ハウスメーカーの屋根材3種類の選び方とメリット・デメリット

はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約16分で読めます。

今回は『ハウスメーカーの屋根材3種類の選び方とメリット・デメリット』というテーマでお話をしていこうと思います。

というのも、屋根は後回しにされがちなのですが非常に重要な部材の一つになります。

屋根

なぜなら、建物の見た目と機能、両方に影響を及ぼす部材だからです。

もう少し詳しく説明すると、屋根には

  • デザイン
  • 雨風から建物を守る
  • 太陽の日差しから建物を守る

大きく分けるとこれら3つの役割が存在します。

屋根の役割
デザイン
雨風から建物を守る
太陽の日差しから建物を守る

だから例えばイメージしてみてください。

日本って台風が多いですよね?その時に屋根材がどこかへ飛んでいってしまい、誰かを怪我させてしまったら大変ですよね。

台風

後は、雨漏り。

雨漏りは、それが起こってしまうと建物内部の構造体を腐らせたり、シロアリ被害の原因にもなります。

雨漏り

そのため、長く住み継いでいくことを考えると、屋根は本当に重要です。建物が存在し続ける限り、永続的に効果が発揮されるものでもありますからね。

だから本来なら慎重に選ぶべき部材の一つになります。

ただしハウスメーカーでは正直、この部分を軽視しがちです。

その理由は単純で金額を上げたくないからです。

正直これも営業担当者によるとは思うのですが。。。

ハウスメーカーは、そもそも本体価格が高かったりするので、どうしても目先の金額を下げる方向に走りがちです。言い換えると営業マンが契約を取るための提案になっている可能性が高いということです。

ハウスメーカーの営業マンが契約を取るための提案

だから屋根とか床は、あまり選択肢を説明されず決められた枠の中だけで提案されるということがほとんどなのです。

でもそうやって知らず知らずのうちに屋根材をケチってしまうと、数十年後に結局、大金を払ってメンテナンスをしないといけない、なんてことになってしまいます。

大金を払ってメンテナンスをしないといけない

では、具体的に屋根材にはどんな種類があるのか?

屋根材をケチってしまったらどんなリスクがあるのか、そしてそれぞれの屋根材のメリット・デメリットってどんなことがあるのかをお伝えします。

これから注文住宅を検討されている方は是非とも最後までご覧ください。

それではやっていきましょう!

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屋根材で雨を防いでいるわけではない

はい、ということでやっていきます。

まず、どの屋根材が良いとか悪いとか、そういう話をする前に大前提として知っておいてもらいたいことがあります。

それが『屋根材で雨を防いでいるわけではない』ということです。

屋根材で雨を防いでいるわけではない

どういうことかというと、実は雨水をメインで弾いているのは屋根材の下の「ルーフィング」、と呼ばれるものになります。

ルーフィング

ルーフィングは例えるならゴムマットのようなものです。 だから例えば瓦がありますよね。あれは、瓦自体が雨を防いでくれているわけではないのです。

瓦自体が雨を防いでくれているわけではない

屋根材の下ある『ルーフィング』が弾いてくれているのです。

屋根材の下ある『ルーフィング』が弾いてくれる

そのため、しっかりと雨を防いでくれる作りになっているかどうかは、各ハウスメーカーの家の作り方に依存してきます。

まずはここを押さえてください。

屋根材によって防雨性が変わるのではないというのは結構驚きですよね。

ハウスメーカーの屋根材に期待する5つの性能と3つの種類

では、屋根材に期待する性能とは何?という話だと思うますが、それは

  1. 初期コスト
  2. メンテナンスコスト
  3. 断熱性
  4. 耐震性
  5. 耐風性

以上5つになります。

屋根材に期待する性能
初期コスト
メンテナンスコスト
断熱性
耐震性
耐風性

そして屋根材は大きく分けて

  • スレート瓦
  • ガルバリウム鋼板

この3つがあるので、これら3つの性能をそれぞれ簡単に見ていきましょう!

屋根材の種類
スレート瓦
ガルバリウム鋼板
瓦

ハウスメーカーの屋根材3種類(スレート瓦、ガルバリウム鋼板、瓦)の比較

ということで、こちらが簡単にまとめた表になります。○、△、×の3種類で比較表を作ってみたのですが、

 初期コストメンテナンスコスト断熱性耐震性耐風性防音性
スレート瓦××
ガルバリウム鋼板××
××

スレート瓦が○1個

ガルバリウム鋼板が○2個

瓦が○3個

という具合です。こうやってみるとトータルでは瓦が優れている、というのが分かると思います。

ただ、そうはいっても瓦には瓦のデメリットがありますし、その他の屋根材にも良いところはたくさんあります。

ですので、ハウスメーカーの標準仕様で使われていることが多い屋根材をベースに、それぞれの屋根材のメリット、デメリットをしっかり見ていきましょう!

