほど、そう簡単に動かすことができないというのが実情なのです。
ですので「チーフアーキテクトの肩書きを持つ設計士が自分の担当になったからそれで安心!」ではないわけです。
このような感じで
- 得意なテイストが違う
- チーフアーキテクトの中でも熟練度が違う
この2つの理由があるため、チーフアーキテクトという肩書きがあるからといって、全員が全員当たりではないということです。
その点はご注意ください。
積水ハウスの特徴3:西日本の設計力が高い
『西高東低』
先ほどお話したとおり、積水ハウスにはチーフアーキテクトという制度があります。
それもあってか、全体的にその他のハウスメーカーよりも提案力が高い傾向にあります。
提案力が高いというのは、よくある建売のような間取りではなく、自分達では想像できない、アッと驚く間取りを提案してくれる確率が高いということです。
「なるほど、じゃあ積水ハウスで検討すれば間違いないじゃん!!」そう思われた方も多いと思いますが、そんな単純な話ではありません。
実は積水ハウスには、西日本の方が設計力が高いという特徴があります。
事実、YouTubeやインスタグラムに掲載されている積水ハウスの建築実例の99%が西日本の物件です。
これ、大げさではなく、本当にそうなのです。
実際、私は積水ハウスをはじめとするいろんなハウスメーカーの建築実例を、全国旅しながら見て回っています。
ですので、SNSで見かける積水ハウスのおしゃれな物件はだいたい生で見ていますし、どこの誰が設計したものなのかも、ほぼ把握しています。
ですので、西日本の積水ハウスの設計力がどれだけ高いのかは、私自身も身をもって体感していることでもあるのです。
積水ハウスの西日本の物件は、ハウスメーカーの建物というよりかは、建築家の建物に近いレベルのクオリティで、例えばこれ、
これ、
これ、
どれもハウスメーカーのいわゆる量産型の建物という感じではありません。
これだけすばらしい設計力があるにも関わらず、それが西日本だけというのはなんとももったいないことではあるのですが、現状の積水ハウスは西日本の方が設計力が高いということ、いわゆる西高東低があるということは覚えておいてください。
積水ハウスの特徴4:西日本の設計力が横展開されている(life knit design)
『通称:「life knit design(ライフニットデザイン)」』
ここでの話は、私個人の推察をベースにお話をしていきます。
恐らくあっているだろうとは思いますが、積水ハウス側に裏を取ったわけではありません。
ですので「あぁ、そんな感じなんだー。」程度に理解してもらえればと思います。
先ほど西日本の方が設計力が高いというお話をしました。
ただ、積水ハウス側も黙ってはいません。
当然、この状況を打開しつつ他社との差別化を図るために、設計力の横展開が行われました。
それが2023年6月からスタートした「life knit design」だと私は考えています。
6つの感性フィールドに基づいた『life knit design』
「life knit design」とは、空間の色、素材、形などから受ける印象を積水ハウスが導き出した「6つの感性フィールド」に基づいて提案を行っていくというものになります。
具体的には、
- ローコントラストの同系色で室内をまとめ、しなやかな空気感を感じることのできる「静 PEACEFUL」
- すっきりナチュラルな木質感を感じる室内で、さわやかな空気感を感じることのできる「優 TENDER」
- 上質でシンプルな空間かつ緊張感のある空気感を感じることのできる「凛 SPIRIT」
- 暖かみのある木質感と空気感を感じることのできる「暖 COZY」
- ハイコントラストと重厚感からなる贅沢な空気感を味わうことのできる「艶 LUXE」
- ワクワクする色やカタチから心躍る空気感を感じられる「奏 PLAYFUL」
この「6つの感性フィールド」に基づいて提案を行っていくのが、積水ハウスの新しいデザイン概念である『life knit design』になります。
ただ正直、これだけ聞いても「んー?だから何なの?」という感じだと思います。
確かにそうですよね。
あまりにも抽象的すぎて、実際に自分たちがどう提案されるのか、その具体的なイメージが湧かないですよね。
ただ皆さんからしたら「まぁ、その辺は営業マンがしっかりと教えてくれるだろうし、別に大丈夫でしょ。」と思われるかもしれません。
普通でしたらそれで解決しますし、私が皆さんの立場でしたらそう思うと思います。
しかし、そんなに簡単な問題ではないのです。
なぜなら『life knit design』はあくまでデザイン概念なので、会社から明確な方針や具体的な運用が出ていないのです。
つまり『life knit design』の解釈は、今現在現場に委ねられているという状況です。
そのような状況であるがゆえに、人やエリアによって『life knit design』の解釈が異なっているのです。
そのため『life knit design』について聞いてみると、営業マンによっていろんな回答が返ってくるかと思います。
例えば
- 愛着という言葉をキーワードに積水ハウス全体の良さをさらに抽象的に語る人
- 「6つの感性フィールド」から自分達の好みの内装を選んで家づくりをするのが『life knit design』だという人
などがいる感じです。
ですので平たく言ってしまえば、ほとんどの営業マンが皆さんと同じで『life knit design』のことをよくわかっていないのです。
『life knit design』の解釈
どのようにして『life knit design』というデザイン概念を理解すればいいんだという話になるわけですが、これに対しては私も私なりの解釈を持って『life knit design』の説明をする他ありません。
正解がないですからね。
最初に「私個人の推察をベースにお話をします。」とお伝えしたのにはそういう理由があったのです。
では、私なりの『life knit design』の解釈ですが、西日本の高い設計力を言語化し、組織内に水平展開したもので、それを取り入れることによって、「一回性のある建築」を提案できるようになる、そんなデザイン概念であると私は考えています。
これがどういうことかというと、先ほどからお伝えしているとおりで、積水ハウスは西日本の方が設計力が高いという事実があります。
ただし、使われている素材や設計に対する考え方には多くの共通点があるわけです。
例えば
- 経年変化を感じることのできる自然を活用する
- 家の中にいながらも四季や自然を感じることのできるデザインにする
などです。
そういった共通点を言語化し、さらにはよく使われている素材や設計に対する考え方を水平展開することで、積水ハウス全体の提案力の底上げをしつつ、属人性による格差を少しでも緩和しようとする動きになっているのではないかなと思います。
また最近の傾向として、量産型の住宅では、注文住宅を建てる価値を見出せなくなりつつあります。
なぜなら、今の世の中、家自体がありふれたものであるということと、戸建以外にもマンションなど、住む場所の選択肢が豊富にあるからです。
少しイメージをしてみてください。
皆さんは街中にある変わり映えのしない建売住宅を見て「美しいなー。」「この家ほしいなー。」と思いますか?
