注文住宅に資産価値はない?あなたの家が資産価値ゼロになる理由

はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約17分で読めます。

今回は、なぜ注文住宅に資産価値がないのか、あなたの家が資産価値ゼロになってしまう理由は何なのかについて解説していきます。

皆さんもご存知だとは思いますが、一般的に日本では戸建て住宅の価値は築10年で買った時の価格の半額になり、築20年すると価値はゼロになるとされています。

戸建てを売るのであれば、築10年以内に売った方がいいと言われているのですが、そもそもなぜ戸建ては価値がないのか、皆さんは疑問に思ったことはありませんか?

今回はこの辺の疑問に対して、私個人の考え方を独断と偏見でお話していきます。

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注文住宅に資産価値がない理由1:「時間」という概念がない

「時間」という概念がない

注文住宅に資産価値がない理由、これには3つの理由があると思っていて、まず1つ目が『「時間」という概念がない』ということです。

これがどういうことかというと、例えばみなさんは「ヴィンテージ」という言葉を聞いたことありますよね?

ヴィンテージのワイン、

ヴィンテージのワイン

ヴィンテージの家具、

ヴィンテージの家具

ヴィンテージの服などです。

ヴィンテージの服

これらは古いからこその価値があるわけです。

ではなぜ古いと価値が上がるのかというと、時間が経過したことによってしか出せない風合いがあるからです。

これはお金では買えません。

もう少し具体的に説明するために、実体験をお話しようと思います。

私は家づくりのサポートをするために、全国各地を飛び回っています。

正確には新幹線を使っていることが多いので、這いずり回っているが正しい表現になるのですが、

そんな時、とある街で新築で建てられたばかりの神社を見かけました。

こんなことを言ったらバチが当たりそうですが、それを見て私は正直「ペラッペラだな」と思ってしまったのです。

というのも多くの神社は古めかしくて、その古めかしさがいかにもご利益があると感じる1つの要因だと思うのです。

古めかしい神社

しかし新築で建てられたばかりの神社は、真新しくてなんだか変に金色の装飾が悪目立ちしていたのです。

そのため違和感がすごかったのです。

例えるなら新品の白のスニーカーという感じで、新品の白のスニーカーは白すぎて浮きますよね。

新品の白いスニーカー

まさにその感覚と全く同じことを新築で建てられたばかりの神社を見て感じてしまったのです。

ただここで例えば京都にある五重塔を思い浮かべてみてください。

京都の五重塔

多くの方が人生で1回くらいは五重塔を見たことがあると思うのですが、すごく古い建物で、古すぎるがゆえに黒ずんでいます。

しかしその古すぎる感じが五重塔ならではのあの威厳というか、オーラを感じる1つの要因になっているわけですが、五重塔から出るあの威厳やオーラのようなものをお金の力でつくれるかといったらつくれません。

そこにはいくつもの偶然が重なって、さらには途方もない時間が経過したからこそ初めてあの雰囲気が出せるのです。

まさに時間がもたらした恩恵の1つなのです。

これと同様にヴィンテージのワインもヴィンテージの家具もヴィンテージの服も全て時間による恩恵を受けたことで価値が高くなっているのです。

一言で言い表すなら「経年美化」というやつです。

ではこのことを念頭に置いた上で、注文住宅はどうなのかを考えてみると、残念ながら時間の影響を受けにくいのです。

なぜなら、日本の住宅はつくることに目的を置いた大量生産品だからです。

このことについてはここ最近でさんざん言っていることになるのですが、ハウスメーカーという業態は、やっていることは住宅の大量生産なのです。

つまりは洋服でいう、ユニクロやGUのような家づくりをしているのがハウスメーカーなのです。

ここで皆さんに質問なのですが「ユニクロやGUの服を自分の家の家宝にして後世まで残していこう!」そんなことを考えている方が世の中にいると思いますか?

思いませんよね?