屋根材「スレート瓦」のメリット・デメリット

先ずは『スレート瓦』です。

スレート瓦

スレート瓦とは、セメントと繊維材料を高温高圧下で成型し、その上から塗装を施した屋根材です。

多くのハウスメーカーがこのスレート瓦を標準にしています。

つまり屋根材の種類を選ばずにケチってしまった場合、ほとんどがこの屋根材になる、ということですね。具体的な商品名は『コロニアルグラッサ』というものになります。

コロニアルグラッサ

では、この『コロニアルグラッサ』のメリット・デメリットですが、3つあるので交互に順を追って説明していきます。

コロニアルグラッサ(スレート瓦)のメリット・デメリット①

メリットの1つ目『メンテナンスの手間が少ない』ということです。

というのも、通常のスレート瓦はおよそ10年周期で塗り替えなどのメンテナンスが必要になります。

通常のスレート瓦はおよそ10年周期で塗り替えなどのメンテナンスが必要

だからその度にメンテナンス費用が必要だったわけですが、コロニアルグラッサの場合は耐用年数が30年あります。

コロニアルグラッサは通常のスレート瓦に比べて3倍も長持ちする

だから通常のスレート瓦に比べて3倍も長持ちすることになります。

これだけ聞くと、

『え、めちゃくちゃ良いじゃん!』って思いますよね。

でも、ちょっと待ってください!

実はここに落とし穴が存在するのです。

では、その落とし穴が何なのかというと、それは『耐用年数30年というのは10年ごとに部分補修をした前提の上、成り立っている』ということです。

耐用年数30年というのは10年ごとに部分補修をした前提の上、成り立っている

もう少し具体的に説明をします。

実は『コロニアルグラッサ』の販売元であるKMEW(ケイミュー)という会社からは、『コロニアルグラッサ』は10年ごとに部分補修を行ってください。そして30年目に塗り替えを行ってください。

というのがきっちり明記されているのです。

つまり確かに耐用年数は30年なのですが、定期的に部分補修というメンテナンスを行った上で30年持つ屋根材ですよ、ということになります。

ですので、例えば、

『コロニアルグラッサなら30年間、ノーメンテナンスで問題ない!』とか思っていると、痛い目に遭うわけです。

痛い目に遭う

これがデメリットになります。

ちょっと分かりにくいので簡単にまとめると、メリットは、

・コロニアルグラッサは通常のスレート瓦に比べて長持ちする

しかしその反面デメリットは、

・耐用年数は30年とはいえ、10年ごとに部分補修は必要

だということになります。

これが『コロニアルグラッサ』の一つ目のメリット・デメリットです。

コロニアルグラッサ
メリット 通常のスレート瓦に比べて長持ち
デメリット 耐用年数が30年とはいえ10年ごとに部分補修が必要

コロニアルグラッサ(スレート瓦)メリット・デメリット②

続いては2つ目のメリットは『手頃な価格で施工が可能』ということです。

コロニアルグラッサは手頃な価格で施工が可能

スレート瓦は一般的な屋根材です。だから取り扱い可能な施工業者が多いです。

取り扱い可能な施工業者が多い

このため、他の屋根材に比べて施工料が安くなります。

コスパが良いのは非常に嬉しいですよね。ただし、先ほどもお伝えした通り何だかんだで「メンテナンスが必要」なのが、『コロニアルグラッサ』です。

だから都度都度、メンテナンス費用はかかってくるわけです。しかも『コロニアルグラッサ』は表面が、ザラザラ、ゴツゴツしている特徴があります。

コロニアルグラッサは表面が、ザラザラ、ゴツゴツしている特徴がある

そのため、例えば、苔やカビが生えやすいという特徴も持ち合わせています。

苔やカビが生えやすいという特徴も持ち合わせている

そして、それを放置しておくと、水分が瓦に吸収され冬場や夜間に凍結、凍結と乾燥が繰り返し起こることでスレート瓦自体にヒビが入ってしまい滑り落ちや反りが発生してきてしまいます。

