今回は『注文住宅で安くても後悔する仕様10選』というテーマでお話をしていきます。
というのも、ここ最近住宅の価格の高騰がえげつないわけです。
感覚的な話にはなりますが、去年の今くらいの時期と今現在とを比較すると、どのハウスメーカーもだいたい750万円くらい金額が上がっているような印象です。
流石にここまで金額が上昇していると、どこかしら妥協して金額を下げなければ…そう考える人も多いはずです。
確かにその気持ちはわかるのですが、一方で安くして質のいいものはほぼほぼ存在しないというのがこの世の中でもあるわけです。
当たり前ですが、一般的に安いものには安いなりの理由というのがあります。
注文住宅も同様で、確かに表面的には安く収まったけどすぐにダメになったり、後々になってメンテナンスで多額の金額が発生したりといったことも起こります。
そんな知らないと損する内容を今回はまとめて皆さんに共有していきます。
中には住宅営業マンがこっそりグレードを下げて金額を安く見せている部分もあるかもしれないので、今現在、打ち合わせ中の方も確認するという意味も込めて、本記事を最後まで読んでいただければと思います。
安くても後悔する仕様1:硬質アスファルトルーフィング1層
最初に紹介するのは『硬質アスファルトルーフィング1層』です。
いきなりマニアックなところから入っていくわけなのですが「そもそも硬質アスファルトルーフィング1層って何?」という方が大半だと思います。
ですので、まずはそこから説明していきます。
硬質アスファルトルーフィング1層とは、屋根材の下にあるゴムマットのようなものです。
もう少し具体的に説明すると、家の屋根は実は3層構造になっていて、1番下に構造用合板である野地板、次にルーフィングとよばれるゴムマット、そして一番上に瓦などの屋根材が乗っているのです。
多くの方が1番上の屋根材、ここの種類ばかり気にするのですが、違うのです。
最初に気にするべきは、中間にあるルーフィングなのです。
というのも、屋根材はそれ自体が雨水を弾いているのではなく、実はその下のルーフィングが雨水を弾いているのです。
例えば瓦があると思うのですが、もちろん瓦自体が水を弾いてはくれるものの、瓦だけで完璧に雨水を防ごうとはしておらず、あえて雨水をルーフィングに流すようなつくりになっているのです。
ですのでイメージとしては、瓦とルーフィング、2つが一体となってようやく防水できているといった感じです。
これは冷静に考えてみれば当たり前で、瓦でない別の屋根材であったとしても、どこか一部分が壊れたり、欠損したりしたら、そこから雨水が屋根裏に侵入して雨漏れするようになってしまいますよね。
そのため、もしも屋根材に何かしらの不具合が発生した場合に、それを補うような構造になっていなければあまりにもリスキーなわけです。
そういうもしものためにもルーフィングという部材があるのです。
基本的な説明はここまでにして、通常多くのハウスメーカーでは、硬質アスファルトルーフィング1層という仕様が入っています。
この種類のルーフィングは、耐用年数が30年くらいとされているのですが、30年後にどうなるのかというと、まずは1番上の屋根材を引き剥がし、さらにルーフィングも引き剥がして屋根をまっさらにした状態で、ルーフィングの貼り直しと屋根材の設置をし直すのです。
もうこの時点でわかると思いますが、とんでもなくメンテナンス費用がかかりそうですよね?
