【2025】平屋が得意なハウスメーカーランキングTop9|特徴をわかりやすく解説

【2023年最新】平屋が得意な大手ハウスメーカーランキング ハウスメーカーランキング
この記事は約18分で読めます。

今回は『平屋が得意な大手ハウスメーカーランキング』を紹介します。今回の内容は私自身の調査によるものです。ランキングはあくまで参考情報として捉えてもらえればと思います。

正直、「それって正確じゃないの?」と思われるかもしれませんが、そのとおりです。というのも、正確な数値をもとにすると、どうしても1年や2年前のデータを使うことになり、現状とはズレてしまいます。速報性を重視するなら、自分で調べるしかないわけです。

幸いにも私は「メグリエ」というサイトを運営しており、サンプルを集めやすい環境にあります。そのため、今回は独自に各ハウスメーカーの傾向を調べてまとめました。建物本体の金額や諸費用の目安も、かなり近い精度で推測できるので、今回も大きく外れてはいないと感じています。

大切なのは、ピタリと正確な数字ではなく、傾向を把握することです。なぜなら、最終的に重要になるのは、どのハウスメーカーを選ぶか以上に、担当してくれる人が誰かだからです。 たとえば、高級食材を揃えても素人が料理すれば微妙な仕上がりになりますが、普通の食材でも一流の料理人なら素晴らしい料理に仕上がりますよね。住宅も同じで、ハウスメーカー以上に担当者次第で結果は変わります。ですので、今回のランキングはあくまで傾向を知るための目安として、少しエンタメ感覚で楽しんでもらえればと思います。

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平屋が得意なハウスメーカー第9位:ヘーベルハウス

平屋が得意なハウスメーカー
第9位ヘーベルハウス

正直なところ、ヘーベルハウスは平家がかなり苦手なハウスメーカーです。

ヘーベルハウスの平屋

というのも、ヘーベルハウスは外壁に使っているヘーベル板の関係で、屋根を切妻や片流れにすることができないからです。

外壁に使っているヘーベル板

切妻や片流れはヘーベルハウスではつくることができず、寄棟かフラット屋根の家しかつくれないのです。

切妻屋根と片流れ屋根
寄棟屋根とフラット屋根

そのため、ヘーベルハウスでは平屋の提案がどうしても限られてしまいます。もともと都市部を中心に販売戦略を展開していることもあり、そもそも平屋を積極的に販売すること自体をあまり想定していないのではないかと感じます。

ヘーベルハウスは都心部を中心とした販売戦略を行っている

ヘーベルハウスと言ったら、やはり「2世帯住宅」「3階建」といったイメージが強いですからね。

ヘーベルハウスは、2世帯住宅、3階建のイメージが強い

ヘーベルハウスで平屋を建てたいと考えている方もいると思いますが、不可能ではないものの、ハウスメーカーとしてはあまり得意な分野ではないという点は理解しておいた方がよいでしょう。

ヘーベルハウスの特徴については以下の解説記事もご覧ください。

平屋が得意なハウスメーカー第8位:三井ホーム

平屋が得意なハウスメーカー
第8位三井ホーム

三井ホームも、平屋はほとんど見かけません。

三井ホームの平屋はほとんどない

「三井ホーム=洋風住宅」という印象が根強いため、平屋を三井ホームで建てようと考える方は多くないのではないでしょうか。近年はモダンデザインの住宅にも注力していますが、その仕上がりはたとえるならカフェラテのようなイメージです。

三井ホームは最近、モダン系のデザインの住宅にも力を入れてきている

どういうことかというと、カフェラテはミルクを加えても完全にコーヒーの風味が消えるわけではありませんよね。それと同じように、三井ホームもモダンデザインに寄せようと努力しているものの、どこか洋風の雰囲気が残ってしまい、結果的にそうしたテイストが漂うデザインになりがちなのです。

たとえば、この2つを見比べると似た印象を受けると思います。

どことなく洋風テイストが残っている似たデザインの家

実際に見比べてみるとわかるのですが、どこか洋風の雰囲気が漂っています。もちろんそのデザインが好きな方もいると思いますし、洋風テイスト自体を否定するつもりはありません。ただ、あえて洋風の平屋を選ぶ人は多くないため、結果として三井ホームでは平屋の施工例が少ないのだと考えられます。