思いませんよね?
どこにでもあるような間取りや内装を見て「おしゃれだなー。」「こういう間取りに住みたいなー。」と思いますか?
それも思いませんよね?
要はそういうことで、どこにでもあるものや簡単に再現できるもの、そういうものに対しては、今の時代、魅力的にも思わなければ、欲しいとも思わないということなのです。
では、その逆で魅力的に思うもの、欲しいと思えるものは何なのかというと、それが『一回性』のあるものなのです。
一回性とは、その場その時にしか感じられない要素を持っているもののことです。
例えば、動画や写真で日本各地や世界各地の絶景が観られるのに、わざわざ足を運んで現地に観に行こうとしますよね。
スマホがあればいつでもどこでも音楽を繰り返し聞けるのに、わざわざライブ会場に行って生で音楽を聞きに行きたいと思いますよね。
なぜそのような非合理的なことをするのかというと、それはシンプルに、再現できるもの、 今の例えで言うなら、繰り返し再生ができて代わり映えしないものは飽きるのです。
その場その時にしか感じられないもの、つまりは一回性を感じられるものに対して私たちは魅力を感じたり、欲しいと思ったりするわけです。
積水ハウスの『life knit design』は、まさにこの一回性にフォーカスしたデザイン概念で、主に自然素材系の部材を使って提案していくような流れになっています。
具体的にお伝えをすると、床で言えば、無垢床、挽き板、突板、この辺りを提案するのはもちろんですが、
草木染と呼ばれる染料で色付けしたフローリングの提案や、
ハンドスクレイプと呼ばれる表面に凹凸のあるフローリングの提案なんかもしていくようです。
また壁に関しては
- ふりまき壁紙
- 和紙壁紙
- 織物壁紙
- 珪藻土塗り壁
- シラス壁
天井に関しては
- 木質系の天井材
建具に関しては
- 突板建具
照明に関しては
- 真鍮が使われているもの
これらも提案するようです。
ただ、今例に出したのはあくまで1つの選択肢であって、 必ずしも今お伝えした部材を入れなければならない というわけではないのですが、これらを組み合わせつつ、一回性を感じる愛着のある住まいを提案していくようです。
こういった背景から、私の『life knit design』の解釈は、西日本の高い設計力を言語化し、組織内に水平展開したもので、それを取り入れることによって、『一回性のある建築』を提案できるようになる、そんなデザイン概念であると考えていますということです。
けっこう上手く言語化できている気がするのですが、いかがでしょうか?
思い返せば2022年9月あたりで積水ハウスは無垢床メーカーのマルホンを買収したのですが、それは『life knit design』のリリースを見据えた上での行動だったのだなと思います。
『life knit design』は、まだ完全には社内に浸透していないものでもあるので、今後の動向が楽しみです。
積水ハウスの特徴5:クリアビューデザイン
『実はちゃんとできるのが積水ハウスくらい』
SNSを見ていると、内と外を繋げるデザインというのをよく見かけるかと思います。
具体的には、天井と軒を繋げたり、内壁と外壁の素材を統一して繋げたりといった感じです。
これをすることで
- 室内にいながら外にいるような感覚を得られる
- 空間をより広く感じられるようになる
といったメリットを得られるわけですが、要はこのような設計を積水ハウスでは『クリアビューデザイン』と言っていて、社内で運用がされているのです。
ただこの話だけを聞くと「なるほど、でもこんなのどのハウスメーカーでもできるんでしょ。」と思われた方もいると思います。
確かに天井と軒を繋げたり、内壁と外壁の素材を統一して繋げたり、言語化するとたいしたことのないように感じますし、どこのハウスメーカーでも簡単にできてしまいそうな気がします。
しかし、実は細かく見ていくと『クリアビューデザイン』は、積水ハウスしかまともにできないのです。
なぜなら、積水ハウスはほぼ全ての部材をOEM発注しているからです。
OEM発注というのは、他の企業の工場の生産ラインを借りて自社商品をつくる方法のことです。
それにより自社工場を持たないで済むわけです。
では、これがどういうことなのかというと、実は積水ハウスはAGCというガラスメーカーに依頼して窓をつくってもらっているのです。
わかりやすくイメージできるようにお伝えをすると、クリアビューデザインが映えるように窓をつくれるというのが積水ハウスだということです。
一方でその他のハウスメーカーの場合、ほとんどがLIXILやYKKAP、そういったメーカーから既製品の窓を買って、ただ現場で取り付けているだけなのです。
ですので、ハウスメーカーの工法によっては、既製品を使う都合上、どうしても帳尻が合わなくて、軒と天井を完全にフラットにできなかったり、対応する設計士のレベルが高くないとどうにも対応できなかったり、諸々の不具合が出てくるのです。
実際に大手ハウスメーカーのA社さんの場合、『クリアビューデザイン』ぽいものはできるのですが、天井と軒を完全にフラットに繋げることはできません。
実際の施工事例をよく見てみるとわかるのですが、内と外で約4cmの段差ができてしまうのです。
またA社さんの場合は、内壁と外壁の素材を統一して繋げるのも苦手で、こちらも完全にはフラットにすることができず、だいたい4cmくらいの段差ができてしまいます。
実はこのことを知らずにA社さんで契約をしてしまい、実際に家が建った後になってから段差ができることに気がつくというケースがまぁまぁあります。
後々トラブルにならないようにするためにも、この点は注意する必要があります。