そのとおりで、足場も組む必要があるので、屋根のメンテナンス費用は多くかかるのです。
しかも硬質アスファルトルーフィング1層は耐用年数30年と言っているのですが、建築するエリアによってもう少し早めに劣化するケースだって考えられます。
実際に私は、思っていたよりも早くルーフィングが劣化して、雨漏れしてきたという現場を今までたくさん見てきています。
ですので将来発生するメンテナンス費用を抑えるためにも、雨漏れで建物の構造躯体に悪影響を及ばさないようにするためにも、ルーフィングの強化は本来必須なのです。
ただ、そもそもルーフィングというものを知らない営業マンや、ルーフィングのことを知っていても金額をこっそり下げたい営業マンは、この部分を最低限の仕様にして見積もりを出してきます。
ちなみに硬質アスファルトルーフィング1層から耐用年数60年の硬質アスファルトルーフィング2層、これにグレードアップするのに、どのハウスメーカーもだいたい20万円くらいの差額で変更可能です。
たったそれだけなのです。
それだけなのですが、塵も積もれば…ということで、硬質アスファルトルーフィング1層にされていることがあるのです。
これは本当に後々後悔する部分になるので、出し惜しみせず、硬質アスファルトルーフィング2層にするようにしてください。
安くても後悔する仕様2:スレート瓦
こちらは先ほどのルーフィングの話に付随する話です。
スレート瓦は安いのですが、やはり安いだけあって、そこまで長くはもたないのです。
というのも、スレート瓦の多くは内容成分の85%がセメント、15%が石綿(アスベスト)で構成されています。
そして塗装が施され工場出荷されるわけですが、その塗装の耐候性は10年くらいなので、10年ほど経過すると塗装の耐候性が失われ、防水機能も失われると言われています。
ただうまくいけば30年くらい塗装せずにすみますといった感じです。
多くのハウスメーカーで使われているスレート瓦は、ケーミューという会社から出ているカラーベストとよばれているものになります。
この販売元のケーミューのカタログを見てもらえればわかるのですが「10年ごとに部分補修をしてください。」と書いてあるのです。
ハウスメーカー側からすると、少しでも安く見せて契約を取りたいという理由から、よくスレート瓦を提案して「30年間ノーメンテナンスでも大丈夫です。」と言ったりするのですが、実際のところそんなことはありません。
安いものには安いなりの理由があるということは覚えておきましょう。
では、どのような屋根材が1番いいんだ?という話になると思うのですが、個人的にはガルバリウム鋼板の屋根、これが1番おすすめです。
というのも中には「瓦が1番いいんじゃないの?」「瓦なら半永久的にメンテナンスしなくてもいいんじゃないのかな?」そう思われる方もいると思うのですが、瓦は重量がある都合上、乗せるとなると建物の補強工事を別途しなければなりません。
また先ほども説明しましたが、屋根材はそれ自体が雨水を弾いてくれるわけではなく、屋根材の下のルーフィングが雨水を弾いてくれているわけです。
つまり瓦自体はメンテナンスフリーでも、下のルーフィングはメンテナンスが必要なので、結局、瓦を使ってもメンテナンスは必要になるのです。
それ以外にも瓦という屋根材を使う都合上、屋根勾配をいじれないのです。
ですので、緩い勾配の外観にすることもできなくなるのです。
こういったいろいろなデメリットがあるのが瓦なので、個人的には瓦はおすすめしていません。
一方でガルバリウム鋼板の屋根は軽いですし、瓦に比べて重くもないので建物の補強工事も必要ありません。
また、屋根勾配もいじれるので、建物の外観も整えられるわけです。
もちろん塗装は必要になりますが、それでもスレート瓦に比べたらメンテナンスの頻度は少なくてすみます。
また、ガルバリウム鋼板の屋根というと、音がうるさいのでは?と思う人がいるのですが、今はそんな音はしません。
事実私の自宅の屋根もガルバリウム鋼板の屋根を採用していますが、豪雨が降っても全然気にならないです。