三井ホームの特徴については以下の解説記事もご覧ください。

平屋が得意なハウスメーカー第7位:セキスイハイム

平屋が得意なハウスメーカー
第7位セキスイハイム

セキスイハイムは都心部ではあまり見かけませんが、岐阜や広島、山口といった地方に行くとよく目にします。その理由は、セキスイハイムが採用している「ユニット工法」にあります。鉄骨でつくられた箱型ユニットを積み上げて建てる方式のため、搬入にはある程度広い土地が必要で、どうしても開けた地域での建築が中心になるのです。

ユニット工法は比較的開けた土地でないとユニットを搬入することができない

つまり、狭小地ではセキスイハイムの家づくりは難しいということです。 さらに、ユニット工法の特徴として、同じ35坪の家を建てる場合でも、ユニットを8個使うより6個で構成した方がコストを抑えられるため、金額面で割安に仕上げることができます。

ユニット工法はユニットを減らした方が金額的に安く仕上げられる

大きい家をコスパよくつくるのには向いている

このような特性から、セキスイハイムは広めの住宅をコストパフォーマンス良く建てるのに適していますが、逆にコンパクトな家ではユニット工法の強みを十分に活かせない住宅になってしまいます。地方でセキスイハイムの平屋が比較的多く見られるのも、こうした背景があるからだと考えられます。

セキスイハイムの平屋
セキスイハイムの平屋

さらにセキスイハイムは、断熱性や気密性の弱点を補うために、全館空調の導入や大容量の太陽光発電システムの設置を積極的に提案する傾向があります。

快適エアリーT-SAS

確かに鉄骨住宅は木造と比べると断熱性や気密性が劣るため、セキスイハイムのように思い切って設備に頼り切った家づくりを選ぶのも一つの方法だと思います。特に平屋は2階建てよりも屋根面積が広くなる分、太陽光発電をはじめとした設備のメリットを最大限に活かせるため、セキスイハイムの強みを存分に感じられる住宅になるのです。

セキスイハイムの平屋

地方にお住まいの方は、セキスイハイムを選択肢の1つに入れてみてもいい気はします。

セキスイハイムの特徴については以下の解説記事もご覧ください。

平屋が得意なハウスメーカー第6位:トヨタホーム

平屋が得意なハウスメーカー
第6位トヨタホーム

意外にも平屋の割合が高かったのがトヨタホームです。セキスイハイムと同じユニット工法を採用しているため、家の特徴はセキスイハイムに非常によく似ています。

トヨタホームはユニット工法で家づくりをしている

断熱や気密の性能自体は高くないものの、全館空調で室内環境を整え、その消費電力を太陽光発電でまかなうといったスタイルの家づくりになっているのです。

全館空調+床冷暖
スマート・エアーズPLUS
我が家の屋根は発電所

このままでは「結局セキスイハイムと同じでは?」「何が違うの?」と思われるかもしれませんが、トヨタホームには大きな特徴があります。それは、家づくりにメーターモジュールを採用している点です。建築の設計手法には、大きく分けて「尺モジュール」と「メーターモジュール」があります。

  • メーターモジュール:1,000mm×1,000mmのマスを積み上げてつくる
  • 尺モジュール:910mm×910mmのマスを積み上げてつくる
設計手法として、建築には尺モジュールとメーターモジュールがある

そして、メーターモジュールをメインで使っているハウスメーカーは、次のハウスメーカーしかないのです。

  • 積水ハウス
  • トヨタホーム
  • ダイワハウスの木造(xevoGranWood)、

では、尺モジュールとメーターモジュールの違いは何かというと、尺モジュールで建てた家は「限られた空間」が狭くなり、メーターモジュールで建てた家は「限られた空間」が広くなるという点にあります。ここでいう限られた空間とは、洗面所や廊下、トイレ、浴室、階段といった部分を指します。

洗面、廊下、トイレ、お風呂、階段

具体的にどういうことかというと、たとえばトイレを設計する際には、2マス分の正方形を組み合わせてつくることになります。

トイレをつくる場合、2マスの正方形を積み上げてつくる

つまり、尺モジュールでは910mm×1,820mm、メーターモジュールでは1,000mm×2,000mmの大きさになります。両者を比べると、幅で9cm、奥行きで18cmもの差が生まれるのです。

数字だけでも違いは明らかですが、よりイメージしやすく言えば、尺モジュールとメーターモジュールの差は飛行機のエコノミークラスとビジネスクラスほどの違いがあると言えるでしょう。 そして、これはトイレに限ったことではなく、先ほどもお伝えした廊下、お風呂、階段、これらの場所にも違いが出てくるということです。