また同じく大手ハウスメーカーのB社さんの場合、一応、天井と軒を繋げてフラットにすることはできるものの、それに対応できる設計士がいないという少し残念な状態です。
というのも、以前にそこのハウスメーカーの営業マンから「積水ハウスの『クリアビューデザイン』を真似ました!見にきてください!」と言われて実際にその現場を見に行ったことがあったのです。
まぁ確かにフラットになっていましたし、軒と天井が繋がってはいたのですが、軒と天井の素材が全然違っており、天井材と軒天材の割り付けがバラバラでした。
努力しているのはわかりますし、少しでもデザイン性の高い住宅をつくりたいという想いも伝わってきたのですが、やはりこういう細かいところで設計力の差が出るなと感じてしまいました。
他にもまだまだあるのですが、とにかくここで伝えたかったのは、大きく分けて2つです。
1つ目が積水ハウスの『クリアビューデザイン』、これは簡単そうに見えて、実は他社が真似しようと思うと簡単には真似できない、そんな設計手法であるということ、
そして2つ目は、積水ハウスなら並の設計士でも普通にクリアビューデザインを提案できるのに対して、その他のハウスメーカーではかなりレベルの高い設計士に対応してもらって、ようやくクリアビューデザインを真似できるかどうかだということ、
これらになります。
この辺をしっかりと仕組み化できているのが積水ハウスの強みであり、SNS映えする家が多い理由でもあるのです。
積水ハウスの特徴6:SAJサッシ
『ただのアルミ樹脂複合サッシではない】
SAJサッシとはスーパーアルミ樹脂サッシの略で、とにかくすごいアルミ樹脂サッシになります。
というのもサッシ、つまり窓枠は大きく分けて4種類存在します。
それが
- アルミサッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- 樹脂サッシ
- 木製サッシ
この4種類です。
性能で言うと、アルミサッシよりもアルミ樹脂複合サッシ、アルミ樹脂複合サッシよりも樹脂サッシ、樹脂サッシよりも、木製サッシということで、木製サッシに近づけば近づくほど断熱性能がよくなるのです。
ただし今現在、日本ではアルミ樹脂複合サッシが主流となっています。
そのためネットを見るとよく「今時アルミ樹脂複合サッシを採用するなんてあり得ない!」「樹脂サッシを採用するべきだ!」そのような意見を目にします。
確かに私もその意見にはおおむね同意です。
ただ「樹脂サッシ以上でないとダメ!!」と決めつけるのではなく、諸々知った上で総合的に判断しても遅くはないと思います。
積水ハウスのSAJサッシは、ただのアルミ樹脂複合サッシではなく、特別製です。
積水ハウスのSAJサッシ、これの一体何が特別なのかというと、それが中空層16mmを確保している点、これが非常に優れているのです。
もう少し詳しく解説するために、例えばこちらのグラフをご覧ください。
こちらのグラフは、ペアガラスの熱伝導率と熱貫流率を表すグラフになります。
ただこれだけですと「熱伝導率って何?」「熱貫流率と熱伝導率って何が違うの??」という感じだと思うので、それを説明していきます。
まず熱伝導率は、物質の熱の伝えやすさのことを言います。
つまりグラフの見方としては、ペアガラスの空気層部分の厚み、これが厚くなればなるほど、熱を通しやすくなります。
ですので極端な例ですが、空気層が0.2mmであれば熱伝導率が0.026なので非常に熱を通しにくく、空気層が1,000mmであれば熱伝導率が5.423なので熱を非常に通しやすくなるわけです。
「じゃあ、熱を通しにくい0.2mmの空気層にすればいいじゃん!」と思うと思うのですが、それですとガラスが非常に薄いため、今度は光を通し過ぎてしまうのです。
つまり眩しくなってしまうということです。
眩しくならないようにするためには、空気層部分の厚みを厚くする必要があるわけです。
しかし、空気層を1,000mmにしてしまうと確かに眩しくはなくなるものの、今度は熱がものすごく伝わってくるようになってしまうのです。
ではどうするか。
ちょうどいい塩梅はどこなのか、これを考える時に出てくるのが熱貫流率です。
この熱貫流率は複合材料の断熱性能を表す数値ですが、言い換えると空気層の厚みを考慮した断熱性能ということになり、数値が小さければ小さいほど断熱性能に優れていることを表しています。
そして見てみるとわかりますが、実は空気層は20mmを超えると断熱性能は変わらないのです。
断熱性能と、眩しくもなく暗くもないちょうどいい光の通り具合、これらのバランスをとると、真ん中なのが16mmになります。
そのため、積水ハウスのSAJサッシは空気層が16mmに設定されているのです。
これもどこのハウスメーカーとは言いませんが、実際に空気層12mmのサッシを使っているメーカーもあります。
また、積水ハウスのSAJサッシは、スペーサーと呼ばれる窓と窓の間の中間部材は樹脂でできているのですが、未だにこのスペーサーの部分がアルミのハウスメーカーも存在しています。
積水ハウスの『SAJサッシ』は通常のアルミ樹脂複合サッシに比べて非常に考えてつくられているサッシで、性能も高いのです。
ただこの話をすると決まって「樹脂サッシの方が性能が高い。」、「アルミ樹脂サッシをすすめるなんてあり得ない。」といった、そういう意見が出てきます。
確かにその意見もわかりますし、樹脂サッシが性能が高いというのも事実です。
しかし、樹脂サッシは樹脂サッシでサッシ部分が太くなってしまい、どうしても野暮ったさが出てしまいます。
また、アルミ樹脂複合サッシほどの大開口を取ることもできなくなります。