要はそれと同じで、言い方は悪いですが、大量生産品はいわゆる大量生産品なので「後世に残していこう!」「大切に慎重に使おう!」ということには絶対になりません。

住宅もこれと同様で、戦後家がない時代から始まり今に至るまで、多くの企業がとにかく住宅をつくること、これを目的にして家づくりをしてきたわけです。

そのため、価格が安い新建材とよばれるビニールクロスやシート系の床材など、そういった建材を多用してバンバン家を建ててきたのです。

ただそういった人工的につくられたものは、いくらメンテナンスフリーといっても、やはり長持ちしないのです。

こちらもよく聞く言葉で言い表すと「経年劣化」というやつです。

ですので価値が出ないのです。

このような感じで、ものに対して「時間」という要素を加えられるかどうか、これが価値のあるものとそうでないものを分けているのです。

つまり裏を返せば「時間」という要素を加えられる、そんな家づくりをすることで、注文住宅の価値を向上できるわけです。

例えば一番簡単なところでいうと、自然素材系を使うと時間という要素を加えやすくなります。

具体的には、無垢床やウール100%のカーペット、リネン、コットン、漆喰、珪藻土、真鍮などです。

こういった自然素材系のものは時間の影響を受けやすいものになります。

ただし、こういった自然素材系の素材を入れるとなると、価格がやや高めになる傾向にあります。

ただ予算が限られているので、どうしても採用できないという人が現れると思います。

価格を上げずに建物の価値を上げるにはどうしたらいいのかというと、それが「余白を設ける」ということになります。

これですとわかりにくいかもしれないので、もっとわかりやすく言い換えるなら、どれだけ長い期間その家を使い倒せるのかということです。

というのも例えば、どんなに安くても家は数千万円するわけです。

それにも関わらず、5年後や10年後に全く使わない部屋ができてしまった、ほとんど2階に上がらなくなってしまったなど、そのような状況になってしまったら家を全然使い倒せていないですよね?

全く使わない物置部屋

これは安物買いの銭失いになっているだけで、費用対効果は全然よくないわけです。

また、金額が高くて全然使い倒せない家、これに関してはもっと最悪で、1番やってはいけないパターンです。

上物買いの銭失いになっているわけです。

ただどちらにせよ、ここからもわかるとおり、使い倒せない家というのは、時間という要素がほとんど入らないのです。

一方で、30年、40年、50年というロングスパンで使い倒せる家の場合、仮に多少高かったとしても、費用対効果が非常によくなるということで、さらには時間という要素も多く入れることができるわけです。

その具体例として、例えばこちらは私の紹介で積水ハウスで建てた家なのですが「ゴロゴロ、ダラダラできる」がテーマの家です。

積水ハウスで建てた家

坪数は33坪と比較的コンパクトですが、リビングには様々な居場所があって、カーペット部分や段差部分、縁側部分にハンモック部分、いろいろな場所でゴロゴロ、ダラダラしながら趣味の読書をして過ごせるようになっています。

リビングに様々な居場所がある

このような感じで、1つの場所に様々な居場所があって、複数の使い方ができる多義的な空間は、家を使い倒すということを考えると非常によかったりするわけです。

皆さんもこれを見ると長く使い倒せそうなイメージが湧いてきませんか?

ちなみにこのような感じで長く使い倒せることを、私は活用価値と呼んでいます。

活用価値のある家は、自然素材を入れずとも間取りでつくることができるので、余計な費用がかかりません。

一流の設計士に提案してもらえるかどうか、ただそれだけです。

あと少し話の毛色は変わるかもしれませんが、例えば子ども部屋がありますよね。

子ども部屋

子ども部屋はそれを与えることが必ずしも子どものためになるとは限らないのです。

というのも私もそうだったのですが、子どもは自分の部屋が欲しくなる頃に自室がなければ、何かいい方法はないかと考えるはずなのです。

具体的には親に交渉したり、他の物で代用したり、親と一緒になってDIYをしたり、様々な試行錯誤を行う機会になるわけです。

つまり、子ども部屋を与えるということは、一見するといいようにも思えるのですが、子どもの成長の機会を奪う可能性もあるのです。

実際に私には2歳半の双子の娘がいるのですが、今、パウパトロールという犬のアニメにハマっています。

それもあって、ついつい自分の子どものかわいさのあまり、玩具を買いそろえてしまうのですが、ある時私の妻が「わざわざおもちゃを買わなくても工夫していろんな遊び方をしてるよ。」と教えてくれたのです。

工夫をして色々な遊びをする子ども

その時にハッと思い、確かに子どもは既にあるものを工夫しながら上手に使って遊ぶのです。

そういう姿を見ていると、子ども達の想像力を削ぎ、知らず知らずのうちに子どもの成長の機会を奪っていたのだなと、その時本気で反省しました。

こういった経験から、私は「子どものために、子ども部屋にもなるスペースをつくる」という考えに至りました。

個室が欲しいと思うかは子どもによって違いますし、未来のことは誰にもわかりません。

また、暮らし方が変化すれば、必要なもの、必要になるものも変化していきます。

ですので家も変化に対応できるように改良できる余白があった方が家を使い倒せる期間も伸びますし、家を使い倒せる期間が伸びるということは、そこに時間的な要素が多く入るということでもあるのです。

そしてそれに伴って、家自体の活用価値も上がるわけです。

なるほどと思いませんか?