廊下、お風呂、階段

特に、尺モジュールでつくられた家の階段の勾配は、かなり急になります。

尺モジュールでつくられた家の階段は勾配がかなり急になる

一方で、メーターモジュールでつくられた家の階段の勾配は、かなり緩やかになります。

メーターモジュールでつくられた家の階段は、勾配がかなり緩やかになる

尺モジュールでつくられた家というのは『限られた空間』が狭くなり、メーターモジュールでつくられた家というのは『限られた空間』が広くなるわけです。

尺モジュールとメーターモジュールの通路の幅の比較

そのためたとえば、家族に車イスを常時利用する方や介助が必要な方がいる場合、あるいは将来的にそうした生活を見据えて家を建てたい場合、また階段の勾配を緩やかにしたいと考える方にとっては、メーターモジュールでの家づくりが最適です。

こうした魅力を持つメーターモジュールですが、先ほども触れたとおり、標準的に採用しているのは積水ハウス、トヨタホーム、そしてダイワハウスの木造(xevoGranWood)に限られています。

メーターモジュールを使えるのは積水ハウス、トヨタホーム、そしてダイワハウスの木造(xevoGranWood)のみ

しかも、メーターモジュールの設計は本来価格が高くなりますが、トヨタホームはセキスイハイムと同様に、工場でほとんどのパーツをつくってから現場で組み立てる方式を採用しているので、メーターモジュールの割には価格が安めにできるという特徴があります。

トヨタホームは、工場でほとんどのパーツをつくってから現場で組み立てる方式なので、メーターモジュールの割には価格が安めにできるという特徴がある

もちろん、先ほどもお伝えしたように、断熱気密に関してはかなり劣っている部分ではありますが、振り切って太陽光マシマシにして、全館空調をバンバン使っていくという方針で家づくりをしていくならアリなのではないかなと思います。

トヨタホームの平屋

平屋が得意なハウスメーカー第5位:ミサワホーム

平屋が得意なハウスメーカー
第5位ミサワホーム

ミサワホームの平屋はイメージ的にも結構目にするので、集計してみたところ人気が高いという印象は間違っていないと感じました。

ミサワホームの平屋

というのも、ミサワホームは「蔵」と呼ばれる天井高1.4m以内の収納スペースを設け、空間を有効活用する設計を得意としているからです。

ミサワホームは『蔵』と呼ばれる天井高1.4m以内の収納空間をつくって空間設計をするのが得意

蔵についてもう少し具体的に説明するために、少し寄り道して大枠からお話しします。一般的な家づくりでは、「天井断熱」といって、その名のとおり天井部分に断熱材を敷き詰める方法が採用されるのです。

天井断熱とは文字通り天井に断熱材を詰め込む方式で家を建てること

天井断熱のメリットとしては、天井部分に断熱材を好きなだけ入れられるため厚さに制限がなく、施工範囲も天井面に限られるのでコストを抑えやすい点が挙げられます。また、天井より下の空間だけを冷暖房すればよいため、光熱費の節約にもつながります。

一方でデメリットもあります。天井に断熱材を敷き詰める関係で小屋裏空間を活用できなかったり、隙間なく施工する必要があるため丁寧な作業が求められたりします。さらに、小屋裏全体が熱を帯びやすくなるため、輻射熱によって2階部分が暑くなりやすいということもあります。

天井断熱のメリットデメリット

ここまで聞くとメリット・デメリットが入り混じっていて、一長一短という印象かもしれません。「では、他に断熱の方法はないの?」と思われる方もいるでしょう。実はもう一つの方法があり、それが「屋根断熱」です。

屋根断熱は天井断熱とは違って屋根の真下に断熱材を入れる方式

天井断熱とは異なり、屋根断熱は屋根のすぐ下に断熱材を入れる方式です。そのため、天井断熱では活用できなかった屋根裏空間を利用でき、さらに輻射熱の影響を受けにくいため、2階部分が暑くなりにくいというメリットがあります。

結果として、家の中の空間を無駄なく使えることや、自然に快適な室内環境を整えやすいことから、総合的には天井断熱より屋根断熱の方が優れているケースが多いと言えます。

もちろん、屋根全体に断熱材を施工する分コストが高くなることや、断熱材の厚さに制限があるといったデメリットもありますが、全体的に見れば屋根断熱の方が有利な場面が多いという印象です。