ですので、どちらが合っている、どちらが間違っているということではなく、きちんと特性を理解した上で、窓を適材適所に配置していくことが重要なのだと思います。
例えば積水ハウスの4Dサッシと呼ばれる種類のSAJサッシがあるのですが、これは意匠性に優れており、さらには先ほども説明したとおりで、アルミ樹脂複合サッシの中では機能性に優れたサッシになっているわけです。
ですので、メインのところは4Dサッシを入れつつ、残りの寝室などでは樹脂サッシを入れるといった使い分けをすることで、意匠性と機能性、両方のバランスを取ることができるわけです。
もちろん「意匠性なんてどうでもいい!」という方は、全部樹脂サッシでもいいと思います。
ただ、SAJサッシは間違いなくアルミ樹脂複合サッシの中で性能がよく、状況に応じて使ってみるのもアリかなと思うので、1つの選択肢としてぜひともご検討ください。
積水ハウスの特徴7:鉄骨造の商品と木造の商品両方を展開している
『ポジショントークになりにくい』
積水ハウスは、鉄骨造と木造、両方で商品展開を行っています。
そのため、木造の建物をやたら推す、その反対で鉄骨造の建物をやたら推すといったどちらか一方に偏ったポジショントークをするのではなく「自分達にとっての最適な構造躯体とは何なのか?」それを公平な立場からすすめてくれる環境が積水ハウスには整っているわけです。
ですので例えば、断熱性能や気密性能が不利と言われる鉄骨住宅をあえてすすめる必要もないですし、品質がバラつきやすい傾向にあり、シロアリ被害を気にする必要がある木造住宅を無理に推しすすめる必要もないわけです。
あくまで主体はお客さんであって、そのお客さんにとっての最善の答えを提示することができるのです。
ただそういった環境が整ってはいるものの、きちんとそれぞれの商品の説明ができる営業マンが担当にならなければ、お客さんは「結局、どっちがいいの?」となってしまいます。
さらに積水ハウスは、以前に木造住宅を売ることができない鉄骨専任の営業マンと、鉄骨住宅を売ることができない木造専任の営業マンとに分かれていたという経緯があります。
そのため、昔の営業スタイルを引きずっている営業マンが自分の担当になってしまうと、せっかく鉄木併売できるにも関わらず、盲目的に「木造はダメ!鉄骨が最強!」、またその逆で「鉄骨はダメ!木造が最強!」など、積水ハウスの強みを台無しにするような、一方に偏った訴求をしてくる営業マンもまだまだ実際にいる状況です。
この辺りの進め方や商品の訴求の仕方に関しては、どうしても担当の営業マン次第になってしまうわけですが、とにかく積水ハウスでは鉄骨造と木造、両方で商品展開を行っているため、公平な立場から自分達に合った最適な構造躯体をすすめてくれる環境が整っているということ、これを覚えておいてもらえればと思います。
積水ハウスの特徴8:鉄骨造には2種類の構法がある
『軽量鉄骨と重量鉄骨』
積水ハウスの鉄骨造には主に2種類の構法があります。
それぞれ説明すると、1つ目が平屋、2階建てで採用されるダイナミックフレームシステムです。
これは軽量鉄骨に制震ダンパーのシーカスが付いた構法になります。
制震ダンパーとは、地震による建物の揺れを抑えてくれる装置のことです。
そして2つ目が、鉄骨3、4階建てで採用される重量鉄骨ラーメン構造のフレキシブルベータシステムです。
これは高さ60mの高層ビルと同じ耐震基準で設計されており、地震に対して非常に強いつくりになっています。
積水ハウスの鉄骨造では、この2つの構法からどちらかを選んで家づくりをすることになります。
それぞれの商品の特徴について深掘りをしていきます。
ダイナミックフレーム・システム(軽量鉄骨)
まずは、軽量鉄骨のダイナミックフレーム・システムについてです。
ダイナミックフレームシステムの主な特徴は、
- 設計の自由度が高い
- 制震装置シーカス
- 外壁
この3つになります。
設計の自由度が高い
1つ目の『設計の自由度が高い』ということについてですが、ダイナミックフレーム・システムは、1階の天井高を最大2,700mm取ることができ、最大スパンはなんと7,000mmも取ることができるのです。
また、2階の天井高は標準で2,470mmなのですが、それより200mm低い2,270mmも選択可能となっています。
つまり、1階の天井を高くして、その分2階の天井は低く抑えるなど、建築規制の厳しい都内でも柔軟に対応できる構法だということです。
それだけいろいろな調整が可能な構法なので、
- オーバーハング
- ダウンリビング
- キャノピー
- フルフラットバルコニー
- スキップフロア
など何でもできてしまいます。
そのため、どのような提案をしてくれるかは、担当の腕によって大きく左右されるという側面も持ち合わせています。
制震装置シーカス
続いて『制震装置シーカス』についてです。
シーカスは、地震の振動エネルギーを熱エネルギーに変えて吸収する制震構造システムのことを言います。
これにより、地震時の住宅の変形を2分の1以下まで抑えてくれるのです。
鉄骨住宅は木造住宅よりも揺れやすいと言われているので、こういった制震装置が付いているのは非常に安心です。
ここで1つ余談ですが、実はシーカスは最初からあったものではないのです。
というのも積水ハウスでは、1997年から制震システムの研究を行っており、
- 鋼材ダンパー
- オイルダンパー
- 高減衰ゴムダンパー
- シーカス
といった感じで、時代に合わせて制震装置を進化させ続けてきました。
そして結果、最終的に辿り着いたのがシーカスなのです。
ちょっとした小ネタなのですが、おもしろいですよね?