スレート瓦自体にヒビが入って滑り落ちや反りが発生する

特に反りまで起こってしまうと、水が構造体内部に浸水する可能性が大きくなります。すると内部が腐りやすくなるため早急なメンテナンスが必要になります。

皆さんも街中を歩く時に屋根に注目して歩いて見てください。

住宅街は屋根に注目

苔やカビだらけの屋根の家が結構あると思います。それはメンテナンスを放置した結果、そうなっています。

ですので、『コロニアルグラッサ』を選ぶなら、必ずメンテナンスは行ってください。

そうでないと、後々家の修繕費で莫大な費用を払うことになるかもしれません。

ということで、メリットは、

・価格が安い

その反面デメリットは、

・苔やカビが生えやすいので結局メンテナンス費用がかかる

ということでした。

これが2つ目のメリット・デメリットです。

コロニアルグラッサ
メリット 価格が安い 
デメリット コケやカビが生えやすいので結局メンテナンス費用がかかる

コロニアルグラッサ(スレート瓦)のメリット・デメリット③

そして最後のメリットは、『軽量なため地震に強い』ということです。

コロニアルグラッサは軽量なため地震に強い

住宅の耐震性は家の重量が深く関わってきます。

だから例えば瓦よりもコロニアルグラッサの方が軽いので耐震面は有利ですし、コロニアルグラッサよりもガルバリウム鋼板の方が耐震性は有利です。

屋根材比較画像

これだけ聞くと、ガルバリウム鋼板が一番良いのでコロニアルグラッサが霞んでしまいますが、コロニアルグラッサの重さは瓦屋根の約半分程度になります。

だからコロニアルグラッサも非常に軽量なため、地震に強く、日本に適した屋根材といえます。

ただし、軽いが故のデメリットも存在します。

コロニアルグラッサは見た目が薄いので屋根に立体感がなくなる

それがコロニアルグラッサは見た目が薄いのでどうしても屋根に立体感がなくなる、ということです。

これは見た目を気にしない、という人ならスルーして良いポイントですが、他の屋根材に比べるとどうしてもコロニアルグラッサは見た目がのペッとしてしまうのですよね。

この表現、伝わりますかね。

コロニアルグラッサは見た目がのペッとしてしまう

だから例えば、建物の外観で高級感を出したい、などなど、外観にこだわりをもっている方には不向きな屋根材といえます。

ということで、メリットは、

・屋根材自体が薄いので耐震に有利

デメリットは、

・見た目があまり良くない

ということです。

これが3つ目のメリット・デメリットになります。

コロニアルグラッサ
メリット 屋根材自体が薄いので耐震性に有利
デメリット 見た目があまりよくない

まとめると

コロニアルグラッサのメリットは

  • 通常のスレート瓦に比べて長持ちする
  • 価格が安い
  • 屋根材自体が薄いので耐震に有利

デメリットが

  • 10年ごとに部分補修は必要
  • 苔やカビが生えやすいのでメンテナンス費用がかかる
  • 見た目があまり良くない

これらがメリット・デメリットになります。

コロニアルグラッサのメリット、デメリットまとめ

最初にお伝えした通り、このコロニアルグラッサという商品は多くのハウスメーカーで標準仕様となっている屋根材です。

確かに安い屋根材ではあるのですが、今お話ししたメリット・デメリットはしっかりと念頭においた上で採用するかどうかを判断してください。

これまでの私の話を聞いて『どうも、しっくりこないな』と思うようであれば、これからお話しする、『ガルバリウム鋼板』か『瓦』を採用することをお勧めします。

屋根材「ガルバリウム鋼板」のメリット・デメリット

では続いて『ガルバリウム鋼板』についてです。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板って聞くと中にはトタン屋根を思い浮かべる人がいるのですが、同じ金属製の屋根でもガルバリウム鋼板の屋根は非常にオシャレです。