そんなこんなで私はガルバリウム鋼板の屋根を推奨しています。
ただお財布事情もあると思うので、総額を見比べながら判断してみてください。
安くても後悔する仕様3:サイディング
この話をすると「サイディングでも大丈夫だろ!」「ハウスメーカーがノーメンテで30年もつって言ってました!」などと言う方もいるのですが、サイディングはそれ自体がダメになったら貼り替えるしかないのです。
この部分についてもう少し詳しく説明をしていきます。
そもそもサイディングは、セメント質原料とパルプや木繊維といった繊維質原料を成型し、養生・硬化させて塗装をした外壁材のことをいいます。
サイディングは「サイディングとサイディングを繋ぐコーキングというプニプニしたゴムのようなものを10年に1回くらいメンテナンスで再度貼り替えなければいけません。」と言われます。
そしてそれと合わせて「外壁も10年に1回は塗装してください。」と言われるのです。
ただ最近では、コーキングを使わないで金物を使って施工するタイプのサイディングも出てきているので「コーキングのメンテナンス費用がかからない。」「かかるのは外壁の再塗装代だけ!」というように謳って「昔に比べてサイディングもよくなってるんですよ。」「だから大丈夫です。」「メンテナンスフリーですよ。」というような営業トークをしてくる人もいるのです。
ですが、サイディングはどこまでいってもサイディングです。
言ってしまえば、ただのコンクリートの板なのです。
ですので例えば、住んでいる場所やその環境・気候によって、サイディング自体が曲がってくることもあります。
これがけっこう厄介で、サイディング自体が曲がってしまうと、それはもう外壁自体を全て貼り替えなければ補修できないのです。
「いやいやそんなことあるわけないじゃん!!」と思われる方も多いと思いますが、皆さんイメージしてみてください。
日本は元々工業で成り上がった国なのです。
我々は工業化製品に囲まれて日々暮らしているわけですが、工業化製品はいわゆる大量生産品なので、長持ちしないのです。
皆さんは100円均一の品物が長持ちすると思いますか?
思いませんよね?
ニトリの家具は後世に引き継げるような立派で丈夫なものになっていますか?
なっていないですよね?
サイディングも要はそれと同じような位置付けなのです。
ですので営業マンが時々、気合いと根性と勘による「大丈夫です!」という言葉でサイディングをサイディング以上の価値があるように思わせる営業トークをしてきたりするのですが、それは間違っていると思ってください。
元々メンテナンスがかかりやすい外壁なのです。
サイディングは、家が20年、長くても30年でダメになってもいい、そう思っている方向けの外壁となります。
では、いい外壁とは何なのかというと、タイルもしくは吹き付け、このどちらかになります。
タイルは強度も高いですし、曲がったり反ったりすることがありません。
ただし、使っている断熱材によっては、高気密高断熱住宅と相性が悪いこともあります。
また、吹き付けに関しては多くの方が「吹き付けはひび割れる。」「雨垂れが気になる。」と言うのですが、それは昔の話で今の吹き付けはかなり性能がよくなっています。
実際に私の家も吹き付けなのですが、全く汚れないですし、雨垂れも出ません。
ですので個人的には外壁を選ぶのであれば、吹き付けが優先順位1番で、次にタイル、それ以外の外壁はあまりよくないということになります。
あくまでハウスメーカーで家を建てる場合の話ではありますが、1つ参考にしてみてください。
安くても後悔する仕様4:シート系床材
こちらもサイディングと同じで結局のところ大量生産品なので、基本的に長持ちするような床材ではありません。
では、そもそもシート系床材とは何なのかというと、インクジェットで木目を印刷したビニールシートを合板に巻き付けて床材としているものです。
これ、価格は安いのですが、結局のところ表面は本物の木ではないので、足触りはペタペタしますし「メンテナンスフリーです。」「床材の強度があります。」などいろいろ言われているのですが、個人的にはどれでも誇張しているようにしか思えません。