こういった普段なかなか知ることのできない企業努力の裏側がわかると、何だか「安心感」や「納得感」が湧いてきますよね。
外壁
最後に3つ目の『外壁』についてです。
ダイナミックフレーム・システム(軽量鉄骨)には2つの外壁が用意されています。
それが
- ダインコンクリート
- セラブリッド
この2つになります。
それぞれ何が違うんだという話ですが、基本的には値段だと思ってもらえればと思います。
- ダインコンクリート(高)
- セラブリッド(低)
といった感じです。
ただダイナミックフレーム・システムを選ばれるほとんどの方がダインコンクリートを選ばれるようです。
ですので、ここではダインコンクリートについて少し深掘りをしていきます。
ダインコンクリートは厚さが55mmもある外壁材で、なんと言ってもその彫りの深さに特徴があります。
見ていただければわかりますが、もはや彫刻です。
これは一般的に使われる厚さ16mmの外壁材では出すことのできない表情です。
また、ダインコンクリートはガラス繊維が入っているため、強度自体も非常に高いという性質があります。
ですので、意匠性と耐久性、これらを上手く両立させたのがダインコンクリートだということです。
ダインコンクリートを使うとどうしても石造のような家になるのですが、使い方によって洋風建築のような外観にすることもできますし、モダニズム全開の外観にすることも可能です。
ちなみにモダニズムとは、伝統芸術から脱却をした近代主義のことを言います。
意味がわからないと思うので簡単に説明をすると、1930年以前の建物は、コテコテの装飾が施された建物が多かったのです。
なぜなら、装飾が権威や威厳を示すものだったからです。
ただそのような状況に異を唱える人物が現れたのですが、それが世界で最も有名な建築家のル・コルビジェです。
ル・コルビジェは「建物に装飾するな!」という思想のもと、装飾をしない、シンプルな建物を世界に量産していきました。
有名なところで言うと、サヴォア邸やヴァイセンホーフ・ジードルングの住宅なのですが、西洋の建築とは全く異なります。
この、装飾を排除しシンプルにするということをモダニズムと呼ぶわけです。
話を戻しまして、要はこういう建築もダインコンクリートでしたら得意だよ、ということです。
また、ダインコンクリートは業界初のフッ素光触媒塗装というのを採用しています。
これは東京スカイツリーのような簡単にメンテナンスができず、長期耐久性が求められる大型建造物の塗装によく使われるものです。
具体的にはフッ素樹脂の効果、有機分解作用と親水効果、さらには藻やカビなどの微生物にも効果を発揮してくれる光触媒の効果、これらを併せ持った、とてもすごい塗装なのです。
そのため耐用年数が30年と非常に長いのです。
ただし一方で、鉄骨住宅はどうしても目地が多くなってしまいます。
目地というのは、外壁と外壁を繋ぐプニプニしたゴムのようなものです。
これは鉄骨の建物のつくり上仕方のないことですが、一応積水ハウス側でも目地には高耐久目地というものを採用しているため、劣化しにくく、30年間は交換不要となっています。
つまり、目地自体は多く劣化はするものの、劣化のスピードが遅いため、あまり目立たないようになっているわけです。
ということで、ダイナミックフレーム・システム(軽量鉄骨)の主な特徴3つ、
- 設計の自由度が高い
- 制震装置シーカス
- 外壁
これらについてお話しました。
フレキシブルベータシステム(重量鉄骨)
続いてフレキシブルベータシステム(重量鉄骨)についてです。
通し柱不要
フレキシブルベータシステムは簡単に言うと、通し柱を必要としない構法です。
どういうことかというと、通常、3階4階建てを建てる時は『通し柱』と呼ばれる柱が必要になってきます。
なぜなら、その方が効率的に地震の力を地面に逃がせるからなのですが、その反面、どうしても間取りに制限が出てくるというデメリットがありました。
しかし、積水ハウスのフレキシブルベータシステムは、通し柱を必要としないつくり方ができるので、
コーナーにも窓が設置できたり、250mm刻みでプランニングが可能だったり、こちらも軽量鉄骨のダイナミックフレーム・システムと同様に、都市の規制にも対応できる柔軟な設計ができるのです。
また、交通振動や地震の揺れから建物を守ってくれる『マルチTMD』と呼ばれる専用の制震装置もつけることができます。
そうすることで、地震の揺れはもちろんのこと、交通振動をも低減してくれるのです。
ですので、都心部に住んでいる方で、安全性、快適性、デザイン性、これらを全て高性能な水準で叶えたいという方にはピッタリの商品です。
ただしその分、どうしてもコストが高いです。
恐らく積水ハウスの3階建、4階建は、ハウスメーカーの中でもズバ抜けて高いです。
その点はご注意ください。
外壁
また外壁は
- シェルテック
- SC25
この2種類から選べます。
どちらの外壁にするのかは最終的には好みなのですが、価格差はおよそ150万円あります。
ただそれぞれ主な用途を考えたときに、シェルテックは耐火建築をする際に使い、SC25は準耐火建築をする際に使います。
規制についての話をすると脱線してしまうので省きますが、もう少し簡単、かつ具体的に説明をすると、シェルテックは賃貸住宅で使われることが多く、SC25は戸建てで使われることが多いということです。
この辺りは、マンションなどの賃貸住宅で使用される外壁を戸建てで使うのはオーバースペックな気もするので、見た目だけに150万円かけるくらいなら、個人的にはSC25で十分かなと思います。
ということで、ここまでが平屋、2階建てで採用されるダイナミックフレーム・システムと3、4階建てで採用される重量鉄骨ラーメン構造のフレキシブルベータシステム、これらの特徴についての説明でした。
積水ハウスの特徴9:木造にはまさかの伝統工法の要素が入っている
『これぞ、積水ハウスクオリティ!!』
積水ハウスで検討する場合、鉄骨住宅だけではなく、シャーウッドハイブリッド構造、通称シャーウッドと呼ばれる木造住宅も選ぶことができます。
シャーウッドは
- 在来軸組工法
- 枠組壁工法
- 伝統工法
これら3つの要素を組み合せた構法で、平屋から3階建まで対応することが可能です。
具体的な特徴としては
- 『ラミナ』という部材を使っている
- 『基礎ダイレクトジョイント』というつくり方
- 接合部の強度不足を解決したジョイントシステム
- 陶器外壁ベルバーン
- 窓枠のスリムさ
これら5つになるので、それぞれ見ていきます。
『ラミナ』という部材を使っている
まずは『ラミナ』についてです。
実は積水ハウスで使われている構造用の木材は、北欧材であれば80年から120年、国産材であれば50年以上の歳月をかけて育つ、年輪の目が詰まった木をベースにつくられているのです。
そして、それらの木材は『ラミナ』と呼ばれる挽き板に加工され、ミルフィーユのように重ねることで、1つの柱や梁を形成しています。
では、なぜこのようなつくり方をわざわざするのかというと、木は品質にバラつきがでやすい素材だからです。
それはそうですよね?