しかも触ってみないと金属らしさも分からないくらい精巧に作られています。

ガルバリウム鋼板の屋根はおしゃれ

ちなみにハウスメーカーで良く使われているのは『ウッドピース』という商品名のガルバリウム鋼板の屋根ですね。

ウッドピース

では、このガルバリウム鋼板屋根ですが、こちらも先ほどと同様にメリット・デメリットがそれぞれ3つありますので、

また交互に説明していきます。

ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット①

先ずはメリットの1つ目、『耐久性が高い』ということです。

ガルバリウム鋼板は耐久性が高い

ガルバリウム鋼板は「犠牲防食機能」と「アルミの長期耐久性」を併せ持っています。

そのため同じ金属屋根のトタン屋根に比べて数倍の耐久性を誇るのが特徴になります。

ちなみに「犠牲防食機能」とは、

めっきに、万一、キズが発生し、素地の鉄が露出したとしても、キズの周囲の亜鉛が「鉄より先に溶け出して」電気化学的に保護する機能のことをいいます。

鉄を腐食させないために傷ができても勝手に直る塗装が施されている
犠牲防食機能の説明

簡単に言い換えると要は鉄を腐食させないために傷ができても勝手に直る塗装が施されている、ということです。

こういった屋根材自体に高い耐久性があることから、例えばスレート瓦とは違って使用地域制限というのもありません。

先ほども説明した通り、スレート瓦は凍結と乾燥が繰り返されると、滑り落ちや反りが出てきてしまいます。

ですので、寒冷地ではほとんど使用されておらず、現に北海道では1棟も使用されていません。

寒冷地の住宅街

一方で、ガルバリウム鋼板の屋根は凍結と乾燥が繰り返されても金属なので関係ありません。

だから素材的に耐候性に優れています。

ガルバリウム鋼板の屋根は耐候性に優れている

これがメリットの一つ目になります。

ただし反対にデメリットとして『断熱性が低い』というデメリットがあります。

断熱性が低い

瓦やスレートなどの屋根材には断熱性がありますが、ガルバリウム鋼板は金属であるため素材自体に断熱性能がないのです。

ですので、この場合、屋根自体の断熱材にしっかりと意識を向けなければならないですし、場合によっては断熱材と一体化になったガルバリウム鋼板屋根というのがあるので、それを選択する必要が出てきます。

断熱材と一体化になったガルバリウム鋼板屋根

とにかく、ガルバリウム鋼板の屋根は金属ですから、選択する際は断熱性に着目して、しっかり調べた上で採用することをお勧めします。

ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット②

続いて2つ目のメリットが『耐震性が高い』ということです。

ガルバリウム鋼板は、1~3㎜程度と非常に薄い金属素材で出来ています。

そのため屋根材の中でもとても軽いです。

ガルバリウム鋼板は薄い金属素材

では、屋根材が軽いとどんな良いことがあるのかというと、それは建物にかかる荷重が減らせるのです。

例えばこちらをご覧ください。

地震が起こった時に屋根が重いと、上から押しつぶされたように建物が壊れてしまう

少し極端な例にはなるのですが、地震が起こった時に屋根が重いと、画像のように上から押しつぶされたように建物が壊れてしまうのです。

また、屋根が重いとそれに伴って補強工事も必要になります。

だからコスト面でもあんまり良くないのです。

そのため耐震性やコストも考えると屋根って軽い方が有利です。

屋根材の重さ比較

そう考えると、3種類の屋根材の中でガルバリウム鋼板は一番軽いですから、耐震性が高いといえるわけなんです。

これが2つ目のメリットです。

そしてその反面、デメリットは『防音性が低い』ということです。

防音性が低い

ガルバリウム鋼板って軽いのは良いことですが、その分やはり音を伝えやすいです。

だから例えば雨の音が少し響きやすいと言われていたりもしますし、夏場の暑い日なんかは屋根材の温度が上がるため『ぺこ』って音が鳴るケースもあります。

ですので、例えば屋根自体の断熱材を厚くして遮音性を高めたり、後はガルバリウム鋼板の屋根材に制音素材を入れる必要も出てきます。

こちらも金属素材であるが故に仕方のないことですが、住んでからこんなはずじゃなかった!とならないようにするためにも、

ご注意ください!

ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット③

そして最後のメリットが『耐風性』です。

耐風性

というのも、ガルバリウム鋼板の屋根は一枚の大きな素材で屋根を作るので、強風で飛ばされにくいのです。

耐風などで飛ばされた瓦屋根

だから例えば台風とかでも他の屋根材に比べて飛ばされる可能性が少ないので、安心ですよ。

ガルバリウム鋼板の屋根は一枚の大きな素材で屋根を作るので、強風で飛ばされにくい

それだけではありますが、これから生きていく中で何があるかわかりませんからね。

ちょっと昔に強風で屋根がとばされるようなニュースが立て続けにあった記憶がありますが、そういったことがないようにするためにも一応、

『耐風性』に関しても頭の隅にあった方が良いかもしれません。

ここまでの話を聞いて、

『ガルバリウム鋼板の屋根って、なんとなくだけど良いな』って思われた方も多いかもしれません。

ガルバリウム鋼板の屋根って、なんとなくだけど良いな

ただ最後に一つだけ、大きなデメリットがあるのでそれをお伝えさせてください。

そのデメリットとは『錆びる』ということです。

ガルバリウム鋼板の大きなデメリットは錆びること

ガルバリウム鋼板の屋根は元々サビには強いのですが、完全に錆びないというわけではありません。

例えば、アンテナの支柱や支持線に発生したサビが雨垂れと共に付着した場合に起きる「もらいサビ現象」が起きた場合

もらいサビ現象

線路際や、金属加工工場周辺の鉄粉が飛ぶ可能性のある地域で家を建てる場合

線路際や、金属加工工場周辺の鉄粉が飛ぶ可能性のある地域

海岸線などの塩害を受ける地域で家を建てる場合

海岸線などの塩害を受ける地域

これらの条件に合致する場所で家を建てる時にガルバリウム鋼板の屋根を選択するのは少し危険です。

ガルバリウム鋼板だから大丈夫!と思わずに建てる土地に合わせて屋根材を選択してみてください。

まとめると

メリットが

  • 耐久性が高い
  • 耐震性が高い
  • 耐風性が高い

デメリットが

  • 断熱性が低い
  • 防音性が低い
  • 錆びる

これらがガルバリウム鋼板の屋根材のメリット・デメリットになります。

ガルバリウム鋼板
メリット 耐久性・耐震性・耐風性が高い 
デメリット 断熱性能・防音性能が低い 錆びる

屋根材「瓦」のメリット・デメリット

では、最後、『瓦』についてです。

瓦

最近では瓦を採用する家が減ってきたので、選ばれている方は少ない印象なのですが。。。

コストをかけられるなら、やはり瓦がベストです。

というのも、ハウスメーカーでは瓦を選ぶと大体が今は『ルーガ』という屋根になります。

ルーガという屋根

それでこのルーガは陶器瓦ではなく、正式名称は「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」と呼ばれているものでスレートに近いものになります。

ルーガは陶器瓦ではなく、正式名称は「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」と呼ばれているものでスレートに近いもの

だから通常の半分の重さしかないので、耐震性も高く、それでいて断熱性も従来の陶器瓦と比べて高いです。

ルーガは通常の瓦の半分の重さしかないので、耐震性も高く、断熱性も高い

また通常の瓦は構造上、瓦の裏に水が入りやすかったのです。

通常の瓦は構造上、瓦の裏に水が入りやすい

だから冒頭でも話に出てきたルーフィングという防水下地がしっかりしてないと雨漏れの原因になっていました。

ルーフィングという防水下地がしっかりしてないと雨漏れの原因になる

しかしルーガでは瓦の裏に水が入りにくい構造になっていて、下地に与える影響も少ないのです。

こんな感じで性能面に関しては、何だかんだで瓦、特にルーガが一番デメリットが少なくて良いです。

性能面が完璧なルーガ(瓦)のデメリット2つ

ただし性能面で完璧なルーガですが、

デメリットが2つあります。

1つ目が、『コストが高い』ということです。

ルーガはコストが高い

具体的にいくら、というのは建物の大きさによって違うので、

一概にはいえないのですが、、、でもとにかく高いです。

もうこれはどうしようもないですね。

ですので、皆さんももしお財布に余裕があるなら、ハウスメーカーが最近よく使っている瓦、ルーガを採用してみてください。

2つ目のデメリットが『建物の勾配が決まってしまう』ということです。

建物の勾配が決まってしまう

実は屋根勾配によって使える屋根材が限定されてしまうのです。

例えば瓦だと4寸以上の角度が必要になります。

屋根勾配によって使える屋根材が限定されてしまう

4寸というのは約21.8度の角度の屋根ということです。

そのため、緩やかな傾斜の屋根が作れないのです。

ちょっと専門的な部分なので分かりにくいと思うのですが、とにかく瓦を採用する場合はある程度、傾斜が必要、とだけ覚えて頂ければと思います。

ということで、ハウスメーカーの標準仕様をベースに

  • スレート瓦
  • ガルバリウム鋼板

以上の3つの屋根材のメリット・デメリットをお話ししました。

3つの屋根材のメリット・デメリット
スレート瓦(左)・ガルバリウム鋼板(真ん中)・瓦(右)

屋根材一つとっても知らないことがたくさんあったのではないかとかと思います。

是非とも今お話ししたことを参考に、屋根材選びをしてみてください。

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