ということで、少し話が長くなってしまったので一旦まとめると、注文住宅に資産価値がない理由1つ目が「時間」という概念がないということで、時間的な要素を加えるためには

  • 自然素材を使う
  • 多義的で余白のある間取りをつくる
注文住宅に資産価値がない理由①
時間という概念がない

これらのどちらか、あるいは両方を取り込むことで、家自体の価値、もっと詳しくお伝えをすると、家の活用価値、これが上がりますよということです。

注文住宅に資産価値がない理由2:生産しやすさ前提の家づくりをしている

生産しやすさ前提の家づくりをしている

注文住宅に資産価値がない理由2つ目が『生産しやすさ前提の家づくりをしている』ということです。

皆さんは機械でつくるものづくりと、手作業でつくるものづくり、どちらに価値があると思いますか?

恐らく多くの人が「そんなの機械でつくるものづくりに決まってんだろ。」「機械でつくった方が正確につくれるし、手作業でつくるものづりとか価値がないに決まってるじゃん。」と思われると思います。

ただ私はこれは逆だと思っていて、なんだかんだ手作業でつくったものづくりが最強になりやすいのではないかと思っています。

もちろん、手作業でつくったものの全てが最強になるということはないですし、そこは職人さんの技術力あってのことではあるのですが。

ではこれがどういうことかというと、そもそも工業は工業化しやすい、つまりは大量生産しやすい形を前提につくられています。

そのため、どうしても形状やつくり方がシンプルになりやすいのです。

生産しやすい形を追求すると、どうしても建売や賃貸のような内装によっていくということなのです。

建売や賃貸のような内装

ですのでそこから脱却して、SNS上で見るような、きれいだなぁ、美しいなぁと思うような住宅をつくるのであれば、職人さんによる小回りを効かせた施工が絶対に必要になってくるわけです。

例えば

  • 巾木をなくす
  • 窓枠を隠す
  • 窓の納め方を海外方式にする

などです。

こういう細かい作業を取り入れることで、SNS映えする家づくりができるのです。

しかしこれらはもう既にロストテクノロジーになりつつあるのです。

なぜなら、皆さんが思っている以上に、家をつくれる職人の数が少ないからです。

これはどの業界にも言えることで、例えば洋服やアクセサリーもそうなのですが、昔はあり得ない工数とあり得ないつくり方をしてものづくりをしていました。

昔はあり得ない工数とあり得ないつくり方をしていた

ですので、現代では考えられないようなコスト度外視の複雑なものづくりを平気でしていたわけですが、今はもうそんな時代ではなくなってしまったのです。

職人は年々減っていますし、足りない人手を埋めるようにものづくりはどんどん機械化されていっています。

ですので、昔のようにコスト度外視の複雑なものづくりはできなくなっているのです。

住宅業界も同様で、皆さんが思っている以上にこの業界は職人さんが不足しています。

職人不足

それにも関わらず、今SNSで見かける美しい住宅のほとんどが、職人による細かい手作業からなるものなのです。

そのため、気づいていない方も多いのですが、この住宅業界は、工業化の波が一旦終焉を迎えて、職人による手作業が最強の、例えるなら産業革命以前のものづくりの仕方、これがブームになってきている状態なのです。

「いやいや、それって本当かよ、なんだか信じられないな。」と思われる方もいると思いますが、少しイメージをしてみてください。

例えば自分の家を建てた職人が、京都の五重塔を建てた職人と同じ人だったら、すごく付加価値が出ると思いませんか?