木だって生き物なので、個体差があって当然です。
ただだからと言って、強度の低い木を使って家づくりをしてしまったら、地震に対して強い家づくりをするのが難しくなります。
そのため積水ハウスでは、木をわざわざラミナと呼ばれる挽き板に加工してミルフィーユのように重ねることで、1つの柱や梁を形成しているのです。
しかもこの時にただ重ねて柱や梁をつくるのではなく、ラミナごとの強度に合わせて、どこに重ねれば効果・効率的に強度が出るのか、これを見極めてから加工がされています。
そのため、全ての木材が均等な強度を発揮できるようになっているのです。
『基礎ダイレクトジョイント』というつくり方
続いて2つ目、『基礎ダイレクトジョイント』というつくり方になっているということについてです。
積水ハウスのシャーウッドの1番の特徴は『基礎ダイレクトジョイント』と言っても過言ではありません。
これを説明するために、大きく分けて2つのポイントをお伝えします。
伝統工法をベースとしたつくり
1つ目のポイントが『伝統工法をベースとしたつくり』になっているということです。
そもそも昔の日本には、2種類の建物のつくり方しかありませんでした。
それが『伝統工法』と呼ばれる建物のつくり方と『在来工法』と呼ばれる建物のつくり方、この2種類です。
伝統工法
伝統工法は例えば、法隆寺や神社仏閣などの建築物に使われている工法で、いわゆる昔からある建物のつくり方なのですが、
この工法には土台と呼ばれるものは存在せず、束石(つかいし)と呼ばれる基礎と柱が直接つながっているつくりになっています。
地震の時に加わった力をダイレクトに地面に流してくれるというのが『伝統工法』の特徴なのです。
そのため、法隆寺は1,300年以上も経った今でも創建時の姿を留めることができているのです。
在来工法
一方で、『在来工法』というのは簡単に言うと、今説明した伝統工法を簡略化させた工法です。
ではなぜ伝統工法を簡略化する必要があったのかというと、そこには戦争が絡んでいて、『戦災によって太い木材の供給ができなかった』という背景があるからなのです。
皆さんもなんとなくイメージできると思いますが、時々テレビで戦争後の景色が映りますよね。
あたり一面焼け野原だったり、建物が崩れて瓦礫だらけだったりしています。
あの状態から復興しなければならなかったのです。
太い木材の供給なんて到底できないわけです。
しかし家を建てなければ生活できないですよね?
ですので、細い木材でも家が建てられて構造が保持できるように、さらに技術がない人でも、早く、安価に家をつくれるように、伝統工法を簡略化せざるを得なかったのです。
これが在来工法が生まれた歴史的背景になります。
そしてこの在来工法には、伝統工法にはなかった『土台』と呼ばれる部分が存在するのですが、これがなぜ必要なのかというと、その理由は2つあります。
1つ目が、基礎の精度が多少悪くても、土台を使うことで水平に保つことができるからということ、2つ目が、コンクリートでできている基礎と木造でできている建物、これを繋ぐためには土台を介した方が手っ取り早く接合できるからということ、これら2つの理由があるのです。
ただし今お伝えした2つのことを解決することができるつくり方ができれば、別に土台は必要ないのです。
積水ハウスはその技術力を活かして、土台が必要のない伝統工法をベースにシャーウッド工法をつくりました。
基礎1回打設
続いて2つ目のポイントが『基礎1回打設になっている』ということです。
積水ハウスの建物の基礎は、1回打設でつくられています。
これが他のハウスメーカーではほぼない強みとなっているのです。
ただこれだけでは「どういうこと?」という話だと思うので、きちんと大枠から説明していきます。
そもそも基礎は、床と基礎の立ち上がり部分、2回に分けて打設をすることがほとんどです。
しかしこの基礎のつくり方ですと、ある弱点が発生してきます。
それが『継ぎ目』です。
例えば皆さん、イメージしてみてください。
1本の木からできた木の棒と、テープで固定して1本にした木の棒だったらどちらの方が強度が高そうですか?