屋根断熱のメリットデメリット

そこでミサワホームは屋根断熱を採用し、家全体の空間を無駄なく活用できる方式を取り入れています。

さらに、本来は屋根の直下に設けるはずの屋根裏空間を、あえて1階部分に取り込んで設計しているのです。この独自の工夫によって生まれたのが「蔵」であり、これがあることで一般的な住宅とは一味違う魅力的な空間デザインを実現しています。

特に平屋は間取りが単調になりがちですが、蔵を設けることで暮らし方に変化が生まれ、ユニークで魅力的な間取りを実現できます。

私自身のおすすめ商品は『MISAWA ONE GF』で、ミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸を思わせる洗練されたデザインが特徴です。さらに蔵を取り入れることで空間全体が一体となり、断熱や気密性能を高めれば、全館空調を使わなくてもエアコン1台で快適な室内環境を保てる可能性があると感じています。

『MISAWA ONE GF』という商品がおすすめ

直近の受注速報ではマイナスが目立っていて、ミサワホーム自体の人気がやや下降しているのは残念な事実です。ですが、この「蔵」など独自の空間設計に興味が湧いた方は、一度ミサワホームを候補に入れて検討してみる価値は十分にあると思います。

ミサワホームの特徴については以下の解説記事もご覧ください。

平屋が得意なハウスメーカー第4位:ダイワハウス

平屋が得意なハウスメーカー
第4位ダイワハウス

近年、ダイワハウスの平屋がぐっと増えてきています。これまで「ダイワ=大きな2階建て」という印象が強かったですが、おそらく「xevo GranWood」、この商品の良さに多くの人が気づいてしまって、平屋の割合が増えているのかなと思います。 この傾向は、単なる流行ではなく、商品力や設計の強みが背景にあると感じています。

ダイワハウスの平屋

「商品の良さってどういうこと?」と思われた方は、過去にダイワハウスの解説記事を出しているのでそちらをご覧ください。

ただし、ダイワハウスは全体的に見ると他のハウスメーカーに比べて提案力がやや弱い傾向があります。もちろん地域によって差があり、関西のごく一部などでは提案力の高いエリアもあります。

ダイワハウスの家リビングダイニング

ですので、ポテンシャルはあるのです。

ダイワハウスの家リビングダイニング

特に今、大手ハウスメーカーの中で断熱等級7を取れる商品があるのは、ダイワハウスだけです。

ダイワハウスの家リビングダイニング

担当者による当たり外れが非常に大きく、地域によっては優秀な担当者であっても他メーカーと比べると提案力がやや物足りないこともあります。そうした課題はあるものの、断熱性能を重視する方にとってはダイワハウスの木造は一度検討してみる価値があるでしょう。

ダイワハウスに限らずですが、私は各大手ハウスメーカーの本社と連携して、きちんとした人を紹介できる仕組みを構築しています。ですので、もし検討してみたいけれど、担当者が心配という方は、「メグリエ」や公式LINEからお気軽にお声がけいただければと思います。

ダイワハウスの特徴については以下の解説記事もご覧ください。

平屋が得意なハウスメーカー第3位:パナソニックホームズ

平屋が得意なハウスメーカー
第3位パナソニックホームズ

パナソニックホームズも意外と平屋の割合が多いのですが、実は昔から平屋比率が高いハウスメーカーです。そのため私自身、「なぜここまで平屋が多いのだろう?」と以前から疑問に思っていました。

パナソニックホームズの平屋

一般的な2階建の家と比較すると、平屋は基礎が大きくなりますよね。

一般的な2階建の家と比較すると、平屋は基礎が大きくなる

つまり、平屋という時点で構造が木造か鉄骨かに関わらず地震に強いです。では、「なぜ鉄骨で、しかもパナソニックホームズで平屋を建てるのか」と考えたとき、結論として見えてきたのは、究極にメンテナンスコストを抑えられる家を実現できるという点でした。これこそがパナソニックホームズで平屋を建てる大きな意味だと思います。