というのも、シート系床材は確かに本物の木ではないのでメンテナンスフリーと謳ってもいいのかもしれませんが、結局のところシートなので、表面に傷が付いたら補修するのは不可能です。
補修用クレヨンで傷を塗りつぶすということをすれば傷は目立たなく
なるのですが、クレヨンです。
補修という感じではありません。
そのため、シート系床材のメンテナンスフリーは、補修ができないからメンテナンスフリーと言っているのではないかなと私は思ってしまいます。
また、強度に関してもそこまで硬いわけではありません。
スマホの落とし方が悪いと、普通に凹みます。
しかも補修もできません。
ですので、シート系床材はあくまでサイディングと同じ大量生産品なので、基本的に長持ちするような床材ではないということ、これを覚えておいてください。
ただし、例外もあって、シート系床材の中でもトリニティという床材は別格です。
見た目もシートっぽさを感じないですし、触り心地も木の道管がくっきり出ているので、いかにも本物の木を触っているかのようなザラザラ感があるのです。
ですので「シート系床材を使いたい!」「採用したい!」という方は、トリニティを選んでみるといいのかもしれません。
ただし、トリニティの価格は安くありません。
下手したら挽板と同じくらいの価格だったりもします。
時々、知識のない住宅系のインフルエンサーが「トリニティは安い」というような発信をしているのですが、それは間違いです。
トリニティは高いです。
それでしたら、私は表面に本物の木を使っている挽板を皆さんにおすすめします。
ぜひとも比較、検討してみてください。
安くても後悔する仕様5:シーリングライト
価格を安く抑えようとする時に最終手段で登場するのがシーリングライトです。
シーリングライトは、賃貸などであるようなUFO型の天井に付ける照明のことです。
これを付けることで、安く、そして部屋全体を1つの照明で明るくできるわけです。
ただこの照明は言うなれば「明るさ=富の象徴」とされていた時代の照明で、今となっては明るすぎる空間は品がなかったりもします。
例えばマックや日高屋は深夜でも煌々と白色灯が輝いていますが、品があり、落ち着く空間になっているかと言われればそうではありません。
あれは戦略的に明るい空間にすることで、早食いを促進させて回転率を上げるために、あのような照明計画にしているので、仕方ないと言えば仕方ないのですが。
一方で、品があったり落ち着いたりする空間は、照明のトーンが落とされています。
旅館がまさにそうです。
ですので、安いからという理由でシーリングライトを設置してしまうと、非常にインスタントで落ち着かない空間となってしまうわけです。
これに関してどうすればいいのか、その解決策をお伝えすると2つあります。
1つ目は間接照明をメインの光源として使うということです。
照明計画というのは、最初に間接照明で室内全体の明るさを調整して、その次に局所的に必要な部分にダウンライトなどを入れ、最後に装飾としてペンダントライトを入れる、この順番で計画をしていくのです。
ですので、寝室などシーリングライトを使う部屋においても同様に、まずは間接照明から計画していくのがセオリーとなります。
間接照明はそこまで多額の費用がかかるわけでもないので、一度どのようにしたらいい感じの照明計画になるのか検討してみてください。
次に、もし間接照明がつけられないという場合は、壁側にダウンライトを寄せて、反射光を使って部屋の中を明るくさせるという方法も存在します。
これなら普通のダウンライトを設置するだけなので、そこまでトリッキーなことをする必要もありません。
こちらも1つの方法として覚えておいてもらえればと思います。
とにかく安いからといってシーリングライトを使うのはあまりおすすめしません。
金銭的にかなり厳しいなど、どうしようもなくなった時にのみ、ご活用ください。
安くても後悔する仕様6:白のコンセントやスイッチ
スイッチ・コンセント、これらは一言で言い換えると『機能性と装飾性を兼ねた、身近で不可欠なもの』であり、洋服でいうボタンのようなものです。