どう考えても1本の木からできた木の棒ですよね。
基礎もそれと同じです。
同じ素材をくっつけるとはいえ、後から繋げようとしても完全には繋がらないのです。
やるのであれば、最初から1回で基礎をつくった方が間違いなく強度は高いわけです。
特にコンクリートの場合は、天候・気温・湿度・その時の水分量で強度が変わってくるので、全く同じ質で基礎をつくれるかと言われると、それは100%無理です。
さらに、基礎は地震の影響をモロに食らう部分でもあります。
継ぎ目が弱ければ、当然、基礎にひび割れが起こりやすくなるのです。
実際にヘアークラックといって、基礎にヒビが入ってしまったという話はよく聞きます。
そのため積水ハウスでは、こういった問題点を解決するために、基礎1回打設でつくられているのです。
ということで、『基礎ダイレクトジョイント』の2つのポイント、それが『伝統工法をベースとしたつくり』になっているということ、『積水ハウスは基礎1回打設になっている』ということでした。
『接合部』の強度不足を解決したジョイントシステム
続いて3つ目、『接合部』の強度不足を解決したジョイントシステムについてです。
これは集成材を独自の構造用金物で緊結する「MJ(メタルジョイント)接合システム」と呼ばれるもののことを指します。
そもそも木造は鉄骨と違い、溶接することができません。
そのため、素材を完全に一体化させることができないのです。
どうしても接合部分の強度が弱くなってしまいます。
これが木造の弱点でした。
しかし、積水ハウスの「MJ(メタルジョイント)接合システム」は、接合部分を構造用金物で緊結することで、接合部分の強度を高めています。
さらに先ほど説明した「基礎ダイレクトジョイント」と呼ばれる基礎と柱を直接つなぐつくり方にすることで、地震の時に建物に加わる力を効果的に地面に流すようになっているのです。
そのため、構造躯体がものすごく強固につくられています。
そして、積水ハウスの木造はかなり自由度が高いです。
鉄骨同様に、だいたいどのような間取りでもできてしまいます。
陶器外壁ベルバーン
続いて4つ目、『陶器外壁ベルバーン』についてです。
ベルバーンはその名のとおり、陶器でできた外壁です。
そのためメンテナンスも必要ありませんし、強度自体も非常に高いため、釘などでこすっても傷ひとつつきません。
また外壁が陶器でできているので、耐火性能も非常に高いのが特徴です。
ただし、ベルバーン自体はメンテナンスフリーでも、目地はメンテナンスが必要となります。
ベルバーンを採用すればメンテナンスがなくなるのかと言われればそうではないので、その辺りは勘違いしないようにご注意ください。
ちなみに積水ハウスのシャーウッドハイブリッド構造の外壁はベルバーン以外にも、シームレスドライウォールという吹き付けや、サイディングも選択可能です。
予算や好みに合わせてチョイスしていただければと思います。
個人的におすすめなのは、シームレスドライウォールという吹き付けです。
積水ハウスの吹き付けはかなりぶ厚目に塗装されているので、しっかりしています。
予算があれば、ぜひとも皆さんに採用していただきたい外壁です。
窓枠のスリムさ
そして最後に窓枠のスリムさです。
実は積水ハウスの鉄骨と木造とでは、窓枠のスリムさが違います。
これはすごく細かいポイントですが、例えば外の景色を室内に入れることを考えると、窓枠はやはりない方がいいのです。
その方がきれいに外の景色を室内に取り入れることができます。
ですので、窓枠のスリムさは地味に重要なポイントでもあるわけです。
これは気にしはじめれば、「確かに」となるポイントだと思います。
そしてシャーウッドの窓は、鉄骨に比べて窓枠がシャープなので、デザインのいい家をつくりやすいのです。
この窓の納まり方だけでシャーウッドを選ぶ方もいるくらいです。
といことでシャーウッドの特徴、
- 『ラミナ』という部材を使っている
- 『基礎ダイレクトジョイント』というつくり方
- 『接合部』の強度不足を解決したジョイントシステム
- 陶器外壁ベルバーン
- 窓枠のスリムさ
これらを解説しました。
積水ハウスの場合、鉄骨造の建物も木造の建物もほぼ金額は変わらないので、皆さんの好みや建てるエリアに合わせて構造躯体を選んでいただければと思います。
積水ハウスの特徴10:メーターモジュールを採用している
『ゆとりある生活をしたい人へ』
実はそもそもの寸法基準として、建築には
- 910mm×910mmのマスを積み上げてつくる尺モジュール
- 1,000mm×1,000mmのマスを積み上げてつくるメーターモジュール
があります。
そしてメーターモジュールをメインで使っているハウスメーカーは、実は積水ハウス、トヨタホーム、ダイワハウスの木造(xevoGranWood)これらしかないのです。
では、尺モジュールとメーターモジュールとでは何がどう違うのかと言うと、尺モジュールでつくられた家というのは「限られた空間」が狭くなり、メーターモジュールでつくられた家というのは「限られた空間」が広くなるという特徴があります。
限られた空間というのは、洗面、廊下、トイレ、お風呂、階段、これらのことを言うのですが、
これがどういうことなのかというと、例えばトイレをつくる場合、2マスの正方形を積み上げてつくります。
- 尺モジュールの場合 910mm×1,820mm
- メーターモジュールの場合 1,000mm×2,000mm
となります。
そしてここからもわかるように、尺モジュールとメーターモジュールとでは幅は9cm、奥行きは18cm違いが出てくることになるのです。
けっこう違いますよね?