具体的には、パナソニックホームズには「キラテック」と呼ばれるタイル外壁があり、これがその特徴を支えています。

パナソニックホームズにはキラテックと呼ばれるタイル外壁がある

これは、紫外線で汚れを浮かせて雨水でその汚れを洗い流す機能がついているタイルなのです。

パナソニックホームズのキラテックはセルフクリーニング効果がある

しかも、一般的な住宅の外壁には「目地」と呼ばれるゴム状の部分が設けられていますが、パナソニックホームズの外壁にはそれがありません。

普通の家は外壁に目地と呼ばれるゴムのようなものがあるが、パナソニックホームズだとそれがない

そのため、通常であれば数十年ごとに必要となる目地のメンテナンス費用が、パナソニックホームズでは発生しません。

仮に何らかのメンテナンスが必要になったとしても、平屋であれば2階建や3階建と比べて足場の設置が最小限で済むため、費用を大幅に抑えることができます。

パナソニックホームズの平屋

さらに、平屋という時点で階段がなく、掃除がしやすい間取りに絶対になります。

平屋は階段がなく掃除がしやすい間取りに絶対なる

こうした理由から、パナソニックホームズで平屋を建てれば、究極にメンテナンス負担の少ない住まいを実現できるのではないかと思います。

さらに付け加えると、鉄骨系ハウスメーカーは一般的にデザイン面がやや苦手とされますが、その中でパナソニックホームズは比較的健闘しているほうです。とはいえ、同じ鉄骨系でありながら設計自由度とカスタマイズの幅が圧倒的に広い積水ハウスには、どうしても及ばない部分が多いのも事実です。

パナソニックホームズの平屋のデザイン

他の鉄骨系メーカー(ダイワハウス鉄骨、セキスイハイム、ヘーベルハウス、トヨタホームなど)と比べると、パナソニックホームズは「メンテナンス性の低さ」や「デザイン性」という点で優位性を持っている印象があります。

ダイワハウス鉄骨、セキスイハイム、ヘーベルハウス、トヨタホームの比較

ですので、もし仮に見た目も良く、さらに究極にメンテナンスのかからない平屋をつくりたい場合は、パナソニックホームズを検討するのはアリだと思います。

パナソニックホームズの平屋

パナソニックホームズの特徴については以下の解説記事もご覧ください。

平屋が得意なハウスメーカー第2位:積水ハウス

平屋が得意なハウスメーカー
第2位積水ハウス

積水ハウスは、平屋率がすごく高いです。なぜなら、積水ハウスは業界で一番高いハウスメーカーなので、少しでも割安感を感じてもらうために、平屋を提案しているケースが多くあるからです。

積水ハウスの平屋

これを聞いて「平屋なのに割安ってどういうこと?」と思う方もいるでしょう。その疑問はもっともなので、少し具体的に説明します。

積水ハウスの建物本体価格は、坪単価でおよそ130万~140万円ほどです。仕様を最低限に抑えたケースや、地方エリアであれば坪110万円程度まで下がることもありますが、いずれにしても高額であることには変わりません。

たとえば、35坪の住宅を建てる場合、建築価格は次のようになります。

  • 坪140万円…4,900万円
  • 坪130万円…4,550万円
  • 坪110万円…3,850万円
35坪2階建ての建築価格

さらに、先ほどの試算はあくまで2階建てを想定した価格であり、平屋の場合はおよそ1.1倍の費用がかかります。つまり、地域差や仕様の違いはあるものの、35坪の平屋を建てると建物だけで約4,230万〜5,000万円が必要になるのです。

ここに諸費用として1,500万円が加わり、土地を購入する場合はさらに土地代が上乗せされます。たとえば、土地代が2,000万円の場合、2,000万円+1,500万円+建物費用4,230万〜5,000万円となり、合計で7,730万〜8,500万円ほどが必要になる計算です。とても高いですよね。

合計7730万~8500万円が積水ハウスで35坪の平屋を建てる時に必要になる

「これのどこが安いんだ!」と思われるかもしれませんが、実は平屋を建てられるような土地は基本的に広いことが前提です。つまり、広い敷地に対して建物を小さく建てると、その分だけ外構工事にかかる面積が増えてしまうのです。

結果的に、建物を小さくして金額を抑えたとしても、外構工事の面積が増えることで費用がかさみ、総額はそれほど下がらないのです。

たとえば先ほどのケースで、35坪の平屋を建てる前提で土地代を2,000万円とすると、2,000万円+諸費用1,500万円+建物価格4,230万〜5,000万円で、合計7,730万〜8,500万円が必要になるということになります。

35坪平屋の建築価格

一方で35坪の2階建を建てた場合、建物価格は3,850万〜4,550万円に抑えられます。しかし敷地に対して建物の占有面積が小さくなるため外構工事の範囲が広がり、その分外構費用がかさみ、諸費用1,500万円の部分がさらに増えることになるのです。