ボタンはただ服を着る時に使うものくらいの感覚しかないと思いますが、洋服の金額が高くなれば高くなっただけ、貝殻を使ったボタン、象牙を使ったボタン、あとは真鍮を使ったボタン、その服の個性を象徴するかのような様々なボタンが使われます。
要はそれと同じ感覚で、スイッチ、コンセント、あとはドアノブもそうなのですが、これらもそれ自体が機能性と装飾性を兼ねた身近で不可欠なものである一方で、説明を受けなければわからない、でも説明を受けるとハッとする軽視できない重要な存在なのです。
だからこそ、適当に普通の白のコンセントやスイッチを入れると後悔するわけです。
では、具体的にどのような素材を使ったらいいのかというと、私個人的には真鍮系のものがおすすめです。
真鍮は経年変化でアンティーク感が出るのです。
建物の価値や愛着を感じられるようにするためには、いかに時間的要素を取り入れられるか、これがポイントになってきます。
そういう意味では真鍮という素材は非常に使い勝手のいい素材になるので、真鍮のスイッチ・コンセント・ドアノブを探して取り入れてみるといいかもしれません。
また、もし仮に真鍮が好みではない、価格を抑えつつ見た目がいいものを選びたいということであれば、パナソニックから出ているアドバンスシリーズは見た目が悪くないですし、価格もそこまでしないのでおすすめです。
安くても後悔する仕様7:日本製の食洗機
最近、パナソニックがフロントオープン型の食洗機を出しました。
この食洗機はミーレやボッシュ、ガゲナウといった海外の食洗機を参考にして作ったもので、特徴としては2つあります。
- 海外製の食洗機よりもより強力に洗浄できる
- 海外製の食洗機にはなかった乾燥機能がある
この2つです。
ですので、パナソニックのフロントオープン型の食洗機は、完全に海外食洗機の上位互換になったわけなのですが、それ以外の日本の食洗機はどうなのかというと、ほぼ全て深型とよばれる引き出し型の食洗機になります。
このタイプの食洗機は、洗った食機を立てかけておく水切りから着想を得ている食洗機で、実は洗浄力はそこまでないのです。
実際に私も以前に深型の食洗機を使っていましたが、海外製の食洗機と比較すると汚れは全然落ちなかったですし、容量も少ないので、結局普通に水洗いしていました。
食洗機は家事を短縮できる最強のアイテムだと思いますし、一度使うと食洗機のない生活は考えられなくなります。
ただそれはきちんとした機能を持っている食洗機であることが前提の話となるので、これから家づくりをする方はパナソニックが出したフロントオープンの食洗機、もしくは海外製の食洗機を採用するようにしましょう。
間違ってもそれ以外の食洗機は入れない方がいいです!
安くても後悔する仕様8:急勾配の階段
これに関しては特に尺モジュールを使っているハウスメーカー、具体的にお伝えをすると
- 住友林業
- ヘーベルハウス
- ダイワハウスの鉄骨と木造のxevo BeWood
- ミサワホーム
- 三井ホーム
- セキスイハイム
- パナソニックホームズ
などです。
これらのハウスメーカーが尺モジュールを使っているわけなのですが、実際に建物見学に行くと階段の勾配がやたら急なのがわかると思います。
階段勾配が急なのは、日々生活する上で非常にキツいのです。
何がキツいって、シンプルに上り下りがしんどくなりますし、いちいち「階段から転げ落ちないように…」「勾配が急だなぁ…」などと考えて上り下りしなければならないので、それもまためんどうです。
いろいろなハウスメーカーの家を見に行きますが、やはり階段の勾配がきついのは住み心地悪いだろうなと毎回思います。
ただ勾配を緩くするためには造作で階段をつくらなければならないので、まぁまぁ金額が高くなります。
この辺りはお財布と相談にはなりますが、とにかく
- 住友林業
- ヘーベルハウス
- ダイワハウスの鉄骨と木造のxevo BeWood
- ミサワホーム
- 三井ホーム
- セキスイハイム
- パナソニックホームズ