量産型でつくられた家と京都の五重塔を建てた職人がつくった家を比較して、どちらが価値があるかと言われたら、どう考えても満場一致で京都の五重塔を建てた職人がつくった家、こちらだと思います。

そこからもわかるとおり、ものづくりは突き詰めると職人芸が最強になるわけです。

これは住宅に限らず、服でもアクセサリーでもなんでもそうです。

ただこの話が事実であるとすると、ハウスメーカーで家を建てる価値ってなんなのか?という話になってくるわけです。

ハウスメーカーという業態は、元を辿ると戦後家が不足していた日本に住宅を大量に供給する目的でできた業態で、とにかく家をつくること、これを目的にできた企業です。

歴史的背景からもわかるとおりで、ハウスメーカーは職人芸とは真逆の位置に存在している業態なのです。

そのため人口が減っていて、なおかつ少子高齢化している現在の日本において、もはや住宅の大量生産は不要になってきているので、ハウスメーカーで家を建てる価値がなくなっている、そう感じるのも無理はないことなのです。

ただそんな中でも唯一ハウスメーカーが生き残る道があって、それがユニクロ化もしくはロレックス化、このどちらかになるのです。

どういうことかそれぞれ簡単に説明をすると、ユニクロ化というのは皆さんがイメージしているとおりで、工業化を徹底することでコストダウンをし、高品質なものを誰でも手の届く価格で提供する方式のことです。

ここ最近で、日本はデフレからインフレに切り替わりましたし、その影響もあって円安が進んでいます。

これに伴って、残酷な話、今後ますます所得格差が広がることが考えられます。

そうなると、今後は今よりももっと徹底した工業化によるコストダウンが重宝されるというのが予想されます。

ですので、ハウスメーカー本来の目的である住宅の工業化、これを愚直にやっているハウスメーカーが生き残り、中途半端な工業化で騙し騙しやっているハウスメーカーは淘汰される世界がなんとなく見えてくるわけです。

つまりこの場合に関しては、家の価値が上がるというよりは企業の価値が上がって生き残るという感じです。

次にロレックス化についてですが、ロレックスは知らない人からすると意外かもしれませんが、パーツ部分はさすがに工業化でつくられるのですが、それ以外の組み立てに関しては人の手で行われます。

ロレックスの時計
人の手で組み立てられている時計

つまり、外側は工業、内側は手工芸でつくられているという話なのですが、要はロレックスと同様に、住宅も骨組みは工業化で精度高くつくって、

住宅の骨組み

内側の内装部分は職人による手作業の精度を高めていくことで、

内装部分は職人による手作業

クオリティが高い価値ある物件をつくれるということです。

ただこの話をすると大抵の方は「それってどこのハウスメーカーも既に取り組んでいることなんじゃないの?」と思われると思います。

だって今現在、どのハウスメーカーも結局は職人の手作業によって家を完成させているわけです。

ですので「どこのハウスメーカーも既に外側は工業、内側は手作業でつくられてるじゃん!」と思われるのも当然なのですが、実はそんなことはないのです。

なぜなら、私の言っている職人による手作業とは、ただつくればいいというものではなく、クオリティを追求した建築づくりという意味での手作業だからです。

これがどういうことかというと、そもそも建築は、本来は建物に合わせて家具をつくり込むということをしていました。

例えば近代建築の三大巨匠の1人と呼ばれるル・コルビュジエは、

サヴォア邸という建物に合わせてLC1やLC2といった椅子をつくっていましたし、

サヴォア邸という建物に合わせてLC1やLC2といった椅子

同じく近代建築の三大巨匠の1人のミース・ファン・デル・ローエは、

近代建築の三大巨匠の1人のミースファンデルローエ

バルセロナ万博ドイツ館に合わせて、バルセロナチェアというのをつくっています。

バルセロナ万博ドイツ館に合わせて、バルセロナチェア

ここからもわかるとおり、本来の建築というのは、建物に合わせて家具をつくり込むまでが建築であり、それゆえに一体感のある空間をつくり上げられたわけです。

一方で現在は、先に建物の箱をつくって、そこから後付けで家具を入れ込んでいくということをします。

後付けで家具を入れ込んでいく

要は賃貸に住む時と同じ感じで、すでにある間取りに対して後付けで家具を入れ込んでいくということをしているわけです。

つまり、このことを簡単にまとめると、建物に合わせて家具をつくり込むのは建築づくりで、先に建物の箱をつくって、そこから後付けで家具を入れ込んでいくのは、住宅づくりだということなのです。

そして、先に建物の箱をつくって、そこから後付けで家具を入れ込んでいく住宅づくりをしてしまうと、嘘を嘘だとバレないようにするために、いろいろつじつま合わせをしているかのような、そんな感覚で後から整合性を合わせなければならなくなるのです。

