狭小住宅の狭さを解消する間取りテクニック5選(後編)

はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約9分で読めます。

今回は狭小住宅の狭さを解消する間取りテクニック5選(後編)ということで、前回の続編として残り5つの狭小住宅での狭いを解消するテクニックをお話していきます。

というのも、前回もお話ししたのですが、現在注文住宅市場を取り巻く状況は非常に厳しいものとなっています。

具体的には、

  • 地価の上昇
  • 建築資材費の上昇
  • 30年前から変わらない所得

これらが要因となっているからです。

住宅市場の環境悪化の要因 
地価の上昇
建築資材費の上昇
30年前から変わらない所得

そしてそんな状況であるが故に、なかなか大きな家を買うことが出来ず住宅の狭小化が進んでいるのです。

ただ、そうとはいえ狭小住宅ってネガティブな印象がありませんか?

例えば、窮屈とか、居場所がなさそう、とかそんな印象です。

それらネガティブな印象を設計で解決し、更に狭小住宅ならではのコスト面でのメリットを最大限活かせれば「冷暖房の効きが良く、更にメンテナンス費用の少ない住まい」を作ることができるわけです。

ということで前回の続きとして、狭小住宅の狭さを解消する間取りテクニック5選をお話ししていきます。

まだ前回の記事を見ていないという方は「狭小住宅の狭さを解消する間取りテクニック5選(前編)」も合わせてご覧ください!

それではやっていきましょう!

狭小住宅の狭さをさらに解消する間取りテクニック5選

今回の話の流れとして、

  • 外と繋げる
  • 造作家具を使う
  • 家具の重心を低くする
  • 素材の質感を重視する
  • 引き戸を積極的に使う

これらを順番に説明していきます。

目次
外と繋げる
造作家具を使う
家具の重心を低くする
素材の質感を重視する
引き戸を積極的に使う

外と繋げる

では、先ず初めに、「外と繋げる」ということについてです。

外と繋げる

これは以前にもYouTubeで話したことのある内容ではあるのですが、外部の空間をどれだけ取り入れられるかで、限られた空間をより広く見せることができるのです。

例えば、

  • 庭や公園のある方向に窓を取って視線の抜けを作る、
  • 住宅密集地なら高窓を設けて空の景色を切り取る

そういったことをすることで、外の空間を室内に取り入れ、限られた空間をより広く見せることができるのです。

外の空間を室内に取り入れた事例

なるほどって感じですよね?

この設計手法はよく使われるものの、最初からどこの景色を切り取って室内に反映させるのかを決めておかないと出来ないことなのです。

ですので、設計士の腕が問われる部分でもあります。

『設計』という言葉の意味

また、ここで皆さんに覚えておいてもらいたいことがあります。

それは『設計』と言う言葉の意味についてです。

実は設計とは言い換えると、

『開口部を通じて外部をどれだけ取り入れることができのるか』 ということなのです。

開口部からは多くのものが入ってきます。

具体的に言えば、

光、風、熱、音、香り、人(コミュニケーション)

とかです。

それら外部からやってくるものを制御するのが設計なのです。

当然といえば、当然ですよね。こうやって言語化すると非常にシンプルではあるのですが、これをしっかりと理解している人は案外少ないのです。

そのため、なんとなくで窓を付けられているケースが結構あるのです。

実際に私のところには良く、「図面のチェックをしてください」ということで依頼が来るのですが、意味もなく付けられた窓が割と多く見受けられます。

ですので、皆さんも設計とは言い換えると

『外部をどれだけ取り入れることができるのか』

ということであり、

光、風、熱、音、香り、人(コミュニケーション)

これら外からやってくるものを制御するのが設計の役割である

ということを覚えておいてください。

これが頭にあるだけで、提案された間取りがどのような趣旨で作られたのか、考える癖がつきます。

狭小住宅を建てる時には必ず使うべき設計手法の一つでもあるので、是非ともこちらの建築手法、ご活用いただければと思います。

造作家具を使う

続いて2つ目、「造作家具を使う」ということです。

造作家具を使う

これ、良くやりがちなことで失敗する定番ではあるのですが、部屋の大きさに対して家具のサイズが合っていない、ということが多々あるのです。

しかも狭小住宅になればなるほど、家具のサイズ感を合わせて間取り提案をする必要があるのです。

そうでないと例えば、部屋の大きさと家具の大きさがマッチせず、家具を置いたせいで圧迫感を感じたり、部屋が狭く感じてしまったりするわけです。

部屋の大きさに対して家具のサイズがあっていない

ですので、実は家具のサイズ感というのは非常に重要なのです。

じゃあ、それは分かったと。

では狭小住宅を建てる際に何を意識すれば良いんだ?という話だと思うのですが、それが『造作家具を作る』ということなんです。

やっぱり市販で売っている家具を入れるよりも、一からその部屋に合わせて家具を作ってもらってしまった方が手っ取り早いし、間違いないわけです。

ただここで、

『その理屈は分かるけど、お高いんでしょ?』

って思われたそこのアナタ!

実は工夫次第でどうにでもなるのです。 例えばこちらの写真をご覧ください。

無垢床の余った木材を使って作ったテレビボード

この写真のテレビボード。

実は無垢床の余った木材を使って作っているものなのです。

というのも無垢床は、施行する時に失敗しても良いように少し多めに部材を発注します。

ただ、実際のところ失敗することは少なくて、最終的に部材が余るケースが多いです。

じゃあ、その余った部材ってどうなるのかというと、捨ててしまいます。

でも、それは勿体無いですよね。

そこで、こんな感じでテレビボードを作ってみたり、後は机や机兼収納スペースを作ったりすることができるわけです。

余った部材で作ったテレビボードや机、机兼収納スペース

そのため、普通に家具を買うよりも安くできて、更に床材との質感や色味も統一できるわけです。

そして何よりその部屋のサイズにあった家具をオーダーメイドできます。そのため圧迫感とか、部屋が狭く感じるといったようなこともなくせるのです。

すごくないですか?