よりイメージしやすいように、この違いを具体例を出してお伝えするなら、尺モジュールとメーターモジュールとでは、飛行機のエコノミークラスとビジネスクラスくらい差があるのです。
そしてこれはトイレに限ったことではなく、先ほどもお伝えした廊下、お風呂、階段、これらの場所にも違いが出てくるということです。
特に尺モジュールでつくられた家の階段に関しては、勾配がかなり急になります。
一方メーターモジュールでつくられた家の階段は、勾配がかなり緩やかになります。
ですので、尺モジュールでつくられた家というのは「限られた空間」が狭くなり、メーターモジュールでつくられた家というのは「限られた空間」が広くなるわけです。
そして
- 家族の中で車イスに常時乗っている方や介助が必要な方がいる場合 、もしくはそれらを見据えて家づくりをする場合
- 勾配の緩い階段にしたい人の場合
これらに該当する方は、メーターモジュールでの家づくりがピッタリなのです。
ただし先ほどもお伝えしたとおり、メインでメーターモジュールを使っているのは、積水ハウス、トヨタホーム、そしてダイワハウスの木造(xevoGranWood)これらのメーカー、商品しかありません。
ですので、積水ハウスはそのうちの貴重なメーカー・商品の1つになります。
補足:尺モジュールのメリット
ただ、これだけ聞くとメーターモジュールの方が魅力的で、尺モジュールでつくられた家はあまり魅力がないように思えると思います。
しかし、尺モジュールは尺モジュールで、それを使うメリットがきちんとあるのです。
語弊のないようにそれに関してもお伝えしておくと、尺モジュールは
- 金額が安くなる
- コンパクトな家を設計しやすい
これらのメリットがあります。
というのも、世の中の多くの住宅は尺モジュールでつくられています。
そのため、メーター規格の建材はどうしても出荷量が少ないため、メーター規格の建材を使う方が建物が割高になってしまうのです。
またメーターモジュールですと、洗面、廊下、トイレ、お風呂、階段、これらのサイズが少し大きくなってしまう都合上、コンパクトな家を設計する場合、あまり区切った間取りをつくってはいけないのです。
なぜならあまりにも区切った間取りをつくってしまうと、その分メインのLDKがコンパクトになってしまうからです。
そのため、メーターモジュールでコンパクトな家をつくる場合、例えるなら家全体がほぼ区切られていないワンルームのような柔軟な設計力が必要になってくるのです。
ですので、設計のレベルの高さが重要になります。
例えばですが、
- 金額を抑えたい方
- 35坪未満のコンパクトな家を建てようとしている方
これらに該当する方は、尺モジュール向きと言ってもいいかもしれません。
ですので、今お話した尺モジュールとメーターモジュールのメリット・デメリット双方をしっかり理解していただきつつ、どちらが自分達の家づくりにマッチしているのかを考えてください。
そしてもし仮にメーターモジュールがいいとなった場合、メーターモジュールをメインで扱えるのは積水ハウス、トヨタホーム、そしてダイワハウスの木造(xevoGranWood)この3つのメーカーしかないということを思い出してもらえればと思います。
積水ハウスの特徴11:業界一金額が高い
『建物だけの金額で坪単価140万円』
ハウスメーカー各社と話をしていると、どこのハウスメーカーも決まって「うちは高いです。」と言います。
当然、自社の商品をプライド持って販売しているので、そう言いたくなる気持ちもわかりますし、金額の大小はあれど、数千万円単位のお金が動くのが事実です。
ですので、確かにどこのハウスメーカーも高いは高いのです。
ただその中で積水ハウスは頭一つ抜けて金額が高く、間違いなく業界で1番高額です。
具体的にお伝えすると、
- 1:積水ハウス 約坪140万円〜坪150万円
- 2:パナソニックホームズ 約坪120万円〜坪130万円
- 3:大和ハウス工業(木造) 約坪110万円〜坪135万円
- 4:三井ホーム 約坪90万円〜坪125万円
- 5:ヘーベルハウス 約坪105万円〜坪115万円
- 6:住友林業 約坪100万円〜坪115万円
- 7:ミサワホーム 約坪100万〜坪105万円
- 8:セキスイハイム 約坪95万円〜坪105万円
- 9:トヨタホーム 約坪95万円〜坪100万円
- 10:一条工務店 約坪90万円〜坪100万円
といったイメージです。
これは建物のみの坪単価です。
もちろん積水ハウスも中身スカスカ仕様にすれば、建物だけで坪110万円くらいで収まる場合もありますが、それですと積水ハウスで建てる意味がないですよね。
ちなみにYouTubeやインスタグラムに掲載されている積水ハウスの物件は、そのほとんどが坪140万円〜150万円くらいの建物になります。
そのため例えば、土地からの購入で土地代に2,000万円、そこに35坪の家を建てたとすると、諸費用込みで総額8,400万円〜8,750万円くらいするということです。
驚愕ですよね。
しかし、もう家づくりをするとなると、このくらいの金額がかかるのが当たり前の時代になってきてしまいました。
インフレやら円安やらいろいろな影響があるので、こればかりは仕方ありません。
SNSに掲載されている積水ハウスの物件は、だいたいそのくらいの金額を払っているのだと思っていただければと思います。
【2024年最新】積水ハウスの特徴11選〜すべてがわかる!〜のまとめ
今回は、積水ハウスの特徴11個を紹介してきました。
まとめると
- 住宅業界を牽引するトップのハウスメーカー
- チーフアーキテクトという制度がある
- 西日本の設計力が高い
- 西日本の設計力が横展開されている
- クリアビューデザイン
- SAJサッシ
- 鉄骨造の商品と木造の商品両方を展開している
- 鉄骨造には2種類の構法がある
- 木造にはまさかの伝統工法の要素が入っている
- メーターモジュールを採用している
- 業界一金額が高い
以上の11個になります。
ただし、ここまでお話してきた11個の特徴は、積水ハウスの基本的な特徴のみになります。
ここからさらに深い話として、実は積水ハウスの特徴が後5つほどあります。
この5つの中には積水ハウスで高気密高断熱住宅をつくるための具体的な方法や、ほとんどの方が知らない積水ハウスで使える裏技も含まれているわけですが、ここから先は私がつくった紹介サービス、メグリエをご活用いただいた方、もしくは公式LINEから直接紹介依頼をしてくださった方のみに共有します。
ここから先の情報はネット上どこを探しても見つからない情報になります。
知っているのと知らないのとでは、積水ハウスでの家づくりに大きな差が出るような、超有料級の情報になります。
少しでも積水ハウスでいい家を建てたい!という方は、メグリエをご活用いただくか、もしくは公式LINEから直接紹介依頼をいただければと思います。
ちなみに公式LINEでは、各大手ハウスメーカーの攻略カタログを無料で配布しています。
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