ですので、完全に空間の調和を取ることが難しくなるのです。

ですので例えば先ほど例にあげた「ゴロゴロ、ダラダラできる家」。

ゴロゴロ、ダラダラできる家

この家を例にあげるとわかりやすいと思うのですが、この家は、この空間に合わせた造作家具が大量に入っているのです。

具体的にいうと、窓の上の棚や少し張り出した床、

空間に合わせた造作家具

長い収納、障子、そして障子をしまうための戸袋、

空間に合わせた造作家具

これら全てがこの空間をつくり上げるためだけにつくった造作家具になるのです。

そのためおしゃれできれいな空間に見えるのです。

これが住宅づくりではなく、いわゆる建築づくりだということです。

建築づくり

そして、こういった空間をつくるためには、大量生産とは真逆の職人による手作業がどうしても必要不可欠なのです。

このように美しい住宅が何たるかを紐解いてみると、生産しやすさ前提の家づくりには限界があるということ、そして価値ある住宅を建てるためには職人による手作業が必須であるということ、これがわかると思います。

皆さんがつくりたいのは住宅ですか?それとも建築ですか?

注文住宅に資産価値がない理由3:感情が動かないものが多い

感情が動かないものが多い

注文住宅に資産価値がない理由3つ目が『感情が動かないものが多い』です。

これに関しては少し感覚的な要素が多めにはなってしまうのですが、注文住宅に資産価値がない理由の1つに『感情が動かないものが多い』ということがあると思っています。

どういうことかというと、よく「注文住宅に資産性を持たせるなら売ることも想像して万人受けする間取りの方がいい」と言われます。

確かに同じような発想で考えてみると、マンションは誰にも売りやすいように万人受けする当たり障りのない間取りになっています。

マンションのような万人受けする当たり障りない間取り

それを思い浮かべると、万人受けする当たり障りのない間取りにすることこそが、注文住宅の資産性を上げる唯一の手段であるようにも思えるわけです。

それはそれで理解できるのですが、ただそれは売り手側の目線でしか考えられておらず、買い手側の目線で見るなら、わざわざその家を買う理由にはならないのです。

イメージしてもらえればわかると思うのですが、例えばユニクロ、GUのような量産品が喉から手が出るほど欲しくなるかと言われれば、そんなことはないですよね?

どちらかというと、必要な時に仕方なく買うかくらいだと思います。

また、洋服には古着があると思うのですが、言い方は悪いですが、いくら安くても、誰が着たのかわからないものに袖をとおしたくないという人は一定数いると思います。

古着

それらと同じで、中古でなおかつ量産型の万人受けする当たり障りのない間取りに対しては、大して感情が動かないのです。

そのため欲しいとも思わないのです。

しかし例えば古着でも、今は亡き伝説のデザイナーが作った洋服や、どうしても古着でないと手に入らないようなものだったら購入を考えると思います。

今は亡き伝説のデザイナーが作った洋服や、どうしても古着でないと手に入らないようなもの

要は、古着でもどうしても買わざるを得ない状況だったら購入を検討するという話なのですが、ではどうしても買わざるを得ない状況とは何なのか、それを一言で言い表すと「1点もの」なのです。

例えば先ほどからずっと紹介している「ゴロゴロダラダラできる家」、これは1点ものになるわけですが、恐らく「欲しい!」ですとか「このコンセプト、この間取りどおりに家をつくりたい!」と思う人はけっこう多いのではないかと思います。

ゴロゴロダラダラできる家

なぜなら、他で見たことのないような間取りで、なおかつ1点ものだからです。

他にはない魅力的なものだからこそ感情が動いて「欲しい!」と思うのです。

「なるほど!」と思いますよね?

これを前提に考えると、特定のハウスメーカーが建てた家のブランド力を上げ、さらには中古住宅市場を活性化させるためには、魅力的な1点ものの物件をつくること、これが重要だというのが何となくわかると思います。

ただ今現状はそうなっていないですし、まだまだつくること優先の文化なので、注文住宅全体の価値が上がるのはまだ先かなと思います。

注文住宅に資産価値はない?あなたの家が資産価値ゼロになる理由のまとめ

今回は『注文住宅に資産価値はない?あなたの家が資産価値ゼロになる理由』について説明をしてきました。

ぜひとも参考にしてみてください。

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