これらのハウスメーカーで家を建てようと考えている方は、階段の勾配を気にしてください。
階段の勾配は緩ければ緩いほど住み心地がよくなります。
安くても後悔する仕様9:アルミ樹脂複合サッシ
住宅の高気密高断熱化、これが進めば進むほど、アルミ樹脂複合サッシでは対応できなくなってきます。
具体的にお伝えをすると、アルミ樹脂複合サッシは外気と室温の温度差が20℃の場合、室内の湿度が52%以上になると結露し始めるという特性があります。
一方でアルミ樹脂複合サッシよりも性能がいいとされている樹脂サッシは、外気と室温の差が20℃の場合、室内の湿度が73%以上になると結露し始めます。
つまり住宅が高気密高断熱になればなるほど、アルミ樹脂複合サッシでは結露リスクが高まるということです。
住宅営業マンによっては「アルミ樹脂複合サッシでも十分です。結露しません。」などと言うのですが、それは裏を返せば「自分達は断熱性能と気密性能の悪い住宅を売ってます。」と言っているのと同じなわけです。
サッシは家の断熱性能や冬場の快適性に大きく関わってくる部分です。
特性をきちんと理解した上で採用するようにしてください。
安くても後悔する仕様10:ペアガラス
窓には
- シングルガラス
- ペアガラス
- トリプルガラス
という3つのガラスがあります。
ただし今現在、シングルガラスはほとんど使われていません。
ですので
- ペアガラス
- トリプルガラス
を採用することになります。
また、ペアガラスやトリプルガラスの間には断熱性能の元となる素材が入っていて
- アルゴンガス
- クリプトンガス
- 真空
これらのどれかが入ることになります。
ちなみに、ペアガラスよりもトリプルガラスの方が断熱性能は高くなります。
また、ガラスの間に入る断熱性能の元となる素材は、アルゴンガスよりもクリプトンガス、クリプトンガスよりも真空といった感じで断熱性能が高くなります。
では結局どの組み合わせがベストなのかというと、トリプルガラスはマストで、あとは値段や窓のサイズ感を確認して、ガラスの間に入る断熱性能の元となる素材を決めるというのがベストになります。
というのも実は、ガラスの間に入る断熱性能の元となる素材である
- アルゴンガス
- クリプトンガス
- 真空
これらは年間で1%〜2%くらい断熱性能が落ちると言われています。
なぜなら、ガスが抜けたり空気が入ったりしてしまうからです。
そのため例えば、ペアガラスだとガラスとガラスの間にあるいわゆる中空層が1層しかないため、窓の性能の劣化も早くなるわけです。
一方でトリプルガラスは中空層が2層あるので、多少断熱性能が下がってもペアガラスと比較して圧倒的に劣化スピードが遅くなるのです。
ですので基本的にはトリプルガラス推奨で、ガラスの間に入る断熱性能の元となる素材は値段や窓のサイズ感を確認して決めるのがベストなのです。
ただし、こういったことを知らずに「トリプルガラスは必要ありません。」「トリプルガラスにすると重くなるのでおすすめしません。」などわけのわからない理由で、何がなんでもペアガラスを推し進めてくる営業マンもいます。
そういった営業マンは間違いなく、トリプルガラスを採用した経験もなければ、なぜトリプルガラスにしなければならないのか、その理由も答えられないはずです。
ペアガラスを推し進めてきたらやばい営業マンだと思ってください。
注文住宅で安くても後悔する仕様10選のまとめ
今回は『注文住宅で安くても後悔する仕様10選』というテーマでお話をしてきました。
- 硬質アスファルトルーフィング1層
- スレート瓦
- サイディング
- シート系床材
- シーリングライト
- 白のコンセントとスイッチ
- 日本製の食洗機
- 急勾配の階段
- アルミ樹脂複合サッシ
- ペアガラス
以上になります。
ぜひとも参考にしてみてください。
また、もっと詳しく知りたい方や、他のハウスメーカーってどうなの?と思われた方は、私が運営しているメグリエから私との無料個別面談を申し込んでもらえれば開示できる範囲で新しい情報を開示します。