この方法は無垢床を入れるから出来る方法にはなりますが、無垢床を入れたい!と思っていた方は是非ともやってみてください。

またその他にも

・置き家具ではなく、作り付けの家具を作ってもらうことで空間を無駄なく使える

という方法も存在します。

作り付けの家具に関しては主に契約後の打ち合わせで調整する内容にはなるのですが、最初から『作り付けの家具を提案する』という選択肢が頭にないとスムーズに打ち合わせを進めることが出来ません。

ですので、営業マンの配慮や知識が重要になってきますので、その点はご注意ください。

家具の重心を低くする

続いて3つ目、『家具の重心を低くする』と言うことです。

家具の重心を低くする

これは前に別の記事でも少し話した内容になるのですが、重心の低い家具を選ぶことで視線が抜けるようになります。

例えば、背の高いソファは基本的に選ばない方が良いですし、ソファの足もなるべく細い方が良いのでアイアンのものがお勧めですね。

そうすることにより部屋を広く感じることができます。

これだけではあるのですが、このちょっとしたポイントを反映できるかどうかで部屋の雰囲気は大分変わります。

しかも家具だって決して安いものではないですから、少しでも圧迫感を無くして部屋を広く見せるためにも重心の低い家具を選んでみてください。

重心の低いソファ

個人的にお勧めなのは、ビーズクッションを使ってリビングの広さを最大限感じられるようにするということです。

リビングにはビーズクッションがおすすめ

これなら圧迫感を感じにくいですし、更に自由に移動できるのでコンパクトな空間ではもってこいの商品です。

そして何よりコスパが良い!

子供がまだ小さいし、ソファを汚されても困る、とか思っている方はビーズクッションを一つの選択肢としてご活用ください。

素材の質感を重視する

続いて4つ目『素材の質感を重視する』ということです。

素材の質感を重視する

これに関してはあまり気にしている方がいないように思えるのですが、部屋の中の質感というのは結構大事です。

というのも狭小住宅を建てる場合、壁と人の目線との距離が近くなるのです。

まぁ当然ですよね。

だから壁の質感を意識しないと、のペッとしてしまって、平面に深みがない空間になってしまうのです。

結果、狭いとか窮屈とか、感じやすくなってしまいます。

ただ、これは感覚的なものなので、人それぞれで感じ方は違うしちょっと伝わりにくいと思うのですが、素材感を意識した壁と、良くあるただの白いビニールクロスを貼っただけの壁では全然部屋の雰囲気が違ってくるのです。

ですので、例えば左官材と呼ばれる塗壁を一部に使うと壁が経年美化していき、平面に深みを与えてくれるのです。

素材感を意識した壁と、ただの白いビニールクロスを貼っただけの壁では部屋の雰囲気が違う

特に高千穂シラスという塗壁は、消臭効果、調湿性、それと素材感、どれも非常に優れていて実際に私の自宅でも取り入れる予定となっています。

高千穂シラスという塗壁

これは是非ともサンプルをオーダーして実物を見てみてください!

可能であれば施行実例を探して見学してみるといいと思います。

ビニールクロスと比べて室内の雰囲気がガラリと変わります!

引き戸を積極的に使う

そして最後に5つ目『引き戸を積極的に使う』ということです。

引き戸を積極的に使う

引き戸は、開き戸に比べて余計なスペースを使わないのです。そのため、限られたスペースで家を作る方や、もしくは空間をより広く感じるようにしたい、と思っている方は積極的に使うべきです。

また、引き込み戸といって壁の中に扉をしまうタイプのものもあるのですが、それも見た目がスッキリするのでお勧めですね。

引き戸と開き戸の比較
引き込み戸といって壁の中に扉をしまうタイプのもの

引き戸、引き込み戸のデメリット

ただし引き戸、あるいは引き込み戸には大きなデメリットがあります。

それを理解した上で設置する必要があるのです。

では、そのデメリットとは何なのかというと、それは

  • 遮音性能が低い

ということです。

というのも引き戸は、開き戸と違って隙間ができているのです。

その隙間から音が漏れる、もしくは音が部屋の中に入ってきやすくなります。

だから例えば、トイレの近くに引き戸のある部屋を持ってくると水の流れる音が聞こえやすくなりますし、しゃべり声なんかも結構聞こえてきます。

そのため、設計配慮が必要なのが引き戸、あるいは引き込み戸なのです。

ただし、このデメリットさえ理解して扉を配置すれば限られたスペースでも有効に使えますし、空間をより広く感じることもできるわけです。

ですので、部屋を広く見せる方法の一つとして是非とも覚えておいてください。

狭小住宅の狭いを解消するテクニック後編のまとめ

はい、ということで狭小住宅の狭さを解消する間取りテクニックの後編ということで

  • 外と繋げる
  • 造作家具を使う
  • 家具の重心を低くする
  • 素材の質感を重視する
  • 引き戸を積極的に使う

これら5つの方法を追加でお話ししました。

狭いを解消するテクニック
外と繋げる
造作家具を使う
家具の重心を低くする
素材の質感を重視する
引き戸を積極的に使う

今回話した方法は狭小住宅を建てるときだけではなく、普通の家を建てるときでも活用できる方法になっています。

是非とも皆さんの家づくりにお役立てください。

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