35坪2階建ての建築価格

今回の計算では、諸費用1,500万円のうち外構費用を500万円と想定していますが、実際にはさらに400万円ほど上乗せになるイメージです。もちろん外構をどの程度つくり込むかにもよりますが、広い土地で建築する場合を比較すると次のようになり、意外にも平屋の方が割安になるケースが出てくるのです。

  • 35坪の平屋 → 合計7,730万〜8,500万円
  • 35坪の2階建 → 合計7,750万〜8,450万円
35坪平屋と35坪2階建ての建築価格比較

この考え方は、積水ハウスに限らず他のハウスメーカーでも経験を積めば気づく部分ではありますが、積水ハウスでは特に多くの人が実際に活用している印象があります。その結果、平屋の受注数が増えているのではないかと感じます。

加えて、積水ハウスの平屋は深い軒や洗練されたデザインが特徴で、SNSでもよく目にするほど存在感があります。積水ハウスの家に憧れがあるなら、一度検討してみる価値は十分にあるでしょう。

積水ハウス平屋

積水ハウスの特徴については以下の解説記事もご覧ください。

平屋が得意なハウスメーカー第1位:住友林業

平屋が得意なハウスメーカー
第1位住友林業

いろいろと計算して集計してみたところ、住友林業が圧倒的に平屋の割合が多かったです。

住友林業の平屋

こちらも理由を探ってみたのですが、正直なところ大きいのは「イメージ」だと思います。これこそが住友林業で平屋が多く建てられている要因ではないでしょうか。

実際に私が「メグリエ」の個別面談でお客様と話す際、「なぜ住友林業を検討されているのですか?」と尋ねると、ほぼ全員が「木の温もりを感じられそうだから」と答えます。つまり、多くの方がイメージの良さを理由に住友林業を選択肢に入れているのです。

住友林業の木を使った内装イメージ

ただ、家づくりをある程度進めた人なら気づくと思いますが、無垢床を使えるのは住友林業だけではありませんし、特別に木質感が際立つわけでもありません。実際のところ、どのハウスメーカーでも無垢床を採用できますし、木の温もりを感じられる内装をつくることも可能です。

無垢床

とはいえ、そうした事実があったとしても、「住友林業なら木の温もりを感じられそう」「安心できそう」というイメージが強く働くのも事実です。

気を感じられる内装

こうした企業のイメージ戦略も立派なマーケティング手法であり、「さすがだな」と感じます。

少し話が逸れますが、住友林業は仕組みづくりの面でも非常に巧みで、会社として明確に標準仕様を定めている点が特徴です。

住友林業は会社的にきちんと標準仕様を定めている

少しわかりにくいかもしれませんが、「標準仕様」と「オプション仕様」という言葉を耳にすることがあると思います。ただ、本来の注文住宅にはそうした区分は存在しません。なぜなら、注文住宅とは「自由に選べること」が前提だからであり、標準仕様やオプション仕様といった区分がある場合、それは実質的に規格住宅という扱いになります。「なるほど!」と思われる方も多いでしょう。

しかし、「何でもアリ」と言われても逆にイメージがつきにくいため、あえて標準仕様とオプション仕様を明確に分けて提示しているハウスメーカーもあります。その代表的な一社が住友林業です。

こうした区分を設けることはマニュアル化と同じで、営業担当者の力量に左右されず、常に一定の「住友林業らしさ」を提供できる仕組みになっています。これが住友林業の仕組みづくりの巧みさであり、私が戦略的に優れていると感じる部分です。平屋で1位を獲得しているのも、偶然ではなく必然だと考えています。

住友林業の特徴については以下の解説記事もご覧ください。

まとめ

今回は、「平屋が得意な大手ハウスメーカーランキング」を紹介しました。もちろん厳密な意味で正確なランキングとは言えませんが、速報的な位置づけとして「傾向をつかむための目安」として参考にしていただければと思います。

  • 第9位:ヘーベルハウス
  • 第8位:三井ホーム
  • 第7位:セキスイハイム
  • 第6位:トヨタホーム
  • 第5位:ミサワホーム
  • 第4位:ダイワハウス
  • 第3位:パナソニックホームズ
  • 第2位:積水ハウス
  • 第1位:住友林業
【2023年最新】平屋が得意な大手ハウスメーカーランキング』

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